JPH10274126A - インジェクタ - Google Patents

インジェクタ

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JPH10274126A
JPH10274126A JP9133997A JP9133997A JPH10274126A JP H10274126 A JPH10274126 A JP H10274126A JP 9133997 A JP9133997 A JP 9133997A JP 9133997 A JP9133997 A JP 9133997A JP H10274126 A JPH10274126 A JP H10274126A
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JP
Japan
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pressure
chamber
fuel
ring
diameter portion
Prior art date
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JP9133997A
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English (en)
Inventor
Futoshi Nakano
太 中野
Tadashi Uchiyama
正 内山
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Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
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Publication date
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Priority to US09/194,024 priority patent/US6138923A/en
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M57/00Fuel-injectors combined or associated with other devices
    • F02M57/02Injectors structurally combined with fuel-injection pumps
    • F02M57/022Injectors structurally combined with fuel-injection pumps characterised by the pump drive
    • F02M57/025Injectors structurally combined with fuel-injection pumps characterised by the pump drive hydraulic, e.g. with pressure amplification
    • F02M57/026Construction details of pressure amplifiers, e.g. fuel passages or check valves arranged in the intensifier piston or head, particular diameter relationships, stop members, arrangement of ports or conduits
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M57/00Fuel-injectors combined or associated with other devices
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    • F02M57/025Injectors structurally combined with fuel-injection pumps characterised by the pump drive hydraulic, e.g. with pressure amplification

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料増圧式のインジェクタにおいて、作動オ
イルが作用する圧力室又は燃料が増圧される増圧室から
の動的な高圧力に起因して、増圧ピストンとその摺動中
空穴との間をシールする樹脂製シール部材が劣化するの
を防止する。 【解決手段】 圧力室8からの作動オイルが増圧ピスト
ン119と大径中空穴26との隙間27を通じて、スプ
リング室30内にリークするのをシール部材である樹脂
製のOリング44がシールしている。圧力室8とOリン
グ44との間に位置する増圧ピストン119と大径中空
穴26との摺動面49a,49b間には、金属製のC形
リング91が設けられている。圧力室からのインパルス
状の動的高圧力は、C形リング91が受け止めて、Oリ
ング44にまで作用するのを防ぎ、Oリング44の劣化
を防止している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コモンレールか
ら供給された増圧室内の燃料を増圧ピストンによって増
圧するインジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジン用油圧作動式電子制御燃
料噴射装置として、例えば、特表平6−511527号
公報に開示されたものがある。この燃料噴射装置に用い
られるインジェクタは、エンジンの燃料噴射行程におい
て油圧作動の噴射器の燃料流量特性を可変的に制御した
り、迅速な始動を可能にしたものであり、例えば、図1
0に示されるような構造を有している。
【0003】図10に示すように、インジェクタ1は、
中空穴46を備え且つ噴孔13を形成されたノズル本体
2、増圧室7を形成する燃料供給本体(プランジャバレ
ル)5、ノズル本体2と燃料供給本体5との間に位置す
るスペーサ本体81と中空孔29を備えた中空スペーサ
本体21、高圧作動オイルが供給される圧力室8を備え
ているインジェクタ本体4、及びリーク通路であるドレ
ン溝39とドレン通路38を備え且つソレノイド弁16
を配置したソレノイド本体3の各本体を備えている。ケ
ース6は、ノズル本体2、スペーサ本体81、中空スペ
ーサ本体21及び燃料供給本体5を取り囲み、ケース6
とこれら各本体との間に燃料チャンバ20を形成し且つ
これら本体を一体化するために、インジェクタ本体4に
固定されている。ケース6は、一端がノズル本体2の段
部の当接面14に係止してシールされ、他端がインジェ
クタ本体4に螺入された嵌合面80でシールされてい
る。ケース6に形成された燃料供給口11と燃料排出口
12がコモンレール51に開口し、燃料がコモンレール
51から燃料チャンバ20に常時供給されている。
【0004】インジェクタ1は、燃料チャンバ20から
供給された燃料を増圧するための燃料供給本体5内に形
成された増圧室7、増圧室7から噴孔13へと燃料を供
給するため、スペーサ本体81、中空スペーサ本体21
及びノズル本体2に形成された燃料通路22、ノズル本
体2の中空穴46内で摺動可能に保持されて燃料圧によ
って噴孔13を開放する針弁23、増圧室7の燃料を増
圧する増圧ピストン109、増圧ピストン109の端部
に高圧を付与する高圧作動オイルが供給される圧力室
8、及び圧力室8に高圧作動オイルの供給を制御するソ
レノイド弁(制御弁)16を有している。
【0005】リターンスプリング18は、中空スペーサ
本体21に形成された中空孔29内に配置され、噴孔1
3を閉鎖する方向に針弁23にばね力を付勢する。リタ
ーンスプリング18の一端は針弁23の上端に当接し、
他端はスペーサ本体81に当接している。インジェクタ
本体4に形成された大径中空穴26で形成される中空部
のスプリング室30は、増圧ピストン109の大径部1
15の端面と燃料供給本体5との端面との間に形成され
ている。スプリング室30には、増圧ピストン109を
圧力室8側へ付勢するリターンスプリング17が配置さ
れている。インジェクタ本体4に形成された中空穴85
には、作動オイルをカットする側にソレノイド弁16を
付勢するリターンスプリング19が配置されている。増
圧ピストン109が配置されたスプリング室30は、燃
料供給本体5に形成された排出路83及び排出路83に
配置された逆止弁84を通じて燃料チャンバ20に連通
している。スプリング室30には、通常、漏洩燃料が入
り込んでおり、燃料チャンバ20内の燃料圧と同等の状
態であるが、増圧ピストン109の往復動によって流入
燃料がスプリング室30から排除されて空所が形成され
ている。
【0006】増圧ピストン109は、増圧室7の一部を
下端面で形成するプランジャである小径部114、圧力
室8の一部を上端面で形成すると共にインジェクタ本体
4の大径中空穴26内を往復動する大径部115、及び
大径部115の外周全周辺から垂下して大径中空穴26
の内面を摺動する摺動面49を構成するガイドリング部
118から構成されている。ガイドリング部118は、
増圧ピストン109の上下動を安定させる機能を有す
る。増圧ピストン109の小径部114は燃料供給本体
5に形成された小径中空穴42を往復動し、大径部11
5はインジェクタ本体4に形成された大径中空穴26を
往復動する。また、インジェクタ本体4に形成された大
径中空穴26にはゴム製Oリングから成るシール部材4
4が配置され、増圧ピストン109と大径中空穴26と
の隙間をシール部材44でシールし、圧力室8内の高圧
作動オイルがスプリング室30へ漏洩しないように、ス
プリング室30と圧力室8とが遮断されている。増圧ピ
ストン109を復帰させるため、リターンスプリング1
7が、燃料供給本体5と増圧ピストン109との間に圧
縮状態で配設されている。小径部114と大径部115
とは別体で構成され、小径部114の頂面116が大径
部115の内面に当接している。
【0007】燃料供給本体5に形成された小径中空穴4
2の端部には、増圧室7が形成されている。増圧室7へ
の燃料の供給は、燃料チャンバ20から中空スペーサ本
体21に形成した燃料通路37とスペーサ本体81に形
成した燃料通路35を通じて行われる。燃料通路35に
は、増圧室7の高圧燃料が燃料チャンバ20に逆流する
のを防止するため、逆止弁36が組み込まれている。ま
た、増圧室7内の増圧された燃料は、スペーサ本体8
1、中空スペーサ本体21及びノズル本体2に形成され
た燃料通路22を通じて噴孔13へと供給される。ノズ
ル本体2と針弁23との間には、燃料通路が形成され、
針弁23の先端のテーパ面45に高圧燃料圧が付与され
ることによって針弁23はリフトする。針弁23は、ノ
ズル本体2の中空穴46内で摺動可能に保持されて燃料
圧によってリフトされ、噴孔13を開放する。
【0008】増圧ピストン109は、圧力室8に面する
大径部115の頂面75の外周部が切り欠かれた平らな
面73に形成されている。圧力室8を形成するインジェ
クタ本体4の壁面は、増圧ピストン109の頂面75に
対して平行な平らな面72に形成されている。従って、
圧力室8において、増圧ピストン109の平らな面73
とインジェクタ本体4の平らな面72との間には、狭い
環状隙間74が形成されている。また、増圧ピストン1
09は、その頂面75の中央の突出部がリターンスプリ
ング17のばね力によってインジェクタ本体4の平らな
面72に当接している。
【0009】インジェクタ1において、リターンスプリ
ング17を収容したスプリング室30は、増圧ピストン
109の大径部115及びガイドリング部118が摺動
するインジェクタ本体4に形成された大径中空穴26に
形成されている。増圧ピストン109とインジェクタ本
体4の大径中空穴26との摺動面49は、大径部115
と大径中空穴26との間に配置されたシール部材44に
よってシールされているので、スプリング室30から圧
力室8への燃料の漏洩は阻止されている。増圧ピストン
109用のリターンスプリング17が配置されているス
プリング室30には、小径部114のプランジャ回り即
ち燃料供給本体5の小径中空穴42と小径部114の外
周面との間の摺動面43における極僅かな隙間を通じて
増圧室7から燃料がリークする。また、インジェクタ本
体4と燃料供給本体5との当接面間における極僅かな隙
間48を通じて燃料チャンバ20からも燃料がリークす
る。通常はスプリング室30には増圧ピストン109の
ストローク分の空所が形成されて燃料が入り込んでい
る。そこで、スプリング室30における空所が増圧ピス
トン109のストローク分以下となる程度まで燃料が侵
入すると、増圧ピストン109の往復動に伴ってスプリ
ング室30に存在する燃料が排出路83を通じて燃料チ
ャンバ20へ排出される。排出された燃料の逆流は、逆
止弁84の作用で阻止される。
【0010】リターンスプリング17は、燃料供給本体
5の上面とスプリングリテーナ117との間に圧縮状態
で配設されているので、小径部114を大径部115の
動作に追従させている。小径部114が大径部115に
当接する頂面116は、全体が滑らかな凸曲面に形成さ
れている。
【0011】また、インジェクタ1が組み込まれたエン
ジンにおける燃料供給システムとして、図9に示すもの
が知られている。燃料供給システムでは、エンジンの各
気筒にインジェクタ1がそれぞれ設けられている。イン
ジェクタ1には、燃料供給のための共通の通路であるコ
モンレール51が設けられている。コモンレール51に
は、燃料ポンプ53の駆動によって燃料タンク52の燃
料が燃料フィルタ54を通じて供給される。コモンレー
ル51は各インジェクタ1に連通し、燃料回収通路55
を通じて燃料タンク52に回収される。即ち、インジェ
クタ1は、その燃料供給口11と燃料排出口12とに所
定圧の燃料が常に供給されているコモンレール51に配
置されている。
【0012】インジェクタ1は、燃料圧の増圧のため
に、高圧の作動流体即ち作動オイルを圧力室8へ供給す
るように構成されている。インジェクタ1は、高圧オイ
ルマニホルド56にそれぞれ連結されている。高圧オイ
ルマニホルド56には、オイル溜まり57からのオイル
がオイルポンプ58の作動によってオイル供給路61を
通じて供給され、オイル供給路61の途中にはオイルク
ーラ59やオイルフィルタ60が設けられている。ま
た、オイル供給路61は、オイルギャラリ62に通じる
潤滑系通路67とインジェクタ1の圧力室8に供給され
る作動オイル系通路66に分岐している。作動オイル系
通路66には、高圧オイルポンプ63が設けられ、高圧
オイルポンプ63から高圧オイルマニホルド56へのオ
イルの供給は流量制御弁64を介してコントロールされ
ている。コントローラ50は、流量制御弁64の制御と
インジェクタ1のソレノイド10の制御を行うように構
成されている。コントローラ50には、エンジンの作動
状況として、回転センサ68で検出されたエンジン回転
数、負荷センサ69で検出されたアクセル開度及び位置
センサ70で検出されたクランク角が入力されている。
また、コントローラ50には、高圧オイルマニホルド5
6に設置した圧力センサ71で検出された高圧オイルマ
ニホルド56の作動オイル圧が入力される。
【0013】インジェクタ1は、噴孔13の針弁23に
よる開閉作動がソレノイド10の制御によって行われる
ものであり、コントローラ50からの指令でソレノイド
10が付勢されると、アーマチャ32が吸着され、アー
マチャ32に固定されているソレノイド弁16がリター
ンスプリング19のばね力に抗してリフトする。ソレノ
イド弁16がリフトすると、ソレノイド弁16のテーパ
面86とインジェクタ本体4のバルブシート87との間
に形成される通路33が開口し、高圧作動オイルが高圧
オイルマニホルド56からインジェクタ本体4に形成さ
れた供給路31と通路34を通じて圧力室8に供給され
る。圧力室8に高圧作動オイルが供給されると、増圧ピ
ストン109の大径部115の頂面75とインジェクタ
本体4の壁面(平らな面)72との間に形成された環状
隙間74に高圧作動オイルが供給され、増圧ピストン1
09に作動圧が付勢される。一方、コモンレール51の
燃料は、ケース6に形成された供給口11から燃料チャ
ンバ20に供給され、次いで、燃料チャンバ20から中
空スペーサ本体21に形成した燃料通路37、スペーサ
本体81に形成された燃料通路35を通じて増圧室7に
供給されている。
【0014】増圧ピストン109が圧力室8内の作動オ
イルの圧力で下降すると、燃料通路35が逆止弁36に
よって閉鎖され、増圧室7内の燃料が増圧される。増圧
室7の燃料が増圧されると、燃料圧はリターンスプリン
グ18のばね力に抗して針弁23をリフトさせる。ま
た、ソレノイド10によるソレノイド弁16への付勢力
が解放すると、リターンスプリング19のばね力でソレ
ノイド弁16が下降し、ソレノイド弁16に設けたドレ
ン溝39が開放し、圧力室8の高圧作動オイルはドレン
溝39とドレン通路38を通じて排出される。圧力室8
の高圧作動オイルが排出されると、増圧ピストン109
がリターンスプリング17のばね力で元に復帰し、増圧
室7は燃料チャンバ20と同等の圧力になり、針弁23
にかかる燃料圧が低下し、リターンスプリング18のば
ね力で針弁23のテーパ面45がノズル本体2のバルブ
シートに着座して噴孔13が閉鎖する。
【0015】上記のインジェクタ1によれば、増圧ピス
トン109による燃料増圧仕事の一部が逆止弁84を開
いて燃料を排出する仕事に費やされるので、燃料噴射量
の目標未達成、即ち、出力不足を生じたり、サイクル
間、気筒間での燃料噴射のバラツキ、即ち、エンジン出
力軸が回転変動をするという不都合を生じている。
【0016】そこで、本出願人は、図11に示すよう
に、排出路83と逆止弁84とを廃止し、摺動面43に
ゴム製Oリングから成るシール部材47を設け、且つ大
径中空穴26を開放通路40により大気に開放したイン
ジェクタ90を提案した(特願平8−46830号)。
大径中空穴26への燃料の浸入と浸入した燃料の排出を
無くすることにより、増圧ピストン109の増圧仕事に
ロスを無くして、増圧作用をフルに発揮させることが可
能になった。図11に示すインジェクタ90は、図10
に示すインジェクタ1と比較して、構造大径中空穴26
へのリークを許容する液体とその排出の点、及び大径中
空穴26へのリークを防止すべき液体をシールするため
のシール部材の設け方の点以外の細部については同等で
あり、且つ同等の構成要素については同じ符号を付した
ので、重複する説明を省略する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、増圧ピ
ストンを有するインジェクタにおいては、圧力室内の作
動油圧が増圧ピストンに作用すると、増圧室において大
径部と小径部との面積比の倍率で増圧された燃料がイン
ジェクタの先端に設けられている噴孔から噴射される。
図10と図11に示したインジェクタにおいては、燃料
と作動オイルとが互いに混入しないように、樹脂製Oリ
ングから成るシール部材によって増圧室と圧力室とを分
離している。即ち、図10に示したインジェクタ1で
は、大径中空穴26と増圧ピストン109の大径部11
5(及びそれに繋がるガイドリング部118)との摺動
面49の間にゴム製Oリングから成るシール部際44を
配置し、スプリング室30内にリークした燃料を排出路
83を通じて燃料チャンバ20に排出している。そし
て、図11に示したインジェクタ90では、小径中空穴
42と増圧ピストン109の小径部114との摺動面4
3の間にゴム製Oリングから成るシール部材47を配置
し、スプリング室30内にリークした作動オイルを開放
通路40を通じてシリンダヘッドカバー内に排出してい
る。
【0018】しかしながら、増圧ピストン109は噴射
サイクル毎に高速で往復動するため、シール部材44,
47であるOリングは摩耗によって劣化しやすい。特
に、図11に示したインジェクタでは、小径中空穴42
と増圧ピストン109の小径部114との摺動面43の
間に設けられるシール部材47に対して、増圧室7内の
極めて高い圧力がインパルス(衝撃波)状に作用するの
で、シール部材47の周辺においてキャビテーションを
引き起こし、Oリングの表面が荒れてシール性能が著し
く低下する。シール部材47のシール性能が低下する
と、燃料増圧室7内の燃料は、摺動面43を通じてスプ
リング室30にリークして、開放通路40を通じてシリ
ンダヘッドカバー内に排出され、エンジン潤滑油に混入
して、潤滑油粘度の低下、エンジン潤滑不良、及びエン
ジン焼付き等のエンジン運転上の不具合を生じるおそれ
がある。また、上記と逆の経路で、潤滑油が燃料中に混
入して、排気ガスの悪化(スモークの増加)という不具
合を生じる可能性もある。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は、上記
の課題を解決することであり、増圧ピストンの大径部又
は小径部と中空穴との摺動面を通じての増圧燃料のリー
クを前記摺動面間に設けたシール部材で阻止するインジ
ェクタであって、圧力室又は増圧室と前記シール部材と
の間において、圧力室又は増圧室からのインパルス状の
瞬間的な高圧力、即ち動的な高圧力を前記摺動面の途中
で遮断してシール部材に作用させないようにして上記の
問題点を解消するインジェクタを提供することである。
【0020】この発明は、コモンレールからの燃料が供
給される本体に形成された増圧室、前記増圧室内の燃料
を増圧するため前記本体に形成された圧力室に供給され
る作動流体で駆動される増圧ピストン、前記増圧室から
の燃料を噴射する噴孔を燃料圧によって開閉するため前
記本体内でリフトする針弁、前記増圧ピストンを駆動す
るため前記作動流体の前記圧力室への供給を制御する制
御弁、前記増圧ピストンを復帰させるリターンスプリン
グ、及び燃料チャンバを形成するため前記本体の外周に
配置され且つ前記コモンレールに開口する燃料供給口と
燃料排出口とが形成されたケースを具備し、前記増圧ピ
ストンは、前記本体内に形成された中空穴に摺動可能に
嵌合されると共に前記圧力室の壁面の一部を形成する大
径部、及び前記中空穴に摺動可能に嵌合されると共に前
記増圧室の壁面の一部を形成する小径部から成り、前記
増圧ピストンの前記大径部と前記中空穴との摺動面間に
はシール部材が設けられ、前記シール部材と前記圧力室
との間に位置する前記摺動面間にはシールリングが設け
られていることから成るインジェクタに関する。
【0021】このインジェクタは、増圧ピストンの大径
部と中空穴との摺動面間にシール部材を設けた形式のイ
ンジェクタであり、シール部材と圧力室との間に位置す
る摺動面間にシールリングを設けているので、制御弁が
開閉する際に圧力室の作動オイルが示すインパルス状の
高い圧力は、シールリングによって遮断される。したが
って、シール部材は、作動オイルが示す動的な高圧力を
直接受けることがなく、シール性能の劣化が防止され
る。
【0022】また、この発明は、コモンレールからの燃
料が供給される本体に形成された増圧室、前記増圧室内
の燃料を増圧するため前記本体に形成された圧力室に供
給される作動流体で駆動される増圧ピストン、前記増圧
室からの燃料を噴射する噴孔を燃料圧によって開閉する
ため前記本体内でリフトする針弁、前記増圧ピストンを
駆動するため前記作動流体の前記圧力室への供給を制御
する制御弁、前記増圧ピストンを復帰させるリターンス
プリング、及び燃料チャンバを形成するため前記本体の
外周に配置され且つ前記コモンレールに開口する燃料供
給口と燃料排出口とが形成されたケースを具備し、前記
増圧ピストンは、前記本体内に形成された大径中空穴に
摺動可能に嵌合されると共に前記圧力室の壁面の一部を
形成する大径部、及び前記本体内に形成された小径中空
穴に摺動可能に嵌合されると共に前記増圧室の壁面の一
部を形成する小径部から成り、前記増圧ピストンの前記
小径部と前記中空穴との摺動面間にはシール部材が設け
られ、前記シール部材と前記増圧室との間に位置する前
記摺動面間にはシールリングが設けられていることから
成るインジェクタに関する。
【0023】このインジェクタは、増圧ピストンの小径
部と中空穴との摺動面間にシール部材を設けた形式のイ
ンジェクタであり、シール部材と増圧室との間に位置す
る摺動面間にシールリングを設け、このシールリングに
よって、圧力室の作動オイルによって増圧室内の燃料が
増圧ピストンによって増圧されるときに発生するインパ
ルス状の高圧力を遮断する。したがって、シール部材
は、増圧室内の燃料が示す動的な高圧力を直接受けるこ
とがなく、シール性能の劣化が防止される。
【0024】この発明によるインジェクタにおいて、シ
ール部材は樹脂製Oリングであり、シールリングは径方
向にばね性を有する金属製C形リングである。樹脂製O
リングは燃料又は作動オイルのインパルス状の高圧力や
周辺で生じるキャビテーションによって損傷を受けやす
いが、金属製C形リングは、高圧やキャビテーションに
対しては耐性があり、損傷を受けにくい。また、金属製
C形リングのみでは作動オイルのリークを防止できない
が、Oリングが静的圧力を受け止めて作動オイルのリー
クを防止する。作動オイルのインパルス状の動的な高圧
力は、金属製C形リングによって緩和されるので、Oリ
ングへの高圧やキャビテーションの影響が少なくなる。
また、金属製C形リングは径方向にばね性を有するの
で、燃料又は作動オイルの高圧が金属製C形リングの周
囲を伝播してOリングに向かおうとする場合に、その圧
力によって金属製C形リングは、圧力の伝播路を閉じる
ように径方向に変形するので、Oリング上記高圧力が作
用するのを防止する。
【0025】この発明によるインジェクタにおいて、金
属製C形リングは、増圧ピストンの大径部又は小径部に
形成された周溝に縮径状態で嵌合されている。金属製C
形リングは拡径方向にばね性を有するので、燃料又は作
動オイルのインパルス状の高圧力が金属製C形リングの
周囲を伝播してOリングに向かおうとする場合に、金属
製C形リングは、その圧力によって拡径方向に変形して
圧力を受け止めると共にの伝播路を閉じ、Oリングに上
記高圧力が作用するのを防止する。
【0026】この発明によるインジェクタにおいて、増
圧ピストンの大径部又は小径部には、圧力室又は増圧室
と周溝とを連通する連通路が形成されている。圧力室又
は増圧室に生じた作動オイル又は燃料の高圧は、増圧ピ
ストンの大径部又は小径部と中空穴との摺動面間を通じ
てシール部材に向かうばかりでなく、増圧ピストンの大
径部又は小径部に形成された連通路を通じて、増圧ピス
トンの周溝に及んで金属製C形リングの内周面に作用す
る。拡径方向にばね性を有する金属製C形リングは、連
通路を通じて作用する作動オイル又は燃料のインパルス
状の高圧力を受けて外側に拡径変形し、Oリングへ向か
う高圧圧力の伝播路となっている摺動面間の隙間を遮断
するので、Oリングに上記高圧力が作用するのを防止す
る。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
によるインジェクタの実施例を説明する。図1はこの発
明によるインジェクタの第1実施例の要部である増圧ピ
ストンの大径部とその周辺の構造とを示す断面図であ
る。図1に示した部分以外のインジェクタの構造は図1
0に示すインジェクタの構造と同じであるので、再度の
説明を省略する。また、図1に示す構造のうち、図10
のインジェクタに示された構成要素と同一の構成要素に
は同じ符号を付し、且つそれらの構成要素とその基本的
な燃料噴射動作についても変わるところがないので、重
複する説明も省略する。
【0028】図1には、増圧ピストン119の大径部1
15とガイドリング部118とが示されており、小径部
は省略されている。大径中空穴26の摺動面49aと、
大径中空穴26内を往復動する増圧ピストン119の摺
動面49bとの間には極僅かな隙間27を完全に取り除
くことは不可能である。したがって、圧力室8からの作
動オイルは、隙間27を通じてスプリング室30にリー
クしようとする。この作動オイルのリークは、摺動面4
9a,49b間に設けたシール部材であるOリング44
によって防止される。Oリング44は、樹脂製、特にゴ
ムで製作されたものであるので、燃料又は作動オイルの
インパルス状の高圧力や周辺で生じるキャビテーション
によって損傷を受けやすい。
【0029】圧力室8のインパルス状の高圧力がOリン
グ44に直接作用するのを防止するため、Oリング44
と圧力室8との間に位置する摺動面49a,49b、即
ち、Oリング44から見て圧力室8に近い位置の摺動面
49a,49b間にシールリングである金属製C形リン
グ(ピストンリングと同様のリング、以下「C形リン
グ」と略す)91が設けられている。この例では、増圧
ピストン119の大径部115に周溝92を形成し、周
溝92内にC形リング91を縮径状態で配置している
が、周溝を大径中空穴26側に形成してもよい。制御弁
であるソレノイド弁16の作動により圧力室8内の作動
オイルはインパルス状の高圧力を示し、この動的な作動
オイルのインパルス状の高圧力は周溝92内に配置され
たシールリングであるC形リング91が受け止め、Oリ
ング44は静的な略一定の圧力のみを受け持つことにな
る。このように、OリングとC形リングとの分担によ
り、シール性と耐久性とが向上する。
【0030】また、金属製のC形リング91は、金属製
であるが故に高圧やキャビテーションに対しては耐性が
あり、損傷を受けにくい。圧力室8から隙間27を通じ
てOリング44へ向かう作動オイルのインパルス状の高
圧力は、C形リング91によって緩和されるので、Oリ
ング44へのキャビテーションの影響が少なくなる。ま
た、C形リング91は、図7に示すように全体形状がC
形の形状を有していて一部が欠けているので、わずかの
力で径方向に拡径・縮径可能であり、径方向にばね性を
有している。したがって、燃料又は作動オイルのインパ
ルス状の高圧力がC形リング91の周囲を伝播してOリ
ング44に向かおうとする場合に、その圧力によってC
形リング91は、圧力の伝播路を閉じるように径方向に
変形するので、Oリングに作用する上記高圧が緩和され
る。
【0031】大径部115に周溝92を形成してC形リ
ング91を収容した場合には、C形リング91は拡径方
向にばね性を有するので、燃料又は作動オイルの高圧が
C形リング91の周囲を伝播してOリング44に向かお
うとする場合に、C形リング91は、その圧力によって
拡径方向に変形する。拡径したC形リング91は、大径
中空穴26の摺動面49aに当接して圧力の伝播路を閉
じ、Oリング44に作用するインパルス状の高圧力を緩
和する。
【0032】このインジェクタにおいて、C形リング9
1を更に変形しやすくするために、増圧ピストン119
の大径部115には、圧力室8と周溝92とを連通する
連通路93,94が形成されている。圧力室8に生じた
作動オイル又は燃料の高圧は、増圧ピストンの大径部1
15に形成された連通路93,94を通じて、増圧ピス
トン119の周溝92に及んでC形リング91の内周面
に作用する。拡径方向にばね性を有するC形リング91
は、作動オイル又は燃料の高圧を受けて外側に拡径変形
しやすくなる。
【0033】図2はこの発明によるインジェクタの第2
実施例の要部である増圧ピストンの小径部とその周辺の
構造とを示す断面図である。図2に示した部分以外のイ
ンジェクタの構造は図11に示すインジェクタの構造と
同じであるので、ここでは再度の説明を省略する。ま
た、図1に示す構造のうち、図11のインジェクタに示
された構成要素と同一の構成要素には同じ符号を付した
ので、それらの構成要素とその基本的な燃料噴射動作に
ついても変わるところがないので、重複する説明も省略
する。
【0034】図2には、増圧ピストン120の小径部1
14のみが示されており、大径部は省略されている。小
径中空穴42の摺動面43aと、小径中空穴42内を往
復動する増圧ピストン120の小径部114の摺動面4
3bとの間には極僅かな隙間28を完全に取り除くこと
は不可能である。したがって、増圧室7からの燃料は、
隙間28を通じてスプリング室30にリークしようとす
る。この作動オイルのリークは、摺動面43a,43b
間に設けたシール部材であるOリング47によって防止
される。Oリング47は燃料又は作動オイルのインパル
ス状の高圧力や周辺で生じるキャビテーションによって
損傷を受けやすい。
【0035】増圧室7のインパルス状の高圧力がOリン
グ47に直接作用するのを防止するため、Oリング47
と増圧室7との間に位置する摺動面43a,43b、即
ち、Oリング47から見て増圧室7に近い位置の摺動面
43a,43b間にシールリングであるC形リング95
が設けられている。C形リング95は、C形リング91
と同様、金属製である。この例では、増圧ピストン12
0の小径部114に周溝96を形成し、周溝96内にC
形リング95を縮径状態で配置しているが、周溝を小径
中空穴42側に形成してもよい。増圧ピストン120の
増圧行程中、増圧室7内の作動オイルはインパルス状の
高圧力を示し、この動的な作動オイルの動的な高圧力は
周溝96内に配置されたシールリングであるC形リング
95が受け止め、Oリング47は静的な略一定の圧力の
みを受け持つことになる。
【0036】また、金属製のC形リング95の形状、ば
ね変形、インパルス状の高圧力の吸収等の作用は、図1
に示したC形リング91の奏する作用と同様であり、重
複する説明を省略する。C形リング95は増圧室7で生
じる燃料のインパルス状の高圧力を受け止めてゴム製の
Oリング47に表面荒れ等の損傷等を生じさせるのを防
止し、Oリング47は主として静的な圧力を受け止め
る。なお、破線で示す97は、周溝96の更に増圧室7
に近い位置において小径部114に形成した減圧溝であ
る。減圧溝97は、増圧室7で生じたインパルス状の高
圧力を減圧させる作用がある。
【0037】次に、図3〜図5に基づいて、この発明に
よる更に別の実施例を説明する。図3は、この発明によ
る更に別の実施例であるインジェクタに用いられる増圧
ピストン121の要部の断面図である。図4は、連通路
98,99の作用を説明する図である。図5は図3に示
す増圧ピストンの小径部の底面図である。図3〜図5に
示す実施例は、図2において、増圧ピストン120の小
径部114に増圧室7と周溝96とを連通する連通路9
8,99を設けたものに相当する。増圧ピストン121
の小径部114のみが示されており、大径部は省略され
ている。また、連通路98,99以外の構造について
は、図2に示した実施例と同様であり、同じ構成要素に
は同じ符号を用いたので、重複する説明を省略する。
【0038】連通路98,99の機能は、図1に示す連
通路93,94の機能と同様である。図4に示すよう
に、増圧室7内にインパルス状の高燃料圧が生じた状態
では、隙間28を通じてその高い燃料圧P1 がC形リン
グ95の下面95aに作用する。C形リング95は、燃
料圧P1 によって周溝96の上面96bから離れて周溝
96の下面96aに当接する。同時に、増圧室7に生じ
たイパルス状の燃料圧は、連通路98,99を通じて、
C形リング95の内面95bに対して圧力P2 で作用す
る。燃料圧P2 は、C形リング95を拡径変形させて小
径中空穴42側の摺動面43aに押し当てる。しだがっ
て、C形リング95は図4に示す位置を取り、増圧室7
に生じたインパルス状の高燃料圧はC形リング95が受
け止めて、Oリング47にまで及ばず、Oリング47に
作用する燃料圧P3 には、インパルス状の高燃料圧が作
用しない。
【0039】次に、図6に基づいて、この発明の更に別
の実施例について説明する。図6は、図2に示した実施
例と同様、増圧ピストン122の小径部114におい
て、小径中空穴42と小径部114との摺動面43a,
43b間であって、増圧室7とシール部材(図示ぜず、
図2のシール部材47と同じものでよい)との間に位置
する摺動面43a,43b間に断面が略三角形状をした
金属製のC形リング100を配置したものである。C形
リング100は、図示したように、断面が三角形状を有
する周溝103に緩く嵌合するように配置されており、
C形リング100の三角形の斜面に相当するテーパ面1
01が周溝103のテーパ面104に対向している。増
圧室7内にインパルス状の高燃料圧が生じると、C形リ
ング100は、テーパ面101に圧力P4 に基づいてシ
ール部材側に向かう力と拡径する方向の力との合成力を
受け、周溝103の下面105と小径中空穴42の摺動
面43aとに当接するように拡径変形と軸方向変位を
し、図示の位置を採る。したがって、増圧室7に生じた
インパルス状の高燃料圧は、C形リング100で受け止
められて、Oリングから成るシール部材47に悪影響が
及ばない。
【0040】図8は、燃料噴射サイクルにおいてシール
部材であるOリングにかかる圧力を時間の経過に伴う変
化を示したグラフである。図8のCに示すグラフは、O
リングのみを有する従来のインジェクタにおいてOリン
グに作用する圧力であり、噴射を開始してまもなく高い
インパルス状の高圧力がOリングに作用していること、
及びその直後にR1で示すように反射波が繰り返される
こと、及び噴射終了後もR2で示す反射波が発生してい
ることが分かる。このR1で示す圧力変動の激しい間は
キャビテーションが発生しやすい期間である。これに対
して、シールリング(C形リング)を適用したこの発明
によるインジェクタでは、図8のAで示す一点鎖線のグ
ラフから分かるように、全噴射期間にわたってOリング
に作用する圧力は格段に低減していることがわかる。ま
た、図8のBで示す二点鎖線で示すグラフは、シールリ
ング(C形リング)を適用すると共に減圧溝97を適用
した場合の圧力の変化を示すグラフであるが、Oリング
に作用する圧力は更に低減されていることが分かる。
【0041】
【発明の効果】この発明によるインジェクタは、上記の
ように、増圧ピストンを、本体内に形成された中空穴に
摺動可能に嵌合されると共に圧力室の壁面の一部を形成
する大径部、及び中空穴に摺動可能に嵌合されると共に
増圧室の壁面の一部を形成する小径部から構成し、増圧
ピストンの大径部又は小径部と中空穴との摺動面間には
シール部材を設け、シール部材と圧力室との間又はシー
ル部材と増圧室との間に位置する摺動面間にシールリン
グを設けたので、圧力室又は増圧室からのインパルス状
の高圧力が摺動面の途中で遮断されてシール部材に作用
しない。即ち、制御弁が作動する際に圧力室の作動オイ
ルや増圧室の燃料が示すインパルス状の高圧力は、シー
ルリングによって遮断される。シール部材である樹脂製
のOリングは、作動オイルが示すインパルス状の高圧力
を受けることがなく、周辺でキャビテーションが発生す
ることも抑制され、受圧する絶対圧も低減させることが
できる。したがって、Oリングの寿命の長期化を図るこ
とができる。また、シール部材とシールリングとの組み
合わせにより、動的な高圧力に対しても、高いシール性
能を保つと共にOリングの耐久性を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるインジェクタの一実施例の要部
を示す断面図である。
【図2】この発明によるインジェクタの別の実施例の要
部を示す断面図である。
【図3】この発明によるインジェクタの更に別の実施例
の要部を示す断面図である。
【図4】図3に示すインジェクタの要部の拡大断面図で
ある。
【図5】図3に示すインジェクタに適用される増圧ピス
トンの小径部の底面図である。
【図6】この発明による更に別の実施例における要部の
断面図である。
【図7】この発明によるインジェクタに適用される金属
製C形リングの斜視図である。
【図8】燃料噴射サイクルにおいてシール部材であるO
リングにかかる圧力を時間の経過に伴う変化を示したグ
ラフである。
【図9】エンジンの燃料噴射装置の燃料供給システムを
示す概略説明図である。
【図10】従来のインジェクタを示す断面図である。
【図11】従来の別のインジェクタを示す断面図であ
る。
【符号の説明】
2 ノズル本体 3 ソレノイド本体 4 インジェクタ本体 5 燃料供給本体 6 ケース 7 増圧室 8 圧力室 11 燃料供給口 12 燃料排出口 13 噴孔 16 ソレノイド弁(制御弁) 17 リターンスプリング 20 燃料チャンバ 23 針弁 26 大径中空穴 30 スプリング室 42 小径中空穴 43,49 摺動面 44 シール部材(Oリング) 47 シール部材(Oリング) 51 コモンレール 91,95,100 金属製C形リング 92,96,103 周溝 93,94,98,99 連通路 114 小径部 115 大径部 119,120,121,122 増圧ピストン
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02M 61/16 F02M 61/16 X

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コモンレールからの燃料が供給される本
    体に形成された増圧室、前記増圧室内の燃料を増圧する
    ため前記本体に形成された圧力室に供給される作動流体
    で駆動される増圧ピストン、前記増圧室からの燃料を噴
    射する噴孔を燃料圧によって開閉するため前記本体内で
    リフトする針弁、前記増圧ピストンを駆動するため前記
    作動流体の前記圧力室への供給を制御する制御弁、前記
    増圧ピストンを復帰させるリターンスプリング、及び燃
    料チャンバを形成するため前記本体の外周に配置され且
    つ前記コモンレールに開口する燃料供給口と燃料排出口
    とが形成されたケースを具備し、前記増圧ピストンは、
    前記本体内に形成された中空穴に摺動可能に嵌合される
    と共に前記圧力室の壁面の一部を形成する大径部、及び
    前記中空穴に摺動可能に嵌合されると共に前記増圧室の
    壁面の一部を形成する小径部から成り、前記増圧ピスト
    ンの前記大径部と前記中空穴との摺動面間にはシール部
    材が設けられ、前記シール部材と前記圧力室との間に位
    置する前記摺動面間にはシールリングが設けられている
    ことから成るインジェクタ。
  2. 【請求項2】 前記シール部材は樹脂製Oリングであ
    り、前記シールリングは径方向にばね性を有する金属製
    C形リングであることから成る請求項1に記載のインジ
    ェクタ。
  3. 【請求項3】 前記金属製C形リングは、前記増圧ピス
    トンの前記大径部に形成された周溝に縮径状態で嵌合さ
    れていることから成る請求項2に記載のインジェクタ。
  4. 【請求項4】 前記増圧ピストンの前記大径部には、前
    記圧力室と前記周溝とを連通する連通路が形成されてい
    ることから成る請求項3に記載のインジェクタ。
  5. 【請求項5】 コモンレールからの燃料が供給される本
    体に形成された増圧室、前記増圧室内の燃料を増圧する
    ため前記本体に形成された圧力室に供給される作動流体
    で駆動される増圧ピストン、前記増圧室からの燃料を噴
    射する噴孔を燃料圧によって開閉するため前記本体内で
    リフトする針弁、前記増圧ピストンを駆動するため前記
    作動流体の前記圧力室への供給を制御する制御弁、前記
    増圧ピストンを復帰させるリターンスプリング、及び燃
    料チャンバを形成するため前記本体の外周に配置され且
    つ前記コモンレールに開口する燃料供給口と燃料排出口
    とが形成されたケースを具備し、前記増圧ピストンは、
    前記本体内に形成された大径中空穴に摺動可能に嵌合さ
    れると共に前記圧力室の壁面の一部を形成する大径部、
    及び前記本体内に形成された小径中空穴に摺動可能に嵌
    合されると共に前記増圧室の壁面の一部を形成する小径
    部から成り、前記増圧ピストンの前記小径部と前記中空
    穴との摺動面間にはシール部材が設けられ、前記シール
    部材と前記増圧室との間に位置する前記摺動面間にはシ
    ールリングが設けられていることから成るインジェク
    タ。
  6. 【請求項6】 前記シール部材は樹脂製Oリングであ
    り、前記シールリングは径方向にばね性を有する金属製
    C形リングであることから成る請求項5に記載のインジ
    ェクタ。
  7. 【請求項7】 前記金属製C形リングは、前記増圧ピス
    トンの前記小径部に形成された周溝に縮径状態で嵌合さ
    れていることから成る請求項6に記載のインジェクタ。
  8. 【請求項8】 前記増圧ピストンの前記小径部には、前
    記増圧室と前記周溝とを連通する連通路が形成されてい
    ることから成る請求項7に記載のインジェクタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Cited By (2)

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