JPH10232297A - 可燃性ガスの再結合処理方法とその気体廃棄物処理設備 - Google Patents

可燃性ガスの再結合処理方法とその気体廃棄物処理設備

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JPH10232297A
JPH10232297A JP9034505A JP3450597A JPH10232297A JP H10232297 A JPH10232297 A JP H10232297A JP 9034505 A JP9034505 A JP 9034505A JP 3450597 A JP3450597 A JP 3450597A JP H10232297 A JPH10232297 A JP H10232297A
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gas
catalyst
filter
reactor
water
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JP9034505A
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English (en)
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Atsushi Watabe
厚 渡部
Kazuo Murakami
一男 村上
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】炉水の放射線分解で生じた原子炉内の可燃性ガ
スが主蒸気ラインや水位計凝縮槽等のガス溜り部へ移行
する前に炉内で再結合させてガス溜り部での蓄積を防止
する。また、気体廃棄物処理設備の構成を簡略化する。 【解決手段】原子炉圧力容器1内の上部気相空間部に触
媒19を設ける。この触媒19により炉水の放射線分解で発
生する可燃性ガス(水素、酸素)を水に再結合させる。
また、気水分離器4,蒸気乾燥器5または主蒸気管6の
表面またはそれらの近傍に触媒19をメッキするか、触媒
19を担持したセラミック担体を設ける。触媒19はパラジ
ウム、白金またはそれらの合金からなり、触媒19を板状
多段フィルタ、金属繊維フィルタまたは線状金属フィル
タに形成するか、セラミック担体に金属触媒を担持させ
た粒状体を充填してフィルタに形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は沸騰水型原子力発電
プラントにおける炉水の放射線分解で発生する可燃性ガ
スを原子炉内で再結合させる可燃性ガスの再結合処理方
法とその気体廃棄物処理設備に関する。
【0002】
【従来の技術】気体廃棄物処理設備は原子力発電所にお
ける放射放射能を安全に処理し、低減化することを目的
としている。原子力発電所で発生する気体廃棄物のう
ち、炉水の放射線分解ガス(水素/酸素)の可燃性ガス
はプラント運転の安全性および気体廃棄物の減容のた
め、再処理している。
【0003】従来の可燃性ガス(水素,酸素)の排ガス
再結合器とその気体廃棄物処理系(オフガス系)設備の
概要について、図6により説明する、図6は従来の沸騰
水型原子力発電プラント(BWR)のオフガス系再結合
システムの概略を系統図で示している。
【0004】図6において、原子炉圧力容器1内の炉心
2近傍では炉水3の放射線分解で発生した可燃性ガス
(水素,酸素)は、炉心2の上部に設けられた気水分離
器4および蒸気乾燥器5をそのまま通過して、主蒸気管
6からタービン7を経由した後、主復水器8へ導かれ
る。
【0005】ここで、空気抽出器9により抽気された抽
気ガスは放射性希ガス等とともに気体廃棄物処理系(オ
フガス系)の排ガス予熱器10で予熱された後、排ガス再
結合器11で再結合され、排ガス復水器12に溜められる。
残りの放射性希ガスは活性炭式ホールドアップ塔13で放
射能を減衰処理した後、無害となった処理ガスはスタッ
ク14から放出される。
【0006】なお、図6中符号15は主蒸気管6と主復水
器8との間に接続した主蒸気バイパスライン、16は原子
炉水位計凝縮槽、17は原子炉圧力容器1全体を覆う原子
炉格納容器、18は主復水器8と原子炉圧力容器1とを接
続する給水管である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の排ガス再結合器
11は、可燃性ガスの発生場所となる炉心2からかなり遠
く離れた位置に設置されている。そのため、たとえば原
子炉圧力容器1内の上部気相空間部、主蒸気管6ないし
は主蒸気管6に接続されている主蒸気バイパスライン15
のいずれかの場所において、この可燃性ガスが徐々に蓄
積されるようなことが考えられる。
【0008】これらの場合には、蓄積箇所周辺において
燃焼限界である水素濃度が4%、酸素濃度が5%をとも
に越えることも想定され、燃焼に至る恐れがある。ま
た、原子炉圧力容器1においても、原子炉水位を計測す
る凝縮槽16が設けられており、この凝縮槽16内に可燃性
ガスが蓄積されると水位を正確に測定できないなどの課
題がある。
【0009】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、原子炉圧力容器内の上部気相空間部や主蒸気
管またはその分岐ラインなどに、炉水の放射線分解で生
じた可燃性ガス(水素,酸素)が蓄積され、水素燃焼の
恐れや水位計測の誤差等を生じないような炉内可燃性ガ
スの再結合処理方法およびその気体廃棄物処理設備を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、原子
炉圧力容器内の上部気相空間部に、触媒を設けて原子炉
水の放射線分解で発生する水素および酸素の可燃性ガス
を前記原子炉圧力容器内で水に再結合させることを特徴
とする。請求項2の発明は、前記触媒はパラジウムまた
は白金あるいはその合金製の金属触媒からなることを特
徴とする。
【0011】請求項3の発明は、前記金属触媒は前記上
部気相空間部に設置された機器類またはその近傍に直接
メッキされるか、またはセラミック担持体に担持される
ことを特徴とする。
【0012】請求項4の発明は、前記金属触媒は板状多
段フィルタ,金属繊維フィルタ、または線材を折り曲げ
て形成した線材フィルタあるいは前記金属触媒を担持し
た粒状物を充填した粒状物充填フィルタからなることを
特徴とする。
【0013】請求項5の発明は、原子炉圧力容器に主蒸
気管を接続し、この主蒸気管にタービンを接続し、この
タービンに主復水器から抽気する空気抽出器を接続し、
この空気抽出器から抽気した放射性気体廃棄物を排ガス
予熱器,排ガス再結合器および排ガス復水器を通流して
活性炭ホールドアップ塔で処理しその処理ガスをスタッ
クから放出する気体廃棄物処理設備において、前記原子
炉圧力容器内に設置された蒸気乾燥器,気水分離器およ
び前記主蒸気管入口部の少なくとも1部またはその近傍
に、原子炉水の放射線分解で発生する水素および酸素の
可燃性ガスを水に再結合させる触媒を有する炉内再結合
器を設け、前記排ガス予熱器,排ガス再結合器および排
ガス復水器を削除して前記空気抽出器の下流側を直接前
記活性炭式ホールドアップ塔に接続してなることを特徴
とする。
【0014】請求項6の発明は、前記炉内再結合器はパ
ラジウムまたは白金あるいはその合金からなる金属触媒
を板状多段フィルタ,金属繊維フィルタ,線材フィルタ
または前記金属触媒を担持した粒状体充填フィルタの少
なくとも一種からなることを特徴とする。請求項7の発
明は、前記蒸気乾燥器,気水分離器または主蒸気管の入
口部の少なくとも1種の表面には前記金属触媒がメッキ
されてなることを特徴とする。
【0015】本発明によれば、可燃性ガスの発生場所近
傍である原子炉圧力容器上部気相空間部、たとえば蒸気
乾燥器本体もしくはその周辺空間部に触媒式または触媒
を組み込んだ再結合器を設け、炉内で発生される可燃性
ガスを触媒で水に再結合させる。
【0016】これにより、主蒸気ラインまたは原子炉水
位計凝縮槽や主蒸気バイパスライン等のガス溜り部での
可燃性ガスの蓄積をなくし、水位計測の誤差や水素燃焼
の恐れを未然に防止することができる。また、従来のオ
フガス系に設けられている排ガス予熱器や再結合器,排
ガス復水器が不要になり、オフガス系の合理化、簡略化
が図れる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1(a),(b)により本発明
に係る可燃性ガスの再結合処理方法およびその気体廃棄
物処理設備の第1の実施の形態を説明する。図1(a)
は本実施の形態に係る可燃性ガスの再結合処理方法およ
びその気体廃棄物処理設備を説明するための概略的な系
統図で示しており、図1中、図6と同一部分には同一符
号を付して重複する部分の説明は省略する。
【0018】本実施の形態が従来例と異なる点は、蒸気
乾燥器5の表面に図1(b)に示すように触媒19を設け
るとともに空気抽出器9の下流側を直接活性炭式ホール
ドアップ塔13に接続して、従来設置されている排ガス予
熱器10,排ガス再結合器11および排ガス復水器12を削除
したことにある。なお、図1(b)は蒸気乾燥器5の表
面に触媒19としてのパラジウムまたは白金あるいはその
合金をメッキにより設けた状態を部分的に示している。
【0019】すなわち、図1(a)において、沸騰水型
原子力発電プラント(BWR)の原子炉圧力容器1内の
炉心2近傍で炉水3の放射線分解により発生した可燃性
ガス(水素,酸素)は、水蒸気の流れとともに炉心2の
上部に設けられた気水分離器4および蒸気乾燥器5を通
過する。
【0020】通過した蒸気は触媒19により可燃性ガスが
再結合されて水蒸気となっている。可燃性ガスが除去さ
れた蒸気は主蒸気管6を通してタービン7へ流入する。
タービン7で仕事を終えた蒸気は主復水器8へ流入し、
復水となる。復水は浄化され給水となって給水管18を通
して原子炉圧力容器1内へ戻る。
【0021】一方、主復水器8から空気抽出器9で抽気
された抽気ガスは活性炭式ホールドアップ塔13へ流入
し、放射性希ガスの時間減衰処理が行われた後、スタッ
ク14から大気中へ放出される。
【0022】ここで、図1(a)に示すように、原子炉
圧力容器1の上部気相空間部に設置されているステンレ
ス鋼(SUS)製蒸気乾燥器5の表面には水素と酸素を
効率よく反応させ、水に再結合させる触媒19がメッキさ
れている。この触媒19は図1(b)に示すパラジウム
(Pd)金属、または白金(Pt)金属、あるいはPd
−Pt合金のいずれを使用してもよく、そのメッキ膜厚
はいずれも1ミクロン前後が望ましい。
【0023】典型的なBWRプラントの蒸気乾燥器5の
全表面積は1000m2 程度であるが、この蒸気乾燥器5の
表面積を1000m2 、Pdメッキの膜圧を1ミクロンとす
ると、Pdの全重量は約12kgとなる。これから、Pd
1g当たりの表面積は約 800cm2 /gであり、この値は
通常のオフガス系再結合器に用いられているアルミナ触
媒(Pdを 0.5wt%担持)と比較すると1/20程度であ
る。またPdの総量は同程度である。
【0024】これから、本実施の形態においてはPdの
全有効表面積がオフガス系でのそれに比べ1/20程度と
小さいが、オフガス系の場合十分に余裕を持たせている
こと、およびオフガス系での水素の低減率が数万分の1
と非常に大きいことを考えると、本実施の形態で使用す
る再結合器においても1/1000程度の水素濃度の低減率
が期待できる。
【0025】このことから、気水分離器4においてミス
ト分離後の水蒸気中に含まれる低濃度の水素と酸素(重
量濃度で水素は約2ppm 、酸素は約16ppm )は、この蒸
気乾燥器5のPd触媒表面で効率よく再結合されて水に
戻る。
【0026】そして、再結合されなかった微量の水素・
酸素(重量濃度で数ppb オーダー)は主蒸気とともに主
蒸気管6からタービン7を経由して主復水器8へ移行
し、空気抽出器9から空気とともに希ガスホールドアッ
プ塔13を通り、最終的にスタック14から放出される。
【0027】このオフガス系での水素濃度は、炉内で再
結合により1/1000に減少するものとし、またオフガス
系の空気流量を40m3 /Hrとすると、以下に示すよう
に水素濃度は0.6 vol%以下となる。
【0028】典型的なBWRプラントの主蒸気流量は約
104 ton/Hrであり、水素濃度は約2ppm (重量濃
度)であるから、主蒸気中の水素の質量流量は約20kg
/Hrとなる。これを体積流量に換算すると約220 m3
/Hrとなり、本実施の形態による炉内再結合器により
1/1000に低下するとすれば、その体積流量は0.22m3
/Hrに低減される。したがって、オフガス流量を40m
3 /Hrとすれば、オフガス系での水素濃度は0.22/40
=0.56vol%となる。
【0029】それゆえ、この値は可燃限界濃度である4
vol%に比べ十分低くなるため、特にオフガス系にお
いて再結合器を設ける必要はない。すなわち、本実施の
形態に係る気体廃棄物処理設備としては、図1(a)に
示したように空気抽出器9を活性炭式ホールドアップ塔
13に直結でき、従来のオフガス系に設置されている図6
に示した排ガス予熱器10,排ガス再結合器11および排ガ
ス復水器12は不要となり、合理化とともに簡略化でき
る。
【0030】つぎに図2(a)〜(e)により本発明に
係る可燃性ガスの再処理方法およびその気体廃棄物処理
設備の第2の実施の形態を説明する。なお、図2中、図
1および図6と同一部分には同一符号を付して重複する
部分の説明は省略する。
【0031】すなわち、図2(a)において、図1
(a)の場合と同様に沸騰水型原子力発電プラント(B
WR)の原子炉圧力容器1内の炉心2近傍で炉水3の放
射線分解により発生した可燃性ガス(水素、酸素)は、
水蒸気の流れとともに炉心上部に設けられた気水分離器
4および蒸気乾燥器5を通過する。この後の過程は、第
1の実施形態と同様なので、それ以降の説明は省略す
る。
【0032】本実施の形態は、図2(a)に示すよう
に、原子炉圧力容器1の上部気相空間部の内、気水分離
器4と蒸気乾燥器5の空間部を利用して、ここに触媒19
またはセラミック担体に触媒19を担持した担持体を有す
る炉内再結合器20を設置することにより、可燃性ガスを
水素と酸素を効率よく再結合させる。
【0033】すなわち、図2(a)に示す炉内再結合器
20は、第1の例として図2(b)に示すように、ステン
レス鋼(SUS)表面にPdメッキもしくはPtメッ
キ、あるいはPd−Pt合金のメッキ(メッキの厚みは
いずれも1ミクロン程度)を施し、かつ波板状に形成し
て表面積をできるかぎり大きくした、大きさが約5m×
5m×0.6 mの板状多段フィルタ20aで構成されてい
る。
【0034】この場合、メッキの全表面積を1000m2
度にすることにより、前述した同様の再結合効果が期待
できる。または、図2(c)に第2の例として示すよう
に大きさが約5m×5m×0.6 mからなるSUS容器
に、PdあるいはPtもしくはPd−Pt合金の金属繊
維フィルタ(繊維直径は4ミクロンなど)20bを充填し
たもので構成されている。この場合の触媒の全表面積は
繊維直径や充填密度にも依存するが1000m2 以上が得ら
れ、十分な再結合効果が期待できる。
【0035】第3の例として、図2(d)に示すよう
に、大きさが約5m×5m×0.6 mのSUS容器に、S
US線(直径は0.2mm など)にPdあるいはPtもしく
はPd−Pt合金メッキ(メッキ厚みはいずれも1ミク
ロン程度)を施した金属線材フィルタ20cを充填したも
のや、図2(e)に示す第4の例のように、大きさが約
5m×5m×0.6 mのSUS容器に、1wt%のPdあ
るいはPtもしくはPd−Pt合金をチタニア球(直径
は1.5 mmなど)に担持した触媒を充填した粒状充填フィ
ルタ20dから構成されている。
【0036】この例の場合、チタニア球の代りにジルコ
ニア球やアルミナ球であってもよく、また、担持量も1
wt%以外(例えば0.3 〜2%)であってもよい。これ
らについても、触媒の全表面積は1000m2 以上が得ら
れ、十分な再結合効果が期待できる。したがって、前述
したように従来のオフガス系排ガス予熱器10,排ガス再
結合器11および排ガス復水器12は不要となる。
【0037】つぎに図3により本発明に係る可燃性ガス
の再処理方法およびその気体廃棄物処理設備の第3の実
施の形態を説明する。すなわち、図3において、図1
(a)の場合と同様に沸騰水型原子力発電プラント(B
WR)の原子炉圧力容器1内の炉心2近傍で炉水3の放
射線分解により発生した可燃性ガス(水素、酸素)は、
水蒸気の流れとともに炉心上部に設けられた気水分離器
4および蒸気乾燥器5を通過する。この後の過程は第1
の実施の形態と同様なので、それ以降の説明は省略す
る。
【0038】本実施の形態では、図3に示すように、原
子炉圧力容器1の上部気相空間部の内、蒸気乾燥器5の
上方空間部を利用して、ここに金属触媒もしくはセラミ
ック担体へ触媒19を担持した炉内再結合器20を設置して
いる。
【0039】ここで、図3(a)に示す炉内再結合器20
は、前述の図2(b)から図2(e)までに示したもの
と同様の方式が適用できる。異なる点は、気水分離器4
と蒸気乾燥器5の間の空間部に比べスペースにゆとりが
あり、その分触媒の有効表面積も大きくすることが可能
である。
【0040】すなわち、図2(b)に示した第1の例の
ように、ステンレス(SUS)金属表面にPdメッキも
しくはPtメッキあるいはPd−Pt合金のメッキ(メ
ッキ厚みはいずれも1ミクロン程度)を施して表面積を
できるかぎり大きくした、大きさが約5m×5m×2m
の板状多段フィルタ20aで構成することができる。
【0041】また、図2(c)に示した第2の例のよう
に、大きさが約5m×5m×2mからなるSUS容器
に、PdあるいはPtもしくはPd−Pt合金の繊維フ
ィルタ(繊維直径は4ミクロンなど)20bを充填したも
ので構成することができる。
【0042】さらに、図2(d)に示した第3の例のよ
うに、大きさが約5m×5m×2mのSUS容器に、S
US線(直径は0.2mm など)にPdあるいはPtもしく
はPd−Pt合金のメッキ(厚みは1ミクロン程度)を
施した線状フィルタ20cを充填したもので構成すること
ができる。
【0043】また図2(e)に示した第4の例のよう
に、大きさが約5m×5m×2mのSUS容器に、1w
t%のPdあるいはPtもしくはPd−Pt合金をチタ
ニア球(直径は1.5mm など)に担持した触媒を充填した
粒状充填フィルタ20dで構成することもできる。
【0044】この第4の例の場合には、チタニア球の代
りにジルコニア球やアルミナ球であってもよく、また、
担持量も1wt%以外(例えば0.3 〜2%)であっても
よい。この場合にも触媒の全表面積は1000m2 以上が得
られ、十分な再結合効果が期待できる。したがって、前
述したように従来のオフガス系排ガス再結合器等が不要
となる。
【0045】つぎに図4により本発明に係る可燃性ガス
の再処理方法およびその気体廃棄物処理設備の第4の実
施の形態を説明する。すなわち、図4(a)において、
沸騰水型原子力発電プラント(BWR)の原子炉圧力容
器1内の炉心2近傍で炉水3の放射線分解により発生し
た可燃性ガス(水素、酸素)は、水蒸気の流れとともに
炉心上部に設けられた気水分離器4および蒸気乾燥器5
を通過する。この後の過程は第1の実施の形態と同様な
ので、それ以降の説明は省略する。
【0046】本実施の形態では、図4に示すように、原
子炉圧力容器1の上部気相空間部の内、ステンレス(S
US)製気水分離器4の数百本ある各パイプの内表面に
水素と酸素を効率よく反応させ、水に再結合させる触媒
19がメッキされている。ここで、パイプ内のメッキ長さ
を2mとすると、全メッキ表面積は典型的なBWRプラ
ントでは約500 m2 程度になる。
【0047】この触媒19は図4(b)に示すパラジウム
(Pd)金属、もしくは白金(Pt)金属、あるいはP
d−Pt合金いずれでもよく、そのメッキ膜厚はいずれ
も1ミクロン前後である。
【0048】この気水分離器4の内表面にメッキする場
合には、前述した蒸気乾燥器5の外表面にメッキする場
合に比べ、メッキ表面積が約1/2になるため、再結合
の効率が若干低下する。仮に水素の低減率を蒸気乾燥器
5にメッキした場合の1/2(=1/500 )とすると、
オフガス系での水素濃度は前述と同様の評価から1.2v
ol%以下となり、この場合にも可燃限界濃度を十分下
回るため、特にオフガス系において再結合器を設ける必
要はない。
【0049】つぎに図5により本発明に係る可燃性ガス
の再処理方法およびその気体廃棄物処理設備の第5の実
施の形態を説明する。すなわち、図5において、図1
(a)の場合と同様に沸騰水型原子力発電プラント(B
WR)の原子炉圧力容器1内の炉心2近傍で炉水3の放
射線分解により発生した可燃性ガス(水素、酸素)は、
水蒸気の流れとともに炉心上部に設けられた気水分離器
4および蒸気乾燥器5を通過する。この後の過程は第1
の実施の形態と同様なので、それ以降の説明は省略す
る。
【0050】本実施の形態では、同図に示すように、原
子炉圧力容器1の上部気相空間部の内、蒸気乾燥器5と
主蒸気管6入口部との空間部を利用して、ここに金属触
媒もしくはセラミック担体へ金属触媒を担持した炉内再
結合器19を設置している。
【0051】ここで、図5に示す炉内再結合器20は、前
述の図2(b)から図2(e)までに示したものと同様
の方式が適用できる。すなわち、図2(b)に示すよう
に、ステンレス(SUS)金属表面にPdメッキもしく
はPtメッキ、あるいはPd−Pt合金のメッキ(厚み
は1ミクロン程度)を施して表面積をできるかぎり大き
くした、円筒状(外径約6.4 m×内径約5.5 m×高さ約
2m)の板状多段フィルタ20aで構成されている。
【0052】また炉内再結合器20を、図2(c)に示す
第2の例のように円筒状(外径約6.4 m×内径約5.5 m
×高さ約2m)のSUS容器に、PdあるいはPtもし
くはPd−Pt合金の金属繊維フィルタ(繊維直径は4
ミクロンなど)20bを充填したもので構成することがで
きる。
【0053】さらに、炉内再結合器20を、図2(d)に
示す第3の例のように、円筒状(外径約6.4 m×内径約
5.5 m×高さ約2m)のSUS容器に、SUS線(直径
は0.2mm など)のPdあるいはPtもしくはPd−Pt
合金のメッキ(厚みは1ミクロン程度)を施した金属線
材フィルタ20cを充填したもので構成することができ
る。
【0054】また、炉内再結合器20を、図2(e)に示
す第4の例のように、円筒状(外径約6.4 m×内径約5.
5 m×高さ約2m)のSUS容器に、1wt%のPdあ
るいはPtもしくはPd−Pt合金をチタニア球(直径
は1.5mm など)に担持した触媒を充填した粒状物充填フ
ィルタ20dで構成することもできる。
【0055】この第4の例の場合には、チタニア球の代
りにジルコニア球やアルミナ球であってもよく、また、
担持量も1wt%以外(例えば0.3 〜2%)であっても
よい。この場合にも触媒の全表面積は1000m2 程度にす
ることが可能であり、十分な再結合効果が期待できる。
したがって、前述したように従来のオフガス系排ガス再
結合器等が不要となる。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、可燃性ガスの発生場所
近傍である原子炉圧力容器上部気相空間部、たとえば蒸
気乾燥器(ドライヤ)本体、またはその周辺空間部に触
媒や触媒式炉内再結合器を設け、炉内で発生される可燃
性ガス(水素、酸素)を水に再結合させる。
【0057】これにより、原子炉水位計凝縮槽や主蒸気
分岐ラインの可燃性ガスの蓄積をなくし、水位計測の誤
差や水素燃焼の恐れを防止することができる。また、従
来のオフガス系に設けられている排ガス予熱器、排ガス
再結合器および排ガス復水器が不要になり、基体廃棄処
理設備の合理化および簡略化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る可燃性ガスの再結合処理
方法およびその気体廃棄物処理設備の第1の実施の形態
を説明するための概略的系統図、(b)は(a)におけ
る蒸気乾燥器の部分図。
【図2】(a)は本発明に係る可燃性ガスの再結合処理
方法およびその気体廃棄物処理設備の第2の実施の形態
を説明するための概略的系統図、(b)は(a)に組み
込まれる炉内再結合器の第1の例を示す斜視図、(c)
は同じく第2の例を示す斜視図、(d)は同じく第3の
例を示す斜視図、(e)は同じく第4の例を示す斜視
図。
【図3】本発明に係る可燃性ガスの再結合処理方法およ
びその気体廃棄物処理設備の第3の実施の形態を説明す
るための概略的系統図。
【図4】(a)は本発明に係る可燃性ガスの再結合処理
方法およびその気体廃棄物処理設備の第4の実施の形態
を説明するための概略的系統図、(b)は(a)におけ
る気水分離器の部分図。
【図5】本発明に係る可燃性ガスの再結合処理方法およ
びその気体廃棄物処理設備の第5の実施の形態を説明す
るための概略的系統図。
【図6】従来の可燃性ガスの再結合処理方法およびその
気体廃棄物処理設備を説明するための概略図。
【符号の説明】
1…原子炉、2…炉心、3…炉水、4…気水分離器、5
…蒸気乾燥器、6…主蒸気管、7…タービン、8…主復
水器、9…空気抽出器、10…排ガス予熱器、11…排ガス
再結合器、12…排ガス復水器、13…活性炭式ホールドア
ップ塔、14…スタック、15…主蒸気バイパス、16…原子
炉水位計凝縮槽、17…原子炉格納容器、18…給水管、19
…触媒、20…炉内再結合器、20a…板状多段フィルタ、
20b…金属繊維フィルタ、20c…金属線材フィルタ、20
d…粒状物充填フィルタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C01B 5/00 C01B 5/00 A G21D 3/08 G21D 3/08 F

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉圧力容器内の上部気相空間部に、
    触媒を設けて原子炉水の放射線分解で発生する水素およ
    び酸素の可燃性ガスを前記原子炉圧力容器内で水に再結
    合させることを特徴とする可燃性ガスの再結合処理方
    法。
  2. 【請求項2】 前記触媒はパラジウムまたは白金あるい
    はその合金製の金属触媒からなることを特徴とする請求
    項1記載の可燃性ガスの再結合処理方法。
  3. 【請求項3】 前記金属触媒は前記上部気相空間部に設
    置された機器類またはその近傍に直接メッキされるか、
    またはセラミック担持体に担持されることを特徴とする
    請求項1記載の可燃性ガスの再結合処理方法。
  4. 【請求項4】 前記金属触媒は板状多段フィルタ,金属
    繊維フィルタ、または線材を折り曲げて形成した線材フ
    ィルタあるいは前記金属触媒を担持した粒状物を充填し
    た粒状物充填フィルタからなることを特徴とする請求項
    1記載の可燃性ガスの再結合処理方法。
  5. 【請求項5】 原子炉圧力容器に主蒸気管を接続し、こ
    の主蒸気管にタービンを接続し、このタービンに主復水
    器を設置し、この主復水器から抽気する空気抽出器を接
    続し、この空気抽出器から抽気した放射性気体廃棄物を
    排ガス予熱器,排ガス再結合器および排ガス復水器を通
    流して活性炭ホールドアップ塔で処理しその処理ガスを
    スタックから放出する気体廃棄物処理設備において、前
    記原子炉圧力容器内に設置された蒸気乾燥器,気水分離
    器および前記主蒸気管入口部の少なくとも1部またはそ
    の近傍に、原子炉水の放射線分解で発生する水素および
    酸素の可燃性ガスを水に再結合させる触媒を有する炉内
    再結合器を設け、前記排ガス予熱器,排ガス再結合器お
    よび排ガス復水器を削除して前記空気抽出器の下流側を
    直接前記活性炭式ホールドアップ塔に接続してなること
    を特徴とする気体廃棄物処理設備。
  6. 【請求項6】 前記炉内再結合器はパラジウムまたは白
    金あるいはその合金からなる金属触媒を板状多段フィル
    タ,金属繊維フィルタ,線材フィルタまたは前記金属触
    媒を担持した粒状体充填フィルタの少なくとも一種から
    なることを特徴とする請求項5記載の気体廃棄物処理設
    備。
  7. 【請求項7】 前記蒸気乾燥器,気水分離器または主蒸
    気管の入口部の少なくとも1種の表面には前記金属触媒
    がメッキされてなることを特徴とする請求項5記載の気
    体廃棄物処理設備。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002071895A (ja) * 2000-08-30 2002-03-12 Fuji Electric Co Ltd 放射性廃棄物減容システム
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JP2018017634A (ja) * 2016-07-28 2018-02-01 日本メジフィジックス株式会社 放射性核種製造装置、ターゲット装置及び放射性薬剤の製造方法
CN112283738A (zh) * 2020-09-25 2021-01-29 武汉船用电力推进装置研究所(中国船舶重工集团公司第七一二研究所) 一种干蒸汽氢氧催化燃烧系统

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