JPH10294079A - 荷電粒子の質量測定の校正方法 - Google Patents

荷電粒子の質量測定の校正方法

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JPH10294079A
JPH10294079A JP9115183A JP11518397A JPH10294079A JP H10294079 A JPH10294079 A JP H10294079A JP 9115183 A JP9115183 A JP 9115183A JP 11518397 A JP11518397 A JP 11518397A JP H10294079 A JPH10294079 A JP H10294079A
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JP
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mass
ion
ion beam
magnet
flux density
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JP9115183A
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Yasushi Iwazawa
康司 岩澤
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Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオンビームを曲げることによって所望の質
量のものを選択する質量分離磁石において、熟練を要せ
ず、短時間でイオンビームの質量測定値を校正できるよ
うにした自動システムを提供すること。 【解決手段】 一つ又は複数の質量既知のイオン種をイ
オンビームとして引き出し、質量分析磁石に導き、出口
スリットからでて測定器に入射させるようにし、そのと
きの運動エネルギーEを変えて、磁束密度Bを測定し、
複数のデータから、(2mE)1/2 /qとBの関係式B
=a((2mE)1/2 /q)+bの中の比例定数aと切
片bとを最小二乗法によって決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン注入装置な
どイオンビームを発生し偏向させて試料に照射する装置
において、荷電粒子(イオン)の質量測定値を自動校正
するシステムに関する。イオン注入装置などイオンを試
料に打ち込む装置は、多くの種類のイオンの内所定のイ
オンだけを試料に注入するように設定されるべきであ
る。そのためにイオンの質量エネルギーが所定のものだ
けを通す機構が設けられる。
【0002】これはスリットと磁石よりなる選別機構で
ある。希望のイオンのみがスリットを通過するようしな
ければならない。そのため発生したイオンの質量を正確
に測定できなければならない。磁石、加速電源、スリッ
トなどの組み合わせによってイオンの質量を測定するが
測定値を校正する必要がある。装置を設置し運転を始め
る時、或いは修理改造などをして運転を再開するときな
どにこのような校正が必要である。校正は従来手作業に
よって行ってきた。
【0003】
【従来の技術】イオン質量測定の校正の必要性を、イオ
ン注入装置を例にして説明する。イオン注入装置は、原
料ガスをプラズマにし、イオンビームとして引き出し、
質量分離し、加速し(或いは減速し)、走査し、試料に
照射するものである。つまりある特定のイオンを、ある
深さに、ある所定の濃度だけ注入するのがイオン注入装
置である。打ち込みの深さは加速電圧により決まる。濃
度は走査の速さと電流量と照射時間で決まる。イオン種
を限定するのが質量分離装置である。これはイオン源か
ら出たイオンビームを質量分析磁石に通すことによって
なされる。
【0004】質量分析磁石は電磁石であるが励磁電流を
変えると磁束密度Bが変わる。磁場と直交する速度を持
ったイオンは磁場中で円運動をする。円の半径をラーモ
ア半径Rという。これは磁束密度Bによって変わる。図
4によってその関係を示す。イオンの速度vは運動エネ
ルギーEと、E=mv2 /2という関係にある。磁場中
を運動する荷電粒子にはたらく力(ロ−レンツ力)の大
きさはQvBで表されるが、この力は円運動の遠心力m
2 /Rとつりあうので、 BR=(2mE)1/2 /q (1)
【0005】という関係がある。mはイオンの質量、q
は電荷量、Bは磁束密度、Rはラーモア半径である。E
はイオンの運動エネルギーであり、これは加速電圧と引
き出し電圧の和と電荷の積であって正確に求めることが
できる。qは電荷素量に等しいかその整数倍でありイオ
ン種を決めると正確に決まる。mもイオンの質量で正確
に決まっている。Bは磁石によって作られる磁束密度で
あるから必ずしも一様でないし測定点も限られる。Rは
ラーモア半径であるが、実際にイオンは全周回転するの
ではなく限られた中心角の円弧を描くだけである。
【0006】イオン源の出口から直進したビームが磁石
によって曲げられ狭いスリットの開口を通過するのであ
るから、開口の位置によりこの磁石を通過できるイオン
軌跡の半径Rが決まってしまう。つまり質量分析磁石と
スリットの設定だけでBRが決まってしまう。Rはスリ
ットの開口の位置で決まり微調整はできるが大きく改変
できない。磁石を決めると結局これは磁束密度を実効的
に表現していると言って良い。BRはイオンの曲げ難さ
を表現するので、BRはmagnetic rigidity という。
【0007】イオン注入装置において、所望のイオン種
を薄膜などの試料に打ち込む必要がある。イオンの種類
は質量によって決められる。質量分析磁石によってそれ
を通過できるイオン質量を規定することができる。エネ
ルギ−が既知であれば磁束密度によってスリットを通過
できるイオンの質量がきまる。イオン種を決めるという
ことは、質量分析磁石の磁束密度を決めるということで
ある。イオンの質量mと磁石のBの間には(1)の関係
があるはずである。ところが実際の装置では、組み立て
誤差や磁束密度測定プロ−ブの位置によるモニタ値のば
らつきなどがあって(1)式からずれてくる。それで質
量測定システムの校正が必要である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来は質量分析器の質
量測定システムにおいて校正を行っていないか、或いは
手作業によって校正を行っていた。校正をしない場合は
磁束密度Bの設定と、選択すべき所望のイオンビームの
エネルギー、質量の関係に誤りが起こり得る。手作業で
校正する場合は、多大の時間と手間がかかる。また作業
者はビーム状態に臨機応変に対処しなければならず熟練
を要する。このような難点を解決し、質量分析磁石にお
いて、熟練を要せず、短時間で質量測定を校正できるよ
うにした自動システムを提供することが本発明の目的で
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の質量測定システ
ムの校正方法は、一つ又は複数の質量既知のイオン種を
イオンビームとして引き出し、質量分析磁石に導き、出
口スリットからでて測定器に入射させるようにし、その
ときの運動エネルギーEを変えて、磁束密度Bを測定
し、複数のデータから、(2mE)1/2 /qとBの関係
式B=a((2mE)1/2 /q)+bの中の比例定数a
と切片bとを最小二乗法によって決定する。校正した後
は、イオンビームのエネルギーEと磁束密度Bとからそ
の質量分析磁石を通るイオンの質量mをm=q(B−
b)2 /2a2 Eによって計算する。
【0010】
【発明の実施の形態】磁束密度Bのマグネットによって
電荷q、エネルギーEの荷電粒子を曲げる時曲げ半径
(ラーモア半径)をRとすると、 BR=(2mE)1/2 /q (2)
【0011】という関係にあり、BRがmagnetic rigid
itと言われるということは既に述べている。(2)式を
変形すると、 B=(1/R)(2mE)1/2 /q (3)
【0012】となる。しかし実際の装置では、組み立て
誤差や、プロ−ブの位置、磁場センサの誤差などのため
に、実測された磁束密度Bが、(3)からずれてくる。
そこで、Bと(1/R)(2mE)1/2 /qの間の関係
をつぎのように置き係数a、bの最適値を決める。 B=a((2mE)1/2 /q)+b (4)
【0013】初期値はa=1/R、b=0であるが、何
度も測定を繰り返して最適のa、bを決める。測定条件
はイオン注入するときと同じであるが、イオンビームは
試料に入射させるのではなくて試料の位置またはその近
くに置かれたファラディカップなどの検出器に入射させ
る。マグネットが1つでも2つでも3つであっても同様
にこの方法でパラメータa、bを決めることができる。
【0014】複数のマグネットM1 、M2 、M3 、…が
ある場合は、その一つに対して本発明の校正を行っても
良いし、全部のマグネットに対して本発明を実施しても
良い。それぞれにおいてパラメータa,bは相違する。
その場合、荷電粒子の質量測定値が複数のマグネットか
ら得られるということになる。
【0015】図2によって本発明の校正方法の手順を説
明する。スタートでプログラムが開始する。運転条件数
だけ以下の同じ操作を繰り返す。それで「運転条件数だ
けループ」と書いてある。運転条件の自動設定というの
は、イオン種(質量)、価数、エネルギーの設定などを
意味する。であるから式中のm、E、qが決まりBの大
体の値が決まる。
【0016】自動運転が開始される。イオン源からイオ
ンビームが出てマグネットによって曲げられファラディ
カップに入りイオンビーム電流が測定される。Bをその
辺りで少し振ってファラディカップに丁度イオンビーム
が入るようにし、最大のイオンビーム電流を与える時の
磁束密度が測定対象となる。もしもエラーが発生すると
初めからやり直す。エラー状態が解消されると再び測定
が続行される。エラーが解消されない場合は異常である
ことを理由として運転は自動的に停止される。
【0017】磁束密度Bの値が測定できれば自動運転は
完了する。そのときの質量m、電荷量q、ビームエネル
ギーE、磁束密度Bが記憶される。このうちm、qは運
転条件からきまる理論値、E、Bは実際の観測値であ
る。マグネットが複数ある場合は、E、Bが複数のデー
タになる。これらの値の組が記憶される。複数のパラメ
ータの組がなければふたつの未知数が決まらない。2以
上であれば良いはずであるが高精度の結果を得るために
は10組程度の測定パラメータが必要である。そこで運
転条件をs通りにしてs組のパラメータを測定する。従
って同じ工程をs回繰り返す。これが「運転条件数だけ
ループ」という意味である。m、q、E、Bはその運転
条件の度に異なる。{m1 ,q1 ,E1 ,B1 }、…、
{ms ,qs ,Es ,Bs }のデータがメモリに蓄えら
れる。
【0018】これらのS組のデータから B=a((2mE)1/2 /q)+ b (5) のパラメータa、bを最小二乗法によって求める。これ
がデータフィッティングである。デフォルト(初期値)
の値はa=1/R、b=0である。この値と計算された
値をオペレータに提示する。オペレータは計算値a、b
と初期値を比較しどちらを採用するか判断する。オペレ
ータが計算値を採用すべきと判断すると、デフォルト
(初期値)のa,bを計算値に置き換える。これが
「a,bの値を計算値に変更」という意味である。これ
によってその質量分析磁石の測定系の定数a、bが決ま
る。定数を変更したときは以後その定数によって質量を
測定する。
【0019】複数のデータから、aとbを求める方法を
次に説明する。独立変数は(2mE)1/2 /qで、従属
変数はBである。独立変数は総加速電圧をVとして、
(2mV/q)1/2 と書く事もできる。独立変数も従属
変数も測定値として与えられる。簡単のため独立変数を
Xと書く。X=(2mE)1/2 /qである。s個のデー
タの組(X1 ,B1 )…(Xj ,Bj )…(Xs ,B
s )が得られる。
【0020】これが図3に示すように、B=aX+bと
いう一次式のグラフの近くに点在するはずである。aは
一次式グラフの傾きでbは切片である。実際にはデータ
がそのグラフの上にきちんと載るわけではなく誤差があ
る。その誤差を最小にするという条件でパラメータaと
bを決める。誤差はj番目のデータについて、(Bj
aXj −b)である。これは正負の符号を取り得て、ど
ちらにずれていても同じだけの誤差と評価されるべきで
ある。そこでそれを2乗した値をj番面のデータの誤差
だと考える。s個のデータがあるので誤差の和は、先ほ
どの値の二乗を加えたものである。これをQとすると、
【0021】
【数6】
【0022】となるがこれが二乗誤差である。これを最
小にするaとbであるから、δQ/δa=0、δQ/δ
b=0であるべきである。
【0023】
【数7】
【0024】
【数8】
【0025】これを解いて、
【0026】
【数9】
【0027】
【数10】
【0028】を得る。但し
【0029】
【数11】
【0030】
【数12】
【0031】
【数13】
【0032】
【数14】
【0033】この計算は簡単である。s個のデータ(X
j ,Bj )(但しXj =(2mjj1/2 /qj )か
ら容易にパラメータa、bを計算することができる。最
小二乗法でパラメータを決めるというのはこういう事で
ある。s個のデータの組が決まれば上の式から直ちにパ
ラメータが計算できる。
【0034】
【実施例】あるイオン注入装置の質量分離マグネットに
適用した例について述べる。これは本出願人の製造する
EXCEED2000というイオン注入装置である。イ
オン源1では所望のガスのプラズマを作り引出電極によ
って引き出してイオンビームを生成する。エネルギーは
イオン源の引出電圧Vexと電荷qの積qVexである。こ
れが第1の質量分析電磁石2によって軌跡を曲げられ
る。適当なエネルギ−と質量を持つイオンビームだけが
適当な半径Rを描いて曲がり分析スリット3を通過する
ことができる。それ以外の質量、エネルギーのイオンは
スリット又は分析管の壁に衝突して消滅する。スリット
を通過できた所望の質量のイオンはさらに加速管4によ
って適当なエネルギーまで加速される。加速管の電圧を
acc とするとエネルギーがq(Vex+Vacc )に増え
る。これが第2の質量分析電磁石5によって更に軌跡を
曲げられる。所定のエネルギー質量のイオンのみが第2
の分析スリット7を通過できる。
【0035】このビームはスイープマグネット6の作用
で左右に振られる。さらにコリメータマグネット8によ
ってビームが曲がり、試料12に入るか、或いはファラ
ディカップ9に入る。イオン注入する場合はビームが試
料12に入射する。ここでは質量測定の校正をするので
あるからファラディカップ9に入るようにスイープマグ
ネット6の磁場が設定されている。
【0036】イオン源から出てファラディカップまでに
至る道には3つの質量分析電磁石2、5、8とスリット
3、7がある。これらを通過するには質量、エネルギー
ともに所定の値でなければならない。第1の質量分析電
磁石2を通る時は、引出電圧のエネルギーだけを持ち、
第2、第3の質量分析電磁石5、8を通るときはこれに
加速電圧分が加わっている。第1電磁石2と、第2、第
3電磁石でのmagneticrigidity は当然に違う。
【0037】分析磁石でのパラメータはふたつしかない
ので、条件が違う10個程度の試験値を与えると最小二
乗法によってパラメータを精度良く決める事ができる。
イオンの種類やエネルギーを変えると10個程度の試験
値を与えることができる。イオン源のガスを変えるとイ
オン種を変えることができる。しかしそうするとガス交
換をしなければならず手数がかかる。エネルギーを変え
る事によっても必要な数の試験値を与えることができ
る。
【0038】ここではBF3 を原料ガスとして用いた。
このガスを用いることにより、複数のイオン種のイオン
ビ−ムを引き出すことができる。ここではそのうちの2
つを使用する。これはガス交換しなくても2種類のイオ
ンを作る事ができる。質量数が11のB+ と、質量数が
49のBF2 +のイオンである。引出電圧と加速電圧の何
れかを変えると幾つも条件の異なるイオンビームが生成
できる。これによりmagnetic rigidity を変えて測定が
できる。質量は既知であるしエネルギーも既知であるか
ら、パラメータa、bが決まる。
【0039】正確な校正をおこなうためには、それぞれ
のマグネット2、5、8を通過する際、ビームのmagnet
ic rigidity が取り得る値のほぼ全域を覆うような範囲
でデータ取りする必要がある。磁石2と、磁石5、8で
はエネルギーが違うのでmagnetic rigidity も違う。
【0040】(1) 第1質量分析電磁石2を通過する
ビームのmagnetic rigidity の最低値、最高値は大体以
下の通りである。ここでmagnetic rigidity の単位は
(amu・kV/e)1/2 である。amuは原子質量単
位を1としたときの質量であり、つまり質量数である。
kVは電圧、eは電荷数であり1、2、…といった整数
である。 最低 21.0…… 20keVの11+ 又は80keVの11++ 最高 77.5…… 40keVの75As+
【0041】(2) 第2、第3質量分析電磁石5、8
を通過するビームのmagnetic rigidity の最低値と最高
値は大体つぎのようである。 最低 1.48…… 10keVの11+ 最高 173.2……200keVの75As+ これらの試験値はSiウエハ−にp型不純物、n型不純
物を打ち込む場合の不純物のイオン注入を予想した値で
ある。だからイオンはB、As、Pなどである場合が多
い。この中でAsは最も重いのでmagnetic rigidityの
上限を与える。ホウ素Bは最も軽いからmagnetic rigid
ity の下限を与える。
【0042】B、As、Pを通す質量分析電磁石の定数
a、bを決めるのであるから、As、B、Pなどのイオ
ンビームを発生させて試験をしなければならないか、と
いうとそうではない。上に述べたmagnetic rigidity の
範囲を覆うのであれば、ホウ素Bだけのイオンビームに
よって十分な数の試験値を与えることができる。たええ
ばBF3 ガスを使って、質量が既知のB+ 、BF2 +2種
類のイオンビームを発生させいくつかの異なるエネルギ
ーによって加速すればよい。それだけで様々なmagnetic
rigidity の値を実現できるからパラメータを決定でき
る。
【0043】例えばBF3 ガスを使用して、以下の条件
でビームを立ち上げ、3つの質量分析電磁石2、5、8
によってダンプファラディ9にビームを導き、そのとき
の各マグネットの磁束密度Bを測定記録する。例えばつ
ぎのような条件で行うことができる。
【0044】
【表1】
【0045】これらの条件の内、1番〜3番と10番は
質量数が11のB+ イオンによる。4番〜9番は質量数
が49のBF2 +イオンによる。所定の質量(B=11、
BF 2 =49)のイオンがファラディに丁度入射すると
きの3つの電磁石での磁束密度Bを測定する。粒子のエ
ネルギーEは電荷qに電圧を掛けたもので既知である。
(2mE)1/2 /q=(2mV/q)1/2 を計算して表
1の7列目、8列目の値が計算される。これらの10個
の条件によって校正する場合、磁束密度Bのデータ取り
は約2時間で終わる。
【0046】(2mE)1/2 /qを図3の横軸の値と
し、そのときの磁束密度測定値Bを縦軸の値として図3
のようなプロットが得られる。そこで最小二乗法によっ
てパラメータa、bを決めることができる。パラメータ
が新規に求まった時自動的に値を更新しても良いし、オ
ペレータの許可を得てから値を書き換えるようにしても
良い。以後その値a、bを使えば、エネルギーE、磁束
密度Bを求め m=q(B−b)2 /2a2 E (14) によって質量測定することができる。パラメータの決定
にはBF3 ガスだけを使っているが、AsやPなどその
他の原子を含む任意のイオンの質量測定に使う事ができ
る。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、質量分析電磁石におい
てスリットを通過できるイオンの質量を正確に測定する
ことができるようになる。イオン注入時において所望の
イオンが選択されているかどうかを正しく判断すること
ができる。質量測定の為のパラメータを校正しない場合
に比べて、イオン選択の正しさの判断がより的確にな
る。手動操作によって校正するのに比べて時間が短くて
済み、熟練を要しない。また試験ガスは1種類だけでも
良いのでデータ取りの時間も短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本出願になるあるイオン注入装置の概略構成
図。
【図2】本発明の荷電粒子質量測定値校正システムの動
作を示すフローチャート。
【図3】横軸に(2mE)1/2 /qを、縦軸に磁束密度
Bを取り、質量エネルギーが既知のイオンビームを分析
磁石に通して、一次式の係数aと切片bを決めるための
操作を説明するためのグラフ。
【図4】一般に磁束密度Bのマグネットによって電荷
q、エネルギーEのイオンビームが半径Rの円弧を描い
て行く事を示す軌跡図。
【符号の説明】
1 イオン源 2 質量分析電磁石 3 分析スリット 4 加速管 5 質量分析電磁石 6 スイープマグネット 7 分析スリット 8 コリメータマグネット 9 ダンプファラディ 10 ターゲットチャンバ 12 試料

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一つ又は複数の質量既知のイオン種をイ
    オンビームとして引き出し質量分析磁石に導き出口スリ
    ットから出て測定器に入射するようにし、そのときの運
    動エネルギーEを変えて、磁束密度Bを測定し、複数の
    データから、(2mE)1/2 /qとBの関係式B=a
    ((2mE)1/2 /q)+bの中の比例定数aと切片b
    とを最小二乗法によって決定することを特徴とする荷電
    粒子の質量測定の校正方法。
JP9115183A 1997-04-16 1997-04-16 荷電粒子の質量測定の校正方法 Pending JPH10294079A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003504820A (ja) * 1999-07-08 2003-02-04 バリアン・セミコンダクター・エクイップメント・アソシエイツ・インコーポレイテッド ビーム電流センサを使用してイオンビーム装置を位置合わせするための方法及び装置
JP2006177953A (ja) * 2004-12-20 2006-07-06 Palo Alto Research Center Inc 堅牢な統計的方法を使用する質量スペクトルの自己較正
JP2008282749A (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Ihi Corp イオン注入装置用の質量分析システムとその校正方法

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