JPH10231300A - 新規なセリン誘導体の配糖体 - Google Patents

新規なセリン誘導体の配糖体

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JPH10231300A
JPH10231300A JP3634297A JP3634297A JPH10231300A JP H10231300 A JPH10231300 A JP H10231300A JP 3634297 A JP3634297 A JP 3634297A JP 3634297 A JP3634297 A JP 3634297A JP H10231300 A JPH10231300 A JP H10231300A
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serine derivative
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紳一郎 西村
Kuriko Yamada
久里子 山田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】スフィンゴ糖脂質製造に有用な新規なセリン誘
導体の配糖体ならびにこれを利用したスフィンゴ糖脂質
を製造する方法を提供する。 【解決手段】一般式(I)で表されるセリン誘導体の配
糖体。 (式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立して、Hまたは
単糖残基あるいはオリゴ糖残基を示し、R3 は炭素数6
〜20のアルキル基またはアルケニル基を示し、R4
炭素数5〜21のアルキル基またはアルケニル基を示
す。)およびその製法と該セリン誘導体の配糖体とセラ
ミドを、スフィンゴ糖脂質のオリゴ糖とセラミドとの間
のグリコシド結合を加水分解する作用を有する酵素の存
在下に反応させ、セリン誘導体の配糖体のオリゴ糖残基
をセラミドに転移させることにより、スフィンゴ糖脂質
を得ることを特徴とするスフィンゴ糖脂質の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスフィンゴ糖脂質製
造に有用な新規なセリン誘導体の配糖体ならびにこれを
利用したスフィンゴ糖脂質を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スフィンゴ糖脂質は一種のアミノアルコ
ールであるスフィンゴシンまたはその誘導体をアグリコ
ンとする配糖体であり、通常、この部分のアミノ基は脂
肪酸がアミド結合しており、一般にセラミドと呼ばれる
脂質構造となっている。糖鎖部分の構造やセラミド部分
の構造の多様性より非常に多くの分子種が存在する。ス
フィンゴ糖脂質は動物界の代表的な糖脂質であり、細胞
の表面に多く存在している。近年、スフィンゴ糖脂質が
細胞の相互認識、分裂、増殖、分化、免疫などの重要な
生理機能に関与していることが明らかになってきた。こ
のような現状から、これらを対象とする研究を行うため
に、天然の構造を有するスフィンゴ糖脂質や新規な構造
を有するスフィンゴ糖脂質を合成する試みが盛んになさ
れている。
【0003】従来、スフィンゴ糖脂質は天然物からの抽
出や化学的あるいは生化学的な合成により得られてい
た。しかし、天然物からの抽出は、天然物中のスフィン
ゴ糖脂質の含量が低いこと、多種類のスフィンゴ糖脂質
が共存することなどの理由から、個々のスフィンゴ糖脂
質を分離精製することは極めて困難であるという問題が
ある。合成的な手法で製造する方法は大きく分けると2
つに大別することができる。すなわち、セラミドと糖を
まず結合させ、その後に糖鎖を伸長させていく方法と、
オリゴ糖部分をまず合成し、その後にセラミド部分と結
合させる方法である。いずれにしても、セラミドと糖と
を結合させるところは重要となる。
【0004】前者の方法は、まずグルコシルトランスフ
ェラーゼやガラクトシルトランスフェラーゼなどセラミ
ドに糖を転移する糖転移酵素を用い、糖とセラミドを結
合させ、その後、種々の糖転移酵素を利用し、糖鎖を伸
長させていく方法であるが、グルコシルトランスフェラ
ーゼやガラクトシルトランスフェラーゼなどは生体中に
微量しか存在せず、さらに、その調製には煩雑な操作が
必要であるという問題がある。一方、後者の方法には、
化学的な方法と酵素を利用する生化学的な方法とがあ
る。一般に、化学的な方法では、保護オリゴ糖と2位の
水酸基を保護したセラミドあるいは2位の水酸基を保護
し、さらに3位をアジド基にしたセラミドとを縮合させ
る方法が用いられるが、前者の方法は収率が低く、後者
の方法は縮合後、アジド基をアミノ基に還元し、さらに
アシル化する必要があり、工程が長くなるという問題が
ある。
【0005】生化学的な方法としては、乳糖やセロビオ
ースなどのオリゴ糖とセラミドをβ−ガラクトシダーゼ
やβ−グルコシダーゼの糖転移反応を利用しガラクトシ
ルセラミドやグルコシルセラミドを合成する方法が開示
されているが(特開平 8-238096 号公報)、この方法で
は単糖残基を転移させることはできるが、オリゴ糖残基
を転移させることはできず、特定のスフィンゴ糖脂質し
か得られないという問題がある。さらに、スフィンゴ糖
脂質のオリゴ糖とセラミドとの間のグリコシド結合を加
水分解する作用を有する酵素(エンドグリコセラミダー
ゼあるいはセラミドグリカナーゼと呼ばれている)を利
用する方法として、本酵素の逆反応である縮合反応を利
用し、オリゴ糖とセラミドからスフィンゴ糖脂質を得る
方法が開示されているが(特開平 4-99494号公報)、一
般に加水分解酵素の縮合反応は収率が悪いという問題が
ある。また、本酵素の糖転移反応としては、アルコール
類への糖転移反応は知られているが(Archiv. Biochem.
Biophys., 305, 559 (1993)、J. Biol. Chem., 266, 1
0723 (1991) )、セラミドへの糖転移反応は知られてい
ない。さらに、セリン誘導体の配糖体からの本酵素の糖
転移作用については全く知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、簡便
で効率よくスフィンゴ糖脂質を製造する方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記問題点
を解決するために鋭意検討した結果、セリン誘導体の配
糖体にセラミドの共存下、スフィンゴ糖脂質のオリゴ糖
とセラミドとの間のグリコシド結合を加水分解する作用
を有する酵素を作用させることにより、前記問題点を解
決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は一般式(I)で表され
るセリン誘導体の配糖体である。
【0009】
【化6】 (I) (式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立して、Hまたは
単糖残基あるいはオリゴ糖残基を示し、R3 は炭素数6
〜20のアルキル基またはアルケニル基を示し、R4
炭素数5〜21のアルキル基またはアルケニル基を示
す。)
【0010】また、本発明は一般式(II)で表される活性
化オリゴ糖と一般式(III)で表されるセリン誘導体とを
触媒存在下、縮合させた後、セリン残基部分のアミノ基
の保護基を除去し、アシル化した後、オリゴ糖部分の保
護基を除去することにより、一般式(I)で表されるセ
リン誘導体の配糖体を製造する方法。
【0011】
【化7】 (II) (式中、R5およびR6はそれぞれ独立して、アシル型保
護基、エーテル型保護基または水酸基を前記保護基で保
護した単糖残基あるいは水酸基を前記保護基で保護した
オリゴ糖残基を示し、R7 、R8 、R9 、R10およびR
11はそれぞれ独立して、アシル型保護基またはエーテル
型保護基を示し、Xは活性化基を示す。)
【0012】
【化8】 (III) (式中、R12は保護基、R13は一般式(I) のR3 と同じ
基を示す。)
【0013】
【化9】 (I) (式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立して、Hまたは
単糖残基あるいはオリゴ糖残基を示し、R3 は炭素数6
〜20のアルキル基またはアルケニル基を示し、R4
炭素数5〜21のアルキル基またはアルケニル基を示
す。)
【0014】また、本発明は上記セリン誘導体の配糖体
とセラミドを、スフィンゴ糖脂質のオリゴ糖とセラミド
との間のグリコシド結合を加水分解する作用を有する酵
素の存在下に反応させ、セリン誘導体の配糖体のオリゴ
糖残基をセラミドに転移させることによりスフィンゴ糖
脂質を得ることを特徴とするスフィンゴ糖脂質の製造方
法である。
【0015】また、本発明は一般式(IV)で表されるスフ
ィンゴ糖脂質である。
【化10】 (IV) (式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立して、Hまたは
単糖残基あるいはオリゴ糖残基を示し、R3 ’は1−ペ
ンタデセニル基、ペンタデシル基または1−ヒドロキシ
ペンタデシル基を示し、R4 は炭素数5〜21のアルキ
ル基またはアルケニル基を示す。)
【0016】
【発明の実施態様】本発明の一般式(I)で表されるセ
リン誘導体の配糖体は、式中、R1 およびR2 はそれぞ
れ独立して、Hまたは単糖残基あるいはオリゴ糖残基を
示し、R3は炭素数6〜20のアルキル基またはアルケ
ニル基を示し、R4 は炭素数5〜21のアルキル基また
はアルケニル基を示す。
【0017】R1 の単糖残基としては、αおよびβ−ガ
ラクトース残基、β−N−アセチルグルコサミン残基、
β−N−アセチルガラクトサミン残基、またはα−シア
ル酸残基、Siaと略する場合もある)などが例示さ
れ、R2 の単糖残基としては、αおよびβ−ガラクトー
ス残基、β−N−アセチルガラクトサミン残基などが例
示される。ここでいうシアル酸はノイラミン酸のアシル
誘導体の総称であり、N−アセチルノイラミン酸、N−
グリコリルノイラミン酸、9−O−アセチル−N−アセ
チルノイラミン酸などが含まれる。
【0018】R1 のオリゴ糖残基としては、例えば、S
iaα2→8Siaα2→、Galβ1→3GlcNA
cβ1→、Fucα1→2Galβ1→3GlcNAc
β1→、Galβ1→3(Fucα1→4)GlcNA
cβ1→、Galβ1→4GlcNAcβ1→、Gal
α1→4Galβ1→4GlcNAcβ1→、GalN
Acβ1→3Galβ1→4GlaNAcβ1→、Si
aα2→3Galβ1→4GlcNAcβ1→、Sia
α2→3Galβ1→4(Fucα1→3)GlcNA
cβ1→、Siaα2→6Galβ1→4(Fucα1
→3)GlcNAcβ1→などが例示される。
【0019】R2 のオリゴ糖残基としては、Galβ1
→3GalNAcβ1→、Fucα1→2Galβ1→
3GalNAcβ1→、Galα1→3Galβ1→3
Galα1→3Galβ1→3GalNAcβ1→、S
iaα2→3Galβ1→3GalNAcβ1→、Si
aα2→8Siaα2→3Galβ1→3GalNAc
β1→、GalNAcα1→3GalNAcβ1→3G
alα1→などが例示される。
【0020】式中、Fucはフコース残基、Galはガ
ラクトース残基、GalNAcはN−アセチルガラクト
ース残基、GlcNAcはN−アセチルグルコサミン残
基、Siaはシアル酸残基を示す。
【0021】R3 の炭素数6〜20のアルキル基として
は、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、オクタデシ
ル基などが例示され、アルケニル基としては、シス−9
−オクタデセニル基などが例示される。R4 の炭素数5
〜21のアルキル基としては、ペンチル基、ヘプチル
基、ノニル基、ヘプタデシル基などが例示され、アルケ
ニル基としては、シス−8−ペンタデセイニル基、シス
−8−ヘプタデセニル基、トランス−8−ヘプタデセニ
ル基、シス−8,11−ヘプタデカジエニル基、シス−
4,7,10,13−ノナデカテトラエニル基などが例
示される。
【0022】本発明のセリン誘導体の配糖体としては、
1 、R2 、R3 およびR4 は任意に組み合わせること
ができる。好ましくは、R1 がH、α−シアル酸残基
(Sia)またはSiaα2→8Siaα2→であり、
2 がH、単糖残基またはオリゴ糖残基の組み合わせ
か、またはR1 がH、α−シアル酸残基(Sia)また
はSiaα2→8Siaα2→であり、R2 がHの組み
合わせであり、R3 およびR4 は任意である配糖体であ
る。
【0023】一般式(I)で示されるセリン誘導体の配
糖体は、例えば、O−ラクトシル−N−ラウロイルセリ
ンオクチルアミド(実施例4)、O−(N−アセチルノ
イラミニル−α−(2→3))−ラクトシル−N−ラウ
ロイルセリンオクチルアミド(実施例5)、O−(N−
アセチルノイラミニル−α−(2→3)−ガラクトシル
−β−(1→4)−N−アセチルグルコサミニル−β−
(1→3))−ラクトシル−N−ステアロイルセリンド
デシルアミド、O−〔N−アセチルガラクトサミニル−
β−(1→4)(N−アセチルノイラミニル−α−(2
→3))〕−ラクトシル−N−ラウロイルセリンヘキシ
ルアミド、O−〔ガラクトシル−β−(1→3)−N−
アセチルガラクトサミニル−β−(1→4)(N−アセ
チルノイラミニル−α−(2→3))〕−ラクトシル−
N−パルミトイルセリンラウリルアミドなどが挙げられ
る。
【0024】一般式(I)で表されるセリン誘導体の配
糖体は、通常、一般式(II)で表される活性化オリゴ糖と
一般式(III) で表されるセリン誘導体を適当な触媒存在
下、縮合させた後、セリン残基部分のアミノ基の保護基
を除去し、アシル化した後、オリゴ糖部分の保護基を除
去することにより合成される。
【0025】
【化11】 (II) (式中、R5 およびR6 はそれぞれ独立してアシル型保
護基、エーテル型保護基または水酸基を前記保護基で保
護した単糖残基あるいは水酸基を前記保護基で保護した
オリゴ糖残基を示し、R7 、R8 、R9 、R10およびR
11はそれぞれ独立して、アシル型保護基またはエーテル
型保護基を示し、Xは活性化基を示す。)
【0026】
【化12】 (III) (式中、R12は保護基、R13は一般式(I) のR3 と同じ
基を示す。)
【0027】一般式(II)において、アシル型保護基とし
ては、アセチル基、ベンゾイル基、ピパロイル基、クロ
ロアセチル基などが例示される。エーテル型保護基とし
ては、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、アリル基
などが例示される。
【0028】一般式(II)において、水酸基を前記保護基
で保護した単糖残基とは、下記R1およびR2 の単糖残
基またはオリゴ糖残基の水酸基に上記保護基が結合した
ものである。R1 の単糖残基としては、αおよびβ−ガ
ラクトース残基、β−N−アセチルグルコサミン残基、
β−N−アセチルガラクトサミン残基、α−N−アセチ
ルノイラミン酸残基(シアル酸残基)などが例示され、
2 の単糖残基としては、αおよびβ−ガラクトース残
基、β−N−アセチルガラクトサミン残基などが例示さ
れる。
【0029】R1 のオリゴ糖残基としては、Siaα2
→8Siaα2→、Galβ1→3GlcNAcβ1
→、Fucα1→2Galβ1→3GlcNAcβ1
→、Galβ1→3(Fucα1→4)GlcNAcβ
1→、Galβ1→4GlcNAcβ1→、Galα1
→Galβ1→4GlcNAcβ1→、GalNAcβ
1→3Galβ1→4GlaNAcβ1→、NeuAC
α2→3Galβ1→4GlcNAcβ1→、NeuA
Cα2→3Galβ1→4(Fucα1→3)GlcN
Acβ1→、NeuACα2→6Galβ1→4(Fu
cα1→3)GlcNAcβ1→などが例示される。
【0030】R2 のオリゴ糖残基としては、Galβ1
→3GalNAcβ1→、Fucα1→2Galβ1→
3GalNAcβ1→、Galα1→3Galβ1→3
Galα1→3Galβ1→3GalNAcβ1→、S
iaα2→3Galβ1→3GalNAcβ1→、Si
aα2→8Siaα2→3Galβ1→3GalNAc
β1→、GalNAcα1→3GalNAcβ1→3G
alα1→などが例示される。Fucはフコース残基、
Galはガラクトース残基、GalNAcはN−アセチ
ルグルコサミン残基、Siaはシアル酸残基を示す。
【0031】Xの活性化基としては、臭素(Br)、フ
ッ素(F)、トリクロロアセトイミデート基などが挙げ
られる。
【0032】一般式(II)で表される活性化オリゴ糖は、
従来より行われている化学的な合成で得たものを利用す
ることができる。例えば、2,3,6,2’,3’,
4’,6’−O−ヘプタアセチルラクトシルブロミド
(下記化13)、2,3,6,2’,3’,4’,6’
−O−ヘプタアセチルラクトシルトリクロロイミデート
(下記化14)が挙げられる。
【0033】
【化13】
【0034】
【化14】
【0035】また、活性化オリゴ糖としては、下記一般
式(V) を有する化合物がある。
【0036】
【化15】 (V) (式中、Meはメチル基、Acはアセチル基、Bzはベ
ンゾイル基を示す。
【0037】一般式(III) で表されるセリン誘導体は、
式中、R12は保護基を示し、R13は一般式(I)のR3
と同じ基である。保護基としては、カルボベンジルオキ
シ基、t−ブトキシカルボニル基、9−フルオレニルメ
チルオキシカルボニル基などの基がある。このようなセ
リン誘導体としては、例えば、N−カルボベンジルオキ
シセリンオクチルアミド(下記化16、参考例1)、N
−カルボベンジルオキシセリンラウリルアミド、N−カ
ルボベンジルオキシセリンヘキシルアミド、N−t−ブ
トキシカルボニルセリンオクチルアミド、N−t−ブト
キシカルボニルラウリルアミド、N−t−ブトキシカル
ボニルセリンヘキシルアミド、N−(9−フルオレニル
メチルオキシカルボニル)セリンオクチルアミド、N−
(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)セリンラ
ウリルアミド、N−(9−フルオレニルメチルオキシカ
ルボニル)セリンヘキシルアミドどが例示される。
【0038】
【化16】
【0039】活性化オリゴ糖とセリン誘導体の縮合に用
いることのできる触媒は、活性化基Xに応じて適宜選択
すればよく、例えば、活性化基が臭素(Br)の場合
は、通常、銀、水銀などの重金属塩、第4級アンモニウ
ム塩などを用いることができ、フッ素(F)の場合は塩
化スズ(II)と銀塩の組合せ、ジルコノセン錯体やハフノ
セン錯体、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシ
リルなどを、トリクロロアセトイミデート基の場合は、
BF3 OEt2 、トリフルオロメタンスルホン酸トリメ
チルシリルなどを用いることができる。また、この縮合
反応は通常、無水条件下で行い、モレキュラシーブや無
水硫酸カルシウム存在下で反応させることが多い。
【0040】溶媒としては、用いる基質(活性化オリゴ
糖およびセリン誘導体)に応じて適宜選択すればよく、
例えばジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどの
ハロゲン化炭化水素、トルエン、ベンゼンなどの芳香族
炭化水素、ジエチルエーテルなどがよく用いられる。反
応温度は活性化糖の反応性により、通常、−70℃〜1
00℃前後であるが、反応に差し障りのない限り低温で
行うのが望ましい。
【0041】セリン残基部分のアミノ基の保護基の除去
方法は、保護基の種類により適宜選択され、例えばカル
ボベンジルオキシ基の場合は水素化分解、t−ブトキシ
カルボニル基の場合はHBr/酢酸やHF処理で、9−
フルオレニルメチルオキシカルボニル基の場合はジエチ
ルアミンなどの塩基処理で除去することができる。
【0042】次に、オリゴ糖部分あるいはセリン部分の
保護基の除去も、除去したい保護基の種類に応じて適宜
その脱離条件を選択すればよく、例えばアセチル基やベ
ンゾイル基はメタノール中ナトリウムメトキシドで処理
することにより、ベンジル基は水素化分解により、p−
メトキシベンジル基は水素化分解や2,3−ジクロロ−
5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノンあるいは硝酸セリ
ウムアンモニウムなどの酸化剤で処理することにより、
アリル基はカリウムt−ブトキシドまたはWilkinson錯
体でプロペニル基へ異性化させた後、酸、水銀塩もしく
はヨウ素で処理することにより除去することができる。
【0043】本発明では、上記方法により得られたセリ
ン誘導体の配糖体に糖ヌクレオチドを糖供与体とし、糖
転移酵素を用いて、さらに糖鎖を伸長させたものもセリ
ン誘導体の配糖体として用いることもできる。糖ヌクレ
オチドとしては、シチジン−5’−モノリン酸−N−ア
セチルノイラミン酸、ウリジン−5’−ジリン酸−ガラ
クロース、ウリジン−5’−ジリン酸−N−アセチルグ
ルコサミン、ウリジン−5’−ジリン酸−N−アセチル
ガラクトサミン、グアノシン−5’−ジリン酸−フコー
スおよびこれらのナトリウム塩などが挙げられる。
【0044】上記セリン誘導体の配糖体の中間体として
は、例えばO−(2,3,6,2’,3’,4’,6’
−O−ヘプタアセチル)ラクトシル−N−カルボベンジ
ルオキシセリンオクチルアミド(実施例1)、O−
(2,3,6,2’,3’,4’,6’−O−ヘプタア
セチル)ラクトシルセリンオクチルアミド(実施例
2)、O−(2,3,6,2’,3’,4’,6’−O
−ヘプタアセチル)ラクトシル−N−ラウロイルセリン
オクチルアミド(実施例3)などが挙げられる。
【0045】本発明において製造する、一般式(IV)にて
示されるスフィンゴ糖脂質とは、スフィンゴシンまたは
その誘導体をアグリコンとする配糖体であり、通常、こ
の部分のアミノ基は脂肪酸が酸アミド結合しており、一
般にセラミドと呼ばれる脂質構造となっている。糖鎖部
分の構造やセラミド部分の構造の多様性より非常に多く
の分子種が存在する。例えば、ガングリオシドGM3、
ガングリオシドGM2、ガングリオシドGM1、ガング
リオシドGD1a、ガングリオシドGT1b、フォルス
マン抗原、グロポシド、シアロシルパラグロポシド、シ
アリルルイスxガングリオシド、シアリルルイスaガン
グリオシド、アミノCTHなどが挙げられる。さらに、
具体的には、1−O−(N−アセチルノイラミニル−α
−(2→3))−ラクトシル−N−ステアロイルスフィ
ンゴシン(実施例6)、1−O−(N−アセチルノイラ
ミニル−α−(2→3))−ラクトシル−N−パルミト
イルスフィンゴシン(実施例7)、1−O−ラクトシル
−N−ステアロイルジヒドロスフィンゴシン(実施例
8)などが挙げられる。
【0046】本発明において用いるセラミドとしては、
スフィンゴシンあるいはその誘導体に脂肪酸が酸アミド
結合しているものであれば、特に制限はなく、製造する
スフィンゴ糖脂質の目的にあったものを適宜選択すれば
よい。例えば、スフィンゴシン誘導体としてはジヒドロ
スフィンゴシン、フィトスフィンゴシンなどが挙げら
れ、脂肪酸としては炭素数8〜24の飽和脂肪酸、不飽
和脂肪酸、α−ヒドキシ酸などが挙げられる。例えば、
N−ステアロイルスフィンゴシン(下記化17)、N−
パルミトイルスフィンゴシン(下記化18)、N−リグ
ノセロイルスフィンゴシン、N−オレオイルスフィンゴ
シン、N−リノレオイルスフィンゴシン、N−アラキノ
イルスフィンゴシン、N−ステアロイルジヒドロスフィ
ンゴシン、N−パルミトイルジヒドロスフィンゴシン、
N−リグノセロイルジヒドロスフィンゴシン、N−オレ
オイルジヒドロスフィンゴシン、N−リノレオイルジヒ
ドロスフィンゴシン、N−アラキノイルジヒドロスフィ
ンゴシン、N−ステアロイルフィトスフィンゴシン、N
−パルミトイルフィトスフィンゴシンなどが挙げられ
る。
【0047】
【化17】
【0048】
【化18】
【0049】本発明において用いるスフィンゴ糖脂質の
オリゴ糖とセラミドとの間のグリコシド結合を加水分解
する作用を有する酵素とは、特に制限はなく、「セラミ
ドグリカナーゼ」あるいは「エンドグリコセラミダー
ゼ」として市販しているものを用いることができる。
例えば、ヒル由来のセラミドグリカナーゼやロドコッカ
ス属由来のエンドグリコセラミダーゼなどが挙げられ
る。
【0050】本発明において用いる界面活性剤として
は、特に制限はないが、トリトンCF−54、トリトン
X−100などを挙げることができる。
【0051】本発明ではセリン誘導体の配糖体とセラミ
ドを、スフィンゴ糖脂質のオリゴ糖とセラミドとの間の
グリコシド結合を加水分解する作用を有する酵素の存在
下に反応させ、セリン誘導体の配糖体のオリゴ糖残基を
セラミドに転移させることによりスフィンゴ糖脂質を得
るスフィンゴ糖脂質の製造方法である。
【0052】一般式(I)で表されたセリン誘導体の配
糖体からスフィンゴ糖脂質を製造する具体的な方法とし
ては、該セリン誘導体の配糖体とセラミドを通常、界面
活性剤を含む中性の緩衝液中で、10〜60℃、好まし
くは20〜40℃で、1〜72時間好ましくは2〜24
時間、スフィンゴ糖脂質のオリゴ糖とセラミドとの間の
グリコシド結合を加水分解する作用を有する酵素と接触
させることにより行う方法がある。生成したスフィンゴ
糖脂質は、各種カラムクラマトグラフィーなどの一般的
な精製方法により分離精製することができる。
【0053】得られたスフィンゴ糖脂質は、細胞増殖促
進剤、細胞分化促進剤、細菌やウイルス感染防御剤、ガ
ン転移抑制剤、抗炎症剤あるいはスフィンゴ糖脂質の新
たな生理活性の発見やスフィンゴ糖脂質のレセプターの
解析などの研究用試薬などの用途がある。
【0054】
【実施例】以下に、実施例により本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるもので
はない。参考例1 (原料)N−カルボベンジルオキシセリンオクチルアミドの合成 N−カルボベンジルオキシセリン6g(25.08mm
ole)をエタノール:ベンゼン=1:1の混合溶媒6
0mlに溶解させた後、N−エトキシカルボニル−2−
エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン(以下、EEDQ
と略する)6.82g(27.58mmole)および
オクチルアミン5.56ml(27.58mmole)
を加えて室温で一晩撹拌した。反応液を減圧濃縮した
後、トルエンから目的物を再結晶した。得られた結晶を
乾燥し、目的物6.32gを得た。
【0055】実施例1(中間体)O−(2,3,6,2’,3’,4’,6’−O−ヘプ
タアセチル)ラクトシル−N−カルボベンジルオキシセ
リンオクチルアミドの合成 よく乾燥させた参考例1で得たN−カルボベンジルオキ
シセリンオクチルアミド2.0g(5.71mmol
e)をジクロロエタン40mlに溶解させ、活性化させ
たモレキュラーシーブ4A4.0gと2,3,6,
2’,3’,4’,6’−O−ヘプタアセチルラクトシ
ルブロミド6.0g(8.58mmole)を加えた。
氷冷下、トリフルオロメタンスルホン酸銀2.20g
(8.56mmole)を加え、徐々に室温に戻しなが
ら、窒素気流下で一晩撹拌した。反応液をセライトでろ
過し、ろ液を飽和食塩水で2回洗浄した後、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥させた。乾燥後、硫酸マグネシウムを
ろ別し、ろ液を減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(移動相、トルエン:酢酸エチル=5:1)
にて目的物を分離した。目的物を含む溶出画分を減圧乾
固し、目的物2.66gを得た。O−(2,3,6,
2’,3’,4’,6’−O−ヘプタアセチル)ラクト
シル−N−カルボベンジルオキシセリンオクチルアミド
は、下記構造式を有する。
【0056】
【化19】
【0057】実施例2(中間体)O−(2,3,6,2’,3’,4’,6’−O−ヘプ
タアセチル)ラクトシルセリンオクチルアミドの合成 実施例1で得たO−(2,3,6,2’,3’,4’,
6’−O−ヘプタアセチル)ラクトシル−N−カルボベ
ンジルオキシセリンオクチルアミド2.0gをメタノー
ル30mlに溶解させ、5%パラジウム−炭素を触媒と
し、室温下常圧で接触水素化還元を行なった。反応後触
媒をろ別し、反応液を減圧乾固し、目的物1.71gを
得た。O−(2,3,6,2’,3’,4’,6’−O
−ヘプタアセチル)ラクトシルセリンオクチルアミドは
下記構造式を有する。
【0058】
【化20】
【0059】実施例3(中間体)O−(2,3,6,2’,3’,4’,6’−O−ヘプ
タアセチル)ラクトシル−N−ラウロイルセリンオクチ
ルアミドの合成 ラウリル酸331mg(1.65mmole)とEED
Q408mg(1.65mmole)をエタノール:ベ
ンゼン=1:1の混合溶媒50mlに加えて、十分溶解
させ、実施例2で得たO−(2,3,6,2’,3’,
4’,6’−O−ヘプタアセチル)ラクトシルセリンオ
クチルアミド1.25g(1.50mmole)を加
え、室温で一晩撹拌した。反応液を減圧濃縮し、シリカ
ゲルクロマトグラフィー(移動相、クロロホルム:メタ
ノール=100:1)により目的物を分離した。目的物
を含む溶出画分を減圧乾固し、目的物1.19gを得
た。O−(2,3,6,2’,3’,4’,6’−O−
ヘプタアセチル)ラクトシル−N−ラウロイルセリンオ
クチルアミドは下記構造式を有する。
【0060】
【化21】
【0061】実施例4(セリン誘導体の配糖体)O−ラクトシル−N−ラウロイルセリンオクチルアミド
の合成 実施例3で得たO−(2,3,6,2’,3’,4’,
6’−O−ヘプタアセチル)ラクトシル−N−ラウロイ
ルセリンオクチルアミド400mg(0.393mmo
le)をテトラヒドロフラン:メタノール=1:1の混
合溶媒に溶解させ、ナトリウムメトキシド8.49mg
(0.157mmole)を加え、室温で2時間撹拌し
た。H+ 型の陽イオン交換樹脂Dowex50W(ダウ
ケミカル社製)を加えていき、中和した。ろ過によりイ
オン交換樹脂を除き、ろ液を減圧濃縮し、エタノールで
再結晶し、目的物270mgを得た。O−ラクトシル−
N−ラウロイルセリンオクチルアミドは下記構造式を有
する。
【0062】
【化22】
【0063】実施例5(セリン誘導体の配糖体)O−(N−アセチルノイラミニル−α−(2→3))−
ラクトシルN−ラウロイルセリンオクチルアミドの合
実施例4で得たO−ラクトシル−N−ラウロイルセリン
オクチルアミド60mg(83umole)をシチジン
−5’−モノリン酸−N−アセチルノイラミン酸2ナト
リウム66mg(100umole)、ウシ血清アルブ
ミン8mg、塩化マンガン1.26mg、仔ウシ由来ア
ルカリフォスファターゼ40unit、トリトンCF−
54を20ul含む50mMカコジル酸ナトリウム緩衝
液(pH7.4)4mlにブタ肝臓由来のα−2,3−
シアル酸転移酵素0.3unitを添加し、37℃で3
日間反応させた。反応後クロロホルム:メタノール:水
=60:30:5で平衡化したセファデックスLH−2
0カラムを用いて目的物を分離した。目的物を含む溶出
画分を減圧乾固し、目的物110mgを得た。O−(N
−アセチルノイラミニル−α−(2→3))−ラクトシ
ル−N−ラウロイルセリンオクチルアミドは下記構造式
を有する。
【0064】
【化23】
【0065】実施例6(スフィンゴ糖脂質)1−O−(N−アセチルノイラミニル−α(2→3))
−ラクトシル−N−ステアロイルスフィンゴシンの合成 実施例5で得たO−(N−アセチルノイラミニル−α−
(2→3))−ラクトシル−N−ラウロイルセリンオク
チルアミド50mg(49μmole)、N−ステアロ
イルスフィンゴシン150mg、トリトンCF−54を
60μl含む50mMクエン酸緩衝液(pH6.0)3
mlにヒル由来セラミドグリカナーゼ0.03単位を添
加し、37℃で17時間反応させた。反応後、クロロホ
ルム:メタノール:水=60:30:5で平衡化したセ
ファデックスLH−20カラムを用いて目的物を分離し
た。目的物を含む溶出画分を減圧乾燥し、目的物38m
gを得た。1−O−(N−アセチルノイラミニル−α
(2→3))−ラクトシル−N−ステアロイルスフィン
ゴシンは、下記構造式を有する。
【0066】
【化24】
【0067】実施例7(スフィンゴ糖脂質)1−O−(N−アセチルノイラミニル−α−(2→
3))−ラクトシル−N−パルミトイルスフィンゴシン
の合成 実施例6において使用したN−ステアロイルスフィンゴ
シンの代わりにN−パルミトイルスフィンゴシン150
mgを用い、実施例6と同様の反応を行い、目的物35
mgを得た。1−O−(N−アセチルノイラミニル−α
−(2→3))−ラクトシル−N−パルミトイルスフィ
ンゴシンは下記構造式を有する。
【0068】
【化25】
【0069】実施例8(スフィンゴ糖脂質)1−O−ラクトシル−N−ステアロイルジヒドロスフィ
ンゴシンの合成 実施例6において使用したO−(N−アセチルノイラミ
ニル−α−(2→3))−ラクトシル−N−ラウロイル
セリンオクチルアミドの代わりに、実施例4で得たO−
ラクトシル−N−ラウロイルセリンオクチルアミド50
mg(69umole)、N−ステアロイルスフィンゴ
シンの代わりにN−ステアロイルジヒドロスフィンゴシ
ン150mgを用い、実施例6と同様の反応を行なっ
た。反応後、高速液体クロマトグラフィーにより目的物
の生成を確認した。1−O−ラクトシル−N−ステアロ
イルジヒドロスフィンゴシンは、下記構造式を有する。
【0070】
【化26】
【0071】
【発明の効果】本発明のセリン誘導体の配糖体とセラミ
ドとをスフィンゴ糖脂質のオリゴ糖とセラミドとの間の
グリコシド結合を加水分解する作用を有する酵素の存在
下に反応させることにより、簡単に効率よく、スフィン
ゴ糖脂質を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/70 ADY A61K 31/70 ADY ADZ ADZ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で表されるセリン誘導体の
    配糖体。 【化1】 (I) (式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立して、Hまたは
    単糖残基あるいはオリゴ糖残基を示し、R3 は炭素数6
    〜20のアルキル基またはアルケニル基を示し、R4
    炭素数5〜21のアルキル基またはアルケニル基を示
    す。)
  2. 【請求項2】 R1 がH、α−シアル酸残基(Sia)
    またはSiaα2→8Siaα2→であり、R2 がH、
    単糖残基またはオリゴ糖残基を示し、R3 は炭素数6〜
    20のアルキル基またはアルケニル基を示し、R4 は炭
    素数5〜21のアルキル基またはアルケニル基を示す請
    求項1記載のセリン誘導体の配糖体。
  3. 【請求項3】 R1 がH、α−シアル酸残基(Sia)
    またはSiaα2→8Siaα2→であり、R2 がHで
    あり、R3 は炭素数6〜20のアルキル基またはアルケ
    ニル基を示し、R4 は炭素数5〜21のアルキル基また
    はアルケニル基を示す請求項1記載のセリン誘導体の配
    糖体。
  4. 【請求項4】 一般式(II)で表される活性化オリゴ糖と
    一般式(III)で表されるセリン誘導体とを触媒存在下、
    縮合させた後、セリン残基部分のアミノ基の保護基を除
    去し、アシル化した後、オリゴ糖部分の保護基を除去す
    ることにより、一般式(I)で表されるセリン誘導体の
    配糖体を製造する方法。 【化2】 (II) (式中、R5 およびR6 はそれぞれ独立してアシル型保
    護基、エーテル型保護基または水酸基を前記保護基で保
    護した単糖残基あるいは水酸基を前記保護基で保護した
    オリゴ糖残基を示し、R7 、R8 、R9 、R10およびR
    11はそれぞれ独立して、アシル型保護基またはエーテル
    型保護基を示し、Xは活性化基を示す。) 【化3】 (III) (式中、R12は保護基を示し、R13は一般式(I) のR3
    と同じ基を示す。) 【化4】 (I) (式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立して、Hまたは
    単糖残基あるいはオリゴ糖残基を示し、R3 は炭素数6
    〜20のアルキル基またはアルケニル基を示し、R4
    炭素数5〜21のアルキル基またはアルケニル基を示
    す。)
  5. 【請求項5】 請求項1、2または3記載のセリン誘導
    体の配糖体とセラミドを、スフィンゴ糖脂質のオリゴ糖
    とセラミドとの間のグリコシド結合を加水分解する作用
    を有する酵素の存在下に反応させ、セリン誘導体の配糖
    体のオリゴ糖残基をセラミドに転移させることによりス
    フィンゴ糖脂質を得ることを特徴とするスフィンゴ糖脂
    質の製造方法。
  6. 【請求項6】 一般式(IV)で表されるスフィンゴ糖脂
    質。 【化5】 (IV) (式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立して、Hまたは
    単糖残基あるいはオリゴ糖残基を示し、R3 ’は1−ペ
    ンタデセニル基、ペンタデシル基または1−ヒドロキシ
    ペンタデシル基を示し、R4 は炭素数5〜21のアルキ
    ル基またはアルケニル基を示す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1081192C (zh) * 1999-02-03 2002-03-20 中国科学院广州化学研究所 一种鞘类脂糖苷化合物及其提取方法

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