JPH10244149A - 空気浄化フィルタ用吸着材 - Google Patents

空気浄化フィルタ用吸着材

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JPH10244149A
JPH10244149A JP9049496A JP4949697A JPH10244149A JP H10244149 A JPH10244149 A JP H10244149A JP 9049496 A JP9049496 A JP 9049496A JP 4949697 A JP4949697 A JP 4949697A JP H10244149 A JPH10244149 A JP H10244149A
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JP
Japan
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acid
adsorbent
organic acid
metal compound
zinc
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JP9049496A
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English (en)
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Kosei Takeya
孝生 武谷
Noriyuki Kobayashi
範行 小林
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Nisso Engineering KK
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Nisso Engineering KK
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  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Filtering Materials (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機酸等を添着剤とする空気浄化フィルタ用
吸着材を改良し、高除去率を長期に維持する実用的な高
性能フィルタの提供を実現する。 【解決手段】 空気浄化フィルタ用吸着材において、亜
鉛、コバルト若しくは銅のハロゲン化物、硫酸塩又は硝
酸塩から選ばれた少なくとも1種の金属化合物と、カル
ボキシル基を2個以上有する有機酸とを、多孔質担体に
担持させたものであるである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気中の塩基性ガ
ス、特にアンモニアガスの除去に有効な空気浄化フィル
タ用吸着材に関し、半導体製造用クリーンルーム等に用
いられるフィルタに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】半導体製造におけるクリーンルームで
は、高品質の半導体製品を得るため粉塵その他の微粒子
の除去、エッチング工程等で発生する酸性ガス、塩基性
ガスを除去しなければならず、空気浄化用の高性能のフ
ィルタが要求される。活性炭は、有害ガスの除去あるい
は脱臭を目的とする空気浄化用フィルタの吸着材として
使用されている。また、アンモニアガスの除去用として
は、無機酸、有機酸、あるいはアンモニアと反応してア
ンミン錯塩を形成する塩化亜鉛等を活性炭に添着したも
のが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、最近では、
クリーンルームに適用される空気浄化用フィルタとし
て、半導体製品の高集積化に伴いより高性能のものが要
求されている。そのような背景から、本発明者らはアン
モニアを除去するに好適なフィルタ用吸着材として、塩
化亜鉛等の金属化合物を担体に添着したフィルタやクエ
ン酸等の有機酸を担体に添着したフィルタについて検討
を重ねてきたところ、前者のものは使用初期に高い除去
率を示すが、除去率の低下が早くなり、後者のものは除
去率、寿命ともに充分に満足できるものではなく、特に
使用初期における除去率が低い。したがって、従来品で
は何れもが実用的に問題を有し、頻繁に交換したり、再
生操作等の保守に煩わされる。
【0004】そこで、本発明の目的は、アンモニアと反
応してアンミン錯塩を形成する金属化合物や有機酸等を
添着剤とする空気浄化フィルタ用吸着材を改良し、アン
モニアの除去率をより向上し、かつその高除去率を使用
初期から長期に維持し実用的に優れた高性能フィルタを
提供できるようにすることにある。他の目的に以下の内
容説明の中で明らかにする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1発明の空気浄化フィルタ用吸着材は、亜鉛、コ
バルト若しくは銅のハロゲン化物、硫酸塩又は硝酸塩か
ら選ばれた少なくとも1種の金属化合物と、カルボキシ
ル基を2個以上有する有機酸とを、多孔質担体に担持さ
せたものである。また、第2発明の空気浄化フィルタ用
吸着材は、亜鉛、コバルト若しくは銅のハロゲン化物、
硫酸塩又は硝酸塩から選ばれた少なくとも1種の金属化
合物と、カルボキシル基を2個以上有する有機酸と、吸
湿性有機化合物とを、多孔質担体に担持させたものであ
る。
【0006】以上の本発明において、使用される金属化
合物としては、アンモニアと反応してアンミン化合物を
形成するものであれば使用することができるが、そのな
かでも亜鉛、コバルト又は銅のハロゲン化物、硫酸塩又
は硝酸塩が好ましく、特に塩化亜鉛が工業的に最も好ま
しい。
【0007】有機酸としては広範囲のものがあるが、カ
ルボキシル基を2個以上もつカルボン酸が好ましい。こ
の場合、ジカルボン酸として、特に低揮発性及び水との
親和性に富むタルトロン酸、リンゴ酸、イタマル酸、酒
石酸、クエン酸等のオキシカルボン酸がより好ましい
が、むろんこれに限らずシュウ酸、マロン酸、コハク
酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸、シトラコン酸、フタル酸等のその他のジカ
ルボン酸であってもよく、更にトリカルバリル酸やベン
ゼン1,2,4−トリカルボン酸等のトリカルボン酸を
用いることも可能である。
【0008】また、第2発明の吸湿性有機化合物として
は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等のポリアルキレングリコール、グリセリン若しくは
ポリグリセリン等の不揮発性多価アルコール、或いはこ
れらのエステルやエーテル類が挙げられる。工業的に
は、経済性等の観点からポリエチレングリコールやポリ
プロピレングリコールが好ましい。
【0009】多孔質担体としては活性炭の他に、ダンボ
ール等の紙製品や糸、布帛、編地、綿、フェルト、不織
布等の繊維製品やオガクズ、カンナクズ等の木製品やモ
レキュラーシーブ、多孔質ガラス繊維等の無機質基材、
ヘチマ、モミガラ、セルローススポンジ等の植物系基
材、発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン等の発泡樹脂
等が挙げられるが、特に活性炭が好ましい。また、活性
炭の場合は、フェルト状あるいはシート状に成形された
繊維状活性炭、ハニカム状に成形されたものがより好ま
しい。
【0010】第1発明の吸着材の調整は、金属化合物と
有機酸との混合溶液、あるいは個々的に用意されたそれ
ぞれの溶液に、担体を浸漬した後、乾燥する等の通常の
方法により実施することができる。第2発明の吸着材の
調整も、第1発明と同様に金属化合物と有機酸及び吸湿
性有機化合物の混合溶液、あるいは個々的に用意された
それぞれの溶液に、担体を浸漬した後、乾燥する等の通
常の方法により実施可能である。なお、各溶液の濃度は
第1,2発明とも所望する添着量に応じて適宜に設定す
ればよい。また、本発明の吸着材は、金属化合物と有機
酸との添着比が異なる複数の吸着材を作製しておき、こ
れらを2種以上の多層とした吸着材も含む。この態様で
は、例えば、極端な場合、金属化合物のみを担持した1
枚の担体(活性炭フェルト等)と、有機酸のみを担持し
た1枚の担体(活性炭フェルト等)とを重ねた2層から
なるもの等でもよい。
【0011】第1発明における金属化合物と有機酸との
添着量は、添着剤の種類、使用する担体の種類、またフ
ィルタの使用形態や目的によって適正範囲が異なるが、
通常、有機酸/添着剤(金属化合物+有機酸の合計)が
20〜90重量%であり、担体が繊維状やハニカム状の
活性炭にて構成する場合により好ましくは40〜80重
量%である。また、担体重量に対する添着剤の量的な目
安は添着剤(金属化合物+有機酸の合計)/担体の値と
して10〜400重量%であり、添着効率ないしは添着
能等を考慮した場合に30〜300重量%にすることが
より好ましい。
【0012】第2発明における金属化合物と有機酸及び
吸湿性有機化合物の添着量も、有機酸/添着剤(金属化
合物+有機酸の合計)の値、添着剤(金属化合物+有機
酸の合計)/担体の目安については第1発明と同様であ
る。これに加え、担体重量に対する吸湿性有機化合物の
量的な目安は吸湿性有機化合物/担体の値として10〜
800重量%であり、添着効率ないしは添着能等を考慮
した場合に30〜600重量%にすることがより好まし
い。
【0013】
【実施例】次に、本発明の実施例を挙げて詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。この実
施例は、本発明の好適な吸着材について、その吸着材の
性能をアンモニア除去率にて評価したときの例である。
【0014】以下の実施例と比較例において、多孔質担
体としては何れも繊維状からなる活性炭フェルト(大阪
ガス(株)製の商品名FN−100PS・10( 表面積が
1000m2/g、平均細孔直径が16オングストロー
ム)であり、以下、活性炭フェルトと略称する)を用い
た。
【0015】金属化合物としては塩化亜鉛,塩化コバル
ト,硫酸銅を用いた例であり、カルボキシル基を2個以
上有する有機酸としてはオキシカルボン酸中、クエン
酸,酒石酸を用いた例である。吸湿性有機化合物として
はポリエチレングリコール400(以下、PEG−40
0と略称する)とグリセリンとを用いた例である。
【0016】各吸着材の作製は、同一形状及び寸法の前
記した活性炭フェルトを用いて、各添着剤(実施例では
金属化合物+有機酸、又は、金属化合物+有機酸+吸湿
性有機化合物、比較例では金属化合物又は有機酸)の混
合又は単一溶液に浸漬した後、乾燥処理することにより
各サンプル(実施例1〜9と比較例1〜5)を作製し
た。また、実施例1〜8及び比較例1〜5は1枚の活性
炭フェルトに添着剤を添着した吸着材である。これに対
し、実施例9は、塩化亜鉛を96重量%添着した活性炭
フェルトと、クエン酸を96重量%添着した活性炭フェ
ルトとを重ねた2層構成からなる吸着材であり、塩化亜
鉛を添着した活性炭フェルトを上流側として配置したと
きのものである。
【0017】そして、下記の表1には実施例1〜9の吸
着材及びその評価結果を、表2には比較例1〜5の吸着
材及びその評価結果をそれぞれ一覧した。表1と表2
中、添着剤及び添着量(重量%)は、金属化合物、有機
酸、吸湿性有機化合物として用いた物質及び前記活性炭
フェルトの重量に対する各添着量(重量%)を示してい
る。但し、実施例9の添着量(重量%)は2層の活性炭
フェルトの合計重量に対する値である。なお、表1にお
いて、各実施例の下には前記活性炭フェルトに対する添
着量(有機酸+金属化合物の合計)を()に重量%で示し
ている。その後に記載された値は有機酸/(有機酸+金
属化合物)を示している。
【0018】評価方法は、試験装置および同じ条件の下
で、アンモニア100ppb含有した空気を流速10c
m/secで流し、アンモニア除去率の経時変化を計測
したときのものである。評価基準としては、アンモニア
除去率が70%以下になるまでの日数をその吸着材の破
過寿命と定め、破過寿命に至るまでの日数にて評価する
ようにした。同表1と2中、除去率(%)は、アンモニ
アを含有した空気を流したときから10時間経過した時
点と、5日(120時間)経過した時点での値を示して
いる。破過寿命は除去率が70%以下に至るまでの日数
を示している。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】表1,2から次のようなことが分かる。実
施例1〜9の本発明吸着材は、何れも初期段階から高い
除去率を示すと共に破過寿命も極めて永くなっている。
例えば、実施例1の結果を比較例1及び4と比べると、
実施例1では、塩化亜鉛とクエン酸とが相乗的に効果を
発揮し、破過寿命を永くしていることが明白である。ま
た、実施例6,7及び8の結果から、吸湿性有機化合物
を加えると更に寿命が長期化することが分かる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、アンモニア除去用
フィルタとして、本発明の吸着材を使用すれば、アンモ
ニア除去率をより向上できることに加えその高除去率を
長期間にわたって維持することができる。したがって、
本発明の吸着材は、除去率の向上と同時に破過寿命を長
くすることができることから、性能品質及び経済性に優
れ、半導体製造用や液晶パネル製造等のクリーンルーム
に適用される空気浄化用フィルタとして好適であると共
に、その他の種々の空気浄化用フィルタとしても使用す
ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛、コバルト若しくは銅のハロゲン化
    物、硫酸塩又は硝酸塩から選ばれた少なくとも1種の金
    属化合物と、 カルボキシル基を2個以上有する有機酸とを、多孔質担
    体に担持させた、ことを特徴とする空気浄化フィルタ用
    吸着材。
  2. 【請求項2】 亜鉛、コバルト若しくは銅のハロゲン化
    物、硫酸塩又は硝酸塩から選ばれた少なくとも1種の金
    属化合物と、 カルボキシル基を2個以上有する有機酸と、吸湿性有機
    化合物とを、多孔質担体に担持させた、ことを特徴とす
    る空気浄化フィルタ用吸着材。
  3. 【請求項3】 前記金属化合物が塩化亜鉛である請求項
    1又は2に記載の空気浄化フィルタ用吸着材。
  4. 【請求項4】 前記有機酸がオキシカルボン酸である請
    求項1又は2に記載の空気浄化フィルタ用吸着材。
  5. 【請求項5】 前記担体が繊維状活性炭である請求項1
    又は2に記載の空気浄化フィルタ用吸着材。
  6. 【請求項6】 前記吸湿性有機化合物がポリアルキレン
    グリコールである請求項2から5の何れかに記載の空気
    浄化フィルタ用吸着材。
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