JPH10256981A - 移動体の移動特性シミュレーション方法 - Google Patents

移動体の移動特性シミュレーション方法

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JPH10256981A
JPH10256981A JP9067505A JP6750597A JPH10256981A JP H10256981 A JPH10256981 A JP H10256981A JP 9067505 A JP9067505 A JP 9067505A JP 6750597 A JP6750597 A JP 6750597A JP H10256981 A JPH10256981 A JP H10256981A
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米雄 渡辺
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Y R P IDO TSUSHIN KIBAN GIJUTSU KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動体の移動を模擬しながら移動体通信シス
テムなどの評価を行うシミュレータにおいて、地理的特
徴に適合した移動特性を持つ移動体の振る舞いを高精度
に模擬する。 【解決手段】 シミュレーションを行う対象としている
地域100を地理的特徴に従い複数の領域101−1〜
101−25に分割し、該分割した領域毎に、そこに属
する移動体の移動方向特性情報103及び滞在時間情報
104を持たせる。各領域に滞在する移動体について、
当該領域に設定された移動方向特性情報103と滞在時
間情報104を用いて次の領域に移動させる操作を、シ
ミュレーションの対象としている地域に存在している移
動体すべてについて繰り返し実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体の移動を模
擬するためのシミュレーション方法に関し、特に、移動
通信システムの特性を評価するためのシミュレータ等に
適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】移動通信システムなどを設計するとき
に、該システムがサービスを提供するエリアにおける移
動体の移動を模擬しながらシミュレーションを行い、そ
の特性を評価することが行われている。このような場
合、従来の移動特性シミュレーション方法においては、
例えば、シミュレーションを行う対象としている地域に
移動体を一様に分布させ、それぞれの移動体に対して、
速度と方向を与えて移動体を移動させることが行われて
いる。すなわち、各移動体を一定速度で一定方向に直進
させたり、ある時間一定速度で直進後、方向速度ともに
変換させたり、あるいは、ある距離だけ一定速度で直進
させた後、方向速度ともに変換を行ったりすることによ
り、移動体の動作を模擬している。なお、この速度や方
向の決定には、正規分布、指数分布等の移動体の統計的
な移動特性が用いられている。
【0003】また、他の方法として、シミュレーション
を行う対象としている地域を格子状に分割して、該格子
の上の上下左右4方向、あるいは、斜め方向を加えた8
方向に、移動体をランダムに移動させて移動体の動作を
模擬する方法も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の移動特性のシミュレーションにおいては、移動体自体
の統計的な移動特性を用いて移動体の動きを模擬してい
る。しかしながら、現実には、移動体の移動特性は、移
動体の種類に応じて地理的特徴の影響を大きく受ける。
たとえば、人や自動車の動きは道路の形状に左右され、
電車の動きは線路の形状に左右される。また、駅や駐車
場では移動体が発生する割合が高いが、他の場所ではあ
まり発生しないという傾向もある。
【0005】したがって、移動体の移動特性を模擬する
ためには、対象となる地域の地理的特徴を考慮すること
が必要であるが、上述した従来のシミュレーション方法
では地理的特徴を考慮しておらず、移動体の移動を正確
に模擬することができないという問題があった。また、
移動体の移動特性は時間とともに変化し、また、移動体
の密度にも依存するが、上述した従来の方法では、これ
らについても模擬することが困難であった。
【0006】そこで、本発明は、上記のような従来の問
題点を解決し、シミュレーションの対象とされる地域に
おける現実の地理に適合した移動体の移動特性を実際の
環境に近い状況で再現し、正確な評価を行うことができ
る移動体の移動特性シミュレーション方法を提供するこ
とを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の移動体の移動特性シミュレーション方法
は、シミュレーションの対象としている地域をその地理
的特徴を考慮して複数の領域に分割するステップ、該分
割された複数の領域それぞれについて、移動体が次に移
動することができる領域への遷移確率を表す移動方向特
性情報、および、移動体が当該領域に滞在している時間
を算出する基準となる滞在時間情報を設定するステッ
プ、前記各領域に含まれる移動体について、前記滞在時
間情報に基づいて算出した時間だけ当該領域に滞在させ
た後、前記移動方向特性情報に従って次に移動すること
ができる領域に移動させるステップ、および、前記シミ
ュレーションの対象としている地域に存在している移動
体すべてについて上記移動させるステップを繰り返し実
行するステップを有する方法である。
【0008】また、前記移動方向特性情報は、当該領域
に移動してきた移動体に対して、移動してくる前に滞在
していた領域に応じて、次に移動する隣接領域を決定す
る遷移確率から構成されており、前記滞在時間情報は、
当該領域に移動してきた移動体に対して、移動してくる
前に滞在していた領域に応じて、移動体の平均速度と、
当該領域と移動体が移動することができる隣接領域との
距離とから構成されているものである。
【0009】これにより、移動体自体の移動特性の統計
データに従い移動体の移動を模擬するのではなく、移動
体の移動する空間に移動特性の統計データを付加し、そ
れに従い移動を模擬することが可能となる。
【0010】さらに、前記複数の領域それぞれについ
て、さらに、当該領域内で移動体が新しく発生する頻度
を表す移動体発生頻度情報が設定されており、前記移動
方向特性情報の構成要素として、移動体が移動する際に
シミュレーションの対象外となる確率を表す情報が付加
されているものである。これにより、上記移動特性のシ
ミュレーションを行う場合に、駅や道路の端といった場
所的な特徴を表現することが可能となる。
【0011】さらにまた、前記複数の領域それぞれにつ
いて当該領域内に滞在している移動体の数を計数してお
き、当該領域あるいは当該領域に隣接する領域を含めた
複数の領域に滞在している移動体数に応じて、前記移動
体が当該領域に滞在している時間を算出するようになさ
れているものである。これにより、移動体の密度による
移動速度の変化を表現することが可能となり、移動体の
密度に応じて移動体の移動特性を変化させることができ
るので、自動車の渋滞や、ラッシュ時の駅構内・ホーム
等の人の混雑状況を再現し、評価することが可能とな
る。
【0012】さらにまた、前記移動方向特性情報、前記
滞在時間情報および前記移動体発生頻度情報は、いずれ
も、移動体の種類に対応して複数設定されているもので
ある。これにより、さまざまな移動体の混在した環境を
再現したり、逆に一種類の移動体に特化して、移動通信
システムなどを評価することが可能となる。さらに、移
動体の種類対応に複数設定できる構成とすることで時間
的な移動特性の変化を模擬することが可能となる。
【0013】さらにまた、前記移動方向特性情報、前記
滞在時間情報および前記移動体発生頻度情報は、シミュ
レーションの時間の経過とともに変化されるようになさ
れているものである。これにより、移動体の移動特性や
発生特性を時間とともに変化させることができ、時間に
よる移動方向の変化や移動体の活動が激しい時と不活発
な時の両方を実際の時間経過に合わせて評価することが
可能となる。
【0014】さらにまた、前記各領域に含まれる移動体
について、さらに、発呼間隔、平均保留時間、使用回線
数を含む通信トラヒック特性情報を設定し、前記各領域
それぞれについて、さらに、移動体が移動通信システム
のサービスを受けることができる無線ゾーンの構成情報
および無線ゾーン管理情報を設定することにより、移動
通信システムの評価を行うようになされているものであ
る。
【0015】これにより、移動体に通信機能を持たせる
ことができ、地理的特徴に依存した移動特性と通信トラ
ヒック特性とを統合してシミュレーションすることがで
きるる。したがって、従来の方法に比較してより正確に
移動通信システムの評価を行うことが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の移動体の移動特
性シミュレーション方法における、シミュレーションの
対象としている地域(シミュレーションエリア)とシミ
ュレーションに使用される移動体の移動特性情報の一実
施の形態を説明するための図である。この図において、
100はシミュレーションエリア全体を表しており、1
01−1〜101−25は、前記シミュレーションエリ
ア100をその地理的特徴を考慮しながら複数に分割し
た各領域をそれぞれ示している。
【0017】例えば、図1に示した例においては、領域
101−3、101−8、101−11、101−1
2、101−13、101−14、101−15、10
1−18、101−23は(道路)であり、領域101
−19は(駅)であり、その他の領域は(ビル)であ
る。そして、(道路)のうち領域101−13は(交差
点)を表し、領域101−14は(交差点)前の(道
路)を表し、領域101−15は(道路)端を示してい
る。また、(ビル)のうち領域101−20は(道路)
と(駅)に面した(ビル)、領域101−25は(ビ
ル)の内部である。このように、各領域はそれぞれ地理
的特徴を考慮して分割されている。
【0018】なお、ここでは、四角形のシミュレーショ
ンエリア100を複数の領域101−1〜101−25
により規則正しく四角形で分割した例を示しているが、
シミュレーションエリア100はどのような形であって
もよく、また、領域101−1〜101−25について
も、どのような形およびどのような大きさに分割された
ものであっても構わない。
【0019】また、図中102−1から102−25
は、前記各領域101−1〜101−25を識別するた
めに設定されたノードであり、各ノード間を結ぶ線は、
移動体が移動することができる方向およびノードを表し
ている。
【0020】また、図中、103〜107は、移動体の
移動を模擬するために使用される移動特性情報であり、
103は当該ノードに滞在している移動体が次に移動す
ることのできるノードへの遷移確率を表す移動方向特性
情報、104は当該ノードに滞在している移動体が次の
ノードに移動するまでそのノードに滞在する時間を算出
する基準となる滞在時間情報、105は各ノード毎に移
動体がそのノードで発生する頻度を表す移動体発生頻度
情報、106は各ノード毎にそのノードに滞在している
移動体の数を計数し記憶する移動体数情報、107は各
ノード毎に初期状態あるいはそのノードにおいて発生す
る移動体が所有する端末の種別の割合を表す端末割合情
報である。
【0021】これらの情報103〜107の詳細につい
ては後述するが、これらは、いずれも各ノード対応に設
定されている。また、前記移動方向特性情報103、滞
在時間情報104、移動体発生頻度情報105および移
動体数情報106は、各々のノードにおける移動体の種
類(人、車、電車等)に対応して複数の情報を持つよう
になされている。さらに、前記移動方向特性情報10
3、滞在時間情報104および移動体発生頻度情報10
5は、時間帯別に複数の情報を持つようになされてい
る。
【0022】さらに、図1中の110は、シミュレーシ
ョン動作を実行する際にシミュレーションプログラム中
でシミュレーションの時間を管理して、次の動作を決定
するシミュレーション時間管理プログラムである。後述
するように、このシミュレーション時間管理プログラム
110により、シミュレーションが制御される。
【0023】前記移動方向特性情報103の一例を図2
に示す。前述したように、この移動方向特性情報103
は、各ノード毎に、移動体の種別別かつ、時間帯別に異
なる情報が設定されるものであり、この図に示した移動
方向特性情報テーブル103は、例えば、ノード102
−19の移動体種別(人)の平日の昼間に対応するもの
である。この図において、201は移動体が次に移動す
ることができる領域を示し、202は移動体が当該領域
に移動してきた領域、すなわち当該領域に移動してくる
前に滞在していた領域を示している。そして、移動体が
当該領域に移動してきた領域202毎に、移動体が次に
移動することができる領域201とその領域201へ移
動する確率、すなわち遷移確率203−11〜203−
55で構成されている。
【0024】上記移動体が次に移動することができる領
域201は、201−1〜201−5からなっており、
201−1から201−4はそれぞれ移動体が次に移動
することができるノードを示し、201−5は移動体が
移動する際に、シミュレーションの対象外となることを
示している。また、上記移動体が当該領域に移動してき
た領域202は202−1〜202−5からなってお
り、202−1から202−4はそれぞれ移動体が移動
してきたノードを示し、202−5は移動体が当該ノー
ドで発生したことを示している。このように、202は
移動体の移動履歴を表している。
【0025】また、203−11は、移動体がこのノー
ド102−19に移動してくる前に滞在していたノード
が202−1(102−14)である場合のうち、ノー
ド201−1(102−14)に移動体が次に移動する
確率を示している。203−12〜203−55も、同
様に、移動体が次に移動することができるノードへの移
動確率を示している。
【0026】このように、移動方向特性情報103は、
各ノード対応にその地理的特徴を考慮して設定されるも
のであり、移動体が当該ノードに移動してくることがで
きるノード毎に、移動体が次に移動することができるノ
ードとそのノードへ移動する確率、すなわち隣接領域へ
の遷移確率を表した情報である。そして、この移動方向
特性情報103には、移動体が移動する際にシミュレー
ションの対象外となる確率を表す情報も含まれている。
また、この移動方向特性情報103は、上述したような
構成で各ノード対応に、移動体の種類別、時間帯別に複
数の情報を持つようになされている。
【0027】前記滞在時間情報104の一例を図3に示
す。前述したように、この滞在時間情報104は、各ノ
ード対応に、移動体の種別別、かつ時間帯別に異なる情
報が設定されるものであり、この図に示した滞在時間情
報104は、例えば、前記ノード102−19の移動体
種別(人)の平日の昼間に対応するものである。
【0028】この図において、301は移動体が次に移
動することができる領域を示し、302は移動体が当該
領域に移動してきた領域を示す。そして、移動体が当該
領域に移動してくることができる領域302毎に、移動
体が次に移動することができる領域301と当該領域と
領域301間の距離303−11〜303−55および
領域301に設定されたノードに移動体が移動する場合
の移動体の平均速度304−11〜304−55で構成
されている。
【0029】上記移動体が次に移動することができる領
域301は301−1〜301−5からなっており、3
01−1〜301−4は移動体が次に移動することがで
きるノードを示し、301−5は移動体が移動する際
に、シミュレーションの対象外となることを示してい
る。また、移動体が当該領域に移動してきた領域302
は302−1〜302−5からなっており、302−1
〜302−4は移動体が移動してきたノードを示し、3
02−5は移動体が当該ノードで発生したことを示して
いる。
【0030】例えば、303−11は移動体が当該ノー
ドに移動してきたノードが302−1の場合で、ノード
301−1と当該ノード間の距離を示す。303−12
〜303−55も同様に移動体が次に移動できるノード
と当該ノード間の距離を示している。304−11は移
動体が当該ノードに移動してきたノードが302−1
で、ノード301−1に移動体が次に移動できる場合の
移動体の平均速度を示している。304−12から30
4−55も同様に平均速度を示している。
【0031】なお、この例においては、滞在時間情報と
してノード間の距離303−1〜303−25と平均速
度304−1〜304−25を設定しているが、この情
報の代わりにノードの滞在時間を表す平均秒数を設定す
るようにしても良い。このように、滞在時間情報104
は、各ノード対応にその地理的特徴を考慮して設定され
るものであり、移動体が次のノードに移動するまで当該
ノードに滞在している時間を算出する基準となる情報で
ある。そして、この滞在時間情報104は、上述したよ
うな構成で各ノード対応に移動体の種類別、時間帯別に
複数の情報を持つようになされている。
【0032】前記移動体発生頻度情報105の一構成例
を図4に示す。前述したように、この移動体発生頻度情
報105は、各ノードにおける移動体の発生頻度を示す
ものであり、移動体の種類別、時間帯別に設定されてい
る。この図に示した移動体発生頻度情報105は、例え
ば、移動体種別(人)の平日の昼間に対応するものであ
る。
【0033】この図において、401は設定された情報
がどのノードのものかを表すノード番号、402はノー
ド番号401に示されたノードにおいて移動体が発生す
る平均間隔を示す平均発生間隔、403はノード番号4
01に示されたノードにおける移動体の発生分布を示す
分布特性である。このように、移動体発生頻度情報10
5は、各ノード対応にその地理的特徴を考慮して設定さ
れるものであり、該ノードで移動体が新しく発生する頻
度を表す情報である。そして、この移動体発生頻度情報
105は、上述したような構成で、移動体の種類別、時
間帯別に複数の情報を持つようになされている。
【0034】前記移動体数情報106の一構成例を図5
(a)に示す。この情報は、各々のノードにおける移動
体の数を移動体種別毎に計数保持するものである。図5
の(a)において、501は設定された情報がどのノー
ドのものかを表すノード番号、502はシミュレーショ
ンを開始する場合にノード番号501に示されたノード
に移動体を初期状態として配置する場合の平均数を記憶
する初期値、503はノード番号501に示されたノー
ドに滞在している移動体数、504はノード番号501
に示されたノードの領域面積を表す領域面積である。
【0035】このように、移動体数情報106は、各ノ
ード対応に、そのノードに滞在している移動体の数を計
数し、記憶している情報である。そして、上述したよう
な構成で、移動体の種類別に複数の情報を持つようにな
されている。
【0036】前記端末割合情報107の一構成例を図5
に(b)に示す。前述したように、この端末割合情報1
07は、初期状態において各ノードに配置される端末、
および、各ノードで発生される端末の種別、すなわち、
当該端末を用いて送受信される情報の種類、例えば、音
声、画像あるいはデータ等の種別を管理するための情報
である。ここで、511は設定された情報がどのノード
のものかを表すノード番号、512は端末種別(音声)
の発生確率、513は端末種別(データ)の発生確率、
514は端末種別(画像)の発生確率である。
【0037】この端末割合情報107は、上述したよう
な構成で、移動体の種類別、時間帯別に複数の情報を持
つようになされている。なお、この図に示した例におい
ては、各ノード毎にそれぞれ端末割合情報を設定してい
るが、複数のノードで同じ割合の割当情報とされるとき
には、当該複数のノードで端末割合情報を共有するよう
にしてもよい。また、全てのノードで同じ割合のとき
は、1つの端末割合情報でよい。この端末割合情報10
7は後述する通信特性のシミュレーション時に使用され
る。
【0038】さて、前記シミュレーション時間管理プロ
グラム110は、各ノードに対応して設定されている上
記移動特性情報103〜107を用いて、移動体の動作
のシミュレーションを実行するのであるが、そのとき
に、各移動体を管理するために移動体管理テーブル60
0、および、移動体の発生を管理するために移動体発生
管理テーブル700を使用する。
【0039】図6は、前記シミュレーション時間管理プ
ログラム110に登録される移動体管理テーブル600
の一例を示す図である。この移動体管理テーブル600
は、シミュレーションの対象とされているすべての移動
体個々について設けられており、シミュレーション時間
管理プログラム110により管理される。
【0040】この図において、601は、シミュレーシ
ョン時間管理プログラム110に登録する移動体を一意
に識別する移動体番号、602は移動体番号601の移
動体が滞在しているノードの番号、603は移動体番号
601の移動体が当該ノード番号602のノードから次
に移動するノードの移動先ノード番号を示す。また、6
04は移動体番号601の移動体が当該ノード番号60
2のノードに滞在する時間、605は移動体番号601
の移動体が次に通信を行う時点までを示す発呼時間で前
回の通信終了時からの経過時間で表す。さらに、606
は移動体番号601の移動体が次に通信を行う場合の通
信時間を示す保留時間、607は移動体番号601の移
動体の種類を示す移動体種別、608は移動体番号60
1の移動体が通信を行う場合、通信の種類を示す端末種
別である。
【0041】また、この移動体管理テーブル600に
は、さらに他の情報を設定することができる。例えば、
この移動体管理テーブル600に当該移動体の移動の履
歴、例えば、直進回数、右折および左折の回数等を格納
させておき、前記移動方向特性情報102における遷移
確率をこの移動履歴データを反映して変更させるように
することができる。この場合、例えば直進の回数が多い
場合には、右折および左折した位置にあるノードへの遷
移確率を上昇させ、逆に、右折あるいは左折の回数が多
いときには、直進した位置にあるノードへの遷移確率を
上昇させることができる。なお、このテーブルに格納さ
れている発呼時間605、保留時間606および端末種
別608の各情報は、後述する通信特性のシミュレーシ
ョン時に使用される。
【0042】図7は、前記シミュレーション時間管理プ
ログラム110に登録される移動体発生時間管理テーブ
ル700の一例を示す図である。このテーブルは、移動
体の発生を管理するためのテーブルであり、前記シミュ
レーション時間管理プログラム110は、この移動体発
生時間管理テーブル700を参照することにより、移動
体をノードに発生させる処理を実行する。
【0043】図7において、701は設定された情報が
どのノードのものかを表すノード番号、702はノード
番号701に示されたノードで次に発生する移動体の種
類を示す移動体種別、703はノード番号701に示さ
れたノードで移動体種別702に示された移動体種別の
移動体が次に発生する時間で、前回移動体がノード番号
701に示されたノードで発生してから次に発生するま
での時間である。また、704はノード番号701に示
されたノードで次に発生する移動体の端末の種別を示す
端末種別である。
【0044】上記図1から図7を参照しながら、本発明
のシミュレーション方法における移動体の動作概要の一
例について、(1)初期状態における移動体の模擬、
(2)移動体の移動、(3)移動体の発生、(4)移動
先における移動体の模擬、の順に説明する。
【0045】(1)初期状態の移動体の模擬。 前記シミュレーション時間管理プログラム110は、シ
ミュレーション開始時に、前記図1に示したように、シ
ミュレーションを行う対象としているシミュレーション
エリア100をその地理的特徴に従って複数の領域10
1−1〜101−25に分割し、各領域を識別するため
に設定されたノード102−1〜102−25で表し、
各ノード102−1〜102−25の地理的特徴に応じ
た前記移動方向特性情報103、前記滞在時間情報10
4および前記移動体発生頻度情報105を各ノードに対
応して設定する。
【0046】次に、前記シミュレーション時間管理プロ
グラム110は、シミュレーションの初期状態におい
て、前記シミュレーションエリア100内のどの位置に
移動体を配置するかを決定する。そして、そのための情
報として、前記移動体数情報106および前記端末割合
情報107を作成、記憶し、初期状態の移動体のシミュ
レーションを開始する。ここで、作成される移動体数情
報106は、前記図5(a)に示した構成例のように、
各ノード501に対応した初期値502、移動体数50
3、領域面積504の情報である。ここで、前記移動体
数503には、その初期状態における値として、前記初
期値502の値がコピーされる。なお、図5(a)に示
した構成で移動体の種類別に複数の移動体数情報が設定
される。また、前記端末割合情報107は、前記図5
(b)に示した構成例のように、各ノード511に対応
する音声端末512、データ端末513、画像端末51
4の割合を示す情報である。この情報も、同様の構成で
移動体の種類別、時間帯別に複数設定される。
【0047】次に、前記シミュレーション時間管理プロ
グラム110は、各ノードに対応して移動体の種類別
に、前記移動体数情報106中の初期値502に基づい
て移動体を各ノードに配置する。このとき、前記端末割
合情報107を参照して、そこに設定されている端末種
別の割合となるように、乱数等を利用して配置される端
末の種別(音声端末かデータ端末かあるいは画像端末
か)を決定する。なお、この配置を行うときに、乱数を
用いて前記初期値502を変更することも可能である。
移動体が配置されると、前記図6に示した移動体管理テ
ーブル600を作成して、配置された移動体の情報を前
記シミュレーション時間管理プログラム110に登録す
る。
【0048】ここで、前記移動体管理テーブル600の
作成方法について説明する。まず、移動体を一意に識別
する番号、該移動体が配置されたノード番号、移動体の
種類及び端末種別を、それぞれ移動体番号601、滞在
ノード602、移動体種別607および端末種別608
に設定する。次に、移動先ノード603と滞在時間60
4は、該移動体が配置されたノードの移動方向特性情報
103と滞在時間情報104を参照して算出する。
【0049】各々の算出方法を、ノード102−19に
配置された移動体の場合を例にとって、前記図2に示し
た移動方向特性情報103の構成例および前記図3に示
した滞在時間情報104の構成例を用いて説明する。ま
ず移動先ノード603は、移動方向特性情報103の構
成例である図2の図表における「ノード102−19で
発生」を示す202−5の行に記載されている確率20
3−51〜203−55に応じて、乱数を用いて、移動
体が次に移動することができるノード201−1〜20
1−5のうちのいずれか1つを決定し、このようにして
決定されたノードを前記移動体管理テーブル600の移
動先ノード603に設定する。ここでは、乱数を用いて
決定された移動先ノードが、前記図2における201−
3に設定されているノード102−20になったものと
して、以下の動きを説明する。
【0050】次に、滞在時間604は、滞在時間情報1
04の構成例である図3の図表における「ノード102
−19で発生」を示す302−5の行において、前述の
移動先ノード603に設定されているノードと一致する
ノードを、301−1〜301−5の中から探し、それ
に対応するノード間距離303−51〜303−55お
よび移動体の平均速度304−51〜304−55の中
の決定された移動先ノード102−20に対応するノー
ド間距離303−53および平均速度304−53から
算出される。そして、この算出された結果を図6の移動
体管理テーブル600における滞在時間604に設定す
る。
【0051】上記、滞在時間は、例えば、次のような計
算式で計算することができる。滞在時間t=(移動先ノ
ードまでの距離L/移動体速度v)・f(移動体数)た
だし、f(移動体数)は移動体数の関数である。このよ
うに移動体数の関数を用いることにより、移動体数によ
って滞在時間を変化させることが可能となり、より現実
に近いシミュレーションが可能となる。また、上記移動
体速度vは、移動体の平均速度304−53をもとにし
て、乱数によって決定することにより変化させることが
できる。なお、上記滞在時間tは、ただ単に、移動先ノ
ードまでの距離Lを移動体速度vで除することによって
決定することもできる。
【0052】ここでは、上述した式のように、滞在時間
tを移動体数によって変化させるものとして説明する。
まず、当該ノード102−19における移動体の密度
を、前記移動体数情報106におけるノード102−1
9に対応する移動体数503および領域面積504から
算出する。図8は、移動体の密度と移動体の移動速度の
関係の一例を示す図である。この図に示すような関係が
あるとき、ノード102−19対応の滞在時間情報10
4を図8に示す関係にしたがって更新する。これによ
り、例えば移動体の密度が密になれば移動体の速度が低
速になり上記計算式から滞在時間が長くなる。逆に移動
体の密度が疎になれば移動体の速度が高速になり滞在時
間が短くなる。
【0053】なお、前記図8に示したような移動速度と
移動体密度との関係は、移動体の種類別に複数準備する
ことができる。また、上記においては、一つのノードに
おける移動体密度を算出したが、該ノードの近隣ノード
を含めた複数の領域に滞在している移動体の数に応じて
密度を算出して、複数ノードの持っている滞在時間情報
104を更新するようにしてもよい。
【0054】上述のようにして、移動体管理テーブル6
00の構成要素である移動体番号601、滞在ノード6
02、移動先ノード603、滞在時間604、移動体種
別607をそれぞれ設定して、シミュレーション時間管
理プログラム110に登録する。なお、移動体管理テー
ブル600の他の構成要素である発呼時間605、保留
時間606、端末種別608は、後述する通信特性のシ
ミュレーション時に使用される。
【0055】このようにして、シミュレーションエリア
100内に配置する移動体すべてに対して同様に移動体
管理テーブル600を作成し、シミュレーション時間管
理プログラム110に登録する。これにより、シミュレ
ーション開始時における移動体の初期配置が完了する。
【0056】(2)移動体の移動。 上述のようにして、各移動体がシミュレーション時間管
理プログラム110に登録されることによって、移動動
作の模擬が開始される。各移動体が各々の移動体管理テ
ーブル600に登録されてから滞在時間604に設定さ
れている時間だけ経過すると、シミュレーション時間管
理プログラム110は、各移動体に対して次のノードへ
移動するように指示する。
【0057】各移動体はこの指示を受けると、移動先ノ
ード603に設定されているノードに移動し、移動先ノ
ードにおいても上述の場合と同様に移動体管理テーブル
600の各構成要素を設定し、該更新された情報をシミ
ュレーション時間管理プログラム110に登録する。こ
のように、移動体は当該ノードでの滞在時間が経過する
までそのノードにとどまり、滞在時間を超過した場合は
次の移動先ノードに移動することができる。移動体が次
のノードに移動した時の模擬方法については後で説明す
る。
【0058】また、前記シミュレーション時間管理プロ
グラム110は、各移動体の移動体管理テーブル600
における滞在時間604に設定されている時間が経過し
た時、移動体管理テーブル600の次の移動先ノード6
03に設定されている内容が「シミュレーション対象
外」の場合には、登録を抹消してその移動体をシミュレ
ーション対象外にするとともに移動体数情報106の該
当するノードの移動体数503を−1する。この時、移
動体は移動動作を終了する。
【0059】以上においては、移動体数の初期値を設定
し、初期状態時にシミュレーションエリア100内に移
動体が既に存在する場合について説明したが、シミュレ
ーションエリア100内に初期状態では移動体が存在せ
ず、シミュレーション時間の経過とともに移動体発生頻
度情報105に基づいて移動体を発生させてシミュレー
ションを実行することも可能である。また、初期状態時
にシミュレーションエリア100内に移動体が既に存在
する場合でも、移動体発生頻度情報105に基づいて移
動体を発生させてシミュレーションを実行する。移動体
の発生方法、発生時の移動体の模擬方法については次に
説明する。
【0060】(3)移動体の発生。 次に移動体の発生方法について説明する。まず、シミュ
レーション開始時に、各ノード毎に移動体の種類別に次
に移動体を発生させる時間を、各ノード毎、移動体の種
類別の前記移動体発生頻度情報105中の平均発生間隔
402と分布特性403に従って、乱数を用いて算出し
てそれぞれのノードについて決定する。そして、図7に
示す移動体発生時間管理テーブル700を各ノード対応
に、かつ移動体の種類別に、すべてのノードにそれぞれ
対応して作成し、シミュレーション時間管理プログラム
110に登録する。
【0061】この移動体発生時間管理テーブル700の
作成は、移動体を発生させるノード番号、発生させる移
動体の種類をそれぞれノード番号701と移動体種別7
02に設定し、上述したように乱数を用いて決定された
次に移動体を発生させる時間を発生時間703に設定
し、さらに、発生させる移動体の端末種別を前記図5
(b)の端末割合情報107を参照して決定し端末種別
704に設定することにより行われる。
【0062】シミュレーション時間管理プログラム11
0は、各ノード毎、移動体の種類別に作成された前記移
動体発生時間管理テーブル700を参照し、該テーブル
が登録されてからその発生時間703に設定されている
時間が経過すると、移動体種別702および端末種別7
04に設定されている移動体をノード番号701に設定
されているノードに発生させ、該ノードにおいて次に移
動体種別702に設定される移動体を発生させる時間
を、シミュレーション開始時と同様に、移動体発生頻度
情報105に従って決定する。そして、該決定された時
間を当該移動体発生時間管理テーブル700の発生時間
703に設定し、更新した情報をシミュレーション時間
管理プログラム110に登録する。
【0063】このように、シミュレーション時間管理プ
ログラム110は、移動体発生頻度情報105に従って
シミュレーションを行う対象としている地域の各ノード
に移動体の種類別に移動体を発生させることができる。
【0064】次に、発生時の移動体を模擬する方法につ
いて説明する。移動体は発生すると、前記移動体数情報
106の移動体数503の当該ノードの移動体数を+1
加算し、前述した初期状態の場合と同様に、該移動体に
対応する前記図6に示した移動体管理テーブル600を
作成して、シミュレーション時間管理プログラム110
にその情報を登録する。
【0065】この場合における移動体管理テーブル60
0の作成方法は、前述した初期状態の場合と同様であ
り、移動体を一意に識別する番号、発生したノード番
号、移動体の種類および端末種別を、それぞれ、移動体
番号601、滞在ノード602、移動体種別607およ
び端末種別608に設定する。移動先ノード603およ
び滞在時間604は、移動体が発生したノードにおける
移動方向特性情報103と滞在時間情報104を参照し
て算出する。各々の算出方法を、ノード102−19で
発生した移動体の場合を例にとって、図2に示した移動
方向特性情報103の構成例および図3に示した滞在時
間情報104の構成例を用いて説明する。
【0066】まず移動先ノード603は、移動方向特性
情報103の構成例である図2の図表の「ノード102
−19で発生」を示す202−5の行の確率203−5
1〜203−55に応じて、乱数を用いて、移動体が次
に移動できるノード201−1〜201−5を決定し、
該決定されたノードを移動先ノード603に設定する。
ここでは、乱数で決定された移動先ノードが、201−
3に設定されているノード102−20であるとして、
以下の動作を説明する。
【0067】次に、前述した初期状態の場合と同様に、
滞在時間は滞在時間情報104の構成例である図3の図
表の「ノード102−19で発生」を示す302−5の
行で前述の移動先ノード603に設定されているノード
と一致するノードを301−1〜301−5の中から探
し、対応するノード間距離303−51〜303−55
と移動体の平均速度304−51〜304−55の中の
移動先ノード102−20に対応するノード間距離30
3−53と平均速度304−53とから算出される。こ
の算出された結果を滞在時間604に設定する。
【0068】上述のように、移動体管理テーブルの構成
要素である移動体番号601、滞在ノード602、移動
先ノード603、滞在時間604、移動体種別607を
設定してシミュレーション時間管理プログラム110に
登録する。
【0069】各移動体は、前記シミュレーション時間管
理プログラム110に登録されることによって移動動作
の模擬を開始する。各移動体は、登録されてから各々の
移動体管理テーブル600の滞在時間604に設定され
ている時間だけ時間が経過すると、シミュレーション時
間管理プログラム110によって、次のノードへ移動す
るように指示される。各移動体はこの指示を受けると、
次の移動先ノード603に設定されているノードに移動
し、移動先ノードにおいても同様に、移動体管理テーブ
ル600の構成要素を設定し、更新した情報をシミュレ
ーション時間管理プログラム110に登録する。このよ
うに移動体は当該ノードでの滞在時間が経過するまでそ
のノードにとどまり、滞在時間を超過した場合は次の移
動先ノードに移動することができる。
【0070】(4)移動先における移動体の模擬。 次に、移動体が次のノードに移動したときの模擬方法に
ついて説明する。移動する前に滞在したノードにおける
移動体の滞在時間が経過し、次の移動先ノードに移動し
た場合の移動体の模擬方法を、ここでは前記図2に示し
た移動方向特性情報103が設定されている場合に、移
動体がノード102−18からノード102−19に移
動したときを例にとって説明する。
【0071】シミュレーション時間管理プログラム11
0から指示されてノード102−19に移動してきた移
動体は、前記図6に示した移動体管理テーブル600を
更新してシミュレーション時間管理プログラム110に
その情報を登録するとともに、移動体数情報106の移
動体数503のノード102−18に対応する移動体数
を−1し、ノード102−19に対応する移動体数を+
1加算する。
【0072】この移動体管理テーブル600の更新方法
について、さらに説明する。前述のように移動体がノー
ド102−19に移動したとき、前記移動体管理テーブ
ル600の移動体番号601、移動体種別607および
端末種別608の欄は更新しないで、まず、滞在ノード
602に今回の移動先であるノード102−19を設定
する。
【0073】次に、移動先ノード603と滞在時間60
4は、移動体が滞在しているノード(102−19)の
移動方向特性情報103と滞在時間情報104を参照し
て算出する。各々の算出方法をそれぞれの図2に示した
移動方向特性情報103の構成例および図3に示した滞
在時間情報104の構成例を用いて説明する。
【0074】まず移動先ノード603は、移動方向特性
情報103の構成例である図2の図表の「移動体が移動
してきたノードが102−18」を示す202−2の行
の確率203−21〜203−25に応じて、乱数を用
いて、移動できるノード201−1〜201−5を決定
し、該決定されたノードを移動先ノード603に設定す
る。ここでは、乱数を用いて決定された移動先ノードが
201−3に設定されている102−20であるとして
以下の動作を説明する。
【0075】次に、滞在時間604は、滞在時間情報1
04の構成例である図3の図表の「移動体が移動してき
たノードが102−18」を示す302−2の行で、前
述の移動先ノード603に設定されているノードと一致
するノードを301−1〜301−5の中から探し、対
応するノード間距離303−21〜303−25と移動
体の平均速度304−21〜304−25の中の移動先
ノード102−20に対応するノード間距離303−2
3と平均速度304−23から算出される。このように
して算出された結果を滞在時間604に設定する。上述
のようにして設定が更新された移動体管理テーブル60
0をシミュレーション時間管理プログラム110に再登
録する。
【0076】各移動体は、登録されてから各々の移動体
管理テーブルの滞在時間604に設定されている時間だ
け経過すると、シミュレーション時間管理プログラム1
10によって次のノードへ移動するように指示される。
各移動体はこの指示を受けると、移動先ノード603に
設定されているノードに移動し、移動先ノードにおいて
も同様に移動体管理テーブル600の各構成要素を設定
し、更新した情報をシミュレーション時間管理プログラ
ム110に登録する。このように移動体は当該ノードで
の滞在時間が経過するまでそのノードにとどまり、滞在
時間を超過した場合は次の移動先ノードに移動する。こ
のようにしてノード間の移動を次々に繰り返して移動体
の移動を模擬する。
【0077】以上説明した、初期状態、移動体の発生方
法、移動体の移動時の模擬方法をまとめると、シミュレ
ーションを行う対象としている地域を地理的特徴に従い
分割された各領域のノード毎に持たせた移動体発生頻度
情報105に応じて移動体は発生し、ノードに持たせた
移動方向特性情報103及び滞在時間情報104に従っ
てノード間の移動を行い、シミュレーション対象外の状
態になるまで移動体は移動を繰り返す。このように、本
発明のシミュレーション方法においては、移動体は移動
先のノードにおける移動特性に従い自発的に移動動作を
行うようになされている。これにより、シミュレーショ
ンを行う対象としている地域の地理的特徴を考慮して移
動体の移動特性を模擬することが可能となる。
【0078】さて、前述したように、本発明においては
各ノード毎に設定される前記移動特性情報103〜10
7は移動体の種類対応に複数設定されており、この点に
ついてさらに説明する。ここで、移動体の種類、すなわ
ち移動体種別として、例えば、人が歩行している場合、
自動車に人が乗車して移動している場合、電車に人が乗
車して移動している場合があり、それぞれ、移動体種別
を(人)、(車)、(電車)とする。
【0079】移動体種別毎の移動体の移動方向特性の例
を図9、図10および図11に示す。図9は移動体種別
(電車)、図10は移動体種別(人)、図11は移動体
種別(車)の各場合における、ノードと移動方向を示し
た図である。図9、図10、図11は、いずれも同一の
シミュレーションエリアを表しており、その分割領域も
同一である。すなわち、図9の902−1〜902−2
5の各ノードは、図10における1002−1〜100
2−25および図11における1102−1〜1102
−25と同一のノードを意味している。
【0080】そこで、前述の図9〜図11に示した3つ
の情報を重ね合わせた各ノードの移動方向情報103を
持つことによって、同時に、(人)、(電車)および
(車)の振る舞いを模擬することができる。例えば、ノ
ード1002−19の(駅)においては、移動体種別
(人)が発生あるいは消滅する率が高く、他のノードで
は少ない。また、ノード1102−15の(道路)端に
おいては、移動体種別(車)が発生あるいは消滅する率
が高く、ノード1102−3,1102−11,110
2−23においても同様であるが、他のノードでは低
い。このように、移動体種別および地理的違いによる移
動体の発生量の違いを模擬することが可能となる。
【0081】また、移動体の移動方向については、ノー
ド1002−13、1102−13の(交差点)では移
動体種別(人)および(車)の両方とも上下左右に移動
するが、ノード1002−14、1102−14の(道
路)では、移動種別(人)は上下左右に移動できるが、
(車)は主に左右方向だけとなる。このように移動体種
別および地理的違いによる移動体の移動方向の違いを模
擬することが可能となる。
【0082】さらに、移動体の移動速度については、移
動体種別(車)の場合、ノード1102−13の(交差
点)に比べて、ノード1102−15の(道路)のほう
が速度が早い。このように、移動体種別および地理的違
いによる移動体の速度の違いを模擬することができる。
【0083】以上のように、移動体種別に応じて、各ノ
ード対応の移動方向特性情報103、滞在時間情報10
4、移動体発生頻度情報105は異なっており、各ノー
ドの地理的特徴に依存した移動体種別ごとに前述の各情
報を各ノード毎に定義して表現することによって、移動
体の移動特性を実際の環境に近い条件で模擬することが
できる。また、各ノードでの移動方向特性情報103、
滞在時間情報104、移動体発生情報105を入れ替え
て、前述とは逆に、実際の環境とは異なった条件で模擬
することもできる。
【0084】さらに、移動体種別間の移動特性の関係も
模擬することが可能である。例えば、移動体種別(電
車)の移動体がノード902−19に移動して、滞在し
ているタイミングをトリガにして、ノード1002−1
9における移動体種別(人)の移動体発生頻度情報10
5(図4)の平均発生間隔402を短く設定し、更新す
ることによって、電車が駅に到着したことによる(人)
の発生を模擬することができる。
【0085】なお、今まで述べてきた各ノードの移動特
性の情報である移動方向特性情報103、滞在時間情報
104、移動体発生頻度情報105は、例えば電車等の
時刻表情報、交通トラヒック情報(例えば、「交通セン
サス」(財)運輸経済研究センター)等から作成するこ
とができる。
【0086】次に、前記シミュレーションエリアを分割
した領域を模擬する方法の別の例について説明する。図
12は、ノードすなわち領域の配置の他の例を示す図で
ある。今まで説明した実施の形態においては各ノードを
格子状に配列して表現していたが、この例においては、
図12に示すように、地理的特徴に応じて領域の大きさ
を変化させ、ノードの配置をそれに対応して変化させて
いる。この場合も、前述した実施の形態の場合と同様
に、移動体の移動特性を模擬することができる。このよ
うに、柔軟にノードの位置を選択することができる。
【0087】また、図13は、前記図12における各ノ
ードを2次元平面で表現した例である。前述した実施の
形態においては、ノードと移動体の移動方向を点(ノー
ド)と線で表していたが、図13に示すように、各ノー
ドを二次元平面に置き換えてもよい。このように二次元
的な面で表現することもできることは明らかである。
【0088】さらに、今までの例においては、シミュレ
ーションエリアを2次元的な領域に分割する場合につい
て説明してきたが、3次元的に配置されている領域に分
割することもできる。図14は、ノードが3次元的に配
置されている場合の例を示す図であり、この図に示すよ
うに、例えばビルの各階を模擬して3次元的に表現する
ことも可能である。
【0089】次に、時間変動を評価する方法について説
明する。前述したように、本発明においては、前述した
ノード毎の移動方向特性情報103、滞在時間情報10
4、移動体発生頻度情報105は時間帯別に複数用意さ
れており、シミュレーション実行時間の経過によって参
照する時間帯別情報を変更することにより時間変動を含
めたシミュレーションを実現することができる。
【0090】例えば、シミュレーション時間管理プログ
ラム110に、朝、昼、夜等の変更時間を登録してお
き、シミュレーション時間が該登録時間に一致した時、
各ノードの移動方向特性情報103、滞在時間情報10
4および移動体発生頻度情報105を登録時間に対応し
た時間帯の情報に変更し、移動体の朝、昼、夜に応じて
異なる動作を模擬することが可能となる。
【0091】次に、本発明の移動特性のシミュレーショ
ン方法を、通信特性のシミュレーションに応用した実施
の形態について、図15から図22を参照して説明す
る。図15は、通信特性のシミュレーションに応用した
場合における移動体のシミュレーションエリアと移動特
性情報の例を示した図である。この図において、150
0はシミュレーションを行う対象としているシミュレー
ションエリアを表し、1501−1から1501−25
はシミュレーションエリア1500をその地理的特徴を
考慮しながら複数に分割した各領域を示している。ま
た、1502−1〜1502−25は、各領域1501
−1〜1501−25を識別するために設定したノード
であり、各ノード間を結ぶ線は移動体が移動できる方向
およびノードを表している。これらは、いずれも、前述
した図1におけるものと同一である。
【0092】1503は移動方向特性情報、1504は
滞在時間情報、1505は移動体発生頻度情報、150
6は移動体数情報、1507は端末割合情報であり、こ
れらも、前記図1に示したものと同一である。また、1
508は通信トラヒック特性情報、1509は無線ゾー
ン構成情報、1510は無線ゾーン管理情報であり、こ
れらの情報1508〜1510の詳細については後述す
るが、これらの情報が設けられている点で、前記図1に
示した実施の形態と相違している。
【0093】なお、1520は、シミュレーション動作
を実行する際に、シミュレーションプログラム中でシミ
ュレーションの時間を管理して、次の動作を決定するシ
ミュレーション時間管理プログラムであり、前述した図
1におけるシミュレーション時間管理プログラム110
に相当するものである。
【0094】無線ゾーンの構成の一例を図16に示す。
ここで、無線ゾーンは移動体と通信システムの基地局と
の間で通信を行う範囲であり、図示するように、無線ゾ
ーンは複数のノードを包含し、さまざまな大きさおよび
形を有する無線ゾーンを構成することができる。また、
無線ゾーンは重なり合うことができる。図示した例で
は、ゾーン1はノード1602−1、1602−2、1
602−3、1602−4、1602−6、1602−
7、1602−8、1602−9、1602−11、1
602−12、1602−13、1602−14、16
02−16、1602−17、1602−18、160
2−19、1602−21、1602−22、1602
−23、1602−24を包含し、ゾーン2はノード1
602−1、1602−2、1602−3、1602−
4、1602−5を包含し、ゾーン3はノード1602
−4、1602−5、1602−9、1602−10、
1602−14、1602−15、1602−19、1
602−20、1602−24、1602−25を包含
している。
【0095】前記無線ゾーン構成情報1509の一構成
例を図17に示す。ここでは、前記図16に示したよう
に無線ゾーンが構成されている場合における無線ゾーン
構成情報1509を表現している。この無線ゾーン構成
情報1509は、どのノードがどの無線ゾーンに属する
かという情報であり、○は当該ノードがゾーンに属する
ことを意味している。このように、無線ゾーン構成情報
1509は、各ノード毎にその属する無線ゾーンが設定
されている。
【0096】前記無線ゾーン管理情報1510の一構成
例を図18に示す。この図において、1801は設定さ
れた情報がどのゾーンのものかを表すゾーン番号、18
02は各ゾーンで保有している回線の回線使用状況、1
803は各ゾーンで移動体が通信を開始するために接続
要求をシステムに行った接続要求回数、1804は各ゾ
ーンで移動体が接続要求した時に回線の空きがなく接続
を拒否されたブロック回数である。ここで、○は空き回
線を意味し、●は使用中回線を意味し、―はその番号の
回線がないことを示している。
【0097】図18に示すように、この無線ゾーン管理
情報1510は、M個の無線ゾーンそれぞれに対して、
各回線の使用状況、接続要求回数およびブロック回数を
集計した表である。
【0098】なお、図18に示した例では、回線使用状
況の他に、接続要求回数およびブロック率のみを示して
いるが、さらに他の集計情報を収集することができる。
例えば、ハンドオフ要求回数、ハンドオフ回数、ハンド
オフ失敗回数、通信中端末数、再呼数、再呼失敗回数等
の情報も収集することができる。
【0099】図20は前記通信トラヒック特性情報15
08の一構成例を示す図である。この図において、20
01は移動体が通信を行う間隔である発呼間隔、200
2は移動体の通信時間の平均である平均保留時間、20
03は通信に使用する回線数である。図20に示した通
信トラヒック特性情報1508は、通信を行う端末の種
別毎にそれぞれ設定されている。例えば、端末種別が
(データ)であるときには、平均保留時間2002は図
示した例よりも短くなり、端末種別が(画像)であると
きには、前記使用回線数2003は2回線以上とされ
る。
【0100】このような情報を用いて行われる通信特性
のシミュレーション方法について説明する。ここでは、
移動体に、発呼間隔2001、平均保留時間2002、
使用回線数2003で代表される図20に示した通信ト
ラヒック特性情報1508を持たせ、また、各ノード
に、移動体が通信システムのサービスを受けることがで
きる図16に示した構成の無線ゾーン構成情報1509
と図18に示した構成の無線ゾーン管理情報1510
を、前述した移動方向特性情報1503、滞在時間情報
1504、移動体発生頻度情報1505と合わせて持た
せるものとして説明する。
【0101】今まで述べた実施の形態の場合と同様に、
ノードに依存した移動方向特性情報1503、滞在時間
情報1504、移動体発生頻度情報1505に従って、
移動体は発生し、ノード間の移動を行い、シミュレーシ
ョン対象外になることを繰り返す。その間に、前記通信
トラヒック特性情報1508、前記無線ゾーン構成情報
1509および前記無線ゾーン管理情報1510に従っ
て、移動体は通信の開始、終了を繰り返す。
【0102】図19はその様子を表した図であり、移動
体の生存時間と保留時間の例を示している。この図にお
いて、左から右にかけて時間が経過することを意味し、
生存時間1901とは、移動体の発生1902からシミ
ュレーションの対象外1903になるまでの期間とす
る。また、1904は移動体の発生間隔である。この移
動体の生存期間1901内に移動体は通信を繰り返し行
うことができる。また、通信開始1912から通信終了
1913までの期間を保留時間1911とし、通信を開
始する時間間隔を発呼間隔1914とする。なお、通信
中に無線ゾーンを切り替えるハンドオフの必要が生じた
場合は、その処理を行うものとする。
【0103】移動体の発生1902の時あるいは通信の
終了1913の時に、前記シミュレーション時間管理プ
ログラム1520は、移動体の通信トラヒック特性情報
1508中の発呼間隔2001および平均保留時間20
02に基づいて、乱数を用いて、次に移動体が通信を開
始する時間及び保留時間を算出し、当該移動機の移動体
管理テーブル600(図6)中の発呼時間605、保留
時間606に設定する。さらに端末の種類を端末種別6
08に設定し、シミュレーション時間管理プログラム1
520に登録する。
【0104】シミュレーション時間管理プログラム15
20は、前記登録した時から発呼時間605に設定され
ている時間が経過すると、移動体番号601に設定され
ている移動体に対して通信開始を指示し、該移動体は通
信を開始する。
【0105】通信特性の模擬方法を表した処理の流れ図
を図21に示す。移動体は、シミュレーション時間管理
プログラム1520から通信開始指示を受けると通信処
理を開始する。まず、S100において、移動体は、前
記無線ゾーン構成情報1509を参照し、当該ノードが
属している無線ゾーンについて、前記無線ゾーン管理情
報1510の当該無線ゾーンの回線使用状況1802を
参照して、移動体管理テーブル600の端末種別608
に設定されている端末種別に対応した通信トラヒック特
性情報1508の使用回線数2003だけ回線が確保す
ることができて、通信が可能かどうか判断し、接続要求
回数1803を計数する。
【0106】回線を確保できない場合は、ブロック回数
1804を計数して、S200に進み通信を終了する。
回線が確保できる場合は、S110に進み回線使用状況
1802を更新する。これにより、通信が開始されたこ
ととなる。そして、S130において、その保留時間6
06と通信時間(前記回線使用状況1802を更新した
時点からの経過時間)との差(保留時間−通信時間)を
求め、該差と滞在時間604とを比較する。なお、回線
を確保した直後のこの段階では、前記通信時間はほぼ0
であり、該比較は、保留時間と滞在時間との比較とな
る。
【0107】前記S130の比較の結果、(保留時間−
通信時間)の方が滞在時間よりも大きいときは、S14
0に進み、滞在時間が経過するまでそのノードに滞在し
て通信を行う。そして、滞在時間が経過したとき、前記
通信時間を更新して移動先のノードに移動する(S15
0)。次のノードに移動した移動体は、S160におい
て前記無線ゾーン構成情報1509を参照し、移動後の
ノードの無線ゾーンが移動前の無線ゾーンと同じか異な
るか判定する。
【0108】この判定の結果、無線ゾーンが同じである
場合には、S210に進み、前記移動体管理テーブル6
00の滞在ノード602を更新し、移動方向特性情報1
503と滞在時間情報1504を用いて滞在時間604
と移動先ノード603を決定、更新し、シミュレーショ
ン時間管理プログラム1520に登録し、S120に処
理を進め、S120からS160を繰り返す。無線ゾー
ンが異なる場合はS170でハンドオフ処理を行う。ハ
ンドオフ処理については後で説明する。
【0109】前記S130における比較の結果、滞在時
間が(保留時間−通信時間)と等しいあるいは滞在時間
の方が大きいときは、S180に進み、(保留時間−通
信時間)が経過するまで、通信を行う。そして、通信が
終了した後、S190で回線使用状況1802を更新し
てS200で通信を終了する。
【0110】次にハンドオフ処理について、図22のハ
ンドオフ処理の流れ図を用いて説明する。移動体は、前
記S160の判定の結果、移動先のノードの無線ゾーン
と移動前のノードの無線ゾーンとが異なる場合に、ハン
ドオフ処理S170を開始する。まず、S500におい
て、滞在ノード602を更新し、移動方向特性情報15
03と滞在時間情報1504を用いて移動先ノードの滞
在時間604、移動先ノード603を決定、更新し、シ
ミュレーション時間管理プログラム1520に登録す
る。次に、S510で、移動体は無線ゾーン管理情報1
510の当該無線ゾーンの回線数使用状況1802を参
照して、回線が確保できて、通信が可能かどうかを判断
し、無線ゾーン管理情報1510のハンドオフ要求回数
を計数する。
【0111】そして、回線を確保できた場合は、S52
0に進み、無線ゾーン管理情報1510の回線使用状況
1802を更新し、ハンドオフ回数を計数し、S530
で前記図21のS120に処理を移す。また、回線を確
保できない場合は、S540で無線ゾーン管理情報15
10のハンドオフ失敗回数を計数し通信を終了する(S
550)。
【0112】上述した処理の流れを、前記図16に示し
たように無線ゾーンが移り変わる場合を例にとって説明
する。ここで、移動体は図16中に示した矢印の方向に
移動し、ノード1602−11で通信を開始し、ノード
1602−15で通信を終了するものと仮定して説明す
る。
【0113】ノード1602−11において通信を開始
した移動体は、この時点ではゾーン1に属しており、ノ
ード1602−11の滞在時間が経過するとノード16
02−12に移る。ノード1602−12に移動したと
きに無線ゾーンの判定(S160)を行うがこのノード
1602−12もゾーン1に属しており、ゾーンは変わ
らないので、滞在時間と次の移動方向ノード1602−
12を決定する(S210)。
【0114】ノード1602−12でも滞在時間が経過
すると次のノードのノード1602−13に移り、次々
にノードを移動する。ノード1602−15に移動した
とき、ゾーン1のカバーするサービス範囲から出てゾー
ン3のサービス範囲に入るため、ノード1602−15
でハンドオフ処理を行う。このように、移動体の移動に
伴う通信特性のシミュレーションを行うことができる。
【0115】なお、以上の説明においては、通信トラヒ
ック特性情報1508の時間変動について言及しなかっ
たが、通信トラヒック特性情報1508についても、こ
の情報を時間帯別に複数用意することにより、時間帯別
の通信トラヒック特性を模擬することができる。
【0116】また、前述したように、通信トラヒック特
性情報1508は、移動体の端末種別毎に複数設定され
ており、例えば音声通信のみ行う端末、データ通信を行
う端末等の種類別に発呼間隔、平均保留時間、使用回線
数等の情報を保有している。したがって、移動体の発生
時あるいは、通信開始時に、移動体に上記端末種別60
8を与え、移動体は与えられた端末種別608に応じた
通信トラヒック特性情報1508を参照して、通信トラ
ヒック特性を模擬することができる。これにより、移動
体の端末種別を変更するだけでさまざまな通信トラヒッ
ク特性を模擬することができる。
【0117】以上のように、移動体に発呼間隔、平均保
留時間、使用回線数で代表される通信トラヒック特性情
報を設定し、各ノードに移動体がシステムのサービスを
受けることができる無線ゾーンの構成情報と無線ゾーン
管理情報を前述した移動方向特性情報、滞在時間情報、
移動体発生頻度情報と合わせて設定することよって、移
動体の呼損率やハンドオフ失敗率等の通信特性をシミュ
レーションによって推測することが可能となる。
【0118】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のシミュレー
ション方法によれば、移動体の移動を各ノード対応に持
たせた移動特性に基づいて決定しているため、ノードの
移動特性を変化させることにより、移動体の移動特性を
変更することが可能となる。したがって、移動通信シス
テムのシミュレーションのように、システムがサービス
を提供するエリアにおける移動体の移動を模擬しながら
システムの特性を評価する場合に、その環境を容易に変
更することが可能となり、さまざまな状況を容易に設定
して評価することが可能となる。
【0119】また、移動体の移動特性を移動体の滞在す
るノードの地理的特徴を反映してシミュレーションして
いるため、実環境に適した高精度のシミュレーションが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法における移動体のシミュレーシ
ョンエリアと移動特性情報の例を示す図である。
【図2】 本発明における移動方向特性情報の構成例を
示す図表である。
【図3】 本発明における滞在時間情報の構成例を示す
図表である。
【図4】 本発明における移動体発生頻度情報の構成例
を示す図表である。
【図5】 本発明における移動体数情報の構成例および
端末割合情報の構成例を示す図表である。
【図6】 本発明における移動体管理テーブルの例を示
す図表である。
【図7】 本発明における移動体発生時間管理テーブル
の例を示す図表である。
【図8】 本発明における移動体密度と移動速度の関係
例を示した図である。
【図9】 本発明における移動体種別(電車)の移動体
の移動方向の例を示す図である。
【図10】 本発明における移動体種別(人)の移動体
の移動方向の例を示す図である。
【図11】 本発明における移動体種別(車)の移動体
の移動方向の例を示す図である。
【図12】 本発明におけるノードと移動体の移動方向
の他の例を示す図である。
【図13】 本発明におけるノードと移動方向を二次元
平面に置き換えた場合の例を示す図である。
【図14】 ビルのように3次元的に本発明方法を実施
した場合の例を示す図である。
【図15】 本発明における通信特性のシミュレーショ
ンに応用した場合の移動体のシミュレーションエリアと
移動特性情報の例を示す図である。
【図16】 本発明における無線ゾーンの構成例を示す
図である。
【図17】 本発明における無線ゾーン構成情報の構成
例を示す図表である。
【図18】 本発明における無線ゾーン管理情報の構成
例を示す図表である。
【図19】 本発明における移動体の生存時間と通信時
間の例を示す図である。
【図20】 本発明における通信トラヒック特性情報の
構成例を示す図表である。
【図21】 本発明における通信処理例を示す流れ図で
ある。
【図22】 本発明におけるハンドオフ処理例を示す流
れ図である。
【符号の説明】
100、1500 シミュレーションエリア 101−1〜101−25、1501−1〜1501−
25 領域 102−1〜102−25、1502−1〜1502−
25 ノード 103、1503 移動方向特性情報 104、1504 滞在時間情報 105、1505 移動体発生頻度情報 106、1506 移動体数情報 107、1607 端末割合情報 110、1520 シミュレーション時間管理プログラ
ム 600 移動体管理テーブル 700 移動体発生時間管理テーブル 1508 通信トラヒック特性情報 1509 無線ゾーン構成情報 1510 無線ゾーン管理情報

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所望の地域における複数の移動体の移
    動をシミュレーションする方法であって、次のA〜Dの
    ステップを有することを特徴とする移動体の移動特性シ
    ミュレーション方法。 A、シミュレーションの対象としている地域をその地理
    的特徴を考慮して複数の領域に分割するステップ、 B、該分割された複数の領域それぞれについて、移動体
    が次に移動することができる領域への遷移確率を表す移
    動方向特性情報、および、移動体が当該領域に滞在して
    いる時間を算出する基準となる滞在時間情報を設定する
    ステップ、 C、前記各領域に含まれる移動体について、前記滞在時
    間情報に基づいて算出した時間だけ当該領域に滞在させ
    た後、前記移動方向特性情報に従って次に移動すること
    ができる領域に移動させるステップ、 D、前記シミュレーションの対象としている地域に存在
    している移動体すべてについて上記ステップCを繰り返
    し実行するステップ。
  2. 【請求項2】 前記移動方向特性情報は、当該領域に
    移動してきた移動体に対して、移動してくる前に滞在し
    ていた領域に応じて、次に移動する隣接領域を決定する
    遷移確率から構成されており、 前記滞在時間情報は、当該領域に移動してきた移動体に
    対して、移動してくる前に滞在していた領域に応じて、
    移動体の平均速度と、当該領域と移動体が移動すること
    ができる隣接領域との距離とから構成されていることを
    特徴とする前記請求項1に記載の移動体の移動特性シミ
    ュレーション方法。
  3. 【請求項3】 前記複数の領域それぞれについて、さ
    らに、当該領域内で移動体が新しく発生する頻度を表す
    移動体発生頻度情報が設定されており、 前記移動方向特性情報の構成要素として、移動体が移動
    する際にシミュレーションの対象外となる確率を表す情
    報が付加されていることを特徴とする前記請求項1ある
    いは2に記載の移動体の移動特性シミュレーション方
    法。
  4. 【請求項4】 前記複数の領域それぞれについて当該
    領域内に滞在している移動体の数を計数しておき、当該
    領域あるいは当該領域に隣接する領域を含めた複数の領
    域に滞在している移動体数に応じて、前記移動体が当該
    領域に滞在している時間を算出するようになされている
    ことを特徴とする前記請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の移動体の移動特性シミュレーション方法。
  5. 【請求項5】 前記移動方向特性情報、前記滞在時間
    情報および前記移動体発生頻度情報は、いずれも、移動
    体の種類に対応して複数設定されていることを特徴とす
    る前記請求項1〜4のいずれか1項に記載の移動体の移
    動特性シミュレーション方法。
  6. 【請求項6】 前記移動方向特性情報、前記滞在時間
    情報および前記移動体発生頻度情報は、シミュレーショ
    ンの時間の経過とともに変化されるようになされている
    ことを特徴とする前記請求項1〜5のいずれか1項に記
    載の移動体の移動特性シミュレーション方法。
  7. 【請求項7】 前記各領域に含まれる移動体につい
    て、さらに、発呼間隔、平均保留時間、使用回線数を含
    む通信トラヒック特性情報を設定し、 前記各領域それぞれについて、さらに、移動体が移動通
    信システムのサービスを受けることができる無線ゾーン
    の構成情報および無線ゾーン管理情報を設定することに
    より、 移動通信システムの評価を行うことを特徴とする前記請
    求項1〜6のいずれか1項に記載の移動体の移動特性シ
    ミュレーション方法。
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