JPH10261783A - 半導体素子の電気特性評価方法、半導体素子の電気特性評価装置及び半導体素子の電気特性評価プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

半導体素子の電気特性評価方法、半導体素子の電気特性評価装置及び半導体素子の電気特性評価プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

Info

Publication number
JPH10261783A
JPH10261783A JP9063443A JP6344397A JPH10261783A JP H10261783 A JPH10261783 A JP H10261783A JP 9063443 A JP9063443 A JP 9063443A JP 6344397 A JP6344397 A JP 6344397A JP H10261783 A JPH10261783 A JP H10261783A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iterations
convergence
solution
difference
semiconductor device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9063443A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Shimane
猛 嶌根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP9063443A priority Critical patent/JPH10261783A/ja
Publication of JPH10261783A publication Critical patent/JPH10261783A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Complex Calculations (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】デバイスシミュレーション装置において、解が
得られない場合には上限に達する前に計算を終了し、ま
た解が得られる場合には上限を越えて計算を続行するこ
とにより、計算時間を短縮できるようにする。 【解決手段】反復計算手段21による反復計算毎に、残
差計算手段22は少なくとも1回前の残差と今回の残差
との差分を計算し、収束判定手段23は計算された差分
が収束判定条件より大きいかどうかを判定する。そし
て、差分が収束判定条件より大きいときは反復計算を続
行し、また差分が収束判定条件より小さいときはNG処
理手段26により収束解が得られなかった場合の処理を
実行するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体素子の電
気特性を反復法を用いて数値解析する電気特性評価技術
に関し、とくに、反復回数の上限を再設定することによ
り、無駄な計算を省き、計算時間を短縮するようにした
半導体素子の電気特性評価方法、半導体素子の電気特性
評価装置及び半導体素子の電気特性評価プログラムを格
納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体素子の電気特性をデバイス
シミュレーション装置により計算する場合、解析領域内
の半導体素子を図7に示すように格子で分割し、各格子
点上に電位、電子濃度、正孔濃度などの分布量データの
初期値を設定し、各格子点の電位、電子濃度、正孔濃度
について、3つの基本方程式 ポアソン方程式: div(ε・gradψ)=−q(p−n+ND
−NA) 電子電流連続式: dn/dt+div(μn・n・gradψ−Dn
・grad n)=GR 正孔電流連続式: dp/dt+div(μp・p・gradψ−Dp
・grad p)=GR 但し、ε :誘電率 ψ :電位 q :電子電荷量 n、p :電子濃度、正孔濃度 ND、NA :ドナー濃度、アクセプタ濃度 μn、μp :電子移動度、正孔移動度 Dn、Dp :電子拡散係数、正孔拡散係数 GR :生成項 (なお、電子電流連続式と正孔電流連続式において、記
号dは偏微分を表している) を適用して数値解析を行う手法が用いられている。この
場合、電極に印加する電圧あるいは電流(又は時間)を
段階的に変え、各ステップ毎に上記3つの方程式の少な
くとも一つを格子点上で離散化し、線形化してAx=b
の連立一次方程式の形に置き換え、この連立一次方程式
を反復法で解くことにより、半導体素子の電気特性を解
析する。ポアソン方程式ではψ、電子電流連続式では
n、正孔電流連続式ではpをそれぞれ変数とし、電位の
修正量δψ、電子濃度の修正量δn、正孔濃度の修正量
δpを収束判定要素の1つとしている。反復法における
残差は、変数xとする連立一次方程式 Ax1−b=z1 Ax2−b=z2 の解がz1 > z2のときに、x1−x2=rで表され、反
復計算の過程で収束判定要素としての残差rが十分に小
さくなり、収束判定基準に達して(収束していれば)収
束解が得られたものとしている。
【0003】ここで、従来の収束判定の処理の流れを図
8に示すフローチャートにより説明する。
【0004】設定された電圧ステップで反復計算を行い
(ステップ401)、残差rが収束したかどうかを判断
する(ステップ402)。ここで、残差rが収束してい
れば次の電圧ステップを設定し(ステップ403)、そ
の値が上限電圧かどうかを判断する(ステップ40
4)。ここで、設定された電圧ステップが上限電圧でな
ければステップ401へ戻って反復計算を行い、上限電
圧に達していれば処理を終了する。また、ステップ40
2で残差rが収束していないときは反復回数が上限かど
うかを判断し(ステップ405)、上限に達していなけ
ればステップ401へ戻って反復計算を行う。また、ス
テップ405で反復回数が上限に達したとき、すなわち
収束解が得られないまま上限に達してしまったときは、
計算を終了して後処理を実行するなど、収束解が得られ
なかった場合の処理を実行する(ステップ406)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の収束判定においては、あらかじめ反復回数の上限を設
定しておき、この反復回数の上限まで繰り返し計算を行
っても残差が十分に小さくならない場合には、収束解が
得られなかった場合の処理を実行するようにしていた。
【0006】ところが、導体領域が電極に接していない
素子を解析する場合や、計算機の数値オーバーフローや
アンダーフローを防ぐために行われる規格化の影響によ
り、図9に示すように、残差が収束判定基準に達するこ
となく、ある一定の値でほぼ固定化してしまうような場
合であっても、そのまま設定されている反復回数の上限
まで計算を繰り返していたため、計算時間が無駄になっ
ていた。
【0007】また、図10に示すように、あと数回の反
復を追加するだけで収束解が得られるような場合でも、
反復回数が上限回数に達した時点で残差が収束判定基準
に達していないと、そこで反復計算を終了していたた
め、再び電圧(時間)ステップを戻して計算をし直すな
ど、計算時間が長くなっていた。
【0008】このように、従来の収束判定では、反復回
数の上限が固定されているため、収束解が得られないに
もかかわらず計算を繰り返したり、上限回数から数回の
計算で収束解が得られるような場合でも計算を終了して
しまうため、計算時間が無駄になり、全体として計算時
間が長くなるという問題点があった。
【0009】なお、このような計算時間の無駄をなくす
ための技術として、特開平3−11751号公報には、
残差の大きさを判断するための収束判定条件(収束判定
基準)を用い、この収束判定条件が満たされたか否かに
より反復回数を決定するようにした半導体装置の設計方
法が提案されている。また、特開平1−198045号
公報には、解の収束状況を基にして収束解が得られる反
復回数を予測し、必要に応じてニュートン法とデカップ
ル法とを切り換えるようにした半導体素子の電気特性評
価装置が提案されている。
【0010】しかしながら、特開平3−11751号の
ものは、残差が収束判定条件に達することなくほぼ固定
化した場合には、計算が繰り返し回数Nの許容範囲まで
繰り返されるため、従来と同様に計算時間が無駄になる
という問題点があった。また、特開平1−198045
号のものは、予想された反復回数に応じて最適な計算手
法が選択されたとしても、その計算手法による残差が収
束判定基準に達することなく一定の値でほぼ固定化した
場合については何ら考慮されていないため、計算時間が
無駄になるおそれがあった。
【0011】この発明は、上記課題を解決するためにな
されたものであり、その目的とするところは、収束解が
得られない場合には上限回数に達する前に計算を終了
し、また収束解が得られる場合には上限回数を越えて計
算を続行することにより、計算時間の無駄をなくし、全
体として計算時間を短縮することができる半導体素子の
電気特性評価方法、半導体素子の電気特性評価装置及び
半導体素子の電気特性評価プログラムを格納したコンピ
ュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、半導体素子の解析領域を格子で
分割し、当該格子点についてポアソン方程式、電子電流
連続式及び正孔電流連続式をそれぞれ離散化、線形化し
て連立一次方程式に置き換え、当該連立一次方程式を反
復計算し、その収束解を求めて前記半導体素子の電気特
性を解析する半導体素子の電気特性評価方法において、
反復計算毎に、少なくとも1回前の残差と今回の残差と
の差分を計算し、当該差分があらかじめ設定された収束
判定条件より大きいときは反復計算を続行し、また前記
差分が収束判定条件より小さいときは収束解が得られな
かった場合の処理を実行することを特徴とする。
【0013】上記請求項1の発明においては、計算した
差分が収束判定条件より大きいときは、残差が収束判定
基準に近づきつつあると判断して、反復回数の上限を考
慮することなしに計算を続行し、差分が収束判定条件よ
り小さいときは、残差がある一定の値で固定化したもの
と判断して、反復回数の上限まで計算を繰り返すことな
しに、収束解が得られなかった場合の処理を実行する。
【0014】請求項2の発明は、前記請求項1の発明に
おいて、前記差分があらかじめ設定された収束判定条件
より大きいときは、反復計算の回数があらかじめ設定さ
れた上限回数に達したかどうかを判定し、上限回数に達
しているときは、収束解が得られるまでの反復回数を予
測するとともに、当該予測した反復回数があらかじめ設
定された延長回数よりも小さいときは前記反復回数の上
限回数を再設定し、また前記予測した反復回数が前記延
長回数よりも大きいときは収束解が得られなかった場合
の処理を実行することを特徴とする。
【0015】上記請求項2の発明においては、反復計算
毎に計算した差分が収束判定条件より大きいときは、反
復回数が上限回数に達している場合であっても、残差が
収束判定基準に近づきつつあると判断して、収束解が得
られるまでの反復回数を予測し、この予測した反復回数
が延長回数よりも小さければ計算を続行する。また、予
測した反復回数が延長回数よりも大きいときは、計算を
続けても解が得られないと判断して、収束解が得られな
かった場合の処理を実行する。なお、反復計算毎に計算
した差分があらかじめ設定された収束判定条件より小さ
いときは、請求項1の発明に準ずるものとし、残差があ
る一定の値で固定化したものと判断して、反復回数の上
限まで計算を繰り返すことなしに、収束解が得られなか
った場合の処理を実行する。
【0016】請求項3の発明は、半導体素子の解析領域
を格子で分割し、当該格子点についてポアソン方程式、
電子電流連続式及び正孔電流連続式をそれぞれ離散化、
線形化して連立一次方程式に置き換え、当該連立一次方
程式を反復計算し、その収束解を求めて前記半導体素子
の電気特性を解析する半導体素子の電気特性評価方法に
おいて、反復計算毎に、収束解が得られるまでの反復回
数を予測し、当該予測された反復回数があらかじめ設定
された反復回数よりも小さいときは反復計算を続行し、
また前記予測された反復回数が前記設定された反復回数
よりも大きいときは収束解が得られなかった場合の処理
を実行することを特徴とする。
【0017】上記請求項3の発明においては、反復計算
毎に収束解が得られるまでの反復回数を予測し、この予
測された反復回数があらかじめ設定された反復回数より
も小さいときは、残差が収束判定基準に近づきつつある
と判断して計算を続行し、また予測された反復回数があ
らかじめ設定された反復回数よりも大きいときは、計算
を続けても解が得られないと判断して、収束解が得られ
なかった場合の処理を実行する。
【0018】また、上記目的を達成するため、請求項4
の発明は、半導体素子の解析領域を格子で分割し、当該
格子点についてポアソン方程式、電子電流連続式及び正
孔電流連続式をそれぞれ離散化、線形化して連立一次方
程式に置き換え、当該連立一次方程式を反復計算し、そ
の収束解を求めて前記半導体素子の電気特性を解析する
半導体素子の電気特性評価装置において、反復計算毎に
少なくとも1回前の残差と今回の残差との差分を計算す
る計算手段と、前記差分があらかじめ設定された収束判
定条件より小さいかどうかを判定する判定手段と、前記
差分が収束判定条件より大きいときは反復計算を続行
し、また前記差分が収束判定条件より小さいときは収束
解が得られなかった場合の処理を実行する計算制御手段
とを含むことを特徴とする。
【0019】上記請求項4の発明においては、計算した
差分が収束判定条件より大きいときは、残差が収束判定
基準に近づきつつあると判断して、反復回数の上限を考
慮することなしに計算を続行し、差分が収束判定条件よ
り小さいときは、残差がある一定の値で固定化したもの
と判断して、反復回数の上限まで計算を繰り返すことな
しに、収束解が得られなかった場合の処理を実行する。
【0020】請求項5の発明は、前記請求項4の発明に
おいて、前記差分があらかじめ設定された収束判定条件
より大きいときは、反復計算の回数があらかじめ設定さ
れた上限回数に達したかどうかを判定する反復回数判定
手段と、前記反復回数が上限回数に達した場合は、その
時点から収束解が得られるまでの反復回数を予測する反
復回数予測手段と、前記予測された反復回数があらかじ
め設定された延長回数よりも小さいかどうかを判定する
延長回数判定手段と、前記予測された反復回数が延長回
数よりも大きいときは収束解が得られなかった場合の処
理を実行し、また前記予測された反復回数が前記延長回
数よりも小さいときは前記反復回数の上限回数を再設定
する計算制御手段とを含むことを特徴とする。
【0021】上記請求項5の発明においては、反復計算
毎に計算した差分が収束判定条件より大きいときは、反
復回数が上限回数に達している場合であっても、残差が
収束判定基準に近づきつつあると判断して、収束解が得
られるまでの反復回数を予測し、この予測した反復回数
が延長回数よりも小さければ計算を続行する。また、予
測した反復回数が延長回数よりも大きいときは、計算を
続けても解が得られないと判断して、収束解が得られな
かった場合の処理を実行する。なお、反復計算毎に計算
した差分があらかじめ設定された収束判定条件より小さ
いときは、請求項4の発明に準ずるものとし、残差があ
る一定の値で固定化したものと判断して、反復回数の上
限まで計算を繰り返すことなしに、収束解が得られなか
った場合の処理を実行する。
【0022】請求項6の発明は、半導体素子の解析領域
を格子で分割し、当該格子点についてポアソン方程式、
電子電流連続式及び正孔電流連続式をそれぞれ離散化、
線形化して連立一次方程式に置き換え、当該連立一次方
程式を反復計算し、その収束解を求めて前記半導体素子
の電気特性を解析する半導体素子の電気特性評価装置に
おいて、反復計算毎に、その時点から収束解が得られる
までの反復回数を予測する反復回数予測手段と、前記予
測された反復回数があらかじめ設定された延長回数より
も小さいかどうかを判定する延長回数判定手段と、前記
予測された反復回数が延長回数よりも小さいときは反復
計算を続行し、また前記予測された反復回数が延長回数
よりも大きいときは収束解が得られなかった場合の処理
を実行する計算制御手段とを含むことを特徴とする。
【0023】上記請求項6の発明においては、反復計算
毎に収束解が得られるまでの反復回数を予測し、この予
測された反復回数があらかじめ設定された反復回数より
も小さいときは、残差が収束判定基準に近づきつつある
と判断して計算を続行し、また予測された反復回数があ
らかじめ設定された反復回数よりも大きいときは、計算
を続けても解が得られないと判断して、収束解が得られ
なかった場合の処理を実行する。
【0024】さらに、上記目的を達成するため、請求項
7の発明は、半導体素子の解析領域を格子で分割し、当
該格子点についてポアソン方程式、電子電流連続式及び
正孔電流連続式をそれぞれ離散化、線形化して連立一次
方程式に置き換え、当該連立一次方程式を反復計算し、
その収束解を求めて前記半導体素子の電気特性を解析す
る半導体素子の電気特性評価処理を実行するためのプロ
グラムであって、反復計算毎に、少なくとも1回前の残
差と今回の残差との差分を計算し、当該差分があらかじ
め設定された収束判定条件より大きいときは反復計算を
続行し、また前記差分が収束判定条件より小さいときは
収束解が得られなかった場合の処理を実行することを含
み、これら処理をコンピュータに実行させることを特徴
とする。
【0025】上記請求項7の発明においては、計算した
差分が収束判定条件より大きいときは、残差が収束判定
基準に近づきつつあると判断して、反復回数の上限を考
慮することなしに計算を続行し、差分が収束判定条件よ
り小さいときは、残差がある一定の値で固定化したもの
と判断して、反復回数の上限まで計算を繰り返すことな
しに、収束解が得られなかった場合の処理を実行する。
【0026】請求項8の発明は、前記請求項7の発明に
おいて、前記差分があらかじめ設定された収束判定条件
より大きいときは、反復計算の回数があらかじめ設定さ
れた上限回数に達したかどうかを判定し、上限回数に達
しているときは、収束解が得られるまでの反復回数を予
測するとともに、当該予測した反復回数があらかじめ設
定された延長回数よりも小さいときは前記反復回数の上
限回数を再設定し、また前記予測した反復回数が前記延
長回数よりも大きいときは収束解が得られなかった場合
の処理を実行することを含み、これら処理をコンピュー
タに実行させることを特徴とする。
【0027】上記請求項8の発明においては、反復計算
毎に計算した差分が収束判定条件より大きいときは、反
復回数が上限回数に達している場合であっても、残差が
収束判定基準に近づきつつあると判断して、収束解が得
られるまでの反復回数を予測し、この予測した反復回数
が延長回数よりも小さければ計算を続行する。また、予
測した反復回数が延長回数よりも大きいときは、計算を
続けても解が得られないと判断して、収束解が得られな
かった場合の処理を実行する。なお、反復計算毎に計算
した差分があらかじめ設定された収束判定条件より小さ
いときは、請求項7の発明に準ずるものとし、残差があ
る一定の値で固定化したものと判断して、反復回数の上
限まで計算を繰り返すことなしに、収束解が得られなか
った場合の処理を実行する。
【0028】請求項9の発明は、半導体素子の解析領域
を格子で分割し、当該格子点についてポアソン方程式、
電子電流連続式及び正孔電流連続式をそれぞれ離散化、
線形化して連立一次方程式に置き換え、当該連立一次方
程式を反復計算し、その収束解を求めて前記半導体素子
の電気特性を解析する半導体素子の電気特性評価処理を
実行するためのプログラムであって、反復計算毎に、そ
の時点から収束解が得られるまでの反復回数を予測し、
当該予測された反復回数があらかじめ設定された延長回
数よりも小さいときは反復計算を続行し、また前記予測
された反復回数が延長回数よりも大きいときは収束解が
得られなかった場合の処理を実行することを含み、これ
ら処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0029】上記請求項9の発明においては、反復計算
毎に収束解が得られるまでの反復回数を予測し、この予
測された反復回数があらかじめ設定された反復回数より
も小さいときは、残差が収束判定基準に近づきつつある
と判断して計算を続行し、また予測された反復回数があ
らかじめ設定された反復回数よりも大きいときは、計算
を続けても解が得られないと判断して、収束解が得られ
なかった場合の処理を実行する。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係わる半導体素
子の電気特性評価方法、半導体素子の電気特性評価装置
及び半導体素子の電気特性評価プログラムを格納したコ
ンピュータ読み取り可能な記録媒体の一実施形態を図面
を参照しながら説明する。
【0031】[1]実施形態1 図1は、実施形態1に係わるデバイスシミュレーション
装置の機能的な構成を示すブロック図である。このデバ
イスシミュレーション装置10は、操作者からのデータ
や命令などの入力を受け付ける入力部11と、半導体素
子の電気特性を反復法を用いて数値解析するシミュレー
ション実行部12と、シミュレーション結果を出力する
出力部13とから構成されている。
【0032】入力部11は、キーボード、マウス、ライ
トペンまたはフロッピーディスク装置などで構成され
る。
【0033】シミュレーション実行部12は、反復計算
手段21、残差計算手段22、収束判定手段23、計算
制御手段24、電圧制御手段25、NG処理手段26、
後処理手段27により構成されている。
【0034】反復計算手段21は、半導体素子の解析領
域を格子で分割し、この格子点についてポアソン方程
式、電子電流連続式及び正孔電流連続式をそれぞれ離散
化、線形化して連立一次方程式に置き換え、この3つの
連立一次方程式をまとめて反復計算して、収束解を求め
る処理を実行する。この反復計算手段21では反復回数
の上限が設定されておらず、後述する計算制御手段24
により計算の続行、終了が制御されている。
【0035】残差計算手段22は、反復計算毎に残差を
計算する処理と、反復計算毎に3回前の各残差と今回の
残差との差(以下、差分という)を計算する処理とをそ
れぞれ実行する。
【0036】収束判定手段23は、前記計算された残差
と収束判定基準とを比較し、残差が収束判定基準より小
さいかどうか(収束したかどうか)を判定する処理と、
前記残差計算手段22により計算された差分と、あらか
じめ設定された収束判定条件とを比較し、全ての差分が
収束判定条件より小さいかどうかを判定する処理とをそ
れぞれ実行する。
【0037】なお、収束判定基準とは、残差が収束した
かどうかを判定するための基準値であり、残差が収束判
定基準より小さくなったときは、すなわち収束したとき
は収束解が得られたものと判定する。また収束判定条件
とは、残差が一定の値でほぼ固定化したかどうかを判定
するための条件値であり、差分が収束判定条件より小さ
くなったときは、残差が一定の値でほぼ固定化したもの
と判定する。
【0038】計算制御手段24は、前記差分が収束判定
条件より大きい場合は反復計算を続行させ、また差分が
収束判定条件より小さい場合は収束解が得られなかった
場合の処理に移行する。
【0039】電圧制御手段25は、図示しない半導体素
子の電極に印加する電圧を制御しており、収束判定手段
23で残差が収束判定基準より小さいと判定されたと
き、すなわち収束解が得られたときは、次の電圧ステッ
プの設定を行う。
【0040】NG処理手段26は、残差が一定の値でほ
ぼ固定化した場合など収束解が得られなかった場合の処
理(以下、NG処理という)を実行する。この場合の処
理としては、例えば次のようなものがある。 処理1:反復計算を終了し、後述の後処理手段27によ
る処理を行う。 処理2:別の反復解法(例えば、CG法、BCG法、C
GS法など)を用いて計算をやり直す。 処理3:電圧(時間)ステップをさらに細かくする。 例:電圧0Vを解く→OK→ΔVを1Vとして、1Vの
解析を行う 電圧1Vを解く→OK→ΔVを1Vとして、2Vの解析
を行う 電圧2Vを解く→NG→ΔVを0.5Vとして、1.5Vの解
析を行う 電圧1.5Vを解く→NG→ΔVを0.25Vとして、1.25V
の解析を行う 電圧1.25Vを解く→OK→ΔVを0.25Vとして、1.5V
の解析を行う 後処理手段27は、反復計算が終了したときに、グラフ
ィック出力や標準出力などを行う。
【0041】上記シミュレーション実行部12は、演算
処理装置としてのCPU、及びこのCPUに接続された
ROM、RAM、磁気ディスクなどの記憶装置を含む通
常のコンピュータシステムで構成される。このシミュレ
ーション実行部12で実行される各処理の入力データや
命令は入力部11又は図示しないデータ記憶部から読み
込まれ、CPUによる演算処理が実行されるとともに、
各処理で発生した数値情報などのデータはRAMや磁気
ディスクなどの記憶装置に格納される。
【0042】出力部13はディスプレイ装置やプリンタ
装置などの表示又は印字装置により構成される。
【0043】なお、入力部11及び出力部13は、シミ
ュレーション実行部12に対してローカルに接続されて
いてもよいし、LANなどのネットワークシステムを介
してリモートに接続されていてもよい。
【0044】次に、上記のように構成されたデバイスシ
ミュレーション装置10において、半導体素子の電気特
性を数値解析する場合の処理の流れを図2のフローチャ
ートを用いて説明する。
【0045】反復計算手段21は、電圧制御手段25で
設定された電圧ステップにおいて反復計算を行い(ステ
ップ101)、この反復計算毎に残差計算手段22は電
位、電子濃度及び正孔濃度の残差を計算する(ステップ
102)。次に、収束判定手段23はこれらの残差と収
束判定基準とを比較し、収束したかどうかを判定する
(ステップ103)。ここで、収束したと判定される
と、電圧制御手段25は次の電圧ステップを設定し(ス
テップ104)、その値が上限電圧かどうかを判断する
(ステップ105)。そして、前記値が上限電圧でなけ
ればステップ101へ戻り、上限電圧に達していれば処
理を終了する。
【0046】また、ステップ103で収束しないと判定
されると、残差計算手段22は3回前の各残差と今回の
残差との差分a、b、cをそれぞれ計算し(ステップ1
06)、収束判定手段23により差分a、b、cがとも
に収束判定条件より小さいかどうかを判定する(ステッ
プ107)。ここで、差分a、b、cの1つでも収束判
定条件より大きければ、残差が収束しつつあると判断し
てステップ101へ戻り、また差分a、b、cの全てが
収束判定条件より小さければ、残差がある一定の値でほ
ぼ固定化したものと判断して、NG処理手段26により
NG処理を実行させる(ステップ108)。
【0047】このように、実施形態1のデバイスシミュ
レーション装置10では、反復計算毎に差分を計算し、
この差分が収束判定条件より小さいときは収束解が得ら
れない場合の処理に実行するようにしたので、残差が収
束判定基準に達することなく、ある一定の値でほぼ固定
化した場合であっても、従来のように設定されている反
復回数の上限まで無駄な反復計算を繰り返することがな
い。
【0048】また、上限回数から数回の反復を追加する
だけで収束解が得られるような場合でも、従来のように
上限回数に達した時点で計算を終了してしまうことがな
いので、解が収束しつつあるものに関しては確実に結果
を得ることができる。
【0049】なお、この実施形態1では、図2のステッ
プ107で反復計算毎に3回前まで遡って差分a、b、
cを計算するようにしているが、少なくとも1回前の残
差が分かれば収束判定条件との比較を行うことができ
る。なお、遡る回数が多くなるほど処理時間はかかるが
精度は良くなる。
【0050】[2]実施形態2 図3は、実施形態2に係わるデバイスシミュレーション
装置の機能的な構成を示すブロック図である。このデバ
イスシミュレーション装置20の基本構成は図1と同じ
であり、図1と同等部分を同一符号で示している。以
下、図1の構成と相違する部分について説明する。
【0051】反復計算手段31は、半導体素子の解析領
域を格子で分割し、この格子点についてポアソン方程
式、電子電流連続式及び正孔電流連続式をそれぞれ離散
化、線形化して連立一次方程式に置き換え、この3つの
連立一次方程式をまとめて反復計算して、収束解を求め
る処理を実行する。この反復計算手段31では反復回数
の上限が設定されており、反復回数があらかじめ設定さ
れた上限に達したかどうかの判定を行っている。
【0052】反復回数予測手段32は、前記反復計算手
段31で反復回数が上限に達したと判定された場合は、
その時点から収束解が得られるまでに要する反復回数を
予測する。反復回数を予測する手法としては、例えば従
来技術の項で説明した特開平1−198045号などに
記載された既知の技術を用いることができる。
【0053】反復回数判定手段33は、前記予測された
反復回数(以下、予測反復回数という)があらかじめ設
定された延長回数よりも小さいかどうかを判定する。
【0054】計算制御手段34は、残差計算手段22で
計算された差分が収束判定条件より小さい場合はNG処
理手段27の処理に移行し、差分が収束判定条件より大
きい場合は反復計算手段31の処理に移行する。また、
前記反復回数予測手段32で計算された予測反復回数が
延長回数よりも大きい場合はNG処理手段27の処理に
移行し、また予測反復回数が延長回数よりも小さい場合
は、反復計算手段28で設定されている反復回数の上限
を再設定する。ここでは、予測反復回数が反復回数の上
限として再設定される。なお、反復回数の無制限な延長
を防ぐため、反復回数の上限を再設定した場合は、同一
の電圧ステップで続けて上限を再設定することがないよ
うに制御する。
【0055】次に、上記のように構成されたデバイスシ
ミュレーション装置20において、半導体素子の電気特
性を数値解析する場合の処理の流れを図4のフローチャ
ートを用いて説明する。
【0056】反復計算手段31は、電圧制御手段25で
設定された電圧ステップにおいて反復計算を行い(ステ
ップ201)、この反復計算毎に残差計算手段22は電
位、電子濃度及び正孔濃度の残差を計算する(ステップ
202)。次に、収束判定手段23はこれらの残差と収
束判定基準とを比較し、収束したかどうかを判定する
(ステップ203)。ここで、収束したと判定される
と、電圧制御手段25は次の電圧ステップを設定し(ス
テップ204)、その値が上限電圧かどうかを判断する
(ステップ205)。そして、前記値が上限電圧でなけ
ればステップ201へ戻り、上限電圧に達していれば処
理を終了する。
【0057】また、ステップ203で収束しないと判定
されると、残差計算手段22は3回前の各残差と今回の
残差との差分a、b、cをそれぞれ計算し(ステップ2
06)、収束判定手段23により差分a、b、cがとも
に収束判定条件より小さいかどうかを判定する(ステッ
プ207)。ここで、差分a、b、cの全てが収束判定
条件より小さければ、残差がある一定の値でほぼ固定化
したものと判断して、NG処理手段26により収束解が
得られなかった場合の処理を実行する(ステップ20
8)。また、差分a、b、cの1つでも収束判定条件よ
り大きければ、残差が収束しつつあると判断して、反復
計算手段31の処理に移行する。
【0058】反復計算手段31は、反復回数があらかじ
め設定された上限に達したかどうかを判定し(ステップ
209)、上限に達していなければステップ201へ戻
り、また上限に達していれば反復回数予測手段32、反
復回数判定手段33を起動する。反復計算予測手段32
は、その時点から収束解が得られるまでに要する反復回
数を予測し(ステップ210)、反復回数判定手段33
は予測反復回数があらかじめ設定された延長回数よりも
小さいかどうかを判定する(ステップ211)。ここ
で、予測反復回数が延長回数よりも大きいときは、NG
処理手段26により収束解が得られなかった場合の処理
を実行する(ステップ208)。また、予測反復回数が
延長回数よりも小さいときは、反復計算手段28で設定
されている反復回数の上限を再設定する(ステップ21
2)。
【0059】なお、この後は延長された回数だけ反復計
算を繰り返すが、延長された回数だけ反復計算を繰り返
しても解が得られないときは、さらに上限を再設定する
ことなしにNG処理を実行する。
【0060】このように、実施形態2のデバイスシミュ
レーション装置20では、反復計算毎に計算した差分が
収束判定条件より小さいときは収束解が得られない場合
の処理に実行するようにしたので、残差が収束判定基準
に達することなく、ある一定の値でほぼ固定化した場合
であっても、従来のように設定されている反復回数の上
限まで無駄な計算を繰り返することがない。また、反復
計算毎に計算した差分が収束判定条件より大きく、かつ
反復回数が上限回数に達しているときは、収束解が得ら
れるまでの反復回数を予測するとともに、この予測反復
回数が延長回数よりも小さければ上限回数を再設定して
計算を続行し、大きければ収束解が得られない場合の処
理に実行するようにしたので、あと数回の反復を追加す
るだけで収束解が得られるような場合でも、予測反復回
数が延長回数の範囲内であれば計算が継続されるため、
従来のように途中で計算を終了してしまうことがなく、
解が収束しつつあるものに関しては確実に結果を得るこ
とができる。
【0061】とくに、この実施形態2では、解が収束し
つつある場合でも、反復回数は再設定された上限内に制
限されるため、反復回数を多くしないと収束解が得られ
ないような場合に、反復回数が必要以上に多くなること
を回避することができる。
【0062】[3]実施形態3 図5は、実施形態3に係わるデバイスシミュレーション
装置の機能的な構成を示すブロック図である。このデバ
イスシミュレーション装置30の基本構成は図3と同じ
であり、図3と同等部分を同一符号で示している。以
下、図3の構成と相違する部分について説明する。
【0063】反復計算手段35は、半導体素子の解析領
域を格子で分割し、この格子点についてポアソン方程
式、電子電流連続式及び正孔電流連続式をそれぞれ離散
化、線形化して連立一次方程式に置き換え、この3つの
連立一次方程式をまとめて反復計算して、収束解を求め
る処理を実行する。この反復計算手段35では反復回数
の上限が設定されている。
【0064】反復回数予測手段36は、反復計算毎に、
収束解が得られるまでに要する総反復回数(以下、予測
総反復回数という)を予測する。反復回数を予測する手
法としては、例えば従来技術の項で説明した特開平1−
198045号などに記載された既知の技術を用いるこ
とができる。ここで、予測総反復回数とは、反復計算が
スタートした時点から収束解が得られるまでに要するで
あろうと予想される反復回数をいう。
【0065】反復回数判定手段37は、前記予測総反復
回数があらかじめ設定された上限回数よりも小さいかど
うかを判定する処理と、前記予測総反復回数が前記上限
回数を1.5倍した値よりも小さいかどうかを判定する
処理を実行する。
【0066】この反復回数判定手段37では、最初に予
測総反復回数があらかじめ設定された上限回数よりも小
さいかどうかを判定し、ここで予測総反復回数が上限回
数よりも大きいと判定したときは、続いて予測総反復回
数が上限回数の1.5倍値よりも小さいかどうかを判定
する。このように、反復回数が上限回数に達した場合で
あっても、収束解が上限回数の1.5倍以内の反復計算
で得られるようであれば、引き続き反復計算を続行させ
るようにしている。なお、この上限回数に掛ける数値は
1.5に限定されるものではなく、必要に応じて任意に
設定することができる。
【0067】計算制御手段38は、反復回数予測手段3
6で計算された予測総反復回数が上限回数より小さい場
合、及び予測総反復回数が上限回数より大きく、かつ予
測総反復回数が上限回数を1.5倍した値以下であれば
反復計算を続行させ、予測総反復回数が上限回数より大
きく、かつ予測総反復回数が上限回数を1.5倍した値
以上であれば解けなかった場合の処理に移行する。
【0068】次に、上記のように構成されたデバイスシ
ミュレーション装置30において、半導体素子の電気特
性を数値解析する場合の処理の流れを図6のフローチャ
ートを用いて説明する。
【0069】反復計算手段35は、電圧制御手段25で
設定された電圧ステップにおいて反復計算を行い(ステ
ップ301)、この反復計算毎に残差計算手段22は電
位、電子濃度及び正孔濃度の残差を計算する(ステップ
302)。次に、収束判定手段23はこれらの残差と収
束判定基準とを比較し、収束したかどうかを判定する
(ステップ303)。ここで、収束したと判定される
と、電圧制御手段25は次の電圧ステップを設定し(ス
テップ304)、その値が上限電圧かどうかを判断する
(ステップ305)。そして、前記値が上限電圧でなけ
ればステップ301へ戻り、上限電圧に達していれば処
理を終了する。
【0070】また、ステップ303で収束しないと判定
されたときは、反復回数予測手段36、反復回数判定手
段37を起動する。
【0071】反復回数予測手段36は、収束解が得られ
るまでに要する予測総反復回数を予測し(ステップ30
6)、反復回数判定手段37は予測総反復回数があらか
じめ設定された上限回数よりも小さいかどうかを判定す
る(ステップ307)。ここで、予測総反復回数が上限
回数よりも小さいときは、ステップ301へ戻り、また
上限回数よりも大きいときは、続いて予測総反復回数が
上限回数を1.5倍した値よりも小さいかどうかを判定
する(ステップ308)。ここで、予測総反復回数が上
限回数の1.5倍値よりも小さいときはステップ301
へ戻り、また1.5倍値より大きいときは、NG処理手
段26により収束解が得られなかった場合の処理を実行
する(ステップ309)。
【0072】このように、実施形態3のデバイスシミュ
レーション装置30では、反復計算毎に収束解が得られ
るまでの反復回数を予測し、この予測された反復回数が
あらかじめ設定された上限回数又は上限回数の1.5倍
値よりも大きいときは、収束解が得られなかった場合の
処理を実行するようにしたので、残差が収束判定基準に
達することなく、ある一定の値でほぼ固定化されるよう
な場合であっても、従来のように反復回数の上限まで無
駄な計算を繰り返すことがない。
【0073】また、上限回数から数回の反復を追加する
だけで収束解が得られるような場合でも、予測反復回数
が上限回数の1.5倍値の範囲内であれば計算が継続さ
れるため、従来のように途中で計算を終了してしまうこ
とがなく、解が収束しつつあるものに関しては確実に結
果を得ることができる。
【0074】上述した実施形態で理解されるような半導
体素子の電気特性評価方法を実現するためのプログラム
は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に保存するこ
とができる。この記録媒体をコンピュータシステムによ
って読み込ませ、前記プログラムを実行してコンピュー
タを制御することにより上述した電気特性評価方法を実
現することができる。ここで、前記記録媒体としては、
例えばメモり装置、磁気ディスク装置、光ディスク装置
などのプログラムを記録できるような装置が含まれる。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係わる
半導体素子の電気特性評価方法、半導体素子の電気特性
評価装置及び半導体素子の電気特性評価プログラムを格
納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において
は、残差が収束判定基準に達することなく、ある一定の
値でほぼ固定化した場合であっても、設定されている反
復回数の上限まで無駄な計算を繰り返することがなく、
また、あと数回の反復を追加するだけで収束解が得られ
るような場合でも、上限回数に達した時点で計算を終了
してしまうことがない。
【0076】したがって、反復回数の上限まで計算を繰
り返しても収束解が得られないような場合は、無駄な反
復計算の継続による計算時間の無駄をなくすことがで
き、また、あと数回の反復を追加するだけで収束解が得
られるような場合は、途中で計算を終了して、再び電圧
(時間)ステップを戻して計算をし直すなどの計算時間
の無駄を省くことができるので、全体として計算時間の
短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係わるデバイスシミュレーション
装置の機能的な構成を示すブロック図。
【図2】実施形態1のデバイスシミュレーション装置に
おいて半導体素子の電気特性を数値解析する場合の処理
の流れを示すフローチャート。
【図3】実施形態2に係わるデバイスシミュレーション
装置の機能的な構成を示すブロック図。
【図4】実施形態2のデバイスシミュレーション装置に
おいて半導体素子の電気特性を数値解析する場合の処理
の流れを示すフローチャート。
【図5】実施形態3に係わるデバイスシミュレーション
装置の機能的な構成を示すブロック図。
【図6】実施形態3のデバイスシミュレーション装置に
おいて半導体素子の電気特性を数値解析する場合の処理
の流れを示すフローチャート。
【図7】半導体素子の解析領域内を格子で分割した場合
の模式図。
【図8】従来の収束判定の処理の流れを示すフローチャ
ート。
【図9】残差が収束判定基準に達することなしに一定の
値で固定化した場合の残差と反復回数の関係を示すグラ
フ。
【図10】反復回数の上限を超えた回数で収束解が得ら
れる場合の残差と反復回数の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
10、20、30 デバイス・シミュレーション装置 11 入力部 12 シミュレーション実行部 13 出力部 21、31、35 反復計算手段 22 残差計算手段 23 収束判定手段 24 電圧制御手段 25 NG処理手段 26 後処理手段 32、36 反復回数予測手段 33、38 反復回数判定手段

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体素子の解析領域を格子で分割し、
    当該格子点についてポアソン方程式、電子電流連続式及
    び正孔電流連続式をそれぞれ離散化、線形化して連立一
    次方程式に置き換え、当該連立一次方程式を反復計算
    し、その収束解を求めて前記半導体素子の電気特性を解
    析する半導体素子の電気特性評価方法において、 反復計算毎に、少なくとも1回前の残差と今回の残差と
    の差分を計算し、当該差分があらかじめ設定された収束
    判定条件より大きいときは反復計算を続行し、また前記
    差分が収束判定条件より小さいときは収束解が得られな
    かった場合の処理を実行することを特徴とする半導体素
    子の電気特性評価方法。
  2. 【請求項2】 前記差分があらかじめ設定された収束判
    定条件より大きいときは、反復計算の回数があらかじめ
    設定された上限回数に達したかどうかを判定し、上限回
    数に達しているときは、収束解が得られるまでの反復回
    数を予測するとともに、当該予測した反復回数があらか
    じめ設定された延長回数よりも小さいときは前記反復回
    数の上限回数を再設定し、また前記予測した反復回数が
    前記延長回数よりも大きいときは収束解が得られなかっ
    た場合の処理を実行することを特徴とする請求項1記載
    の半導体素子の電気特性評価方法。
  3. 【請求項3】 半導体素子の解析領域を格子で分割し、
    当該格子点についてポアソン方程式、電子電流連続式及
    び正孔電流連続式をそれぞれ離散化、線形化して連立一
    次方程式に置き換え、当該連立一次方程式を反復計算
    し、その収束解を求めて前記半導体素子の電気特性を解
    析する半導体素子の電気特性評価方法において、 反復計算毎に、収束解が得られるまでの反復回数を予測
    し、当該予測された反復回数があらかじめ設定された反
    復回数よりも小さいときは反復計算を続行し、また前記
    予測された反復回数が前記設定された反復回数よりも大
    きいときは収束解が得られなかった場合の処理を実行す
    ることを特徴とする半導体素子の電気特性評価方法。
  4. 【請求項4】 半導体素子の解析領域を格子で分割し、
    当該格子点についてポアソン方程式、電子電流連続式及
    び正孔電流連続式をそれぞれ離散化、線形化して連立一
    次方程式に置き換え、当該連立一次方程式を反復計算
    し、その収束解を求めて前記半導体素子の電気特性を解
    析する半導体素子の電気特性評価装置において、 反復計算毎に少なくとも1回前の残差と今回の残差との
    差分を計算する計算手段と、 前記差分があらかじめ設定された収束判定条件より小さ
    いかどうかを判定する判定手段と、 前記差分が収束判定条件より大きいときは反復計算を続
    行し、また前記差分が収束判定条件より小さいときは収
    束解が得られなかった場合の処理を実行する計算制御手
    段とを含むことを特徴とする半導体素子の電気特性評価
    装置。
  5. 【請求項5】 前記差分があらかじめ設定された収束判
    定条件より大きいときは、反復計算の回数があらかじめ
    設定された上限回数に達したかどうかを判定する反復回
    数判定手段と、 前記反復回数が上限回数に達した場合は、その時点から
    収束解が得られるまでの反復回数を予測する反復回数予
    測手段と、 前記予測された反復回数があらかじめ設定された延長回
    数よりも小さいかどうかを判定する延長回数判定手段
    と、 前記予測された反復回数が延長回数よりも小さいときは
    前記反復回数の上限回数を再設定し、また前記予測され
    た反復回数が前記延長回数よりも大きいときは収束解が
    得られなかった場合の処理を実行する計算制御手段とを
    含むことを特徴とする請求項4記載の半導体素子の電気
    特性評価装置。
  6. 【請求項6】 半導体素子の解析領域を格子で分割し、
    当該格子点についてポアソン方程式、電子電流連続式及
    び正孔電流連続式をそれぞれ離散化、線形化して連立一
    次方程式に置き換え、当該連立一次方程式を反復計算
    し、その収束解を求めて前記半導体素子の電気特性を解
    析する半導体素子の電気特性評価装置において、 反復計算毎に、その時点から収束解が得られるまでの反
    復回数を予測する反復回数予測手段と、 前記予測された反復回数があらかじめ設定された延長回
    数よりも小さいかどうかを判定する延長回数判定手段
    と、 前記予測された反復回数が延長回数よりも小さいときは
    反復計算を続行し、また前記予測された反復回数が延長
    回数よりも大きいときは収束解が得られなかった場合の
    処理を実行する計算制御手段とを含むことを特徴とする
    半導体素子の電気特性評価装置。
  7. 【請求項7】 半導体素子の解析領域を格子で分割し、
    当該格子点についてポアソン方程式、電子電流連続式及
    び正孔電流連続式をそれぞれ離散化、線形化して連立一
    次方程式に置き換え、当該連立一次方程式を反復計算
    し、その収束解を求めて前記半導体素子の電気特性を解
    析する半導体素子の電気特性評価処理を実行するための
    プログラムであって、 反復計算毎に、少なくとも1回前の残差と今回の残差と
    の差分を計算し、当該差分があらかじめ設定された収束
    判定条件より大きいときは反復計算を続行し、また前記
    差分が収束判定条件より小さいときは収束解が得られな
    かった場合の処理を実行することを含み、 これら処理をコンピュータに実行させることを特徴とす
    る半導体素子の電気特性評価プログラムを格納したコン
    ピュータ読取り可能な記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記差分があらかじめ設定された収束判
    定条件より大きいときは、反復計算の回数があらかじめ
    設定された上限回数に達したかどうかを判定し、上限回
    数に達しているときは、収束解が得られるまでの反復回
    数を予測するとともに、当該予測した反復回数があらか
    じめ設定された延長回数よりも小さいときは前記反復回
    数の上限回数を再設定し、また前記予測した反復回数が
    前記延長回数よりも大きいときは収束解が得られなかっ
    た場合の処理を実行することを含み、 これら処理をコンピュータに実行させることを特徴とす
    る請求項7記載の半導体素子の電気特性評価プログラム
    を格納したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  9. 【請求項9】 半導体素子の解析領域を格子で分割し、
    当該格子点についてポアソン方程式、電子電流連続式及
    び正孔電流連続式をそれぞれ離散化、線形化して連立一
    次方程式に置き換え、当該連立一次方程式を反復計算
    し、その収束解を求めて前記半導体素子の電気特性を解
    析する半導体素子の電気特性評価処理を実行するための
    プログラムであって、 反復計算毎に、その時点から収束解が得られるまでの反
    復回数を予測し、当該予測された反復回数があらかじめ
    設定された延長回数よりも小さいときは反復計算を続行
    し、また前記予測された反復回数が延長回数よりも大き
    いときは収束解が得られなかった場合の処理を実行する
    ことを含み、 これら処理をコンピュータに実行させることを特徴とす
    る半導体素子の電気特性評価プログラムを格納したコン
    ピュータ読取り可能な記録媒体。
JP9063443A 1997-03-17 1997-03-17 半導体素子の電気特性評価方法、半導体素子の電気特性評価装置及び半導体素子の電気特性評価プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Pending JPH10261783A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9063443A JPH10261783A (ja) 1997-03-17 1997-03-17 半導体素子の電気特性評価方法、半導体素子の電気特性評価装置及び半導体素子の電気特性評価プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9063443A JPH10261783A (ja) 1997-03-17 1997-03-17 半導体素子の電気特性評価方法、半導体素子の電気特性評価装置及び半導体素子の電気特性評価プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10261783A true JPH10261783A (ja) 1998-09-29

Family

ID=13229412

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9063443A Pending JPH10261783A (ja) 1997-03-17 1997-03-17 半導体素子の電気特性評価方法、半導体素子の電気特性評価装置及び半導体素子の電気特性評価プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10261783A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007249642A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Nec Corp 電磁界解析装置
JP2009157623A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Nec Electronics Corp 回路シミュレーションのためのシステムと方法
US8332190B2 (en) 2006-12-19 2012-12-11 Nec Corporation Circuit simulator, circuit simulation method and program

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007249642A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Nec Corp 電磁界解析装置
US8332190B2 (en) 2006-12-19 2012-12-11 Nec Corporation Circuit simulator, circuit simulation method and program
JP2009157623A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Nec Electronics Corp 回路シミュレーションのためのシステムと方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4774294B2 (ja) 集積回路レイアウト装置、その方法及びプログラム
US8412494B2 (en) Optimal solution relation display apparatus and optimal solution relation display method
JP2004200461A (ja) 半導体装置特性シミュレーション方法及び半導体装置特性シミュレータ
WO2006026985A2 (en) Method and computer system for quantum chemical modelling of molecules under non-equilibrium conditions
JPH09171521A (ja) 半導体のシミュレーション方法及び装置
CN110990135A (zh) 基于深度迁移学习的Spark作业时间预测方法和装置
US6728937B2 (en) Circuit simulation device for predicting the dispersion of circuit characteristics and the electric characteristics
JPH10261783A (ja) 半導体素子の電気特性評価方法、半導体素子の電気特性評価装置及び半導体素子の電気特性評価プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
Lang Adaptive FEM for reaction—diffusion equations
US7962317B1 (en) Analytic linearization for system design
JP5227141B2 (ja) 半導体デバイスモデルのモデルパラメータ抽出装置およびモデルパラメータ抽出プログラム
JP2010062441A (ja) シミュレーション装置、及びシミュレーション方法
Quevedo et al. Anytime control using input sequences with Markovian processor availability
US5627772A (en) Method and apparatus for device simulation
KR20040080915A (ko) 회로 시뮬레이션 방법
JP4649356B2 (ja) 消費電力算出プログラム、記録媒体、消費電力算出方法、および消費電力算出装置
JP5070785B2 (ja) 回路設計方法及び回路設計システム
Athanasiou et al. On the efficient simulation of electrical circuits with constant phase elements: The Warburg element as a test case
US20080168297A1 (en) Method and apparatus for characterizing properties of electronic devices depending on device parameters
US8352901B2 (en) Technique for generation of load-slew indices for circuit characterization
Bieniasz A new theory and automatic computation of reversible cyclic voltammograms at an inlaid disk electrode
JP2005340340A (ja) 半導体シミュレーション装置および半導体シミュレーション方法
JPH07175789A (ja) 半導体装置における電気的特性の数値解析方法
JP2003500717A (ja) 技術システムを設計する方法、装置及びコンピュータプログラム
JP3926150B2 (ja) デバイス・シミュレーション方法およびデバイス・シミュレーション装置