JPH10237097A - 一酸化窒素合成酵素の選択的阻害剤 - Google Patents

一酸化窒素合成酵素の選択的阻害剤

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JPH10237097A
JPH10237097A JP9059953A JP5995397A JPH10237097A JP H10237097 A JPH10237097 A JP H10237097A JP 9059953 A JP9059953 A JP 9059953A JP 5995397 A JP5995397 A JP 5995397A JP H10237097 A JPH10237097 A JP H10237097A
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JP
Japan
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group
compound
phe
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nos
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JP9059953A
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English (en)
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Nobunori Kobayashi
信教 小林
Tsunehiko Higuchi
恒彦 樋口
Masaaki Hirobe
雅昭 廣部
Tetsuo Nagano
哲雄 長野
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Dainippon Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 iNOS過剰産生に起因する疾病の治療又は
予防に有用なiNOS阻害薬を提供する。 【解決手段】 化1で表されるジペプチド型化合物又は
その生理的に許容される塩。 【化1】 (Rは水素原子、直鎖状若しくは分岐状のC1 〜C5
ルキル基、C3 〜C6 シクロアルキル基、直鎖状若しく
は分岐状のヒドロキシC1 〜C2 アルキル基、ベンジル
基などを意味し、R1 は化2で表される基を意味し、 【化2】 ここで、Ra は硫黄原子またはN−NO2 基を意味し、
b は直鎖状若しくは分岐状のC1 〜C5 アルキル基、
3 〜C6 シクロアルキル基又は直鎖状若しくは分岐状
のC1 〜C5 アルキルチオ基を意味し、*印で指示され
る炭素での配置はL型,D型又はDL型である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一酸化窒素合成酵素
の選択的阻害薬として有用なジペプチド型化合物および
その医薬としての使用に関する。
【0002】
【技術背景】1980年にFurchgott らにより、血管弛緩・
血小板凝集抑制作用を有する内皮由来弛緩因子(エンド
セリン由来弛緩因子:EDRF)の存在が初めて明らか
にされ、続いて、Moncada らによりその本態がL−アル
ギニン由来の一酸化窒素(Nitric Oxide: 以下NOと略
称する)であることが示された1980年後半以降、生体内
のNOが神経系や循環器系で生理的に重要な役割を担っ
ており、一方で過剰なNO産生は種々の炎症(慢性関節
リウマチ,潰瘍性大腸炎など)、自己免疫疾患、糖尿病
などの要因になっていることが種々報告され、生体内の
NO研究は急速に進展した。NOは一酸化窒素合成酵素
(Nitric Oxide Synthase:以下NOSと略称する)によ
りL−アルギニンを基質として産生される。NOSには
恒常型NOS(constitutive NOS: cNOSと略称す
る)と誘導型NOS(induced NOS:iNOSと略称す
る)の2種のイソ酵素(isozyme) があり、それぞれ異な
る器官で異なる作用を担っている。cNOSには血管内
皮細胞により産生される血管内皮型NOSと、神経組織
から分泌される神経型NOSの2種類があり、細胞内に
恒常的に存在し、生理的変化による酵素量の変化はほと
んど見られない。それに対して、iNOSはマクロファ
ージ、好中球、血管内皮細胞、平滑筋細胞、血小板など
から産生されるが、通常細胞内で認められず、各種サイ
トカインやエンドトキシンの成分であるリポポリサッカ
ライド(LPS)による刺激を受けて大量に数時間から
数日に亘って分泌される誘導酵素である。
【0003】NOSはL−アルギニン(L−Arg)を
L−シトルリンに変換する過程でNOを産生するが、過
剰なNOはiNOSにより誘導産生されることが明らか
にされている。産生NOは外敵を攻撃する生体防御であ
るが、その過剰産生は細胞毒になり自己組織をも破壊
し、自己免疫疾患をもたらす。重症感染では、エンドト
キシンにより起こる多臓器不全と低血圧ショックを起こ
す。従って、NOS阻害薬は低血圧ショック、組織障害
などの治療薬として期待されている。
【0004】
【発明の開示】本発明の目的はiNOS過剰産生に起因
する疾病の治療又は予防に有用なiNOS阻害薬を提供
することにある。上述のようにNOSにはcNOSとi
NOSの2種のイソ酵素があり、iNOS阻害薬を開発
するにはiNOSに対し選択的に高い阻害活性が求めら
れる。本発明者らはcNOSとiNOSの両者には基質
の認識に差があると予想し、既存の阻害剤であるL−A
rg構造類似体のC末部分を化学修飾して選択性を向上
させた高活性阻害薬を見いだした。
【0005】本発明は医薬、特に、iNOS過剰産生に
起因する疾病の治療又は予防に有用なiNOS阻害薬と
してのジペプジド型化合物およびその医薬としての使用
に関する。更に詳しくは、下記一般式(I) で表されるジ
ペプチド型化合物又はその生理的に許容される塩および
その医薬としての使用に関する。
【0006】
【化3】
【0007】(Rは水素原子、直鎖状若しくは分岐状の
1 〜C5 アルキル基、C3 〜C6 シクロアルキル基、
直鎖状若しくは分岐状のヒドロキシC1 〜C2 アルキル
基、メルカプトメチル基、メチルメルカプトエチル基、
ベンジル基、p−ヒドロキシベンジル基又はヘテロアリ
ールメチル基を意味し、R1 は下記式(II)又は(III)
【0008】
【化4】
【0009】で表される基を意味し、ここで、Ra は硫
黄原子又はN−NO2 基を意味し、Rb は直鎖状若しく
は分岐状のC1 〜C5 アルキル基、C3 〜C6 シクロア
ルキル基又は直鎖状若しくは分岐状のC1 〜C5 アルキ
ルチオ基を意味し、*印で指示される炭素での配置はL
型,D型又はDL型である。)
【0010】
【発明の具体的説明】本発明の化合物は上記一般式(I)
で示されるが、好ましい化合物は一般式(I)において*
印で指示される炭素での配置がL型であり、R1 がRa
においてN−NO2 であるか、又はRb において直鎖状
若しくは分岐状のC1 〜C5 アルキルチオ基であるジペ
プチド型化合物又はその生理的に許容される塩であり、
さらに好ましくは下記化合物又はその生理的に許容され
る塩が挙げられる。
【0011】S−メチル−L−イソチオシトルリニル−
L−フェニルアラニン、S−メチル−L−イソチオシト
ルリニル−L−ロイシンおよびL−N−ニトロアルギニ
ル−L−フェニルアラニン
【0012】一般式(I) で表される本発明の化合物は生
理的に許容される酸と塩を形成していてもよく、酸とし
ては、例えば、塩酸,臭化水素酸,ヨウ化水素酸,硫
酸,リン酸等の無機酸、酢酸,トリフルオロ酢酸,シュ
ウ酸,マレイン酸,フマル酸,マロン酸,乳酸,リンゴ
酸,クエン酸,酒石酸,安息香酸,メタンスルホン酸,
トシル酸等の有機酸が挙げられる。また、一般式(I) で
表される本発明の化合物は生理的に許容される塩基と塩
を形成していてもよく、塩基としては、アルカリ金属,
アルカリ土類金属, 有機塩基等が挙げられる。好ましく
は生理的に許容される酸との塩である。
【0013】本明細書中でヘテロアリールメチル基の
「ヘテロアリール」とは窒素原子,酸素原子及び硫黄原
子から選択される1〜2個のヘテロ原子を含んでなる5
員環若しくは6員環のヘテロアリール又はインドールを
意味する。
【0014】一般式(I) で表される本発明の化合物又は
その生理的に許容される塩は水和物及び/又は溶媒和物
として存在することもある。従って、このような形のも
のも当然本発明の化合物に包含される。本発明の化合物
には、複数の不斉炭素原子を有するものが含まれ、それ
らは異なる立体異性体として存在しうる。従って、これ
らの立体異性体もまた本発明の化合物に包含される。ま
た、一般式(I) において*印で指示される炭素での配置
にはD型、L型およびDL型があるが、これらすべて本
発明の化合物に包含される。
【0015】次に、本発明の化合物の製造法について以
下に説明する。
【0016】(製造法1)一般式(I) で表される本発明
の化合物において、R1 におけるRb が直鎖状若しくは
分岐状のC1 〜C5 アルキル基、C3 〜C6 シクロアル
キル基又は直鎖状若しくは分岐状のC1 〜C5 アルキル
チオ基である化合物は下記反応式(化5)に示される方
法により製造することができる。
【0017】
【化5】
【0018】(反応式中、Ra は硫黄原子を意味し、R
b は直鎖状若しくは分岐状のC1 〜C5 アルキル基、C
3 〜C6 シクロアルキル基又は直鎖状若しくは分岐状の
1 〜C5 アルキルチオ基を意味し、R’はカルボキシ
ル基の保護基を意味し、R”はアミノ基の保護基を意味
し、Rは前掲に同じ。)
【0019】Rb が直鎖状若しくは分岐状のC1 〜C5
アルキルチオ基である本発明の化合物(3) は、化合物
(1) に文献記載の方法に準じて、反応に関与しない適当
な溶媒中チオホスゲンを反応させ、さらにアンモニアガ
スで処理することにより化合物(2) とし、次いで対応す
るハロゲン化アルキルでS−アルキル化した後、酸処理
又は加水素分解で脱保護することにより得ることができ
る。カルボキシル基の保護基としてはペプチド化学で通
常用いられるtert−ブチル基、ベンジル基などが挙げら
れる。アミノ基の保護基としてはペプチド化学で通常用
いられるtert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシ
カルボニル基などが挙げられる。
【0020】また、Rb が直鎖状若しくは分岐状のC1
〜C5 アルキル基又はC3 〜C6 シクロアルキル基であ
る本発明の化合物(3) は化合物(1) に文献記載の方法に
準じて、反応に関与しない適当な溶媒中対応するカルボ
ン酸イミノエステルと反応させ、次いで酸処理又は加水
素分解で脱保護することにより得ることができる。
【0021】(製造法2)一般式(I) で表される本発明
の化合物において、R1 におけるRa が硫黄原子である
化合物は下記反応式(化6)に示される方法により製造
することができる。
【0022】
【化6】
【0023】(反応式中、Ra は硫黄原子を意味し、R
は前掲に同じ。)
【0024】製造法1で合成される化合物(2) を文献記
載の方法に準じて、酸処理することにより本発明の化合
物(4) を得ることができる。
【0025】(製造法3)また、一般式(I) で表される
本発明の化合物において、Ra が硫黄原子またはN−N
2 基である化合物は下記反応式(化7)に示される方
法により製造することができる。
【0026】
【化7】
【0027】(反応式中、Ra は硫黄原子またはN−N
2 基を意味し、R’はカルボキシル基の保護基を意味
し、R”はアミノ基の保護基を意味し、Rは前掲に同
じ。)
【0028】Ra が硫黄原子またはN−NO2 基である
本発明の化合物(8) は、化合物(5)と化合物(6) を縮合
剤の存在下に縮合させ化合物(7) とし、次いで酸処理又
は加水素分解で脱保護することにより得ることができ
る。縮合剤としては、N,N’−ジシクロヘキシルカル
ボジイミド,1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプ
ロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSCI・HCl),
N,N’−カルボニルジイミダゾールなどが挙げられ
る。カルボキシル基の保護基としてはペプチド化学で通
常用いられるtert−ブチル基、ベンジル基などが挙げら
れる。アミノ基の保護基としてはペプチド化学で通常用
いられるtert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシ
カルボニル基などが挙げられる。
【0029】上記製造法1〜3により製造される一般式
(I) で表される本発明の化合物はクロマトグラフィー,
イオン交換樹脂,再結晶,再沈澱等のペプチド化学で用
いられる通常の操作法により単離・精製される。
【0030】また、一般式(I) で表される本発明の化合
物は、原料化合物の選定,反応・処理条件等により、遊
離塩基または酸付加塩の形で得られる。酸付加塩は常
法、例えば、炭酸アルカリ,水酸化アルカリのような塩
基で処理することにより、遊離塩基に変えることができ
る。また、遊離塩基は常法に従って各種の酸と処理する
ことにより酸付加塩に導くことができる。
【0031】
【発明の効果】一般式(I) で表される本発明の化合物は
iNOSを選択的に高活性で阻害するので、一般式(I)
で表される本発明の化合物又はその生理的に許容される
塩は低血圧ショック、種々の炎症(リウマチ性炎症、慢
性関節リウマチ、潰瘍性大腸炎など)、ストレス性胃潰
瘍、自己免疫疾患、臓器移植後の組織障害、急性冠微小
血管塞栓、ショック性血管塞栓、虚血性脳障害、動脈硬
化、インシュリン依存性糖尿病などiNOS過剰産生に
起因する疾病の治療又は予防に使用することができる。
【0032】
【本発明化合物の医薬としての使用方法】本発明の化合
物をiNOS阻害薬として使用する場合、剤型としては
錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、シロップ
剤、懸濁剤などとして経口投与され、又、注射剤、点滴
剤、坐剤、ゲル剤、外用剤などとして非経口投与あるい
は直腸内投与される。これらの製剤は常法に従って調製
される。なお、液体製剤にあっては、用時、水又は他の
適当な媒体に溶解又は懸濁する形であってもよい。また
錠剤、顆粒剤は周知の方法でコーテイ ングしてもよい。
注射剤の場合には、主薬を注射用水に溶解させて調製さ
れるが、必要に応じてpH調節剤、緩衝剤、等張化剤、
安定化剤、可溶化剤などを添加してもよく、常法により
皮下、筋肉内、静脈内、脳室内用注射剤とすることがで
きる。投与量としては、投与方法、患者の症状・年齢、
処置形式(予防又は治療)等により異なるが、通常成人
1日あたり0.1mg〜1000mg、好ましくは2mg〜5
00mgを1日1〜数回に分けて経口投与される。または
1回に100μg 〜100mgを1日1〜数回に分けて非
経口に投与され、好ましくは静脈内または脳室内に投与
される。
【0033】本発明の化合物を、医薬品として許容され
る通常の製剤用担体と混合して調製した製剤の形で投与
される場合、製剤用担体としては、賦形剤,結合剤,崩
壊剤, 滑沢剤, 抗酸化剤,コーティング剤,界面活性
剤, 流動性促進剤, 矯味矯臭剤, 着色剤, 可塑剤,香料
など製剤分野において常用される担体を用い、かつ本発
明の化合物と反応しない担体が適宜選択され使用され
る。
【0034】これらの製剤は、本発明の化合物を0.0
1%以上、好ましくは0.05〜70%の割合で含有す
ることができる。これらの製剤はまた、治療上有効な他
の成分を含有してもよい。
【0035】
【実施例】以下に本発明の代表的化合物について試験例
(薬理試験方法)およびその結果を示し、本発明の化合
物の作用の特徴について説明する。また、実施例を挙げ
て、本発明の化合物について具体的に説明する。記載の
簡略化のために、以下において次の略号を使用すること
もある。
【0036】Phe:フェニルアラニン; Orn:オ
ルニチン; Leu:ロイシン;Arg:アルギニン;
MIT:S−メチルイソチオシトルリニル基;TCi
t:チオシトルリニル基; NIO:Nε−イミノエチ
ルオルニチニル基; NNA:NG −ニトロアルギニ
ン; BOC又はBoc:tert−ブトキシカルボニル
基; Z:ベンジルオキシカルボニル基; tBu:te
rt−ブチル基;DMSO−d6 :重水素化ジメチルスル
ホキシド; TMS:テトラメチルシラン; WSCI
・HCl:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロ
ピル)カルボジイミド塩酸塩。
【0037】試験例 NOS阻害活性(トリチウムラベ
ル法による測定)
【0038】50mM Hepes・塩酸緩衝液(pH 7.4),被検物
質, 17nM [3H]-L-アルギニン, 1mMNADPH, 1mMエチレン
ジアミン四酢酸(EDTA),1mM ジチオトレイトール(DTT),
6μg/ml 6Sテトラヒドロビオプテリン(以下nMO
Sのみ), 1.25mM 塩化カルシウム, 10μg/ml カルモジ
ュリンを含む)125 μnMOS(ケイマン60870,ラット
脳)またはiNOS(ケイマン60862,マウスマクロファ
ージ)を50mM Hepes・塩酸緩衝液(pH 7.4, 10%グリセロ
ール, 100 μM DTT (nMOSのみ)を含む)で10倍
に希釈して25μl 添加した。22℃で5分間インキュベ
ートし、20mMHepes ・塩酸緩衝液(pH 5.5, 5mM EDTA を
含む)を2mL 加えて反応を停止した。反応液を陽イオン
交換樹脂カラム(ISOLUTE PRS, H-FORM, 500mG, 3ml) に
通し4mlの水で生成した[3H]- シトルリンを流出させ、
液体シンチレーションカクテルを加えて放射活性(S) を
測定した。尚、被検物質を含まない場合の放射活性(C)
および酵素を加えない場合の放射活性(B) も測定し、阻
害率を下記式(数1)により算出した。これより、被検
物質の50% 阻害に必要な濃度(IC50)を求めた。その結果
を表1に示す。
【0039】
【数1】阻害率(%)=100×[1−(S−B)/
(C−B)]
【0040】
【表1】 *1 実施例1の化合物を意味する(以下同じ)。
【0041】表1から明らかのように、これら被検化合
物はいずれもiNOSを選択的に阻害する。
【0042】実施例1 S−メチル−L−イソチオシト
ルリニル−L−フェニルアラニン・二塩酸塩 (L-MIT-L-
Phe ・2HCl) (化8)の製造:
【0043】
【化8】
【0044】1) Nε−Z−Nα−Boc−L−オルニ
チニル−L−フェニルアラニンtert−ブチルエステル
(Nε-Z-Nα-BOC-L-Orn-L-Phe-OtBu)の合成:
【0045】文献(G.C.Wallaceら, J. Med. Chem., 199
1,34, 1746) 記載の方法に従って合成した Nε-Z-Nα-B
OC-L- オルニチン(Nε-Z-Nα-BOC-L-Orn-OH) 3.697g (1
0mmol)とH-L-Phe-OtBu 2.434g (11mmol)をジクロロメタ
ン35mlに溶解し、氷冷した。WSCI・ HCl 2.300g (12mmo
l)を加え、室温に戻して1晩攪拌した。反応液を1%クエ
ン酸水溶液、4%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水
で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を
留去し、得られた黄色アモルファスの粉末をシリカゲル
カラムグラフィー(溶出液: ジクロロメタン−10% 酢酸
エチル, Rf値=0.2)に付し、精製した。得られた結晶を
n−ヘキサン−酢酸エチルから再結晶し、 Nε-Z-Nα-B
OC-L-Orn-L-Phe-OtBu 4.557g (79%)を無色結晶として得
た。融点102℃.
【0046】1H-NMR 300MHz (in CDCl3-TMS): δ7.34
(m, 5H, Z-phenyl), 7.3-7.1(m, 5H,Phe-Phenyl), 6.69
(d broad, 0.6H, J=7.3, amide-NH), 5.05(d, 2H, J=
4.1,Z-CH2), 4.92 (m, 0.7H, amide-NH), 4.70(q, 1H,
J=7.7, Phe- α-H), 4.21 (m, 1H, Orn-α-H), 3.35
(m, 1H, Orn-δ-H), 3.15 (m, 1H, Orn-δ-H), 3.06 (d
d, 2H, Jββ=6.2, Jαβ=1.8, Phe-β-H), 1.8-1.5
(m, 4H, Orn- β, γ-H),1.43 (s, 9H, t-butyl), 1.38
(s, 9H, t-butyl).
【0047】2) Nα−Boc−L−オルニチニル−L
−フェニルアラニンtert−ブチルエステル (Nε-H-Nα
-BOC-L-Orn-L-Phe-OtBu)の合成:
【0048】Nε-Z-Nα-BOC-L-Orn-L-Phe-OtBu 1.709g
(3mmol)をメタノール10mlに溶解し、アルゴンで脱気置
換したのち、触媒のパラジウム−炭素(Pd-C)182mg を添
加し、水素置換した。水素雰囲気下に室温で3時間攪拌
し、理論量の水素を添加させた。反応後、Pd-Cを濾去
し、濾液を濃縮し、淡黄色アモルファスの Nε-H-Nα-B
OC-L-Orn-L-Phe-OtBu 1.130g (86%)を得た。
【0049】1H-NMR 300MHz (in CDCl3-TMS): δ7.3-7.
1(m, 5H, phenyl), 5.44 (d broad,0.7H, J=6.3, amide
-NH), 4.74(q, 1H, J=7.9, Phe-α-H), 4.15 (m, 1H, O
rn-α-H), 3.08 (d, 2H, J=6.4, Orn- δ-H), 2.71 (m,
2H, Phe-β-H), 1.9-1.5 (m, 4H, Orn- β, γ-H), 1.
44 (s, 9H, t-butyl), 1.40(s, 9H, t-butyl).
【0050】3) Nα−Boc−L−チオシトルリニル
−L−フェニルアラニンtert−ブチルエステル (Nα-B
OC-L-TCit-L-Phe-OtBu) の合成:
【0051】Nε-H-Nα-BOC-L-Orn-L-Phe-OtBu 1.130g
(2.6mmol), チオホスゲン 0.40ml(3.4mmol), 炭酸カル
シウム 680mg, クロロホルム12mlおよび水12mlの混合物
を1晩激しく攪拌した。翌日不溶物を濾去し、有機層を
分液抽出し、水層をジクロロメタンで洗って洗液を合わ
せた。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し
た。残渣をメタノール24mlに溶解して氷冷し、アンモニ
アガスを15-20 分間通気した後4時間攪拌した。溶媒を
留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶出液: 酢酸エチル:n-ヘキサン=4 :1 ; Rf=0.3 )
に付し、精製して、 Nα-BOC-L-TCit-L-Phe-OtBu 1.108
g (83%) を淡黄色アモルファスとして得た。
【0052】1H-NMR 300MHz (in CDCl3-TMS): δ7.3-7.
1 (m, 5H, phenyl), 6.56 (s broad, 0.5H, -NH), 6.26
(s broad, 0.8H, -NH), 5.45 (d broad, 1H, J=7.3, a
mide-NH), 4.67 (q, 1H, J=6.8, Phe-α-CH), 4.15 (m,
1H, TCit-α-CH), 3.54 (m,1H, TCit-δ-CH2), 3.07
(dd, 1H, Jββ=6.4, Jαβ=3.6, Phe-β-CH2), 2.38
(s broad, 1H, NH2), 1.9-1.5 (m, 4H, TCit- β, γ-C
H2), 1.42 (s, 9H, t-butyl), 1.39 (s, 9H, t-butyl).
【0053】13C-NMR 300MHz (in CDCl3-TMS):δ171.8,
156.7(C=S), 137.0, 130.3, 129.3, 127.9, 83.5, 81.
1, 61.3, 54.9, 38.8, 29.2, 28.8, 21.9, 15.1.
【0054】4) L-MIT-L-Phe ・2HClの合成:
【0055】N α-BOC-L-TCit-L-Phe-OtBu 594mg (1.20
mmol) をアセトニトリル3ml に溶解し、ヨードメタン1.
1ml (12mmol)を加えて室温で1時間攪拌した後、溶媒を
留去した。残渣にトリフルオロ酢酸 (TFA) 3ml, 水0.1m
l,フェノール211mg,チオアニソール0.1ml,エタンジチオ
ール0.05mlを加え、1時間攪拌した。反応液を50℃に加
熱してアルゴン気流下にTFA をある程度蒸発させた後、
大量のエーテルを加えてガム状の沈殿物をとり、上清を
捨てた(この操作を2、3回繰り返した)。沈殿物を水
に溶解し、陰イオン交換樹脂(AMBERLITE IRA-400, Cl-
form)に通した。溶媒を減圧下に留去し、得られた固体
をメタノール−エーテルから結晶化させ、L-MIT-L-Phe
・ 2HCl 281mg (55%) を得た。本品は強吸湿性。融点は
アモルファスの粉末のため測定できなかった。旋光度:
[α]D = +15.5 °(24 ℃in EtOH). FAB MS: M + +1=
353.
【0056】1H-NMR 300MHz (in DMSO-d6): δ9.03 (s
broad, 1H, -NH), 7.3-7.2 (m, 5H,phenyl), 4.42 (q,
1H, J=4.0, Phe-α-CH), 3.85 (t, 1H, J=6.2, TCit-
α-CH), 3.09 (dd, 1H, Jββ=14.1, Jαβ=4.0, Phe-
β-CH2), 2.95 (dd, 1H, Jββ=13.5, Jαβ=8.2, Phe-
β-CH2), 2.63 (s, 3H, SCH3), 1.70 (m, 2H, TCit-β,
γ-CH2), 1.64 (m, 2H, TCit- β, γ-CH2).
【0057】対応する原料化合物を用いて、実施例1と
同様に反応/処理して、実施例2,3の化合物を得る。
【0058】実施例2 S−メチル−L−イソチオシト
ルリニル−D−フェニルアラニン・二塩酸塩 (L-MIT-D-
Phe ・2HCl) (化9):アモルファスの粉末。
【0059】
【化9】
【0060】1H-NMR 300MHz (in DMSO-d6): δ9.22 (d,
0.5H, J=8.4, -NH), 9.02 (d, 0.5H, J=9.2, -NH), 8.
29 (s, broad, 2H, -NH2), 7.3-7.2 (m, 5H, phenyl),
4.55(m, 1H, Phe- α-H), 3.84 (m, 1H, MIT-α-H), 3.
2 (m, 2H, MIT- δ-H), 2.65 (s, 3H, SCH3), 1.54 (m,
1H, Phe-β-H), 1.37 (m, 2H, MIT-β, γ-H), 1.22
(m, 2H, MIT-β, γ-H). FAB MS: M + +1=353.
【0061】実施例3 S−メチル−L−イソチオシト
ルリニル−L−ロイシン・二塩酸塩(L-MIT-L-Leu・ 2HC
l)(化10) : アモルファスの粉末。
【0062】
【化10】
【0063】1H-NMR 300MHz (in D2O): δ4.20 (t, 1H,
J=7.5, Leu-α-H), 3.91 (t, 1H,J=6.3, MIT- α-H),
3.28 (t, 2H, J=6.9, MIT- δ-H), 2.44 (s, 3H, SC
H3), 1.81 (m, 2H, Leu-β-H), 1.7-1.5 (m, 4H, MIT-
β, γ-H), 1.52 (d, 1H, J=4.6, Leu- δ-H), 0.77 (d
d, 6H, J=10.2, 6.1, Leu-CH3 ×2).
【0064】実施例4 L−チオシトルリニル−L−フ
ェニルアラニン・トリフルオロ酢酸塩 (L-TCit-L-Phe・
CF3CO2H) (化11)の製造:
【0065】
【化11】
【0066】N α-BOC-L-TCit-L-Phe-OtBu をTFA に溶
解し、室温下1時間攪拌する。TFAを留去し、残渣にエ
ーテルを加えて結晶化させ、濾取する。メタノール−エ
ーテルから再結晶し、L-TCit-L-Phe・ CF3CO2Hを得る。
融点127−129℃
【0067】1H-NMR 300MHz (in DMSO-d6): δ8.59 (s,
broad, 1H, -NH), 7.28 (s, broad, 1H, -NH), 7.3-7.
2 (m, 5H, phenyl), 7.01 (s, broad, 1H, -NH), 4.44
(m,1H, Phe-α-H), 3.41 (m, 1H, TCit- α-H), 2.94
(m, 1H, Phe-β-H), 1.67 (m, 2H, TCit- β, γ-H),
1.49 (m, 2H, TCit- β, γ-H). 旋光度: [α]D =+3
2.8 °(24 ℃ in EtOH).
【0068】対応する原料化合物を用いて、実施例4と
同様に反応/処理して、実施例5の化合物を得る。
【0069】実施例5 L−チオシトルリニル−D−フ
ェニルアラニン・トリフルオロ酢酸塩 (L-TCit-D-Phe・
CF3CO2H)(化12): 融点128−130℃.
【0070】
【化12】
【0071】1H-NMR 300MHz (in DMSO-d6): δ8.66 (s,
broad, 1H, -NH), 7.69 (s, broad, 0.5H, -NH), 7.3-
7.2 (m, 5H, phenyl), 7.10 (s, broad, 1H, -NH), 4.5
2 (m, 1H, Phe-α-H), 3.69 (m, 1H, TCit- α-H), 3.1
4 (d, 1H, J=10.8, Phe-β-H), 2.84 (d, 1H, J=9.5, P
he- β-H), 1.45 (m, 2H, TCit- β, γ-H), 1.20 (m,
2H, TCit- β, γ-H). 旋光度: [α]D = +16.7 °(2
4 ℃ in EtOH).
【0072】実施例6 L−N−ニトロアルギニル−L
−ロイシン・トリフルオロ酢酸塩(L-N-(NO2)Arg-L-Leu
・CF3CO2H)(化13)の製造:
【0073】
【化13】
【0074】1) Nα−Boc−L−N−ニトロアルギ
ニル−L−ロイシンtert−ブチルエステル (Nα-BOC-L
-N-(NO2)Arg-L-Leu-OtBu) の合成:
【0075】市販のL−NG −ニトロアルギニンから誘
導される Nα-BOC-L-N-(NO2)Arg-OH1.631g (5.1mmol)
とH-L-Leu-OtBu 685mg (3.7mmol)をジメチルホルムアミ
ド(DMF)30ml 中で混合し、氷冷下 WSCI ・HCl 964mg (5
mmol) を加え、室温に戻して2日間攪拌した。反応後、
DMF をある程度減圧下に留去し、残渣に酢酸エチルを加
え、1%クエン酸水溶液、4%炭酸水素ナトリウム水溶液の
順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去
した。残渣をシリカゲルカラムグラフィー(溶出液: ジ
クロロメタン:酢酸エチル=1 : 1, Rf 値=0.1)に付
し、精製し、溶媒を留去した。得られた結晶をn−ヘキ
サン−酢酸エチルから再結晶し、無色鱗片状結晶の Nα
-BOC-L-(NO2)Arg-L-Leu-OtBu 1.182g (66%) を得た。
【0076】1H-NMR 300MHz (in CDCl3-TMS): δ7.48
(s broad, 1H, -NH), 6.70 (d, 1H,J=6.0, amide-NH),
5.39 (d, 1H, J=7.9, -NH), 4.44 (m, 1H, Leu- α-C
H), 4.26 (m, 1H, NNA- α-CH), 3.32 (m, 2H, NNA- δ
-CH2), 1.8-1.5 (m, 7H, NNA-β, γ-CH2, Leu-β-CH2,
Leu-γ-CH), 1.46 (s, 9H, t-butyl), 1.44 (s, 9H,t-
butyl), 0.93 (td, 6H, J=5.5, 1.5, Leu-CH3 ×2).
【0077】2) L-N-(NO2)Arg-L-Leu ・CF3CO2H の合
成:N α-BOC-L-(NO2)Arg-L-Leu-OtBuをTFA に溶解し、
室温下1時間攪拌した。TFA を留去し、残渣にエーテル
を加えて結晶化させ、結晶を濾取した。メタノール−エ
ーテルから再結晶し、白色粉末のL-N-(NO2)Arg-L-Leu・
CF3CO2H 460mg (79%) を得た。融点116−118℃.
【0078】1H-NMR 300MHz (in D2O): δ4.19 (t, 1H,
J=6.2, Leu-α-CH), 3.88 (t, 1H,J=6.2, NNA-α-CH),
3.15 (m, 2H, NNA- δ-CH2), 1.78 (q, 2H, J=7.5, Le
u-β-CH2), 1.50 (m, 5H, NNA-β, γ-CH2, Leu-γ-C
H2), 0.73 (dd, 6H, J=10.4,6.0, Leu-CH3 ×2).
【0079】対応する原料化合物を用いて、実施例6と
同様に反応/処理して、実施例7の化合物を得る。
【0080】実施例7 L−N−ニトロアルギニル−L
−フェニルアラニン・トリフルオロ酢酸塩 (L-N-(NO2)A
rg-L-Phe・CF3CO2H)(化14):融点149−151
℃.
【0081】
【化14】
【0082】1H-NMR 300MHz (in DMSO-d6): δ7.2-7.1
(m, 5H, phenyl), 4.31(dd, 1H, J=9.0, 5.5, Phe- α-
H), 3.79 (t, 1H, J=6.4, Arg- α-H), 3.09 (t, 2H, J
=6.8,Arg- δ-H), 3.06 (dd, 1H, Jαβ=5.1, Phe-β-
H), 2.86 (dd, 1H, Jββ=14.2, Jαβ=9.2, Phe-β-
H), 1.72(m, 2H, Arg- β, γ-H), 1.45 (m, 2H, Arg-
β, γ-H).
【0083】実施例8 Nε−イミノエチル−L−オル
ニチニル−L−フェニルアラニン・二塩酸塩 (L-NIO-L-
Phe ・2HCl) (化15)の製造:
【0084】
【化15】
【0085】1) Nα−Boc−Nε−イミノエチル−
L−オルニチニル−L−フェニルアラニンtert−ブチル
エステル (Nα-BOC-L-NIO-L-Phe-OtBu)の合成:
【0086】Nε-Z-Nα-BOC-L-Orn-L-Phe-OtBu 501mg
(0.88mmol)を実施例1(2) と同様に処理して得られた N
ε-H-Nα-BOC-L-Orn-L-Phe-OtBu とイミノ酢酸エチル塩
酸塩124mg (1mmol) をメタノール5ml に加え均一に溶解
して、1 晩攪拌した。溶媒を留去し、残渣をアルミナカ
ラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン-2% メタノー
ルでカラムを洗い、ジクロロメタン-6% メタノールで溶
出)に付した。フラクションはアルミナTLC 上ジクロロ
メタン-10%メタノールで展開し、Ce-Mo 発色で追跡し、
原点付近のものを集め、 Nα-BOC-L-NIO-L-Phe-OtBu 17
3mg (38%) を無色のアモルファスとして得た。
【0087】1H-NMR 300MHz (in CDCl3-TMS): δ7.27-
7.18 (m, 5H, phenyl), 4.70 (t, 1H, J=5.9, Phe- α-
H), 4.23 (m, 1H, NIO-α-H), 3.19 (m, 2H, NIO-δ-
H), 3.08 (d, 2H, J=6.6, Phe- β-H), 1.99 (s, 3H, C
H3), 1.9-1.6 (m, 4H, NIO-β,γ-H), 1.43 (s, 9H, t-
butyl), 1.37 (s, 9H, t-butyl).
【0088】2) L-NIO-L-Phe ・2HClの合成:N α-BOC
-L-NIO-L-Phe-OtBu 173mg (0.34mmol)をTFA 3ml に溶解
し、1時間攪拌した。反応液を濃縮乾固し、残渣にエー
テルを加え、ガム状の沈殿物を濾取し、塩酸飽和エーテ
ル中に懸濁させた。沈殿物を濾取、乾燥して、アモルフ
ァスのL-NIO-L-Phe ・2HCl 99mg (77%) を得た。吸湿
性。
【0089】1H-NMR 300MHz (in D2O): δ7.24-7.15
(m, 5H, phenyl), 4.60-4.54 (m, 1H,Phe- α-H), 3.82
(t, 1H, J=6.2, NIO- α-H), 3.11 (dd, 1H, Jαα=1
5.4, Jαβ=5.5, Phe-β-H), 3.08 (t, 2H, J=7.1, NIO
- δ-H), 2.96 (dd, 1H, Jαα=14.2, Jαβ=8.7, Phe-
β-H), 2.05 (s, 3H, CH3), 1.71 (m, 2H, NIO- β-H),
1.49 (m, 2H, NIO-β, γ-H). FAB MAS M + +1= 321.
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年3月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【技術背景】1980年にFurchgott らにより、血管弛緩・
血小板凝集抑制作用を有する内皮由来弛緩因子(エンド
セリン由来弛緩因子:EDRF)の存在が初めて明らか
にされ、続いて、Moncada らによりその本態がL−アル
ギニン由来の一酸化窒素(Nitric Oxide: 以下NOと略
称する)であることが示された1980年後半以降、生体内
のNOが神経系や循環器系で生理的に重要な役割を担っ
ており、一方で過剰なNO産生は種々の炎症(慢性関節
リウマチ,潰瘍性大腸炎など)、自己免疫疾患、糖尿病
などの要因になっていることが種々報告され、生体内の
NO研究は急速に進展した。NOは一酸化窒素合成酵素
(Nitric Oxide Synthase:以下NOSと略称する)によ
りL−アルギニンを基質として産生される。NOSには
恒常型NOS(constitutive NOS: cNOSと略称す
る)と誘導型NOS(induced NOS:iNOSと略称す
る)の2種のイソ酵素(isozyme) があり、それぞれ異な
る器官で異なる作用を担っている。cNOSには血管内
皮細胞により産生される血管内皮型NOS(eNOSと
略称する)と、神経組織から分泌される神経型NOS
(nNOSと略称する)の2種類があり、細胞内に恒常
的に存在し、生理的変化による酵素量の変化はほとんど
見られない。それに対して、iNOSはマクロファー
ジ、好中球、血管内皮細胞、平滑筋細胞、血小板などか
ら産生されるが、通常細胞内で認められず、各種サイト
カインやエンドトキシンの成分であるリポポリサッカラ
イド(LPS)による刺激を受けて大量に数時間から数
日に亘って分泌される誘導酵素である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】50mM Hepes・塩酸緩衝液(pH 7.4),被検物
質, 17nM [3H]-L-アルギニン, 1mMNADPH, 1mMエチレン
ジアミン四酢酸(EDTA),1mM ジチオトレイトール(DTT),
M 6S- テトラヒドロビオプテリン(以下nOS
のみ), 1.25mM 塩化カルシウム, 10μg/ml カルモジュ
リンを含む)125 μl に、OS(ケイマン60870,ラ
ット脳)またはiNOS(ケイマン60862,マウスマクロ
ファージ)を50mM Hepes・塩酸緩衝液(pH 7.4, 10%グリ
セロール, 100 μM DTT (nOSのみ)を含む)で1
0倍に希釈して25μl 添加した。22℃で5分間インキ
ュベートし、20mM Hepes ・塩酸緩衝液(pH 5.5, 5mM E
DTA を含む)を2mL 加えて反応を停止した。反応液を陽
イオン交換樹脂カラム(ISOLUTE PRS, H-form, 500mg, 3
ml) に通し4 mlの水で生成した[3H]- シトルリンを流出
させ、液体シンチレーションカクテルを加えて放射活性
(S) を測定した。尚、被検物質を含まない場合の放射活
性(C) および酵素を加えない場合の放射活性(B) も測定
し、阻害率を下記式(数1)により算出した。これよ
り、被検物質の50% 阻害に必要な濃度(IC50)を求めた。
その結果を表1に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 38/55 ADP A61K 37/64 ACL AED ADP C12N 9/99 AED // C07M 7:00 (72)発明者 樋口 恒彦 東京都練馬区光が丘7丁目6番1号1102 (72)発明者 廣部 雅昭 東京都渋谷区元代々木町25番11号 (72)発明者 長野 哲雄 東京都杉並区阿佐谷北3丁目32番25号110

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化1で表されるジペプチド型化合物又は
    その生理的に許容される塩。 【化1】 (Rは水素原子、直鎖状若しくは分岐状のC1 〜C5
    ルキル基、C3 〜C6 シクロアルキル基、直鎖状若しく
    は分岐状のヒドロキシC1 〜C2 アルキル基、メルカプ
    トメチル基、メチルメルカプトエチル基、ベンジル基、
    p−ヒドロキシベンジル基又はヘテロアリールメチル基
    を意味し、R1 は化2で表される基を意味し、 【化2】 ここで、Ra は硫黄原子またはN−NO2 基を意味し、
    b は直鎖状若しくは分岐状のC1 〜C5 アルキル基、
    3 〜C6 シクロアルキル基又は直鎖状若しくは分岐状
    のC1 〜C5 アルキルチオ基を意味し、*印で指示され
    る炭素での配置はL型,D型又はDL型である。)
  2. 【請求項2】 *印で指示される炭素での配置がL型で
    あり、R1 がRa においてN−NO2 であるか、又はR
    b において直鎖状若しくは分岐状のC1 〜C5 アルキル
    チオ基である請求項1記載のジペプチド型化合物又はそ
    の生理的に許容される塩。
  3. 【請求項3】 S−メチル−L−イソチオシトルリニル
    −L−フェニルアラニン、S−メチル−L−イソチオシ
    トルリニル−L−ロイシン及びL−N−ニトロアルギニ
    ル−L−フェニルアラニンから選ばれるいずれか1つの
    ジペプチド型化合物又はその生理的に許容される塩。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の化合
    物を有効成分とする一酸化窒素合成酵素阻害剤。
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