JPH10225753A - ホットチャンバダイカスト機の浸漬形射出ポンプ - Google Patents

ホットチャンバダイカスト機の浸漬形射出ポンプ

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JPH10225753A
JPH10225753A JP2927897A JP2927897A JPH10225753A JP H10225753 A JPH10225753 A JP H10225753A JP 2927897 A JP2927897 A JP 2927897A JP 2927897 A JP2927897 A JP 2927897A JP H10225753 A JPH10225753 A JP H10225753A
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molten metal
housing
injection
pump
sleeve
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Ryukichi Maruyama
山 龍▲吉▼ 丸
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Shibaura Machine Co Ltd
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Toshiba Machine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 射出ポンプ本体の溶湯に対する耐久性を高め
るとともに、溶融金属よる侵食を防止し、保守を容易に
する。 【解決手段】 ポンプ本体部を、溶湯吸込通路44と高
圧溶湯通路45を有するハウジング40内に収容すると
ともに、ハウジング40の表面を耐溶融金属材質のライ
ニング材42、43で被覆し、ポンプ本体部およびハウ
ジング40をフレーム53によって吊持し、保持炉20
の溶湯M中に浸漬する構造になっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホットチャンバ型
ダイカスト機に関し、特に、金型に供給するアルミニウ
ム溶湯やマグネシウム溶湯を貯留する保持炉に直接浸漬
される射出ポンプの構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】図4に従来のホットチャンバ型ダイカス
ト機を示す。2は、溶湯が貯留されている保持炉を示し
ている。3は、金型5に射出される溶湯の通路となるグ
ーズネックであり、このグーズネック3の先端部にはノ
ズル4が取り付けられている。従来のホットチャンバ型
ダイカスト機では、保持炉2は、射出ポンプ6との一体
構造となっている。射出ポンプ6は、溶湯中に浸漬され
るスリーブ7と、このスリーブ7に嵌合されるプランジ
ャ8と、油圧シリンダ9とから構成されている。この場
合、スリーブ7の下端部は、グーズネック3の管端に連
結されている。また、スリーブ7の上端部は、保持炉2
本体の上面部で押台10を用いて固定されるようになっ
ている。
【0003】図4に示されているように、保持炉2の溶
湯を金型5に供給する場合、油圧シリンダ9の作動によ
りプランジャ8が下降すると、スリーブ7内の溶湯8A
が押し出され、グーズネック3内にある溶湯8Aがノズ
ル4を介して金型5に充填される。このようなホットチ
ャンバ型のダイカストマシンでは、スリーブ7とプラン
ジャ8を主要な構成部品としている射出ポンプ6を用い
て保持炉の溶湯を金型に供給するようにしている。
【0004】ホットチャンバ型のダイカストマシンに適
用される射出ポンプ6は、その特質として、まず第1
に、保持炉2と射出ポンプ6とが一体構造となっている
こと、第2にポンプ本体部が直接溶湯中に浸漬されるよ
うになっていることを挙げることができる。
【0005】射出ポンプ6の構成部品と保持炉2が一体
構造であることからメンテナンスに制約を受け、溶湯に
弱い部品に不具合が生じると、部品交換作業が大掛かり
となり、費用と日数がかかる問題があった。このため、
従来から溶湯により劣化されやすいグーズネック3や、
グーズネック3とスリーブ7との接合面との間に介在さ
せるパッキンなどが問題となっており、その改良が加え
られている。例えば、実公平2-24515号公報、実
公平2-11625は、この種の従来技術の例として挙
げることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ホットチャンバダイカストマシンは、ポンプ本体部が直
接溶湯中に浸漬されることからポンプ本体部の外側が溶
湯に侵食され易いので、使用する溶湯の種類に制約があ
る。一般には、侵食性の少ない溶融亜鉛合金用として用
いられることが多い。侵食性のある溶融アルミニウム合
金用としては、耐侵食性に優れ、また経済性、加工性と
バランスした材料の選定に問題を残していて、実用化が
遅れている。また、アルミ溶湯の場合、適用温度も亜鉛
溶湯の約450℃に較べて約650℃とかなり高温とな
り、溶湯温度を適正に保持することも大きな課題とされ
ている。
【0007】そこで、本発明の目的は、前記従来技術の
有する問題点を解消し、射出ポンプ本体の溶湯に対する
耐久性を高めるとともに、溶湯金属による侵食を防止
し、保守を容易にするようにしたホットチャンバダイカ
スト機の浸漬形射出ポンプを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、射出シリンダに連結されたプランジャ
と、プランジャスリーブを備えるポンプ本体部を保持炉
内に蓄えられる溶湯中に浸漬し、前記プランジャスリー
ブ内に流入した溶湯を前記プランジャにより加圧して金
型に供給するようしたホットチャンバダイカスト機の浸
漬形射出ポンプにおいて、前記ポンプ本体部を、溶湯流
入通路と高圧溶湯通路を有するハウジング内に収容する
とともに、前記ハウジングの溶湯に接する表面を耐溶湯
金属材質のライニング材で被覆し、前記ポンプ本体部お
よびハウジングをフレームによって吊持し、保持炉の溶
湯中に浸漬するようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0009】この浸漬形射出ポンプによれば、ポンプ本
体部を構成するセラミック材からなる射出スリーブは、
その外側全体がハウジングのライニング材と黒鉛リング
とによって保護されているので、十分な耐久性を確保で
きる。また、ポンプ本体部の各構成部品には、従来の物
を転用して長期間の使用が可能となる。なお、ハウジン
グ自体についても、耐溶融金属材質のライニング材によ
って保護されているおり、十分な耐久性をもっている。
【0010】また、本発明の浸漬形射出ポンプでは、ハ
ウジングおよびポンプ本体部をフレームから吊り下げる
ようにして保持炉の溶湯に浸漬する形式であるため、従
来の射出ポンプの構成部品と、保持炉が一体構造のもの
に比べてメンテナンスが容易になる。
【0011】本発明の好適な実施形態によれば、前記ポ
ンプ本体部を複数のコイルバネが組み込まれたバネホル
ダを介してフレームと連結するとともに、射出スリーブ
の下端面と、これが当接するハウジングの溶湯射出口と
の間をパッキンによりシールし、前記コイルバネの弾性
力により前記ポンプ本体部を下方に付勢するように構成
される。
【0012】また、前記バネホルダのコイルバネの内径
部を挿通するようにして、しかもヒータ加熱部はハウジ
ング穴部のみに位置させた棒状のヒータをポンプ本体部
に着脱可能に装着することにより、溶湯に溶融アルミニ
ウム合金または溶融マグネシウムを使用する場合、バネ
ホルダを利用して、特に放熱しやすいハウジング上部お
よびポンプ本体部回りに集中配置することで、溶湯温度
を低下させずに溶湯の適正な温度保持が可能になってい
る。
【0013】また、本発明は、前記射出スリーブの下端
面と、ハウジングの溶湯射入口との間に黒鉛パッキンを
介装するとともに、パッキンの外側にシールリングを外
嵌し、シールリングの周りに溶湯を溜め、ハウジング上
部よりこの溶湯を汲み出しできる溶湯穴を設けたことを
特徴とする。
【0014】これによれば、溶湯の射出を繰り返すこと
で、もっとも負荷のかかる部品であるパッキンは、劣化
の要因である酸化を防止するため、シールリングの外周
部に溶湯を溜めておくことで、外気と接触しないように
絶縁されているので、高圧部のシール性能を長期にわた
って維持できる。しかも、溶湯漏れ検知用の穴の溶湯レ
ベルの増加から、溶湯の漏れなどの異常を検知できるの
で、大きな事故に発展するのを未然に防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるホットチャン
バダイカスト機の浸漬形射出ポンプの一実施形態につい
て添付の図面を参照して説明する。
【0016】図1は、本発明の一実施形態によるホット
チャンバダイカスト機の全体図である。このホットチャ
ンバダイカスト機は、大きく分けて、溶湯Mが貯留され
る保持炉20と、射出ポンプ装置22と、ダイカスト機
械部24とから構成される。
【0017】鋳造工程では、射出ポンプ装置22は、保
持炉20で高温に保持されている溶湯M中に浸漬された
状態で使用されるものである。ダイカスト機械部24で
は、固定ダイプレート26、移動ダイプレート27にそ
れぞれ対向する一対の金型28、29が装着されてい
る。キャビティ30には、ノズル31を介して射出ポン
プ装置22から溶湯が供給される。
【0018】射出ポンプ装置22は、ポンプ本体部とハ
ウジング40をフレーム53によって吊持し、保持炉2
2の溶湯M中に浸漬するようになっている。この実施形
態では、ポンプ本体部は、プランジャ32と、このプラ
ンジャ32の先端部に取り付けられているプランジャチ
ップ33が摺動自在に嵌合する射出スリーブ34と、溶
湯を導入する穴を有する溶湯スリーブ35と、プランジ
ャ32と連結される油圧シリンダ36を備えている。プ
ランジャ32が下降すると、溶湯がノズル31から金型
28、29内のキャビティ30に射出されるようになっ
ている。
【0019】次に、ポンプ本体部が収容されるハウジン
グ40について説明する。このハウジング40は、鋳造
により製造される鋳鉄製の構造物である。保持炉20の
溶湯Mが直接接触するハウジング40は、その外側表面
全面をアルミニウム溶湯に対して耐久性、耐侵食性の良
好な材質からなるライニング材42により覆うことでラ
イニング施工されている。このライニング42の材料と
しては、この実施の形態では、長繊維アルミナを主成分
として、これに酸化ボロンを混合したもの(9Al23
・2B23)が用いられている。
【0020】ライニング施工は、前記の材料をハウジン
グ40の外表面の被ライニング面に所定の厚さで塗布
し、自然乾燥した後、700℃に加熱して焼成すること
により行われる。ライニング材の厚さは、5mm程度が好
適である。
【0021】また、ハウジング40では、ポンプ本体部
が収容される内径部の表面についても、溶湯Mから保護
するために、同じようにしてライニング材43が被覆さ
れるようになっている。このライニング材43も前記の
材料により形成されている。内径部のライニングの場
合、ポンプ本体部の取り付けのために仕上げ加工により
寸法を修正する必要があるが、長繊維アルミナの場合、
加工性も良好であり、また、熱伝導率も高くなく保温性
にも優れている。なお、このような耐溶融金属材からな
るライニング材42、43は、マグネシウム溶湯に対し
ても十分対応できることはもちろんである。
【0022】このように表面をライニングしたハウジン
グ40の内部には、ハウジングの内径部まで貫通する溶
湯流入通路44(図2参照)と、射出された溶湯をノズ
ル31まで導くための高圧溶湯通路45とが形成されて
いる。この場合、高圧溶湯通路45は、ハウジング40
を鋳造する際に、耐アルミ材質の管状の中子を鋳ぐるむ
ことにより形成される。これに対して、溶湯流入通路4
4の周面は、ライニング材43により保護されている。
図2に示すように、保持炉20の溶湯Mは、溶湯流入通
路44を通り、溶湯スリーブ35に形成された溶湯通路
46、射出スリーブ34の上端部の内周面に形成された
断面半円状の溶湯通路47を流下して、射出スリーブ3
4内部の加圧室48に吸い込まれるようになっている。
【0023】次に、ハウジング40と、これを吊持する
フレーム53との連結構造について説明する。図2にお
いて、ハウジング40の上端部には、フランジ部49が
形成されている。このフランジ部49の上面とフレーム
53の下面との間には、ハウジング40をフレーム53
に対して同心位置に合わせる4つのボルトガイド50が
配置されている。このボルトガイド50には、フレーム
53側、ハウジング40側からそれぞれボルト51、5
2が締め込まれ、これにより、ハウジング40が吊持さ
れるようになっている。ボルトガイド50は、溶湯の熱
が伝わりにくいように、その材料にはできるだけ、熱伝
導率の低い、しかも高温強度があり、高温酸化のおきに
くい、例えば、ステンレス材が好ましい。また、フレー
ム53には、さらに、油圧シリンダ36を取り付けるた
めのブラケット54が固定され、このブラケット54を
介して油圧シリンダ36が支持される構造となってい
る。
【0024】なお、フレーム53自体は、その脚部53
a,53bを保持炉20の外側に配置される載置台80
に載せて使用されるものである。
【0025】次に、フレーム53とポンプ本体部の連結
構造について説明する。フレーム53の下面中央部は、
バネホルダ56が嵌合する段部になっており、このバネ
ホルダ56には、周方向に複数(この実施形態では、8
個)のコイルバネ57が収装されている。バネホルダ5
6はフレーム53への熱放出とともにコイルバネ57の
温度上昇をおさえるために断熱材料を使用している。好
ましくはステンレス304が使用される。このバネホル
ダ56には、インロー部を介して同心的に断熱リング5
8が連結され、さらに、この断熱リング58は、溶湯ス
リーブ35と連結されている。バネホルダ56は、コイ
ルバネ57の弾性変形により上下方向の移動が許容され
ている。したがって、断熱リング58、溶湯スリーブ3
5、射出スリーブ34といったポンプ本体部の各部品の
熱膨張率の相違に起因する温度変化による寸法変化は、
コイルバネ57に吸収される構造となっている。
【0026】また、コイルバネ57の弾発力は、以下の
ようにして、射出スリーブ34の加圧室48からの溶湯
漏洩の防止にも利用されている。
【0027】この実施形態では、射出スリーブ34の下
端面と、ハウジング40の高圧溶湯炉45への溶湯射出
入口が開口する面との間には、射出スリーブ34から吐
出される高圧の溶湯の洩れを防止するパッキンとして黒
鉛パッキン60が装着されている。バネホルダ56に組
み込まれてるコイルバネ57は、溶湯スリーブ35、射
出スリーブ34を下方に付勢し、黒鉛パッキン60をハ
ウジング40のシール面に押し付けるようになってい
る。また、この黒鉛パッキン60には空気との接触から
遮断するために、シールリングとして射出スリーブ34
の下端部に位置する黒鉛リング61が外嵌されている。
この黒鉛リング61の上には、黒鉛リング62が重ねて
取り付けられている。
【0028】これらの二つの黒鉛リング61、62のう
ち、下側の黒鉛リング61の外側は、円環状の空間部6
3が形成されている。この空間部63には溶湯が溜まる
ようになっており、このように黒鉛リング61の外側に
溶湯を溜めておき、黒鉛パッキン60、黒鉛リング61
を空気から遮断させている。この空間部63は、図1に
示されるように、溜まり溶湯を確実にするために、溶湯
横穴64、溶湯縦穴65が設けられている。これらの溶
湯穴64、65の内周面はライニング材で保護されてい
る。溶湯縦穴65には、あらかじめ決まったレベルに溶
湯が溜められる。これは黒鉛パッキン60、黒鉛リング
61を空気から遮断するのが第1の目的である。これに
より黒鉛の酸化が進行しないことになる。また、溶湯穴
64、65は、黒鉛パッキン60、黒鉛リング61、6
2からの溶湯の漏れを、図示しない溶湯レベル検出手
段、例えば、フロートなどを用いてそのレベルの増加か
ら検知するのにも利用することができる。なお、溶湯縦
穴65の位置は、高圧溶湯通路45の位置とは反対側の
位置であることが望ましく、これによりハウジング全体
における熱的分布のバランスを図ることができる。
【0029】ハウジング40からは、熱がフレーム53
に放熱していくので、温度低下を防止するために、ハウ
ジング40の上部には、ヒータ穴を設け、ヒータ加熱部
をこのハウジングヒータ穴部のみとし、これに複数本の
棒状のヒータ70が着脱可能に取り付けられている。こ
のヒータ70は、バネホルダ56のコイルバネ57の内
径孔にそれぞれ挿入するようにして取り付けられてお
り、このコイルバネ57を利用することで、ポンプ本体
部に近い位置に集中的に配置して加熱でき、しかも、ハ
ウジング40からの取り外しをフレーム53の上面より
容易に行えるようになっている。また、棒状のヒータ7
0の加熱部はハウジング40のヒータ穴部に接する部分
のみとしているので、棒状ヒータ70の周辺のハウジン
グ40以外のコイルバウ57などの他の部品の温度上昇
を抑える構造となっている。
【0030】次に、保持炉20は、保温ポット21A
と、この外側を保温するポット保温材21Bからなり、
このポット保温材21Bにより、熱が外部に逃げないよ
うに保温されている。ダイカスト実施時には、溶湯は坩
堝71を用いて鋳造に必要な湯面高さが保たれるように
常時補給される。また、炉内の溶湯Mは、溶湯Mに浸漬
される保温ヒータ72によって加熱され、溶湯温度が一
定に保持される。
【0031】次に、以上のように構成されるアルミホッ
トチャンバダイカスト機の浸漬形射出ポンプの作用につ
いて説明する。ダイカスト実施時には、フレーム53に
吊持されるようにして、ハウジング40全体が保持炉2
0の溶湯Mに浸漬される。油圧シリンダ36が作動し
て、プランジャ32が押し下げられると、加圧室48の
溶湯がプランジャチップ33によって加圧され、溶湯は
高圧溶湯炉45からノズル31を通って金型キャビティ
30に供給される。プランジャチップ33が下降しきっ
たところで、金型キャビティ30には溶湯が充填され、
加圧鋳造が実施される。
【0032】その後、プランジャ32が上昇するととも
に、金型28、29が開いて鋳造品が取り出されると、
ノズル31、高圧溶湯通路45は大気圧に解放されるの
で、高圧溶湯通路45の湯面は下がり、保持炉20の湯
面の高さに一致して平衡状態になる。この間、溶湯は溶
湯流入通路44、湯通路46、47を通って加圧室48
に満たされる。
【0033】こうして、ダイカストの工程が繰り返され
るが、ポンプ本体部を構成する耐溶融アルミ材質窒化硅
素材からなる射出スリーブ34、溶湯スリーブ35は、
その外側全体がハウジング40、並びに黒鉛リング6
1、62によって保護されているので、十分な耐久性を
確保できる。また、ポンプ本体部の溶湯に接しない各構
成部品の材料には耐溶融アルミニウム性の特別な材料を
用いずとも、従来の物を転用して長期間の使用が可能と
なる。ハウジング40自体についても、耐溶融アルミニ
ウム材質のライニング材42、43によって保護されて
いるおり、十分な耐久性をもっている。
【0034】溶湯の射出を繰り返すことで、もっとも負
荷のかかる部品は、ハウジング40の高圧溶湯通路45
の入口回りと射出スリーブ34との当接面をシールする
黒鉛パッキン60である。この黒鉛パッキン60は、劣
化の要因である酸化を防止するため、黒鉛リング61お
よび横湯穴64の溶湯によって外気と接触しないように
絶縁されているので、高圧部のシール性能を長期にわた
って維持できる。しかも、溶湯漏れ検知用の縦湯穴65
の溶湯レベルの増加から、溶湯の漏れなどの異常を検知
できるので、大きな事故に発展するのを未然に防止でき
る。
【0035】溶湯に溶融アルミニウム合金を使用する場
合、亜鉛に比べてかなり高い650度もの高温での取り
扱いが要求される。この点、ハウジング40は、ヒータ
70により加熱されており、しかも、バネホルダ56を
利用して、特に放熱しやすいハウジング上部のポンプ本
体部回りに集中配置することで、溶湯温度を低下させず
にアルミ溶湯の適正な温度保持が可能になっている。ま
た、ヒータ70の取り付け、取り外しも容易でありメン
テナンス性もよい。
【0036】また、ハウジング40およびポンプ本体部
をフレーム53から吊り下げるようにして保持炉20の
溶湯Mに浸漬する形式であるため、従来の射出ポンプの
構成部品と、保持炉が一体構造のものに比べてメンテナ
ンスが容易である。たとえば、溶湯スリーブ35、射出
スリーブ34の交換なども保持炉20からハウジング4
0を引き上げて作業性良く行うことができる。
【0037】次に、図3は、本発明の他の実施形態によ
る射出スリーブ回りの断面図である。この実施の形態で
は、図1と異なり、ハウジング40に黒鉛パッキン60
から漏洩した溶湯を検知する縦湯穴を設けない構造のも
ので、この場合、黒鉛パッキン60の酸化防止は、ハウ
ジング40の横湯穴64から導いた保持炉の溶湯と、黒
鉛リング61により手当するようになっている。
【0038】以上、溶湯に溶融アルミニウム合金を用い
た例について説明したが、溶融マグネシウム合金に対し
ても同様に対応できる。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、ポンプ本体部を、溶湯流入通路と高圧溶湯通
路を有するハウジング内に収容するとともに、前記ハウ
ジングの表面を耐溶融金属材質のライニング材で被覆
し、前記ポンプ本体部およびハウジングをフレームによ
って吊持し、保持炉の溶湯中に浸漬するようにしたの
で、ポンプ本体部が溶融金属に浸食されずに十分な耐久
性を確保できる。
【0040】また、ハウジングおよびポンプ本体部をフ
レームから吊り下げるようにして保持炉の溶湯に浸漬す
る形式であるため、従来の射出ポンプの構成部品と、保
持炉が一体構造のものに比べてメンテナンスが容易であ
り、たとえば、射出スリーブのような部品の交換なども
保持炉からハウジングを引き上げて作業性良く行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるホットチャンバダイカスト機の浸
漬形射出ポンプの一実施形態を示す断面図。
【図2】同実施形態による浸漬形射出ポンプの一実施形
態を示す横断面図。
【図3】他の実施の形態による本発明による浸漬形射出
ポンプの断面図。
【図4】従来のホットチャンバダイカスト機の保持炉お
よび射出ポンプを断面図。
【符号の説明】
20 保持炉 22 射出ポンプ装置 24 ダイカスト機械部 30 キャビティ 31 ノズル 32 プランジャ 33 プランジャチップ 34 射出スリーブ 35 溶湯スリーブ 36 油圧シリンダ(射出シリンダ) 40 ハウジング 42 ライニング材 43 ライニング材 44 溶湯吸込通路 45 高圧溶湯通路 48 加圧室 53 フレーム 56 バネホルダ 57 コイルバネ 60 黒鉛パッキン 61 黒鉛リング 62 黒鉛リング 65 溶湯縦穴 70 ヒータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】射出シリンダに連結されたプランジャと、
    プランジャスリーブを備えるポンプ本体部を保持炉内に
    蓄えられる溶湯中に浸漬し、前記プランジャスリーブ内
    に流入した溶湯を前記プランジャにより加圧して金型に
    供給するようしたホットチャンバダイカスト機の浸漬形
    射出ポンプにおいて、 前記ポンプ本体部を、溶湯流入通路と高圧溶湯通路を有
    するハウジング内に収容するとともに、前記ハウジング
    の溶湯に接する表面を耐溶融金属材質のライニング材で
    被覆し、前記ポンプ本体部およびハウジングをフレーム
    によって吊持し、保持炉の溶湯中に浸漬するようにした
    ことを特徴とするホットチャンバダイカスト機の浸漬形
    射出ポンプ。
  2. 【請求項2】前記ポンプ本体部を複数のコイルバネが組
    み込まれた断熱材料からなるバネホルダを介してフレー
    ムと連結するとともに、射出スリーブの下端面と、これ
    が当接するハウジングの溶湯射出口との間をパッキンに
    よりシールし、前記コイルバネの弾性力により前記ポン
    プ本体部を下方に付勢するようにしたことを特徴とする
    請求項1に記載のホットチャンバダイカスト機の浸漬形
    射出ポンプ。
  3. 【請求項3】前記バネホルダのコイルバネの内径部を挿
    通するようにして棒状のヒータをポンプ本体部に着脱可
    能に装着したことを特徴とする請求項2に記載のホット
    チャンバダイカスト機の浸漬形射出ポンプ。
  4. 【請求項4】前記射出スリーブの下端面と、ハウジング
    の溶湯射入口との間に黒鉛パッキンを介装する溶湯シー
    ル装置において、パッキンの外側にシールリングを外嵌
    し、シールリングの周りに溶湯を溜め、ハウジング上部
    よりこの溶湯を汲み出しできる溶湯穴を設けたことを特
    徴とする請求項2に記載のホットチャンバダイカスト機
    の浸漬形射出ポンプ。
JP2927897A 1997-02-13 1997-02-13 ホットチャンバダイカスト機の浸漬形射出ポンプ Pending JPH10225753A (ja)

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