JPH10269858A - 電線押え巻きテープおよび電線ケーブル - Google Patents

電線押え巻きテープおよび電線ケーブル

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JPH10269858A
JPH10269858A JP7410297A JP7410297A JPH10269858A JP H10269858 A JPH10269858 A JP H10269858A JP 7410297 A JP7410297 A JP 7410297A JP 7410297 A JP7410297 A JP 7410297A JP H10269858 A JPH10269858 A JP H10269858A
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JP
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water
nonwoven fabric
waterproof
tape
layer
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JP7410297A
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English (en)
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Yoshikazu Yakake
善和 矢掛
Yasuyoshi Horiguchi
泰義 堀口
Akira Tsutsui
章 筒井
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、電線押え巻きテープとしての基本的
な要求特性は満足したまま、シースが損傷した際、導線
の線心群内に水の侵入防止効果に優れた電線押え巻きテ
ープおよび電線を提供せんとするものである。 【解決手段】本発明の電線押え巻きテープは、熱可塑性
樹脂のフィラメントで構成された不織布の少なくとも片
面に防水性もしくは撥水性を有する層を設けたことを特
徴とするものである。また、本発明の電線ケーブルは、
かかる押え巻きテープで導線が巻き締められており、該
テープが合成樹脂より成るシースで被覆されていること
を特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電線ケーブルのシ
ース(保護外層)が損傷した際、導線の線心群内に水の
侵入防止効果に優れた電線押え巻きテープおよび電線ケ
ーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電線押え巻きテープは、強度など物理特
性、価格の優位さから連続フィラメントをエアーサッカ
ー等より高速牽引した後、フィラメントを開繊し、移動
するネット上に捕集してウエブを形成した後、引き続き
上下一対のエンボスロール等で熱圧着して不織布を製造
する、いわゆるスパンボンド不織布が採用されている。
電線押え巻きテープは、撚り合わされた線心群の乱れを
防止し、また次工程のシース被覆時の断熱効果や外傷防
止のためにテーピングするものであるために、その要求
特性としては、テープ巻き上げ張力に耐え得る強力やモ
ジュラスと適度な伸度、線心群を傷付けない適度な伸縮
性(柔軟性)や巻き締め性、ラップ割れを起こさない寸
法安定性、さらにガイド類との擦過による毛羽発生がな
いこと、シースに毛羽付着が少なくシースをリサイクル
再使用する際の樹脂回収率の向上などが求められる。
【0003】これらの要求特性を満足するために種々の
提案がなされており、例えば特公昭62−52067号
公報では、ポリエステル系長繊維からなるウエブをエン
ボスロールとフラットロールから成る一対の加熱ロール
間に通して第一段圧接し、更に一対のフラットロールか
ら成る加熱ロールを通して第二段圧接し、ついで圧接ウ
エブに接着剤処理を施すことを特徴とする電線ケーブル
押さえ巻き用ポリエステル長繊維不織布の製造方法など
が提案されている。
【0004】電線ケーブルは、かかる押え巻きテープを
用い、導線の線心群を巻き締めた後、加熱溶融した合成
樹脂より成るシースを被覆してなるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来技術によ
って得られた不織布よりなる電線押え巻きテープでは、
電線ケーブルのシース(保護外層)がクラックや傷など
の損傷が発生した際には、雨水などがテープを通して導
線の線心群内に侵入してしまい、銅線の腐食や光ファイ
バーケーブルの水濡れによる光の減衰など送電、送信の
トラブルを発生する問題があった。
【0006】本発明では、従来技術の問題に鑑み、電線
押え巻きテープとしての基本的な要求特性は満足したま
ま、シースが損傷した際、導線の線心群内に水の侵入防
止効果に優れた電線押え巻きテープおよび電線を提供せ
んとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明の電線押え巻きテープは、熱可塑
性樹脂のフィラメントで構成された不織布の少なくとも
片面に防水性もしくは撥水性を有する層を設けたことを
特徴とするものである。また、本発明の電線ケーブル
は、かかる押え巻きテープで導線が巻き締められてお
り、該テープが合成樹脂より成るシースで被覆されてい
ることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、テープ巻き上げ張力に
耐え得る強力や、線心群を傷付けない巻き締め性、ラッ
プ割れを起こさない寸法安定性、シースとの剥離特性な
どの基本的な要求特性を満足した上で、さらに導線の線
心群内に水の侵入防止効果に優れた電線押え巻きテープ
ができないものか、鋭意検討したところ、まず、熱可塑
性樹脂のフィラメントからなる不織布を採用すること
で、電線押え巻きテープとしての強力や巻き締め性など
の基本性能を容易に満足させることができ、さらに不織
布の少なくとも片面に防水性もしくは撥水性の機能をも
たせることにより、上述の課題を一挙に解決することを
究明したものである。
【0009】本発明のかかる防水性もしくは撥水性を有
する層は、導線の線心群内への水の侵入防止効果を有す
るものである。かかる水の侵入防止効果は、不織布全体
を防水性もしくは撥水性にした方が、水の浸入防止効果
は大きいものであるが、これではテープのクッション性
や柔軟性が損なわれるので、不織布の少なくとも片面、
つまり二の字状、コの字状、直角三角形状、さらにはL
字状などのように、不織布の形が保持された状態のまま
の層を形成させたものである。つまり熱可塑性樹脂や撥
水性樹脂で充填しない状態の部分を形成したものであ
る。かかるテープを用いて、防水性もしくは撥水性を有
する面(層)をシースに接する面として導線の線心群を
テープ(不織布)の一部が重なるように螺旋状にテーピ
ングすると、テープの表面は防水性もしくは撥水性を有
するために水の侵入は防止される。すなわち、該テープ
の重なった厚み方向の側面部分は、巻き締め張力により
厚みが薄くなり、繊維密度がアップし、さらに水の透過
性を小さくすることができる。 該不織布のすくなくと
も片面に防水性もしくは撥水性を有する層を設ける方法
としては、以下の方法を採用することができる。
【0010】まず第1に、一対の加熱フラットロール
や、エンボスロールとフラットロールによって、不織布
の表面を構成する熱可塑性樹脂のフィラメントを加熱し
ながら圧力を加えることにより、表面のフィラメントを
熱溶融させてフィラメント断面を偏平化させてフィラメ
ント相互間の間隙を少なくする、さらには表面のフィラ
メントを熱溶融させてフィルム化させて防水性をもたせ
ることが好ましく用いることができる。この際、フィラ
メントを構成する熱可塑性樹脂は、高融点成分と低融点
成分で構成され、低融点成分のみを熱溶融させることが
強力と防水性を両立できる点から好ましい。
【0011】第2に、ビニル樹脂や合成ゴムのエマルジ
ョンやラテックスを用いて、不織布を構成するフィラメ
ント相互間の間隙を充填することにより防水性をもたせ
ることが好ましく用いることができる。ビニル樹脂とし
て、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩
化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル−塩化ビ
ニリデン樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、
ポリエチレン樹脂など用いることができ、合成ゴムとし
てスチレン−ブタジエンラバー、アクリロニトリル−ブ
タジエンラバー、クロロプレン、イソブチレンなどを用
いることができる。ビニル樹脂や合成ゴムのエマルジョ
ンやラテックスの不織布への付着充填方法は、含浸法、
スプレー法、ドクターナイフやコーターロールなどによ
るコーティング法など一般的に用いられる方法を使用で
きるが、含浸法などにより不織布全体のフィラメント相
互間の間隙をビニル樹脂や合成ゴムで充填することは不
織布の柔軟性を損なう傾向となり、テーピングの際に線
心群を傷付けやすい傾向が認められるため、不織布の片
面をコーティングする方法を好ましく用いることができ
る。しかし、防水効果の観点からは、不織布全体のフィ
ラメント相互間の間隙をビニル樹脂や合成ゴムで充填す
る方法の方が防水効果が大きくて好ましいが、不織布の
柔軟性を維持する上から、かかるビニル樹脂や合成ゴム
のなかでも、好ましくはガラス転移点が10℃以下、よ
り好ましくは0℃以下のものを用いるのがよい。
【0012】第3に、不織布に撥水剤を付着させて撥水
性をもたせることで、水の侵入を防止することができ
る。この方法は、不織布表面の柔軟性を損なうことがほ
とんどなく、テーピングの際に線心群を傷付けることが
ないために特に好ましい。撥水剤としては、パーフロロ
モノカルボン酸クロム錯塩やアクリル酸フッ素化アルキ
ルエステルなどのパーフロロアルキル基などを有するフ
ッ素化合物型撥水剤、メチルハイドロジエンポリシロキ
サン、ジメチルポリシロキサンなどのシリコーン型撥水
剤、ステアラミドメチルピリジニウムクロライドなどの
ピリジニウム塩型撥水剤、メチロールアミド型撥水剤、
エチレンウレア型撥水剤、クロミッククロライド型撥水
剤、アルミニウム錯化合物型撥水剤などを用いることが
できる。なかでも、フッ素化合物型撥水剤もしくはシリ
コーン型撥水剤の少なくとも1種を用いるのが、エチレ
ンや塩化ビニル樹脂などのシースとの剥離性が良好とな
るので好ましい。
【0013】また、不織布自体を防水性もしくは撥水性
とする方法以外に、不織布の少なくとも片面に他素材か
らなる防水層を設けることにより防水性を付与してもよ
く、かかる防水層を設ける方法として以下の方法を用い
ることができる。
【0014】第1に、不織布の少なくとも片面にポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどの疎水性樹
脂のフィルム層を有することが好ましい。フィルム層の
厚さは、好ましくは30μm以下,より好ましくは、1
0μm以下であることが好ましい。フィルム層の厚さ
が、30μmを越える場合には、不織布の風合が硬くな
りテープ巻き締め性が劣る傾向となる。不織布の片面に
フィルム層を形成する方法としては、不織布の片面に溶
融樹脂をキャスティングする方法、エマルジョンやラテ
ックス系の樹脂を不織布裏層にドクターナイフやコータ
ーロールなどを用いてコーティングした後,乾燥してフ
ィルム形成する方法、フィルムを不織布と熱や接着剤の
作用で貼り合わせる方法などを用いることができるが、
これらの方法に限定されるものではないことは言うまで
もない。
【0015】第2に、電線押え巻きテープとして優れた
巻き締め性を有し、かつ不織布の片面の防水性を満足さ
せるために、防水層としてポリエチレンなどからなるフ
ラッシュ紡糸不織布層を設けてもよい。フラッシュ紡糸
により得られた不織布層は、水滴は透過することのない
低繊度で緻密な構造を持ち、フィルム層と比較して、よ
り柔軟性を有しているというメリットがある。フラッシ
ュ紡糸不織布層には、10〜20g/m2 程度の目付の
ものを用いるのが好ましく、電線押え巻きテープを構成
する不織布とフラッシュ紡糸不織布層とを接合する方法
としては、たとえば熱で融着する方法でも、また、接着
剤で接着する方法でも、いずれの方法を採用してもよ
い。
【0016】本発明の電線押え巻きテープを構成する不
織布は、機械的強度面などからスパンボンド不織布であ
ることが好ましく、不織布に用いられるフィラメントが
芯鞘複合型フィラメントであり、該フィラメント間が鞘
成分の熱溶融により熱接着しているものが好ましく使用
される。かかる芯鞘複合型フィラメントとしては、芯成
分がポリエチレンテレフタレート、鞘成分が芯成分に対
し20℃以上低い融点を有する共重合ポリエステルであ
るものが、高強度で耐熱性に優れたテープを得る上で好
ましい。鞘成分の融点が芯成分の融点に対し20℃未満
の場合は、鞘成分の熱溶融に多大なエネルギーを要する
ためにコスト的に好ましくないばかりか、鞘成分の融点
と芯成分の融点差が小さいために、鞘成分を熱溶融させ
る際には芯成分も熱溶融する傾向がでてくるし、ひいて
は不織布全体がフィルム化されて、テープの風合が硬
く、テーピングの際に線心群を傷付けやすくなるという
不都合が生じる。
【0017】本発明における共重合ポリエステルとは、
アジピン酸、イソフタル酸などを共重合したポリエステ
ルであり、酸化チタンなどの添加物を含んでもよいこと
は言うまでもない。また、不織布の片面に防水性樹脂層
を設ける場合には、芯鞘複合型フィラメントの鞘成分に
は該防水性樹脂層の成分と同系の樹脂成分を用いること
が、不織布と防水層を特に熱の作用により融接着させる
際に好ましい。
【0018】さらに、芯鞘型複合フィラメントは、不織
布製造上の紡糸安定性から同心円形が好ましいが、偏芯
円形、異型芯断面形としてもよく、フィラメント断面形
状は、円形のほかテープの見掛密度をアップさせる上か
ら、偏平断面形や楕円形のフィラメントを使用するのが
好ましい。
【0019】本発明の該防水性もしくは撥水性を有する
層は、好ましくは該テープの端部において、該防水性も
しくは撥水性を有する層の反対面にまで該層が設けられ
ているものが好ましく使用される。すなわち、本発明の
上述の防水層も撥水層も、水の内部浸入を阻止するため
に設けられているものである。したがって、単に表面に
防水層を設けたとしてもテープ端部が防水または撥水機
能を有していず空洞状であったとしたら、水は、該空洞
を通路として難無く内部に浸入してしまう。そこで本発
明では、かかる防水層および撥水層として、テープの端
部において、該防水層もしくは撥水層の反対面にまで該
防水層もしくは撥水層を設けておくのである。かかるテ
ープをラセン状に巻き締めた場合、テープ端部では、防
水層同士が接することとなり、完全に水の浸入を阻止す
ることができるのである。
【0020】本発明のかかる電線押え巻きテープを用い
て導線を巻き締めた後、該テープを合成樹脂より成るシ
ースで被覆するが、その場合、該電線押え巻きテープの
防水性層もしくは撥水性層側、特に防水層側にシースを
被覆することにより、雨水などがシースのクラックなど
から侵入した際にも導線には送電、送信トラブルの発生
が少ない電線ケーブルを提供することができるものであ
る。
【0021】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、以下の実施態様にのみ限定されるものではな
いことは言うまでもない。
【0022】実施例1 融点が262℃であるポリエチレンテレフタレートを芯
成分に、融点が230℃であるイソフタル酸共重合ポリ
エステルを鞘成分とし、285℃で溶融した後、芯鞘型
複合口金を用いて芯成分と鞘成分の比率が80:20と
なるように紡糸し、エジェクターにより高速牽引し繊度
2dのフィラメントとして引取り、引き続き鉛主体の衝
突板に衝突帯電させフィラメント群を開繊し、移動する
ネット上に捕集して、表面温度が190℃の表面がフラ
ットである上下一対のカレンダーロールにより、線圧5
0Kg/cmの条件で繊維密度が0.35g/cm3 以上にな
るように厚みを調整した後、引き続き、表面温度230
℃のフラットロールと表面温度200℃のエンボスロー
ルにより、線圧60Kg/cmの条件で熱圧着処理を施して
目付52.6g/m2 の不織布を製造した。得られた不織
布のタテ方向の引張強力は、17.2kgf/3cm であり、
タテヨコ各20cmのシートを切り出し、表面温度230
℃のフラットロールにより処理された面から水滴1ccを
垂らしたが水の透過は認められなかった。この不織布を
3cm幅のテープ状にスリットし、表面温度200℃のエ
ンボスロールにより処理された面が線心群側となるよう
に、銅線からなる線心群への巻き上げを行った後、塩化
ビニル樹脂を用いてシース加工を実施した。この際、テ
ープ切れによるトラブル、線心群への損傷やラップ割れ
の発生もなく、シース材との剥離性も良好であった。
【0023】実施例2 実施例1においてカレンダーロールによる処理の後、表
面温度200℃の上下一対のエンボスロールにより、線
圧60Kg/cmの条件で熱圧着処理を施したのち、ガラス
転移点が−23℃の自己架橋型アクリル酸エステル樹脂
のエマルジョン溶液中に含浸させ、上下一対のゴムロー
ルのニップにより不織布重量に対し固形分で30wt%の
付着量となるように絞液し、150℃で乾燥する以外は
実施例1と同様の方法で目付62.7g/m2 の不織布を
製造した。この不織布のタテ方向の引張強力は、21.
2kgf/3cm であり、実施例1と同様の方法で水滴を垂ら
した結果、水の透過は認められなかった。この不織布を
3cm幅のテープ状にスリットし、実施例1と同様の方法
で線心群への巻き上げ、シース加工を実施したが、テー
プ切れによるトラブル、線心群への損傷やラップ割れの
発生もなく、シース材との剥離性も良好であった。
【0024】実施例3 実施例2において自己架橋型アクリル酸エステル樹脂の
エマルジョンを不織布の片面からドクターナイフを用い
てコーティングして不織布に付着させたこと以外は、実
施例1と同様の方法で目付58.1g/m2 の不織布をを
製造した。得られた不織布のタテ方向の引張強力は、1
9.3kgf/3cm であり、自己架橋型アクリル酸エステル
樹脂をコーティングした面から実施例1と同様の方法で
水滴を垂らした結果、水の透過は認められなかった。こ
の不織布を3cm幅のテープ状にスリットし、自己架橋型
アクリル酸エステル樹脂をコーティングしていない面が
線心群側となるように実施例1と同様の方法で線心群へ
の巻き上げ、シース加工を実施したが、テープ切れによ
るトラブル、線心群への損傷やラップ割れの発生もな
く、シース材との剥離性も良好であった。
【0025】実施例4 実施例1においてカレンダーロールによる処理の後、表
面温度200℃の上下一対のエンボスロールにより、線
圧60Kg/cmの条件で熱圧着処理を施したのち、アクリ
ル酸フッ素化アルキルエステル撥水剤を不織布の片面の
みに、不織布重量に対し固形分で3wt%の付着量となる
ようにスプレー噴霧した以外は実施例1と同様の方法で
目付54.6g/m2 の不織布を製造した。この不織布の
タテ方向の引張強力は、16.2kgf/3cm であり、アク
リル酸フッ素化アルキルエステル撥水剤を付与した面か
ら実施例1と同様の方法で水滴を垂らした結果、水の透
過は認められなかった。この不織布を3cm幅のテープ状
にスリットし、アクリル酸フッ素化アルキルエステル撥
水剤を付与していない面が線心群側となるように実施例
1と同様の方法で線心群への巻き上げ、シース加工を実
施したが、テープ切れによるトラブル、線心群への損傷
やラップ割れの発生もなく、特にシース材との剥離性は
良好であった。
【0026】実施例5 実施例4において、アクリル酸フッ素化アルキルエステ
ル撥水剤の代わりに、メチルハイドロジエンポリシロキ
サン撥水剤を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法
で目付53.7g/m2 の不織布を製造した。この不織布
のタテ方向の引張強力は、15.8kgf/3cm であり、メ
チルハイドロジエンポリシロキサン撥水剤を付与した面
から実施例1と同様の方法で水滴を垂らした結果、水の
透過は認められなかった。この不織布を3cm幅のテープ
状にスリットし、メチルハイドロジエンポリシロキサン
撥水剤を付与していない面が線心群側となるように実施
例1と同様の方法で線心群への巻き上げ、シース加工を
実施したが、テープ切れによるトラブル、線心群への損
傷やラップ割れの発生もなく、特にシース材との剥離性
は良好であった。
【0027】実施例6 実施例5において、メチルハイドロジエンポリシロキサ
ン撥水剤をスプレー噴霧でなく、含浸、上下一対のゴム
ロールのニップにより不織布重量に対し固形分で5wt%
の付着量となるように絞液し、150℃で乾燥する以外
は実施例1と同様の方法で目付55.1g/m2 の不織布
を製造した。この不織布のタテ方向の引張強力は、1
5.2kgf/3cm であり、実施例1と同様の方法で水滴を
垂らした結果、水の透過は認められなかった。この不織
布を3cm幅のテープ状にスリットし、実施例1と同様の
方法で線心群への巻き上げ、シース加工を実施したが、
テープ切れによるトラブル、線心群への損傷やラップ割
れの発生もなく、特にシース材との剥離性は良好であっ
た。
【0028】実施例7 実施例1において、芯成分にポリエチレンテレフタレー
ト、鞘成分に融点120℃のポリエチレンを用いて芯成
分と鞘成分の比率が70:30となるように紡糸するこ
と、カレンダーロールの表面温度を100℃、フラット
ロール及びエンボスロールの表面温度を110℃とする
こと以外は、実施例1と同様の方法で目付45g/m2
不織布を得た。この不織布の片面に、厚さ8μmのポリ
エチレンフィルムとを熱溶融により貼り合わせを行っ
た。この不織布のタテ方向の引張強力は、18.2kgf/
3cm であり、フィルムを貼り合わせた面から実施例1と
同様の方法で水滴を垂らした結果、水の透過は認められ
なかった。
【0029】この不織布を3cm幅のテープ状にスリット
し、フィルムを貼り合わせていない面を線心群側として
実施例1と同様の方法で線心群への巻き上げ、シース加
工を実施したが、テープ切れによるトラブル、線心群へ
の損傷やラップ割れの発生もなく、シース材との剥離性
も良好であった。
【0030】実施例8 実施例7と同様の方法で目付45g/m2 の不織布を得
たのち、この不織布に、目付20g/m2 のポリエチレン
を成分としたフラッシュ紡糸不織布を熱エンボスロール
により貼り合わせを行った。フラッシュ紡糸不織布を貼
り合わせた面から実施例1と同様の方法で水滴を垂らし
た結果、水の透過は認められなかった。この不織布を3
cm幅のテープ状にスリットし、フラッシュ紡糸不織布を
貼り合わせていない面を線心群側として実施例1と同様
の方法で線心群への巻き上げ、シース加工を実施した
が、テープ切れによるトラブル、線心群への損傷やラッ
プ割れの発生もなく、シース材との剥離性も良好であっ
た。
【0031】以上実施例1〜8で得られた電線ケーブル
を長さ約30cmに切断し、切断面を塩化ビニル樹脂によ
り封止したのち、シースに約1cmに傷を付け水中に5分
間浸漬した。このケーブルを水中から取り出し、周りの
水分を良く拭き取った後、シースを剥ぎ取りテープおよ
び線心群の状態を確認した結果、線心群内へ水の侵入は
認められず、水の侵入防止効果は良好であった。
【0032】比較例1 実施例2において、自己架橋型アクリル酸エステル樹脂
を付着しない以外は、実施例2と同様の方法でそれぞれ
目付52.6g/m2 の不織布を製造した。得られた不織
布のタテ方向の引張強力は、16.1kgf/3cm であり、
実施例1と同様の方法で水滴を垂らした結果、最初浸透
は認められなかったものの徐々に浸透が起こり、最終的
には裏面への水の透過が認められた。この不織布を3cm
幅のテープ状にスリットし、実施例1と同様の方法で、
銅線からなる線心群への巻き上げ、シース加工を実施し
た。この際、テープ切れによるトラブル、線心群への損
傷やラップ割れの発生はなかったが、シース材との剥離
の際に若干の繊維の付着が認められた。
【0033】この様にして得られた電線ケーブルを長さ
約30cmに切断し、切断面を樹脂により封止したのち、
シースに約1cmに傷を付け水中に5分間浸漬した。この
ケーブルを水中から取り出し、周りの水分を良く拭き取
った後、シースを剥ぎ取りテープおよび線心群の状態を
確認した結果、テープを透過して線心群が濡れており水
の侵入防止効果は不良であった。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、テープ巻き上げ張力に
耐え得る強力や、線心群を傷付けない巻き締め性、ラッ
プ割れを起こさない寸法安定性、シースとの剥離特性な
どの基本的な要求特性を満足し、さらに導線の線心群内
に水の侵入防止効果に優れた電線押え巻きテープおよび
電線ケーブルを提供することができる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂のフィラメントで構成され
    た不織布の少なくとも片面に防水性もしくは撥水性を有
    する層を設けたことを特徴とする電線押え巻きテープ。
  2. 【請求項2】 該防水性を有する層が、防水性樹脂層で
    ある請求項1記載の電線押え巻きテープ。
  3. 【請求項3】 該防水性樹脂層が、疎水性樹脂のフィル
    ムで構成されたものである請求項2記載の電線押え巻き
    テープ。
  4. 【請求項4】 該防水性を有する層が、フラッシュ紡糸
    不織布層である請求項2に記載の電線押え巻きテープ。
  5. 【請求項5】 該撥水性を有する層が、該不織布に撥水
    剤を付着させたものである請求項1記載の電線押え巻き
    テープ。
  6. 【請求項6】 該撥水剤が、フッ素化合物型撥水剤もし
    くはシリコーン型撥水剤の少なくとも1種である請求項
    5記載の電線押え巻きテープ。
  7. 【請求項7】 該熱可塑性樹脂のフィラメントが、芯鞘
    複合型フィラメントである請求項1記載の電線押え巻き
    テープ。
  8. 【請求項8】 該芯鞘複合型フィラメントが、芯成分が
    ポリエチレンテレフタレートであり、鞘成分が芯成分に
    対し20℃以上低い融点を有する共重合ポリエステルで
    構成されているものである請求項7記載の電線押え巻き
    テープ。
  9. 【請求項9】 該芯鞘複合型フィラメントの鞘成分が、
    該防水性樹脂層と同系の樹脂成分で構成されているもの
    である請求項7〜8のいずれかに記載の電線押え巻きテ
    ープ。
  10. 【請求項10】 該防水性もしくは撥水性を有する層
    が、該テープの端部において、該防水性もしくは撥水性
    を有する層の反対面にまで該層が設けられている請求項
    1〜5のいずれかに記載の電線押え巻きテープ。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の電
    線押え巻きテープで導線が巻き締められており、該テー
    プが合成樹脂より成るシースで被覆されていることを特
    徴とする電線ケーブル。
  12. 【請求項12】 該電線押え巻きテープが、防水性もし
    くは撥水性を有する層を表面側にして巻き締められたも
    のである請求項11記載の電線ケーブル。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001101935A (ja) * 2000-08-11 2001-04-13 Unitika Ltd 電線ケーブル押さえ巻き用テープ
JP2001338533A (ja) * 2000-05-30 2001-12-07 Toray Ind Inc 電線押え巻テープおよび電線
JP2008134358A (ja) * 2006-11-28 2008-06-12 Toyobo Co Ltd 繊維コードテンションメンバー
JP2018098144A (ja) * 2016-12-16 2018-06-21 矢崎エナジーシステム株式会社 電線の製造方法

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