JP2018044851A - 長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理システム及び長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理方法 - Google Patents

長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理システム及び長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理方法 Download PDF

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廣久 高野
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則正 山本
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敬 武藤
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厚夫 飯吉
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博儀 櫻井
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Abstract

【課題】簡単な構成でLLFPに効率的に中性子を照射して核種変換を行うことができる長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理システム及び長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理方法を提供する。【解決手段】長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理システムは、LLFPに中性子を照射し核種変換を行うLLFP処理装置1と、ミュオンを発生させるミュオン発生手段2と、を備える。LLFP処理装置1は、中性子遮蔽容器10と、ミラー磁場によりプラズマを閉じ込めるプラズマ閉じ込め手段11と、プラズマを加熱するための加熱手段12と、ミュオン触媒核融合反応により発生した中性子をLLFPに照射するための照射体ユニット13と、中性子を遮蔽する遮蔽部材14と、遮蔽部材14を冷却するとともに中性子の減速材として作用する冷却手段15と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、長寿命核分裂生成物(LLFP)の中性子による核種変換を行う長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理システム及び長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理方法に関する。
従来、長寿命核分裂生成物(LLFP)、例えば高レベル放射性廃棄物(HLW)の処理方法としては、ガラス固化体とした後の地層処分が検討されてきたが、地層処分場からの公衆被ばくなどの問題があった。
そこで、LLFPの核種変換により、半減期を低減、または安定同位体へ変換する技術が検討されている。
LLFPの核種変換は、LLFPに高強度の中性子を照射することにより行われる。高強度の中性子源としては、プラズマを使った制御熱核融合反応や超ウラン元素の核分裂反応などが候補として挙げられる。
しかし、プラズマを使った制御熱核融合反応により、LLFPの処理に必要な中性子数(例えば、1017個/s以上)と粒束密度を得るには、少なくとも国際熱核融合実験炉(ITER) 級の大型設備が必要であるという問題があった。
また、特許文献1には、中性子源として、ミュオン触媒核融合を利用する方法が提案されている。
特開平7−239397号公報
特許文献1に記載のミュオン触媒核融合では、ミュオンのターゲットとして、ジュウテリウムとトリチウムの高圧混合ガスを含むシリンダ状のガスターゲットを用いている。これによれば、小さな体積の高密度ガスターゲットに高エネルギー密度のミュオン粒子を入射して、そのターゲット内でDT核融合反応を起こさせるため、冷却が極めて困難な高密度エネルギーを取り扱うことになる。また、ガスターゲットの閉じ込め圧力が高く、装置上の制約が大きい、という問題があった。
更に、ミュオンを閉じ込める構成がないため、ミュオンを効率的に利用できないという問題もあった。
そこで、本発明は、より簡単な構成でLLFPに効率的に中性子を照射して核種変換を行うことができる長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理システム及び長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
長寿命核分裂生成物(LLFP)の半減期を短くするための長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理システムであって、
ミュオンを発生させるミュオン発生手段と、LLFP集合体に中性子を照射し核種変換を行うLLFP処理装置と、を備え、
前記LLFP処理装置は、
ミラー磁場により重水素のプラズマまたは重水素及び三重水素のプラズマを閉じ込めるプラズマ閉じ込め手段と、
プラズマにミュオンが照射されることにより生じるミュオン触媒核融合反応により発生した中性子をLLFP集合体に照射するための照射体ユニットと、
前記照射体ユニットを取り囲んで配置され、中性子を遮蔽する遮蔽部材と、
前記遮蔽部材を冷却する冷却手段と、
を備えた、
という技術的手段を用いる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理システムにおいて、
前記照射体ユニットは、前記LLFP集合体を、前記プラズマ閉じ込め手段に閉じ込められたプラズマのスロート部を取り囲んで、中性子強度が高い位置に配置する、
という技術的手段を用いる。
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理システムにおいて、
前記遮蔽部材は、ホウ化物からなる、
という技術的手段を用いる。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理システムにおいて、
前記冷却手段は、液体媒体による熱交換を行うとともに、当該液体媒体による中性子遮蔽を行うものである、
という技術的手段を用いる。
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理システムにおいて、
前記LLFP処理装置は、前記照射体ユニットを上下方向に挿抜可能に構成されている、
という技術的手段を用いる。
請求項6に記載の発明では、長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理方法において、
ミラー磁場により重水素のプラズマまたは重水素及び三重水素のプラズマを閉じ込める工程と、
閉じ込められたプラズマにミュオンを導入する工程と、
ミュオンの導入により生じたミュオン捕獲原子にプラズマの高速イオンを衝突させて中性子を発生させる工程と、
発生した中性子をLLFP集合体に照射して半減期を短くするための核種変換を行う工程と、
を備えた、
という技術的手段を用いる。
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理方法において、
前記LLFP集合体を、閉じ込められたプラズマのスロート部を取り囲んで、中性子強度が高い位置に配置する、
という技術的手段を用いる。
請求項8に記載の発明では、請求項7に記載の長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理方法において、
前記LLFP集合体の厚さは10cm以下とする、
という技術的手段を用いる。
請求項9に記載の発明では、請求項6ないし請求項8のいずれか1つに記載の長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理方法において、
前記LLFP集合体の外方を、中性子が外部に漏出しないように遮蔽する遮蔽部材により取り囲み、前記遮蔽部材を冷却手段により冷却する、
という技術的手段を用いる。
請求項10に記載の発明では、請求項9に記載の長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理方法において、
前記冷却手段は、液体媒体による熱交換を行うとともに、当該液体媒体による中性子遮蔽を行う、
という技術的手段を用いる。
請求項1に記載の発明によれば、プラズマにミュオンを照射して起こすミュオン触媒核融合による中性子を用いて、LLFPに効率的に中性子を照射してLLFPの核種変換を行い、半減期を低減することができる。
また、固体や高圧気体ではなく、広い面積に広がったプラズマの高エネルギーのイオンとの反応を利用することにより、冷却などの工学的な制約を緩めることができる。更に、遮蔽部材により中性子を遮蔽し、そこで生じる熱量を冷却手段で回収して有効に利用することができる。これにより、システム全体としてエネルギー収支が良好な処理システムとすることができる。
更に、ミュオンを磁場により閉じ込めて有効に利用することができるので、連続した効率的な運転が可能である。
LLFP集合体を、請求項2に記載の発明のように配置することにより、中性子ソースから広い領域に向かって照射される中性子を、LLFP集合体で効率よく受けることができる。
請求項3に記載の発明のように、遮蔽部材をBCなどのホウ化物からなるように構成することにより、中性子を有効に遮蔽することができるとともに、自らは放射化しないため、好適である。
請求項4に記載の発明によれば、冷却手段が、中性子の減速材としての役割を果たし、中性子遮蔽を行うので、より有効に中性子遮蔽を行うことができる。
請求項5に記載の発明によれば、LLFP処理装置は、照射体ユニットを上下方向に挿抜可能に構成されているので、照射体ユニットの挿入、抜き取りが容易となり、例えば、照射体ユニット13を遠隔で操作し組み立て、分解することができる。
請求項6に記載の発明によれば、プラズマにミュオンを照射して起こすミュオン触媒核融合による中性子を用いて、LLFPに効率的に中性子を照射してLLFPの核種変換を行い、半減期を低減することができる。
LLFP集合体を、請求項7に記載の発明のように配置することにより、中性子ソースから広い領域に向かって照射される中性子を、LLFP集合体で効率よく受けることができる。
請求項8に記載の発明のように、LLFP集合体の厚さを10cm以下にすることにより、核種変換効率を高めることができる
請求項9に記載の発明によれば、遮蔽部材により中性子を遮蔽し、そこで生じる熱量を冷却手段で回収して有効に利用することができる。
請求項10に記載の発明によれば、冷却手段が、中性子の減速材としての役割を果たし、中性子遮蔽を行うので、より有効に中性子遮蔽を行うことができる。
長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理システムの構成を示す模式図である。 LLFP処理装置の構成を模式的に示した説明図である。図2(A)は断面図、図2(B)は内部構造を示す斜視図である。 照射体ユニットの構成を模式的に示す説明図である。図3(A)は斜視図、図3(B)は内部構造を示す斜視図である。 照射体ユニットへのLLFP集合体の配置状態を模式的に示す説明図である。 LLFPの有効半減期のLLFPタイルの厚さ依存性を説明するための説明図である。 長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理システムの変更例を示す模式図である。
(長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理システムの構成)
本発明の長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理システムSについて図1−3を参照して説明する。ここで、図2では、装置内におけるプラズマの形状が理解できるようにプラズマを記載した。また、図2(A)では、照射体ユニット13を配置したときのプラズマとの位置関係を示すために、照射体ユニット13は一部透視図とした。
長寿命核分裂生成物の半減期を短くするための長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理システムSは、LLFPに中性子を照射し核種変換を行うLLFP処理装置1と、ミュオンを発生させるミュオン発生手段2と、を備える。
LLFP処理装置1は、主体である中性子遮蔽容器10と、ミラー磁場により重水素のプラズマ、または、重水素及び三重水素のプラズマを閉じ込めるプラズマ閉じ込め手段11と、プラズマ閉じ込め手段11により閉じ込められたプラズマを加熱するための加熱手段12と、プラズマにミュオンが照射されることにより生じるミュオン触媒核融合反応により発生した中性子をLLFPに照射するための照射体ユニット13と、中性子が外部に漏出しないように遮蔽する遮蔽部材14と、遮蔽部材14を冷却するとともに中性子の減速材として作用する冷却手段15と、を備えている。
中性子遮蔽容器10は、外観が縦型の円筒状に形成されており、両端に開口部を有する細長い円筒状に形成された真空容器10aを備えている。上方の開口部10bからは、照射体ユニット13を内部に挿入し所定の位置に配置できるように構成されており、下方の開口部10cは後述するダイバータ部16に接続されている。
真空容器10a上端近傍には、後述するミラー磁場のスロート部Psに高密度の固体水素のクラスターを連続的に投入するためのノズル17が配置されている。本実施形態では、投入する固体水素は、重水素と三重水素とを混合したものである。
プラズマ閉じ込め手段11は、ミラー磁場を発生させる1組のメインミラーコイル11a、11aと、複数個の中央部コイル11b、複数個の補助コイル11cと、を備えている。
上記各コイルは、中性子遮蔽容器10を囲むように外観が円筒形に形成され、直線状に配置されている。メインミラーコイル11a、11aは、中性子遮蔽容器10の端部近傍に配置され、中央部コイル11bは、メインミラーコイル11a、11a間に配置され、補助コイル11cは、メインミラーコイル11aと中央部コイル11bの間に配置されている。
プラズマを閉じ込めるためのミラー磁場は、1組のメインミラーコイル11a、11aに同方向に電流を流すことにより形成される。メインミラーコイル11a近くでは磁場が強く、メインミラーコイル11a間の中央部では弱い磁場となり、両端を絞り込み、中間部分を膨らませた磁場の形状を有することになり、その内部にプラズマを閉じ込めることができる。この絞り込み部分をスロート部Ps、その中間を胴部Pbという。スロート部Psでは、胴部Pbに比べ磁場強度を数倍に高めてプラズマの径を絞り、プラズマの密度を高めることができる。
本発明では、メインミラーコイルと中央部コイルとの組み合わせにより、ミラー型装置を構成している。両端のメインミラーコイルにより形成されるミラー磁場を、中央部コイルの磁場により接続し、プラズマの閉じ込め性能を向上させることができる。また、両端の磁場も高くなるため、プラズマ密度を高めることができる。ミラー型装置として、例えば、タンデムミラー型を採用することもできる。
補助コイル11cは、磁気ビーチ形成用の逆磁場コイルであり、中央部コイル11bやメインミラーコイル11a、11aの間に配置されている。補助コイル11cは、電流を制御することにより重水素イオンを加速し高エネルギーイオン成分(高エネルギーテイル)を作る波動加熱のために、磁場強度を制御するものである。
本発明では、加熱手段12は高周波加熱用の高周波アンテナであり、ミラー磁場の胴部近傍にプラズマを円周状に取り巻くように設けられている。本実施形態では、加熱手段12は、後述する照射体ユニット13の直近に設けられている。これにより、プラズマの近くに加熱手段12を配置することができるので、効率的に加熱することができる。
高周波コイルアンテナは、高密度(1兆個/cc程度)、低温(数万度)のプラズマを発生させるためのプラズマ発生アンテナと、イオンを加速するためのイオンサイクロトロン波励起用アンテナと、を備えている。
プラズマ生成用アンテナは、プラズマを高周波電磁界により生成し、重水素ガス、または、重水素と三重水素との混合ガスを用いたプラズマは、密度1018個/m以上であって、電子温度で数eV以上のプラズマを発生させるために必要な出力とする。真空容器壁の構造材質、ガスの純度、等により最適化を図ることができる。
イオンサイクロトロン波励起用アンテナは、イオンサイクロトロン共鳴により、胴部で発生させたプラズマにおいて、磁場に垂直な速度成分を加速する。
プラズマ発生アンテナとイオンサイクロトロン波励起用アンテナとの配置は適宜設定することができる。例えば、上下方向に配置したり、対向する1組のアンテナをプラズマ発生アンテナとし、他の対向する1組のアンテナをイオンサイクロトロン波励起用アンテナとしたりすることができる。
照射体ユニット13は、筒状の本体部13a、13aを管状部材13bにより連結して形成されている。本実施形態では、本体部13a、13aの間の2箇所に、加熱手段12が設けられている。
本体部13a、13aは、上下方向に貫通する管状の部材であり、内面にLLFP集合体Lを保持可能に構成されている取付部13c、13cが形成されている。また、本体部13a上端側には、ミュオンを内部に導入するためのミュオン導入口13dが設けられ、下端側には不純物排出口13eが設けられている。
照射体ユニット13は、真空容器10aに挿抜可能に形成されており、上部に配置される本体部13a上端側には、真空容器10aに挿入したときに所定の位置に位置決めをするための係止部材13fが設けられている。
取付部13c、13cはメインミラーコイル11a、11aにそれぞれ対向する位置、つまり、LLFP集合体Lを、ミュオン触媒核融合により発生する中性子の中性子強度が高い位置、つまりプラズマのスロート部Psを取り囲む位置に配置可能に構成されている。
管状部材13bの一部には冷却水を流すことができ、本体部13a、13aを冷却することができる。
本実施形態では、LLFP集合体Lは、図4に示すように、タイル状に形成されたLLFPタイルTを半球面Qに形成された取付部13cに沿って球殻状に配置して取り付けられる。LLFP集合体Lをこのような形状、配置とすることにより、プラズマのスロート部Psを取り囲んで、中性子ソースから広い領域に向かって照射される中性子を、LLFP集合体Lで効率よく受けることができる。
ここで、LLFPをタイル状に形成して、LLFP集合体Lを構成することにより、形状を構成しやすいとともに、中性子が照射されたときに生じる熱による熱応力を緩和することができ、好適である。なお、LLFP集合体Lは円筒状に形成したり、タイルで構成するのではなく、例えば、一体的に成形したりすることもできる。
遮蔽部材14は、ミュオン触媒核融合により多量に発生する高速中性子を減速させて中性子が装置外に漏出しないように遮蔽するための部材であり、中性子を有効に遮蔽可能な物質、例えば、BCなどのホウ化物からなる遮蔽体のブロックからなる。遮蔽部材14は、照射体ユニット13を取り囲むように中性子遮蔽容器10内に配置されている。遮蔽部材14をBCなどのホウ化物からなるように構成することにより、中性子を有効に遮蔽することができるとともに、自らは放射化しないため、好適である。
冷却手段15は、遮蔽部材14を取り囲むように設けられ、例えば、純水のような液体媒体を循環させることにより遮蔽部材14を冷却するとともに中性子の減速材としての役割を果たす。本実施形態では、中性子遮蔽容器10の本体内部が冷却手段15として構成されている。冷却手段15が、中性子の減速材としての役割を果たし、中性子遮蔽を行うので、より有効に中性子遮蔽を行うことができる。
遮蔽部材14と冷却手段15との組み合わせにより、遮蔽部材14で中性子が外部に漏出しないように遮蔽し、遮蔽部材14において中性子を遮蔽した際に発生する大量の熱を冷却手段15により冷却するとともに、排熱を回収し、有効利用することができる。
ここで、核融合炉などでブランケットに中性子を照射した場合には、発熱と同時に放射化するが、本発明では、LLFPで中性子エネルギーを低下させ、熱回収する構成を採用しているので、遮蔽部材14の放射化を制限することができる。
ダイバータ部16は、中性子遮蔽容器10の下流側端部に接続されており、外径を中央部より広げた領域を有するプラズマ容器16aを設け、外側にダイバータコイル16bを配置した構成である。ダイバータコイル16bは、メインミラーコイル11aと電流の向きが逆である。メインミラーコイル11aとダイバータコイル16bとに挟まれる領域のプラズマ容器16aの径を大きくとることによって高温プラズマによる熱負荷を軽減させている。高温プラズマを長時間にわたって磁場内に閉じこめるには、外方に向かって流れ出る高温プラズマをプラズマの主流から遠ざけることが有効である。ダイバータコイル16bによれば、メインミラーコイル11aの外側まで磁力線で導くことができる。なお、ダイバータ部16を備えていない構成を採用することができる。
ミュオン発生手段2は、陽子加速器20と、陽子をBeなどの標的に当てパイオンを発生させ、パイオンの自然崩壊によりミュオンを発生させるミュオン発生部21を備えている。
陽子加速器20は、公知の構成のものを使用することができる。
ミュオン導入部22は、ガイド磁場部22aと、四重極ミュオンフォーカス磁場部22bと、ミラー磁場入口22cと、を備えている。
陽子加速器20から導入されたミュオンビームは、ガイド磁場部22aを経由し、四重極ミュオンフォーカス磁場部22bによって直径を絞られ、ミラー磁場入口22cから照射体ユニット13の内部に導入される。
四重極ミュオンフォーカス磁場部22bは、中心部の磁気勾配を高くすることができるので、荷電粒子の収束(ビームを絞る)に好適に用いることができる。
(LLFPの短寿命化処理方法)
本発明の長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理システムSによるLLFPの短寿命化処理方法について説明する。
まず、照射体ユニット13の取付部13c、13aにLLFPタイルTからなるLLFP集合体Lを配置し、図2に示すように、真空容器10a内に挿入する。照射体ユニット13は係止部材13fにより真空容器10aの上端に係止されて、所定の位置に配置される。係止部材13fは、真空容器10aに照射体ユニット13を配置後に、溶接などに固定方法により気密に締結される。
本発明では、LLFP処理装置1は真空容器10aが鉛直方向に延設されるように縦型に構成しており、照射体ユニット13を上下方向に挿抜可能に構成されている。これにより、照射体ユニット13の挿入、抜き取りが容易となり、例えば、照射体ユニット13を遠隔で操作し組み立て、分解することができる。また、遮蔽部材14も同様に挿抜可能な構成とすることもできる。
次に、ノズル17により固体の三重水素のクラスターをミラー磁場のスロート部Psに噴射し、ミラー軸上からミュオンを入射し、三重水素にミュオンを捕獲させて三重水素ミュオン原子を形成させる。なお、三重水素に代えて重水素を用いることもできる。
続いて、ミラー磁場の胴部Pbに重水素の高密度プラズマを発生させ、これをイオンサイクロトロン共鳴によって垂直成分を加速してミラー磁場のスロートPsに導く。ここで、重水素の供給は、ガス導入 ペレット入射、等の公知の方法を採用することができる。
ミラー磁界に閉じ込められたイオンは、磁束密度が強くなる両端部分で、磁力線に平行な速度成分が減少し最終的にゼロになる。この場所で、イオンは磁力線に垂直にラーモア運動と呼ばれる円軌道を描き、イオンサイクロトロン周波数で旋回する。このため、熱核融合に係るイオンと標的のミュオン原子との衝突頻度が、イオンサイクロトロン周波数倍、高くなる。これは、液体より薄いプラズマイオンの密度を、等価的に液体と同程度にできることを意味している。
続いて、この高速の重水素イオンを、三重水素ミュオン原子に衝突させ、制御核融合反応を発生させる。
核融合反応により生じた中性子(DT中性子)は、例えば、1019個/秒となる。この中性子は、スロート部Psを囲むように設置されたLLFP集合体Lに吸収され、一部は背面に透過する。このとき、LLFPの核種変換が行われるため、LLFPの半減期を短くすることができる。
ここで、LLFP集合体Lを形成するLLFPタイルTの厚さと核種変換効率との関係について説明する。
以下の条件により、LLFPの核融合中性子による核種変換率を計算し、LLFPの有効半減期のLLFPタイルTの厚さ依存性を調べた。
・LLFPの配置:中性子ソースが中心に位置する半径25cmの球殻モデル
・計算方法:時間発展型速度方程式を用いたモンテカルロ法(PHITS)
・照射中性子:DT中性子(14.1MeV)
・核種:Cs−135、Pd−107、Se−79、Zr−93
・中性子強度は1017n/s、1018n/s、1019n/sの3水準
ここで、自然崩壊による半減期は、Cs−135:230万年、Pd−107:650万年、Se−79:29.5万年、Zr−93:153万年である。
計算結果を図5に示す。いずれの中性子強度においても、タイル厚さが10cmまでは、厚さが薄くなると急激に有効半減期を低減することができることがわかった。また、有効半減期は、中性子強度が高くなると低減し、例えば、10cmでは、それぞれの核種において、中性子強度が1017n/sのときには有効半減期は1000年程度、中性子強度が1018n/sのときには有効半減期は100年程度、中性子強度が1019n/sのときには有効半減期は10年程度に低減することができる。
これにより、LLFPタイルTの厚さを10cm以下にすることにより、核種変換効率を高め半減期を短くすることができることがわかった。また、中性子強度を1019n/sまで高めることにより、有効半減期を数十年という極めて短期間まで短縮することができることがわかった。
余剰の中性子とアルファ粒子は、遮蔽部材14により減速され、遮蔽される。このとき、遮蔽部材14において生じた熱を冷却手段15で冷却し、排熱を回収する。ここで、回収できる熱出力は、例えば300MW程度となり、システム全体の所要電力を十分に上回るものとなる。LLFPタイルTの厚さを薄くすることにより冷却手段15による熱回収の効率も向上させることができる。ここで、本実施形態では、冷却手段15の冷却媒体である純水は遮蔽材としても作用する。
(実施形態の効果)
本発明の長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理システムS及び長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理方法によれば、プラズマにミュオンを照射して起こすミュオン触媒核融合による中性子を用いて効率よくLLFPの核種変換を行い、半減期を低減することができる。
また、固体や高圧気体ではなく、広い面積に広がったプラズマの高エネルギーのイオンとの反応を利用することにより、冷却などの工学的な制約を緩めることができる。更に、遮蔽部材により中性子を遮蔽し、そこで生じる熱量を冷却手段で回収して有効に利用することができる。これにより、システム全体としてエネルギー収支が良好な処理システムとすることができる。
更に、ミュオンを磁場により閉じ込めて有効に利用することができるので、連続した効率的な運転が可能である。
(その他の実施形態)
上述した実施形態では、陽子加速器20を用いてミュオンを発生させて、外部からプラズマに導入したが、プラズマ装置の中に加速されたプロトンビームを直接打ち込み、カーボンなどのターゲットに照射しミュオンを発生させる構成を採用することもできる。
例えば、図6に示すように、プロトンビーム発生手段30により発生したプロトンビームを中性子遮蔽容器10に設けられた導入路を介してプラズマ閉じ込め手段11内に導入し、プロトンビームを内部に設けられたターゲットに当ててパイオンを発生させ、パイオンの自然崩壊によりミュオンを発生させる。これによれば、ミュオン発生部21に代えてプラズマ閉じ込め手段11の磁場を利用することができるため、装置を簡単なものにすることができる。また、ミュオンとプラズマとが直結するので、ミュオンの損失を低減することができ、ミュオンの利用効率を向上させることができる。
1…LLFP処理装置
2…ミュオン発生手段
10…中性子遮蔽容器
10a…真空容器
11…プラズマ閉じ込め手段
11a…メインミラーコイル
11b…中央部コイル
11c…補助コイル
12…加熱手段
13…照射体ユニット
13a…本体部
13b…管状部材
13c…取付部
13d…ミュオン導入口
13e…不純物排出口
13f…係止部材
14…遮蔽部材
15…冷却手段
16…ダイバータ部
16a…プラズマ容器
16b…ダイバータコイル
17…ノズル
20…陽子加速器
21…ミュオン発生部
22…ミュオン導入部
22a…ガイド磁場部
22b…四重極ミュオンフォーカス磁場部
22c…ミラー磁場入口
30…プロトンビーム発生手段
Pb…プラズマの胴部
Ps…プラズマのスロート部














Claims (10)

  1. 長寿命核分裂生成物(LLFP)の半減期を短くするための長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理システムであって、
    ミュオンを発生させるミュオン発生手段と、LLFP集合体に中性子を照射し核種変換を行うLLFP処理装置と、を備え、
    前記LLFP処理装置は、
    ミラー磁場により重水素のプラズマまたは重水素及び三重水素のプラズマを閉じ込めるプラズマ閉じ込め手段と、
    前記プラズマ閉じ込め手段により閉じ込められたプラズマを加熱するための加熱手段と、
    プラズマにミュオンが照射されることにより生じるミュオン触媒核融合反応により発生した中性子をLLFP集合体に照射するための照射体ユニットと、
    前記照射体ユニットを取り囲んで配置され、中性子を遮蔽する遮蔽部材と、
    前記遮蔽部材を冷却する冷却手段と、
    を備えたことを特徴とする長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理システム。
  2. 前記照射体ユニットは、前記LLFP集合体を、前記プラズマ閉じ込め手段に閉じ込められたプラズマのスロート部を取り囲んで、中性子強度が高い位置に配置することを特徴とする請求項1に記載の長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理システム。
  3. 前記遮蔽部材は、ホウ化物からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理システム。
  4. 前記冷却手段は、液体媒体による熱交換を行うとともに、当該液体媒体による中性子遮蔽を行うものであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理システム。
  5. 前記LLFP処理装置は、前記照射体ユニットを上下方向に挿抜可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理システム。
  6. ミラー磁場により重水素のプラズマまたは重水素及び三重水素のプラズマを閉じ込める工程と、
    閉じ込められたプラズマにミュオンを導入する工程と、
    ミュオンの導入により生じたミュオン捕獲原子にプラズマの高速イオンを衝突させて中性子を発生させる工程と、
    発生した中性子をLLFP集合体に照射して半減期を短くするための核種変換を行う工程と、
    を備えたことを特徴とする長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理方法。
  7. 前記LLFP集合体を、閉じ込められたプラズマのスロート部を取り囲んで、中性子強度が高い位置に配置することを特徴とする請求項6に記載の長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理方法。
  8. 前記LLFP集合体の厚さは10cm以下とすることを特徴とする請求項7に記載の長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理方法。
  9. 前記LLFP集合体の外方を、中性子が外部に漏出しないように遮蔽する遮蔽部材により取り囲み、前記遮蔽部材を冷却手段により冷却することを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか1つに記載の長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理方法。
  10. 前記冷却手段は、液体媒体による熱交換を行うとともに、当該液体媒体による中性子遮蔽を行うことを特徴とする請求項9に記載の長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022230755A1 (ja) * 2021-04-25 2022-11-03 学校法人中部大学 核融合システム、核融合方法、長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理システム及び長寿命核分裂生成物の核種変換短寿命化処理方法

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