JPH10263958A - 金属加工方法及び金属加工機械 - Google Patents

金属加工方法及び金属加工機械

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JPH10263958A
JPH10263958A JP6806897A JP6806897A JPH10263958A JP H10263958 A JPH10263958 A JP H10263958A JP 6806897 A JP6806897 A JP 6806897A JP 6806897 A JP6806897 A JP 6806897A JP H10263958 A JPH10263958 A JP H10263958A
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shape
metal
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electrode
work
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JP6806897A
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Katsushi Furuya
克司 古谷
Naotake Mori
尚武 毛利
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Toyota Motor Corp
Toyota Gauken
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Toyota Motor Corp
Toyota Gauken
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 除去加工と付着加工とを組み合わせて最も効
率性が高く、作業時間が最短となる金属加工を行うこと
のできる金属加工機械を提供すること。 【解決手段】 金属加工機械10は、不要な部分を除去
するための総形電極14a・仕上げ加工電極14cと、
総形電極14a・仕上げ加工電極14cにより除去加工
されたワーク17の形状を計測する多自由度関節機構1
9・プローブ20と、多自由度関節機構19・プローブ
20の計測結果により、目標形状と比較して総形電極1
4aで除去しすぎた部分が存在する場合に、その部分に
金属を付着させる1次加工電極14d・2次加工電極1
4eとを有し、全ての加工及び計測工程をワーク17を
取り外さずに連続的に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型の加工や工業
製品の加工の場合に、金属ワークの高精度な形状加工を
短い作業時間で行える金属加工機械と、それを用いて高
精度な形状を有する金属ワークを製造する金属加工方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の金属の一般的な加工機械及び加工
方法について説明する。特開昭63−300845号公
報には、マシニングセンタで加工したワークをコンベア
で搬送し、エアブロー等で切粉を取り除き、再びワーク
を搬送して、三次元測定機で形状計測を行い、最終モデ
ルと一致するまで、マシニングセンタでの切削加工を繰
り返す横形FMC装置が開示されている。しかし、マシ
ニングセンタでの切削加工では、一度削りすぎてしまっ
た場合には、金型の強度を保ちつつ修正することが容易
ではなかった。従って、最終モデルに対して、少しでも
除去しすぎないように細心の注意を払いつつ除去加工す
る必要があった。そのため、金型の内面を粗削りするた
めの粗削り除去加工は、金型にかなりの余裕を持った段
階で終了し、手作業または微小除去加工装置による仕上
げ工程が長い時間かけて行われていた。
【0003】一方、金属表面に金属を付着する方法とし
ては、プラズマ溶射や気中放電による肉盛り加工等が知
られている。そして、プラズマ溶射や気中放電による肉
盛りの場合には、厚い肉盛りが可能なため、除去しすぎ
た場合でも元のように形状を戻すことが可能である。し
かし、プラズマ溶射や気中放電による加工後の形状精度
は低い。従って、形状を整えるために再度、研削や放電
加工により除去加工を行う必要がある。また、プラズマ
溶射や気中放電による付着加工は、常に行う工程ではな
いので、除去加工と別な機械で行われていた。このよう
に、従来の金属加工方法では、除去しないよう注意しな
がら加工する場合にしろ、除去しすぎて付着加工を行う
場合にしろ、非常に手間がかかり長い加工時間がかかっ
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】金型製作に見られる従
来の金属加工法においては、粗削り工程において削りす
ぎた場合に修復が困難であり、初めから作り直すことと
なるので、粗削りの工程を控えめにしか行うことができ
ず、仕上げ加工で少しづつ除去加工を行っているため、
加工作業に長い時間がかかり、作業効率が悪い問題があ
った。さらに、そのため、金型がコストアップする問題
があった。例えば、放電加工で除去加工を行う場合、金
型の突起部で放電が多く発生するため、突起部が除去さ
れ過ぎる傾向が強い。そのため、従来の放電加工では、
総形電極を用いた、または粗加工電極を用いた粗除去加
工では、突起部に少し余裕がある程度までしか除去する
ことができなかった。そのため、突起部以外の部分で
は、大量の被除去部が残存し、後から行う仕上げ加工に
長時間要する問題があった。
【0005】一方、プラズマ溶射や気中放電による付着
加工では、放電加工等の除去加工を行った金属ワークを
取り外し、三次元計測機で計測した後、プラズマ溶射装
置で金属付着を行い、再び、放電加工機に取り付けて除
去加工を行っていた。そのため、何回も金属ワークのセ
ッティングを必要とし、きわめて煩雑であり、かつ長い
作業時間がかかり、非効率的であった。
【0006】本発明は、上記問題点を解決して、除去加
工と付着加工とを組み合わせて最も効率性が高く、作業
時間が短かくなる金属加工を行うことのできる金属加工
機械を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、本発明は、次のような構成及び工程を採用してい
る。 (1)本発明の金属加工機械は、不要な部分を除去する
ための除去加工手段と、除去加工手段により除去加工さ
れた後の金属ワークの形状を計測する形状計測手段と、
形状計測手段の計測結果と目標形状とを比較して除去加
工手段で除去しすぎた部分が存在する場合に、その部分
に金属を付着させる付着加工手段とを有し、全ての加工
及び計測工程を金属ワークを取り外さずに連続的に行
う。 (2)本発明の金属加工方法は、不要な部分を除去する
ための除去加工工程と、除去加工工程において除去加工
された金属ワークの形状を計測する形状計測工程と、形
状計測工程の結果と目標形状とを比較して除去加工工程
で除去しすぎた部分が存在する場合に、その部分に金属
を付着させる付着加工工程とを有し、前記目標形状にな
るまで全ての加工及び計測工程を金属ワークを取り外さ
ずに連続的に行う。
【0008】(3)本発明の金属加工方法は、(2)に
記載する金属加工方法において、前記除去加工工程が、
金属除去量の多い第一除去工程と、金属除去量の少ない
第二除去工程とを有し、前記第一除去工程により、前記
目標形状よりも余分に除去加工を行い、前記付着工程
で、除去しすぎた部分に金属付着加工を行い、前記第二
除去工程により、仕上げ除去加工を行うことを特徴とす
る。例えば、放電加工により金型を製作する場合、粗加
工用電極を用いて、突起部が目標形状より1mm程度余
分に除去されるまで突起部以外の部分の除去を行う。こ
の除去加工は適宜、機上三次元形状計測装置により、ワ
ークの形状を計測しながら行われる。次に、除去しすぎ
た突起部に対して、タングステン・カーバイト粉末とコ
バルト粉末とを混合し圧縮成形した圧粉体を電極とし
て、放電加工を行うことにより、電極を突起部に溶着堆
積させる付着加工を行う。そして、仕上げ加工用電極を
用いてワーク全体の仕上げ加工を行う。この仕上げ加工
は適宜、機上三次元形状計測機により、ワークの形状を
計測しながら行われる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態である金属
加工機械及び金属加工方法について、図面に基づいて詳
細に説明する。なお、以下の説明は、放電加工による金
属加工機械及びその方法についての具体例である。図4
に金属加工機械の加工システムの概念図を示す。従来よ
り、一般的な位置決め機構における制御においては、位
置決め対象物の位置を目標加工位置に常にフィードバッ
クすることで高精度な位置決めを実現している。今回の
放電加工システムは、図4に示す概念図で表される。形
状フィードバック制御の目標位置に対応するものが、目
標形状の設計形状データであり、制御対象は被加工物
(ワーク)の形状となる。また、制御対象の被加工物形
状を操作するものは放電加工機102である。また、フ
ィードバック量は制御対象である被加工物103の形状
を測定する機上計測装置104の形状計測データであ
る。放電加工機102は、形状の偏差にしたがい除去加
工と付着加工とを行う。偏差は形状比較装置101で求
める。
【0010】放電加工機械のシステムの構成を図5に示
す。放電加工機202上で加工を行う場合、インプロセ
スで機上計測装置222により被加工物の形状が測定さ
れる。測定された被加工物の形状は測定形状データ23
1として、データ処理装置203内に格納される。次
に、測定形状データ231と、目標形状の設計形状デー
タ234を形状比較器235で比較し、偏差を求め、修
正加工データ232を生成する。修正加工データ232
は放電加工機202に転送され、放電加工機202は、
偏差データに応じて除去加工223か付着加工224か
のいずれかを被加工物に対し行う。この処理が、公差以
内に収まるまで繰り返される。修正加工の場合でも、総
形電極で加工することも可能であるが、多自由度機構2
21によって保持される放電電極を用いて、修正部位の
みを加工するようにするのが好ましい。また、既にプレ
ス機械201に用いられている金型を再製作する際に
は、磨耗や腐食により寿命となった金型を放電加工機2
02上に設置し、上記の修正加工を実施すれば良い。
【0011】次に、本発明の一実施の形態である放電加
工機械10の具体的な構成を図1に示す。床面に固定さ
れた基盤21上には、XY方向に各々移動可能にXYテ
ーブル11が保持されている。XYテーブル11の上に
は、被加工物であるワーク17が戴置固定されている。
また、XYテーブル11の上面の端には、基準立体18
が固設されている。図示しない放電加工機10の本体に
は、垂直方向に移動可能なZ方向移動装置12が保持さ
れている。Z方向移動装置12には、多自由度を持つエ
ンドエフェクタ15が取り付けられている。エンドエフ
ェクタ15の先端には、放電加工電極14が保持されて
いる。
【0012】本実施の形態では、除去加工と付着加工と
を共に放電加工電極14により行っている。すなわち、
除去加工では、放電加工電極14として、総形電極14
aを用いて形状全体を加工するか、または粗加工電極1
4bを用いて粗加工を行う。総形電極14a及び粗加工
電極14bは図示しないが、放電加工電極14として用
いられる加工工具である。粗加工電極14bによる除去
加工は、直径100μm、深さ4〜5μm程度の金属が
除去できる。また、仕上げ加工電極14cを用いて仕上
げ加工を行う。仕上げ加工電極14cによる除去加工
は、直径10μm、深さ0.1〜0.2μm程度の金属
が除去できる。
【0013】一方、付着加工では、放電加工電極14と
して、1次加工電極14d及び2次加工電極14eを用
いる。1次加工電極14d及び2次加工電極14eは図
示しないが、放電加工電極14として用いられる加工工
具である。1次加工電極14dとしては、タングステン
・カーバイト粉末とコバルト粉末を混合し圧縮成形した
圧粉体を電極としている。これにより、鉄系金属のワー
ク17に放電加工すると、電極金属がワーク17に溶着
堆積される。これを1次加工と呼んでいる。2次加工電
極14eとしては、銅等の電極を用いる。これにより、
堆積層を放電加工し再溶融して、高硬度で密着性の高い
表面処理層を得ることができる。なお、図1では、放電
加工液を収容する収容容器は省略している。1次加工と
2次加工とを数回繰り返すことにより、一様に広がりを
もった高硬度で1mm程度の厚みの加工層を形成するこ
とができる。
【0014】上記付着加工の詳細については、次の文献
が参考となる。すなわち、液中放電表面処理の技術が開
発され、鉄系の材料にタングステンカーバイド(超
硬)、チタン合金などの耐磨耗性の高い材料を付着させ
ることが可能であることが明らかになっている。例え
ば、(石黒輝雄、斎藤長男、毛利尚武、古谷克司、大泉
敏郎、真柄卓司:放電加工による金属表面処理・WCーCo
仮焼結電極による金属表面処理加工(同一電極による1
次2次加工)、電気加工学会全国大会(1994)講演論文
集、pp.59ー62(1994))に詳細が記載されている。従
来、圧粉体電極を使用して1次加工による堆積を行い、
銅電極等の消耗しにくい電極で2次加工を行っていた。
本願の発明者らは、上記文献において、仮焼結したWC
−Co電極をのみを用いることにより、1次加工及び2
次加工の電極交換の手間が省けることを報告した。これ
によれば、1次加工電極14dと2次加工電極14eと
を同じ電極で行えるため、加工効率を高めることができ
る。この放電加工技術により付着加工を行い、従来の放
電加工技術で除去加工を行うことにより、同一の放電加
工機上で被加工物の形状を自由に制御できるようになる
のである。
【0015】次に、エンドエフェクタ15の構造を図2
に示す。エンドエフェクタ15は、ベースプレート2
2、ステージ23、3本のインチワーム機構、拘束リン
ク24より、3自由度パラレルメカニズムとして構成さ
れている。微小変位領域において高応答性を実現するた
めに、インチワーム機構には圧電素子を用いている。エ
ンドエフェクタ15の外形寸法は、φ182×228m
mであり、質量は、約6kgである。インチワーム機構
は、Aクランプ25、Bクランプ26、ドライバ27、
シャフト28より構成されている。Bクランプ26は、
ベースプレート22にボールジョイント29により連結
されている。シャフト28は、ステージ23にボールジ
ョイント29により連結されている。ベースプレート2
2とステージ23の中心点間を結ぶ拘束リンク24は、
スプラインシャフトであり、ベースプレート22とはボ
ールスプライン31により、ステージ23とはユニバー
サルジョイント30により結ばれている。
【0016】ここで、インチワーム機構の作用原理を図
7及び図8に示す。図7は、シャフト28の前進作用を
示し、図8はシャフト28の後退作用を示す。Aクラン
プ25及びBクランプ26は、シャフト28をつかむた
めの圧電素子クランプである。また、ドライバ27は、
シャフト28を変位させるための圧電素子である。ドラ
イバ27、Aクランプ25、及びBクランプ26に90
度位相のずれた電圧を順番に印加することにより、1サ
イクルが終了する。図7の(a)〜(f)のサイクルを
繰り返すことにより、シャフト28を下方向に送る。す
なわち、(a)Aクランプ25を閉じてシャフト28を
つかみ、Bクランプ26を開く。(b)その状態を保ち
ながらドライバ27を伸ばす。その際、シャフト28が
1ステップ下に移動する。(c)Bクランプ26を閉じ
て、シャフト28を保持状態とする。(d)Aクランプ
25を開いて、(e)ドライバ27を縮めることにより
本体は元の状態に戻る。(f)Aクランプ25を閉じて
シャフト28を保持状態とする。シャフト28を上方向
に移動させる場合は、図8(a)〜(f)のサイクルを
繰り返すことによりシャフト28を上方向に送る。この
インチワーム機構を駆動することにより、ステージ23
はユニバーサルジョイント30を中心とした2自由度の
回転、及びボールスプライン31に沿った並進運動を行
うことができる。
【0017】エンドエフェクタ15の具体的な駆動方法
を説明する。駆動方法は、ステップモードとリニアモー
ドとを組み合わせたハイブリッド方式である。ステップ
モードではインチワーム動作によりシャフト28を移動
させて、ステージ23を変位させる。ステップモードに
おけるステージ23の位置決め精度は、30μmであ
る。粗い位置決めはステップモードにより行う。リニア
モードでは、ドライバ27の圧電素子を連続的に伸縮さ
せて、ステージ23を変位させる。この場合には、Aク
ランプ25は閉じてシャフト28をつかみ、Bクランプ
26は開いてシャフト28を放している。このリニアモ
ードは、1ステップ内において実行される。1ステップ
内において、シャフト28が目標位置に到達しないと
き、Aクランプ25とBクランプ26によりシャフト2
8をつかみ変えて、ドライバ27の圧電素子を1ステッ
プ伸ばすか縮めるかする。その後、再びリニアモードを
実行する。リニアモードにおけるステージ23の応答周
波数は、約200Hzである。放電加工時の電極送り
は、主にリニアモードで行う。
【0018】図1に戻って、全体の説明を続ける。Z方
向移動装置12には、機上計測用基準立体16が固設さ
れている。また、多自由度関節機構19の一端が付設さ
れている。多自由度関節機構19の他端には、測定用の
プローブ20が取り付けられている。ここで、多自由度
関節機構19をZ方向移動装置12の下面に設置した場
合のモデルを図3に示す。全長412mm、全重量2.
15kgである。関節は全て1自由度の回転軸を有す
る。アームは、2つの能動自由度関節33a,33b
と、2つの受動自由度関節34a,34bを有し、アー
ム全体では計4自由度を有する。各関節は、リンク32
a,32b,32c,32d,32eにより連結されて
いる。
【0019】アームの長手方向の軸周りの回転用関節で
ある能動自由度関節33a,33bは、減速機付きのD
Cモータにより駆動される。旋回用関節である受動自由
度関節34a,34bは、金属加工機械10のX,Y,
Z方向の運動を制御することにより駆動される。プロー
ブ20自身は、金属加工機械10の3自由度と合わせて
7自由度を有する。従って、オーバハングを有するよう
な複雑形状の測定が可能となる。アームの4つの関節に
は、全て電磁ブレーキとポテンショメータが設置されて
いる。よって、プローブ20の先端位置及び姿勢の検
出、並びに、アームの完全な固定が可能となる。図3に
示す各リンク32の座標系は、ロボットの運動学解析に
基づいて設定されている。従って、アームの先端位置と
姿勢、及び計測に最適なプローブ20の姿勢は、ワーク
17の平面方程式で決定され、アームの角関節32の回
転角が求められる。これらの運動学的解析は、一般的な
ものなので説明を省略する。多自由度関節機構19と金
属加工機械10の運動は、パソコンにより制御してい
る。
【0020】上記形状計測装置については、次の文献が
参考となる。立体を校正基準とした機上計測法(武沢英
樹、稲本光弥、毛利尚武、斎藤長男、鈴木政幸、古谷克
司、東正毅:放電加工プロセスにおける形状変化(機上
計測に基づく電極、およびワークの形状変化)、1992年
精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集、pp.911ー912
(1992)、岩本謙治、古谷克司、毛利尚武、八木孝正:
球体較正法による機上計測(第1報)測定原理とその確
認、1994年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文
集、pp.743ー744(1994))は、通常用いられているタッ
チプローブを用いるよりはるかにフレキシブルであるた
め、複雑な形状でも計測可能である。この機上計測法
は、放電加工機にも適用可能である。
【0021】次に、上記構成を有する金属加工機械10
の加工工程を説明する。 (1)最初は、総形電極14aまたは粗加工電極14b
を用いて形状全体を加工する。総形電極14aまたは粗
加工電極14bを用いた場合、ワーク17の突起部にお
いて放電が多く発生するため、ワーク17の突起部が除
去され過ぎる傾向が強い。従来の放電加工では、突起部
が確実に残存する状態までしか総形電極14aまたは粗
加工電極14bをもちいた放電加工を行えなかった。し
かし、本実施の形態では、ワーク17の突起部が目標形
状より1mm程度除去されるまで、突起部以外の部分の
除去を中心に考えて、この放電加工を行う。これによ
り、従来と比較して、ワーク17の全体加工速度は格段
に増加する。
【0022】(2)次に、図示しない加工液タンクから
加工液を排出し、さらに、ワーク17表面の加工液等を
エアブロー等により取り除いた後、多自由度関節機構1
9及びプローブ20の計測システムを用いてワーク17
の形状を機上で測定する。この場合には、Z方向移動装
置12に固設された機上計測用基準立体16、及びXY
テーブル11の上に取り付けられた基準立体18を基準
としてプローブ20で測定する。機上計測用基準立体1
6を基準とすることにより、放電加工電極14と正確な
位置座標を計測することができる。また、基準立体18
を基準とすることにより、ワーク17の正確な位置座標
を計測することができる。さらに、機上計測用基準立体
16と基準立体18との位置関係を計測することによ
り、放電加工電極14とワーク17との正確な位置関係
を演算することができる。そして、測定した形状データ
と目標形状データとを比較することにより、目標形状形
状に対する増減量が算出される。
【0023】(3)次に、算出された減量に基づき、付
着加工を行う。すなわち、エンドエフェクタ15の先端
の電極を1次加工電極14dに付け替えて、1次加工を
行う。引き続いて、エンドエフェクタ15の先端の電極
を2次加工電極14eに付け替えて、2次加工を行う。
1次加工電極14dにより、鉄系金属のワーク17に放
電加工すると、電極金属がワーク17に溶着堆積され
る。引き続いて、2次加工電極14eにより、堆積層を
放電加工し再溶融して、高硬度で密着性の高い表面処理
層を得ることができる。上記した1次加工と2次加工と
を数回繰り返すことにより、一様に広がりをもった高硬
度で1mm程度の厚みの加工層を形成することができ
る。これにより、突起部等の除去しすぎた部分について
付着加工を行うことができる。
【0024】(4)次に、再び、ワーク17の表面の加
工液等を取り除いた後、多自由度関節機構19及びプロ
ーブ20の計測システムを用いてワーク17の形状を機
上で測定する。この場合には、XYテーブル11の上に
取り付けられた基準立体18を基準としてプローブ20
で測定する。そして、測定した形状データと目標形状デ
ータとを比較することにより、目標形状形状に対する増
減量が算出される。 (5)次に、エンドエフェクタ15の電極を仕上げ加工
電極14cに付け替えて、仕上げ加工を行う。
【0025】以上詳細に説明したように、本実施の形態
で説明した放電加工機械または放電加工方法によれば、
不要な部分を除去するための除去加工装置と、除去加工
装置により除去加工された金属ワークの形状を計測する
形状計測装置と、形状計測装置の計測結果により、目標
形状と比較して除去加工装置で除去しすぎた部分が存在
する場合に、その部分に金属を付着させる付着加工装置
とを有し、全ての加工及び計測工程を金属ワークを取り
外さずに連続的に行うので、ワーク17のある部分を除
去しすぎた場合でも修復が同一加工機上で容易にでき、
かつ高精度な加工が可能となる。また、形状の偏差をフ
ィードバックしながらその偏差があるしきい値以下にな
るまで加工が続けられるので、必ず定められた公差まで
製品の精度を高めることが可能となる。これらの工程は
人手を介することなく行うことが可能なため、熟練作業
者を必要としないという利点がある。
【0026】また、たとえば、金型は冷間鍛造の金型で
は、被加工物の流動が大きい部分に対応する金型の部位
の磨耗が他の部位に比べて非常に大きくなり、結果とし
て当該部分が金型全体の寿命を左右する。また、射出成
型用の金型では、材料の成分により腐食も生じる。その
ため、磨耗や腐食が激しいと予想される部位をPVDによ
る表面処理などにより補強することが行われている。し
かし、補強をした部位でも寿命が来れば使用不可能とな
り、破棄するしかなかった。従って、大量に生産する場
合には、同じ金型を多数製作しておく必要があり、製作
時間、コストの面で無駄が多かった。
【0027】溶射や気中放電による肉盛りでは、耐磨耗
性の高い層を付着させることが可能であるが、高い形状
精度を得ることが困難である。しかし、本実施の形態の
金属加工機械10を利用することで、磨耗した部分のみ
に耐磨耗性の高い材料を付着させ、元の形状に戻すこと
が可能となる。したがって、磨耗した金型の再利用が可
能となり、金型1個あたりの生産量が増加する。これに
より、金型製作の時間を短縮するとともに、コストの低
減にもつながる。本実施の形態の金属加工機械10によ
り、熟練を必要とする作業を機械化することと、塑性加
工工程の総工程時間の短縮およびコストの低減が可能と
なる。また、金型材料の総使用量および廃棄量を減少さ
せることにより環境にやさしい工程となる。
【0028】また、本実施の形態の金属加工方法は、除
去加工工程が、金属除去量の多い第一除去工程と、金属
除去量の少ない第二除去工程とを有し、第一除去工程に
より、目標形状よりも余分に除去加工を行い、付着工程
で、除去しすぎた部分に金属付着加工を行い、第二除去
工程により、仕上げ除去加工を行うので、作業時間の最
短化をシミュレーションにより求めることが可能とな
り、作業の効率性を高めることができる。
【0029】次に、本発明の金属加工機械の第二の実施
の形態を図6に示す。金属加工機械38は、溶射、気中
放電肉盛り加工、溶接等を行うための付着加工装置3
5、切削・研削・放電加工等を行うための除去加工装置
36を有している。付着加工装置35及び除去加工装置
36は、金属加工機械38のの主軸39に取り付ける
か、多数の関節をもつシリアルリンク機構もしくはパラ
レルリンク機構を備える支持装置40の先端に取り付
け、様々な角度から除去加工および付着加工を行う。ま
た、主軸39には、ワーク17の形状を測定するための
形状測定装置41が取り付けられている。これにより、
ワーク17の形状測定の際にワーク17を取り外した
り、再び取り付ける無駄がないため、測定結果を高精度
な加工に反映させることが可能となる。設計データと測
定データとを比較することにより形状の偏差を求める。
この結果に基づき、修正加工データを作成する。この修
正加工データに基づき、付着加工装置35および除去加
工装置36を用いてさらに加工を続ける。この操作を繰
り返すことにより、高精度な形状を得ることができる。
【0030】以上本発明の実施の形態について説明した
が、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、
色々な応用が可能である。例えば、本実施の形態では、
XYテーブル11を移動させることにより、ワーク17
を移動させ、形状計測を行っているが、ワーク17を移
動させずに、機上形状計測装置を移動させても良い。
【0031】
【発明の効果】本発明の金属加工機械(方法)によれ
ば、不要な部分を除去するための除去加工装置と、除去
加工装置により除去加工された金属ワークの形状を計測
する形状計測装置と、形状計測装置の計測結果により、
目標形状と比較して除去加工装置で除去しすぎた部分が
存在する場合に、その部分に金属を付着させる付着加工
装置とを有し、全ての加工及び計測工程を金属ワークを
取り外さずに連続的に行うので、ワーク17のある部分
を除去しすぎた場合でも修復が同一加工機上で容易にで
き、かつ高精度な加工が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施の形態である金属加工機械10
の全体構成を示す正面図である。
【図2】エンドエフェクタ15の構成を示す正面図であ
る。
【図3】多自由度関節機構19の構成を示す概念図であ
る。
【図4】本発明の概念を説明するための説明図である。
【図5】金属加工機械10の制御方法を示すブロック図
である。
【図6】第2実施の形態の金属加工機械10の構成を示
す正面図である。
【図7】インチワーム機構の移動原理を示す第一説明図
である。
【図8】インチワーム機構の移動原理を示す第二説明図
である。
【符号の説明】
10 金属加工機械 11 XYテーブル 12 Z方向移動装置 14 放電加工電極 15 エンドエフェクタ 17 ワーク 18 基準立体 19 多自由度関節機構 20 プローブ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不要な部分を除去するための除去加工手
    段と、 前記除去加工手段により除去加工された後の金属ワーク
    の形状を計測する形状計測手段と、 前記形状計測手段の計測結果と目標形状とを比較して前
    記除去加工手段で除去しすぎた部分が存在する場合に、
    その部分に金属を付着させる付着加工手段とを有し、 全ての加工及び計測工程を金属ワークを取り外さずに連
    続的に行うことを特徴とする金属加工機械。
  2. 【請求項2】 不要な部分を除去するための除去加工工
    程と、 前記除去加工工程において除去加工された金属ワークの
    形状を計測する形状計測工程と、 前記形状計測工程の結果と目標形状とを比較して前記除
    去加工工程で除去しすぎた部分が存在する場合に、その
    部分に金属を付着させる付着加工工程とを有し、 前記目標形状になるまで、全ての加工及び計測工程を金
    属ワークを取り外さずに連続的に行うことを特徴とする
    金属加工方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載する金属加工方法におい
    て、 前記除去加工工程が、金属除去量の多い第一除去工程
    と、金属除去量の少ない第二除去工程とを有し、 前記第一除去工程により、前記目標形状よりも余分に除
    去加工を行い、 前記付着工程で、除去しすぎた部分に金属付着加工を行
    い、 前記第二除去工程により、仕上げ除去加工を行うことを
    特徴とする金属加工方法。
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