JPH10288072A - 内燃機関のアイドルco濃度調整装置 - Google Patents

内燃機関のアイドルco濃度調整装置

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JPH10288072A
JPH10288072A JP9874897A JP9874897A JPH10288072A JP H10288072 A JPH10288072 A JP H10288072A JP 9874897 A JP9874897 A JP 9874897A JP 9874897 A JP9874897 A JP 9874897A JP H10288072 A JPH10288072 A JP H10288072A
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JP
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concentration
idle
value
adjustment value
internal combustion
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JP9874897A
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English (en)
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Norio Shibata
憲郎 柴田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】可変抵抗器等を内燃機関に実装せずとも、アイ
ドル時における排気ガス中のCO濃度を適正範囲内の値
に保持することのできる内燃機関のアイドルCO濃度調
整装置を提供する。 【解決手段】アイドル時におけるエンジン11の燃料噴
射量は、電子制御ユニット(ECU)92が設定するC
O濃度調整値に基づき変更される。そして、アイドル状
態のエンジン11における排気ガス中のCO濃度を適正
範囲内に調整する場合、ECU92は、排気ガス中の実
際のCO濃度値に基づき同CO濃度が適正範囲内の値に
なるCO濃度調整値を算出し、その算出したCO濃度調
整値をバックアップRAMに記憶する。そして、エンジ
ン11が自動車に搭載された状態では、ECU92はバ
ックアップRAMに記憶されたCO濃度調整値を読み出
し、同調整値に基づきアイドル時の燃料噴射量を補正す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アイドル時に内燃
機関から排出される排気ガス中のCO濃度を適正範囲内
の値に調整すべく、同機関の燃料噴射量を補正するアイ
ドルCO濃度調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用エンジン等の内燃機関
は、そのシリンダブロック内にピストンが往復移動可能
に設けられ、ピストンはコンロッドを介して内燃機関の
クランクシャフト(出力軸)に連結されている。そし
て、ピストンの往復移動は、コンロッドによりクランク
シャフトの回転へと変換されるようになっている。ま
た、シリンダブロックにはシリンダヘッドが取り付けら
れ、シリンダヘッドとピストンの頭部との間には燃焼室
が設けられている。更に、シリンダヘッドには、燃焼室
に連通する吸気通路及び排気通路と、燃焼室内へ向けて
燃料を噴射する燃料噴射弁と、燃焼室内の混合ガスに対
し点火を行なうための点火プラグとが設けられている。
【0003】そして、内燃機関の吸気行程においては、
吸気通路を介して燃焼室へ空気が吸入されるとともに、
燃料噴射弁から燃焼室へ向かって燃料が噴射され、その
空気と燃料とからなる混合ガスが燃焼室に充填される。
その後、内燃機関の圧縮行程において、ピストンの移動
により燃焼室内の混合ガスが圧縮される。圧縮された混
合ガスは点火プラグにより点火されて爆発し、その爆発
力によりピストンが前記と逆方向に移動して内燃機関は
爆発行程に移る。その後、内燃機関の排気行程におい
て、ピストンの移動により燃焼室内の排気ガスが排気通
路を介して外部へ排出される。
【0004】こうした内燃機関においては、吸気通路を
介して燃焼室へ吸入される空気の量を調節するためのス
ロットルバルブが設けられ、同バルブが全閉になったと
きに内燃機関がアイドル状態になる。また、吸気通路に
は燃焼室へ吸入される空気の量を検出し、その検出され
た吸入空気量に対応した出力信号を発生するエアフロー
メータが設けられている。そして、燃料噴射弁は、エア
フローメータの出力信号に基づき吸入空気量に対応した
値の燃料を噴射し、燃焼室に充填される混合ガスの空燃
比を適正に保つようにしている。
【0005】ところで、上記内燃機関の工場出荷時に
は、アイドル時の排気ガスに含まれる一酸化炭素(C
O)の濃度を適正範囲内の値にするためのアイドルCO
濃度調整が行われる。一般に上記アイドルCO濃度調整
は、アイドル時における内燃機関の燃料噴射量を増量又
は減量補正することによって行われる。そして、こうし
たアイドルCO濃度調整のための装置としては、例えば
実開昭63−125145号公報に記載されたものが知
られている。
【0006】同装置は、エアフローメータが発生する出
力信号を調整するための可変抵抗器を備えている。同可
変抵抗器は内燃機関に取り付けられている。そして、そ
の可変抵抗器の操作によりエアフローメータからの出力
信号が調整されることで、内燃機関の燃料噴射量が増量
補正又は減量補正されるようになっている。従って、同
装置を用いた内燃機関のアイドルCO濃度調整では、作
業者は、内燃機関における排気ガス中のCO濃度を測定
するためのCO濃度計を見ながら上記可変抵抗器を操作
し、排気ガス中のCO濃度が適正範囲内の値になったと
きの状態に同可変抵抗器の抵抗値を保持する。こうして
アイドルCO濃度の調整された内燃機関が自動車に搭載
される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このようにアイドルC
O濃度が調整される内燃機関では、自動車に搭載された
後も可変抵抗器の抵抗値を上記アイドルCO濃度調整時
の状態に保持しなければ、排気ガス中のCO濃度を適正
範囲内の値にするための上記燃料噴射量補正を実行する
ことはできない。従って、こうした内燃機関にあって
は、可変抵抗器を取り付けたまま、しかも調整された抵
抗値がくるわないよう自動車に搭載しなければならず、
その作業性の悪さはもとより同可変抵抗器の配設コスト
等も無視できないものとなっている。
【0008】また、自動車に搭載された内燃機関にアイ
ドルCO濃度調整用の可変抵抗器を取り付けたままの状
態では、内燃機関の修理点検を行う際に誤って可変抵抗
器を操作してしまい、アイドルCO濃度が適正範囲外の
値になってしまうというおそれもある。
【0009】更に、アイドルCO濃度を調整する際、作
業者はCO濃度計を見ながら可変抵抗器を操作しなけれ
ばならないため、その可変抵抗器の操作性が悪くなっ
て、アイドルCO濃度調整の作業効率が低下することと
なる。
【0010】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、可変抵抗器等を内燃機関に
実装せずとも、アイドル時における排気ガス中のCO濃
度を適正範囲内の値に好適に保持することのできる内燃
機関のアイドルCO濃度調整装置を提供することにあ
る。
【0011】また、本発明の別の目的は、アイドル時に
内燃機関から排出される排気ガス中のCO濃度を調整す
るための調整作業の効率低下を抑制することのできる内
燃機関のアイドルCO濃度調整装置を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成させるた
め、任意の値に設定可能なCO濃度調整値に基づき、内
燃機関に噴射供給される燃料量を補正することで、同機
関のアイドル時に排出される排気ガス中のCO濃度を適
正範囲内の値に保持する内燃機関のアイドルCO濃度調
整装置において、前記CO濃度が適正範囲内の値となる
CO濃度調整値を記憶する調整値記憶手段と、前記調整
値記憶手段に記憶されたCO濃度調整値に基づき、前記
アイドル時に内燃機関に噴射供給される燃料量を補正す
る燃料噴射量補正手段とを備えた。
【0013】同構成にあっては、CO濃度調整値を変更
することによってアイドル時に内燃機関に噴射される燃
料量が補正され、同機関から排出される排気ガス中のC
O濃度が調整される。そして、上記CO濃度が適正範囲
内の値となるCO濃度調整値が調整値記憶手段に記憶さ
れ、その記憶されたCO濃度調整値に基づき燃料噴射量
補正手段はアイドル時の燃料噴射量補正を実行する。従
って、同構成によれば、アイドルCO濃度調整用の可変
抵抗器等を内燃機関に実装することなく、アイドルCO
濃度を適正範囲内の値にするための燃料噴射量補正を実
行することができるようになる。
【0014】請求項2記載の発明では、アイドル状態の
内燃機関から排出される排気ガス中のCO濃度、若しく
はアイドル状態の同機関に吸入される混合ガスの空燃比
に基づき、前記CO濃度が適正範囲内の値となるような
CO濃度調整値を算出する調整値算出手段を更に備え、
前記調整値記憶手段は、前記調整値算出手段によって算
出されたCO濃度調整値を記憶するものとした。
【0015】同構成にあっては、例えば排気ガス中のC
O濃度を計測するCO濃度計等の計測値、若しくは混合
ガスの空燃比を検出する空燃比センサ等の検出値に基づ
き、調整値算出手段はCO濃度が適正範囲内の値となる
ようなCO濃度調整値を算出する。従って、同構成によ
れば、作業者がCO濃度計等を見ながらCO濃度調整値
を手動で適正な値に調整しなくてもよいため、アイドル
時のCO濃度調整の作業効率低下を抑制することができ
るようになる。
【0016】請求項3記載の発明では、請求項1記載の
内燃機関のアイドルCO濃度調整装置において、前記ア
イドル時の燃料噴射量補正に用いるCO濃度調整値を徐
変させる調整値徐変手段を更に備え、前記調整値記憶手
段は前記調整値徐変手段によって徐変するCO濃度調整
値の内、アイドル時に排出される内燃機関の排気ガス中
のCO濃度が適正範囲内の値となるCO濃度調整値を記
憶するものとした。
【0017】同構成にあっては、調整値徐変手段がCO
濃度調整値を徐変させることにより、アイドル時の燃料
噴射量における増量又は減量補正量が徐々に変更され
る。そして、調整値徐変手段によって徐変するCO濃度
調整値の内、排気ガス中のCO濃度が適正範囲内の値と
なるCO濃度調整値が調整値記憶手段に記憶される。従
って、同構成によれば、手動でCO濃度調整値を徐々に
変化させる場合と異なり、調整値記憶手段に記憶すべき
適切なCO濃度調整値を容易に決定することができるよ
うになる。また、作業者がCO濃度計等を見ながらCO
濃度調整値を手動で適正な値に調整しなくてもよいた
め、アイドル時のCO濃度調整の作業効率低下を抑制す
ることができるようになる。
【0018】請求項4記載の発明では、請求項1〜3の
いずれかに記載の内燃機関のアイドルCO濃度調整装置
において、前記調整値記憶手段に記憶されたCO濃度調
整値の異常の有無を検出する調整値異常検出手段を更に
備えた。
【0019】同構成によれば、調整値記憶手段に記憶さ
れたCO濃度調整値の異常の有無が調整値異常検出手段
によって検出されるため、内燃機関のアイドルが不安定
になったとき、その原因が調整値記憶手段に記憶された
CO濃度調整値の異常にあるのか否かを容易に判定する
ことができるようになる。
【0020】請求項5記載の発明では、請求項4記載の
内燃機関のアイドルCO濃度調整装置において、前記調
整値異常検出手段によるCO濃度調整値の異常検出に基
づき、前記アイドル時における内燃機関のフェイルセー
フを実行するフェイルセーフ手段を更に備えた。
【0021】同構成によれば、前記調整値記憶手段に記
憶されたCO濃度調整値が異常である場合、フェイルセ
ーフ手段がアイドル時における内燃機関のフェイルセー
フを実行するため、上記CO濃度調整値の異常時にも同
機関はアイドル運転可能な状態に保持される。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、本発明にかかるアイドルCO濃
度調整装置を自動車用エンジンに適用した第1実施形態
を図1〜図4に従って説明する。
【0023】図1に示すように、エンジン11のシリン
ダブロック11aにはピストン12が往復移動可能に設
けられ、ピストン12はコンロッド13を介してエンジ
ン11の出力軸であるクランクシャフト14に連結され
ている。ピストン12の往復移動は、このコンロッド1
3によりクランクシャフト14の回転へと変換されるよ
うになっている。また、シリンダブロック11aの上端
にはシリンダヘッド15が設けられ、シリンダヘッド1
5とピストン12との間には燃焼室16が設けられてい
る。このシリンダヘッド15には燃焼室16と連通する
吸気ポート17及び排気ポート18が設けられ、それら
吸気ポート17及び排気ポート18には、それぞれ吸気
バルブ19及び排気バルブ20が設けられている。
【0024】更に、シリンダヘッド15には、吸気バル
ブ19及び排気バルブ20を開閉駆動するための吸気カ
ムシャフト21及び排気カムシャフト22が回転可能に
支持されている。これら吸気及び排気カムシャフト2
1,22はタイミングベルト(図示せず)を介してクラ
ンクシャフト14に連結され、同ベルトによりクランク
シャフト14の回転が吸気及び排気カムシャフト21,
22へ伝達されるようになっている。そして、吸気カム
シャフト21が回転すると、吸気バルブ19が開閉駆動
されて、吸気ポート17と燃焼室16とが連通・遮断さ
れる。また、排気カムシャフト22が回転すると、排気
バルブ20が開閉駆動されて、排気ポート18と燃焼室
16とが連通・遮断されるようになっている。
【0025】吸気ポート17及び排気ポート18には、
それぞれ吸気管30及び排気管31が接続されている。
この吸気管30内及び吸気ポート17内は吸気通路32
となっており、排気管31内及び排気ポート18内は排
気通路33となっている。
【0026】吸気管30の上流端には、エアフローメー
タ34が設けられている。このエアフローメータ34
は、吸気通路32を介して燃焼室16へ吸入される空気
の量を検出し、その検出された吸入空気量に対応した出
力信号を発生する。一方、吸気管30の下流端には、燃
焼室16内へ向かって燃料を噴射するための燃料噴射弁
50が設けられている。この燃料噴射弁50は、吸気通
路32内の空気が燃焼室16へ吸入されるとき、燃焼室
16へ向けて燃料を噴射し、燃料及び空気からなる混合
ガスを形成する。
【0027】また、吸気通路32内において、エアフロ
ーメータ34よりも下流側には、スロットルバルブ46
が設けられている。スロットルバルブ46の開度(スロ
ットル開度)は、自動車の室内に設けられたアクセルペ
ダル47の踏込量(アクセル開度)に基づき調節され、
このスロットルバルブ46の開度調節により燃焼室16
内へ吸入される空気の量が調節される。そして、スロッ
トルバルブ46の近傍にはスロットルセンサ46aが設
けられ、スロットルセンサ46aはスロットル開度を検
出して同開度に対応した出力信号を発生する。
【0028】更に、吸気通路32には、スロットルバル
ブ46を迂回して同バルブ46の上流側と下流側とを連
通するバイパス通路49が接続されている。このバイパ
ス通路49には、同通路49を流れる空気流量を調節す
るリニアソレノイド式のアイドル・スピード・コントロ
ール・バルブ(ISCV)49aが設けられている。そ
して、ISCV49aは電磁ソレノイド49bに対する
印加電圧のデューティ制御に基づいて開度調節され、そ
の開度調節によりバイパス通路49を流れる空気の量が
調節される。
【0029】一方、シリンダヘッド15には、点火プラ
グ51が設けられている。そして、その点火プラグ51
により燃焼室16内に充填された混合ガスに対して点火
が行われると、混合ガスは爆発して排気ガスになり排気
通路33へ送り出される。その点火プラグ51は、エン
ジン11に設けられたディストリビュータ52に接続さ
れている。そして、ディストリビュータ52には、エン
ジン11の回転に連動して回転する図示しないロータ
と、そのロータの回転からエンジン11の回転数を検出
する回転数センサ53とが設けられている。
【0030】こうしたエンジン11にあっては、その吸
気行程において、ピストン12の下降により燃焼室16
内に負圧が発生し、その負圧により燃焼室16へ吸気通
路32を介して空気が吸入される。また、燃料噴射弁5
0からは、燃焼室16に吸入される空気の量に対応した
量の燃料が同燃焼室16へ向かって噴射され、その結
果、燃焼室16には空気と燃料とからなる混合ガスが充
填される。
【0031】その後、エンジン11の圧縮行程におい
て、ピストン12の上昇により、燃焼室16内の混合ガ
スは圧縮される。燃焼室16内で圧縮された混合ガス
は、点火プラグ51により点火されて爆発し、その爆発
力によってピストン12が下降してエンジン11は爆発
行程に移る。この爆発行程により、エンジン11は駆動
力を得ることとなる。こうして燃焼室16内で燃焼した
混合ガスは、エンジン11の排気行程において、ピスト
ン12の上昇により排気ガスとして排気通路33を介し
外部へ排出される。
【0032】また、エンジン11がアイドル状態のとき
には、アクセルペダル47の踏込量が「0」で、且つス
ロットルバルブ46が全閉になるため、燃焼室16へ吸
入される空気はその大部分がパイパス通路49を通過す
ることとなる。従って、エンジン11がアイドル状態の
場合には、ISCV49aを開度調節して燃焼室16へ
吸入される空気の量を調節することにより、エンジン1
1のアイドル回転数が調節されるようになる。
【0033】次に、本実施形態におけるアイドルCO濃
度調整装置の電気的構成を図2に基づいて説明する。こ
のアイドルCO濃度調整装置は、点火時期制御、燃料噴
射時期制御、燃料噴射量制御及びアイドル回転数制御な
ど、エンジン11の運転状態を制御するための電子制御
ユニット(以下「ECU」という)92を備えている。
このECU92は、ROM93、CPU94、RAM9
5及びバックアップRAM96等を備える論理演算回路
として構成されている。
【0034】ここで、ROM93は各種制御プログラム
や、その各種制御プログラムを実行する際に参照される
マップ等が記憶されるメモリであり、CPU94はRO
M93に記憶された各種制御プログラムやマップに基づ
いて演算処理を実行する。また、RAM95はCPU9
4での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一
時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM96
はエンジン11の停止時に保存すべきデータを記憶する
不揮発性のメモリである。そして、ROM93、CPU
94、RAM95及びバックアップRAM96は、バス
97を介して互いに接続されるとともに、外部入力回路
98及び外部出力回路99と接続されている。
【0035】外部入力回路98には、エアフローメータ
34、スロットルセンサ46a、回転数センサ53、テ
スト端子79及び入力操作パネル80が接続されてい
る。このテスト端子79は、後術するアイドルCO濃度
調整モードを設定するためのものであって、例えばエン
ジン11自身に設けられる。また、入力操作パネル80
は、作業者がCO濃度値を入力するためのものであっ
て、その入力されたCO濃度値に対応した信号を出力す
るようになっている。一方、外部出力回路99には、I
SCV49a、燃料噴射弁50が接続されている。
【0036】次に、上記ECU92を通じて実行される
本実施形態の制御態様について、図4を参照して説明す
る。この図4は、アイドル時にエンジン11から排出さ
れる排気ガス中のCO濃度(以下アイドルCO濃度とい
う)を適正範囲内の値とするための処理ルーチンを示す
フローチャートである。同処理ルーチンは、ECU92
を通じて所定時間毎の時間割り込みにて実行される。
【0037】同処理ルーチンにおいてECU92は、ス
テップS101の処理として、現時点のモード状態がア
イドルCO濃度調整モードであるか否かを判断する。こ
のアイドルCO濃度調整モードとは、アイドルCO濃度
を適正範囲内の値に調整するためのものである。本実施
形態では、テスト端子79が接地されたときにモード状
態がアイドルCO濃度調整モードとなり、テスト端子7
9の接地が解除されたときにはアイドルCO濃度調整モ
ードが解除されるように設定されている。そして、ステ
ップS101において、アイドルCO濃度調整モードで
ないと判断された場合にはこの処理ルーチンを一旦終了
し、アイドルCO濃度調整モードであると判断された場
合にはステップS102に進む。
【0038】ECU92は、ステップS102の処理と
して、アイドルCO濃度調整開始処理を実行する。即
ち、アイドルCO濃度が頻繁に変動しないよう、エンジ
ン11の運転状態に基づき決定される基本燃料噴射量を
固定するとともに、ISCV49aの開度を固定する。
この状態で作業者は、エンジン11から排出された排気
ガス中のCO濃度をCO濃度計(図示せず)によって測
定し、測定したCO濃度値を入力操作パネル80に入力
する。
【0039】ECU92は、続くステップS103の処
理として、入力操作パネル80からの信号に基づき求め
られるアイドルCO濃度を読み込む。更に、ECU92
は、ROM95に記憶されたマップ(図示せず)を参照
し、上記アイドルCO濃度に対応するCO濃度調整値X
を算出する。このCO濃度調整値Xはアイドル時の燃料
噴射量をどの程度増量又は減量補正するか決定するため
のものであって、同調整値Xの大小に対応して燃料噴射
量は増減するようになっている。
【0040】そして、上記のように算出されたCO濃度
調整値Xは、上記燃料噴射量補正によりアイドルCO濃
度を適正範囲(本実施形態では1〜1.5%)内の値と
することができるよう設定されている。このCO濃度調
整値Xは、図3に実線で示すように、アイドルCO濃度
が高くなるほど小さい値になり、アイドルCO濃度が低
くなるほど小さい値になる。また、アイドルCO濃度
は、空燃比A/Fの変化に対して一般に図3中破線で示
すような推移傾向を示す。
【0041】従って、アイドルCO濃度が適正範囲より
も高い領域では、CO濃度調整値Xが小さい値とされる
ことにより燃料噴射量が減量して空燃比A/Fがリーン
側へ移行し、同アイドルCO濃度が適正範囲(1〜1.
5%)内の値とされる。また、アイドルCO濃度が適正
範囲よりも低い領域では、CO濃度調整値Xが大きい値
とされることにより燃料噴射量が増量して空燃比A/F
がリッチ側へ移行し、同アイドルCO濃度が適正範囲内
の値とされる。なお、アイドルCO濃度が最初から適正
範囲内の値である場合、CO濃度調整値Xは燃料噴射量
を増減させない基準値(図3)となる。
【0042】一方、ECU92は、続くステップS10
4の処理として、アイドルCO濃度調整作業が終了した
か否かを判断する。本実施形態では、テスト端子79の
接地が作業者によって解除されたことに基づき、ECU
92はアイドルCO濃度調整作業が終了した旨判断す
る。そして、ステップS104において、NOと判断さ
れた場合にはこの処理ルーチンを一旦終了させ、YES
と判断された場合にはステップS105に進む。
【0043】ECU92は、ステップS105の処理と
して、上記算出されたCO濃度調整値Xを、アイドルC
O濃度が適正範囲内の値となるCO濃度調整値Xとして
バックアップRAM96に記憶する。続いてステップS
106に進み、ECU92は、アイドルCO濃度調整終
了処理として、基本燃料噴射量の固定とISCV49a
の開度の固定とを解除した後、この処理ルーチンを一旦
終了させる。
【0044】このようにアイドルCO濃度の調整が施さ
れたエンジン11を搭載した自動車では、ECU92
は、エンジン11のアイドル時にバックアップRAM9
6に記憶されたCO濃度調整値Xを読み出す。そして、
ECU92は、読み出したCO濃度調整値Xに基づき、
アイドルCO濃度が適正範囲内の値となるようアイドル
時の燃料噴射量を増量又は減量補正する。従って、従来
と異なり、アイドルCO濃度調整用の可変抵抗器等をエ
ンジン11に実装せずとも、アイドルCO濃度を適正範
囲内の値に保持することができるようになる。
【0045】以上詳述した処理が行われる本実施形態に
よれば、下記に示す効果が得られるようになる。 ・本実施形態では、アイドルCO濃度を適正範囲内の値
とするCO濃度調整値XがバックアップRAM96に記
憶される。そして、エンジン11が自動車に搭載された
状態では、ECU92は、バックアップRAM96に記
憶されたCO濃度調整値Xを読み出し、同CO濃度調整
値Xに基づきアイドル時に燃料噴射量補正を実行してア
イドルCO濃度を適正範囲内の値にする。従って、従来
と異なり、アイドルCO濃度調整用の可変抵抗器等を設
けなくてもよい分、自動車へエンジン11を搭載する際
の作業性悪化を防止することができる。更に、上記可変
抵抗器等の配設コストもかからなくなる。
【0046】・ECU92は、アイドルCO濃度を測定
したときの濃度値が入力される入力操作パネル80から
の信号に基づきアイドルCO濃度を読み込み、その読み
込んだアイドルCO濃度に対応して、アイドルCO濃度
を適正範囲内の値とするCO濃度調整値Xをマップから
算出する。こうして算出されたCO濃度調整値Xに基づ
き燃料噴射量補正を実行することにより、アイドルCO
濃度は適正範囲内の値とされる。従って、本実施形態で
は、作業者がCO濃度計を見ながらCO濃度調整値Xを
手動で適正な値に調整しなくてもよくなり、アイドル時
のCO濃度調整の作業効率低下を抑制することができる
ようになる。
【0047】(第2実施形態)次に、本発明の第2実施
形態を図5〜図8に従って説明する。なお、本実施形態
ではアイドルCO濃度調整装置の電気的構成と制御態様
のみが第1実施形態と異なっており、他の第1実施形態
と同一部分については第1実施形態と同一符号を付して
詳細な説明を省略する。
【0048】図5は、本実施形態におけるアイドルCO
濃度調整装置の電気的構成を示すブロック図である。同
図に示されるように、本実施形態では、ECU92の外
部出力回路99に、自動車の計器パネル等に設けられた
警告灯82が接続されている。
【0049】次に、上記ECU92を通じて実行される
本実施形態の制御態様について、図6〜図8を参照して
説明する。図6(a),(b)は、アイドルCO濃度を
調整する際のエンジン回転数とCO濃度調整値Xとの推
移態様を示すタイムチャートである。図6(a)のタイ
ムチャートは、エンジン回転数が所定時間2000rp
m(図中A)に保持された後に所定時間2500rpm
(図中B)に保持されると、CO濃度調整値Xが現在値
から段階的に徐変増加することを示す。また、図6
(b)のタイムチャートは、エンジン回転数が所定時間
2000rpm(図中C)に保持された後に所定時間1
500rpm(図中D)に保持されると、CO濃度調整
値Xが現在値から段階的に徐変減少することを示す。
【0050】一方、図7及び図8は、アイドル時のCO
濃度調整と、記憶されたCO濃度調整値Xが異常である
場合のフェイルセーフとを実行するための処理ルーチン
を示すフローチャートである。同処理ルーチンは、EC
U92を通じて所定時間毎の時間割り込みにて実行され
る。
【0051】同処理ルーチンにおいて、ステップS20
1〜S205の処理は、アイドルCO濃度を適正範囲内
の値とすべく、アイドル時の燃料噴射量を増量又は減量
補正するためのものである。
【0052】即ち、ECU92は、ステップS201の
処理として、現時点のモード状態がアイドルCO濃度調
整モードであるか否かを判断する。本実施形態では、作
業者がアクセルペダル47を踏み込み操作してエンジン
回転数を例えば2000rpmに所定時間保持する(図
6(a)のA、又は図6(b)のCで示す部分)ことに
より、モード状態がアイドルCO濃度調整モードとなる
ように設定されている。そして、ステップS201にお
いて、アイドルCO濃度調整モードでないと判断された
場合にはステップS206に進み、アイドルCO濃度調
整モードであると判断された場合にはステップS202
に進む。
【0053】ECU92は、ステップS202の処理と
して、アイドルCO濃度調整開始処理を実行する。即
ち、アイドルCO濃度が頻繁に変動しないよう、エンジ
ン11の運転状態に基づき決定される基本燃料噴射量を
固定するとともに、ISCV49aの開度を固定する。
【0054】こうしたアイドルCO濃度調整開始処理が
実行された後、作業者は、CO濃度計(図示せず)を見
てアイドルCO濃度が適正範囲よりも少ないと判断した
場合には、アクセルペダル47を操作し、エンジン回転
数を例えば2500rpmに所定時間保持する(図6
(a)のBで示す部分)。ECU92は、エンジン回転
数が2500rpmに所定時間保持されたたことに基づ
き、CO濃度調整値Xを図6(a)に示すように現在値
から段階的に徐変増加させる。このCO濃度調整値Xが
大きくなるほど、ECU92はアイドル時の燃料噴射量
を増加させるよう噴射量補正量を設定する。このように
アイドル時の燃料噴射量を補正することによって、アイ
ドルCO濃度は増加するようになる。
【0055】そして、作業者は、CO濃度計を見てアイ
ドルCO濃度が適正範囲内に入ったとき、アクセルペダ
ル47を操作してエンジン回転数を例えば3000rp
m以上に上昇させる。本実施形態では、エンジン回転数
が3000rpm以上に上昇することにより、アイドル
CO濃度調整モードが解除されるようになっている。ま
た、アイドルCO濃度が適正範囲に入る前にCO濃度調
整値Xが上限値に到達した場合にも、ECU92はアイ
ドルCO濃度調整モードを解除する。
【0056】一方、上記ステップS202のアイドルC
O濃度調整開始処理が実行された後、作業者がCO濃度
計を見てアイドルCO濃度が適正範囲よりも多いと判断
した場合には、同作業者はアクセルペダル47を操作
し、エンジン回転数を例えば1500rpmに所定時間
保持する(図6(b)のDで示す部分)。ECU92
は、エンジン回転数が1500rpmに所定時間保持さ
れることにより、CO濃度調整値Xを図6(b)に示す
よう現在値から段階的に徐変減少させる。このCO濃度
調整値Xが小さくなるほど、ECU92はアイドル時の
燃料噴射量を減少させるよう噴射量補正量を設定する。
このようにアイドル時の燃料噴射量を補正することによ
って、アイドルCO濃度が減少するようになる。
【0057】そして、作業者は、CO濃度計を見てアイ
ドルCO濃度が適正範囲内に入ったとき、アクセルペダ
ル47を操作してエンジン回転数を例えば3000rp
m以上に上昇させる。その結果、上記と同様にアイドル
CO濃度調整モードが解除される。また、アイドルCO
濃度が適正範囲内に入る前にCO濃度調整値Xが下限値
に到達した場合にも、ECU92はアイドルCO濃度調
整モードを解除する。
【0058】ECU92は、続くステップS203の処
理として、アイドルCO濃度調整作業が終了したか否か
を判断する。本実施形態では、上記のようにエンジン回
転数が3000rpm以上に上昇したことに基づき、E
CU92はアイドルCO濃度調整作業が終了した旨判断
する。そして、ステップS203において、NOと判断
された場合にはこの処理ルーチンを一旦終了させ、YE
Sと判断された場合にはステップS204に進む。
【0059】ECU92は、ステップS204の処理と
して、上記燃料噴射量の増量補正又は減量補正により増
減するアイドルCO濃度が適正範囲に入ったときのCO
濃度調整値XをバックアップRAM96に記憶する。続
いてステップS205に進み、ECU92は、アイドル
CO濃度調整終了処理として、基本燃料噴射量の固定と
ISCV49aの開度の固定とを解除した後、この処理
ルーチンを一旦終了させる。
【0060】このようにアイドルCO濃度の調整が施さ
れたエンジン11を搭載した自動車では、ECU92
は、エンジン11のアイドル時にバックアップRAM9
6に記憶されたCO濃度調整値Xを読み出す。そして、
ECU92は、読み出したCO濃度調整値Xに基づき、
アイドルCO濃度が適正範囲内の値となるようアイドル
時の燃料噴射量を増量又は減量補正する。従って、従来
と異なり、アイドルCO濃度調整用の可変抵抗器等をエ
ンジン11に実装せずとも、アイドルCO濃度を適正範
囲内の値に保持することができるようになる。
【0061】次に、ステップS201において、モード
状態がCO濃度調整モードでないと判断されて、ステッ
プS206に進んだ場合について説明する。なお、ステ
ップS206〜S217の処理は、バックアップRAM
96に記憶されたCO濃度調整値Xが異常である場合に
フェイルセーフを実行するためのものである。
【0062】即ち、ECU92は、ステップS206の
処理として、バックアップRAM96に記憶されたCO
濃度調整値Xが正常か否かを、いわゆるミラーチェック
を実行することによって判断する。ここでミラーチェッ
クとは、CO濃度調整値XとしてバックアップRAM9
6に記憶されたデジタル値と、そのデジタル値の反転ビ
ットとに基づき行うエラーチェックのことである。そし
て、ステップS206において、CO濃度調整値Xが正
常であると判断された場合にはステップS207に進
み、正常でないと判断された場合にはステップS208
に進む。
【0063】ECU92は、ステップS208の処理と
して、バックアップRAM96に記憶されたCO濃度調
整値Xを初期化する。続いてステップS207に進み、
ECU92は、回転数センサ53からの出力信号に基づ
き、アイドル回転数変動が判定値aよりも小さいか否を
判断する。この判定値aはエンジンのアイドル状態が不
安定かどうかを判断するためのものであって、判定値a
が大きくなると判断基準が厳しくなり、判定値aが小さ
くなると判断基準が緩くなる。本実施形態の判定値a
は、アイドル状態が不安定かどうかを確実に判断するこ
とができ、且つ過敏にアイドル状態を不安定と判断する
ことのない値に設定されている。
【0064】そして、ステップS207において、YE
Sと判断された場合、即ちエンジン11のアイドル状態
が不安定でないと判断された場合には、この処理ルーチ
ンを一旦終了させる。また、同ステップS207でNO
と判断された場合、即ちエンジン11のアイドル状態が
不安定であると判断された場合には、ステップS209
(図8)に進む。ECU92は、ステップS209のア
イドルCO濃度再調整要求処理として、警告灯82を点
灯させる。
【0065】その後、順次ステップS210,S211
に進む。ECU92は、ステップS210の処理として
アイドル時の燃料噴射量を所定量増量させ、ステップS
211の処理としてアイドル回転数変動が増加したか否
かを判断する。そして、アイドル回転数変動が増加した
と判断された場合にはステップS214に進み、同アイ
ドル回転数変動が増加していないと判断された場合には
ステップS212に進む。ECU92は、ステップS2
12の処理として、アイドル回転数変動が上記判定値a
よりも小さいか否かを判断する。そして、アイドル回転
数変動が判定値aよりも小さいと判断された場合には、
ステップS217に進む。
【0066】ECU92は、ステップS217の処理と
して、そのときの燃料噴射量の増量値をRAM95に記
憶し、その記憶した増量値を用いて以後のアイドル時に
おける燃料噴射量の増量補正を実行する。こうしたフェ
イルセーフを行うことにより、バックアップRAM96
に記憶されたCO濃度調整値Xが電気的ノイズなど何ら
かの理由によって異常になっても、エンジン11はアイ
ドル運転可能な状態に保持される。
【0067】また、上記ステップS212において、ア
イドル回転数変動が判定値aよりも大きいと判断された
場合にはステップS213に進む。ECU92は、ステ
ップS213の処理として、アイドル時における燃料噴
射量の増量値が限度値bよりも小さいか否かを判断す
る。この限度値bは、エンジン11を問題なくアイドル
運転することが可能な燃料噴射量増量値の上限値であ
る。そして、スッテプS213において、燃料噴射量の
増量値が限度値bよりも小さいと判断された場合にはス
テップS210に戻り、同増量値が限度値bよりも大き
いと判断された場合にはステップS217に進む。
【0068】ECU92はこの場合、ステップS217
の処理として、燃料噴射量の増量値として限度値bをR
AM95に記憶させ、その記憶された増量値(限度値
b)を用いて以後のアイドル時における燃料噴射量の増
量補正を実行する。こうしたフェイルセーフを行うこと
により、バックアップRAM96に記憶されたCO濃度
調値Xが異常になっても、エンジン11はアイドル運転
可能な状態に保持される。
【0069】一方、上記ステップS211において、燃
料噴射量の増量によりアイドル回転数変動が増加したと
判断されてステップS214に進んだ場合、ECU92
は、アイドル時の燃料噴射量を所定量減量させる。続い
てステップS215に進み、ECU92は、アイドル回
転数変動が上記判定値aよりも小さいか否かを判断す
る。そして、アイドル回転数変動が判定値aよりも小さ
いと判断された場合には、ステップS217に進む。
【0070】ECU92は、ステップS217の処理と
して、そのときの燃料噴射量の減量量値をRAM95に
記憶させ、その記憶された減量値を用いて以後のアイド
ル時における燃料噴射量の減量補正を実行する。こうし
たフェイルセーフを行うことにより、バックアップRA
M96に記憶されたCO濃度調整値Xが異常になって
も、エンジン11はアイドル運転可能な状態に保持され
る。
【0071】また、上記ステップS215において、ア
イドル回転数変動が判定値aよりも大きいと判断された
場合にはステップS216に進む。ECU92は、ステ
ップS216の処理として、アイドル時における燃料噴
射量の減量値が限度値cよりも小さいか否かを判断す
る。この限度値cは、エンジン11を問題なくアイドル
運転することが可能な燃料噴射量減量値の下限値であ
る。そして、スッテプS216において、燃料噴射量の
減量値が限度値cよりも小さいと判断された場合にはス
テップS214に戻り、同減量値が限度値cよりも大き
いと判断された場合にはステップS217に進む。
【0072】ECU92はこの場合、ステップS217
の処理として、燃料噴射量の減量値として限度値cをR
AM95に記憶し、その記憶した減量値(限度値c)を
用いて以後のアイドル時における燃料噴射量の減量補正
を実行する。こうしたフェイルセーフを行うことによ
り、バックアップRAM96に記憶されたCO濃度調値
Xが異常になっても、エンジン11はアイドル運転可能
な状態に保持される。
【0073】以上詳述した処理が実行される本実施形態
によれば、下記に示す効果が得られるようになる。 ・本実施形態では、CO濃度調整値Xの変更に基づきア
イドル時の燃料噴射量が変更され、ECU92は同燃料
噴射量の変更によって変動するアイドルCO濃度が適正
範囲内の値となるCO濃度調整値XをバックアップRA
M96に記憶する。そして、エンジン11が自動車に搭
載された状態では、ECU92は、バックアップRAM
96に記憶されたCO濃度調整値Xを読み出し、同CO
濃度調整値Xに基づきアイドル時の燃料噴射量補正を実
行してアイドルCO濃度を適正範囲内の値にする。従っ
て、従来と異なり、アイドルCO濃度調整用の可変抵抗
器等をエンジン11に実装せずとも、アイドルCO濃度
を適正範囲内の値にするための燃料噴射量補正を実行す
ることができる。そのため、上記可変抵抗器等を設けな
くてもよい分、自動車へエンジン11を搭載する際の作
業性悪化を防止することができる。更に、上記可変抵抗
器等の配設コストもかからなくなる。
【0074】・アイドルCO濃度の調整時にCO濃度調
整値Xが自動的に増加又は減少徐変され、アイドルCO
濃度が適正範囲内に入ったときのCO濃度調整値Xは、
アイドルCO濃度が適正範囲内となるCO濃度調整値X
としてバックアップRAM96に記憶される。そのた
め、バックアップRAM96に記憶すべき適切なCO濃
度調整値Xを容易に決定することができる。また、作業
者が手作業で可変抵抗器等を操作してアイドルCO濃度
を調整していた従来と比べて、そのアイドルCO濃度調
整が容易になるとともに可変抵抗器等を用意しなくても
よい分、アイドルCO濃度調整のための設備の簡略化を
図ることができる。
【0075】・本実施形態では、バックアップRAM9
6に記憶されたCO濃度調整値Xの異常を検出し、CO
濃度調整値Xの異常時には自動車における計器パネルの
警告灯82を点灯させるようにした。そのため、エンジ
ン11のアイドルが不安定になったとき、その原因がバ
ックアップRAM96に記憶されたCO濃度調整値Xの
異常にあるのか否かを、上記警告灯82を見ることによ
って容易に判定することができる。
【0076】・バックアップRAM96に記憶されたC
O濃度調整値Xが異常である場合には、アイドル時の燃
料噴射量を増量又は減量してフェイルセーフを実行する
ようにしたため、上記CO濃度調整値Xの異常時にもエ
ンジン11をアイドル運転可能な状態に保持することが
できる。
【0077】なお、上記各実施形態は、例えば以下のよ
うに変更することもできる。 ・第1実施形態では、入力操作パネル80からの信号に
基づきマップからアイドルCO濃度を適正範囲内の値と
するCO濃度調整値Xを算出するようにしたが、本発明
はこれに限定されない。例えば、アイドルCO濃度調整
時に、エアフローメータ34の出力信号を可変とするた
めの可変抵抗器をエンジン11に取り付け、作業者が同
可変抵抗器を操作してエアフローメータ34の出力信号
を増加及び減少させるようにする。この場合、上記エア
フローメータ34の出力信号に基づき燃料噴射量が補正
され、アイドルCO濃度が適正範囲内の値となる同メー
タ34の出力信号がCO濃度調整値としてバックアップ
RAM96に記憶される。従って、自動車へのエンジン
11の搭載時には、上記可変抵抗器をエンジン11から
取り外すことができるため、同エンジン11の搭載性悪
化を防止することができる。
【0078】・第1実施形態において、第2実施形態で
行われるようなバックアップRAM96に記憶されたC
O濃度調整値Xの異常検出や、同CO濃度調整値Xの異
常検出時のフェイルセーフを実行してもよい。この場
合、図4のフローチャートに、第2実施形態におけるス
テップS206〜ステップS217の処理が追加される
こととなり、その処理によって第2実施形態に準じた効
果を得ることができるようになる。
【0079】・第1実施形態では、アイドルCO濃度調
整の際にCO濃度調整値Xを自動的に増加又は減少徐変
させ、バックアップRAM96に記憶すべき適切なCO
濃度調整値Xを決定するようにしたが、本発明はこれに
限定されない。例えば、上記と同様に可変抵抗器をエン
ジン11に取り付け、作業者が同可変抵抗器を操作して
エアフローメータ34の出力信号を増加及び減少徐変さ
せる。そして、アイドルCO濃度が適正範囲内の値とな
る同メータ34の出力信号をCO濃度調整値としてバッ
クアップRAM96に記憶する。この場合も、上記と同
様の果を得ることができる。
【0080】・第2実施形態において、バックアップR
AM96に記憶されたCO濃度調整値Xが異常であると
判断された場合に、アイドル時の燃料噴射量を補正して
フェイルセーフを実行するのを止め、警告灯82を点灯
するだけにしてもよい。この場合、ステップS210〜
ステップS217の処理を実行しなくてもよいため、E
CU92の制御負担を軽減することができる。
【0081】・第2実施形態においては、バックアップ
RAM96に記憶されたCO濃度調整値Xが異常である
か否かの判断と上記フェイルセーフとの両方を実行する
こととした。しかし、フェイルセーフについては、これ
を必ずしも実行しない構成とすることもできる。この場
合、ステップS206〜ステップS217の処理を実行
しなくてもよいため、ECU92の制御負担を上記の場
合よりも更に軽減することができる。
【0082】・第1及び第2実施形態では、ISCV4
9aの開度を制御してアイドル時における燃焼室16へ
の吸入空気量を調節したが、これに代えて電子制御式の
スロットルバルブを採用し、同バルブの開度制御により
アイドル時の吸入空気量を調節してもよい。
【0083】このような電子制御式のスロットルバルブ
を採用した場合、同バルブはアクセルペダル47に連結
されるのではなくステップモータ(図示せず)に連結さ
れ、同モータより開閉される。アクセルペダル47の近
傍にはアクセルセンサ(図示せず)が設けられ、同セン
サから運転者によるアクセルペダル47の踏込量、即ち
アクセル開度に応じた検出信号がECU92の外部入力
回路98に出力される。スロットルバルブの開度(スロ
ットル開度)は、アクセル開度及びエンジン回転数等に
応じてステップモータが制御されることにより調節され
る。
【0084】・第2実施形態では、アイドルCO濃度を
CO濃度計により計測し、その計測した濃度値に基づ
き、アイドルCO濃度が適正範囲内の値となるCO濃度
調整値Xを算出するようにしたが、本発明これに限定さ
れない。例えば、燃焼室16に充填される混合ガスの空
燃比A/Fを検出する空燃比センサを設け、その空燃比
センサの検出値に基づき、アイドルCO濃度が適正範囲
内の値となるCO濃度調整値Xを算出するようにしても
よい。この場合、空燃比A/Fから上記CO濃度調整値
Xを算出するためのマップがROM93に記憶されるこ
ととなる。
【0085】・アイドルCO濃度調整装置を第1実施形
態のものと第2実施形態のものとを組み合わせた構成と
し、工場等の設備状況に応じて第1実施形態のものと第
2実施形態のものとを使い分けるようにしてもよい。
【0086】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、排気ガス
中のCO濃度が適正範囲内の値となるCO濃度調整値が
調整値記憶手段に記憶され、その記憶されたCO濃度調
整値に基づきアイドル時の燃料噴射量補正が実行され
る。従って、アイドルCO濃度調整用の可変抵抗器等を
内燃機関に実装せずとも、アイドル時における排気ガス
中のCO濃度を適正範囲内の値にすることができる。
【0087】請求項2記載の発明によれば、例えば排気
ガス中のCO濃度を計測するCO濃度計等の計測値、若
しくは混合ガスの空燃比を検出する空燃比センサ等の検
出値に基づき、調整値算出手段はCO濃度が適正範囲内
の値となるようなCO濃度調整値を算出する。従って、
作業者がCO濃度計等を見ながらCO濃度調整値を手動
で適正な値に調整しなくてもよいため、アイドル時のC
O濃度調整の作業効率低下を抑制することができる。
【0088】請求項3記載の発明によれば、調整値徐変
手段がCO濃度調整値を徐変させることにより排気ガス
中のCO濃度が変化し、そのCO濃度が適正範囲内の値
となるCO濃度調整値が調整値記憶手段に記憶される。
従って、手動でCO濃度調整値を徐々に変化させる場合
と異なり、調整値記憶手段に記憶すべき適切なCO濃度
調整値を容易に決定することができる。また、作業者が
CO濃度計等を見ながらCO濃度調整値を手動で適正な
値に調整しなくてもよいため、アイドル時のCO濃度調
整の作業効率低下を抑制することができる。
【0089】請求項4記載の発明によれば、調整値記憶
手段に記憶されたCO濃度調整値の異常の有無が調整値
異常手段によって検出されるため、内燃機関のアイドル
が不安定になったとき、その原因が調整値記憶手段に記
憶されたCO濃度調整値の異常にあるのか否かを容易に
判定することができる。
【0090】請求項5記載の発明によれば、調整値記憶
手段に記憶されたCO濃度調整値が異常である場合、フ
ェイルセーフ手段がアイドル時における内燃機関のフェ
イルセーフを実行するため、上記CO濃度調整値の異常
時にも同機関をアイドル運転可能な状態に保持すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のアイドルCO濃度調整装置が適
用されるエンジンの全体構成を示す断面図。
【図2】第1実施形態におけるアイドルCO濃度調整装
置の電気的構成を示すブロック図。
【図3】アイドルCO濃度、空燃比及びCO濃度調整値
の関係を示すグラフ。
【図4】第1実施形態におけるアイドルCO濃度調整手
順を示すフローチャート。
【図5】第2実施形態におけるアイドルCO濃度調整装
置の電気的構成を示すブロック図。
【図6】アイドルCO濃度調整時におけるエンジン回転
数及びCO濃度調整値の変化を示すタイムチャート。
【図7】第2実施形態におけるアイドルCO濃度調整手
順を示すフローチャート。
【図8】第2実施形態におけるフェイルセーフの実行手
順を示すフローチャート。
【符号の説明】
11…内燃機関、16…燃焼室、50…燃料噴射弁、9
2…電子制御ユニット(ECU92)、96…バックア
ップRAM。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】任意の値に設定可能なCO濃度調整値に基
    づき、内燃機関に噴射供給される燃料量を補正すること
    で、同機関のアイドル時に排出される排気ガス中のCO
    濃度を適正範囲内の値に保持する内燃機関のアイドルC
    O濃度調整装置において、 前記CO濃度が適正範囲内の値となるCO濃度調整値を
    記憶する調整値記憶手段と、 前記調整値記憶手段に記憶されたCO濃度調整値に基づ
    き、前記アイドル時に内燃機関に噴射供給される燃料量
    を補正する燃料噴射量補正手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関のアイドルCO濃度
    調整装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の内燃機関のアイドルCO濃
    度調整装置において、 アイドル状態の内燃機関から排出される排気ガス中のC
    O濃度、若しくはアイドル状態の同機関に吸入される混
    合ガスの空燃比に基づき、前記CO濃度が適正範囲内の
    値となるようなCO濃度調整値を算出する調整値算出手
    段を更に備え、 前記調整値記憶手段は、前記調整値算出手段によって算
    出されたCO濃度調整値を記憶するものであることを特
    徴とする内燃機関のアイドルCO濃度調整装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の内燃機関のアイドルCO濃
    度調整装置において、 前記アイドル時の燃料噴射量補正に用いるCO濃度調整
    値を徐変させる調整値徐変手段を更に備え、 前記調整値記憶手段は、前記調整値徐変手段によって徐
    変するCO濃度調整値の内、アイドル時に排出される内
    燃機関の排気ガス中のCO濃度が適正範囲内の値となる
    CO濃度調整値を記憶するものであることを特徴とする
    内燃機関のアイドルCO濃度調整装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関
    のアイドルCO濃度調整装置において、 前記調整値記憶手段に記憶されたCO濃度調整値の異常
    の有無を検出する調整値異常検出手段を更に備えること
    を特徴とする内燃機関のアイドルCO濃度調整装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の内燃機関のアイドルCO濃
    度調整装置において、 前記調整値異常検出手段によるCO濃度調整値の異常検
    出に基づき、前記アイドル時における内燃機関のフェイ
    ルセーフを実行するフェイルセーフ手段を更に備えるこ
    とを特徴とする内燃機関のアイドルCO濃度調整装置。
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WO2014069194A1 (ja) * 2012-10-30 2014-05-08 日立オートモティブシステムズ株式会社 多気筒エンジンの制御装置
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