JPH10287873A - 液晶組成物及び液晶セルの駆動方法 - Google Patents

液晶組成物及び液晶セルの駆動方法

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JPH10287873A
JPH10287873A JP9918497A JP9918497A JPH10287873A JP H10287873 A JPH10287873 A JP H10287873A JP 9918497 A JP9918497 A JP 9918497A JP 9918497 A JP9918497 A JP 9918497A JP H10287873 A JPH10287873 A JP H10287873A
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liquid crystal
state
electric field
frequency
crystal composition
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JP9918497A
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English (en)
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Naoki Hasegawa
直樹 長谷川
Masaya Kawakado
昌弥 川角
Arimitsu Usuki
有光 臼杵
Akane Okada
茜 岡田
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Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コレステリック相を示す液晶を用いて、液晶分
子の異なる配列状態に基づく異なる光学的状態をそれぞ
れメモリすることができて、しかも、その配列状態間を
相互に応答性よく切り換えできる液晶組成物を提供する
こと。 【解決手段】コレステリック相を示す二周波駆動液晶4
と高分子材料6とを有する液晶組成物2によると、誘電
異方性の符号の異なる周波数の電場を印加することによ
り、プレーナ配列による光学的状態(選択光反射状態)
と、フォーカルコニック配列による光学的状態(透明な
いし弱い散乱状態)とを、それぞれ応答性よく切り換え
し、しかもメモリできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、液晶と高分子材
料とを有する液晶組成物及びその液晶組成物を用いた液
晶セルの駆動方法に関し、詳しくは、コレステリック相
を示す二周波駆動液晶と高分子材料とを有する液晶組成
物及びその液晶組成物を用いた液晶セルの駆動方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】コレステリック相を示す液晶は、ヘリカ
ル(らせん状)な分子配列に基づく各種の特異的な光学
的性質を発揮する。なかでも、特徴的な性質は、虹色の
輝きの原因である選択光反射(selective reflection
)の現象である。この現象は、プレーナ配列(液晶の
ヘリカル軸が両方の基板面に垂直に配列している状態を
いう。)にあるコレステリック液晶に入射した光が、右
旋光と左旋光に分かれ、一方は透過し、一方は反射し、
結果として、コレステリック液晶のヘリカル軸の方向と
同一の旋光方向を持つ円旋光が選択的に散乱反射される
ことによるものである。そして、反射される波長が可視
光線の領域にある場合には、綺麗な虹色を呈するのであ
る。選択反射される波長は、ヘリカルピッチの長さを変
化させることにより容易に変えることができ、また、か
かる波長は、温度に依存して変化するが、高分子材料の
添加や配向処理や、適当な化合物の添加により、幅広い
温度範囲にわたって温度非依存性にすることもできる。
このようなコレステリック相を示す液晶は、その光学的
性質を利用してカラーデイスプレイや、サーモグラフ
ィ、温度計、圧力センサー等の各種計測器に利用されて
いる。
【0003】SID Asia Display ' 9
5 S8−4第113頁〜114頁には、コレステリッ
ク相を示す液晶を含有する液晶組成物であって、コレス
テリック相における二つのヘリカルな分子配列、すなわ
ち、プレーナ配列とフォーカルコニック配列(液晶のヘ
リカル軸が基板面にランダムな状態をいう。)とを電場
除去後も安定して維持する、すなわち、これらの両者の
配列状態をメモリして異なる光学的状態をそれそれ維持
させることのできる液晶組成物が開示されている。この
液晶組成物は、正の誘電異方性を有するコレステリック
相を示す液晶と高分子材料とを含んだ液晶組成物であ
る。図2には、この液晶組成物を用いた液晶セルにおけ
る二つの配列状態の切り換えの様子を示す。この図に示
すように、この液晶組成物を用いて電場無印加時に選択
反射状態としたプレーナ配列セルに、正の誘電異方性を
呈する所定の電場を印加すると、液晶14はフォーカル
コニック配列に変化して、セルは透明状態あるいは弱い
散乱状態となる。その後、電場を除去しても、該配列状
態は維持されて、すなわち、メモリされて、その光学的
状態が維持される。さらに、この状態の液晶セルに、一
定以上の電場を印加すると、液晶14は、強く電場方向
に平行に配向し、ホメオトロピック配列に変化する。そ
の後、電場を除去すると、今度は、基板の配向処理によ
る拘束力によって液晶14の配向が自然緩和され元のプ
レーナ配列による選択反射状態となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、この液晶
セルにおいて、プレーナ配列からフォーカルコニック配
列に変化させることは、所定の電場印加により応答性よ
く実行できる。一方、フォーカルコニック配列からプレ
ーナ配列状態へと変化させようとする場合、一旦、ホメ
オトロピック配列状態を経て、その後の基板拘束力によ
る自然な配向緩和によってプレーナ配列が形成されるの
を待たねばならない。すなわち、フォーカルコニック配
列からプレーナ配列への切り換えは、どうしても応答が
遅くなるという問題があった。
【0005】すなわち、従来技術においては、コレステ
リック相を示す液晶組成物であって、コレステリック相
を示す液晶によって形成される異なる分子配列状態をメ
モリすることはできるが、それらの状態間を応答性よく
切り換えできる液晶組成物は存在しなかった。そこで、
本発明では、コレステリック相を示す液晶を用いて、液
晶分子の異なる配列状態に基づく異なる光学的状態をそ
れぞれメモリすることができて、しかも、その配列状態
間を相互に応答性よく切り換えできる液晶組成物を提供
することをその目的とする。本発明は、また、コレステ
リック相を示す液晶組成物によって形成される2つの異
なる液晶の分子配列状態に基づく異なる光学的状態を、
応答性よく切り換えすることのできる液晶セルの駆動方
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ための手段として、本発明者らは、印加電場の周波数に
より誘電異方性の符号が変わる二周波駆動液晶に着目
し、コレステリック相を示す二周波駆動液晶と高分子材
料の混合物を液晶組成物として用いることにより、プレ
ーナ配列による光学的状態(選択光反射状態)と、フォ
ーカルコニック配列による光学的状態(透明ないし弱い
散乱状態)とを、それぞれメモリし、しかも応答性よく
切り換えできる液晶セルを得られることを見い出した。
【0007】すなわち、本発明の液晶組成物は、コレス
テリック相を示す二周波駆動液晶と高分子材料とを有す
る液晶組成物である。また、本発明の液晶セルの駆動方
法は、コレステリック相を示す二周波駆動液晶と高分子
材料とを有する液晶組成物に、符号の異なる誘電異方性
を示す周波数の電場を印加することにより、液晶セルの
光学的状態を切り換えすることを特徴とする液晶セルの
駆動方法である。
【0008】本発明の液晶組成物は、コレステリック相
を示す二周波駆動液晶と高分子材料とを有している。こ
のため、この液晶組成物に、液晶が負の誘電異方性を示
す周波数の所定の電場を印加すると、液晶は、プレーナ
配列状態となる。そして、この状態は電場除去後も液晶
組成物中において維持される。一方、プレーナ配列状態
の液晶組成物に、液晶が正の誘電異方性を示す周波数の
所定の電場を印加すると、液晶は、フォーカルコニック
配列状態となる。そして、この状態は電場除去後も液晶
組成物中に維持される。このフォーカルコニック配列状
態は、液晶のヘリカル軸は基板面に対してランダムな状
態にある。そして、フォーカルコニック配列状態の液晶
組成物に誘電異方性が負となる周波数の所定の電場を印
加すると、液晶はプレーナ配列状態となり、この状態
は、先と同様に液晶組成物中に維持される。
【0009】本発明の液晶組成物によれば、二周波駆動
液晶の特性である、電場方向に対する液晶分子の配向が
駆動周波数によって異なるという性質に基づいて、誘電
異方性の符号が異なる周波数の電場を印加することによ
り、コレステリック相の異なる二つの分子配列状態を形
成することができ、しかも、電場除去後も電場除去前の
配列状態が維持される。したがって、印加する電場の周
波数によって二つの分子配列状態間を応答性よく相互に
切り換えすることができる。さらに、切り換え後のそれ
ぞれの配列状態は、電場除去後も液晶組成物中に維持さ
れる。また、本発明の液晶セルの駆動方法によれば、印
加する電場の周波数によって液晶の分子配列状態を切り
換えできるので、これらの分子配列状態の相違に基づく
異なる光学的状態間を応答性よく切り換えすることがで
きる。さらに、電場除去後も電場除去前に形成された分
子配列状態が維持されるので、各状態をメモリするため
に連続して電場を印加する必要がない。すなわち、一時
的な電場の印加により、光学的状態の切り換えとその維
持が可能である。
【0010】図1に、本発明の液晶組成物を用いて形成
した液晶セルにおける液晶の分子配列状態の切り替えを
模式的に示す。この液晶組成物2には、コレステリック
相を示し、低周波数で正の誘電異方性を呈し、高周波数
で負の誘電異方性を呈する二周波駆動液晶4を用いてお
り、この液晶4中に高分子材料6がネットワーク状に分
散されている。
【0011】このような液晶セル8に、低周波数の所定
の電圧の電場を印加すると、液晶4の分子の配向は乱
れ、ヘリカル軸がランダムな状態にあるフォーカルコニ
ック配列状態となる。この切り換えにより、液晶セル8
は、選択光反射状態から、透明ないし弱い散乱状態とな
る。この状態は、電場除去後も維持される。そして、こ
のフォーカルコニック配列状態の液晶セルに、今度は、
高周波数の電場を印加すると、液晶4の分子は、電場方
向に垂直に、すなわち、基板10面に対して平行に配向
するので、強制的に元のプレーナ配列状態となる。この
切り換えにより、液晶セルは、透明ないし弱い散乱状態
から、選択光反射状態となる。この状態は、電場除去後
も維持される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において、二周波駆動液晶
とは、印加する電場の周波数により誘電異方性の符号が
異なる液晶である。たとえば、低周波数の電場の印加に
より、誘電異方性が正を示し(液晶分子が、電場方向に
平行に配向する)、高周波数の電場の印加により誘電異
方性が負(電場方向に垂直に液晶分子が配向する性質を
意味する。)を示す液晶であり、また、逆に、低周波数
の電場の印加により誘電異方性が負を示し、高周波数の
電場印加で誘電異方性が正を示す液晶である。
【0013】コレステリック相とを示すとは、液晶全体
としてヘリカルな分子配列構造を形成することをいう。
コレステリック相を示す液晶としては、コレステリック
環を持つコレステリック液晶と、コレステリック環を持
たないコレステリック液晶(カイラルネマティック液
晶)を挙げることができる。
【0014】コレステリック相を示す二周波駆動液晶
は、ネマティック相を示す二周波駆動液晶に、カイラル
剤を添加して作り出すことができる。カイラル剤は、混
合液晶に、固有のらせん状分子配列状態を形成させる目
的で添加される化合物である。カイラル剤は、側鎖に不
斉炭素原子を有する光学活性な分枝アルキル基や分枝ア
ルコキシ基を導入することによって形成することができ
る。カイラル剤は、液晶の二周波駆動性を損なわない限
りにおいて、特にその種類を限定することなく使用する
ことができる。また、ネマティック相を示す二周波駆動
液晶分子の末端基に、上記した不斉炭素原子を有する光
学活性な分枝アルキル基や分枝アルコキシ基を導入する
ことによって、直接コレステリック相を示すようにする
こともできる。上記した方法によって作り出された液晶
は、いずれも二周波駆動性のカイラルネマティック液晶
であるが、カイラルネマティク液晶でない、コレステリ
ック環を持つコレステリック液晶で二周波駆動性の液晶
も、使用することができる。
【0015】このように、コレステリック相を示す二周
波駆動液晶は、1種類のものを単独で用いてもよいが、
2種類以上の液晶の混合物を用いても良い。一般的に
は、種々の性質を満足する液晶を得るためには、液晶の
混合物を用いることが好ましい。さらに、使用する液晶
の分子量は特に問わないが、電場応答速度が速くなり、
ひいては、電場応答のため閾値電圧を低く設定すること
ができるという理由から、低分子量のものを用いること
が好ましい。ここでいう「低分子量」とは、液晶分子の
化学構造に応じて異なるが、例えば、分子量が1,00
0以下であることををいう。ただし、本発明に用いる2
周波駆動液晶が低分子量のものに限定するものでないこ
とは言うまでもない。本発明において使用できる二周波
駆動液晶としては、例えば、「化1」〜「化23」に列
挙したものを挙げることができる。
【0016】
【化1】 〔式中、R1 は、炭素数1〜17のアルキル基を表
し、R2 は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0017】
【化2】 〔式中、R3 は、炭素数1〜17のアルキル基を表
し、R4 は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0018】
【化3】 〔式中、R5 は、炭素数1〜17のアルキル基を表
し、R6 は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0019】
【化4】 〔式中、R7 は、炭素数1〜17のアルキル基を表
し、R8 は、炭素数1〜17のアルキル基を表す。〕
【0020】
【化5】 〔式中、R9 は、炭素数1〜17のアルキル基を表
し、R10は、炭素数1〜17のアルキル基を表す。〕
【0021】
【化6】 〔式中、R11は、炭素数1〜17のアルキル基を表
し、R12は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0022】
【化7】 〔式中、R13は、炭素数1〜17のアルキル基を表
す〕
【0023】
【化8】 〔式中、R14は、炭素数1〜17のアルキル基を表
す〕
【0024】
【化9】 〔式中、R15は、炭素数1〜17のアルキル基を表
す〕
【0025】
【化10】 〔式中、R16は、炭素数1〜17のアルキル基を表
す〕
【0026】
【化11】 〔式中、R17は、炭素数1〜17のアルキル基を表
す〕
【0027】
【化12】 〔式中、R18は、炭素数1〜17のアルキル基を表
し、R19は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0028】
【化13】 〔式中、R20は、炭素数1〜17のアルキル基を表
し、R21は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0029】
【化14】 〔式中、R22は、炭素数1〜17のアルキル基を表
し、R23は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0030】
【化15】 〔式中、R24は、炭素数1〜17のアルキル基を表
し、R25は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0031】
【化16】 〔式中、R26は、炭素数1〜17のアルキル基を表
し、R27は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0032】
【化17】 〔式中、R28は、炭素数1〜17のアルキル基を表
し、R29は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0033】
【化18】 〔式中、R30は、炭素数1〜17のアルキル基を表
し、R31は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0034】
【化19】 〔式中、R32は、炭素数1〜17のアルキル基を表
し、R33は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0035】
【化20】 〔式中、R34は、炭素数1〜17のアルキル基を表
し、R35は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0036】
【化21】 〔式中、R36は、炭素数1〜17のアルキル基を表
す〕
【0037】
【化22】 〔式中、R37は、炭素数1〜17のアルキル基を表
す〕
【0038】
【化23】 〔式中、R38は、炭素数1〜17のアルキル基を表
す〕
【0039】本発明の液晶組成物に使用する高分子材料
の種類は、液晶組成物の二周波駆動性とヘリカルな分子
配列構造を損なわない限り、限定しないで用いることが
できる。本発明に用いる高分子材料は、それ自体透明性
があることが好ましいが、かならずしも透明性がなくて
もよい。液晶との親和性を得るために、液晶と類似の構
造を有したものが好ましい。例えば、ビフェニル、フェ
ニルエステル等の構造を高分子材料中に有するものが好
ましく用いられる。
【0040】液晶中に高分子材料が分散される形態とし
ては、高分子材料が3次元ネットワーク状に分散するの
が好ましい。すなわち、連続相を形成する液晶中に、高
分子材料からなるネットワーク状の構造体が存在するよ
うな状態である。この場合、高分子材料のネットワーク
構造体により形成される空隙の大きさや形状は必要に応
じて選択することができる。
【0041】高分子材料は、公知の各種方法を用いて、
液晶中に分散させることができるが、重合して高分子材
料を形成することができるモノマーと液晶との混合液に
紫外線照射や加熱等の刺激を加えてモノマーを重合させ
る(モノマー重合法)のが好ましく、より好ましくは、
紫外線照射による重合によるのが好ましい。なお、重合
に際しては、架橋剤を混入させておいて、重合体を架橋
させることもできる。
【0042】一般に、モノマー重合法により、液晶と高
分子材料とを有する液晶組成物を形成する場合には、液
晶と高分子材料(複合体を形成すなわち高分子を形成す
るモノマー)との組み合わせにもよるが、モノマーの割
合が少ないと、液晶中に高分子材料が3次元ネットワー
ク構造体が形成されやすい。混合液中におけるモノマー
の配合割合は、液晶中に高分子材料を良好に分散させる
観点から、得られた液晶組成物中において高分子材料が
0.5重量%〜10重量%の範囲となるように配合する
のが好ましく、より好ましくは1〜5重量%である。高
分子材料の割合が多すぎる場合には、光透過量のスイッ
チングを行うのに高い電圧が必要となるので好ましくな
い。
【0043】液晶に高分子を導入して本発明の液晶組成
物を形成するのに用いるモノマーとしては、光、熱等で
重合可能な二重結合等の基を有したものであればよく、
1官能または多官能性のモノマーが使用できる。例え
ば、スチレン系、アクリル系のモノマーを使用できる。
好ましくは、液晶との親和性を得るために、液晶と類似
の構造を有したモノマーが好ましく、例えば、ビフェニ
ル、フェニルエステル等の官能基をモノマー中に有する
ものが好ましく用いられる。具体的には、以下のモノマ
ーを挙げることができる。
【0044】
【化24】
【0045】
【化25】
【0046】
【化26】
【0047】なお、液晶とモノマーとの混合液中には、
液晶とモノマーの他、光開始重合剤、光増感剤などの各
種添加剤、反応性希釈剤、有機溶媒等を含有していても
よい。また、この結果として、得られた液晶組成物中に
おいて、液晶と高分子材料の他に、各種添加剤や溶媒等
を含有していてもよい。光開始重合剤としては、たとえ
ば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェノキシプロ
パン−1−オン、ベンジルジメチルケタール等を挙げる
ことができる。
【0048】このような二周波駆動液晶と高分子材料と
を有する液晶組成物を用いて液晶セルを形成するには、
公知の各種方法を使用することができる。例えば、前記
二周波駆動液晶と、重合して高分子材料を形成するモノ
マーの均一な混合物を少なくとも一方が透明な電極間に
挟み込み、スペーサにより一定の電極間隔を維持した状
態で、紫外線、電子線、熱等により、モノマーを重合さ
せることにより、電極基板間において、液晶組成物を形
成させ、これにより液晶セルを作製することができる。
また、一方の電極基板上にこの重合前の混合物を塗工
し、紫外線、電子線、又は熱によりモノマーを重合させ
た後、もう一方の電極基板を張り合わせることにより、
液晶セルを作製することもできる。なお、液晶セルを形
成する場合、スペーサを用いて基板間のセルギャップを
均一にすることが好ましい。セルギャップは2μmから
100μm、好ましくは5μmから30μm,さらに好
ましくは10μmから30μmである。なお、電極基板
としては、特に限定することなく通常に用いられる基板
を用いることができ、例えば、インジウム・スズ化合物
(ITO)付のガラス等を用いることができる。配向処
理剤により、基板表面に、水平ないし垂直配向処理をし
てあってもかまわない。
【0049】本発明の液晶組成物を用いた液晶セルで
は、選択光反射状態と、透明ないし弱い散乱状態とを、
液晶の誘電異方性の符号が異なる周波数の電場を印加す
ることにより、応答性よく切り換えることができる。ま
た、それぞれの光学的状態は、電場除去後も維持される
ので、各状態をメモリするために電場を連続して印加す
る必要はなく、光学的状態を切り換えする時点において
のみ、電場を印加すればよい。したがって、省電力化を
図ることができるとともに、液晶の劣化を防止して液晶
の寿命が向上される。
【0050】
【発明の効果】本発明の液晶組成物によれば、誘電異方
性の符号が異なる周波数の電場の印加により、コレステ
リック相の異なる二つの分子配列状態を応答性よく相互
に切り換えし、しかも、電場除去後も、電場除去前の分
子配列状態を維持することができ、それぞれの配列状態
をメモリすることができる。
【0051】また、本発明の液晶セルの駆動方法によれ
ば、二周波駆動液晶の誘電異方性の符号が異なる周波数
の電場の印加により、応答性よく液晶セルの光学的状態
を切り換えて、しかも、電場除去後も電場除去前の光学
的状態を維持することができる。
【0052】(実施例1、2及び3)以下、本発明を具
現化した実施例について説明する。なお、本発明は以下
の実施例に限定されるものではない。
【0053】(液晶組成物用混合液の調製)実施例1で
は、ネマティック液晶である二周波駆動液晶(チッソ
製、DF-05XX)68.5重量部(以下、単に部で表
す。)、カイラル剤(チッソ製、CM32)27部、ビ
ナフトールアクリレート4部、光開始剤(メルク社製ダ
ロキュア1173)0.5部を混合して実施例1の液晶
組成物用混合液を調製した。実施例2では、実施例1の
二周波駆動液晶67.5部、カイラル剤(チッソ製、C
M34)26部、ビナフトールアクリレート6部、実施
例1の光開始剤0.5部を混合して実施例2の液晶組成
物用の混合液とした。実施例3では、二周波駆動液晶と
して、ネマティック液晶であるチッソDF02XXを用いた以
外は、実施例1の液晶組成物と同様に混合液を調製し
た。
【0054】比較例として、実施例1の二周波駆動液晶
に換えて、誘電異方性が正であるネマティック液晶(メ
ルク社製E 70)を用いた以外は実施例1と同様に、液
晶組成物用の混合液を調製した。
【0055】(液晶セルの作製)実施例1から3及び比
較例の液晶組成物用混合液をそれぞれ、12マイクロメ
ートル厚のスペーサを介在させた水平配向処理した透明
電極付きのガラス基板の間に充填した。なお、水平配向
処理剤としては、チッソ製のN−メチルアミノプロピル
トリメトキシシランを用いた。これらのセルに対して、
高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射し各実施例及び比
較例の液晶セルを作成した。この結果、実施例1から3
では、コレステリック相を示す二周波駆動液晶と高分子
材料とを有する液晶組成物が形成された。比較例では、
コレステリック相を示す誘電異方性が正の液晶と高分子
材料とを有する液晶組成物が形成された。
【0056】(応答性の評価)実施例1〜3の液晶セル
に、液晶が誘電異方性が正を示す60Hz−40V の低周波の
電場を1秒間印加後オフとし、フォーカルコニック配列
セルとした後に、誘電異方性が負を示す20kHz −50Vの
高周波の電場を印加してその間の反射光量の変化を測定
して、これらの液晶セルにおけるフォーカルコニック配
列からプレーナ配列への切り替えの応答性を評価した。
なお、プレーナ配列状態からフォーカルコニック配列状
態への切り換えは、実施例のいずれもが、電場印加時点
から50msec以内の短時間で切り換えされた。一方、比較
例については、60Hz−40V の電場を1秒間印加後オフし
て、フォーカルコニック配列とした後に、60Hz−80V の
電場を20msec印加後オフし、電場を印加した後の液晶セ
ルの反射光量の変化を測定して、この液晶セルにおける
フォーカルコニック配列からのホメオトロピック配列を
経由したプレーナ配列への切り替えの応答性を評価し
た。比較例の液晶セルにおいては、プレーナ配列状態か
らフォーカルコニック配列状態への切り換えには、電場
印加時点から50msecの時間を要した。いずれの評価にお
いても、電場印加時点から反射光量が定常状態(セルが
プレーナ配列セルとなっている状態)の90%に達する
のに要した時間を応答時間とした。実施例1〜3及び比
較例における評価結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】実施例1から3の液晶セルにおいては、電
場の印加時から、20〜30msecの短い時間内でフォー
カルコニック配列状態からプレーナ配列状態に切り換え
された。すなわち、プレーナ配列状態からフォーカルコ
ニック配列状態への切り換えと同等の応答時間であっ
た。なお、これらの液晶セルについては、フォーカルコ
ニック配列状態は、電場除去後も安定して維持されてい
た。これに対して、比較例の液晶セルでは、電場印加時
から110msecでフォーカルコニック配列からプレーナ
配列状態に切り換えされた。この応答時間は、プレーナ
配列状態からフォーカルコニック配列状態への切り換え
に要した時間に比して約2倍であった。 この結果から
明らかなように、コレステリック相を示す二周波駆動液
晶と高分子材料とを有する液晶組成物では、プレーナ配
列状態とフォーカルコニック配列状態とを、符号の異な
る誘電異方性を示す周波数の電場を印加することによ
り、相互に応答性よく、分子配列状態を切り換えて光学
的状態を切り換えすることができた。なお、実施例1な
いし3の液晶セルにおいては、フォーカルコニック配列
状態は、10日以上安定に保持されることが確認されて
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶組成物の分子配列状態の切り換え
を示す図である。
【図2】従来のコレステリック相を示す液晶組成物にお
ける分子配列状態の切り換えを示す図である。
【符号の説明】
2 液晶組成物 4 液晶 6 高分子材料 8 液晶セル 10 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 臼杵 有光 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 岡田 茜 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コレステリック相を示す二周波駆動液晶と
    この液晶中に分散された高分子材料とを有する液晶組成
    物。
  2. 【請求項2】コレステリック相を示す二周波駆動液晶と
    この液晶中に分散された高分子材料とを有する液晶組成
    物に、符号の異なる誘電異方性を示す周波数の電場を印
    加することにより、液晶セルの光学的状態を切り換えす
    ることを特徴とする液晶セルの駆動方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018141870A (ja) * 2017-02-28 2018-09-13 エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド 液晶表示装置
CN111323975A (zh) * 2020-04-09 2020-06-23 Tcl华星光电技术有限公司 具调光特性的光学薄膜及其制作方法
CN114675456A (zh) * 2022-04-11 2022-06-28 深圳市宝立创科技有限公司 一种染料掺杂双频液晶的三态切换智能窗的制备方法

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