JPH10279413A - 植物抽出物 - Google Patents

植物抽出物

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JPH10279413A
JPH10279413A JP8107997A JP8107997A JPH10279413A JP H10279413 A JPH10279413 A JP H10279413A JP 8107997 A JP8107997 A JP 8107997A JP 8107997 A JP8107997 A JP 8107997A JP H10279413 A JPH10279413 A JP H10279413A
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basil
extract
repellent
ocimum
pest repellent
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JP8107997A
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Keishirou Inahata
慶四郎 稲畑
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INAHATA EMI
INAHATA JIYUNKO
Original Assignee
INAHATA EMI
INAHATA JIYUNKO
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新しい植物抽出物の提供 【解決手段】 カレーリーフなどの天然植物抽出物を含
む製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、有害生物忌避剤
を植物に散布することにより行なわれる植物防疫方法に
用いる散布剤と、有害生物忌避剤を人間や動物の皮膚に
塗布したり有害生物忌避剤の蒸気の近くに身を置いたり
することにより行なわれる、人間及び動物防疫方法に用
いる製品に係る。
【0002】
【従来の技術】有害生物忌避剤としては従来より天然及
び合成の有害生物忌避剤が用いられており、天然の有害
生物忌避剤としては古くより除虫菊が広く用いられてい
る。除虫菊はピレスロイドを成分として含み、蚊取線香
等に配合されている。一方、合成の有害生物忌避剤とし
てはディート(N、N−ジエチルトルアミド)が広く利
用されている。このディートは、ベトナム戦争の時にア
メリカで開発された合成の有害生物忌避剤である。現在
農作物等の植物に用いられている有害生物忌避剤として
はディートが最も一般的である。
【0003】植物防疫は、従来よりベンゼンヘキサクロ
ライド(BHC)、ジクロロジフェニルトリクロロエタ
ン(DDT)等の有機塩素系農薬やパラチオン等の有機
リン系の農薬といった殺虫剤、ボルドウ液等の銅剤、石
灰硫黄合剤等の硫黄剤といった殺菌剤、その他にも除草
剤などさまざまな農薬を使用することにより行われてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題及び目的】上記の従来の
有害生物忌避剤及び植物防疫方法には以下のような問題
点が存在する。防虫菊等の天然の有害生物忌避剤は忌避
距離が小さく、また有害生物がすぐに抵抗性を持つた
め、長期間使用した場合効果が乏しいという問題点があ
る。また、ディートは、安全性に疑問が残るとされ、特
に高濃度で使用したり、長時間使用する場合には皮膚炎
や脳神経傷害の危険性がある。また、ディートは気化性
が高いため持続性が低いという問題点も存在する。一
方、植物防疫に用いられているBHC、DDT、パラチ
オン等の農薬は残留性のため安全性に疑問が残り、特に
高濃度の環境下では人が作業することができない。また
農薬使用による環境汚染及び農作物への影響といった問
題も存在する。このように現在用いられているディート
等の有害生物忌避剤及び農薬は効果や安全性に乏しいた
め、使用する場合には作業者は十分に注意を払う必要が
ある。また、従来の有害生物忌避剤及び農薬を農作物に
散布した場合には、農作物に付着した農薬による人体へ
の影響が心配されるため、散布後一定期間農作物を収穫
できないという不便がある。
【0005】一方、ディート等は虫よけとして、人間の
皮膚に塗ったりスプレーされたりして使用されている
が、人体及び環境に対する悪影響の恐れが心配されてい
る。本発明の目的は、人体に対する安全性や忌避効果の
持続性が極めて高い有害生物忌避剤を提供し、さらにこ
の有害生物忌避剤を植物に散布することにより無農薬あ
るいは低農薬で安全性が高い作物を栽培することがで
き、また農薬による環境への悪影響を低減することがで
きる人間及び動植物防疫方法及び防疫剤を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決し上記の目的を達成するためになされたものであっ
て、本発明の有害生物忌避剤は、ホーリーバジル(Oc
imum sanctumとその亜種のOcimum
basilicum ’Morphia’)、カレーリ
ーフ(Murraya koenigii)のうち少な
くとも1種以上の天然植物から得られる抽出組成物が含
有されていることを特徴とする。本発明の散布式有害生
物忌避方法は、ホーリーバジル(Ocimum san
ctumとその亜種のOcimum basilicu
m ’Morphia’)、カレーリーフ(Murra
ya koenigii)のうち少なくとも1種以上の
天然植物から得られる抽出物に記載されている他成分の
いずれか、もしくは数種以上とから調製された組成物を
植物に農薬とともに、あるいは単独で散布することを特
徴とする。又、ホーリーバジル、カレーリーフのうち少
なくとも1種以上からの抽出物を、請求項3に記載され
ている形態にした組成物を使用して、人間及び動物を有
害生物から守ることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明を実施した有害生物忌避剤
は、ホーリーバジル、カレーリーフのうち少なくとも1
種以上の天然植物から得られる抽出物を含有する。発明
者の実験によると、上記ホーリーバジル、カレーリーフ
の抽出物にはハエ、カ、ダニ、毛虫等の有害生物に対す
る忌避効果があり、ホーリーバジル、カレーリーフの抽
出物が配合された有害生物忌避剤を使用することにより
農作物等の植物から有害生物を遠ざける。したがって、
植物に対する虫食いの害や有害生物からの病原菌の感染
の危険性を低減する。即ち、この有害生物忌避剤を植物
に散布することにより植物防疫を行えば、有害生物忌避
効果と同時に殺菌剤や殺虫剤と同様の効果が得られ、結
果として農薬使用を廃止しまたはその量を減らすことが
できる。それ故無農薬あるいは低農薬で安全性が高い作
物を栽培することができる。環境に対する農薬の影響が
減少するため農薬による環境汚染問題も改善されること
となる。
【0008】更に、ホーリーバジル及びカレーリーフは
天然食用植物であるため、この抽出物が含有された有害
生物忌避剤は安全性が極めて高く、農作物等に散布直後
でもその農作物を収穫使用することができる。本発明に
おいて使用されるホーリーバジルとは、シソ科の植物の
一種でOcimum sanctumとその亜種のOc
imum basilicum ’Morphia’と
のことであるが、本植物はインドや東南アジアで古くか
ら自生もしくは栽培されハーブの一種として食用に供さ
れてきた。タイにおいてはバイカプラオと呼ばれ、タイ
カレーやその他の料理にハーブとして広く用いられ、き
わめて安全性の高いものである。
【0009】ホーリーバジルには近縁種が多く、その中
で一番有名なのはスイートバジル(メボウキ、Ocim
um basilicum)であり、それは特にイタリ
ア料理で多用されている。その他の近縁種としてレモン
バジル(Ocimum basilicum var.
citriodorum)、ブッシュバジル(グリーク
バジル、Ocimum basilicum var.
minimum)、パープルラッフルズ(Ocimum
basilicum ’Purple Ruffle
s’)、ダークオパールバジル(Ocimum bas
ilicum’Purpureum’)、アニスバジル
(Ocimum basilicum’Anis
e’)、シナモンバジル(Ocimum basili
cum ’Cinnamon’)、レタスリーフバジル
(Ocimum basilicum var.cri
spum)等がある。
【0010】これらはいずれもハーブとして古くから食
用に供されており、その食用安全性は非常に高い。しか
し本発明において使用されるホーリーバジルとはOci
mum sanctumとOcimum basili
cum ’Morphia’とのことを意味し、スイー
トバジルなど他の種類のバジルのことを意味しない。そ
の理由は、多くの種類のバジルの栽培実験の結果、ホー
リーバジルの葉は虫食いに悩ませられないが他の種類の
バジルには多くの虫がつく事を発見したことが本発明の
出発点であるからである。本発明の抽出組成物の製造に
おいては、このホーリーバジルの全草、又は葉、茎、果
実、根などいずれの部位も使用でき、全草または一部分
以上の部位からの抽出物を必須成分とするが、より望ま
しくは葉を出発原料とすると有効成分が効率よく抽出さ
れるので好ましい。上記抽出原料を乾燥状態、あるいは
非乾燥状態で必要に応じて細断し、溶剤又は水蒸気蒸留
にて抽出をおこなう。
【0011】本発明において使用されるカレーリーフ
は、ミカン科ムラヤ属植物の1種である。カレーリーフ
はインド、台湾、中国の熱帯あるいは亜熱帯に分布し、
比較的乾燥した疎林中に生育する植物であり、植物全体
は薬用として、更に葉は香辛料として使用されるなど人
体に対する安全性が極めて高い植物である。特にインド
やスリランカではカレーリーフの葉は古来より料理に使
用され続けて来た。調理の始めに油でまずカレーリーフ
の葉をいためて味と香を油に移し、それから他の材料を
加えて行くのが多くの料理の基本であり、又南インドで
は料理の加熱が終わる直前にフレッシュな葉を加える事
もしばしばある。本発明においては、このカレーリーフ
の全草、または葉、茎、果実、根などいずれの部位も使
用でき、全草または一部分以上の部位からの抽出物を必
須成分とするが、より望ましくは、葉を出発原料とする
と有効成分が効率よく抽出されるので好ましい。上記抽
出原料を乾燥状態、あるいは非乾燥状態で必要に応じて
細断し、溶媒又は水蒸気蒸留にて抽出をおこなう。
【0012】抽出に用いる溶媒としては、極性溶媒、非
極性溶媒のいずれのものでも限定されることなく好適に
使用される。極性溶媒としては水、酸またはアルカリ水
溶液、又はこれらの塩の水溶液、液体又は超臨界二酸化
炭素、あるいは炭素数1〜5の低級アルコール、炭素数
1〜3の低級アルコールと脂肪酸とのエステル又は炭素
数1〜3のケトン類あるいはこれらの含水物が好適に使
用される。具体的にはメタノール、エタノール、プロパ
ノール、あるいはこれらの含水物、酢酸エチル、アセト
ン、プロピレングリコール等が例示される。非極性溶媒
としては、炭素数4〜12までの炭化水素類、石油エー
テル、炭素数3〜6までのエーテル、炭素数1〜4まで
の含ハロゲン化合物であればよい。具体的にはn−ヘキ
サン、シクロヘキサン、石油エーテル、リグロイン、エ
チルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン、ジクロ
ロメタン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、ブタ
ジエン、クロロホルム、トルエン、ベンゼン等が例示さ
れる。
【0013】この発明ではこのような極性溶媒、非極性
溶媒のうちの一種又は任意の二種以上の混合物が、特に
限定されることなく抽出溶媒として使用でき、より好ま
しくは極性溶媒を用いる方が抽出効率が良い。水蒸気蒸
留による抽出とは、上記抽出原料に常圧、減圧又は加圧
の水蒸気をふきこみ、その留出蒸気を冷却して液化した
抽出原料中の揮発成分である精油と水の混合物より、分
液し、または非極性溶剤にて抽出後非極性溶剤を蒸留に
より除去して得られる、抽出原料の揮発成分の抽出方法
の事を言う。この抽出方法は一般に天然香料の製造に用
いられている方法である。この抽出方法に特に限定され
ずに、常法により行うこともできる。抽出原料1重量部
に対する水蒸気のふきこみ量は、その水蒸気の水換算量
で0.1から100重量部の範囲が適用できるが、抽出
効率と経済的観点から0.5から20重量部の範囲が好
ましい。しかし特に後者に限定されるものではない。
【0014】また抽出方法としては特に上記のものに限
定はされず、常法に従って他の方法でも行うことができ
る。すなわち抽出溶媒中に出発原料を室温又は加温下で
浸漬させ、その後、抽出液から溶媒を留去して抽出物を
得る。室温で浸漬する場合は1〜120時間程度、最も
好ましくは約24時間、また加温抽出を行う場合は溶媒
を40〜70℃、最も好ましくは約60℃に加温して1
〜10時間、最も好ましくは約3時間行う。抽出後、抽
出液を減圧濃縮して溶媒を留去した後、必要により洗浄
を行ってもよい。洗浄には水や温水或いは水蒸気を用い
ることができる。水や温水による洗浄を行う場合は、抽
出物に対して0.1〜50倍重量、より具体的には1〜
30倍重量、最も好ましくは約2倍、の水又は温水を使
用する。水蒸気を用いる場合はその留出液量が0.1〜
50倍重量、最も好ましくは約2倍重量となる範囲で洗
浄を行う。この洗浄は数回行うのが好ましく、洗浄を行
うことにより、水溶性の着色成分や、収穫後食用に供す
る場合の苦み成分を除去することができる。
【0015】また、本発明では所定の抽出液を得た後の
抽出残渣について、さらに溶媒を用いて二次抽出を行っ
てもよい。この場合、抽出残渣からの二次抽出には、最
初の抽出で使用した溶媒と同じ溶媒を用いることもでき
るが、異なる溶媒を使用してもよい。また、抽出溶媒と
して水やエタノール或いは水−エタノール混合溶液等の
非毒性のものを用いる場合、抽出液をそのまま有効成分
として使用してもよい。
【0016】上述の方法以外に、例えば出発原料をまず
極性溶媒を用いて一次抽出し、得られた抽出液から溶媒
を留去した後洗浄を行い、この洗浄物を再度極性溶媒に
て二次的に抽出して溶媒を留去し、目的とする抽出物を
得ると言う方法を採用することもできる。さらに、出発
原料を極性溶媒を用いて一次抽出し、得られた抽出液か
ら溶媒を留去した後洗浄し、この洗浄物を次に非極性溶
媒中に溶解して洗浄し、目的とする抽出物を得る方法を
採用することもできる。或いは出発原料を予め非極性溶
媒中に溶解させて共雑物を除去した後、極性溶媒による
抽出を行う方法を採用することもできる。
【0017】さらに、本発明では出発原料から抽出物を
得る前又は後に脱臭を目的に水蒸気蒸留を行い、精油を
除去することもできる。具体的に詳述すると、例えば水
蒸気蒸留を使用する場合では、その流出液量が原料植物
の1〜50倍重量、より好ましくは2〜20倍重量、最
も好ましくは約4倍重量とされるのが好ましい。この理
由は、留出液量が原料植物の等倍量未満であると充分な
精油の抽出ができず、一方、50倍重量を超えて使用し
ても精油の抽出量の増加は期待できないため、いずれの
場合も好ましくないからである。また実験結果では約4
倍重量が、脱臭や製造時間や経済的理由等の点で最も好
ましい結果を与えた。上記水蒸気蒸留に代えて、抽出工
程の前処理あるいは後処理として吸着剤による処理を行
ってもよい。吸着剤としては活性炭が最も好ましいが、
その他に活性アルミナ、ケイソウ土、カオリン、珪酸カ
ルシウム、活性白土、シリカゲル等も特に限定されるこ
となく使用できる。
【0018】上述の方法によりホーリーバジル及びカレ
ーリーフから有効成分を回収し、これらのうち少なくと
も1種以上の有効成分を必須成分として常法により有害
生物忌避剤が調製される。上記有効成分の配合量として
は特に限定されず用途により広範囲の中で選択できる。
すなわち使用目的と製造の形態により異なるが、0.0
001〜100重量%の範囲で配合されうる。例えば植
物に直接噴霧する製剤にあっては0.0001〜2%、
好ましくは0.0005〜0.1%、最も好ましくは約
0.002%、水で薄めた後植物に噴霧する濃厚製剤で
は0.1〜100%、好ましくは0.5〜50%、最も好
ましくは約2%、また人畜の皮膚等に塗る製剤としては
0.05〜3%、好ましくは0.2〜2%、最も好ましく
は約1%程度が例示できる。
【0019】本発明に係る有害生物忌避剤の形態として
は、スプレー、軟膏、液剤、ゲル剤、錠剤、揮散させて
環境全体を改善するような芳香剤、線香、マットなどを
挙げることができるが、特にこれらに限定されるもので
はない。また、本発明に係る有害生物忌避剤にはホーリ
ーバジル及びカレーリーフから得られる抽出物以外に本
発明の効果を損なわない範囲で展着剤、固着剤、保存
料、増粘安定剤、乳化剤、酸化防止剤、希釈剤等が配合
されてもよい。展着剤、固着剤としては、アラビアガ
ム、カゼインカルシウム、リグニンスルホン酸塩、澱
粉、デキストリン、加工澱粉、イソパラフィン等を例示
することができる。これは食品であるか、または日本食
品衛生法で認められている食品添加物である事がより望
ましいが特にこれらに限定されるものではない。
【0020】保存料としては、安息香酸ナトリウム、ソ
ルビン酸を例示することができる。これは日本食品衛生
法で認められている食品添加物である事が望ましいが特
にこれらに限定されるものではない。増粘安定剤は展着
剤としても役立ち、製剤の安定化も向上するが、アラビ
アガム、グアーガム、大豆蛋白等を例示することができ
る。これは日本食品衛生法で認められている食品添加物
か、食品であることが望ましいが特にこれらに限定され
るものではない。乳化剤としては農薬用に既に使用され
ているアルキルベンゼンスルフォン酸カルシウムや脂肪
酸ポリオキシエチレンソルビット等も例示できる。しか
し好ましくは日本食品衛生法で許可されているショ糖脂
肪酸エステル、レシチン、乳化作用のある増粘安定剤で
あるアラビアガム等の方がより望ましい。しかし特にこ
れらに限定されるものではない。
【0021】酸化防止剤としてはトコフェロール、セー
ジ抽出物、ローズマリー抽出物、ジブチルヒドロキシト
ルエン等を例示できる。これは製剤の保存性を高めるた
めに使用しうる。この場合も日本食品衛生法で許可され
ている食品添加物である事がより望ましい。しかし特に
これらに限定されるものではない。希釈剤としては水、
エタノール、トリエチルサイトレート、セルローズ、澱
粉、流動パラフィン、ケロシン等を例示できるが特にこ
れらに限定されるものではない。極性溶剤、非極性溶
剤、粉末状のもの(澱粉等)、ワックス状のもの(パラ
フィン)等のほとんどすべての希釈剤を使用できるが、
植物、人畜、環境に最も安全な水がより好ましい。しか
し特にこれらに限定されるものではない。
【0022】本発明に係る人間、動物植物の防疫方法と
忌避剤においては、前記ホーリーバジル及びカレーリー
フから得られる抽出物、展着剤及び希釈剤から調製され
る有害生物忌避剤が用いられる。展着剤としては上記し
たアラビアガム、カゼインカルシウム、リグニンスルホ
ン酸塩等を挙げることができる。しかし特にこれらに限
定されるものではない。また希釈剤としては水、エタノ
ール、あるいは水−エタノール混合溶液等を例示するこ
とができる。しかし特にこれらに限定されるものではな
く、非毒性のものであれば好適に用いることができる。
【0023】
【実施例】次に、本発明に係る有害生物忌避剤及び植物
防疫方法を実施例に基づき詳細に説明する。但し、本発
明の実施は以下の実施例に限定されるものではない。 《実施例1》ホーリーバジルの葉1Kgをエタノール5
Kgで常温にて一昼夜抽出し、得られた抽出液を減圧濃
縮して抽出物8.9gを得た。 《実施例2》ホーリーバジルの葉1Kgを水蒸気蒸留に
て蒸留し、留液10Kgを得た後、精油を分画し、精油
3.2gを得た。 《実施例3》カレーリーフの葉1Kgを水12Kgで8
0℃にて3時間抽出し、濾過して得られた濾液を減圧濃
縮してブリックス65の抽出物18.7gを得た。
【0024】《実施例4》カレーリーフの葉1Kgを水
蒸気蒸留にて蒸留し、留液10Kgを得たあと、精油を
分画し、精油3.2gを得た。 《実施例5》ホーリーバジルの葉0.5Kg及びカレー
リーフの葉0.5Kgをエタノール5Kgで常温にて一
昼夜抽出し、得られた抽出液を減圧濃縮して抽出物9.
5gを得た。 《実施例6》ホーリーバジルの葉0.5Kg及びカレー
リーフの葉0.5Kgを水蒸気蒸留にて蒸留し、留液1
0Kgを得たあと、精油を分画し、精油3.1gを得
た。
【0025】《試験例1》上記実施例1〜6の抽出物を
トリエチルサイトレートで希釈して0.5、1、2、5
%溶液を調製した。実施例2と4と6の抽出物はトリエ
チルサイトレートに透明に溶解するのでそのまま試験に
供したが、実施例1と3と5の抽出物は濁るので振って
試験に供した。また比較例としてはディートを用い、同
様にトリエチルサイトレートで希釈して0.5、1、
2、5%溶液を調製した。これらの希釈溶液について、
ヒトスジシマカの雌を用いて吸血阻止効果を以下の方法
により評価した。雌成虫で吸血可能な状態のヒトスジシ
マカ100匹をケージ(20×20×30cm)に放っ
た。次いで人間の左腕約1cm2に上記希釈溶液を約0.
25ml(25ml/m2)塗布し、10分間乾燥させ
てからケージに供試して2分間放置した後、刺噛数を数
えた。ブランクとしては何も塗布されていない人間の右
腕を同じケージに供試し、次式1(数1)により有害生
物忌避率を算出した。
【0026】
【数1】
【0027】算出した結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】上記結果から、ホーリーバジル及びカレー
リーフからの抽出物にはディートと同様の忌避効果があ
り、ディートに比べてより少量でその効果を発揮すると
いえる。
【0030】《試験例2》5m四方の穂場に観賞用バラ
の木及び2年物の紀州みかんの苗を各14本づつ199
6年4月に植え、実施例1〜6の抽出物を用いて表2の
処方にて製剤化した有害生物忌避剤を水にて100倍に
希釈し、得た液体を各植物2本づつに6月始めより8月
末まで毎週1回1本につき50mlづつ噴霧器にて噴霧
した。尚、ブランクとしては水を噴霧した。この間、各
実施例群とブランク群の植物の葉の状態や、虫の付き具
合を観察した。表2の処方で製剤化するにあたってはT
Kホモミクサー(特殊機化工業社)を使用して乳化して
有害生物忌避剤を作った。
【0031】
【表2】
【0032】結果を以下の基準に基づきまとめて表3に
示す。 [1] 葉の状態については下の通りである。 ○; 虫食いがなく良好である。 △; 少し虫食いがある。(虫食い葉が5%以下) ×; 虫食いが多い。(虫食い葉が5%超) [2] 毛虫類の有無については下の通りである。 ○; 全くいない。 △; 若干いる。(1本に2匹以下) ×; 多数いる。(1本に3匹以上) [3] ダニ類の有無については下の通りである。 ○; ダニが全くつかなかった。 ×; ダニが多くついた。
【0033】
【表3】
【0034】表3に示した結果より明らかなように、ホ
ーリーバジル及びカレーリーフの抽出物を植物体に噴霧
することにより有害生物を長期間忌避し、葉の状態の改
善、毛中類の除去又は減少、ダニ類の除去又は減少につ
いて顕著な効果を得ることができた。したがって、葉な
どに対する虫食いを防ぐことができる。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の有害生物
忌避剤は、ホーリーバジル(Ocimum sanct
umとその亜種であるOcimum basilicu
m ’Morphia’)、カレーリーフ(Murra
ya koenigii)のうち少なくとも1種以上の
天然植物から得られる抽出物が含有されてなることを特
徴とする。この有害生物忌避剤にはホーリーバジル、カ
レーリーフのうち少なくとも1種以上の天然植物から得
られる抽出物が含有されており、この忌避剤は有害生物
忌避効果があり、しかも人畜及び、農作物等の植物から
有害生物を遠ざけることができるという効果を奏する。
しかもこの忌避剤は化学的合成品ではない食品ないし香
辛料抽出物から作られるので環境に対してきわめて優し
い。即ち、ホーリーバジル及びカレーリーフは天然の食
用植物であり、安全性が極めて高く作業者が安心して使
用することができ、また農作物に散布した直後にも作物
を収穫できるという効果を奏する。
【0036】また本発明にかかる人間、動物植物防疫及
び忌避剤はホーリーバジル(Ocimum sanct
um)、カレーリーフ(Murraya koenig
ii)のうち少なくとも1種以上の天然植物から得られ
る抽出物、展着剤、固着剤、保存料、増粘安定剤、乳化
剤、酸化防止剤、希釈剤のいずれかもしくは数種以上か
ら調製された有害生物忌避剤を、植物に農薬とともにあ
るいは単独で散布するか、又は人間や動物の皮膚に塗布
したり有害生物忌避剤の近くに身を置いたりすることに
より行われることを特徴とする。
【0037】この植物防疫方法においては、上記ホーリ
ーバジル、カレーリーフのうち少なくとも1種以上の天
然植物から得られる抽出物、展着剤及び希釈剤等からな
る有害生物忌避剤を植物に散布することにより植物防疫
が行われるため、有害生物を忌避して植物の有害生物に
よる虫食いや有害生物からの病原菌の感染の危険性を低
減することができる。即ち、この植物防疫方法により有
害生物忌避効果だけでなく殺虫剤や殺菌剤と同様の効果
が得られるため、農薬の使用量を減らすことができ、そ
の結果、無農薬あるいは低農薬で安全性が高い作物を栽
培することができる。更に農薬の使用量を減らすことに
より環境に対する農薬の影響も減少するため、農薬によ
る環境汚染問題も改善されるという優れた効果を奏す
る。また、本発明の有害生物忌避剤が昔から食品として
食べられている植物の成分であるため、ディート等の化
学的合成物と異なり、人間や動物が食べても、また人間
や動物の皮膚にぬっても、その蒸気を吸入しても安全で
あり、しかも効果がすぐれているため、環境に優しい理
想的な有害生物忌避剤と言える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A01N 25/34 A01N 25/34 A C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホーリーバジル(Ocimum san
    ctumとその亜種のOcimum basilicu
    m ’Morphia’)、カレーリーフ(Murra
    ya koenigii)のうち少なくとも1種以上の
    天然植物から得られる抽出物を含有することを特徴とす
    る有害生物忌避剤。
  2. 【請求項2】 ホーリーバジル(Ocimum san
    ctumとその亜種のOcimum basilicu
    m ’Morphia’)、カレーリーフ(Murra
    ya koenigii)のうち少なくとも1種以上の
    天然植物から得られる抽出物と、展着剤、固着剤、保存
    料、増粘安定剤、乳化剤、希釈剤のいずれか、もしくは
    数種以上とから調製され、単独で又は農薬とともに散布
    するようにしたことを特徴とする散布式植物用有害生物
    忌避剤。
  3. 【請求項3】 ホーリーバジル(Ocimum san
    ctumとその亜種のOcimum basilicu
    m ’Morphia’)、カレーリーフ(Murra
    ya koenigii)のうち少なくとも1種以上の
    天然植物から得られる抽出物を含むことを特徴とする液
    剤、スプレー、軟膏、クリーム、ゲル剤、線香、マッ
    ト、錠剤の形態の、人間及び動物用有害生物忌避剤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5980903A (en) * 1997-08-27 1999-11-09 Pruthi; Som C. Composition for the treatment of viral infections including HIV
KR100318303B1 (ko) * 1999-12-23 2001-12-24 박명규 담배 가향용 바질 추출물 제조방법
KR100478135B1 (ko) * 2001-10-24 2005-03-21 주식회사 내츄로바이오텍 살충성을 가지는 식물정유 및 화합물
CN102365976A (zh) * 2011-10-10 2012-03-07 浙江省农业科学院 一种防治稻飞虱的植物源农药

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