JPH1023285A - 印刷プルーフ用データの作成方法 - Google Patents

印刷プルーフ用データの作成方法

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JPH1023285A
JPH1023285A JP8179122A JP17912296A JPH1023285A JP H1023285 A JPH1023285 A JP H1023285A JP 8179122 A JP8179122 A JP 8179122A JP 17912296 A JP17912296 A JP 17912296A JP H1023285 A JPH1023285 A JP H1023285A
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threshold
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JP8179122A
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Yoshibumi Dounomae
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低解像度のカラープリンタにより、高解像度の
印刷物上に現れるモアレ、ロゼット等の特異パターンを
忠実に再現するカラー印刷プルーフを作成する。 【解決手段】CMYK4版の網点面積率データajのそ
れぞれに対して閾値マトリクス24に基づいて作成した
累積ヒストグラムを参照し、網の存在確率ci(pi)
を求める(ステップS10)。次に、予め求めておいた
CMYKに係る2 4 色の各色毎の測色値データXi、Y
i、Ziに対して存在確率ciを重み係数として平均測
色値データを計算する(ステップS13)。この平均測
色値データに対してアンチエリアジングフィルタ処理
(ステップS14)を行ってカラープリンタ3用のデバ
イス非依存の画像データを得る。この場合、累積ヒスト
グラムを強調する処理(ステップS20)と平均測色値
データを強調する処理(ステップS21)を行うこと
で、印刷物12上に現れるロゼット等の特異パターンを
カラープリンタ3の印刷プルーフCpb上に正確に再現
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、刷版が装着され
たカラー印刷機により網点画像(網画像ともいう。)に
よるカラー印刷物を作成する前に、カラープリンタ等の
画像出力装置により校正のための印刷プルーフ(印刷校
正刷りともいう。)を作成するシステムに適用して好適
な印刷プルーフ用データの作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、製品としての網点画像からな
るカラー印刷物をカラー印刷機により作成する前に、色
等の校正用のカラー印刷プルーフを、濃度階調方式(連
続階調方式ともいう。)により画素毎の画像を形成する
カラープリンタで作成していた。
【0003】カラー印刷プルーフを作成するために、カ
ラープリンタを使用するのは、カラープリンタが比較的
簡易な構成であって廉価であり、また、カラープリンタ
では、周知のように、カラー印刷機に係る製版フイルム
の作成、刷版等の作成が不要であり、短時間に複数回、
シート上に画像が形成されたハードコピーを容易に作成
できるからである。
【0004】図20は、カラープリンタを利用した従来
の技術によるカラー印刷プルーフの作成方法のフローを
示している。
【0005】まず、画像原稿2上の画像がCCDリニア
イメージセンサ等を有するカラースキャナ等の画像読取
装置によって二次元的に読み取られ、R(赤)、G
(緑)、B(青)の各色毎の階調(連続調)画像データ
Iaが作成される(ステップS1:画像読取過程)。
【0006】次に、このRGBの階調画像データIaが
色変換処理ルックアップテーブル等によりC(シア
ン)、M(マゼンタ)、Y(黄)、K(墨)の各色毎の
4版の網点面積率データ(網%データまたは原画画素網
%データともいう。)aj(j=0、1、2、3:ここ
で、数値0はC色に、数値1はM色に、数値2はY色
に、数値3はK色に、それぞれ対応するものとする。)
に変換される(ステップS2)。この変換は、後に説明
するカラー印刷機との関係により種々の変換が可能であ
り、通常、そのカラー印刷機に対応して各印刷会社それ
ぞれのノウハウになっている。
【0007】このカラー印刷機により作成される画像は
網点画像であり、そのため、実際にカラー印刷物を作成
する際には、色変換処理後の網点面積率データajをビ
ットマップデータに展開し、これを基に製版フイルム等
の作成等を行うが、自動現像機(自現機)等が必要とさ
れ、製版フイルム作成処理工程以降の工程が相当に煩雑
である。
【0008】そのため、カラー印刷プルーフを簡易に作
成するために、上述した理由により、カラープリンタ
(以下、カラーデジタルプリンタともいい、DPともい
う。)3が使用されている。DP3は、濃度階調方式に
より、例えば、3原色に対応するLED(発光ダイオー
ド)またはレーザの発光強度と時間を画素毎にデジタル
的に制御してドナーフイルムに画像を形成し、これを受
像シートに転写し、そのシート上に画像を形成するもの
であり、刷版を作成し、これを利用して印刷するカラー
印刷機に比較して相当に廉価である。また、体積も小さ
く、重量も軽い。
【0009】そこで、DP3を使用するために、ステッ
プS2で作成したCMYKの4版の網点面積率データa
jを、一旦、いわゆるデバイス(印刷、CRT、写真、
LED等)に依存しない(デバイス非依存の)画像デー
タ(共通色空間データとも呼ばれる。)である、例え
ば、3刺激値データX、Y、Zに変換することが必要に
なる。
【0010】このため、CMYKの4版の網点面積率デ
ータajを3刺激値データX、Y、Zに変換する画像デ
ータ処理を画像データ処理部で行う(ステップS4)。
この画像データ処理としては、従来、ノイゲバウア式を
用いる処理が採用されている。
【0011】この場合、予め、測色計により色毎の測色
値データXi、Yi、Zi(iは、CMYKの4版の場
合には、24 色=16色に対応し、i=0〜15とす
る。)を測定しておく(ステップS3)。この測定に際
しては、まず、カラー印刷機によりカラー印刷物を作成
する際の印刷紙、いわゆる本紙上に16色の各色を予め
印刷する(通常、べた刷りという。)ことで、いわゆる
カラーパッチを作成する。この16色とは、具体的に
は、C色、M色、Y色、K色のそれぞれの有無に対応し
ており、全部で24 色=16色になる。
【0012】すなわち、何も印刷しないときの印刷紙の
地色であるW(白)色、原色であるC、M、Yのみの各
色、K(墨)色、その他、混色であるC+M、C+Y、
C+K、M+Y、M+K、Y+K、C+M+Y、C+M
+K、C+Y+K、M+Y+K、C+M+Y+Kの各色
の合計16色(16基本色ともいう。)である。印刷紙
上に形成されたこれらの反射色を測色計、例えば、分光
計で測定して測色値データXi、Yi、Ziを得てお
く。
【0013】ノイゲバウア式を用いる処理では、次の
(1)式に示すように、この測色値データXi、Yi、
Ziのそれぞれの係数として面積率データbi(i=0
〜15)が掛けられて画像データ処理後の3刺激値デー
タX、Y、Zが作成される(ステップS4)。
【0014】 X=Σbi・Xi Y=Σbi・Yi Z=Σbi・Zi …(1) ここで、係数である16基本色の面積率データbiは、
網点面積率データajから次の(2)式に示す確率計算
により求められる。
【0015】 b0 =(1−c)(1−m)(1−y)(1−k) b1 = c ・(1−m)(1−y)(1−k) b2 =(1−c)・ m ・(1−y)(1−k) b3 = c ・ m ・(1−y)(1−k) b4 =(1−c)(1−m)・ y ・(1−k) b5 = c ・(1−m)・ y ・(1−k) b6 =(1−c)・ m ・ y ・(1−k) b7 = c ・ m ・ y ・(1−k) b8 =(1−c)(1−m)(1−y)・k b9 = c ・(1−m)(1−y)・k b10=(1−c)・ m ・(1−y)・k b11= c ・ m ・(1−y)・k b12=(1−c)(1−m)・ y ・k b13= c ・(1−m)・ y ・k b14=(1−c)・ m ・ y ・k b15= c ・ m ・ y ・k …(2) (2)式では、直感的な理解が得やすいように、網点面
積率データaj(j=0〜3)を、a0=c、a1=
m、a2=y、a3=kと置いている。この場合、c、
m、y、kは各単版の網点面積率データである。(2)
式において、例えば、b3は、C+M色の面積率である
が、これは、C版の存在する確率cと、M版の存在する
確率mと、Y版の存在しない確率(1−y)と、K版の
存在しない確率(1−k)を確率計算的に掛け合わせる
ことで求められる。したがって、(1)式に示すノイゲ
バウア式は確率論に基づく式であると解することができ
る。
【0016】(1)式に基づいて作成された画像データ
処理後の3刺激値データX、Y、ZがDP3に供給さ
れ、DP3では、この3刺激値データX、Y、Zをルッ
クアップテーブル(LUT)に基づき前記レーザ等に係
る3原色毎のデータ(いわゆるデバイスに依存する画像
データであって固有色空間データとも呼ばれる。)に変
換した後、シート上に画像を形成したハードコピーであ
るカラー印刷プルーフCPaを作成する(ステップS
4)。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
に、ノイゲバウア式を使用してDP3用の3刺激値デー
タX、Y、Zを作成した場合には、カラー印刷機によっ
て作成されるカラー印刷物上に形成される画像の色を測
色計で測定した測色値を使用しているため、カラー印刷
物の色を前記ハードコピー上の画像に忠実に再現するこ
とはできるが、カラー印刷物上に現れるモアレ、ロゼッ
ト等の干渉縞に起因する特異パターンを前記ハードコピ
ー上の画像に再現することができないという問題があっ
た。
【0018】カラー印刷物上で、これらの特異パターン
が現れるのであれば、DP3から出力されるカラー印刷
プルーフCPa上にもその特異パターンを忠実に再現し
たいという要請に基づくものであり、特異パターンが現
れない従来の技術によるカラー印刷プルーフCPaは、
この点に関して、カラー印刷物用の正確な(忠実な)プ
ルーフであるということができない。
【0019】なお、DP3のハードコピー上の画像に特
異パターンが現れないのは、ノイゲバウア式が上述した
ように確率論に基づく式であることを原因とするものと
考えられる。
【0020】そこで、本発明者等は、このノイゲバウア
式を用いないでカラープリンタ用の入力画像データを構
成する画素データを作成すれば、カラー印刷プルーフ上
で、印刷物特有のモアレ、ロゼット等の特異パターンを
正確かつ忠実に再現することができるのではないかとい
う観点に立ち鋭意考究した結果、特願平7−5257号
明細書で提案しているように、印刷の色を忠実に再現で
きるとともに、網点画像に係るモアレ、ロゼット等の特
異パターンをも再現することのできる、この発明の前提
となる技術を着想している。
【0021】この発明はこのような技術に関連してなさ
れたものであり、比較的廉価で比較的低解像度のカラー
プリンタ等の画像出力装置により、高解像度のカラー印
刷物上に現れるモアレ、ロゼット等の特異パターンを、
より一層忠実に再現することを可能とする印刷プルーフ
用データの作成方法を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】この発明は、例えば、図
8に示すように、CMY各版またはCMYK各版の原画
画素網%データajがビットマップデータbjに展開さ
れ、このビットマップデータに基づいて印刷機により作
成される印刷物12の印刷プルーフを画像出力装置3で
作成する場合において、前記画像出力装置用のデバイス
非依存の印刷プルーフ用データを作成する際、前記各版
(n版とする。)の原画画素網%データのそれぞれに対
して閾値マトリクス24を参照し、2n 色毎の存在確率
ciである面積率を前記画像出力装置の出力解像度画素
より小さい中間解像度画素毎に求める過程S11と、予
め求めておいた前記2n 色毎の測色値データに対して前
記2n 色毎の面積率を重み係数として前記中間解像度画
素毎に平均測色値データを計算する過程S13と、この
平均測色値データに対して、前記出力解像度画素より大
きい範囲でアンチエリアジングフィルタ処理を順次行う
ことで、前記デバイス非依存の印刷プルーフ用データと
しての前記出力解像度1画素毎の平均測色値データに変
換する過程S14とを有し、前記2n 色毎の存在確率で
ある面積率を前記画像出力装置の出力解像度画素より小
さい中間解像度画素毎に求める過程S10では、前記閾
値マトリクスの各閾値を中心位置として前記中間解像度
画素より大きい範囲内でこの範囲内の各閾値に対して低
域通過フィルタ処理S18を行った後、前記フィルタ処
理後の閾値について、前記中間解像度画素の範囲で前記
各中心閾値を引数とする累積ヒストグラムを作成し(S
19)、作成した各中心位置閾値th(図17参照)毎
の累積ヒストグラムの各閾値Tでの各累積度数値を結ぶ
各包絡線上の前記各累積度数値を平均化して平均累積度
数値を求め、前記各包絡線上の前記各累積度数値を、前
記平均累積度数値を基準として差を広げる強調処理(図
16参照)を行い、この強調処理後の各中心位置閾値毎
の累積ヒストグラムを作成し(S20)、前記各版の原
画素網%データを前記強調処理後の各中心閾値毎の累積
ヒストグラムを参照して、前記2n 色毎の存在確率であ
る面積率を前記画像出力装置の出力解像度画素より小さ
い中間解像度画素毎に求める(S10)ことを特徴とす
る。
【0023】また、この発明は、例えば、図8に示すよ
うに、CMY各版またはCMYK各版の原画画素網%デ
ータがビットマップデータに展開され、このビットマッ
プデータに基づいて印刷機により作成される印刷物の印
刷プルーフを画像出力装置で作成する場合において、前
記画像出力装置用のデバイス非依存の印刷プルーフ用デ
ータを作成する際、前記各版(n版とする。)の原画画
素網%データのそれぞれに対して閾値マトリクスを参照
し、2n 色毎の存在確率である面積率を前記画像出力装
置の出力解像度画素より小さい中間解像度画素毎に求め
る過程S10と、予め求めておいた前記2n 色毎の測色
値データに対して前記2n 色毎の面積率を重み係数とし
て前記中間解像度画素毎に平均測色値データを計算する
過程S13と、この平均測色値データを強調する処理を
行う過程S21と、前記強調処理後の平均測色値データ
に対して、前記出力解像度画素より大きい範囲でアンチ
エリアジングフィルタ処理を順次行うことで、前記デバ
イス非依存の印刷プルーフ用データとしての前記出力解
像度1画素毎の平均測色値データに変換する過程S14
とを有し、前記2n 色毎の存在確率である面積率を前記
画像出力装置の出力解像度画素より小さい中間解像度画
素毎に求める過程S10では、前記閾値マトリクスの各
閾値を中心位置として前記中間解像度画素の範囲で、前
記各中心閾値を引数とする累積ヒストグラムを作成し、
前記原画網%データに対して、この原画網%データの前
記中間解像度空間上の位置に対応する前記中心閾値の累
積ヒストグラムを参照して面積率を求め、前記平均測色
値データを強調する処理を行う過程S21では、強調処
理前の平均測色値データをXk、確率論的な平均予測測
色値データをXmean、累乗係数をγとするとき、強
調処理後の平均測色値データXk′を次式 Xk′={(Xk/Xmean)^γ}・Xmean により求めることを特徴とする。
【0024】さらに、この発明は、図8に示すようにC
MY各版またはCMYK各版の原画画素網%データがビ
ットマップデータに展開され、このビットマップデータ
に基づいて印刷機により作成される印刷物の印刷プルー
フを画像出力装置で作成する場合において、前記画像出
力装置用のデバイス非依存の印刷プルーフ用データを作
成する際、前記各版(n版とする。)の原画画素網%デ
ータのそれぞれに対して閾値マトリクスを参照し、2n
色毎の存在確率である面積率を前記画像出力装置の出力
解像度画素より小さい中間解像度画素毎に求める過程S
10と、予め求めておいた前記2n 色毎の測色値データ
に対して前記2n 色毎の面積率を重み係数として前記中
間解像度画素毎に平均測色値データを計算する過程S1
3と、この平均測色値データを強調する処理を行う過程
S21と、前記強調処理後の平均測色値データに対し
て、前記出力解像度画素より大きい範囲でアンチエリア
ジングフィルタ処理を順次行うことで、前記デバイス非
依存の印刷プルーフ用データとしての前記出力解像度1
画素毎の平均測色値データに変換する過程S14とを有
し、前記2n 色毎の存在確率である面積率を前記画像出
力装置の出力解像度画素より小さい中間解像度画素毎に
求める過程S10では、前記閾値マトリクスの各閾値を
中心位置として前記中間解像度画素より大きい範囲内で
この範囲内の各閾値に対して低域通過フィルタ処理S1
8を行った後、前記フィルタ処理後の閾値について、前
記中間解像度画素の範囲で前記各中心閾値を引数とする
累積ヒストグラムを作成し(S19)、作成した各中心
位置閾値毎の累積ヒストグラムの各閾値での各累積度数
値を結ぶ各包絡線上の前記各累積度数値を平均化して平
均累積度数値を求め、前記各包絡線上の前記各累積度数
値を、前記平均累積度数値を基準として差を広げる強調
処理を行い、この強調処理後の各中心位置閾値毎の累積
ヒストグラムを作成し(S20)、前記各版の原画素網
%データを前記強調処理後の各中心閾値毎の累積ヒスト
グラムを参照して、前記2n 色毎の存在確率である面積
率を前記画像出力装置の出力解像度画素より小さい中間
解像度画素毎に求め(S10)、前記平均測色値データ
を強調する処理を行う過程S21では、強調処理前の平
均測色値データをXk、確率論的な平均予測測色値デー
タをXmean、累乗係数をγとするとき、強調処理後
の平均測色値データXk′を次式 Xk′={(Xk/Xmean)^γ}・Xmean により求めることを特徴とする。
【0025】この場合、前記確率論的な平均予測測色値
データXmeanを、前記強調処理後の平均測色値デー
タXk′を複数回平均化した値とすることで、いわゆる
色ずれを防止することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施の形態に
ついて図面を参照して説明する。なお、以下に参照する
図面において、上記図20に示したものと対応するもの
には同一の符号を付け、その説明は適宜省略する。
【0027】また、以下の説明は、 A.一般的にカラー印刷機によりカラー印刷物を作成す
るカラー印刷システムの説明 B.特願平7−5257号明細書に記載されたこの発明
の前提となる技術の説明 C.この発明の実施の形態の説明 の順序で行う。
【0028】A.一般的にカラー印刷機によりカラー印
刷物を作成するカラー印刷システムの説明 図1において、符号11は、一般的なカラー印刷システ
ムの構成を示している。一般的なカラー印刷システム1
1では、画像原稿2上の画像がCCDリニアイメージセ
ンサ等を有するカラースキャナ等の画像読取装置によっ
て2次元的に読み取られ、R(赤)、G(緑)、B
(青)の各色毎の階調画像データIaが作成される(ス
テップS1:画像読取過程)。この場合、CCDリニア
イメージセンサ等のイメージセンサの解像度(第1の解
像度)Re1としては、例えば、Re1=400DPI
(Dot Per Inch)程度が選択される。ここ
でいう、1dot(ドット)は、1画素に対応し、25
6等の階調を有する濃度階調方式による画素を意味して
いる。
【0029】次に、このRGBの階調画像データIaを
構成する各画素データが色変換ルックアップテーブル等
を用いてC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(黄)、K
(墨)の各色毎の4版の網点面積率データ(上述したよ
うに、網%データまたは原画画素網%データともい
う。)ajに変換される(ステップS2:色変換過
程)。この変換は、後に説明するカラー印刷機との関係
により種々の変換が可能であるので、通常、そのカラー
印刷機に対応して各印刷会社それぞれのノウハウになっ
ている。なお、UCR(under−color re
moval)処理を行なわない場合には、RGBの階調
画像データIaをC、M、Yの3版の網点面積率データ
ajに変換すればよい。また、カラー印刷物12上に、
例えば、Y色が存在しない場合には、C、Mの2版の網
点面積率データajに変換すればよいことはもちろんで
ある。
【0030】次いで、画素単位で作成されたCMYK4
版分の網点面積率データajに対して、解像度(第2の
解像度)Re2がRe2=2000DPI程度(ここで
は、理解を容易にするためにRe2=1600DPIと
する。)でCMYK4版のそれぞれに対して所定の網角
度を有する4つの印刷用の閾値マトリクス(閾値テンプ
レートまたは網点テンプレートともいう。)14を参照
し、閾値マトリクス14の各要素中の各閾値と網点面積
率データajの値とを図示していない比較部により比較
して、値「0」または値「1」をとる2値データ、すな
わちビットマップデータbjに変換する(ステップS
5:比較過程)。なお、通常、網角度は、例えば、Y版
用の閾値マトリクス14とM版用の閾値マトリクス14
とでは45°等の角度差を有しており、実際上、網角度
は、例えば、CMYKの4版では、基準に対し、それぞ
れ、75°、45°、0°、15°等の角度差を有して
いる。
【0031】図2は、このステップS5の比較過程(ビ
ットマップ展開過程)について詳しく説明するために閾
値マトリクス14等を模式的に描いた線図である。
【0032】図2において、最上段の左右に描いた2つ
の線図は、400DPIの網点面積率データajの1ド
ットが、1600DPIのビットマップデータbjの1
6ドットに変換されることを表している。
【0033】網点面積率データajの1ドットが、例え
ば、C版であって、網点面積率データajが256階調
で表され、その値がaj=77(%表示では30%に相
当するが、比較処理を行う場合には、通常、77等、階
調値で表される。)であるとすると、これと、C版用の
閾値マトリクス14とが参照される。閾値マトリクス1
4は、例えば、図2に示すような閾値Tがマトリクスの
要素中に渦巻き状に配されている。なお、この発明とは
直接的に関係ないので、詳しく説明しないが、この閾値
マトリクス14は仮想的に設定したものであり、例え
ば、0、1、2…254、255の8ビット階調の閾値
Tが中心から渦巻き状に配された1個の網点に対応する
閾値、または、いわゆるスーパーセル(例えば、9個の
網点に対応する1個の閾値)のそれぞれ相当する一部分
を抽出して再構成したものである。
【0034】図2において、ビットマップデータbjへ
の展開、すなわち、2値データ化は、周知のように、次
の(3)式、(4)式に示すように行われる。
【0035】 aj≧T → 1(黒化) …(3) aj<T → 0(非黒化) …(4) このようにして図2の最下段に示すC版の当該1画素
(網点面積率データajがaj=30%の画素)に対す
るビットマップデータbjが作成される。なお、上述の
ように、C版用の閾値マトリクス14に対してM、Y、
K版用の閾値マトリクス14は選択可能な所定の網角度
を有している。
【0036】次に、このようにして作成したビットマッ
プデータbjに基づき、写植機、自動現像機等による各
処理を行い(ステップS6:版作成過程)、版下として
の網点画像を有する4版の製版フイルム16、PS版
(刷版ともいう。)17を作成する。
【0037】最後に、この刷版17を用いて輪転機等を
有するカラー印刷機により網点画像で形成されたカラー
印刷物12を作成する(ステップS7:印刷過程)。
【0038】このカラー印刷物12上の網点画像には、
網角度の異なる閾値マトリクス14を用いたことによっ
て発生するモアレ、ロゼット等の特異パターンが現れ
る。
【0039】以上の説明が、A.一般的にカラー印刷機
によりカラー印刷物を作成するカラー印刷システムの説
明である。
【0040】B.特願平7−5257号明細書に記載さ
れたこの発明の前提となる技術の説明 この特願平7−5257号明細書に記載の発明の理解の
容易化のために、まず、アンチエリアジングフィルタ処
理過程(ステップS14)について説明する。
【0041】このアンチエリアジングフィルタ処理過程
は、DP3の解像度(第3の解像度または出力解像度と
もいう。)Re3(この実施の形態では、Re3=40
0DPI)でカラー印刷プルーフCPbを作成しようと
するとき、このDP3の解像度Re3を原因とするエリ
アジング雑音(折り返し雑音)の発生を予め回避するた
めに挿入した過程である。アンチエリアジングフィルタ
処理を有効に行うためには、アンチエリアジングフィル
タがかけられる原信号である画像データの解像度(第5
の解像度)Re5がDP3の解像度Re3=400DP
Iより高い解像度になっていることが必要である。この
実施の形態では、その解像度(中間解像度ともいう。)
Re5をRe5=1600DPIとする。
【0042】アンチエリアジングフィルタのマトリクス
(ここでは、要素数がn×nの正方マトリクスを考え
る。)の構成について考える。
【0043】解像度1600DPI(=Re5)の画像
データを解像度400DPI(=Re3)の画像データ
に変換する場合、400DPIの1ドット(1画素)が
1600DPIの16ドット(4画素×4画素)に対応
することからアンチエリアジングの効果を考えない場合
のフィルタの最小限の要素数は4×4である。
【0044】そして、エリアジング雑音をできるだけ小
さくするためには、アンチエリアジングフィルタの要素
数は大きければ大きいほど望ましいが、演算速度、ハー
ドウェア等との関係で限界がある。
【0045】一方、色情報はノイゲバウア式によって再
現できることからも類推されるように、直流成分を含む
比較的低周波の成分を通過させる必要性から、直流成分
の近傍ではできるだけ挿入損失が発生しないような周波
数特性にする必要がある。したがって、マトリクスの中
心の応答が0dBになることが理想である。
【0046】また、モアレ等の干渉縞成分{網周波数
(スクリーン線数)成分の1/2以下の成分}はアンチ
エリアジングフィルタ処理を行ってもすべて残すように
したい。
【0047】さらに、アンチエリアジングフィルタの減
衰特性が急峻であると、このアンチエリアジングフィル
タ処理を行うことによる新たな特異パターンが現れてし
まうことも考慮しなければならない。
【0048】図3は、このような観点を総合して作成し
た要素数が9×9のアンチエリアジングフィルタAFの
構成を示している。なお、各要素をdijで表すとき、
各要素dijの値(フィルタ係数ともいう。)は全部加
えて1.0にする必要性があることから、各要素dij
の実際の値は各要素dijの総和(Σdij)で割って
おく。このように構成したアンチエリアジングフィルタ
AFのフィルタ係数の配置は、図3から分かるように、
その中央部分から外方に向かうにしたがってほぼ釣り鐘
状的に単調減少的に減衰する周波数特性になっている。
【0049】図4は、このアンチエリアジングフィルタ
AFの周波数特性を示している。図4において、横軸は
解像度を示し、DP3の解像度Re3=400DPIを
値1.0に規格化している。したがって、網周波数であ
るスクリーン線数(175線)は、値0.44(175
/400)に規格化される。縦軸は応答を示し、図3
中、中央の要素d55=121を値1.0に規格してい
る。
【0050】図3例では、図4から分かるように、解像
度1.0において、応答は約0.23であり、解像度
0.44において、応答は、約0.77である。
【0051】なお、種々の例を検討した結果、解像度が
網周波数(スクリーン線数に相当する。)のときに応答
が0.5(50%)以上で、解像度がカラーデジタルプ
リンタであるDP3の解像度1.0であるときに応答が
0.3(30%)以下であれば、カラー印刷物12に現
れるモアレ等の特異パターンをカラー印刷プルーフCP
bで再現できることが分かり、かつエリアジング雑音を
視認できない程度にできることが分かった。
【0052】以上の説明がアンチエリアジングフィルタ
AFのマトリクス{ここでは、要素数がn×n(9×
9)の正方マトリクスとする。}の構成の説明である。
【0053】ステップS14のアンチエリアジングフィ
ルタ処理過程後に得られる画像データは、解像度が40
0DPI(=Re3)である共通色空間上の画像データ
(デバイス非依存の画像データ)、例えば、3刺激値デ
ータ(第2の3刺激値データという。)X′、Y′、
Z′になる。
【0054】アンチエリアジングフィルタAFによる処
理がかけられる画像データ(3刺激値データX、Y、
Z)の解像度は1600DPIに選択しているが、この
画像データの1ドットは、2値データではなく、共通色
空間上の画像データ、例えば、3刺激値データ(第1の
3刺激値データという。)X、Y、Zである。
【0055】この第1の3刺激値データX、Y、Zをノ
イゲバウア式を用いないで作成するため、ステップS2
の色変換処理過程で得られた網点面積率データajと閾
値マトリクス(これも、閾値テンプレートまたは網点テ
ンプレートともいう。)24を構成する各閾値とを比較
器25で比較して、印刷のビットマップデータbj(=
1600DPI)より高い解像度の2値データであるビ
ットマップデータb′jに変換する(ステップS1
0)。
【0056】この場合、閾値マトリクス24に係るスク
リーン線数は印刷の場合と同じスクリーン線数であるこ
とがモアレ等を再現するために必須である。ここでは、
スクリーン線数は175線とする。一方、解像度を上げ
るために、網点を作成するための閾値マトリクス24と
して要素数256×256=65536の閾値マトリク
ス24を用いる。なお、各要素中の閾値Tとしては、例
えば、値0〜255をとるようにする。
【0057】このようにして作成したCMYK4版分の
ビットマップデータb′jの解像度(第4の解像度)R
e4はRe4=44800(256×175)DPIで
ある。
【0058】44800DPIのビットマップデータ
b′jを解像度Re5=1600DPIの第1の3刺激
値データX、Y、Zに変換するためには、ビットマップ
データb′jの28×28ドットを第1の3刺激値デー
タX、Y、Zの1ドットに変換すればよい。この変換の
ために、データ処理部26を設けている(ステップS1
1)。
【0059】このステップS11を分かり易く説明する
ために、C版のビットマップデータb′jの28×28
ドット分を図5Aに示し、M版のビットマップデータ
b′jの28×28ドット分を図5Bに示す。図5A、
図5B中、図示していない要素の値は全て値「0」であ
ると仮定する。また、残りのY版、K版のビットマップ
データb′jの各要素もすべて値「0」であると仮定す
る。
【0060】そこで、28×28ドットについて、CM
YK4版分のビットマップデータb′j(ここでは、C
版とM版の2版分のビットマップデータb′jでよいこ
とはいうまでもない。)を同時に参照して、色毎(版数
が4版であるので24 色の各色毎)の面積率ciを数え
上げ部27で数え上げる処理を行う(ステップS12:
数え上げ過程)。
【0061】図5A、図5B例の画素(28×28ドッ
ト対応)において、色毎の面積率ciは、次のように算
出される。
【0062】C色:ci=cC =3/784 (面積率cC はC版とM版とを重ねて透過的に見た場
合、C色のみが存在している部分を表し、C色とM色の
重複している部分はC+M=B色の面積率cC+M とす
る。) C+M色:cC+M =2/784 W色:cW =779/784 (C版とM版とを重ねて透過的に見た場合、C色とM色
のいずれの色も存在しない部分) 残りの色(Y色、K色等の13色分)についての面積率
ciはゼロ値である。このようにして1600DPIの
第1の3刺激値データX、Y、Zを作成する。
【0063】次に、従来の技術の項で詳しく説明したス
テップS3の処理(カラー印刷物12上に印刷された1
6色のべた色を測色計により測色する処理)により予め
測色しておいた色毎の測色値データXi、Yi、Zi
(iは、CMYKの4版の場合には、24 色=16色)
に対してステップS12で数え上げた色毎の面積率ci
を重み係数として加重平均部23により平均測色値デー
タである第1の3刺激値データX、Y、Zを(5)式に
示すように求める(ステップS13)。言い換えれば、
測色値データXi、Yi、Ziを色毎の面積率ciで加
重平均して第1の3刺激値データX、Y、Zを求める。
【0064】 X=Σci・Xi =(3/784)XC +(2/784)XC+M +(779/784)XW Y=Σci・Yi =(3/784)YC +(2/784)YC+M +(779/784)YW Z=Σci・Zi =(3/784)ZC +(2/784)ZC+M +(779/784)ZW …(5) 784(28×28)ドット毎の数え上げ処理(ステッ
プS12)と加重平均処理(ステップS13)を448
00DPIのビットマップデータb′jの全範囲で行う
ことにより、1600DPIの第1の3刺激値データ
X、Y、Zが得られる。次に、このようにして得られた
1600DPIの第1の3刺激値データX、Y、Zに上
述のアンチエリアジングフィルタAFを使用したアンチ
エリアジングフィルタ処理を行い、アンチエリアジング
フィルタ処理後のDP3の解像度に等しい400DPI
の第2の3刺激値データX′、Y′、Z′を作成する
(ステップS14)。
【0065】図6は、このアンチエリアジングフィルタ
処理の説明に供される線図である。図6Aに示すよう
に、1600DPIの第1の3刺激値データX、Y、Z
の左上の9×9ドット分に対して図3に示した要素がd
ijで表される9×9のアンチエリアジングフィルタA
Fを対応させ、対応する各要素を掛け算して、それらの
総和を求めてアンチエリアジングフィルタ処理を行う。
すなわち、第1の3刺激値データX、Y、Zの各要素を
eij(X、Y、Zそれぞれ)と表すとき、第1の3刺
激値X、Y、Zのそれぞれに対してΣ(dij×ei
j)を求め、それぞれの値を解像度400DPIの第2
の3刺激値データX′、Y′、Z′とする。なお、上述
したようにアンチエリアジングフィルタAFの総和はΣ
dij=1に規格化しているが、小数を含む掛け算は時
間がかかるので、アンチエリアジングフィルタAFの各
要素の値は図3に示した値をそのまま用いて、d′ij
とするとき、Σ(d′ij×eij)/Σd′ijとし
てアンチエリアジングフィルタ処理後の値を求めてもよ
い。
【0066】この場合、アンチエリアジングフィルタ処
理では、解像度1600DPIの第1の3刺激値データ
X、Y、Zを解像度400DPIの第2の3刺激値デー
タX′、Y′、Z′に変換するのであるから、第1の3
刺激値データX、Y、Zに対する2回目のアンチエリア
ジングフィルタ処理は、図6Bに示すように、アンチエ
リアジングフィルタAFを第1の3刺激値データX、
Y、Zの4ドット分を、例えば、右側にずらして行えば
よい。以下、同様にして4ドット分ずつずらしてアンチ
エリアジングフィルタ処理を行い、アンチエリアジング
フィルタAFの右端が第1の3刺激値データX、Y、Z
の右端に等しい位置でアンチエリアジングフィルタ処理
を行った後には、図6Bに示す上から5番目の要素e51
にアンチエリアジングフィルタAFの要素d11を対応さ
せて行い、以下同様にして要素e16 001600と要素d99
が対応するまで4ドット分ずつずらしてアンチエリアジ
ングフィルタ処理を行うことで、1600DPIの第1
の3刺激値データX、Y、Zの解像度を低下させて40
0DPIの第2の3刺激値データX′、Y′、Z′を得
ることができる。
【0067】このようにして作成された数え上げ処理お
よびアンチエリアジングフィルタ処理後の第2の3刺激
値データX′、Y′、Z′がDP3に供給され、DP3
では、この新たな3刺激値データX′、Y′、Z′、言
い換えれば、共通色空間データを前記LED等に係る3
原色毎の画素データ、言い換えれば、固有色空間データ
にルックアップテーブル(LUT)等で変換した後、シ
ート上に画像を形成したハードコピーであるカラー印刷
プルーフCPbを作成する。なお、共通色空間データを
固有色空間データに変換する変換手段(変換テーブル)
であるLUTは、DP3の外部に配してもよいことはい
うまでもない。
【0068】このように、以上説明した前提技術によれ
ば、図7に総括的に示すように、画像原稿2から作成さ
れ、3原色を含む少なくとも3版分の解像度が400D
PIの網点面積率データajのそれぞれに対して網点画
像が形成されるカラー印刷物12の解像度1600DP
Iよりも高い解像度44800DPIを有する閾値マト
リクス24を参照し、それぞれビットマップデータb′
jに変換する。次に、それぞれのビットマップデータ
b′jを同時に参照して、色毎(前記版数がn版である
とき2n 色の各色毎)の面積率ciをビットマップデー
タb′jの一定範囲(28×28ドット)毎に数え上げ
る。次いで、予め求めておいた色毎の測色値データX
i、Yi、Ziに対して数え上げた面積率ciを重み係
数として平均測色値データである解像度が400DPI
の第1の3刺激値データX、Y、Zを計算する。計算し
た第1の3刺激値データX、Y、Zに対して、DP3の
画素より大きい範囲である9×9ドットの大きさのアン
チエリアジングフィルタAFを4ドット分ずつずらして
処理を行い、解像度が400DPIのDP3の画素に対
応する第2の3刺激値データX′、Y′、Z′に変換す
る。この第2の3刺激値データX′、Y′、Z′をDP
3の固有色空間データであるRGB画像データにLUT
等で変換する。これをDP3用の画素データとする。
【0069】このようにして作成した画素データを基に
DP3で作成したハードコピー上の画像、すなわち、カ
ラー印刷プルーフCPbは、カラー印刷物12と色が一
致するのはもちろんのこと、網点画像に現れる特異パタ
ーンも再現し得る。すなわち、カラー印刷プルーフCP
b上には、カラー印刷物12上に現れるのとほぼ等しい
モアレ、ロゼット等の特異パターンも忠実に再現され
る。
【0070】この場合、DP3の解像度が400DPI
と比較的に低い値であるのにもかかわらず、2000D
PI(この実施の形態では1600DPIと仮定してい
る。)の解像度を有するカラー印刷機で作成されたカラ
ー印刷物12上に現れるとのほぼ等しいモアレ、ロゼッ
ト等の特異パターンをカラー印刷プルーフCPb上に再
現することができる。また、アンチエリアジングフィル
タ処理をかけているので、DP3の解像度を原因として
発生するエリアジング雑音(画像上ではビートによる特
異パターンとも呼ばれる。)、言い換えれば、DP3を
使用することによる網周期とプリンタの解像度(DP3
の解像度)との干渉に基づく偽の像構造をも取り除くこ
とができる。
【0071】したがって、この図1例によれば、カラー
印刷物12上に現れる特異パターンに忠実なカラー印刷
プルーフCPbを簡易な構成で廉価に作成することがで
きる。また、色の再現性については測色値データXi、
Yi、Ziを用いているのでカラー印刷物12上の色を
忠実に再現できる。
【0072】なお、上述の例においては、測色値データ
Xi、Yi、Ziを用いて平均測色値データである第1
および第2の3刺激値データX、Y、Z、X′、Y′、
Z′を作成しているが、これに代替して色度値データま
たは濃度値データ等を用いて平均測色値データを作成し
てもよい。要は、デバイスに依存しない色空間(共通色
空間)上で測定したデータを用いて共通色空間上の平均
測色値データを作成するようにすればよい。
【0073】また、閾値マトリクス14、24の配列と
しては、網点の配列がランダムな、いわゆるFMスクリ
ーンを用いた場合でも、本発明を適用してカラー印刷プ
ルーフを作成することができる。
【0074】実際にノイゲバウア式を用いてDP3(本
実施の形態では、DP3として、富士写真フイルム株式
会社製の型式「ピクトログラフィ3000」を用い
た。)で作成したカラー印刷プルーフCPb上の画像
と、実際にカラー印刷機を用いて作成した印刷紙上の画
像と、この実施の形態に基づいて上記DP3で実際に作
成したカラー印刷プルーフCPb上の画像とを比較した
ところ、本前提技術に基づいてDP3で実際に作成した
カラー印刷プルーフCPb上の画像では、カラー印刷機
を用いて作成したカラー印刷物12上の画像に現れるモ
アレ、ロゼット等の特異パターンを忠実に再現でき、そ
の他、ざらつき感、ジャンプ感についても、ノイゲバウ
ア式を用いてDP3で作成したカラー印刷プルーフCp
a上の画像に比較して、カラー印刷機で作成した印刷紙
上の画像により近い感じの画像を作成することができ
た。なお、この比較時のカラー印刷物12のスクリーン
線数は175線であり、CMYK4版の網角度は、上述
したようにそれぞれ75°、45°、0°、15°であ
る。
【0075】以上の説明が、特願平7−5257号明細
書に記載された、この発明の前提となる技術の説明であ
る。次に、C.この発明の実施の形態について説明す
る。
【0076】C.この発明の実施の形態の説明 図1を参照して説明したステップ10におけるビットマ
ップデータb′jへの展開処理(網展開処理ともい
う。)と、これに続くステップS11のデータ処理を、
併せて微視的色予測処理と呼ぶ。この微視的色予測処理
は、DP3の解像度Re3=400DPIの解像度画素
(解像度画素は解像度1画素ともいう。)の大きさ{6
3.5(25400μm/400DPI)μm×63.
5μm}の数分の1の大きさ{例えば、15.9(25
400μm/1600DPI)μm×15・9μm}を
持つ中間解像度(Re5=1600DPI)画素(中間
解像度1画素ともいう。)の第1の3刺激値データX、
Y、Zを求める処理であるといえる。
【0077】すなわち、第1の3刺激値データX、Y、
Zを求める場合には、まず、中間解像度1画素をもっと
小さい微小エリア[上述の解像度Re4=44800D
PIの1ドット{ドットの大きさは、0.567(25
400μm/44800DPI)μm×0.567μ
m}]で構成される28ドット×28ドット(図5A、
図5B参照)に分け、その微小エリアの各々が16原色
のどの色であるかを調べる。そして、調べた16原色の
点の数を中間解像度画素毎に集計し(上述のステップS
12の数え上げ処理)、その点の数の重みで予め測定し
てある16原色の3刺激値データXi、Yi、Ziを重
み付け平均化することで中間解像度1画素の第1の3刺
激値データX、Y、Zを求める。この場合、16原色の
色毎の面積率ci、すなわち、存在確率をPiとする
と、上述の(5)式に対応した次の(6)式により第1
の3刺激値データX、Y、Zを求めることができる。
【0078】 X=Σ(Pi×Xi)、(i=1〜16)、Y、Zも同様 …(6) ところで、この微小エリアの各点が何色であるかは、ス
テップS10の比較処理として説明したように、閾値マ
トリクス24の閾値TとCMYKの網点面積率データa
jの値(網%:網点面積率)を比較することで簡単に求
めることができるが、中間解像度画素の色の精度を確保
するには、微小エリアの数を28×28ドット等、非常
に多くしなければならないため計算に長時間を要してい
る。そこで、本発明者等は、これを解消するために、累
積ヒストグラムを用いる簡便な手法を考案した。
【0079】この簡便な手法は、中間解像度画素毎に存
在確率(網存在確率ともいう。)Piを、例えば、上述
したノイゲバウア式のような確率的な近似法で求める。
すなわち、次の(7)式により存在確率Pi(i=1〜
16)を求める。
【0080】 P1 =(1−Pc)(1−Pm)(1−Py)(1−Pk) P2 = Pc ・(1−Pm)(1−Py)(1−Pk) P3 =(1−Pc)・ Pm ・(1−Py)(1−Pk) P4 = Pc ・ Pm ・(1−Py)(1−Pk) P5 =(1−Pc)(1−Pm)・ Py ・(1−Pk) P6 = Pc ・(1−Pm)・ Py ・(1−Pk) P7 =(1−Pc)・ Pm ・ Py ・(1−Pk) P8 = Pc ・ Pm ・ Py ・(1−Pk) P9 =(1−Pc)(1−Pm)(1−Py)・Pk P10= Pc ・(1−Pm)(1−Py)・Pk P11=(1−Pc)・ Pm ・(1−Py)・Pk P12= Pc ・ Pm ・(1−Py)・Pk P13=(1−Pc)(1−Pm)・ Py ・Pk P14= Pc ・(1−Pm)・ Py ・Pk P15=(1−Pc)・ Pm ・ Py ・Pk P16= Pc ・ Pm ・ Py ・Pk …(7) このとき用いるC、M、Y、K各色の存在確率Pc、P
m、Py、Pkは、地道な方法では、網点面積率データ
ajと閾値マトリクス24の各閾値Tと比較して求める
のであるが、この比較if(aj>T:ajがTよりも
大であるならばの意、ajは、C、M、Y、K、したが
って、aj>Tは、C>T、M>T、Y>T、K>Tの
各比較を意味する。ここで、C、M、Y、Kは網%値、
Tは閾値である。)の際の値C(M、YまたはK)は、
中間解像度レベルでは同じ値であるが、閾値Tは微小エ
リアの位置によって変わる。そこで、ステップS10に
おける比較if(aj>T)を中間解像度毎にまとめて
処理することで処理を高速化する。そのためには、中間
解像度1画素分の微小エリアの数、すなわち、28ドッ
ト×28ドット(28閾値×28閾値)毎の閾値Tの累
積ヒストグラムを作成すればよい。累積ヒストグラムの
縦軸は累積度数であるが、この累積度数は存在確率Pi
に対応する。
【0081】この場合、上述の比較if(aj>T)
{「網点面積率ajが閾値Tより大きい場合の微小エリ
アの数は、」と解釈する。}を中間解像度1画素を構成
する全微小エリアに施した結果は、ヒストグラムhis
t[T]において、閾値Tが網点面積率aj以下の微小
エリアの合計値であるΣhist[T](Tはaj以
下)に等しいことが理解される。
【0082】したがって、各中間解像度1画素分のエリ
ア毎に計算したヒストグラムhist[T]から累積ヒ
ストグラムruihist[T]を作成しておくことに
より、例えば、C色の存在確率Pcは、次の(8)式で
求めることができる。
【0083】 Pc=ruihist[C色のaj値]=Σhist[T] (TはC色のajの値以下の値) …(8) 同様にして、累積ヒストグラムruihist[M色の
aj値]、ruihist[Y色のaj値]、ruih
ist[K色のaj値]を作成しておくことにより、存
在確率Pm、Py、Pkを短時間で簡単に求めることが
できる。
【0084】したがって、この結果として、中間解像度
画素毎に、上述の(7)式により存在確率Pi(i=1
〜16)を求めることができ、上述の(6)式により第
1の3刺激値データX、Y、Zを求めることができる。
【0085】図8は、累積ヒストグラムを用いるこの実
施の形態の構成を示している。
【0086】なお、この実施の形態において、実際に
は、後述する累積ヒストグラム強調処理(ステップS2
0:図8参照)を行うことから、累積ヒストグラム作成
処理(ステップS19)の前処理として、閾値マトリク
ス24に対しての低域通過フィルタ処理(一種のアンチ
エリアジング処理)(ステップS18)を行うが、理解
の容易化のために、まず、累積ヒストグラム作成処理
(ステップS19)について説明する。
【0087】この累積ヒストグラムを作成する場合に
は、図9に模式的に示すように、まず、175LPI
(Line Per Inch)の1ドットの大きさ
{145(25400μm/175LPI)μm×14
5μm}、言い換えれば、網点1個の大きさの閾値マト
リクス24を準備する。この閾値マトリクス24は、4
4800DPIの解像度で作成されているので、要素数
(微小エリア32の数)は、256(14.5μm÷0
0567μm)×256個になっている。閾値マトリク
ス24中の閾値Tの配列は、例えば、中央部の閾値Tが
T=0となっており、その中央部から周辺に向かって渦
巻き状に閾値Tが増加し、4隅(4頂点)の閾値TはT
=255になっている。各辺の中点で、閾値Tの値はT
=128程度である。256×256個の閾値Tは、閾
値TがT=0、1、2、……、255の各256個であ
る。なお、実際上、複数の閾値マトリクス24が並べて
配される。そして、この複数の閾値マトリクス24が並
べられた空間上に原画画素網%データajからなる画素
が並列的に敷き詰められた原画(原画画素データ)が仮
想的に重ねられて後述するように原画の網位置が決定さ
れる。
【0088】累積ヒストグラムは、引数を2つとるもの
を作成する。引数の1つは網%データ(単に網%ともい
う。)ajであって、もう1つの引数は、閾値マトリク
ス24上の、換言すれば、網空間上の位置である。この
網空間上の位置は、以下に説明するように閾値Tで代用
される。なお、以下、網空間上の位置を代用する閾値T
は、閾値(中心閾値)thとして説明する。
【0089】すなわち、網空間上での位置は、本来は、
1600DPI網空間(x,y)で表される2次元座標
であるが、これを使用して累積ヒストグラムを作成した
場合、累積ヒストグラムは、座標(x,y,aj)で表
される3次元の関数となり取り扱いが繁雑である。そこ
で、1600DPI網空間上の座標(x,y)、すなわ
ち網位置の代わりに、閾値マトリクス24上の閾値th
で代用する。
【0090】1600DPI網空間(x,y)座標か
ら、閾値マトリクス24上の閾値thへの対応は一意に
決定される。したがって、原画画素網%データajに係
る1600DPI網空間上の座標(x,y)を4480
0DPIの閾値マトリクス24上の座標(x′,y′)
に変換し、この座標(x′,y′)をインデックスとし
て閾値マトリクス24上の閾値thの値を調べればよ
い。
【0091】例えば、1600DPI空間(上述したよ
うに、解像度を400DPIから1600DPIに変換
処理後の原画上の空間)での位置が、座標(x″,
y″)にあり、網%ajがaj=c=10である画素
(原画画素)の網存在確率Pcを求める場合には、ま
ず、座標(x″,y″)に基づいて1600DPI空間
上の閾値thを求める。
【0092】座標(x″,y″)を閾値マトリクス24
の空間(AmiTempとする。)での座標(x,y)
に変換する場合には、印刷する線数をLPI(ここで
は、LPI=175)、網角度をθとするとき、次の
(9)式に示す簡単な座標変換によって得られる。
【0093】 x=(x″cosθ+y″sinθ)・1600・0/175・0 y=(x″sinθ−y″cosθ)・1600・0/175・0 …(9) このようにして得られた座標(x,y)から次の(1
0)式により閾値マトリクス24上の位置が確定し、そ
の位置の閾値thを読み出せばよい。
【0094】 AmiTemp〔{(int)(x・256)}%256,{(int)( y・256)}%256〕=th …(10) (10)式中、「(int)」は小数部を切り捨てて整
数化する演算を、「%」は剰余演算を意味し、したがっ
て、「{(int)(x・256)}%256」は、
「{(int)(x・256)}」を256で割った剰
余を意味する。
【0095】このようにして求めた中心閾値th(例え
ば、175)と網%aj=c=10とを各々引数、すな
わちインデックスとして累積ヒストグラムを引き、いわ
ゆる網存在確率Pcを求めることができる。
【0096】したがって、Pc=ruihist[t
h][aj]であり、例えば、P10=ruihist
[175][10]である。
【0097】累積ヒストグラムruihist[th]
[aj]は、閾値マトリクス24上の閾値thがth=
0〜255(網空間上の位置)の値毎に、その値を中心
として、閾値マトリクス24上の28×28個の閾値T
からヒストグラムhist[th]を作成し、次にこの
ヒストグラムhist[th]から累積ヒストグラムr
uihist[th]を作成する。
【0098】この場合、ヒストグラムhist[th]
と累積ヒストグラムruihist[th]は、図9に
示すように、閾値Tが各々1個割り当てられている微小
エリア32の数256×256個の閾値マトリクス(網
テンプレート)24中、正方形で示す中間解像度1画素
分のエリア31、すなわち、微小エリア32の28×2
8個分で隣りの画素(隣接画素)とオーバラップしない
(重ならない)ように区切って、CMYK各色に対して
各中間解像度1画素分のエリア31毎に、閾値T(28
×28個)の度数を計算してヒストグラムhist[t
h](thは、th=T=0、1、2、……、255)
を作成し、このヒストグラムhist[th]から累積
ヒストグラムruihist[th]を作成する。
【0099】図10(a)〜図10(f)において、図
10(a)〜図10(c)は、各々閾値マトリクス24
の頂点付近の閾値thがth=255の近傍で作成した
ヒストグラムhist[255]、閾値マトリクス24
の辺の中心付近の閾値thがth=128の近傍で作成
したヒストグラムhist[128]、および閾値マト
リクス24の中心付近の閾値thがth=0の近傍で作
成したヒストグラムhist[0]の例を示し、図10
(d)〜図10(f)の実線で示す特性(符号を前とし
ている)は、各々図10(a)〜図10(c)のヒスト
グラムhist[255]、ヒストグラムhist[1
28]、ヒストグラムhist[0]に対応した累積ヒ
ストグラムruihist[255]、累積ヒストグラ
ムruihist[128]、累積ヒストグラムrui
hist[0]の模式的な形状を示している。なお、累
積ヒストグラムruihist[255]、累積ヒスト
グラムruihist[128]、累積ヒストグラムr
uihist[0]の縦軸は、累積度数であるが、その
値は、存在確率(網の存在確率)と考えることができ、
T=255のとき、存在確率=1である。また、横軸
は、閾値Tであるが、この閾値Tは、引数としての網%
ajの値にも対応する。
【0100】このようにして累積ヒストグラムを作成す
ることができるが(ステップS19)、ロゼットパター
ンのコントラストを忠実に再現するために、次のステッ
プS20による累積ヒストグラムの強調処理を行うと、
その副作用として、中間解像度1画素の大きさに対応し
た特異パターンがビートとして現れてしまう場合がある
ので、累積ヒストグラムの作成処理(ステップS19)
の前に、ガウシャンフィルタ等の低域通過フィルタによ
り、中間解像度1画素よりも大きい範囲で閾値マトリク
ス24を構成する各閾値Tに対してフィルタをかけてお
くようにしている(ステップS18:図8参照)。
【0101】すなわち、上記の説明では、累積ヒストグ
ラムruihist[th]を作成するいわゆる積分エ
リアとして、中間解像度1画素分のエリア31とし、図
9に示したように、隣接する中間解像度1画素のエリア
31とはオーバーラップしないようなエリアとしていた
が、隣り合う中間解像度1画素のエリア31と重なる
(重複する。オーバーラップする。)エリアの範囲で以
下に説明する低域通過フィルタ処理を行った後、中間解
像度1画素分のエリア31で累積ヒストグラムruih
ist′[th]を作成する。
【0102】例えば、図11に示すように、中間解像度
1画素分を含むエリア35として、正方形の中間解像度
1画素分のエリア31(図9参照)の対角線の長さ+α
が直径の長さとなる円形等の中間解像度1画素分を含む
エリア35で低域通過フィルタ処理を行う。
【0103】低域通過フィルタ処理の例として、図1
2、図13に示すような大きさ(エリア)を有するガウ
シャンフィルタ36を使用する。なお、図13は、図1
2に示すガウシャンフィルタ36全体のうち、ハッチン
グを施した左上部分36aに配される係数(値99〜値
0)の構成を示している。左下部分36bの構成は、左
上部分36aの係数(要素)を上下逆にすればよく、同
様に右上部分36cの構成は左右逆、右下部分36dの
構成は上下左右とも逆の構成とすればよい。結局、ガウ
シャンフィルタ36は、中心36eから外側に向かっ
て、値(重み)がガウシャン関数形状に応じて小さくな
るフィルタである。なお、各係数の実際の値は、ガウシ
ャンフィルタ36を構成する全係数の和が1.00に規
格されるように、全係数の和で各係数を割った値を使用
する。
【0104】この例のガウシャンフィルタ36の大きさ
は44800DPI空間{175線の1個の網を256
×256の格子(微小エリア)に分解した空間}上で5
6×56個である。したがって、1600DPI1画素
(256×175線/1600DPI=28)のちょう
ど縦横各2倍のサイズになる。
【0105】ステップ8のフィルタ処理過程では、閾値
th(0〜255)の各位置毎にこのガウシャンフィル
タ36の中心を合致させて対応する要素の閾値Tの値と
ガウシャンフィルタ36の係数とを掛けて閾値Tを変換
し、変換した閾値Tについて、その56×56個のエリ
アの中央の28×28個のエリアで上述したように、最
終的に存在確率Piに変換した累積ヒストグラムrui
hist[th]を作成する(ステップS19)。した
がって、この累積ヒストグラムruihist[th]
の数も256個になる。なお、この実施の形態では、繁
雑さを避けるためにガウシャンフィルタ36による処理
後の累積ヒストグラムrihist[th]の例を図1
0(d)〜図10(f)の実線の特性で示したものとす
る。
【0106】次に、ステップ20の累積ヒストグラムの
強調処理を行う。この場合、図10に一部(th=0、
th=128、th=255の3個)を示した256個
の累積ヒストグラムruihist[0]〜[255]
を閾値thの順に束ねて模式的に描いたものを図14に
示す。図14において、X軸、Y軸、Z軸はそれぞれ閾
値T(網%aj)、中心閾値th、存在確率Piに対応
している。
【0107】次に、図15は、図14において、X軸と
Y軸を交換して累積ヒストグラムruihist[0]
〜[255]の束を描いた図である。この図15におい
て、例として、閾値T(網%ai)がT=aj=5での
断面とT=aj=200での断面を描いている。
【0108】累積ヒストグラムの強調処理は、256個
の累積ヒストグラム[0]〜[255]の全てに適用す
るものであるが、例として、閾値T(網%aj)がT=
aj=200での断面の包絡線、すなわち、強調処理前
の累積ヒストグラムruihistP[200](図1
5も参照)と強調処理後の累積ヒストグラムruihi
stQ[200]を図16に示す。なお、図16におい
て、一点鎖線で示す網%ajがaj=200の断面での
平均累積度数(平均存在確率)Mrui[200]は、
次の(11)式で計算される。
【0109】 Mrui[200]=(1/256)ΣruihistP[200] …(11) (11)式において、Σは、th=0〜255について
の総和を意味する。
【0110】この実施の形態では、図16に示す平均累
積度数Mrui[200]から強調処理前累積ヒストグ
ラムruihistP[200]までの間隔をaとし、
強調処理前累積ヒストグラムruihistP[20
0]から強調処理後累積ヒストグラムruihistQ
[200]までの間隔をbとしたとき、強調処理後の累
積ヒストグラムruihistQ[200]を、次の
(12)式で求めている。
【0111】 ruihistQ[200]=〔{ruihistP[200]−Mrui [200]}×(a+b)/a〕+Mrui[200] …(12) 図16からも理解されるように、強調後累積ヒストグラ
ムruihistQ[200]は、平均累積度数Mru
i[200]を基準線と考えたとき、その基準線からの
差が強調前累積ヒストグラムruihistP[20
0]に比較して広がるようにされたものである。
【0112】(12)式において、増幅度(強調度とも
いう。)(a+b)/bは、1より大きな値であって、
DP3で使用されるビームの広がり等を考慮して実験的
に定めることができる。
【0113】図17は、図15に示した強調前累積ヒス
トグラムruihistP[200]、ruihist
P[5]に対して強調後累積ヒストグラムruihis
tQ[200]、ruihistQ[5]を点線で表し
たものを示している。なお、理解の容易化のために、強
調前累積ヒストグラムruihistP[200]、r
uihistP[5]、強調後累積ヒストグラムrui
histQ[200]、ruihistQ[5]の間に
存在する強調前後の累積ヒストグラムruihistP
[ ]をも示している。
【0114】この図17の強調後累積ヒストグラムru
ihistQ[ ]を再び図14に示すように並べ変え
る(座標を変換する)ことで、強調前累積ヒストグラム
ruihist[th][aj]に対応する強調後累積
ヒストグラムruihist′[th][aj]を得る
ことができる。
【0115】図10(d)〜図10(f)に示す点線の
グラフは各々強調後累積ヒストグラムruihist′
[255][T](ruihist′[255][a
j]とも記す。)、ruihist′[128]
[T]、ruihist′[0][T]を模式的に描い
た図である。
【0116】一般的にコントラスト強調後の累積ヒスト
グラムをruihist′[th][aj]=ruih
ist′[th][aj]と表したとき、ajは、原画
についての網点面積率データであり、thは、網空間上
の位置、すなわち、累積ヒストグラムを作成する(積分
する)際の中心位置を表している。
【0117】累積ヒストグラムruihist′[t
h][aj]は、閾値thという値を中心とした160
0dpi1画素(中間解像度1画素)のエリア内にどの
ような閾値Tが存在しているのかということを表してい
る。
【0118】そして、閾値Tと原画の網点面積率ajと
の比較(ステップS11)でaj>Tの微小エリア32
は印刷時に色が付けられる(塗りつぶされる)。結局、
累積ヒストグラムruihist′[th][aj]
は、網点面積率ajより小さい閾値Tの微小エリア32
の数を示す割合であるので、網の存在確率Piを意味す
ることとなる。
【0119】ステップS10の比較処理により、C、
M、Y、K各色の存在確率Pc、Pm、Py、Pkが求
められる。
【0120】次に、ステップS13における加重平均処
理では、測色計等で測色した16原色の測色値データX
i、Yi、Ziに対してステップS10で求めた存在確
率Piを重み係数として、デバイス非依存のデータであ
る3刺激値データ(以下、単に色ともいう。)X、Y、
Zを上述の(6)式で求める。(6)式を再度掲載す
る。
【0121】 X=Σ(Pi×Xi)、(i=1〜16)、Y、Zも同様 …(6) 次にステップS21に示す強調処理を行う。この強調処
理はロゼットパターンのコントラストを上げる処理であ
る。なお、この強調処置は、色XYZのいずれの色につ
いても同様に行うことができるので、以下の説明におい
て、色Xを代表として説明し、残りの色YZについて
も、必要な場合に適宜説明する。
【0122】この場合、(6)式で得られる左辺のXY
Z値を、便宜上、色XkYkZkとする。図18に示す
ように、白丸で示す色XkYkZkは、XYZ空間で
は、網%がc、m、y、kであるときの黒丸で示す平均
的な色XmYmZmの周りに均等に散らばることにな
る。この散らばる範囲を散布界40と呼ぶ。なお、符号
41で示す領域はDP3の色再現域を示している。
【0123】そこで、この散布界40の大きさを次の
(13)式に基づいて計算的に拡張する。この拡張によ
りロゼットパターンのコントラストを上げることができ
ることを確認している。
【0124】 Xk′={(Xk/Xmean)^γ}・Xmean …(13) (13)式において、γは、ロゼットコントラスト強調
定数であって、その値は1.0〜3.0の間に選択す
る。^は累乗を表す。なお、色Xmeanは、網%が
c,m,y,kであって、その存在確率がPc、Pm、
Py、Pkとしてノイゲバウア式に代入した値を使って
求めた色である。
【0125】このようにして散布界40の大きさを散布
界42に広げた模式的な図を図19に示す。このように
すれば、散布界42は色再現域41に近くなり、画像上
彩度の高くなった画像が得られ、ロゼットパターンを明
瞭に(コントラストを高く)視認することができるよう
になる。
【0126】この散布界42を広げるときに用いる平均
の色Xmeanは、単に、ノイゲバウア式により求めた
色Xmeanを用いるよりも、実際に用いる(13)式
によるγ処理後のXk′、Yk′、Zk′を平均して再
度求めた値を用いるほうが色の精度が良くなる。
【0127】具体的に説明すると、まず、1600DP
I直交空間上の座標(x,y)において、XYZ値を計
算しようとする画素の座標が(x0,y0)であるとす
ると、その近傍5×5の座標(x0−2,y0−2)〜
(x0+2,y0+2)点の画素について5×5=25
個の色XkYkZkを求める。これらの色XkYkZk
と(13)式から色Xk′Yk′Zk′をそれぞれ25
個求める。
【0128】色Xk′の25個を次の(14)式に基づ
いて平均した値を色aveXk′とする。
【0129】 aveXk′=(1/25)・(X1′+X2′+…+X25′) …(14) このようにして求めたaveXk′と前記最初の平均の
色Xmeanを次の(15)式により平均して新たな平
均の色Xmean′を暫定的に求める。
【0130】 Xmean′=(aveXk′+Xmean)/2 …(15) 次に、この暫定的に求めた平均の色Xmean′と前記
5×5=25個の色XkYkZkから(13)式により
新たな色Xk′を25個求める。
【0131】そして、この新たに求めた25個の色X
k′を(14)により平均して再度新たな平均色ave
Xk′を求める。
【0132】そしてこの新たな平均色aveXk′と前
記暫定的に求めた平均の色Xmean′から、この平均
の色Xmean′を色Xmeanとして再度(15)式
を用いて最終的な(実際には3回目の)平均的な色Xm
ean′を求める。このようにして求めた平均的な色X
mean′を散布界40を散布界42に広げる場合の
(13)式の平均的な色Xmeanとして使用すること
で、色の精度を向上させることができる。
【0133】なお、この発明は上述の実施の形態に限ら
ず、例えば、画像出力装置としてDP3に限らず、ディ
スプレイモニタを使用する等、この発明の要旨を逸脱す
ることなく種々の構成を採り得ることはもちろんであ
る。
【0134】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、画像出力装置用のデバイス非依存の印刷プルーフ用
データを作成する際に、ノイゲバウア式を用いないで、
網の存在確率を用いるという全く新規な観点に立って作
成している。このようにして作成した印刷プルーフ用デ
ータをカラープリンタ等の画像出力装置に供給し、この
画像出力装置の出力画像が担持されたカラー印刷プルー
フ上で、カラー印刷物に特有のモアレ、ロゼット等の特
異パターンを正確かつ忠実に再現することができる。
【0135】ここで、全く新規な観点と述べたのは、従
来、例えば、400DPI程度の低解像度のカラープリ
ンタ等では、2000DPI程度のカラー印刷物に現れ
る特異パターンを再現することができないとされていた
が、これを低解像度のカラープリンタ等で再現するとい
う観点に立ち、その結果、閾値マトリクスから作成した
累積ヒストグラムを用いて、色毎の面積率(存在確率)
を求め、これを測色データの重み係数として平均測色値
データを計算するという全く新規な構成(着想)に基づ
いているからである。
【0136】なお、この発明により特異パターンが現れ
る理由について説明すると、特異パターンは、3原色を
含む少なくとも3版分の網点面積率データのそれぞれに
対して網角度の異なる閾値を用いてビットマップデータ
に展開したときに潜在的に発生する。したがって、この
潜在的に発生する特異パターンの周期よりも短い周期の
画素列を有するカラープリンタでカラー印刷プルーフを
再現することにより特異パターンを再現することができ
る。
【0137】さらに、この発明ではアンチエリアジング
フィルタ処理を行っているが、このアンチエリアジング
フィルタ処理では、有意味情報であるモアレ等の特異パ
ターンを保存しながら、画像処理の副作用であるビート
(網周期のカラープリンタの解像度との干渉)を除去す
ることができる。モアレ等の特異パターンは網を使用し
た印刷では必然的に発生する欠陥であるので、カラー印
刷プルーフではこれを再現する必要がある。一方、シミ
ュレーションの副作用であって印刷とは何のかかわりあ
いのないビートはこれを発生させない必要がある。
【0138】さらにまた、この発明では、累積ヒストグ
ラムの傾斜を急にした累積ヒストグラムを用いること
で、ロゼットパターン等の特異パターンをより一層忠実
に再現することができる。この場合、累積ヒストグラム
の傾斜を急にする前処理として低域通過フィルタによる
フィルタ処理を行っているので、単に、累積ヒストグラ
ムの傾斜を急にした場合のビート発生等の副作用を抑制
することができる。
【0139】さらにまた、この発明では、平均測色値デ
ータを、平均予測測色値データを中心に広げるような処
理を行っているので、再現色が純色に近くなり、結果と
して、ロゼットパターン等の特異パターンをより一層忠
実に再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の前提となる技術の処理フローを含
み、全体としては、カラー印刷物に対応するカラー印刷
プルーフを作成するシステムの説明に供されるフロー図
である。
【図2】図1の処理フロー中、カラー印刷物を作成する
場合の一般的なビットマップデータを作成する際の説明
に供される線図である。
【図3】アンチエリアジングフィルタの構成を示す線図
である。
【図4】アンチエリアジングフィルタの周波数応答を示
す線図である。
【図5】図1の処理フロー中、カラー印刷プルーフを作
成する際の比較的高解像度のビットマップデータから平
均測色値データを作成する際の説明に供される線図であ
って、図5Aは28×28ドット分のC版のビットマッ
プデータを示す線図であり、図5Bは28×28ドット
分のM版のビットマップデータを示す線図である。
【図6】平均測色値データに対してアンチエリアジング
フィルタをかける際の説明に供される線図であって、図
6Aはその最初の処理過程に係る線図であり、図6Bは
次の処理過程に係る線図である。
【図7】この発明の前提となる技術の解像度の変換等の
説明に供される線図である。
【図8】この発明の一実施の形態の処理フローを含み、
全体としては、カラー印刷物に対応するカラー印刷プル
ーフを作成するシステムの説明に供されるフロー図であ
る。
【図9】閾値マトリクスから累積ヒストグラムを作成す
る際の説明に供される線図である。
【図10】図10(a)〜図10(c)は、それぞれ、
ヒストグラムの例を示す線図、図10(d)〜図10
(f)は、それぞれ、図10(a)〜図10(c)に示
したヒストグラムから作成した累積ヒストグラムを示す
線図である。
【図11】フィルタ処理後の閾値マトリクスから累積ヒ
ストグラムを作成する際の説明に供される線図である。
【図12】フィルタ処理に用いられるガウシャンフィル
タの全体構成を示す線図である。
【図13】図12に示すガウシャンフィルタの左上部分
を占める係数を示す線図である。
【図14】中心閾値毎の累積ヒストグラムを束ねて表し
た線図である。
【図15】図14のX軸とY軸を入れ替えて描いた中心
閾値毎の累積ヒストグラムを束ねて表した線図である。
【図16】累積ヒストグラムの強調処理の説明に供され
る線図である。
【図17】強調処理前後の累積ヒストグラムを合わせて
描いた線図である。
【図18】ロゼットパターンのコントラスト強調処理前
の散布界の説明に供される線図である。
【図19】ロゼットパターンのコントラスト強調処理後
の散布界の説明に供される線図である。
【図20】従来の技術の説明に供されるフロー図であ
る。
【符号の説明】
2…画像原稿 3…カラープリンタ 12…カラー印刷物 14、24…閾値マ
トリクス aj…網点面積率データ bj…ビットマップ
データ ci…面積率 CPb…カラー印刷
プルーフ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】CMY各版またはCMYK各版の原画画素
    網%データがビットマップデータに展開され、このビッ
    トマップデータに基づいて印刷機により作成される印刷
    物の印刷プルーフを画像出力装置で作成する場合におい
    て、前記画像出力装置用のデバイス非依存の印刷プルー
    フ用データを作成する際、 前記各版(n版とする。)の原画画素網%データのそれ
    ぞれに対して閾値マトリクスを参照し、2n 色毎の存在
    確率である面積率を前記画像出力装置の出力解像度画素
    より小さい中間解像度画素毎に求める過程と、 予め求めておいた前記2n 色毎の測色値データに対して
    前記2n 色毎の面積率を重み係数として前記中間解像度
    画素毎に平均測色値データを計算する過程と、 この平均測色値データに対して、前記出力解像度画素よ
    り大きい範囲でアンチエリアジングフィルタ処理を順次
    行うことで、前記デバイス非依存の印刷プルーフ用デー
    タとしての前記出力解像度1画素毎の平均測色値データ
    に変換する過程とを有し、 前記2n 色毎の存在確率である面積率を前記画像出力装
    置の出力解像度画素より小さい中間解像度画素毎に求め
    る過程では、 前記閾値マトリクスの各閾値を中心位置として前記中間
    解像度画素より大きい範囲内でこの範囲内の各閾値に対
    して低域通過フィルタ処理を行った後、前記フィルタ処
    理後の閾値について、前記中間解像度画素の範囲で前記
    各中心閾値を引数とする累積ヒストグラムを作成し、 作成した各中心位置閾値毎の累積ヒストグラムの各閾値
    での各累積度数値を結ぶ各包絡線上の前記各累積度数値
    を平均化して平均累積度数値を求め、前記各包絡線上の
    前記各累積度数値を、前記平均累積度数値を基準として
    差を広げる強調処理を行い、この強調処理後の各中心位
    置閾値毎の累積ヒストグラムを作成し、 前記各版の原画素網%データを前記強調処理後の各中心
    閾値毎の累積ヒストグラムを参照して、前記2n 色毎の
    存在確率である面積率を前記画像出力装置の出力解像度
    画素より小さい中間解像度画素毎に求めることを特徴と
    する印刷プルーフ用データの作成方法。
  2. 【請求項2】CMY各版またはCMYK各版の原画画素
    網%データがビットマップデータに展開され、このビッ
    トマップデータに基づいて印刷機により作成される印刷
    物の印刷プルーフを画像出力装置で作成する場合におい
    て、前記画像出力装置用のデバイス非依存の印刷プルー
    フ用データを作成する際、 前記各版(n版とする。)の原画画素網%データのそれ
    ぞれに対して閾値マトリクスを参照し、2n 色毎の存在
    確率である面積率を前記画像出力装置の出力解像度画素
    より小さい中間解像度画素毎に求める過程と、 予め求めておいた前記2n 色毎の測色値データに対して
    前記2n 色毎の面積率を重み係数として前記中間解像度
    画素毎に平均測色値データを計算する過程と、 この平均測色値データを強調する処理を行う過程と、 前記強調処理後の平均測色値データに対して、前記出力
    解像度画素より大きい範囲でアンチエリアジングフィル
    タ処理を順次行うことで、前記デバイス非依存の印刷プ
    ルーフ用データとしての前記出力解像度1画素毎の平均
    測色値データに変換する過程とを有し、 前記2n 色毎の存在確率である面積率を前記画像出力装
    置の出力解像度画素より小さい中間解像度画素毎に求め
    る過程では、 前記閾値マトリクスの各閾値を中心位置として前記中間
    解像度画素の範囲で、前記各中心閾値を引数とする累積
    ヒストグラムを作成し、前記原画網%データに対して、
    この原画網%データの前記中間解像度空間上の位置に対
    応する前記中心閾値の累積ヒストグラムを参照して面積
    率を求め、 前記平均測色値データを強調する処理を行う過程では、 強調処理前の平均測色値データをXk、確率論的な平均
    予測測色値データをXmean、累乗係数をγとすると
    き、強調処理後の平均測色値データXk′を次式 Xk′={(Xk/Xmean)^γ}・Xmean により求めることを特徴とする印刷プルーフ用データの
    作成方法。
  3. 【請求項3】CMY各版またはCMYK各版の原画画素
    網%データがビットマップデータに展開され、このビッ
    トマップデータに基づいて印刷機により作成される印刷
    物の印刷プルーフを画像出力装置で作成する場合におい
    て、前記画像出力装置用のデバイス非依存の印刷プルー
    フ用データを作成する際、 前記各版(n版とする。)の原画画素網%データのそれ
    ぞれに対して閾値マトリクスを参照し、2n 色毎の存在
    確率である面積率を前記画像出力装置の出力解像度画素
    より小さい中間解像度画素毎に求める過程と、 予め求めておいた前記2n 色毎の測色値データに対して
    前記2n 色毎の面積率を重み係数として前記中間解像度
    画素毎に平均測色値データを計算する過程と、 この平均測色値データを強調する処理を行う過程と、 前記強調処理後の平均測色値データに対して、前記出力
    解像度画素より大きい範囲でアンチエリアジングフィル
    タ処理を順次行うことで、前記デバイス非依存の印刷プ
    ルーフ用データとしての前記出力解像度1画素毎の平均
    測色値データに変換する過程とを有し、 前記2n 色毎の存在確率である面積率を前記画像出力装
    置の出力解像度画素より小さい中間解像度画素毎に求め
    る過程では、 前記閾値マトリクスの各閾値を中心位置として前記中間
    解像度画素より大きい範囲内でこの範囲内の各閾値に対
    して低域通過フィルタ処理を行った後、前記フィルタ処
    理後の閾値について、前記中間解像度画素の範囲で前記
    各中心閾値を引数とする累積ヒストグラムを作成し、 作成した各中心位置閾値毎の累積ヒストグラムの各閾値
    での各累積度数値を結ぶ各包絡線上の前記各累積度数値
    を平均化して平均累積度数値を求め、前記各包絡線上の
    前記各累積度数値を、前記平均累積度数値を基準として
    差を広げる強調処理を行い、この強調処理後の各中心位
    置閾値毎の累積ヒストグラムを作成し、 前記各版の原画素網%データを前記強調処理後の各中心
    閾値毎の累積ヒストグラムを参照して、前記2n 色毎の
    存在確率である面積率を前記画像出力装置の出力解像度
    画素より小さい中間解像度画素毎に求め、 前記平均測色値データを強調する処理を行う過程では、 強調処理前の平均測色値データをXk、確率論的な平均
    予測測色値データをXmean、累乗係数をγとすると
    き、強調処理後の平均測色値データXk′を次式 Xk′={(Xk/Xmean)^γ}・Xmean により求めることを特徴とする印刷プルーフ用データの
    作成方法。
  4. 【請求項4】請求項2または3記載の方法において、前
    記確率論的な平均予測測色値データXmeanを、前記
    強調後の平均測色値データXk′を複数回平均化した値
    とすることを特徴とする印刷プルーフ用データの作成方
    法。
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