JPH10281982A - 表面プラズモンセンサー - Google Patents

表面プラズモンセンサー

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JPH10281982A
JPH10281982A JP13653097A JP13653097A JPH10281982A JP H10281982 A JPH10281982 A JP H10281982A JP 13653097 A JP13653097 A JP 13653097A JP 13653097 A JP13653097 A JP 13653097A JP H10281982 A JPH10281982 A JP H10281982A
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surface plasmon
sensor
light beam
refractive index
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Masayuki Naya
昌之 納谷
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/55Specular reflectivity
    • G01N21/552Attenuated total reflection
    • G01N21/553Attenuated total reflection and using surface plasmons

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  • Pathology (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属膜センサーと、光ビームのカップリング
を行うカップラーとが分離して形成されている表面プラ
ズモンセンサーにおいて、センサーの装着を簡略化し、
センサーとカップラーとの位置関係を安定化する。 【解決手段】 表面プラズモンセンサーにおいて、カッ
プラー手段10に、金属膜3が形成されたセンサユニット
1を支持するセンサアタッチメント15を設け、該センサ
アタッチメント15によって、センサユニット1のカップ
ラー手段10に対する位置関係が常に一定となるようにセ
ンサユニット1を支持し、該センサユニット1とカップ
ラー手段10との間には、屈折率マッチングオイル5を充
填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面プラズモンの
発生を利用して試料中の物質を定量分析する表面プラズ
モンセンサーに関し、特に詳細には、光ビームのカップ
ラー手段とセンサーである金属膜とを分離して構成した
表面プラズモンセンサーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属中においては、自由電子が集団的に
振動して、プラズマ波と呼ばれる粗密波が生じる。そし
て、金属表面に生じるこの粗密波を量子化したものは、
表面プラズモンと呼ばれている。
【0003】従来より、この表面プラズモンが光波によ
って励起される現象を利用して試料中の物質を定量分析
する表面プラズモンセンサーが種々提案されている。そ
して、それらの中で特に良く知られているものとして、
Kretschmann配置と称される系を用いるものが挙げられ
る(例えば特開平6−167443号参照)。
【0004】上記の系を用いる表面プラズモンセンサー
は基本的に、プリズムと、このプリズムの一面に形成さ
れて試料に接触せしめられる金属膜と、光ビームを発生
させる光源と、上記光ビームをプリズムに通し、該プリ
ズムと金属膜との界面に対して種々の入射角が得られる
ように入射させる光学系と、上記の界面で全反射した光
ビームの強度を種々の入射角毎に検出可能な光検出手段
とを備えてなるものである。
【0005】なお上述のように種々の入射角を得るため
には、光ビームの照射系を回転させるいわゆるゴニオメ
ーター(例えば特開平6−50882号参照)が用いら
れたり、あるいは光ビームに種々の角度で入射する成分
が含まれるように、比較的太い光ビームを上記界面で集
束するように入射させる光学系が用いられる。前者の場
合は、光ビームの偏向にともなって反射角が変化する光
ビームを、光ビームの偏向に同期移動する小さな光検出
器によって検出したり、反射角の変化方向に沿って延び
るエリアセンサーによって検出することができる。一方
後者の場合は、種々の反射角で反射した各光ビームを全
て受光できる方向に延びるエリアセンサーによって検出
することができる。
【0006】光ビームを金属膜に対して全反射角以上の
入射角θで入射させると、反射面の金属膜中にエバネッ
セント波といわれる「にじみ波」が生じる。このエバネ
ッセント波は該金属膜に接している試料中に電界分布を
もち、この金属膜と試料との界面に表面プラズモンが発
生する。p偏光された光ビームが金属膜に対して入射さ
れて生じたエバネッセント波の波数ベクトルが上述の表
面プラズモンの波数ベクトルと等しく波数整合が成立す
ると両者は共鳴状態となり、光のエネルギーが表面プラ
ズモンに移行してプラズモンが励起される。この時、光
のエネルギーの移行のために全反射した光の強度は著し
く低下する。
【0007】それ故、上記表面プラズモンセンサーにお
いては、種々の入射角θで前記金属膜に入射させた光ビ
ームについて、該金属膜により全反射された光ビームの
強度の測定を行うことにより、反射強度が著しく低下す
る現象が生じる時の入射角θsp(全反射解消角)が得ら
れ、この全反射解消角θspと入射光の波数ベクトルK1
から共鳴波数Kspが、Ksp=K1sinθspの関係により導
かれる。表面プラズモンの波数Kspが分かると、試料の
誘電率が求められる。すなわち表面プラズモンの角周波
数をω、真空中の光速をc、金属、試料の誘電率をそれ
ぞれεm とεsとすると、以下の関係がある。
【0008】
【数1】
【0009】試料の誘電率εs が分かれば、所定の較正
曲線等に基づいて試料中の特定物質の濃度が分かるの
で、結局、上記反射光強度が低下する全反射解消角θsp
を知ることにより、試料中の特定物質を定量分析するこ
とができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した表面プラズモ
ンセンサーにおいては、光ビームのカップラーであるプ
リズムの一面にセンサーである金属膜が直接形成されて
いる例について説明したが、実際には、装置構成上の理
由から金属膜をカップラーとは別個にガラス等の透明基
板の一面に形成し(以下、金属膜が形成された基板を含
めてセンサーと称する。)、この基板の他面をカップラ
ーに密着させる構成をとる場合が多い。従来、このよう
な分離型の構成とする場合には、センサーとカップラー
との接合部の空気層による反射や多重反射の影響を除去
するために、屈折率マッチングオイルを接合面に塗布し
て両者を密着せしめている。
【0011】しかし、このように接合面にマッチングオ
イルを塗布して密着せしめる構成においては、センサー
の取付け、取り外しに手間がかかるという問題があっ
た。センサーの交換は比較的頻繁に行われるものである
ため、センサーの交換を容易に行うことができるように
することが望まれる。また、カップラーとセンサーとの
間のマッチングオイルの微妙な膜厚を一定にすることは
難しく、センサー交換時等に生じる膜厚の不均一性は検
出精度にも悪影響を与えていた。
【0012】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、センサー装着の簡略化、センサーとカップラー
との位置関係の安定化を実現した表面プラズモンセンサ
ーを提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の表面プラズモン
センサーは、所定の屈折率を有する透明基板、および、
この透明基板の一表面側に配された金属膜を備えてなる
センサユニットと、前記透明基板の前記一表面とは反対
側の他表面側に、前記所定の屈折率と略同じ屈折率を有
するマッチング液を挟んで配置されたカップラー手段で
あって、一部に形成されている入力部から入力された光
ビームを透過して、前記透明基板と前記金属膜との界面
に入射せしめ、該界面で全反射した光ビームを透過して
他の一部に形成されている出力部から出力する、該光ビ
ームが透過する部分が前記所定の屈折率と略同じ屈折率
を有するカップラー手段とを備え、前記光ビームを、前
記入力部から入力せしめ、前記界面で全反射されて前記
出力部から出力された光ビームの強度を検出する表面プ
ラズモンセンサーにおいて、前記センサユニットを、前
記透明基板と前記カップラー手段との間隔が常に一定と
なるように支持するセンサ支持手段を備え、前記間隔に
前記マッチング液が充填されていることを特徴とするも
のである。
【0014】前記センサ支持手段は、例えば、前記カッ
プラー手段の一部に固設されていてもよい。
【0015】また、前記間隔への前記マッチング液の充
填については、前記間隔へ前記マッチング液を供給する
マッチング液供給手段と、前記マッチング液が、前記透
明基板の前記他表面よりも高い位置まで侵入可能な、前
記間隔に通じる空間部とを備え、前記マッチング液供給
手段により、前記間隔に前記マッチング液を充填するよ
うにしてもよいし、あるいは、前記カップラー手段の、
前記透明基板に対面する側に、前記マッチング液をため
る液だめ部を形成し、前記透明基板に前記金属膜を囲む
ように防水壁を設け、前記センサユニットを、前記液だ
め部に前記透明基板の前記他表面が前記マッチング液に
浸水する状態に支持するようにして、前記間隔に前記マ
ッチング液を充填した状態としてもよい。
【0016】なお、前記カップラー手段の前記入力部お
よび前記出力部としては、カップラー手段にプリズムを
備え、該プリズムに前記入力部および前記出力部を形成
してもよいし、該入力部および該出力部を回折格子で形
成してもよい。あるいは、前記カップラー手段を、該カ
ップラー手段の前記透明基板と対面する側と反対の側に
凸状部を有するものとし、該凸状部の一側面および該一
側面に対向する他側面を透明板により形成し、前記凸状
部の内側には前記屈折率マッチング液を満たして、前記
一側面および前記他側面をそれぞれ前記入力部および前
記出力部としてもよい。
【0017】なお、ここで「カップラー手段」とは、前
記界面に入射される光ビームを表面プラズモン共鳴発生
条件に結合せしめるための手段の総称である。
【0018】なお、前記センサユニットの透明基板は、
前記所定の屈折率を有する、互いに密着せしめられた主
透明基板と保持透明基板とからなり、前記主透明基板上
に前記金属膜が配され、前記保持透明基板が前記屈折率
マッチング液を介して前記カップラー手段に対向するよ
うに配置されていてもよい。また、この場合、主透明基
板と保持透明基板とが前記屈折率と略同じ屈折率を有す
るマッチング液を介して密着せしめられていることが望
ましい。
【0019】なお、前記金属膜上に結合反応膜を設け、
該結合反応膜と結合反応する特定の物質を検出するよう
にしてもよい。ここで、「結合反応膜」および「該結合
反応膜と結合反応する特定物質」とは、例えば、抗原抗
体反応を生じる抗原(抗体)と抗体(抗原)のことであ
る。
【0020】
【発明の効果】本発明の表面プラズモンセンサーは、透
明基板およびこの透明基板の一表面側に配され、試料に
接触させられる金属膜を備えてなるセンサユニットを、
透明基板とカップラー手段との間隔が常に一定となるよ
うに支持するセンサ支持手段を設け、透明基板とカップ
ラー手段との間隔をマッチング液で充填するようにした
ため、マッチング液を塗布して密着せしめていた場合と
比較して、センサユニットの交換を非常に容易に行うこ
とができる。また、センサユニットとカップラー手段と
の間隔を容易に一定とすることも可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第一の実
施形態である表面プラズモンセンサーの側面形状を示す
ものである。
【0022】図示されるように、表面プラズモンセンサ
ーの基本構成は、測定すべき試料Sに接触させられる
金、銀等の金属膜が形成されたセンサユニット1と、こ
のセンサユニット1を支持するセンサ支持手段15を備
え、該センサユニット1に対して屈折率マッチングオイ
ル(マッチング液)5を介して配されているカップラー
手段10と、光ビームを発生し、該光ビームをカップラー
手段10に入射せしめる光源光学手段20と、カップラー手
段10から出射される光ビームの強度を測定する光検出手
段30とからなるものである。
【0023】次に、本発明の第一の実施形態における詳
細な各部の詳細な構成を説明する。
【0024】センサユニット1は、ガラスからなるセン
サ基板2上に金、銀等の金属膜3が形成されたものであ
る。なお、ガラス基板2上に金等の金属膜3を形成する
場合には、ガラス基板2上に予めクロムを1nmほど配し
た上で行う。これにより金属膜3の形成が容易となり、
また、剥離が抑えられる。また、表面プラズモンセンサ
ーによる分析においては、一般に、金属膜3上に結合反
応膜(抗原(あるいは抗体))を形成し、特定の物質に
選択的に応答する抗原・抗体反応を利用し、それと特異
的に吸着する抗体(あるいは抗原)量を入射角の変化と
して測定している。
【0025】また、カップラー手段10は、前記センサユ
ニット1と対面する側に凹部11が形成されたガラスから
なるセル12と、セル12の他面に形成されたプリズム13と
からなるものである。該カップラー手段10はその一部に
前記センサユニット1を支持するセンサ支持手段(セン
サアタッチメント)15を備えており、このセンサアタッ
チメント15により、センサ基板2とセル12との距離が常
に一定になるようにセンサユニット1を支持する。な
お、センサ基板2とカップラー手段10との間には屈折率
マッチングオイル5が充填される。なお、このセンサ基
板2、カップラー手段10および屈折率マッチングオイル
5は、屈折率が略同じものを用いる。
【0026】光源光学手段20は、光ビームLを発生させ
る半導体レーザ等からなる光源21と、光ビームLを集光
してプリズム13の一面から入射するコリメタレンズ22お
よび集光レンズ23とからなる。なお、光源21から発せら
れた光ビームLは、図示しない偏光子によりp偏光され
てプリズム13に入射される。集束された光ビームLは、
センサ基板2と金属膜3との界面4に対して種々の入射
角θで入射する成分を含むものである。なお、この入射
角θは、全反射臨界角以上の角度に設定し、光ビームL
が界面4で全反射されるようにする。
【0027】なお、光源光学手段を、一本の小さい径の
光ビームを発生させる光源と、該光源を回転させるゴニ
オメーターとから構成し、光源をゴニオメーターによっ
て回転させることにより光ビームの入射角θを種々の角
度にとるようにしてもよい。またさらに、ゴニオメータ
ーを用いる代わりにガルバノミラーを用いた光ビームの
偏向によって種々の入射角を得る構成としてもよい(特
願平8−109367号)。
【0028】上記入射角の変化に応じて界面4より反射
される光ビームLの反射角が変化するため、光検出手段
30としては、この反射角の変化方向に沿って受光素子が
並設されてなる、例えばCCDラインセンサー等が用い
られている。この他、光検出手段としてフォトダイオー
ド、特願平8−109366号記載の2分割フォトダイオー
ド、フォトダイオードアレイ等を用いてもよい。
【0029】以下、上記構成の表面プラズモンセンサー
による試料分析について説明する。分析に供される試料
Sは、金属膜3に接触する状態に配置される。光源光学
手段20により発生されてp偏光に設定された光ビームL
がプリズム13の一面から入射され、該プリズム13を透過
して界面4に対して入射される。前述の通り、集光され
て入射された光ビームLは金属膜3とセンサ基板2との
界面4に対して種々の入射角θで入射される。光ビーム
Lはこの界面4で全反射され、再びプリズム13を透過し
て該プリズム13の他の面から出射される。そして、この
出射された光ビームLを光検出手段30によって検出す
る。
【0030】光検出手段30の各受光素子毎に出力される
光検出信号は、全反射した光ビームLの強度Iを界面4
への入射角θ毎に示すものであり、この反射光強度Iと
入射角θとの関係は、概ね図2に示すようなものとな
る。
【0031】ここで、ある特定の入射角(全反射解消
角)θspで入射した光は、金属膜3と試料Sとの界面に
表面プラズモンを励起させるので、この光については反
射光強度Iが鋭く低下する。それ故、光検出手段30の各
受光素子毎に出力される光検出信号Sを用いれば全反射
解消角θspが分かり、この全反射解消角θspの値に基づ
いて試料S中の特定物質を定量分析することができる。
その理由は、先に詳しく説明した通りである。
【0032】次に、本発明の第二の実施形態を図3に示
す。上述の第一の実施形態と同様の構成および作用部分
についての詳細な説明は省略する(以下の実施形態にお
いても同様)。
【0033】この第二の実施形態においては、センサユ
ニット1とカップラー手段10との隙間にマッチングオイ
ル5を出入り可能とするパイプ41, 42をセル12を貫通さ
せて配し、一方のパイプ41は、端部に基板2の底面より
も鉛直方向において高い位置に開口を有してマッチング
液5が基板2の底面よりも高い位置まで侵入可能な空間
部を形成し、他方のパイプ42は、マッチングオイル5を
ためるマッチング液槽43内に挿入され、その途中にはポ
ンプ44が配されており、該マッチング液槽43およびポン
プ44と共にマッチング液供給手段を形成している。
【0034】本実施形態に係る表面プラズモンセンサー
においては、センサユニット1をセンサアタッチメント
15に支持させた後、ポンプ44を作動させてマッチング液
槽43からパイプ42を通じて面間にマッチングオイル5を
供給する。この時、一方のパイプ41内に侵入するマッチ
ングオイル5の液面が基板2の底面よりも高い位置とな
るまでマッチングオイル5を供給することにより、面間
を隙間無くマッチングオイル5で満たすことができる。
【0035】本発明の第三の実施形態を図4に示す。第
三の実施形態におけるセンサユニット1は、ガラス基板
2上に金属膜3が形成され、この金属膜3を囲むように
防水壁6が設けられたものである。
【0036】また、カップラー手段10に設けられたセン
サアタッチメント15' は、センサユニット1の基板2が
マッチングオイル5中に浸水状態となるように防水壁6
の一部でセンサユニット1を支持して該センサユニット
1のカップラー手段10に対する位置関係を定めるもので
ある。
【0037】以上の実施形態においては、プリズムが形
成されたカップラー手段を用いた場合について説明した
が、カップラー手段にプリズムを用いない構成とするこ
ともできる。例えば、図5に第四の実施形態として示す
ように、セル12に回折格子50,51を形成し、この回折格
子50, 51から光ビームLの入出力をするようにしてもよ
い。この場合、光ビームLは、入力用回折格子50によっ
て回折されて界面4に対して角度θで入射され、該界面
4で全反射され、出力用回折格子51で回折されて出射さ
れる。そして、この出射された光ビームLを光検出手段
30よって検出する。
【0038】また、図6に第五の実施形態として示すよ
うに、セル12下面に下に凸となる部分を形成し、この凸
状部53の内部には屈折率マッチングオイル5を満たし、
側面にガラス窓54, 55を形成して、このガラス窓54, 55
から光ビームLの入出力をせしめる構成としてもよい。
なお、ガラス窓54, 55には屈折率がセンサ基板2および
マッチングオイル5の屈折率と略同じものを使用する。
この場合、セル12のガラス窓54, 55以外の部分は透過性
を有する必要はない。
【0039】さらに、図7に第六の実施形態を示す。本
実施形態においては、センサユニット1は主透明基板10
2 および該主透明基板102 上に配された金属膜103 から
なるセンサ部104 と、該センサ部104 を保持するセンサ
保持部105 とからなるものである。センサ保持部105 の
下面はセンサ部104 の主透明基板102 と同程度の屈折率
を有する保持透明基板106 からなり、該保持透明基板10
6 の上にセンサ部104の透明基板102 がマッチングオイ
ルを介して密着せしめられた状態で測定が行われる。な
お、金属膜103 上には上述の実施形態と同様に結合反応
膜が形成されているものとする。センサの交換のために
は、センサユニット101 ごと交換してもよいし、センサ
部104 のみを交換してもよい。センサ部104 は簡単な構
成であるため安価であり、交換も容易である。また、均
一なサイズの基板を用いない自由な形態のものをセンサ
部104 として用いることができる。
【0040】カップラー手段10には、上記第五の実施形
態と同様に、セル112 の一部に下に凸となる部分を形成
し、この凸状部113 の側面に形成されたガラス窓114,11
5 から光ビームを入出射せしめる構成のものを用いる。
なお、測定時には、セル112と後述の光学系用筐体141
とで囲まれた凹部にマッチングオイル5を満たし、セン
サ保持部105 の下面がマッチングオイル5中に浸水状態
となるようにする。
【0041】光ビームLを出射してカップラー手段10に
入射せしめる光源光学手段20は、半導体レーザ121 とコ
リメタレンズ122 を備えてレーザ光Lを平行光として出
射する光源123 と、該光源123 から出射されたレーザ光
Lを反射するミラー124 と、集光レンズ125 とからなる
ものである。なお、光源123 から発せられた光ビームL
は、図示しない偏光子によりp偏光されてカップラー手
段10に入射されるものであり、集束された光ビームL
は、透明基板102 と金属膜103 との界面107 に対して種
々の入射角θで入射する成分を含むものである。なお、
この入射角θは、全反射臨界角以上の角度に設定し、光
ビームLが界面107 で全反射されるようにする。
【0042】また、界面107 で反射されてカップラー手
段110 の窓115 から出力された光ビームを検出する検出
手段30側にも集光レンズ131 が配されており、光ビーム
が常に検出手段30によって検出されるように構成されて
いる。
【0043】上述のカップラー手段10、光源光学手段20
および検出手段30は、すべて基台140 上に配置されてい
る。この基台140 上に光源光学手段20等を取り囲むよう
に形成されている光学系用筐体141 にカップラー手段10
が固設されており、光源光学手段20の集光レンズ122 お
よび検出手段30側の集光レンズ131 とが該カップラー手
段10の下面に釣支されている。
【0044】基台140 上にはさらに、光学系用筐体141
を取り囲むようにして筐体142 が形成されており、この
筐体142 の上面にはセンサユニット101 を支持するセン
サアタッチメント143 が備えられている。筐体142 に固
定されたセンサアタッチメント143 にセンサユニット10
1 は固定されてカップラー手段10との間隔を一定に維持
するように支持されている。
【0045】さらに、上記のように種々の入射角からの
反射強度から全反射解消角θspを得る方法の他に、一定
入射角度における反射強度が全反射解消角θspの値に応
じて変化することを利用して、例えば光ビームの入射角
を全反射解消角θspよりも小さい一定の角度に設定し、
この時の反射強度に基づき全反射解消角θspを求めるこ
とも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る表面プラズモン
センサーの側面図
【図2】表面プラズモンセンサーにおける光ビーム入射
角と、光検出手段による検出光強度との概略関係を示す
グラフ
【図3】本発明の第二の実施形態に係る表面プラズモン
センサーの側面図
【図4】本発明の第三の実施形態に係る表面プラズモン
センサーの側面図
【図5】本発明の第四の実施形態に係る表面プラズモン
センサーの側面図
【図6】本発明の第五の実施形態に係る表面プラズモン
センサーの側面図
【図7】本発明の第六の実施形態に係る表面プラズモン
センサーの側面図
【符号の説明】
1 センサユニット 2 センサ基板 3 金属膜 4 界面 5 屈折率マッチングオイル 10 カップラー手段 12 セル 13 プリズム 15 センサアタッチメント 20 光源光学手段 30 光検出手段 L 光ビーム

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の屈折率を有する透明基板、およ
    び、この透明基板の一表面側に配された金属膜を備えて
    なるセンサユニットと、 前記透明基板の前記一表面とは反対側の他表面側に、前
    記所定の屈折率と略同じ屈折率を有するマッチング液を
    挟んで配置されたカップラー手段であって、一部に形成
    されている入力部から入力された光ビームを透過して、
    前記透明基板と前記金属膜との界面に入射せしめ、該界
    面で全反射した光ビームを透過して他の一部に形成され
    ている出力部から出力する、該光ビームが透過する部分
    が前記所定の屈折率と略同じ屈折率を有するカップラー
    手段とを備え、 前記光ビームを、前記入力部から入力せしめ、前記界面
    で全反射されて前記出力部から出力された光ビームの強
    度を検出する表面プラズモンセンサーにおいて、 前記センサユニットを、前記透明基板と前記カップラー
    手段との間隔が常に一定となるように支持するセンサ支
    持手段を備え、 前記間隔に前記マッチング液が充填されていることを特
    徴とする表面プラズモンセンサー。
  2. 【請求項2】 前記センサ支持手段が前記カップラー手
    段の一部に固設されていることを特徴とする請求項1記
    載の表面プラズモンセンサー。
  3. 【請求項3】 前記間隔へ前記マッチング液を供給する
    マッチング液供給手段と、 前記マッチング液が、前記透明基板の前記他表面よりも
    高い位置まで侵入可能な、前記間隔に通じる空間部とを
    備え、 前記マッチング液供給手段により、前記間隔に前記マッ
    チング液が充填されることを特徴とする請求項1または
    2いずれか記載の表面プラズモンセンサー。
  4. 【請求項4】 前記カップラー手段の、前記透明基板に
    対面する側に、前記マッチング液をためる液だめ部が形
    成され、 前記透明基板に前記金属膜を囲むように防水壁が設けら
    れ、 前記センサユニットが、前記液だめ部に前記透明基板の
    前記他表面が前記マッチング液に浸水する状態に支持さ
    れていることを特徴とする請求項1または2いずれか記
    載の表面プラズモンセンサー。
  5. 【請求項5】 前記カップラー手段がプリズムを備えて
    なり、 前記入力部および前記出力部が、前記プリズムに形成さ
    れていることを特徴とする請求項1から4いずれか記載
    の表面プラズモンセンサー。
  6. 【請求項6】 前記カップラー手段の前記入力部および
    前記出力部が、回折格子からなることを特徴とする請求
    項1から4いずれか記載の表面プラズモンセンサー。
  7. 【請求項7】 前記カップラー手段が該カップラー手段
    の前記透明基板と対面する側と反対の側に凸状部を有
    し、 前記凸状部が、該凸状部の一側面および該一側面に対向
    する他側面が透明板により形成され、該凸状部の内側に
    は前記屈折率マッチング液が満たされたものであり、 前記一側面および前記他側面がそれぞれ前記入力部およ
    び前記出力部であることを特徴とする請求項1から4い
    ずれか記載の表面プラズモンセンサー。
  8. 【請求項8】 前記センサユニットの透明基板が、前記
    所定の屈折率を有する、互いに密着せしめられた主透明
    基板と保持透明基板とからなり、 前記主透明基板上に前記金属膜が配され、 前記保持透明基板が前記屈折率マッチング液を介して前
    記カップラー手段に対抗するように配置されていること
    を特徴とする請求項1から7いずれか記載の表面プラズ
    モンセンサー。
  9. 【請求項9】 前記主透明基板と保持透明基板とが前記
    屈折率と略同じ屈折率を有するマッチング液を介して密
    着せしめられていることを特徴とする請求項8記載の表
    面プラズモンセンサー。
  10. 【請求項10】 前記金属膜上に結合反応膜を設け、該
    結合反応膜と結合反応する特定の物質を検出するもので
    あることを特徴とする請求項1から9いずれか記載の表
    面プラズモンセンサー。
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