JPH10290903A - 排水中継装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】阻集器を排水処理装置内へ組み込むか又はその
近傍に設置することにより、その大型化を可能とし、ま
たディスポーザ排水等の固形物を含む排水も取り扱える
ようにする。 【解決手段】流量調整槽１内に、槽の上下方向の中間位
置から槽の上部まで達する区画板２を多数併設した阻集
器を設置し、油分を除去するようにする。また流量調整
槽１の槽の底部に固形物を排出するための排出ポンプ４
を設置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、家庭の厨房等から
排出される油分を含む排水や業務用の厨房、食品加工場
等から排出される油分を含む排水を処理するための装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】油分を多く含む家庭や業務用の厨房又は
食品加工場等の排水にあっては、これをそのまま下水等
へ流すことはできず、排水中の有害物質を阻集する能力
を備えた阻集器で、前記有害物質を除去するようにして
いる。而して、従来の阻集器にあっては、汚水が発生す
る場所の近傍における排水系統の途中に設けるようにし
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
阻集器にあっては、汚水発生場所において個別的に阻集
器をその排水系統の途中へ設置するものであるため、大
型のものを設置することが困難であり、阻集器の仕様値
の容量が小さく、有効に油分を除去できないという欠点
があった。

【０００４】また油分を多く含む厨房排水に至っては、
発生源に近く且つ点検し易い位置への設置例が多々あっ
た。しかし、油脂が浮遊して貯溜され、しかも固形物が
阻集器内へ沈下して堆積するので、これらを頻繁に取り
出して清掃する必要があり、そのための維持管理も非常
に面倒なものとなっていた。特に、共同住宅等における
油分を多く含む生ごみ等を破砕して排出するディスポー
ザ排水に至っては、排水系統への有効な位置へ家庭ごと
に分散して阻集器を設置することが難しく、大きな問題
であった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は従来の前記課題
に鑑みてこれを改良除去したものであって、阻集器を排
水処理施設内へ組み込むか又はその近傍に設置すること
により、その大型化を可能とし、また固形物をも排出す
ることのできる排水中継装置を提供せんとするものであ
る。

【０００６】而して、前記課題を解決するために本発明
が採用した請求項１の手段は、排水処理施設における流
量調整槽内に、槽の上下方向の中間位置から槽の上部ま
で達する区画板を多数併設した阻集器を設置し、油分を
除去するようにしたことを特徴とする排水中継装置であ
る。

【０００７】また本発明が採用した請求項２の手段は、
流量調整槽内に、槽の上下方向の中間位置から槽の上部
まで達する区画板を多数併設した阻集器を設置すると共
に、槽の底部に固形物を排出するための排出ポンプを設
置したことを特徴とする排水中継装置である。

【０００８】更に、本発明が採用した請求項３の手段
は、槽の上下方向の中間位置から槽の上部まで達する区
画板を多数併設した阻集器と、槽の底部に配設された固
形物を排出するための排出ポンプとからなることを特徴
とする排水中継装置である。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の構成を図面に示
す発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りであ
る。図１は本発明の一実施の形態に係る排水処理施設の
流量調整槽１を示す縦断面図である。同図に示す如く、
この実施の形態にあっては、生物処理等の排水を処理す
る槽の上流側に、近接又は隣接して流量調整槽１を設置
している。流量調整槽１を設けた理由は、処理槽の処理
能力に応じて定量的に処理水を供給することが重要だか
らである。つまり、処理槽へ流入する排水の量の変動を
なくすことで、処理槽における負荷の均一化を図り、安
定した処理が行えるようにすることが重要である。

【００１０】而して、この流量調整槽１にあっては、槽
の中間部から上部まで達する区画板２を三枚併設し、四
つの室Ａ〜Ｄに区画している。槽の底部側は、槽全体が
流通するようになされている。また槽の底部側には、曝
気ノズル３と固形物を排出するための排出ポンプ４とが
設置されている。曝気ノズル３は、底部側の中央部分に
配設されており、また排出ポンプ４は底部側の流出口寄
りに配設されている。更に、槽の底板５は流入側から流
出口寄りの排出ポンプ４側へ向けて下り勾配に設置され
ている。これは、ディスポーザで粉砕された固形物が排
出ポンプ４側へ集まり易いようにするためである。

【００１１】前記排出ポンプ４によって汲み上げられた
排水は、計量器６を経て一定量が生物処理槽等の排水処
理槽へ移送され、余分な排水は循環路７を経て流入室Ａ
へ返送されるようになっている。また曝気ノズル３は、
ブロア（圧縮空気供給源）８に連通接続されている。更
に、各Ａ〜Ｄ室の油分を回収するため、この実施の形態
では天井が開口面となっており、具体的な油分の回収手
段の一例として、油分を吸引する吸い込み口を備えたフ
ロート１０をＣ室に配設している。

【００１２】次に、上述の如く構成された排水中継装置
の動作態様を説明する。先ず、家庭の厨房又は飲食店等
から排出される排水には、多量の油分が含まれており、
またディスポーザ排水に至っては固形物が含まれてい
る。これらの排水は、流量調整槽１のＡ室へ流入する。
そして、槽の底部側を通ってＤ室へ至る間において、曝
気ノズル３から噴出される圧縮空気により曝気され、同
時に撹拌され、油分は上昇する。油分は、上部の開口面
から掬い取ることができる。またフロート１０に取り付
けられた吸引口からバキューム方式により油分回収タン
ク（図示せず）へ回収することも可能である。

【００１３】一方、ディスポーザで細かく破砕された固
形物は、槽底部の勾配によって順次排出ポンプ４側へ移
動し、これに吸い上げられて計量器６へ供給される。そ
して、この計量器６を通じて排水と固形物の一定量のみ
が次工程の生物処理槽等へ移送され、余分な排水と固形
物は循環路７を介してＡ室へ返送される。

【００１４】このように流量調整槽１に一体的に多数の
区画板２からなる阻集器を組み込むことにより、阻集器
の形態を大型化することができ、業務用の厨房等から排
出される油分を多量に含む排水であっても、これを十分
に阻集して排水処理することが可能である。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように本発明にあっては、
阻集器を通常の排水処理施設の中へ組み込むことがで
き、別途に阻集器を設置する必要がない。また阻集器自
体を大きなものにすることが可能であり、その結果、阻
集器自体の能力が飛躍的に増大し、油分の除去性が向上
する。そのため、これより下流側での排水処理の負担を
軽減することが可能であり、排水処理装置の小型化が可
能である。

【００１６】更に、特に、一般家庭や集合住宅等におい
ては、阻集器を単独で設置する場合の設置場所に非常に
困っており、設置できないことも多く、仮に設置できた
としてもその能力が低く、十分な油分の分離回収が行え
ず、メンテナンスの点でも頻繁に行う必要がある等の問
題があったが、本発明では前述の如く、排水処理施設の
中へ組み込むことにより、これらを一挙に解決すること
が可能であり、非常に有益である。

【００１７】更には、ディスポーザ排水であっても、排
水ポンプで固形物を排出することが可能であり、排水中
継装置としての機能に優れている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態に係る流量調整槽を示す
概略縦断面図である。

【符号の説明】

１…流量調整槽 ２…区画板 ３…曝気ノズル ４…排出ポンプ ５…底板 ６…計量器 ７…循環路 ８…ブロワ １０…フロート

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】排水処理施設における流量調整槽内に、槽
   の上下方向の中間位置から槽の上部まで達する区画板を
   多数併設した阻集器を設置し、油分を除去するようにし
   たことを特徴とする排水中継装置。
2. 【請求項２】流量調整槽内に、槽の上下方向の中間位置
   から槽の上部まで達する区画板を多数併設した阻集器を
   設置すると共に、槽の底部に固形物を排出するための排
   出ポンプを設置したことを特徴とする排水中継装置。
3. 【請求項３】槽の上下方向の中間位置から槽の上部まで
   達する区画板を多数併設した阻集器と、槽の底部に配設
   された固形物を排出するための排出ポンプとからなるこ
   とを特徴とする排水中継装置。