JPH10233381A - 部品洗浄方法 - Google Patents

部品洗浄方法

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JPH10233381A
JPH10233381A JP3747997A JP3747997A JPH10233381A JP H10233381 A JPH10233381 A JP H10233381A JP 3747997 A JP3747997 A JP 3747997A JP 3747997 A JP3747997 A JP 3747997A JP H10233381 A JPH10233381 A JP H10233381A
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rinsing
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Takashi Tsutsumi
岳志 堤
Naohiko Sado
直彦 佐渡
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】各種精密機器等の非常に高度な清浄度が要求さ
れる機器の部品洗浄方法を提供する。 【解決手段】洗浄剤としてノニオン界面活性剤てある中
性洗浄剤を用い、すすぎ工程をその洗浄剤の曇り点温度
以下で行う工程を一工程以上行う。これにより、ノニオ
ン界面活性剤の水和結合を保ってすすぎを行うので、洗
浄剤の残留分を低減できる。また、万一洗浄剤が微量残
留しても、磁気記憶媒体のような敏感な被洗浄物質に悪
影響を与えない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種精密機器等
の非常に高度な清浄度が要求される機器の部品洗浄方
法、特に非イオン性界面活性剤を用いた洗浄方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、精密機器、或いはそれらを構成
する各種部品の製造工程の中に、それら機器や部品の洗
浄工程が組み入れられている。部品に付着した汚損物質
を除去し、各製造段階や組み立て過程で必要な清浄度レ
ベルを満すために行われる洗浄工程は、その製品の特性
や信頼性を確保する上でも非常に重要な製造工程の一つ
である。
【0003】洗浄方法は、気体で行われるドライ洗浄
と、液体で行われるウエット洗浄とに大別される。ドラ
イ洗浄は特定の汚損物質の除去のみを対象に用いられる
ケースが多くかなり限定された洗浄方法である。一方、
ウエット洗浄は、被洗浄部品の材質・形状や付着汚損物
質の種類あるいは洗浄前後の製造工程などに応じた柔軟
なシステムが構築可能であり、その適用範囲もかなり広
範に渡っていて、一般的な部品洗浄においてはウエット
洗浄が主流である。
【0004】ウエット洗浄の工程は、付着した汚損物質
を除去するいわゆる狭義の洗浄工程と、洗浄後に清浄な
液ですすぐすすぎ工程と、洗浄に用いた洗浄液あるいは
すすぎ液を乾燥させる乾燥工程の3つの工程で構成され
ている。この狭義の洗浄工程では、汚れを除去するため
の各種洗浄剤が用いられることが多い。被洗浄部品の形
状,材質や付着汚損物質あるいは製品や部品の要求清浄
度、更には洗浄方式や設備などによっても様々な洗浄剤
が適用されるが、被洗浄部品の清浄度の向上には最適な
洗浄剤の選定が不可欠である。
【0005】これら洗浄剤の種類は市販されているもの
だけでも何千種と言われているが、その主成分の系統に
よりいくつかの種類に分類される。その区分や分類方法
は明確に定義されていないが、水で希釈して洗浄、すす
ぎを行ういわゆる「水系」タイプの洗浄剤と、炭化水素
やハロゲン系溶剤を原液あるいは蒸気にて使用し洗浄、
すすぎを行ういわゆる「溶剤系」タイプおよび油性の汚
れ除去を主眼とする「油系」タイプとに大別される。
【0006】水系洗浄剤は、一般的に水溶性の汚損物質
の除去に効果があるとされており、例えばNa+ ,K+
などのカチオンやCl- ,NO3 - などのアニオンなど
のイオン性物質の除去や、極性の大きな汚損物質の除去
には非常に有効な洗浄剤である。また、水系洗浄剤は、
アルカリの炭酸塩,珪酸塩,燐酸塩などに界面活性剤を
配合したいわゆるアルカリ系洗浄剤と、界面活性剤のみ
で構成されたいわゆる界面活性剤系洗浄剤に大別され、
更に界面活性剤系洗浄剤にはアニオン系と非イオン性
(以下ノニオン系と記す)洗浄剤とがある。
【0007】アルカリ系洗浄剤は、その構成されるアル
カリ剤のけん化反応で付着汚損物質を除去する作用を持
つため、広範な汚損物質に対して大きな洗浄効果を持つ
が、反面、基材などへのダメージが比較的大きいこと
や、洗浄剤自身のアルカリ成分が腐食性物質であること
から、万一洗浄剤が残留した場合に、製品への影響が大
きいこと、取り扱いに注意を要することなどの問題を持
っている。
【0008】これに対し、界面活性剤系洗浄剤は界面活
性剤の浸透、乳化、引き剥がし作用などにより付着汚損
物質を除去するため、アルカリ系洗浄剤と比較して洗浄
効果は若干劣るものの、基材への影響が少なく、比較的
低濃度で洗浄効果を発揮でき、洗浄剤の残留の影響も少
なく取り扱いも容易であるなどの特長を持つ。このた
め、特にクリーンルーム内で製造、組み立てなどが行わ
れる、高度な清浄度が要求される各種精密機器、部品な
どの洗浄工程には界面活性剤系の洗浄剤が比較的多く用
いられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】精密機器、部品の洗浄
では界面活性剤系洗浄剤が多用されていることは前項で
述べたが、これら洗浄システムとしては多槽式浸漬揺動
超音波洗浄方式が一般的には用いられている。これら一
般的な洗浄システムの槽構成は、洗浄剤を保持するいく
つかの洗浄槽と、純水などを保持するいくつかのすすぎ
槽とで構成され、各槽にて順次処理が行われた被洗浄部
品は、最終的に熱風乾燥などの乾燥設備を通って洗浄工
程を完了する。
【0010】洗浄における一般的な付着汚損物質を被洗
浄部品から除去するという視点では、洗浄効果を向上さ
せるためにできるだけ高い温度で洗浄を行うことが望ま
しく、被洗浄物の基材にダメージを与えない範囲で物理
的,化学的反応を十分活用し洗浄効果を高める必要があ
る。そのために、洗浄液槽ならびにすすぎ液槽における
洗浄温度あるいはすすぎ温度を一般的には60℃程度に
高めて洗浄するケースが多い。
【0011】ここで、高度な清浄度が要求される精密機
器の例として、例えばハードディスクドライブモーター
を取り上げ、その要求される清浄度を説明する。図2
は、ハードディスクドライブモーターの部分断面図であ
り、一点鎖線に関し対称となっている。1はドライブモ
ーターのベースであり、シャフト3とコイル5が取り付
けられている。シャフト3の周りには、ボールベアリン
グ4を介してハブ2が取り付けられている。7は書き込
み、読み取りのための磁気ヘッドである。コイル5と磁
極8とでモーターが構成されている。ハブ2には、円盤
状の磁気記憶媒体6が固定されて駆動されている。この
ハードデイスクドライブモーターでは、磁気記憶媒体6
の高密度化に伴い、磁気ヘッド7の浮上量はnmレベル
にまで狭まってきている。また、この磁気記憶媒体6
は、基板の上に金属薄膜状の磁性層が形成され構成され
ているため、比較的腐食耐性が弱い。
【0012】ハードディスクドライブモーターにおいて
は、これら磁気記憶媒体やヘッドなどを外気と遮断して
格納する構造となっているため、磁気記憶媒体と一緒に
格納される駆動用のモーターやその他構成部品の洗浄が
不十分であると、長期の使用中に有機ガスなどのコンタ
ミネーションのため、磁気記憶媒体の腐食が起きた例が
報告されている。従って、本モーター部品の洗浄におい
ては、nmの数分の1ないし数十分の1の付着パーティ
クルのみならず、イオン性汚損物質や、有機ガスなども
除去して高度な清浄度を確保するものとしなければなら
ない。
【0013】洗浄に用いられる洗浄剤にはその種類に応
じて様々な特徴をもっていることは前項にて述べた。一
般的に界面活性剤は際立って極性または親媒性の異なる
少なくとも2種以上の機能部分(原子団)から成り立っ
ている。単純に言うと例えば脂肪酸や脂肪酸誘導体など
の油脂類や、パラフィンやオレフィンなどの石油類のよ
うな親油性を有する原子団の部分と、例えばカルボン酸
やアミン塩あるいはアミノ酸や多価アルコールのような
親水性を有する原子団がつながった分子構造を有してい
る。例えば一般部品の精密な洗浄などに用いられる洗浄
剤のうちノニオン系中性水系洗浄剤ではノニオン系界面
活性剤が洗浄剤を構成する主成分であるが、このノニオ
ン系界面活性剤における親水基としては、例えばグリセ
リンやポリエチレングリコールなどの多価アルコールの
ような原子団が用いられている。
【0014】このノニオン系界面活性剤では水溶液特有
の現象として曇り点(cloudpoint)があるこ
とが一般的に知られている。例えばポリオキシエチレン
鎖のエーテル結合部分(−O−)に水が弱く結合して水
和物を形成することによって、比較的低温では界面活性
剤が水に溶解している。しかし、水溶液の温度が上昇す
ると、その結合が破られて水和性が消滅するため、界面
活性剤の溶解度が減じて析出してくる。この析出温度を
曇り点と称している。この曇り点以上の温度では、界面
活性剤の諸性能は著しく減退してしまう弱点を有してい
る。
【0015】この曇り点は、親水基,親油基の違いによ
りかなり温度差を有している。例えばポリオキシエチレ
ン基を持つノニオン系界面活性剤では、直鎖炭素数の増
加に従って曇り点は低下することが知られており、直鎖
炭素数=6ではその温度が約80℃であるものが、直鎖
炭素数=16では約30℃まで低下することなども分か
っている。
【0016】精密機器あるいはその部品の精密洗浄にお
いて、被洗浄部品やその被洗浄部品で構成される製品に
悪影響のない洗浄剤を用いなければならないことは当然
であり、界面活性剤系の洗浄剤が多用されていることは
先に述べた通りである。しかし、ノニオン系界面活性剤
の洗浄剤を用いた場合には、洗浄工程における洗浄また
はすすぎ温度範囲に曇り点を有する可能性があり、或い
は、曇り点以上の温度で洗浄を行う必要性が生じる場合
がある。
【0017】先に述べたように、油性の汚損物質の除去
については、一般的に温度が高い程良好な洗浄性を発揮
し、高い洗浄効果を得られるが、一方、水溶性の汚損物
質の除去については、界面活性剤の親水性が失われた温
度領域での洗浄となるため、本来の洗浄剤の性能が発揮
できないばかりではなく、最悪な状況では被洗浄部品の
表面に洗浄剤成分である界面活性剤が残留してしまうこ
とになる。
【0018】製品の要求清浄度から見ると、最終的には
洗浄剤もただの汚損物質として捉えられることから、も
し残留した場合には、むしろ被洗浄部品を逆に洗浄剤で
汚損してしまったことになる。以上の問題に鑑みて本発
明の目的は、ハードディスクドライブモーターのような
精密機器の、洗浄に適した洗浄剤の選定を含め、高度な
清浄度が得られる洗浄方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題解決のため本発
明は、精密機器およびそれを構成する部品の洗浄方法に
おいて、非イオン性界面活性剤系洗浄剤を用いた洗浄の
後、洗浄剤の曇り点温度以下の温度のすすぎ液ですすぐ
ものとする。ノニオン系界面活性剤で構成される中性水
系洗浄剤を洗浄に用いることにより、中性洗浄剤をもち
いれば、アルカリ系洗浄剤のように磁気記憶媒体へダメ
ージを与えることが無く、その製品の要求を十分満たす
高度な清浄度を得ることが可能である。
【0020】特に、洗浄剤の曇り点温度以下の温度のす
すぎ液ですすげば、洗浄剤の水和性消滅による界面活性
剤の析出が起きず、被洗浄部品への付着が低減される。
更に、非イオン性界面活性剤系洗浄剤を用いた洗浄の
後、最初に洗浄剤の曇り点温度以下に下げたすすぎ液で
すすぎ、その後、より高温のすすぎ液ですすぐものとす
る。
【0021】そのようにすれば、一般的に洗浄剤の残留
を最小限に低減できる。
【0022】
【発明の実施の形態】次にこの発明の具体的な実施の形
態を説明する。 [実験1]ハードディスクドライブモーターなどの精密
機器では、先に述べたように近年の高密度化に伴い信号
の読み出し書き込み用ヘッドの浮上量はnmレベルにま
で狭まってきており、従って、本モーター部品の洗浄工
程は、nmの数分の1ないし数十分の1の付着パーティ
クルを除去しなければならず、高度な清浄度を確保する
ものとしなければならない。
【0023】また、本モーターの構成部品としては、種
々の機械加工部品やメッキ部品などが多用されているた
め、この洗浄システムは比較的軽質な加工油などの有機
物系汚損物質と各種アニオン、カチオンなどのイオン性
汚損物質の除去をも考慮しなければならない。かつその
その洗浄剤の選定にあたっては、被洗浄部品である各種
モーター部品に対する洗浄性もさることながら、モータ
ーと極く近傍に配置される磁気記憶媒体への影響を最小
限に抑制することが要求される。万一洗浄剤がすすぎ不
足により被洗浄部品表面に残留した場合でも、磁気記憶
媒体に対してダメージを与えない洗浄剤を選定すること
が必要である。磁気記憶媒体への洗浄剤の影響に関する
評価は最終的には、実際に行って検証する必要がある。
【0024】各種洗浄剤の洗浄効果と磁気記憶媒体と影
響について比較した結果を表1に示す。Aはポリオキシ
アルキレンアルキルエーテルを含むノニオン界面活性剤
系洗浄剤、B、Cはそれぞれ無機、有機アルカリ系の洗
浄剤、Dは準水系のグリコールエーテルを含むもの、
E、F、Gはそれぞれシリコーン、アルコール、イソプ
レンの溶剤系洗浄剤、Hは炭化水素系の油洗浄剤であ
る。
【0025】
【表1】
【0026】油性汚損物質は、溶剤抽出の後、赤外、紫
外分光等により判定した。水溶性汚損物質は、超純水で
抽出後イオンクロマトグラフで分析した。いずれも、
◎、○△の順に除去効果が低下することを示している。
磁気記憶媒体への影響は、ヒートサイクル試験後の磁気
記憶媒体の腐食を観察した。◎、○、△、×の順に影響
が増大することを示している。
【0027】アルカリ系の洗浄剤B、Cでは、特に水溶
性汚損物質に対する洗浄効果が高い。特に無機性のBは
油性汚損物質に対する洗浄効果も高く、要求清浄度を十
分満たしたが、磁気記憶媒体への悪影響が見られる。一
方、溶剤系のE、F、Gは、油性汚損物質の除去効果
は、アルカリ系の洗浄剤程ではないが、満足の行く水準
である。しかし、アルコール系のものを除いて、磁気記
憶媒体への影響が見られた。
【0028】油性のHは、油性汚損物質の洗浄効果は高
いが、水溶性汚損物質の洗浄効果が不十分で、しかも磁
気記憶媒体への悪影響が見られる。準水系のDも、水溶
性汚損物質の洗浄効果が高く、油性汚損物質の洗浄効果
も悪くはないが、磁気記憶媒体への悪影響が見られる。
これらと比較してノニオン界面活性剤系洗浄剤のAは、
油性汚損物質、水溶性汚損物質の洗浄効果が十分で、か
つ、磁気記憶媒体への悪影響が見られなかった。
【0029】この実験の結果、本ハードディスクドライ
ブモーターに適用可能な洗浄剤としては、油性、水溶性
汚損物質に対する洗浄効果、および磁気記憶媒体に対す
る影響の点から、Aのポリオキシアルキレンアルキルエ
ーテルを含むノニオン界面活性剤系の洗浄剤を用いるこ
とが望ましいことがわかった。 [実験2]実験1において、洗浄効果と磁気記憶媒体へ
の影響から、洗浄剤としてAのポリオキシアルキレンア
ルキルエーテルを含むノニオン界面活性剤系の洗浄剤を
用いることが望ましいことがわかった。次に、その洗浄
剤を用いた洗浄システムの最適条件を求める実験をおこ
なった。
【0030】図1は、洗浄実験のため使用した洗浄液槽
2槽,純水すすぎ槽4槽の精密純水浸漬超音波洗浄シス
テムの構成図である。第1、第2槽は、洗浄剤をいれた
洗浄液槽である。被洗浄部品からの付着汚損物質除去の
視点より、洗浄剤液を保持する第1槽、第2槽での洗浄
槽の温度は、40または60℃に加熱される。第3槽か
ら第6槽までのすすぎ槽で純水でのすすぎをおこなって
いる。第3槽は、純水すすぎ槽、第4、第5槽は温純水
のすすぎ槽、第6槽は、温度の高い65℃の温純水槽で
ある。最後に80℃のクリーン温風乾燥炉を備えた乾燥
ステーションがある。第5槽には第6槽から、第4槽に
は第5槽から溢流した純水が導入されている。従って、
第4、第5槽の液温は約55〜60℃となっている。な
お、第1槽から第6槽まで超音波が印加されている。
【0031】第6すすぎ槽では次工程の乾燥工程に向け
て、温度の高い65℃にしている。それ以前のすすぎ槽
も乾燥性を向上させるため、可能な限り被洗浄部品の温
度を高くしたままの温度ですすぎが望まれる。しかし、
上で選定したノニオン系中性水系洗浄剤の曇り点温度は
約30℃であるため、55〜60℃のすすぎ温度では洗
浄剤の水和性が消滅した温度領域であり、洗浄剤のすす
ぎが十分行えない懸念がある。
【0032】そこで、本洗浄システムにおいて、洗浄槽
における洗浄液濃度および洗浄液温度、すすぎ槽におけ
るすすぎ液温度を変量とし、洗浄効果を高め、かつ被洗
浄部品に残留する洗浄剤の量を低減させる方法について
実験、研究した。実験条件および結果を表2に示す。各
槽の浸漬時間は、数分間ずつとした。パラメータとし
て、超音波発振器出力と、被洗浄部品数量を取り上げ
た。△、○、◎の順に洗浄効果が増大し、逆に洗浄剤の
残留量が減少することを意味している。
【0033】
【表2】
【0034】洗浄剤濃度が5%では、第3槽すすぎ液温
度が低い方、発振器出力が1200Wの方、被洗浄部品
数量が1段積みの方が洗浄効果は大である。第1、第2
槽の洗浄液温度は、やや40℃の方が良いが、余り大き
な差ではない。洗浄剤濃度が10%では、第3槽すすぎ
液温度が低い方、被洗浄部品数量が1段積みの方が洗浄
効果は大である。第1、第2槽の洗浄液温度は40℃、
60℃とも大差無い。
【0035】この結果より、第1、第2槽の洗浄液温度
は40℃、60℃とも大差無いが、第3槽すすぎ液温度
を30℃以下、すなわち洗浄剤の曇り点以下に低くする
ことによって、洗浄効果を高め、洗浄剤の残さを無くす
ることができることがわかる。 [実施例1]洗浄剤濃度を5%にし、洗浄液温度を50
℃とし、第3槽すすぎ液温度を25℃として、図1の洗
浄システムを用いてハードディスクドライブモーターの
洗浄をおこなった。
【0036】その結果をも表1に記したが、洗浄剤の残
さが無く、洗浄効果も満足すべきものであった。この結
果および実験2より、第3槽のすすぎ槽におけるすすぎ
液温度を30℃以下、すなわち、被洗浄部品の表面温度
を洗浄剤の曇り点温度以下に制御することにより、洗浄
効果を高め、洗浄剤の残さを低減することが可能である
ことがわかる。
【0037】すなわち、すすぎの工程において、被洗浄
部品の温度を曇り点温度以下に下げる工程を、少なくと
も1工程以上組み入れた洗浄システムあるいは洗浄条件
に設定することにより、洗浄剤の被洗浄部品への付着残
留量を低減し良好な洗浄性を確保することが可能とな
る。ただし、、被洗浄部品の温度を洗浄剤の曇り点以下
に下げる工程としては種々方法が考えられるが、もとも
と洗浄システムあるいは洗浄条件は、さまざまな制約条
件の妥協点の上に微妙にバランスして成り立っている工
程のため、被洗浄部品の材質・形状や付着汚損物質ある
いは洗浄システムや洗浄前後の製造工程などの影響が非
常に大きいが、一般的に洗浄剤の残留を最小限に低減す
るためには、洗浄液での最終洗浄工程の直後のすすぎ工
程に低温すすぎ工程を設けることが望ましい。そうすれ
ば、洗浄液での洗浄工程から持ち込まれた洗浄剤が、水
和結合を失うことのない低温すすぎ槽で、最初に洗い流
され、後の高温のすすぎ槽にもちこまれることが少ない
からである。
【0038】ただし、すすぎ槽の液温管理を厳密にすれ
ば、第4槽のすすぎ液温度を25℃あるいは30℃とし
ても同様の効果が得られると考えられる。すなわち、第
3すすぎ槽あるいは第4すすぎ槽の少なくとも1槽を洗
浄剤の残留を抑制するための低温槽として設定すればよ
い。なお、低温槽の温度設定は、少なくとも使用する洗
浄剤の曇り点温度以下に設定することが必要であるが、
厳密には被洗浄部品の表面温度を洗浄剤の曇り点温度以
下に下げてやらないと効果が半減することや、洗浄剤の
残留には洗浄システムの物理的・機械的効果も関与する
ため、実際の温度設定においては被洗浄物を洗浄工程に
実際に流した場合の被洗浄部品温度を実測し、被洗浄部
品に残留した洗浄剤の定量分析を行い、除去効果を確認
した上で決定することが必要である。
【0039】なお、この洗浄剤の残留抑制方法に関して
は、用いられる洗浄システムに依存する所が大であり、
例えば超音波やスクラブあるいはシャワーやスプレーな
どの物理的、機械的作用や、被洗浄部品または洗浄治具
などの数量、配置あるいは形状、材質などによって大き
く異なるため、使用する洗浄液あるいはすすぎ液の温度
設定を含め使用する洗浄システムに応じた最適な洗浄条
件の設定あるいは最適な洗浄システムの構築が必要であ
ることは言うまでもない。また、この洗浄剤の残留抑制
方法に関して適用できる洗浄システムは、実施例1で述
べた多槽浸漬式以外の単槽システムあるいはシャワーシ
ステムなど全ての洗浄システムにおいても適用可能であ
ることは言うまでもない。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、例
えば、ハードディスクドライブモーターなどの精密機器
あるいはその部品等の高度な清浄度を要求される機器の
洗浄において、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル
などのノニオン界面活性剤系の洗浄剤を用い、すすぎ工
程において被洗浄部品の温度を曇り点温度以下に下げる
工程を、少なくとも1工程以上組み入れた条件に設定す
ることによって、磁気記憶媒体に対する悪影響も無く高
度な要求清浄度を満たし、しかも洗浄剤の被洗浄部品へ
の付着残留量を低減し良好な洗浄性を確保し、精密機器
などの信頼性を確保、向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハードディスクドライブモーター部品の洗浄シ
ステムの構成図
【図2】ハードディスクドライブモーターの部分断面図
【符号の説明】
1 ベース 2 ハブ 3 シャフト 4 ボールベアリング 5 コイル 6 磁気記憶媒体 7 磁気ヘッド 8 磁極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】精密機器を構成する部品の洗浄方法におい
    て、非イオン性界面活性剤系洗浄剤を用いた洗浄の後、
    洗浄剤の曇り点温度以下の温度のすすぎ液ですすぐ工程
    をおこなうことを特徴とする部品洗浄方法。
  2. 【請求項2】非イオン性界面活性剤系洗浄剤を用いた洗
    浄の後、最初に洗浄剤の曇り点温度以下に下げたすすぎ
    液ですすぎ、その後、より高温のすすぎ液ですすぐこと
    を特徴とする請求項1記載の部品洗浄方法。
JP3747997A 1997-02-21 1997-02-21 部品洗浄方法 Pending JPH10233381A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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