JPH10239600A - 補償光学装置及びこれを用いた光空間通信装置、レーザ測距装置、レーザ加工機 - Google Patents

補償光学装置及びこれを用いた光空間通信装置、レーザ測距装置、レーザ加工機

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JPH10239600A
JPH10239600A JP9042402A JP4240297A JPH10239600A JP H10239600 A JPH10239600 A JP H10239600A JP 9042402 A JP9042402 A JP 9042402A JP 4240297 A JP4240297 A JP 4240297A JP H10239600 A JPH10239600 A JP H10239600A
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curvature
mirror
light
intensity
signal
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JP9042402A
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Yuji Ichinose
祐治 一ノ瀬
Makoto Senoo
誠 妹尾
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲率ミラーを用いない方式では波面検出の
ための光学系が複雑になったり、制御誤りを生じる。ま
た、曲率ミラーは波面検出部と一対で補償光学装置を構
成する必要があり、波面検出部の光学系及び制御演算が
大規模化する。 【解決手段】 ミラー面の曲率分布を可変可能な曲率ミ
ラー3を光経路内に設け、その出射光をレンズ5で集光
し、その光強度を光検出器6で検出する。得られた光強
度信号13を基に変調強度信号14及び前記曲率ミラー
の駆動領域毎の変調信号9を同期検波部7で求め、更
に、変調強度信号14を基に曲率ミラー3の制御量を制
御部8で決定する。制御部8よりの制御信号17と同期
検波部7よりの変調信号9を加算器10で加算し、この
加算値を基に曲率ミラー3の出射光の波面が平坦になる
ように曲率ミラー3の曲率を駆動部12で変動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ等の光波の
等位相面の歪み(波面歪み)を補正する補償光学装置及
びこれを用いた光空間通信装置、レーザ測距装置、レー
ザ加工機に係り、特に、波面歪み検出用の光学系が単純
で波面歪みの補正効率の良い補償光学装置及びこれを用
いた光空間通信装置、レーザ測距装置、レーザ加工機に
関する。
【0002】
【従来の技術】補償光学装置は、ミラー面の凹凸を制御
できる可変ミラーを光路に介在させて光の波面歪みを補
正する装置である。この補償光学装置を用いることによ
り、レーザ品質や空間分解能の向上が図れるため、種々
の光学装置への応用が期待できる。
【0003】例えば、「光学」第24巻第12号(19
95年12月)、P718〜P724「補償光学系の原
理とその応用」に記載されているように、補償光学装置
の主な構成要素は、波面歪みの検出部、ミラー面の凹凸
を変えることのできる可変ミラー、この可変ミラーを制
御する制御部である。可変ミラーには、分割型形状可変
ミラー、一体型形状可変ミラー、及び曲率ミラーがあ
る。この中で曲率ミラーは、ミラーの裏面に複数個のバ
イモルフ圧電素子を取り付け、印加電圧の極性に応じた
変位を厚み方向に生じさせ、ミラーの表面にバイモルフ
圧電素子の駆動状態に応じた凹凸を形成するものであ
る。この曲率ミラーは、構造が単純で比較的大きな曲率
が得られるという特長を有している。また、形状可変ミ
ラーは、ミラーの下部に一次元方向に変位する駆動素子
を用いミラー面の各位置での変位を制御してミラー面を
制御する構造を有している。更に、波面歪みの検出は、
波面を直接検出するハルトマン方式や、シェアリング干
渉方式と波面を間接的に検出するマルチディザー方式が
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
によれば、ハルトマン方式は波面検出のための光学系が
複雑になり、シェアリング干渉方式では2nπの光の位
相差を識別できず、制御誤りを生じるという問題があ
る。
【0005】一方、可変ミラーにおいては、同一の駆動
素子数あるいは電極数であれば、1素子で曲率を制御で
きる曲率ミラーが空間分解能が高い。しかし、曲率ミラ
ーは波面検出部と一対で補償光学装置を構成する必要が
あり、波面検出部の光学系及び制御演算が大規模化する
という問題がある。
【0006】本発明の目的は、曲率ミラーを用いながら
装置の簡略化を図ることのできる補償光学装置を提供す
ることにある。
【0007】また、本発明の他の目的は、本発明による
補償光学装置を用いた高性能の光空間通信装置、レーザ
測距装置、及びレーザ加工機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、ミラー面の曲率分布を可変して入射光
の波面歪みを補正する曲率ミラーと、該曲率ミラーの出
射光を集光する光学系と、該光学系からの光の強度を検
出する光検出手段と、該光検出手段で検出した光強度信
号を基に前記曲率ミラーの出射光の波面が平坦になるよ
うに前記曲率ミラーの曲率を変動させる制御手段を備え
た補償光学装置にしている。
【0009】この構成によれば、光検出手段により曲率
ミラーの出射光の光強度が検出され、この光強度がレー
ザビーム等の光の波面の曲率に比例することに着目し、
光強度に応じて制御手段により曲率ミラーの曲率を変動
させ、曲率ミラーの出射光の波面が平坦にする。これに
より、検出のための光学系が簡単になり、補償効率が高
くできると共に2nπ位相差問題が生じなくなり、制御
誤りを少なくすることができる。
【0010】また、本発明は、ミラー面の曲率分布を可
変して入射光の波面歪みを補正する曲率ミラーと、波面
全体の傾きを可変可能にして前記曲率ミラーの前段或い
は後段に設けられたチルトミラーと、前記曲率ミラー又
は前記チルトミラーの出射光を集光する光学系と、該光
学系からの光の強度を検出する光検出手段と、該光検出
手段による光強度信号を基に変調周波数毎の変調強度信
号及び前記曲率ミラーの駆動領域毎の変調信号を出力す
る同期検波部と、該同期検波部による変調強度信号を基
に前記曲率ミラーの制御量を決定する制御部と、該制御
部より出力される制御信号と前記同期検波部より出力さ
れる前記変調信号との加算値を基に前記曲率ミラーの出
射光の波面が平坦になるように前記曲率ミラーの曲率を
変動させる駆動部と、前記光検出手段による光強度信号
を基にして得た光強度から前記チルトミラーの傾きを制
御する傾き制御手段を備えた補償光学装置にしている。
【0011】この構成によれば、波面全体の傾きを可変
可能にして前記曲率ミラーの前段或いは後段にチルトミ
ラーが設けられているため、波面歪みのなかの傾き成分
をチルトミラーで補正され、曲率ミラーでは傾き成分を
除いた後の成分だけを補正すればよく、補正できる波面
の範囲を拡大することができる。
【0012】更に、本発明は、空間的に離れた位置に光
情報を伝達する光空間通信装置において、ミラー面の曲
率分布を可変して入射光の波面歪みを補正する曲率ミラ
ーと、前記曲率ミラーの光入射側に設けられる光学系
と、該光学系の合焦位置に配設された光受信機及び光送
信機と、相手方光空間通信装置より受信した受信光を曲
率ミラーで反射させる際、前記光受信機より出力される
光強度信号に基づいて前記曲率ミラーの曲率を空間的な
領域毎に異なる周波数で変動させる補償光学装置を備え
た光空間通信装置にしている。
【0013】この構成によれば、相手方光空間通信装置
からの光の光強度信号を基に、補償光学装置によって曲
率ミラーの曲率が曲率ミラーの出射光の波面を平坦にす
るように制御される。したがって、レーザビーム等の波
面歪みが補正され、受信光のエネルギー密度を向上させ
ることができる。したがって、光ファイバアンプによる
受信時の挿入損失を小さくすることができる。
【0014】また、本発明は、人工衛星又は月面に設置
された反射体に送信したパルスレーザが前記反射体から
反射して帰還するまでの伝播時間を測定し、この伝播時
間を基に前記反射体までの距離を測定するレーザ測距装
置において、ミラー面の曲率分布を可変して入射光の波
面歪みを補正する曲率ミラーと、地球上空のナトリウム
共鳴散乱層に同調するレーザ波長を前記反射体と同方向
に存在する前記共鳴散乱層に前記曲率ミラーを介して送
信する送信手段と、送信したレーザビームが前記ナトリ
ウム共鳴散乱層で反射してくる反射光の光強度を光検出
器で検出し、この光強度に基づいて前記曲率ミラーの曲
率を空間的な領域毎に異なる周波数で変動させる補償光
学装置を備えたレーザ測距装置にしている。
【0015】この構成によれば、送信したレーザビーム
が上空のナトリウム共鳴散乱層で反射してくる反射光の
光強度が光検出器で検出され、その光強度に応じて曲率
ミラーの曲率が補償光学装置により空間的な領域毎に異
なる周波数で変動制御される。この結果、波面歪みを補
正できるため、送信レーザビームのエネルギー密度が向
上し、反射体からのS/N比を高くした受信が可能にな
る。
【0016】更に、本発明は、レーザ発振器よりのレー
ザビームを被加工材に照射して切断或いは溶接を行うレ
ーザ加工機において、ミラー面の曲率分布を可変して入
射光の波面歪みを補正する曲率ミラーと、前記レーザ発
振器よりのレーザビームを前記曲率ミラーを介して前記
被加工材に照射させる光学系と、前記曲率ミラーより出
射したレーザビームが前記被加工材の表面で反射した反
射波の光強度を光検出器で検出し、この光強度に基づい
て前記曲率ミラーの曲率を空間的な領域毎に異なる周波
数で変動させる補償光学装置を備えたレーザ加工機にし
ている。
【0017】この構成によれば、前記被加工材の表面で
反射した反射波の光強度が光検出器で検出され、その光
強度に応じて曲率ミラーの曲率が補償光学装置により空
間的な領域毎に異なる周波数で変動制御される。この結
果、レーザ発振器及び伝播経路中に生じる波面歪みを補
正できレーザスポット径を小さくでき、高精度の加工が
行えるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明による補償光
学装置を示す。補償光学装置は、レーザビーム1を直角
方向へ反射させる平面ミラー2、この平面ミラー2の反
射光路上に設けられて入射光を直角方向へ反射させる曲
率ミラー3、この曲率ミラー3の反射光路上に設けられ
て入射光を直角方向へ反射させる平面ミラー4、この平
面ミラー4の出射光路上に配設されたレンズ5、このレ
ンズ5の合焦位置に配設されて光強度信号13を出力す
る光検出器6(光検出手段)、この光検出器6に接続さ
れて変調信号9及び変調強度信号14を出力する同期検
波部7、この同期検波部7に接続された制御部8、同期
検波部7より出力される変調信号9と制御部8より出力
される制御信号17とを加算して駆動信号11を生成す
る加算器10、この加算器10の出力信号を基に曲率ミ
ラー3に装着された圧電素子(不図示)を駆動する駆動
部12とを備えて構成される。
【0019】以上の構成において、歪んだ波面15を持
ったレーザビーム1は平面ミラー2を経由して曲率ミラ
ー3に入射する。このとき、波面15を補正するように
曲率ミラー3の表面を駆動することにより、レーザ波面
の揃ったレーザビームが曲率ミラー3から出力される。
曲率ミラー3ではレーザビーム1に対し、波面15を補
正すると同時に、微少な曲率の変動を加える。曲率ミラ
ー3の具体的な構造については後記するが、曲率ミラー
3は複数の駆動信号11によって動作する駆動部12に
より駆動される。
【0020】曲率ミラー3を出射したレーザビームは波
面の揃った波面16になり、平面ミラー4を経由してレ
ンズ5で集光される。レンズ5で集光したレーザビーム
1は光検出器6によって光強度が検出される。曲率ミラ
ー3でレーザ波面15が空間的に分割された領域毎に曲
率変調され、そのレーザビームをレンズ5で干渉させて
光検出器6で検出するため、検出された光強度信号13
には直流成分の他、変調周波数と同一の周波数を持つ成
分が存在する。図2にその模式図を示す(ここでは、曲
率ミラー3としてバイモルフミラー18を用い、また、
平面ミラー4は省略している)。
【0021】図2は、バイモルフミラー18を用いてレ
ーザ波面を曲率変調したときのレンズ焦点強度を模式的
に表したものである。バイモルフミラー18の2番目の
駆動素子にのみ駆動信号V(2) を付与したときのミラー
面分布19に対し、ミラー面で反射されたレーザビーム
1がレンズ5で集光されたときの焦点強度分布20は、
曲率変調と同期して強度分布が変動(強度変調21)す
る。焦点強度分布20を1つの光検出器6で検出すれ
ば、その強度信号には変調信号と同じ周波数の強度変調
成分が含まれる。
【0022】図2は1つの駆動信号に曲率変調を与えた
場合であるが、同様にして全ての駆動信号に曲率変調信
号を印加すれば、光検出器6で検出される光強度信号1
3にはその全ての周波数成分を持つ変調信号成分が存在
する。この成分を変調強度信号とすれば、その強さは変
調された領域のミラー面の曲率に比例する。これは、ミ
ラー面が平坦な状態で曲率を変動させた場合及びミラー
面が凸または凹面に曲率させた状態で曲率を変動させた
場合、ミラー面が平坦な方がミラー面で反射されるレー
ザビーム1の反射角変化が小さいため変調強度信号は小
さく、曲率が大きいほど変調強度信号は大きくなること
による。この変調強度信号は光検出器6の面積に比例す
るが、或る曲率以上においては一定値になる。また、曲
率が凹と凸の場合には変調信号と変調強度信号の位相差
が逆転するため、変調強度信号の検出により曲率変調さ
れたミラー面の曲率を検出することができる。ミラー面
の曲率と波面15は等価であるため、波面歪みが検出で
きることがわかる。
【0023】光検出器6で検出した光強度信号13は同
期検波器7にとり込まれる。同期検波部7は変調周波数
毎の変調強度信号14を検出する。この変調強度信号1
4は変調周波数成分の振幅値である。制御部8は、変調
強度信号14が波面の曲率に比例することを利用して制
御信号17を決定する。制御信号17と変調信号9を加
算器10で加算して複数の駆動信号11を得る。この駆
動信号11を基に駆動部12は曲率ミラー3に装着され
たバイモルフの各々を駆動する。これにより、レーザビ
ーム1の波面歪みが補正される。
【0024】ここで、駆動信号11は次の(数1)で示
される。
【数1】 V(m)=Vc(m)+ψ・ sin{ω(m)t} (但し、mはm番目の信号、V(m)はm番目の駆動信
号11、Vc(m)はm番目の制御信号17、ψは曲率
変調の振幅、ω(m)はm番目の変調角周波数、tは時
刻である)
【0025】なお、加算器10に加算される変調信号9
は次の(数2)で示されるように、駆動信号毎に異なる
周波数で変調されている。
【数2】ψ・ sin{ω(m)t}
【0026】以上説明したように、本発明の補償光学装
置によれば、曲率ミラー3がレーザビーム1の各領域毎
に異なる周波数で曲率変調されるため、1つの光検出器
6による光強度検出によって波面を検出することができ
る。また、曲率ミラー3を用いることで形状可変ミラー
と比較して同一の駆動素子数では、ミラー面の空間分解
能が高いため、補正効率が高い。また、レーザビームの
各領域毎に異なる周波数で位相変調するマルチディザー
方式では、変調強度信号はレーザ位相の正弦関数に比例
するために2nπの位相変化を判別できないのに対し、
本発明の曲率変調では、このような問題による制御誤り
がない。
【0027】次に、図3及び図4を用いて曲率ミラー3
の構成例を説明する。図3はバイモルフミラーによる曲
率ミラー3を示し、(a)は平面図、(b)は側面図を
示している。ここに示す曲率ミラー3は上記したバイモ
ルフミラーである。図3に示すように、薄厚で表面が鏡
面仕上げされたミラー板22の裏面には、複数の圧電素
子23が規則的に装着され、各々には駆動信号線24が
接続されている。圧電素子23は、互いに逆方向に分極
された2枚の圧電素子を貼り合わせて作られたバイモル
フ圧電素子である。このバイモルフ圧電素子に電圧を印
可すると、一方は伸び、他方は図の上下方向に縮むた
め、全体として曲率変位が生じるという特性を有してい
る。
【0028】図4は曲率ミラー3がメンブレンミラーの
場合の構造を示している。空気中又は気体中に金属(例
えばチタニウム)のメンブレン膜25をミラーとして配
設し、その表側には透明電極26を対向配置し、裏側に
は各々が独立した制御電極27を配置する。このメンブ
レンミラーでは、制御電極27に制御電圧を印加したと
き、メンブレン膜25と制御電極27の間に静電力が生
じ、この静電力によってミラー面(メンブレン膜25)
が変形する。静電力だけでは凹面ミラーしか形成できな
いため、透明電極26を設け、この透明電極26の静電
力により逆方向にミラー面を引っ張り、凹凸面のミラー
が形成されるようにしている。
【0029】図5は同期検波部7の詳細を示す。同期検
波部7は、光強度信号13の所定周波数域のみを通過さ
せるバンドパスフィルタ28、このバンドパスフィルタ
28に接続されるn個(曲率ミラー3の駆動信号11と
同数)の検出処理部29-1〜29-nを備えて構成されて
いる。検出処理部29-1〜29-nは同一構成であり、各
々は同期検波器30及び発振器31を備えている。
【0030】同期検波部7は、光検出器6で検出した光
強度信号13を入力し、異なる周波数で変調された成分
の振幅値である変調強度信号14-1〜14-nを検出処理
部29-1〜29-nで検出すると共に、曲率ミラー3で曲
率変調するための信号となる変調信号9-1〜9-nを発生
する。光強度信号13はバンドパスフィルタ28によっ
て光強度信号13に含まれる曲率変調の周波数成分のみ
を通過させ、同時に増幅する。バンドパスフィルタ28
の出力信号は検出処理部29-1〜29-nに入力され、そ
の同期検波器30で各周波数毎の変調強度信号14-1〜
14-nを検出する。同期検波部23の発振器22は、同
期検波器30で検出する周波数成分と同じ周波数を持つ
変調信号を同期検波器30に供給すると共に、加算器1
0へ供給する。このような構成により、光強度信号13
から変調強度信号14-1〜14-nを検出することができ
る。
【0031】なお、図5においては、同期検波器30を
曲率ミラー3の駆動信号11と同数を設ける構成にした
が、複数の検出処理部29をコンピュータあるいはデジ
タルシグナルプロセッサ(DSP)を用いた構成にする
こともできる。
【0032】次に変調強度信号14から制御信号17を
決定する方法について述べる。図2で説明したように、
変調強度信号14は曲率変調した部分の波面(或いはミ
ラー面)の曲率に比例する。このため、変調強度信号1
4が小さいほど波面の曲率は小さい。したがって、制御
部8では変調強度信号14-1〜14-nを入力し、それぞ
れの信号が独立に零(又は最小)となるようにフィード
バック制御系を構成し、各出力を制御信号17とすれ
ば、波面歪みを曲率ミラー3を用いて補正することがで
きる。このような制御系は、変調強度信号14-1〜14
-nを入力とし制御信号17を出力とする1入力対1出力
の単純な構成にでき、これを曲率ミラー3の駆動信号と
同数存在する構成にすれば、波面歪みを制御することが
可能になる。
【0033】上述の本発明の実施の形態では、変調強度
信号14と制御信号17が1入力1出力で対応する制御
系で波面歪みを制御するものとしたが、次に、他の制御
法について説明する。図3及び図4の曲率ミラーの構成
例において、或る一つの圧電素子23又は制御電極27
に電圧を印可した場合、その圧電素子23又は制御電極
27の近傍のミラー面の曲率が変化すると共にその回り
のミラー面も変化する。その変化の割合は電極構造や間
隔に依存するが、この影響のため、上述の制御法では制
御誤差を生じる恐れがある。そこで、予め駆動信号11
-1〜11-nに電圧を印可したときのミラー面の応答関数
を求めておき、同期検波部7で検出した変調強度信号1
4-1〜14-nと応答関数から制御信号17を決定するよ
うにしてもよい。このようにすれば、駆動信号によりミ
ラー面の干渉による制御誤差を低減することができる。
【0034】次に、本発明による補償光学装置の他の構
成例について説明する。図6は本発明による補償光学装
置の他の実施の形態を示す構成図である。本実施の形態
は、図1の構成に対し、平面ミラー4に代えて傾きを可
変できるチルトミラー32を設け、光検出器6に代えて
複数の光強度信号(34a、34b、34c、34d)
を出力する光検出器33を設けた構成にし、更に、光検
出器33と同期検波部7の間に演算処理回路35を設
け、この演算処理回路35に傾き制御装置36を接続
し、この傾き制御装置36(演算処理回路35と共に傾
き制御手段を形成)によって傾き制御装置32の傾きを
制御する構成にしている。
【0035】この構成では、レーザビーム1の波面歪み
15を曲率ミラー3及びチルトミラー32で補正する。
曲率ミラー3では、図1の補償光学装置と同様に、駆動
信号11-1〜11-nを異なる周波数にして曲率変調し、
これにより波面を補正する。チルトミラー32では波面
16の全体の傾きを補正する。チルトミラー32を出射
したレーザビームはレンズ5に入射し、レンズ5で光検
出器33の検出面に合焦し、光検出器33によって光強
度が検出される。
【0036】光検出器33による光強度信号34a、3
4b、34c、34dは演算処理回路35により(数
3)により計算される。
【数3】34a+34b+34c+34d
【0037】一方、傾き制御装置36に入力される信号
θx、θyは演算処理回路35により (数4)及び
(数5)により計算される。
【数4】θx=34b+34c−34a−34d
【数5】θy =34a+34b−34c−34d
【0038】信号θx、θyはレーザビーム1のx及び
y方向の波面傾きに比例した値であり、傾き制御回路3
6は信号θx、θyを入力してチルトミラー32の制御
量を決定し、レーザビーム1の波面16の傾きを補正す
る。一方、同期検波部7は光強度信号(34a+34b
+34c+34d)を入力し、変調周波数毎の変調強度
信号14を検出する。制御部8は、変調強度信号14が
波面の曲率に比例することを利用して制御信号17を決
定する。加算器10は制御信号17と変調信号9を加算
し、複数の駆動信号11を得る。駆動部12は、駆動信
号11を基に曲率ミラー3に装着されたバイモルフの各
々を駆動する。これにより、レーザビーム1の波面歪み
が補正される。
【0039】図6の構成によれば、波面歪みのなかの傾
き成分をチルトミラー32で補正するため、曲率ミラー
3では傾き成分を除いた後の成分を補正すればよいた
め、補正できる波面の範囲を拡大することができる。な
お、チルトミラー32は曲率ミラー3の後段に設けるも
のとしたが、前段に設けるようにしてもよい。
【0040】図7は光検出部33の第1の構成例を示
す。図7の光検出器33は4分割された光検出器33a
〜33dを備え、各々から光強度信号34a〜34dが
出力される。
【0041】図8は光検出部33の第2の構成例を示
す。円形の光検出器33eの回りに等間隔で光検出器3
3f〜33iを配置したものであり、光検出器33eの
出力信号は変調強度信号の検出用として同期検波部7に
入力し、光検出器33f〜33iの出力信号は演算処理
回路35に入力され、傾き制御装置36に入力される信
号θx、θxが(数6)及び(数7)により計算され
る。
【数6】θx=34c+34d−34b−34e
【数7】θx=34b+34c−34d−34eなお、
円形の光検出器33eの大きさは、レンズ5とレーザ波
長より計算される回折限界と同程度の大きさ以下にする
ことはいうまでもない。
【0042】図9は上記した本発明による補償光学装置
を用いた光空間通信装置を示す。光空間通信装置は、図
1の補償光学装置にあって、平面ミラー2の後段に送受
信共用望遠鏡37が設けられ、光検出器6の位置にこれ
に代えて光受信機38を設置し、この光受信機38と凸
レンズ5の間にビームスプリッタ39を配置し、このビ
ームスプリッタ39に向けてレーザビーム1aを送出す
る光送信機40を設けた構成にしている。光受信機38
は光ファイバアンプを内蔵し、特定の波長域の光を増幅
する。
【0043】このような構成により、光送信機40から
出力されたレーザビーム1aは、ビームスプリッタ39
→凸レンズ5→平面ミラー4→曲率ミラー3→平面ミラ
ー2→送受信共用望遠鏡37の経路で送信先の同様な光
空間通信装置に送信される。相手の送信レーザビーム1
bは送受信共用望遠鏡37→平面ミラー2→曲率ミラー
3→平面ミラー4→凸レンズ5→ビームスプリッタ39
→光受信機38の経路で受信される。
【0044】レーザビーム1が大気中を伝播する際、大
気の屈折率が変動するために波面歪みが生じて送信レー
ザビーム1aが拡散し、エネルギー密度が低下する第1
の問題と、光受信機30で受信レーザビームを増幅する
ために設けられる光ファイバアンプにレーザビームを入
力するときに波面歪みによりファイバ径よりレーザビー
ムの像が大きくなり、更にその位置が時間的に変動する
ため、ファイバ入射時に光損失を生じる第2の問題があ
る。
【0045】これらの問題を解決するため、図9に示す
ように送受信共用望遠鏡37で受信したレーザビーム1
bを曲率ミラー3の駆動信号毎に異なる周波数で曲率変
調し、光受信機38で検出される光強度信号13から曲
率ミラー3の制御信号17を決定し、波面歪みを補正す
る。
【0046】このように光空間通信装置に補償光学装置
を用いたことにより、受信レーザビーム1bの波面歪み
を補正できるため、光受信機38の光ファイバアンプで
生じる光挿入損失を抑えることができる。一方、光送信
機40から出力されるレーザビーム1aは、ビームスプ
リッタ39を介して受信レーザビーム1bと逆経路で送
受信共用望遠鏡37から送信されるため、曲率ミラー3
で大気中で受信レーザビーム1bが受けた波面歪みと正
負逆の波面が送信レーザビーム1aに与えられるため、
送信先の光空間通信装置上では波面歪みによるレーザビ
ームの拡散が抑制され、エネルギー密度の低下を抑える
ことができる。
【0047】図10は本発明による補償光学装置を用い
たレーザ測距装置を示す。曲率ミラー3は図1に示した
同期検波部7、制御部8、加算器10及び駆動部12か
ら成る補償光学回路41によって駆動される。曲率ミラ
ー3の入射光側には、パルスレーザ発振器42、ビーム
スプリッタ43、44が一直線上に順次配設されてい
る。ビームスプリッタ43の入射光路に対し、レーザビ
ーム1aを入射可能にCWレーザ発振器45が設置され
ている。また、ビームスプリッタ44の出射光路にはフ
ィルタ46が設置され、その後段にはレンズ47が配設
され、その結像位置には光検出器6が配設されている。
【0048】曲率ミラー3の出射光側には送信光学系4
8が配設され、その出射光側には反射体50が設置され
ている。反射体50の反射波を受光できる位置に受信光
学系51が設置され、その出射光側にはフィルタ52及
び光検出器53が順次配設されている。光検出器53に
は伝播時間測定回路54が接続され、この伝播時間測定
回路54及びパルスレーザ発振器42には、タイミング
制御回路55が接続されている。
【0049】図10のレーザ測距装置において、パルス
レーザ発振器42から送信されたレーザビーム1bは、
ビームスプリッタ43→ビームスプリッタ44、曲率ミ
ラー3→送信光学系48→反射体50の経路で進行す
る。送信光学系48から出射したレーザビーム1bの一
部は反射体50で反射し、反射波50aとして受信光学
系51で受信され、光検出器53で光−電変換される。
この検出タイミングとパルスレーザ発振器42の送信タ
イミングとのずれ、すなわち伝播時間が伝播時間測定回
路54により測定される。この伝播時間から反射体50
までの距離を計測することができる。
【0050】このようなレーザ測距装置は、地上に設置
された反射体、或いは衛星や月に設置された反射体に対
して測距するために用いられ、上記光空間通信装置と同
様に大気による送信レーザビームの拡散による反射体5
0上の照射エネルギー密度の低下による反射波50aの
強度が低下する問題が生じる。しかし、本発明の補償光
学装置を装備することにより、かかる問題は解決され
る。
【0051】図10において、ビームスプリッタ43、
44及び曲率ミラー3と送信光学系48を介して、CW
レーザ発振器45から出力されたレーザビーム1aが衛
星や月面に設置された反射体50に向けて送信される。
地上約90kmにはナトリウムの共鳴散乱層があり、ナ
トリウムの共鳴波長である589nmのレーザビームを
この層に向けて照射することにより、他の大気層或いは
反射体50による反射以上の反射波強度を得ることがで
きる。その層にできたレーザによる輝点がレーザガイド
スター49である。その反射波49aを送信光学系48
で受信し、受信した射波49aを曲率ミラー3の駆動信
号毎に異なる周波数で曲率変調し、光検出器6で検出さ
れる光強度信号13から曲率ミラー3の制御信号17を
決定し、レーザビームの波面歪みを補正する。そして、
パルスレーザ発振器42から出力されたレーザビーム1
bを曲率ミラー3を介して送信することにより、大気伝
播時の波面歪みを抑制することができ、反射体50上で
の照射エネルギー密度を向上することができる。したが
って、その反射波49aの反射波強度が向上し、レーザ
測距精度が向上する。
【0052】なお、図10のレーザ測距装置において
は、レーザガイドスター49からの反射波49aを用い
て波面歪みを補正したが、大気ゆらぎの時間的変化が少
なく、反射体50から反射波強度が大きい場合には、送
信光学系48と受信光学系51を共用にして、反射体5
0からの反射波49bから波面を補正することも可能で
ある。
【0053】以上のように、本発明によるレーザ測距装
置では、波面歪みを補正し送信レーザビームの拡散を抑
制するため、反射波の受信強度を高めることができる。
その結果、高いS/N比で伝播時間を測定でき、測距精
度を向上させることができる。
【0054】図11は本発明による補償光学装置を用い
たレーザ加工機を示す。レーザ加工機は、レーザビーム
を金属などの被加工材に照射することにより、被加工材
の切断及び溶接をおこなうものである。なお、図11で
は図1及び図10に示したと同一であるものには同一引
用数字を用いており、重複する説明は省略する。上記し
たように、曲率ミラー3は、その曲率が光検出器6及び
補償光学回路41によって制御される。曲率ミラー3の
入射光側には平面ミラー2が設置され、その入射光路上
にはCWレーザ発振器45が配設されている。曲率ミラ
ー3の出射光側には送信光学系48が配設され、その合
焦位置には被加工材56が配設されている。送信光学系
48からレーザビーム1が被加工材56に照射された
際、その表面からの反射波56aが到達する位置には受
信光学系51が配設されている。このレーザビーム1の
出射光路上にはレンズ5が配設され、その結像位置に光
検出器6の検出面が配置されている。
【0055】CWレーザ発振器45から出力されたレー
ザビーム1は、ミラー2を介して曲率ミラー3に入射さ
れ、曲率ミラー3で駆動信号毎に異なる周波数で曲率変
調され、送信光学系48により加工材56上に集光する
ように照射される。加工材56からの反射波56aを受
信光学系51で受光し、これをレンズ5により結像さ
せ、光検出器6で光強度信号を検出する。補償光学制御
回路41は光検出器6から光強度信号13を入力し、変
調信号と曲率ミラー3の制御信号を加算した駆動信号を
曲率ミラー3に供給する。CWレーザ発振器45で発生
する波面歪み、曲率ミラー3等の光学系の機械的な歪み
及びレーザビームの伝播経路中に生じた波面歪みの合成
された波面歪みが曲率ミラー3で曲率変調され加工材4
3上で集光されることにより、その反射波強度に含まれ
る変調強度信号には上述の合成された波面歪みの情報が
含まれる。したがって、CWレーザ発振器45から加工
材56までに生じた波面歪みを、その反射波56aを検
出することで遠隔検出することができる。波面歪みがあ
る場合、従来構成では加工材56上でレーザビーム1を
回折限界まで絞ることはできないが、本発明によれば、
波面歪みを補正できるため、レーザビームのスポット径
を小さくでき、精密な加工及び照射エネルギー密度の向
上による加工速度の向上を図ることができる。
【0056】なお、上記各実施の形態においては、レー
ザビームを対象に説明したが、本発明はレーザビームに
限られるものではなく、光検出器で検出が可能な光であ
れば全てに適用することができる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の補償光学
装置によれば、入射光を曲率ミラーで曲率変調すること
でレンズ焦点強度に含まれる変調成分から波面を検出制
御できるため、検出のための光学系が簡単になり、補償
効率を高くできると共に2nπ位相差問題が生じなくな
り、制御誤りを少なくすることができる。
【0058】また、本発明の光空間通信装置によれば、
波面歪みを補正できるため、受信光のエネルギー密度を
向上できる。したがって、光ファイバアンプによる受信
時の挿入損失を小さくすることができる。
【0059】更に、本発明のレーザ測距装置によれば、
波面歪みを補正できるため、送信レーザビームのエネル
ギー密度を向上でき、反射体からのS/N比の高い受信
が可能になる。
【0060】また、本発明のレーザ加工機によれば、レ
ーザ発振器及び伝播経路中に生じる波面歪みを補正でき
レーザスポット径を小さくできるため、高精度の加工が
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による補償光学装置を示す構成図であ
る。
【図2】バイモルフミラーを用いてレーザ波面を曲率変
調したときのレンズ焦点強度を模式的に表した説明図で
ある。
【図3】バイモルフミラーによる曲率ミラーを示し、
(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図4】メンブレンミラーによる曲率ミラーを示す模式
図である。
【図5】図1の同期検波部の詳細構成を示すブロック図
である。
【図6】本発明による補償光学装置の他の実施の形態を
示す構成図である。
【図7】図6の光検出部の第1の構成例を示す平面図で
ある。
【図8】図6の光検出部の第2の構成例を示す平面図で
ある。
【図9】本発明による補償光学装置を用いた光空間通信
装置を示す構成図である。
【図10】本発明による補償光学装置を用いたレーザ測
距装置を示す構成図である。
【図11】本発明による補償光学装置を用いたレーザ加
工機の構成図である。
【符号の説明】
1 レーザビーム 2、4 ミラー 3 曲率ミラー 5 レンズ 6、33、53 光検出器 7 同期検波部 8 制御部 9 変調信号 11、11-1〜11-n 駆動信号 12 駆動部 13 光強度信号 14、14-1〜14-n 変調強度信号 15、16 波面 17 制御信号 22 ミラー板 23 圧電素子 28 バンドパスフィルタ 29-1〜29-n 検出処理部 30 同期検波器 31 発振器 32 チルトミラー 35 演算処理回路 36 傾き制御装置 37 送受信共用望遠鏡 38 光受信機 39 ビームスプリッタ 40 光送信機 41 補償光学制御回路 42 パルスレーザ発振器 45 CWレーザ発振器 48 送信光学系 49a、50a 反射波 50 反射体 51 受信光学系 54 伝播時間測定回路 55 タイミング制御回路 56 被加工材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H04B 10/10 10/22

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミラー面の曲率分布を可変して入射光の
    波面歪みを補正する曲率ミラーと、該曲率ミラーの出射
    光を集光する光学系と、該光学系からの光の強度を検出
    する光検出手段と、該光検出手段で検出した光強度信号
    を基に前記曲率ミラーの出射光の波面が平坦になるよう
    に前記曲率ミラーの曲率を変動させる制御手段を具備す
    ることを特徴とする補償光学装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記光検出手段による
    光強度信号を基に変調周波数毎の変調強度信号及び前記
    曲率ミラーの駆動領域毎の変調信号を出力する同期検波
    部と、該同期検波部による変調強度信号を基に前記曲率
    ミラーの制御量を決定する制御部と、該制御部より出力
    される制御信号と前記同期検波部より出力される前記変
    調信号との加算値を基に前記曲率ミラーの出射光の波面
    が平坦になるように前記曲率ミラーの曲率を変動させる
    駆動部を具備することを特徴とする請求項1記載の補償
    光学装置。
  3. 【請求項3】 前記同期検波部は、前記光検出手段によ
    る光強度信号中の所定周波数域を通過させるバンドパス
    フィルタと、異なる周波数で変調された成分の振幅値を
    持つ変調強度信号を出力する複数の検出処理部を備える
    ことを特徴とする請求項2記載の補償光学装置。
  4. 【請求項4】 前記同期検波部は、各周波数毎の変調強
    度信号を検出する同期検波器と、該同期検波器が検出す
    る周波数成分と同一周波数を持つ変調信号を前記同期検
    波器に供給する発振器を具備することを特徴とする請求
    項3記載の補償光学装置。
  5. 【請求項5】 前記制御部は、各周波数成分強度を独立
    に最小化又は零にし、これに基づいて前記制御量を求
    め、もしくは、予め曲率ミラーに電圧を印可したときの
    前記周波数成分強度の分布を求めておき、検出した複数
    の周波数成分強度と前記周波数成分強度の分布から前記
    制御量を求めることを特徴とする請求項1記載の補償光
    学装置。
  6. 【請求項6】 ミラー面の曲率分布を可変して入射光の
    波面歪みを補正する曲率ミラーと、波面全体の傾きを可
    変可能にして前記曲率ミラーの前段或いは後段に設けら
    れたチルトミラーと、前記曲率ミラー又は前記チルトミ
    ラーの出射光を集光する光学系と、該光学系からの光の
    強度を検出する光検出手段と、該光検出手段による光強
    度信号を基に変調周波数毎の変調強度信号及び前記曲率
    ミラーの駆動領域毎の変調信号を出力する同期検波部
    と、該同期検波部による変調強度信号を基に前記曲率ミ
    ラーの制御量を決定する制御部と、該制御部より出力さ
    れる制御信号と前記同期検波部より出力される前記変調
    信号との加算値を基に前記曲率ミラーの出射光の波面が
    平坦になるように前記曲率ミラーの曲率を変動させる駆
    動部と、前記光検出手段による光強度信号を基にして得
    た光強度から前記チルトミラーの傾きを制御する傾き制
    御手段を設けたことを特徴とする補償光学装置。
  7. 【請求項7】 前記光検出手段は、複数に分割された光
    検出器を有することを特徴とする請求項6記載の補償光
    学装置。
  8. 【請求項8】 前記制御手段は、前記光検出手段による
    光強度信号を基に変調周波数毎の変調強度信号及び前記
    曲率ミラーの駆動領域毎の変調信号を出力する同期検波
    部と、該同期検波部による変調強度信号を基に前記曲率
    ミラーの制御量を決定する制御部と、該制御部より出力
    される制御信号と前記同期検波部より出力される前記変
    調信号との加算値を基に前記曲率ミラーの出射光の波面
    が平坦になるように前記曲率ミラーの曲率を変動させる
    駆動部を具備することを特徴とする請求項6記載の補償
    光学装置。
  9. 【請求項9】 前記制御部は、各周波数成分強度を独立
    に最小化又は零にし、これに基づいて前記制御量を求
    め、もしくは、予め曲率ミラーに電圧を印可したときの
    前記周波数成分強度の分布を求めておき、検出した複数
    の周波数成分強度と前記周波数成分強度の分布から前記
    制御量を求めることを特徴とする請求項6記載の補償光
    学装置。
  10. 【請求項10】 空間的に離れた位置に光情報を伝達す
    る光空間通信装置において、ミラー面の曲率分布を可変
    して入射光の波面歪みを補正する曲率ミラーと、前記曲
    率ミラーの光入射側に設けられる光学系と、該光学系の
    合焦位置に配設された光受信機及び光送信機と、相手方
    光空間通信装置より受信した受信光を曲率ミラーで反射
    させる際、前記光受信機より出力される光強度信号に基
    づいて前記曲率ミラーの曲率を空間的な領域毎に異なる
    周波数で変動させる補償光学装置を具備することを特徴
    とする光空間通信装置。
  11. 【請求項11】 前記制御部は、各周波数成分強度を独
    立に最小化又は零にし、これに基づいて前記制御量を求
    め、もしくは、予め曲率ミラーに電圧を印可したときの
    前記周波数成分強度の分布を求めておき、検出した複数
    の周波数成分強度と前記周波数成分強度の分布から前記
    制御量を求めることを特徴とする請求項10記載の光空
    間通信装置。
  12. 【請求項12】 人工衛星又は月面に設置された反射体
    に送信したパルスレーザが前記反射体から反射して帰還
    するまでの伝播時間を測定し、この伝播時間を基に前記
    反射体までの距離を測定するレーザ測距装置において、
    ミラー面の曲率分布を可変して入射光の波面歪みを補正
    する曲率ミラーと、地球上空のナトリウム共鳴散乱層に
    同調するレーザ波長を前記反射体と同方向に存在する前
    記共鳴散乱層に前記曲率ミラーを介して送信する送信手
    段と、送信したレーザビームが前記ナトリウム共鳴散乱
    層で反射してくる反射光の光強度を光検出器で検出し、
    この光強度に基づいて前記曲率ミラーの曲率を空間的な
    領域毎に異なる周波数で変動させる補償光学装置を具備
    することを特徴とするレーザ測距装置。
  13. 【請求項13】 前記制御部は、各周波数成分強度を独
    立に最小化又は零にし、これに基づいて前記制御量を求
    め、もしくは、予め曲率ミラーに電圧を印可したときの
    前記周波数成分強度の分布を求めておき、検出した複数
    の周波数成分強度と前記周波数成分強度の分布から前記
    制御量を求めることを特徴とする請求項12記載のレー
    ザ測距装置。
  14. 【請求項14】 レーザ発振器よりのレーザビームを被
    加工材に照射して切断或いは溶接を行うレーザ加工機に
    おいて、ミラー面の曲率分布を可変して入射光の波面歪
    みを補正する曲率ミラーと、前記レーザ発振器よりのレ
    ーザビームを前記曲率ミラーを介して前記被加工材に照
    射させる光学系と、前記曲率ミラーより出射したレーザ
    ビームが前記被加工材の表面で反射した反射波の光強度
    を光検出器で検出し、この光強度に基づいて前記曲率ミ
    ラーの曲率を空間的な領域毎に異なる周波数で変動させ
    る補償光学装置を具備することを特徴とするレーザ加工
    機。
  15. 【請求項15】 前記制御部は、各周波数成分強度を独
    立に最小化し、これに基づいて前記制御量を求め、もし
    くは、予め曲率ミラーに電圧を印可したときの前記周波
    数成分強度の分布を求めておき、検出した複数の周波数
    成分強度と前記周波数成分強度の分布から前記制御量を
    求めることを特徴とする請求項14記載のレーザ加工
    機。
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