JPH10226A - X線により識別可能なプレス・スルー・パッケージ包装 - Google Patents

X線により識別可能なプレス・スルー・パッケージ包装

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JPH10226A
JPH10226A JP8344491A JP34449196A JPH10226A JP H10226 A JPH10226 A JP H10226A JP 8344491 A JP8344491 A JP 8344491A JP 34449196 A JP34449196 A JP 34449196A JP H10226 A JPH10226 A JP H10226A
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ptp
package
ray
packaging
layer
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JP8344491A
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Mitsugi Sugiyama
貢 杉山
Mitsuyoshi Nakajima
光好 中島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誤飲した場合に、X線によりその存在箇所を
識別できるPTP(プレス・スルー・パッケージ)包装
を提供する。 【解決手段】 錠剤またはカプセル剤等の固形製剤を包
装するPTP(プレス・スルー・パッケージ)包装を構
成するラミネートフィルムに、X線不透過の識別マーク
を付したことを特徴とするX線により識別可能なPTP
包装。そのX線不透過の識別マークがX線不透過性物質
を含有するインクによりラミネートフィルムに印刷され
たものであるか、またはラミネートフィルムを、X線不
透過性物質を含有するプラスチックフィルムによりラミ
ネートする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線により識別可
能なPTP(プレス・スルー・パッケージ)包装に係
り、詳細には、錠剤またはカプセル剤等の固形製剤を包
装するPTP包装を構成する材料であるラミネートフィ
ルムをX線不透過性の物質により識別マーク等を付し、
X線で識別し得るようにしたPTP包装に関する。
【0002】
【従来の技術】各種医薬品または医薬製剤等の貯蔵、運
搬、あるいは取り扱いの手段として、さらには医薬品を
外的条件による変化から保護する手段として、各種プラ
スチックフィルム、アルミ箔、あるいはプラスチックフ
ィルム同士またはプラスチックフィルムとアルミ箔をは
り合わせたラミネートフィルムを用いて医薬品などを包
装する手段が採用されている。そのなかで、錠剤または
カプセル剤等の固形製剤を包装する手段としては、ラミ
ネートフィルムを用いたPTP(プレス・スルー・パッ
ケージ)包装が多く採用されてきている。このPTP包
装に用いる包装材料として汎用されているラミネートフ
ィルムとしては、(1)ポリエチレン+セロファンまた
は防湿セロファン、(2)ポリエチレン+ポリプロピレ
ン、(3)防湿セロファン+アルミ箔、(4)塩化ビニ
ル+アルミ箔、(5)ポリエチレン+アルミ箔+セロフ
ァン、(6)ポリエチレン+アルミ箔+ポリエチレン+
セロファンなどがあり、PTP包装として包装する各種
の錠剤ならびにカプセル剤等の種類により、そのラミネ
ートフィルムの防湿性を考慮し、適宜包装設計されて目
的とするPTP包装がなされている。特に最近汎用され
ているPTP包装は、図4に示すように、錠剤またはカ
プセル剤等の固形製剤35、・・・を入れる部分として
硬質ポリ塩化ビニル34で空隙部33、・・を設け、そ
こに錠剤等を入れ、その空隙部を塩化ビニル32とアル
ミ箔31をはり合わせたラミネートフィルム30で被う
構成のものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、各種疾病に
罹患した患者が病院、診療所または医院等での診察を受
けた後、医師からその疾患を治療する目的で服用するた
めの医薬品が処方されるが、そのなかには上記の如くP
TP包装された錠剤あるいはカプセル剤が多い。またそ
の処方は、数日ないし数週間にわたり毎日決まった間隔
で服用する医薬品を患者に手渡すことが行なわれてい
る。この場合、患者は医師から処方された医薬品のなか
で、PTP包装された錠剤なりカプセル剤については硬
質ポリ塩化ビニル部分を押しつぶし、ラミネートフィル
ム面を破り、内包された錠剤等を取り出し、服用するこ
とになる(図4中の矢印方向への取り出し)。この場合
のPTP包装にあっては、ラミネート部分の縦横両方向
にミシン目がつけられているのが一般的であって、患者
は服用すべき錠剤なりカプセル剤等の固形製剤をPTP
包装された状態で分割し、時間ごとに服用すべき他の医
薬品を複数一緒に保存しておき、服用時にラミネートフ
ィルム面を破り、PTP包装された錠剤等を服用するこ
とが行なわれている。しかしながら、老人、特に痴呆症
に罹患した老人の場合にあっては、PTP包装された錠
剤またはカプセル剤を当該PTP包装から取り出すこと
なく、PTP包装されたままの状態で服用してしまう、
いわゆる誤飲が多々発生している。この誤飲は何も老人
に限らず、手元近くにあるものを何でも口に入れてしま
う乳幼児等においても発生しており、年々増加の傾向に
あり、本発明者の過去の経験では、大きな医療施設にお
いては年間20件近くのPTP包装のままの誤飲による
救急医療が行なわれているのが現状である。
【0004】ところで誤飲されたPTP包装は、その錠
剤なりカプセル剤を内包する空隙部を構成する部分が硬
質ポリ塩化ビニルであり、更にアルミ箔のラミネートフ
ィルムを使用しているため、胃内部で消化されるもので
はなく、さらに個々に分割された包装物自体の各カドが
直角という鋭角であり、かつかなりの強度を有すること
より、咽頭から食道部を傷つけたり穿孔をおこし、そこ
に滞留してしまうか、または胃まで到達したとしてもか
かるカドにより胃内部が傷つけられ器官内出血をきた
し、かなりの重篤な状態を呈し、場合によっては死亡す
る例も認められている。そのため救急医療の現場では一
般的に誤飲されたPTP包装物を内視鏡技術により取り
出す治療が行なわれている。この場合、誤飲されたPT
P包装物がどこにあって、どのような身体的症状をきた
しているのかを救急医師に伝えることが的確な治療方針
につながるものの、誤飲をした患者が老人性痴呆症ある
いは乳幼児である場合が多く、誤飲をしたのか否か、ま
た誤飲をしたとしても、その結果どのような状態にある
かを救急医師に正確に伝えることができない。更にこの
様なことはなにも老人または乳幼児に限られるものでは
ない。したがって、救急治療の初期段階ではX線写真に
よる検査を行なうものの、X線写真検査ではPTP包装
物を検知することができない。そのため、内視鏡による
検査が行なわれているが、一般に薬の服用が食後に行な
われることが多く、食餌と共に混在するPTP包装物を
発見することは困難であり、的確な治療方針を立てるこ
とができない。また内視鏡の刺激により嘔吐が発生し、
時として誤燕性肺炎が生ずる恐れさえある。加えて、内
視鏡を食道あるいは胃内部に挿入する段階で咽頭から食
道部に滞留しているPTP包装物を更に押し込んでしま
うこととなり、かえって傷口を大きくし、大出血につな
がる。そのためPTP包装物の誤飲が医薬品業界内で問
題にされ、最近に至りPTP包装の誤飲防止のための策
を業界として講じなければならないことが提案されてき
た。
【0005】かかる方策のひとつとして、日本製薬団体
連合会(日薬連)では安全性委員会内に「PTP検討部
会」を設けて誤飲対策を検討し、日本気管食道科学会、
厚生省、日本病院薬剤師会および日本薬剤師会からなる
懇談会において協議をした結果、PTP包装におけるミ
シン目のつけ方に工夫を行ない、PTP包装の横方向
(短方向)のみにミシン目をつけて、縦方向(長方向)
にはミシン目をつけず、したがってミシン目によっては
個々個別のPTP包装に分割できない対応策を採用し、
日薬連加盟企業各社の「自主申し合わせ」として実施す
ることになった。しかしながらこの場合にあっても、患
者は長方向をはさみ等で切断し、服用すべき錠剤なりカ
プセル剤をPTP包装された状態で分割し、時間ごとに
服用すべき他の医薬品を一緒に保存することが考えら
れ、縦横の両方向にミシン目をつけた状態と全く同じ誤
飲が生じる。したがって上記の現状を考えると、PTP
包装品の誤飲を抜本的になくす状況をつくりあげること
が重要なものであっても、その基本的方策が見いだせな
い現況下では、誤飲されたPTP包装物が体内のどの部
分にあるのかを的確に判定でき、それに応じた救急医療
を行なう方がより現実的なものであるといえる。
【0006】このような考え方より、日薬連の安全性委
員会PTP検討部会では、PTP包装材料の改善検討の
なかで誤飲後のPTP包装の所在場所がX線で判明する
ような検討を行ない、ラミネートフィルムの材料である
ポリ塩化ビニルにX線不透過材料として造影剤をブレン
ドしたPTP包装の検討を行なったことが報告されてい
る。しかしながら、日薬連の検討では、ポリ塩化ビニル
に造影剤を60%ブレンドすることによりX線撮影が可
能となったが、PTP材料としては、材料物性が造影剤
により変質し使用できないこと、あるいは造影剤がPT
P材料から溶出し、錠剤あるいはカプセル剤に付着して
しまうことよりかかる方法は不成功であったとされてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記に鑑み
鋭意検討した結果、救急医療の初期の段階でX線検査を
行ない、このX線検査でPTP包装物の滞留場所を検知
できるようにするためには、なにもPTP材料の硬質塩
化ビニルにX線不透過材料をブレンドしなくても、PT
P包装を構成するラミネートフィルムにX線検知物質に
よりマークを付すことにより十分X線撮影が可能である
こと確認し、したがって、誤飲されたPTP包装物が体
内のどこの部分に滞留しているかを的確に判断でき、そ
れに応じた迅速、かつ的確な治療方針に基づく救急医療
が行なえることに着目し、本発明を完成したのである。
しかして本発明は、錠剤またはカプセル剤等の固形製剤
を包装するPTP包装を構成するラミネートフィルム
に、X線不透過の識別マークを付したことを特徴とする
X線により識別可能なPTP包装を提供する。この場
合、ラミネートフィルムにX線不透過の識別マークを付
す場合の一態様としては、X線不透過性物質を含有する
インクによりPTP包装にかかるマークを印刷する手段
を採用することができる。したがって本発明は、その具
体的態様において、錠剤またはカプセル剤等の固形製剤
を包装するPTP包装を構成するラミネートフィルム
に、X線不透過性物質を含有するインクにより識別マー
クを印刷したことを特徴とするX線により識別可能なP
TP包装を提供する。
【0008】また、ラミネートフィルムにX線不透過の
識別マークを付す場合の別の一態様としては、ラミネー
トフィルム自体がX線不透過性物質を含有する手段を採
用することもできる。したがって本発明は別の具体的態
様において、錠剤またはカプセル剤等の固形製剤を包装
するPTP包装を構成するラミネートフィルムを、X線
不透過性物質を含有する塩化ビニル、ポリエチレン、セ
ロファンなどの高分子プラスチックフィルムを用いてラ
ミネートフィルムとしたことを特徴とするX線により識
別可能なPTP包装を提供する。
【0009】特に本発明が提供するX線により識別可能
なPTP包装にあっては、PTP包装を構成するラミネ
ートフィルムに、X線不透過性物質を含有するインクに
より識別マークを印刷するものであるが、この場合の識
別マークの印刷は、ラミネートフィルム層を構成するポ
リエチレン、セロファン、防湿セロファン、ポリプロピ
レン、アルミ箔、塩化ビニルなどの各フィルムのいずれ
かのフィルム層に行なうことが可能であり、印刷された
フィルム層の両サイドを更に別のフィルム層によりラミ
ネート化するのが良い。特に好ましい印刷層はアルミ箔
層であり、かかる印刷されたアルミ箔層の両サイドをポ
リエチレン、セロファン、ポリプロピレン、塩化ビニル
などの別の層材料によりカバーする形でラミネートとす
るのが良い。一方、PTP包装を構成するラミネートフ
ィルムの一部の層材料を、X線不透過性物質を含有する
塩化ビニル、ポリエチレン、セロファンなどのフィルム
を用いてラミネートフィルムとする場合にあっても、X
線不透過性物質を含有する層の両サイドを別の層材料に
よりラミネートとするのがよい。したがってラミネート
フィルムからX線不透過性物質の溶出の問題もなく、安
全性ならびに安定性に優れたものであるといえる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照にしながら本発
明を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例におけ
るPTP包装を裏面のラミネートフィルムからみた底面
図である。図中において1は、例えば1シートに10個
の錠剤あるいはカプセル剤を内包するPTP包装シート
を示し、2、2・・・は錠剤またはカプセル剤等の固形
製剤を内包する硬質塩化ビニルでできた空隙部を示す。
なお、4、4・・・はミシン目を表す。本発明のX線に
より識別可能なPTP包装は、PTP包装シートの裏面
のラミネートフィルムに、X線不透過性物質を含有する
インクによりマーク3、3・・を印刷したものである。
【0011】この場合の実施例にあっては、シート1の
短方向に垂直な線によりマークが印刷されているが、か
かるマークは必ずしも短方向である必要はなく、長方向
に垂直な線をもって印刷することもできる。要は個々個
別に分割される錠剤またはカプセル剤を内包する空隙部
2、2・・・をカバーする様なのもであれば良い。した
がって、この図1の実施例におけるマークは直線により
印刷されているが、空隙部2、2・・をカバーするべく
破線、斜線、曲線等の線により、あるいは丸印、四角
印、三角印、ひし形印等あるいは任意の印刷形状(例え
ば、かかるPTP包装により錠剤等を包装し、販売する
会社の企業マーク)等により印刷することが可能であ
る。この場合、印刷するマークの大きさ、場所等は特に
限定されず、上記した如く空隙部2、2・・をカバーす
ると共に、要はX線により識別検出可能な大きさであれ
ば良いことはいうまでもない。なお、印刷するマークは
上記のとおり空隙部2、2・・をカバーする一部でな
く、シート全体に印刷、すなわちラミネートフィルム層
全面に印刷することも可能である。したがって、以上の
各説明に基づき所望により種々変形されたマーク、ある
いは全面印刷したこれらのPTP包装も本発明の範疇に
包含されることはいうまでもない。
【0012】ラミネートフィルムにマークを印刷するX
線不透過性物質を含有するインクとしては、現在の包装
シートの印刷している各種のインクに、X線不透過性物
質を含有させたもの、あるいはX線不透過インクとして
の特殊インクをもって行なうことができる。また、イン
クに含有させるX線不透過性物質としては、例えば、
鉛、バリウム、硫酸バリウム、チタン、錫、ヨウ素化合
物等の造影性誘導体等をあげることができる。なかで
も、一般に尿路・血管用の造影剤として使用されている
非イオン性ないしイオン性造影剤を適宜インクと混合し
使用することが可能である。このような造影剤として
は、例えば、アミドトリゾ酸メグルミン、アミドトリゾ
酸ナトリウムメグルミン、イオタラム酸メグルミン、ヨ
ーダミドメグルミン、イオキサグル酸、イオトロラン、
イオパミドール、イオヘキソール、イオペルソール、イ
オメプロール、メトリン酸、イオタラム酸ナトリウム、
イオパノ酸、イオポダートナトリウム等のすでに市販さ
れている造影剤、あるいは種々開発検討中の造影剤のす
べてが挙げられる。これらの造影剤等のX線不透過性物
質を含むインクをPTP包装材料であるラミネートフィ
ルムに印刷するにあたっては、例えば、塩化ビニル(ま
たはポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン等)と
アルミ箔から構成されるラミネートフィルムにおいて
は、塩化ビニル層(またはポリエチレン層、ポリプロピ
レン層、セロファン層等)に印刷することも可能であ
り、またアルミ箔層に印刷することも可能である。しか
しながら、アルミ箔層に印刷するのが特に好ましいとい
える。なお、仮にX線不透過性物質が体内に入り何らか
の悪影響を与えるものであったとしても、誤飲による危
険度と救急医療上の要求度を比較考慮し、例えばアルミ
箔層にマークを印刷し、その印刷マークをカバーする形
で他のフィルム層にてラミネートフィルムとすることに
より、X線不透過性物質の身体に対する影響を軽減する
ことができる。したがって要は、印刷マーク面が直接外
部に露出しない様にラミネーチフィルム層を構成するよ
う工夫してやれば良いのである。
【0013】図2に、本発明の図1に示した実施例にお
けるPTP包装の断面該略図を示した。図中において、
11(図1においては1)は例えば硬質塩化ビニル層1
5と、塩化ビニル層(またはポリエチレン層、ポリプロ
ピレン層、セロファン層等、以下本実施例において同
じ)12、アルミ箔13および塩化ビニル層14の三層
からなるラミネートフィルム16とによりなるPTP包
装シートであり、硬質塩化ビニル14により錠剤または
カプセル剤等の固形製剤を内包する空隙部17、17・
・・(図1においては2、2・・・)が形成されてい
る。なお、18、18・・・(図1においては4、4・
・・)はミシン目を表す。この場合のX線不透過性物質
を含有するインクによる識別マークは、アルミ箔13の
いずれか一方の面、すなわち、塩化ビニル層12側の面
あるいは塩化ビニル層14側の面のいずれかに印刷され
る。その後かかる印刷されたアルミ箔13は、各塩化ビ
ニル層12あるいは14によりカバーされ、ラミネート
フィルム16とされる。したがって、仮にX線不透過性
物質が体内に入り何らかの悪影響を与えるものであった
としても、当該X線不透過性物質により印刷されたアル
ミ箔13は両塩化ビニル層12および14によりカバー
されているものであり、印刷部分が直接外部にあらわれ
るものでないことより、X線不透過性物質の身体に対す
る影響を軽減することができる。
【0014】図3に、本発明の別の実施例におけるPT
P包装の断面該略図を示す。図中において、21は例え
ば硬質塩化ビニル層25と、第一の塩化ビニル層(また
はポリエチレン層、ポリプロピレン層、セロファン層
等、以下本実施例において同じ)22、第二塩化ビニル
層(またはポリエチレン層、ポリプロピレン層、セロフ
ァン層等、以下本実施例において同じ)23およびアル
ミ箔24からなるラミネートフィルム26とによりなる
PTP包装シートであり、硬質塩化ビニル25により錠
剤またはカプセル剤等の固形製剤を内包する空隙部2
7、27・・・が形成されている。なお、28、28・
・・はミシン目を表す。この本発明の別の実施例におい
ては、ラミネートフィルム26を、プラスチックフィル
ムである第二の塩化ビニル層23にX線不透過性物質を
含有させることにより、個々個別に分割されたPTP包
装物が誤飲された場合であっても、そのものをX線によ
り識別可能とすることができるよう構成されている。
【0015】この別の実施例において、塩化ビニル層2
3に含有させるX線不透過性物質としては、先の実施例
で例示した鉛、バリウム、硫酸バリウム、チタン、錫、
ヨウ素化合物等の造影性誘導体等をあげることができ
る。なかでも、一般に尿路・血管用の造影剤として先に
例示した非イオン性ないしイオン性造影剤を、適宜塩化
ビニル成分と練合し、フィルム状に延伸したものを使用
することが可能である。更に塩化ビニル層成分と練合す
るばかりでなく、フィルム表面に造影剤を一部ないし全
面塗布しラミネート化することも可能である。なおこの
別の実施例における場合であっても、、仮にX線不透過
性物質が体内に入り何らかの悪影響を与えるものであっ
たとしても、当該X線不透過性物質を含有する塩化ビニ
ル層23は別の塩化ビニル層22およびアルミ箔24に
てラミネートフィルム26とされており、この層23が
直接外部にあらわれるものでないことより、X線不透過
性物質の身体に対する影響を軽減することができる。さ
らに層23からのX線不透過性物質の溶出もなく、空隙
部27に納められた錠剤またはカプセル剤への付着とい
った問題も生じないものである。
【0016】以上の具体的各実施例により判明するよう
に、本発明のX線により識別可能なPTP(プレス・ス
ルー・パッケージ)包装は、PTP包装を構成するラミ
ネートフィルムに、X線不透過の識別マークを付すこと
に特徴があり、これにより誤飲されたPTP包装物の存
在箇所を的確に判断できるようにしたものである。した
がって、かかる目的を達成するために、PTP包装を構
成するラミネートフィルムに、X線不透過の識別マーク
を付す手段としては上記の具体例に基づく実施例に記載
したものには限定されず、本発明の目的を達成する他の
いかなる変形例も本発明の範疇に包含されることはいう
までもない。
【0017】以下に、本発明が提案するPTP包装を構
成するラミネートフィルムに、X線不透過の識別マーク
を付した場合において、X線によりPTP包装が識別可
能なものであることをモデル実験にて証明する。
【0018】モデル実験: 1:使用X線造影剤 X線造影剤として以下の3種類のものを使用した。 (1)イオメロン400(販売名) 非イオン性造影剤イオメプロールを1ml中に816.
5mg(ヨード量として400mgに相当する)を含有
する。 (2)ガストログラフィン(販売名) アミドトリゾ酸ナトリウムメグルミン液で、ヨード量と
して370mg/ml含有する。 (3)ネオダルムゾル(販売名) 硫酸バリウム水性懸濁液であり、硫酸バリウムを79g
/100ml含有する。
【0019】 2:使用器材: (1)ファントーム:京都科学標本製、胸・腹部用X線水ファントムWAC型 人体に近似したX線の散乱特性を有する水ファントム (2)X線発生装置:日立DH−1513HM (3)増感紙 :コニカSRO−380 (4)フィルム :コニカSRG−KD (5)現像器 :コニカSRX−501(32℃・45sec) (6)濾紙 :Whatman Qualitative 1 (7)アルミ箔 :三菱アルミ製のPTP包装用、厚み17μおよび20μ
【0020】3:方法:試験液としては、X線造影剤を
原液のまま、ならびに注射用蒸留水にて、その1.5倍
希釈液および2.0倍希釈液を作成し用いた。PTP包
装のうち大きな包装形態に該当する大きさとして、濾紙
を1×2cmに裁断し、試験濾紙とした。裁断された濾
紙をアルミ箔上に配置固定し、各試験液(トータル9試
験液)の25μlを各試験濾紙上に滴下した後、自然乾
燥させた。なお、コントロールとして試験液を含まない
濾紙をおいた。次いで、このアルミ箔をFFD(X線管
球と増感紙・フィルム間の距離)100cmの腹部単純
撮影と同一の拡大率の配置で、X線撮影を行なった。な
お、X線撮影においては、人体でのX線の散乱を考慮
し、ファントーム(20cm厚)をアルミ箔の背後に入
れた場合[ファントーム(+)]と、ファントームを入
れない場合[ファントーム(−)]の両者で行なった。
X線撮影条件は、以下のとおりである。 ファントーム(+): 80KV/200mA/160
msec ファントーム(−): 80KV/ 50mA/ 10
msec
【0021】4:結果:X線撮影により試験液含有濾紙
が識別し得るか否かを以下の基準により点数評価を行な
い、表1にまとめた。 鮮明に識別可能・・・・・3 識別可能・・・・・・・・2 わずかに識別可能・・・・1 識別不可能・・・・・・・0
【0022】
【表1】
【0023】表中の結果から明らかなように、アルミ箔
の厚さ(17μ/20μ)に関係なく、いずれの試験液
においても、ファントム(−)の条件下では濾紙を鮮明
に識別し得る結果であった。本試験においては、試験液
の最大希釈である2倍希釈液における濾紙上のヨード量
は、イオメロン−400で0.5mgに相当し、ガスト
ログラフィンで0.4625mgに相当するが、この場
合であっても鮮明に識別し得る結果であった。なお、硫
酸バリウムにおいても同様であった。一方、人体に近似
したX線の散乱特性を有する水ファントムをアルミ箔背
後に置いたファントム(+)の条件下では、ファントム
(−)の場合に比較して鮮明度はやや落ちたものの、い
ずれの希釈試験液においても濾紙を識別できるものであ
った。これに対してコントロールとしておいた試験液を
含有しない濾紙はX線にて識別することはできなかっ
た。以上の実験結果から、本発明が提案するPTP包装
を構成するラミネートフィルムに、X線不透過の識別マ
ークを付した場合においては、X線によりPTP包装の
停滞場所が十分に識別可能なものであることが確認され
た。
【0024】
【発明の効果】以上記載のように、本発明のX線により
識別可能なPTP(プレス・スルー・パッケージ)包装
は、PTP包装を構成するラミネートフィルムに、X線
不透過の識別マークを付したことにより、誤飲が生じた
としても救急医療の初期のX線検査により、誤飲された
PTP包装物が体内のどこの部分に滞留しているかを的
確に判断でき、それに応じた治療方針に基づく迅速な救
急医療が行なえる利点を有する。特にPTP包装の誤飲
が老人性痴呆症患者や乳幼児に多い現状を考えると、で
きるだけ早期に誤飲されたPTP包装を除去してやるこ
とが救命に結びつくこととなる。盲目的な内視鏡挿入に
よる誤燕性肺炎、更には穿孔などによるの合併症の発生
が多いことを考えると、X線によりPTP包装の停滞場
所が判明することから、内視鏡の種類ならびに的確な摘
出方法の選択が可能となり、最小限の侵襲で除去するこ
とができる利点を有する。これらの点からみて、本発明
の医療上への貢献度は計り知れないものであるといえ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例におけるPTP包装
を裏面のラミネートフィルムからみた底面図である。
【図2】図2は、図1の実施例におけるPTP包装の断
面概略図である。
【図3】図3は、本発明の別の実施例におけるPTP包
装の断面概略図である。
【図4】図4は、従来のPTP包装の断面概略図であ
る。
【符号の説明】
1 PTP包装シート 2 空隙部 3 X線不透過性マーク 11 PTP包装シート 12 塩化ビニル層 13 アルミ箔 14 塩化ビニル層 15 硬質塩化ビニル層 16 ラミネートフィルム 17 空隙部 18 ミシン目 21 PTP包装シート 22 塩化ビニル層 23 X線不透過物質含有塩化ビニル層 24 アルミ箔 26 ラミネートフィルム 27 空隙部 28 ミシン目

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 錠剤またはカプセル剤等の固形製剤を包
    装するPTP(プレス・スルー・パッケージ)包装を構
    成するラミネートフィルムに、X線不透過の識別マーク
    を付したことを特徴とするX線により識別可能なPTP
    包装。
  2. 【請求項2】 X線不透過の識別マークがX線不透過性
    物質を含有するインクにより印刷されたものである請求
    項1記載のX線により識別可能なPTP包装。
  3. 【請求項3】 錠剤またはカプセル剤等の固形製剤を包
    装するPTP(プレス・スルー・パッケージ)包装を構
    成するラミネートフィルムに、X線不透過性物質を含有
    するインクにより識別マークを印刷したことを特徴とす
    るX線により識別可能なPTP包装。
  4. 【請求項4】 錠剤またはカプセル剤等の固形製剤を包
    装するPTP(プレス・スルー・パッケージ)包装を構
    成するラミネートフィルムを、X線不透過性物質を含有
    するプラスチックフィルムによりラミネートしたことを
    特徴とするX線により識別可能なPTP包装。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006502557A (ja) * 2001-10-30 2006-01-19 クゥアルコム・インコーポレイテッド ボール状のグリッドアレイx線方位マーク
JP2010526359A (ja) * 2007-05-04 2010-07-29 ボエグリ − グラビュル ソシエテ アノニム 外被で覆われた客体表面の認証マークを識別する方法と装置

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