JPH10288679A - 熱発電式腕時計 - Google Patents

熱発電式腕時計

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JPH10288679A
JPH10288679A JP9097786A JP9778697A JPH10288679A JP H10288679 A JPH10288679 A JP H10288679A JP 9097786 A JP9097786 A JP 9097786A JP 9778697 A JP9778697 A JP 9778697A JP H10288679 A JPH10288679 A JP H10288679A
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JP
Japan
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spring
temperature
shape memory
shape
thermoelectric
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP9097786A
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English (en)
Inventor
Fumio Takagi
富美男 高城
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱電変換のように温度差に左右されずに、人体
からの熱エネルギーを利用して発電し駆動することがで
きる電池交換不要な熱発電式腕時計を実現する。 【解決手段】形状記憶合金よりなるぜんまいばね1の一
端が腕時計のケース2の内壁に固定されており,他端は
中央の回転芯3に固定されている。人体からの熱伝導に
よって形状変化が起こりぜんまいが巻き上げられる時、
あるいは巻き戻される時に発生するトルクにより発電機
をまわして発電し、その電力を二次電池やコンデンサに
蓄電することによって腕時計を常に駆動できるようにす
る。また、バイアスばね、2方向性形状記憶効果を用い
て形状記憶の繰り返し動作を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池交換の必要が
ない腕時計であって、形状記憶合金を用いて温度変化を
利用し発電する熱発電式腕時計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子時計の電源としては、主に電池が使
われている。しかし、電池が切れると当然時計は止まっ
てしまうため、数年に1度は電池交換を必要とする。し
かしながら腕時計の電池交換は一般の使用者ではできな
い場合がほとんどで、使用者に与える負担が大きい。ま
た、使用済み電池は環境汚染につながるとして問題視さ
れている。
【0003】そこで、近年電池交換を必要としない電子
腕時計が実用化されている。例えば、携帯者の腕の動き
によって発生する回転体の運動エネルギーを発電機によ
って電力に変換する方法、ソーラーセルを用いて光発電
する方法がある。また、熱電素子により人体から発生す
る熱を電力に変換する方法が提案されている。
【0004】一方、腕時計の組み立てにおいて、文字板
や微少な部品を溶接などの高熱による接合方法を避ける
ため、形状記憶合金を用いる方法が提案されている。ま
た、腕時計のバンドに形状記憶合金を用いる方法が、特
開平01−236004号公報、特開平01−2628
03号公報に示されている。さらに、形状記憶合金のア
クチュエータを腕時計用のアラームとして用いる方法が
開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、携帯者
の腕の動きを利用する方法は、その動き方や強さに左右
される。また、ソーラーセルを用いる方法は、ソーラー
セルの面に光があたるようにしなければならない上に、
セルの色が限定されてしまうためデザインに制約を与え
るという問題があった。
【0006】一方、熱電素子を用いる方法は腕の動きや
文字板に光をあてる必要がなく、使用者が携帯している
だけで時計を動かすことができる。また、構造も簡単で
部品数が少なく、ソーラーセルのように大面積を必要と
しない。しかしながら、腕時計内部の温度差は気温や携
帯者の体表面温度、装着状態に左右されやすく、十分な
温度差を確保するためにケース、バンド、裏蓋、風防ガ
ラス、文字板などの材料や構造に制約が与えられるとい
う問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱電変換によ
る熱発電式腕時計の問題を解決し、電池交換不要な熱発
電式腕時計を実現するものである。
【0008】本発明の熱発電式腕時計は、形状記憶合金
よりなるばねを備え、前記ばねの温度変化に応じて発生
する形状変化による応力を利用して発電する発電手段を
有することを特徴とする。また、前記ばねとしてぜんま
いばねを備え、温度変化によりぜんまいが巻き上げられ
るときまたは巻き戻されるときに発生するトルクを利用
して発電する発電手段を有することを特徴とし、その形
状変化が人体からの熱伝導によって起こることを特徴と
するものである。
【0009】さらに、前記ばねの形状回復力に対する反
力を与えるバイアスばねを備えていること、前記ばねは
2方向性形状記憶効果を有すること、前記ばねの回復歪
み量が2%以内であることを特徴とするものである。
【0010】さらに、前記ばねのマルテンサイト変態の
開始温度、およびその逆変態の終了温度が、それぞれ2
0℃〜30℃の範囲内であること、前記ばねは、Ni−
Ti合金であることを特徴とするものである。
【0011】形状記憶合金は、結晶学的に可逆性のマル
テンサイト変態を起こす合金である。典型的な形状記憶
合金は、形状記憶効果と擬弾性(超弾性)効果を示す。
形状記憶効果は熱弾性型マルテンサイト変態によるもの
で、変態温度以下ではマルテンサイトの結晶構造をとり
外力を与えると見かけ上は塑性的に変形するが、温度を
変態温度以上に上げると結晶は母相に戻り元の形状を回
復する。降温時にマルテンサイト相(低温相)に構造変
化するマルテンサイト変態に対し、昇温時に母相(高温
相)に戻ることを逆変態と呼ぶ。本発明は、この形状記
憶合金を用いた熱発電装置を腕時計用電源として利用し
たものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、腕時計内部に備えられ
た形状記憶合金のばねに熱が供給されることにより温度
上昇し、形状変化する時に仕事をすることができること
を利用したものである。以下に、本発明の実施例につい
て説明する。
【0013】形状記憶合金のばねは、板ばね、コイルば
ね、ぜんまいばね、皿ばねなどさまざまなばねが使用可
能であるが、蓄積可能なエネルギーが高くコンパクトで
ある点でぜんまいばねが優れている。材質としてはNi
Ti合金、CuNiAl合金、CuZnAl合金などが
あるが、NiTi合金が最も望ましい。
【0014】腕時計の温度は放置した状態では室温と同
じであるが、腕に装着すると人体からの熱伝導により3
0〜35℃に温度上昇する。マルテンサイト変態の開始
温度Msおよび逆変態の終了温度Afを20〜30℃の
範囲に入るような形状記憶合金を用いると、形状記憶合
金のばねは温度変化により形状変化し発電機に対して仕
事をすることができる。NiTi合金の場合、変態温度
は合金の組成、熱処理、時効効果によって変化するが、
−80〜90℃の範囲内で任意に設計することができ
る。また、マルテンサイト変態と逆変態の温度は一致せ
ず、数℃〜数十℃のヒステリシスが生じるが、ここで
は、いずれも20〜30℃の範囲内にあるものを用い
る。
【0015】形状記憶効果は基本的に母相の形状を記憶
するもの(一方向形状記憶)で、繰り返し用いることが
できない。繰り返し形状回復するためには、変形抵抗の
低いマルテンサイトの状態で変形させる必要がある。腕
時計をはずして室温に放置すると、母相はマルテンサイ
ト変態を起こして変形抵抗が低下するため、ばね(バイ
アスばね)によって変形させることができる。バイアス
ばねはマルテンサイト相と母相の中間の応力を発生する
ばねを用いることが望ましい。その場合、巻き締め、巻
き戻しの両方で平均的なトルクが得られるが、トルクそ
のものが小さくなるという問題があるあるいは予め二方
向または全方位記憶処理を行う方法もある。二方向また
は全方位形状記憶処理は、拘束熱処理などを行い合金内
部に残留応力を導入することにより、低温相と高温相の
両方の形状に変化させることができるものである。母相
へ形状回復する際に最も応力が高くなるが、マルテンサ
イトへ形状回復する時の応力はその半分程度である。
【0016】形状記憶処理は、逆変態が完全に終了する
温度Afより十分高い400〜600℃で熱処理するこ
とによって行われる。ばねが巻き締められた時に、ばね
全体のモーメントが均一になるように自由形状を設定
し、それに近い形状に形状記憶することが望ましい。そ
のような自由形状は計算によって求められ理想曲線と呼
ばれる。二方向形状記憶効果を用いる場合は、Ni過剰
のTi−51at%Ni合金を400〜500℃で1時
間くらい拘束熱処理する。
【0017】NiTi合金の場合、最大で8%もの歪み
量が回復可能であるが繰り返しにより形状回復効果が劣
化してしまう。繰り返しによる劣化を避けるために、巻
き締め、巻き戻しによる歪み量変化を2%以内にしてお
く必要がある。したがって、歪み量を2%として理想形
状を計算し、自由形状がなるべくこれに近くなるように
形状記憶処理を行うことが望ましい。
【0018】図1および図2は本発明の熱発電式腕時計
に用いられる形状記憶合金のばねを腕時計内部に設置し
た状態を示す概略図である。ぜんまいばね1の一端は時
計ケース2の内壁またはぜんまいをおさめるケースの内
壁に固定されており、もう一端は中央の回転芯3に固定
されている。図1は巻き締められた状態、図2は巻き戻
された状態をそれぞれ示している。ぜんまいをのばした
時の形状は厚さ0.2mm×幅1mm×長さ1750m
mである。回転芯の回転は輪列によって増速され発電機
に伝達するようになっており、ぜんまいが巻き締まる
時、あるは巻き戻される時に発電機を動かすことができ
る。ケースの内径は30mm、回転芯の外径は2.8m
mである。回転芯に巻き締められた状態での巻き数は4
6で、完全に巻き戻されるまでに回転芯が回転する数
(有効巻数)は20回であった。
【0019】この時計を20℃の環境に放置した時、ぜ
んまいは巻き締まった状態であるが、腕時計を装着し温
度が30℃を超えると形状記憶効果により巻き戻され、
その間に巻き芯が20回回転する。さらに、時計をはず
して再び20℃の環境に放置すると、二方向形状記憶効
果で巻き締まった状態に形状変化する。巻き芯はこの間
にやはり20回回転する。
【0020】図3にこのぜんまいを33℃に昇温した時
の巻き数とトルクの関係、および20℃に降温した時の
巻き数とトルクの関係を示す。33℃で逆変態により巻
き戻される時、最大トルクは18〜26gcmであっ
た。逆に、温度低下により巻き締まった状態に形状変化
する際の最大トルクは8〜10gcmであった。
【0021】こうして、腕時計に供給される熱が形状記
憶合金によって機械的なエネルギーに変換され、さらに
発電機により電力に変換される。この電力を二次電池や
コンデンサに蓄電することによって腕時計を常に駆動す
ることが可能になる。
【0022】
【発明の効果】本発明の形状記憶合金を用いた熱発電式
腕時計は、電池の交換が不要で環境に対する負荷が小さ
い。また、従来の発電機能つき腕時計に比較して、携帯
者の腕の動きや文字板に光をあてる必要がない。さら
に、熱電変換素子を用いる場合のように温度差を確保す
るための材料や構造に対する制約がなく、気温や携帯者
の体表面温度、装着状態から受ける影響が少ない。人体
から発生する熱エネルギーを利用して発電するため、一
日に1〜2回の着脱だけで発電が行われ、操作が簡単で
電池切れのない腕時計が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱発電式腕時計の構造を示す概略図。
【図2】本発明の熱発電式腕時計の構造を示す概略図。
【図3】本発明の熱発電式腕時計に用いられるぜんまい
のトルクと巻き数の関係を示す図。
【符号の説明】
1 形状記憶合金のぜんまい 2 ケース 3 回転芯

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 形状記憶合金よりなるばねを備え、前記
    ばねの温度変化に応じて発生する形状変化による応力を
    利用して発電する発電手段を有することを特徴とする熱
    発電式腕時計。
  2. 【請求項2】 前記ばねとしてぜんまいばねを備え、温
    度変化によりぜんまいが巻き上げられるときまたは巻き
    戻されるときに発生するトルクを利用して発電する発電
    手段を有することを特徴とする請求項1記載の熱発電式
    腕時計。
  3. 【請求項3】 前記ばねの形状変化が、人体からの熱伝
    導によって起こることを特徴とする請求項1記載の熱発
    電式腕時計。
  4. 【請求項4】 前記ばねの形状回復力に対する反力を与
    えるバイアスばねを備えていることを特徴とする請求項
    1記載の熱発電式腕時計。
  5. 【請求項5】 前記ばねは、2方向性形状記憶効果を有
    することを特徴とする請求項1記載の熱発電式腕時計。
  6. 【請求項6】 前記ばねの回復歪み量が2%以内である
    こと特徴とする請求項1記載の熱発電式腕時計。
  7. 【請求項7】 前記ばねのマルテンサイト変態の開始温
    度、およびその逆変態の終了温度が、それぞれ20℃〜
    30℃の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の
    熱発電式腕時計。
  8. 【請求項8】 前記ばねは、Ni−Ti合金であること
    を特徴とする請求項1記載の熱発電式腕時計。
JP9097786A 1997-04-15 1997-04-15 熱発電式腕時計 Withdrawn JPH10288679A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019109226A (ja) * 2017-11-13 2019-07-04 ロレックス・ソシエテ・アノニムRolex Sa 時計ムーブメントを小型時計ケースに固定するシステム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019109226A (ja) * 2017-11-13 2019-07-04 ロレックス・ソシエテ・アノニムRolex Sa 時計ムーブメントを小型時計ケースに固定するシステム

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Effective date: 20040706