JPH10224801A - 画像圧縮装置 - Google Patents

画像圧縮装置

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JPH10224801A
JPH10224801A JP3137897A JP3137897A JPH10224801A JP H10224801 A JPH10224801 A JP H10224801A JP 3137897 A JP3137897 A JP 3137897A JP 3137897 A JP3137897 A JP 3137897A JP H10224801 A JPH10224801 A JP H10224801A
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JP
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JP3137897A
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English (en)
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Yasunori Oda
保憲 黄田
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像のマッチングの時間のコストを低減し、
かつ解像度の低減を避けて画像圧縮を行う画像圧縮装置
を提供する。 【解決手段】 画像圧縮装置は、圧縮される画像を保持
する画像保持手段と、画像からドメインブロックを生成
し記憶するドメインブロック記憶手段と、画像からレン
ジブロックを生成し記憶するレンジブロック記憶手段
と、乱数を発生させる乱数発生手段と、生成したドメイ
ンブロックとレンジブロックとを乱数によるランダムな
順序に選択し、ドメインブロックをアフィン変換してレ
ンジブロックと比較し、ドメインブロックとレンジブロ
ックとの差分が予め与えられた許容範囲内であり、また
は予め決められた最小のレンジブロックのサイズ以下の
場合に、ドメインブロックの位置情報と当該ドメインブ
ロックを変換するアフィン変換式とを画像の圧縮データ
とする圧縮データ作成手段と、画像の圧縮データを保持
する圧縮画像保持手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静止画像を高い圧
縮率で圧縮できる画像圧縮装置に関し、特に、画像のフ
ラクタル圧縮の際に、画像のマッチングの時間のコスト
が高くなるので、その時間のコストを低減しながら、且
つ解像度の低減を避けて画像圧縮を行う画像圧縮装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピュータにおいて扱うマ
ルチメディアの技術の中で、近年、画像圧縮の技術の需
要が高まっている。フラクタル画像圧縮の技術は、Barn
sleyらによって発明された(USP 4,941,193)。フラク
タル圧縮の原理は、与えられた画像からその画像を近似
する画像を、収束値としてもつ反復関数を求めることで
ある。そのような反復関数は、元の画像またはその一部
の縮小画像のアフィン変換により元の画像を近似かつ被
覆できる時に得られる。
【0003】このフラクタル画像圧縮の技術は、更に、
A.Jacquinらによって、ブロックの対ごとに縮小変換式
を求めるという改良が加えられて、実用化されるに至っ
ている(Image coding based on a fractal theory of i
terated contractive imagetransformation,IEEE Tran
saction on Image Processing, Vol.1, No.1, Jan.199
2, pp. 18-30 およびUSP 5,065,447 参照)。
【0004】現在、普及しているフラクタル圧縮方法
は、このJacquinらにより改良されたものである。Barns
leyおよびJacquinらの論文において、収束画像と元画像
との誤差の上限は、圧縮の際に決められる最初の近似画
像と元画像との差に依存することが述べられている。こ
れは、コーラージの定理(Collage Theorem)と呼ばれ
ている。
【0005】フラクタル画像圧縮の原理は、与えられた
画像を自己または自己の一部の縮小画像で近似的に覆い
つくすことができると、初期値にかかわらず、その一連
の画像縮小変換を繰り返すと元の画像が復元されるとい
う性質に基づいている。具体例で説明すると、例えば、
図12に示すように、被写体14を含む画像10が与え
られた場合、この画像をブロックで区切り、そのブロッ
クをレンジブロック11とし、このレンジブロックの4
倍の大きさの領域をドメインブロック12とすると、こ
こでのドメインブロック12の図形は、当該ドメインブ
ロック12の図形を半分に縮小し(第1の画像変換操
作)、9O度反時計回りに回転させ(第2の画像変換操
作)、x軸方向およびy軸方向にとも2ブロック分だ
け、マイナスの方向に移動させる(第3の画像変換操
作)と、レンジブロック13の図形に重ねあわせること
ができる。
【0006】したがって、レンジブロック13の図形を
表現する場合、ドメインブロック12の図形から出発し
て、上記の画像変換操作の逆の変換操作を記述すれば足
りることになる。つまり、画像変換の操作の記述だけで
レンジブロック13の図形を表現することができる。更
に、画像変換の操作の記述の中で、ピクセルのシャッフ
ルや、輝度の変化、コントラストの変化を考慮して、そ
の画像変換操作を記述することにより、どのような複雑
な画像でも、画像変換操作の記述で表現できることにな
る。
【0007】次に、このような画像変換の原理によっ
て、画像のデータ圧縮を行う場合のアルゴリズムについ
て説明する。この場合、すべてのレンジブロツクの画像
について、レンジブロックの4倍の大きさのドメインブ
ロックの画像のどれかの線形変換で近似することを試み
る。その場合に、任意のデータから始めて、全てのレン
ジブロックについて、上述したような画像変換操作の過
程で見つかつた線形変換の写像を行うと、もとの画像に
近い画像が得られる。
【0008】すなわち、与えられた画像に対し、ドメイ
ンブロックおよびレンジブロックによる分割を行う。普
通、16×16ビットをドメインブロックの大きさと
し、8×8ビットをレンジブロックの大きさとする。レ
ンジブロックは画像をオーバーラップすることなく分割
かつ被覆するようにとる。画像の大きさを256×25
6ビットとすれば、画像は32×32(=1024)個
のレンジブロックで覆われる。ドメインブロックは、普
通レンジのブロックの左上の角の位置を共有させる(一
般には任意の8×8ビットのブロックで良い)。したが
って、ドメインブロック自体はオーバーラップする。
【0009】図11は、フラクタル画像圧縮処理のアル
ゴリズムを説明するフローチャートである。図11を参
照して説明すると、この画像圧縮処理のアルゴリズムに
よる処理では、まず、始めに初期設定を行う。この初期
状態では、レンジブロックは全て未決定という状態とす
る(ステップ21,ステップ22,ステップ23)。つ
まり、この状態は、レンジブロックに対応する近似解を
与えるドメインブロックがまだ決定されてない状態であ
る。この状態から、未決定なレンジブロックを一つ一つ
取り出して(ステップ24)、それに対しドメインブロ
ックを全てアフィン変換し、両者を比べる(ステップ2
5,ステップ26,ステップ27)。ここでのアフィン
変換としては、例えば、縮小、回転、反転、ビットの交
換、移動などの幾何学的変換と、輝度の変化やコントラ
ストの変化をさせる変換などがある。そのような変換を
まとめて、ここでは、変換式fとする。
【0010】そして、与えられたレンジブロックとアフ
ィン変換後のドメインブロックの差分|f(Dj)−R
i|が、予め与えられた誤差の許容量e以下であり、か
つ一番小さいものを選ぶ(ステップ27)。そのような
ドメインブロックが見つからない場合は、与えられたレ
ンジブロックを分割する(ステップ29)。
【0011】そのようなドメインブロックが見つかった
場合は、対象としているレンジブロックを決定の状態に
し、見つかったドメインブロックの位置情報と変換式f
を画像の圧縮データとして、圧縮画像記憶装置に記録す
る(ステップ28)。
【0012】このようにして、誤差が許容値eより小さ
いものが見つからなくなり、且つ、レンジブロックの大
きさが最小のものより大きい場合には、レンジブロック
を分割(普通の場合は四分割)する。そして、それぞれ
の小さなレンジブロックは未決定の状態にして、レンジ
ブロックのリストに登録し、分割前のレンジブロックを
リストから除外する。ここまでの一連の処理を、未決定
のレンジブロックが無くなるまで繰りかえす。誤差の最
小値が設定値eより大きくても、レンジブロックが最小
サイズより小さければ、ステップ28の処理を行なう。
【0013】このようにして、フラクタル圧縮した画像
データの復号は、次のようにして行う。すなわち、各レ
ンジブロックに対して対応する変換式fを、その対応す
るレンジブロックに適用して、その結果でレンジブロッ
クの値を置き換える。これを“0”を除く任意の画像か
ら出発して、全てのレンジブロックについて画像が収束
するまで繰り返す。これにより、圧縮データから画像が
復元されて、元の画像が表示画面等に描画される。この
場合、どのような画像でも経験的に約7回位で収束する
ことが知られている。
【0014】ところで、上記のアルゴリズムでは誤差の
最小のものを見つけるために、基本的にはドメインブロ
ックを全てチェックしなければならなく、その時間コス
トは大きく見逃せない。時間コストを低減するために
は、例えば、一番最初に許容値以下になるようなドメイ
ンブロックを選択することである。
【0015】その場合、全てのドメインブロックを順に
選択すると、与えられたレンジブロックにより近いドメ
インブロックが選択されない可能性が高くなり、質の良
い画像が得られなくなる。これは、選択されるドメイン
ブロックをドメインブロックのリストの始めの部分から
調べるので、始めの方に偏在してしまうからである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点を解決するためになされたものである。したがっ
て、本発明の目的は、画像のフラクタル圧縮の際に、ド
メインブロックが適切に選択されないと、画像のマッチ
ングの時間のコストが高くなるので、その時間のコスト
を低減しながら、かつ解像度の低減を避けて画像圧縮を
行う画像圧縮装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するため、本発明の画像圧縮装置は、第1の特徴とし
て、圧縮される画像を保持する画像保持手段と、画像か
らドメインブロックを生成し記憶するドメインブロック
記憶手段と、画像からレンジブロックを生成し記憶する
レンジブロック記憶手段と、乱数を発生させる乱数発生
手段と、生成したドメインブロックとレンジブロックと
を乱数によるランダムな順序に選択し、ドメインブロッ
クをアフィン変換してレンジブロックと比較し、ドメイ
ンブロックとレンジブロックとの差分が予め与えられた
許容範囲内であり、または予め決められた最小のレンジ
ブロックのサイズより小さい場合に、ドメインブロック
の位置情報と当該ドメインブロックを変換するアフィン
変換式とを画像の圧縮データとする圧縮データ作成手段
と、画像の圧縮データを保持する圧縮画像保持手段とを
備えることを特徴とする。
【0018】また、本発明の画像圧縮装置は、上記の構
成に加えて、第2の特徴として、更に、レンジブロック
およびドメインブロックの特性を計算する計算手段と、
計算された特性に基づいてレンジブロックおよびドメイ
ンブロックを分類する分類手段と、分類されたレンジブ
ロックおよびドメインブロックのグループに確率分布を
与える確率分布指定手段とを備え、圧縮データ作成手段
が前記確率分布に従ってドメインブロックを選択するこ
とを特徴とする。
【0019】このような特徴を有する本発明の画像圧縮
装置によれば、画像保持手段が、圧縮される画像を保持
しており、ドメインブロック記憶手段が、画像からドメ
インブロックを生成し記憶する。また、レンジブロック
記憶手段が、画像からレンジブロックを生成し記憶す
る。乱数発生手段が乱数を発生するので、この乱数によ
りランダムな順序に、圧縮データ作成手段が、生成した
ドメインブロックとレンジブロックと選択し、ドメイン
ブロックをアフィン変換してレンジブロックと比較し、
ドメインブロックとレンジブロックとの差分が予め与え
られた許容範囲内であり、または予め決められた最小の
レンジブロックのサイズ以下の場合に、ドメインブロッ
クの位置情報と当該ドメインブロックを変換するアフィ
ン変換式とを画像の圧縮データとする。この画像の圧縮
データは、圧縮画像記憶手段により保持する。
【0020】また、比較のために、ドメインブロックと
レンジブロックを選択する場合、計算手段が、レンジブ
ロックおよびドメインブロックの特性を計算し、例え
ば、各ブロックの特性として、各ブロックの画像の輝度
の分散の計算を行うので、分類手段は、計算された特性
に基づいてレンジブロックおよびドメインブロックを分
類する。例えば、レンジブロックを有限の数のグループ
に分類し、ドメインブロックもその分類に従ってグルー
プ分けする。そして、確率分布指定手段が、分類された
レンジブロックおよびドメインブロックのグループに確
率分布を与える。これにより、比較されるドメインブロ
ックおよびレンジブロックは、分類されて近似関係のあ
る分類同士でブロック画像の比較が行われるので、マッ
チングの計算量を減らすことができる。従来のアルゴリ
ズムに対し、同程度の画像の質を維持しながら、更に計
算量を減らすことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施する場合の形
態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明
の第1の実施例の画像圧縮装置の構成を示すブロック図
であり、図2は、本発明の第1の実施例の画像の圧縮デ
ータ生成処理の処理フローを示すフローチャートであ
る。また、図3は、ドメインブロックを管理するデータ
構造を説明する図である。これらの図を参照して説明す
る。
【0022】図1において、111は画像記憶装置、1
12はドメインブロック生成記憶装置、113はレンジ
ブロック生成記憶装置、114は圧縮データ生成装置、
115は乱数発生装置、116は圧縮画像記憶装置であ
る。
【0023】画像記憶装置111には、圧縮される画像
が記憶されている。ドメインブロック生成記憶装置11
2は、画像記憶装置111に記憶されている画像をアク
セスして、ドメインブロックを生成して記憶する。ま
た、レンジブロック生成記憶装置113は、画像記憶装
置111に記憶されている画像をアクセスして、レンジ
ブロックを生成して記憶する。これらの装置により、生
成されるドメインブロックとレンジブロックとの関係
は、ドメインブロックはレンジブロックのサイズより大
きく、また、レンジブロックは互いに重なり合わず、か
つ、画像のすべてを覆うように生成される。生成された
レンジブロックは、後述する圧縮データの生成のため、
処理対象のリストに登録される。
【0024】乱数発生装置115は、例えば、“0”か
ら“1”の間の一様な乱数を発生させる。圧縮データ生
成装置114は、生成したドメインブロックとレンジブ
ロックとを選択し、ドメインブロックをアフィン変換し
て比較するが、その場合において、乱数発生装置115
からの乱数によるランダムな順序にドメインブロックを
選択する。そして、ドメインブロックをアフィン変換し
てレンジブロックと比較し、ドメインブロックとレンジ
ブロックとの差分が予め与えられた許容範囲内である場
合、または、予め決められた最小のレンジブロックのサ
イズより小さい場合に、ドメインブロックの位置情報と
当該ドメインブロックを変換するアフィン変換式とを画
像の圧縮データとする。圧縮データ生成装置114によ
り作成された圧縮データは、圧縮画像記憶装置116に
送られて記憶される。
【0025】このようにして、圧縮データ生成装置11
4においては、各々のレンジブロックに対して、ドメイ
ンブロックをアフィン変換して比較するが、この場合
に、比較対象となるドメインブロックは、乱数によるラ
ンダムな順番で選ばれる。アフィン変換されたドメイン
ブロックとレンジブロックとの比較により、その差分が
予め与えられた許容範囲内である場合、または予め決め
られた最小のレンジブロックのサイズより小さい場合
に、見つかったドメインブロック(の位置情報)とそれ
を変換するアフィン変換式とを、画像の圧縮データとし
て圧縮画像記憶装置に送って記憶する。そして、対応す
るドメインブロックが見つかった場合には、その対応の
レンジブロックを対象リストからはずす。もし、対応す
るドメインブロックが見つからない場合は、レンジブロ
ックを小さく分割し、それぞれを対象リストに入れる。
その場合に、分割前のレンジブロックは処理対象のリス
トからはずす。このような処理を、処理対象のリストか
らレンジブロックが無くなるまで繰り返し行う。
【0026】次に、具体的に、このような圧縮データ生
成装置14における画像の圧縮データの生成について、
図2のフローチヤートに従って説明する。この圧縮デー
タの生成処理を開始すると、まず、ステップ201から
ステップ203の処理において、初期設定を行う。つま
り、ステップ201において、フラクタル画像の実画像
からの許容誤差eを指定し、次のステップ202におい
て、与えられた圧縮する画像をドメインブロックに分割
し、更に、レンジブロックに分割して、ドメインブロッ
クDとレンジブロックRとを設定する。そして、次のス
テップ203において、全てのレンジブロックRを未決
定とする。
【0027】なお、ここでは説明の煩雑さを避けるた
め、圧縮する画像は256×256のピクセルからなる
ものとし、この場合のドメインブロックの大きさは、1
6×16のピクセルからなり、レンジブロックの大きさ
は、最初は8×8のピクセルからなるものとする。ま
た、画像の分割の際には、レンジブロックは互いに重な
らないようにして画像を分割する。
【0028】すなわち、256×256のピクセルから
なる画像を、互いに重ならないようにレンジブロックに
分割するので、32×32個のレンジブロックが最初に
存在する。ドメインブロックは一般には画像内の任意の
場所の16×16のピクセルからなるが、ここではドメ
インブロックはその左上の角が各レンジブロックの左角
に一致するようにとる。ただし、一番右端のレンジブロ
ックの左上の角に対応するドメインブロックはない。同
様に、一番下のレンジブロックの左上の角に対応するド
メインブロックもない。ドメインブロックは互いに重な
り合う場合がある。
【0029】なお、ここでのドメインブロックとレンジ
ブロックは、必ずしも同じサイズの方形である必要はな
く、隣接する4つのレンジブロックが、ドメインブロッ
クーつに対応する必要もない。また、分割するブロック
の形状は、方形ではなくてもよいし、例えば、三角形で
もよい。ブロックが違った形状をもつように分割しても
よい。ここでのレンジブロックは、後述するように、ア
フィン変換したレンジブロックをドメインブロックと比
較し、その差分が許容誤差内に入らないようであると、
更に分割するが、その場合に、レンジブロックの最小の
大きさrを、ここでは最初のレンジブロックを4分割し
た4×4のピクセルからなるものとする。また、分割す
るブロックの取り方は、画像の特性に依存することが多
いので、画像に合わせ適当な形状のブロックとするよう
にしてもよい。
【0030】次に、この圧縮データ生成の処理において
用いられる変数を説明する。変数Mは、あるレンジブロ
ックに対応するドメインブロックを探すセッションの
間、比較されるドメインブロックで未だ選択参照されて
いないものの数とする。初期状態では、変数Mの値は全
部のドメインブロックの数である。また、変数Nは、未
決定のレンジブロックの数とする。アフィン変換によっ
て最適に近似することのできるドメインブロックが見つ
かっている場合には、レンジブロックは決定されている
と呼び、そうでないものを決定されてないと呼ぶ。この
レンジブロックの決定されていないものの数をNで表わ
している。
【0031】ここでの処理のため、ドメインブロックテ
ーブル,ドメインブロックノード,変数Mなどが用いら
れるが、これらは、ドメインブロック生成記憶装置11
2に記憶されているものを用いる。また、レンジブロッ
クは、それを参照するノードがリストの形で保持され、
変数Nと共に、レンジブロック生成記憶装置113に記
憶されているものが用いられる。
【0032】このようにして、ドメインブロックDとレ
ンジブロックRとを設定し(ステップ202)、まず、
始めに全てのレンジブロックは、対応するドメインブロ
ックが未決定とする(ステップ203)と、続いて、次
のステップ204からの処理において、ドメインブロッ
クとレンジブロックとを乱数にしたがってランダムに選
択し、各々のドメインブロックに対して、未決定のレン
ジブロックRがあるか否かを判定し、未決定のレンジブ
ロックRが無くなるまで、ステップ204からステップ
214までの処理を繰り返す。そして、未決定のレンジ
ブロックRが無くなると、ここでの処理を終了する。
【0033】ステップ204の判定で、未決定のレンジ
ブロックRがあると、ステップ205に進み、未決定の
レンジブロックRの一つのレンジブロックRiをリスト
から得る。すなわち、レンジブロック生成記憶装置11
3をアクセスし、レンジブロックRiをリストから一つ
取ってくる。ここでのレンジブロックRiは、常に線形
リストの最初のものから選ばれるものとする。
【0034】次に、ステップ206において、変数Mが
“0”以上となっているか否かを判定する。この変数M
は、比較されるドメインブロックで未だ選択参照されて
いないものの数であるので、この判定で「M>0」でな
い場合は、全てのドメインブロックが参照されたことを
意味している。したがって、ドメインブロック生成記憶
装置112から比較対象のドメインブロックDjを取っ
てきて、レンジブロックRiに対応するドメインブロッ
クDjを探す場合に、そのような比較対照のドメインブ
ロックが無くなったことを意味し、この場合には、レン
ジブロックRiをより小さな単位のレンジブロックに分
割して、再び対応するドメインブロックDを探すことに
なる。
【0035】このため、ステップ207に進み、ここで
のレンジブロックRiをより小さいレンジブロックRに
分割して、それぞれを未決定とし、この分割された元の
レンジブロックRiをレンジブロックRのリストから除
き、ステップ214に進む。なお、ここでレンジブロッ
クを分割できるのは、レンジブロックの大きさが最小値
より大きい場合である。そして、ステップ214におい
て、ドメインブロックテーブルとドメインブロックノー
ドのリンクを初期状態にリセットし、ステップ204に
戻る。そして、再び、ステップ204からの処理によ
り、レンジブロックの選択からの処理を繰り返す。
【0036】つまり、レンジブロックRiが予め設定さ
れた最小の大きさr(ここでは4×4ピクセルの大き
さ)以上であれば、そのレンジブロックRiを分割し
て、分割後のレンジブロックRそれぞれを未決定のレン
ジブロックのリストに登録し、分割前のレンジブロック
Riを未決定レンジブロツクRのリストから除外する。
このようなリスト操作は線形リストからそのノードを削
除、付加したりする場合の標準的なリスト操作で行う。
その場合、付加するノードは、削除したものを置き換え
るように付加することもできるし、リストの最後に付加
することもできる。
【0037】一方、ステップ206の判定において「M
>0」であり、比較対象のドメインブロックDがある場
合には、ステップ208に進み、“0”から“1”まで
の一様に分布する乱数xを発生させ、次のステップ20
9において、変数Mの値と乱数xの値をかけた数で、そ
の数を超えない最大の整数[Mx]で指示される番号の
ドメインブロックDjを取ってくる。次に、ステップ2
10において、ドメインブロックDjからアフィン変換
(線形変換)fによるブロックf(Dj)を計算する。
すなわち、ドメインブロックDjをアフィン変換した値
f(Dj)を求め、この変換式fと共に記憶する。
【0038】次に、ステップ211において、対象のレ
ンジブロックRiとアフィン変換後のドメインブロック
f(Dj)との差分|f(Dj)−Ri|が、予め与え
られた誤差の許容値e以下であるか否か、または、対象
のレンジブロックRiが、レンジブロックの最小の大き
さrminよりも十分に小さいか否かを判定する。この
判定の結果、差分|f(Dj)−Ri|が誤差の許容値
e以下でない場合、または、対象のレンジブロックRi
がレンジブロックの最小の大きさrminよりも十分に
小さくない場合には、ここでの処理対象として選択した
ドメインブロックは、誤差の許容値e以下で適合しなか
ったので、処理対象として次のドメインブロックを選択
するため、ステップ213に進み、変数Mの値をデクリ
メントして、ドメインテーブルのブロックノードへのリ
ンクを更新する。そして、ステップ206に戻り、ステ
ップ206からの処理を繰り返し行う。
【0039】また、ステップ211の判定処理におい
て、差分|f(Dj)−Ri|が誤差の許容値e以下で
ある場合、または、対象のレンジブロックRiがレンジ
ブロックの最小の大きさrminよりも十分に小さい場
合、この場合においては、処理対象として選択したドメ
インブロックDjと、ここでの対象のレンジブロックR
iとが誤差の許容値e以下で適合したので、ステップ2
12に進み、ドメインブロックDjに対する変換式(線
形変換式)“f”を記録し、ここでのレンジブロックR
iを決定済とする。そして、ステップ214に進み、ド
メインブロックテーブルとドメインブロックノードのリ
ンクを初期状態にリセットし、ステップ204に戻る。
そして、ステップ204からの処理により、レンジブロ
ック選択からの処理を繰り返す。このようにして、ここ
での処理が終了した結果として、記録されたドメインブ
ロックDjとそれに対する変換式(線形変換式)“f”
が、画像の圧縮データとなる。
【0040】なお、この処理で、レンジブロックと比較
する処理対象のドメインブロックが一様にランダムに選
択される(ステップ208、209)ことの意味は、経
験上、ある画像のあるレンジを最も良く近似するドメイ
ンブロックは、そのレンジブロックから必ずしも近くも
無く、遠くも無く、どのドメインブロックも一様に選ば
れるのが知られているからである(Yuval Fisher, Frac
tal Image Compression,Springer‐Verlag,1995 参
照)。
【0041】また、ここでは、対象としているレンジブ
ロックが最小の大きさrより小さく、なおかつアフィン
変換されたドメインブロックとレンジブロックの差分が
すべて許容値を超える場合(殆ど滅多に無い)には、こ
れまで求められた差分の内、最も小さい値を与えるドメ
インブロックを対応するブロックとしている。これは、
ドメインブロックの差分を計算する際に、ドメインブロ
ックでこれまでよりも差分を小さくするものが現れるな
ら、常にそのドメインブロックDjとアフィン変換式f
を記憶することによって得られるからである。
【0042】次に、ドメインブロックを管理するデータ
構造について説明する。図3を参照すると、ドメインブ
ロックを管理するデータ構造が例示されている。ドメイ
ンブロックは、図3に示されるように、ドメインブロッ
クテーブル31によって管理され、それぞれのリンクに
よって線形に繋がれている。また、ドメインブロックテ
ーブル31からそれぞれのドメインブロック(正確には
ブロックを代表するノードのドメインブロックノード)
にリンクで繋がれている。
【0043】ここでのドメインブロックを管理するデー
タ構造は、各ドメインブロック32を参照するドメイン
ブロックノード33とこのノードを参照するドメインブ
ロックテーブル31から構成されている。このデータ構
造およぴ変数Mの値(あるセッションでまだ選択されて
いないドメインブロックの数)を格納するMレジスタ3
4は、ドメインブロック生成記憶装置112に設けられ
ている。
【0044】このドメインブロックテーブル31を用い
て、ドメインブロックを選択する場合、まず、乱数発生
装置115において、“0”から“1”まで一様に分布
する乱数xを発生させ(ステップ208)、Mレジスタ
34に格納されている変数Mの値とこの乱数xの値とを
掛け合わせ、その数を超えない最大の整数[Mx]を求
めて、この整数[Mx]で指示されるドメインブロック
番号のドメインブロックを選択する。
【0045】図3では、ドメインブロックテーブル31
の[Mx]番地で参照されているドメインブロック番号
(N=3)の上から“3”番目のノードNのリンクを辿
り、ドメインブロック4をドメインブロック生成記憶装
置112から選ぶ。また、ここでは、参照されたノード
Nの前のノードのリンクを、ノードNの次のノードが参
照するようにするので、このノードNは、ブロックノー
ドのリストから外されたことになる。つまり、ノードN
から参照されたドメインブロックは、もはや参照されな
いようになる。そして、ドメインブロックテーブル31
のブロックノードの参照をN番目からM番目まで更新す
る。
【0046】すなわち、T(K)をドメインブロックテ
ーブル31のK番目のリンクの値とすると、T(K)を
T(K+1)で置き換える。ここでのKは[Mx](=
N)から(M−1)までである。また、[Mx]=Mに
なった場合には、何もしない。最後にMの値を1だけ下
げる。図3に示す例の具体的な数値例で説明すると、ド
メインブロックテーブル31の第3番目のリンクの値の
T(3)は、第4番目のリンクの値のT(4)と置き換
えられる。また、T(4)をT(5)で置き換える操作
を行い、このような操作をT(M−1)をT(M)で置
き換えるまで続ける。これにより、ドメインブロック4
を除いて、ドメインブロック7にリンクされる。
【0047】このようにすると、各ドメインブロックは
等確率で選ぱれたことになる。なぜなら、未比較のドメ
インブロックの数をMとすると、各ドメインブロックは
前述のアルゴリズムにより(1/M)の確率で選ばれ
る。そのドメインブロックが選ぱれた後の残りの(M−
1)のドメインブロックの内から、ある特定のドメイン
ブロックが選ばれる確率は (1/M)×{1/(M−1)} となる。また、第2番目の選択において、ある特定のド
メインブロックが選ばれる組み合わせは、第1番目にそ
の特定のドメインブロック以外のドメインブロックが選
ばれる場合であり、(M−1)通りある。したがって、
第2段階で、ある特定のドメインブロックが選ぱれる確
率は、この2つの確率の積となり、(1/M)となる。
このような確率の計算は、一般的に第N段階においても
成り立つ。
【0048】このようにして、乱数によりランダムに選
ぱれたドメインブロックDjは、アフィン変換されて、
その値f(Dj)が求められた後に、対象とするレンジ
ブロックRiと比較され、その差分|Ri−f(Dj)
|が予め決められた許容値eより小さければ、そのドメ
インブロックが対象とするレンジブロックを近似するも
のとし、その場合に、現在のレンジブロックRiの番号
と、その対応するドメインブロツクの位置と、その対応
するアフィン変換式f(実際にはパラメータの集まり)
とを圧縮データとして、画像圧縮記憶装置116に送
る。そして、このレンジブロックRiを対応するドメイ
ンブロックDjから決定済みとし、未決定のレンジブロ
ックRのリストから外す。
【0049】また、対象とするレンジブロックRiと比
較して、アフィン変換後のドメインブロックf(Dj)
とレンジブロックRiとの差分が許容範囲外の場合に
は、比較対象のドメインレンジの数を1減して、再び、
乱数によりランダムに別のドメインブロックを選択し
て、アフィン変換後のドメインブロックとレンジブロッ
クとの比較を繰り返す。
【0050】なお、上記の説明ではドメインブロックの
みをランダムに選択して、比較するようにしてしている
が、ドメインブロックのみならず、レンジブロックもラ
ンダムに選ぶようにしてもよい。その場合のレンジブロ
ックの選択は、前述のドメインブロックの場合と同様
に、未決定のレンジブロックのリストに対し、選択のた
めのレンジブロックテーブルを作り、ドメインブロック
に対して行ったことと同様な操作を行えばよい。
【0051】また、ドメインブロックそれぞれに異なっ
た確率分布を与えることによって、特定のドメインブロ
ックが優先的に選ぱれるようにしても良い。その場合に
は、そのような確率分布を与えるためのデータを各々の
ドメインブロックノードにリンクしておき、ドメインブ
ロックノードからその確率分布が参照されるようにす
る。
【0052】図3に示したデータ構造において適用する
場合には、各々のドメインブロックノード33に対し
て、確率分布データのレコード35をリンクしておく。
このような確率分布データを付与するレコード35は、
3つのフィールドから構成されており、第1番目のフィ
ールド35aが「分散」のデータを与え、第2番目のフ
ィールド35bが「確率分布始点」のデータを与え、第
3番目のフィールド35cが「確率分布終点」のデータ
を与えるようにする。これにより、各々のドメインブロ
ックに確率分布を与えることができる。
【0053】すなわち、常に、全てのブロックが等確率
で選ぱれるためには、比較されていない全てのドメイン
ブロックが(1/M)の確率で選ばれるように、確率分
布を確率分布始点および確率分布終点により与える。例
えば、第1のドメインブロックノードにおいては、(確
率分布始点,確率分布終点)をそれぞれ(0,1/M)
とし、第2のドメインブロックノードにおいては(確率
分布始点,確率分布終点)をそれぞれ(1/M,2/
M)とする。また、一般的に、第Kのドメインブロック
ノードにおいては(確率分布始点,確率分布終点)をそ
れぞれ((K−1)/M,K/M)とするように確率分
布を与えることになる。
【0054】以上に説明したように、第1の実施例の画
像圧縮装置によれば、従来、アフィン変換後のドメイン
ブロックとレンジブロックの対を、あるリストに記憶さ
れている順番で比較して、その差分が許容量以下になる
最初のドメインブロックを選ぶようにしていたアルゴリ
ズムに比べて、誤差の許容値e以下のものがバイアスが
かかることなく選ばれることになる。このため、従来よ
りも統計的に差分がより小さいものが選ばれることにな
り、より良い精度で圧縮データが得られる。この結果、
その圧縮データによる伸長画像は高品位なものとなる。
また、全てのドメインブロツクとレンジブロックを比べ
る方法に比べ短い時間で圧縮データが得られることが可
能になる。
【0055】ところで比較のために、ドメインブロック
とレンジブロックを選択する場合、レンジブロックおよ
びドメインブロックの特性に応じて、その選択の確率分
布を変えるようにしてもよい。これにより、更に適切に
比較対象とするドメインブロックおよびレンジブロック
を選択することができ、全てのドメインブロツクとレン
ジブロックを順に比較する方法に比べて、より短い時間
で圧縮データが得られる。このような構成例を、第2の
実施例として説明する。
【0056】図4は本発明の第2の実施例の画像圧縮装
置の構成を示すブロック図であり、図5は本発明の第2
の実施例の画像の圧縮データ生成処理の処理フローのメ
インフローを示すフローチャートである。また、図6〜
図8は、図5の圧縮データ生成処理の処理フローのメイ
ンフローに組み込まれるそれぞれのサブルーチンの処理
フローを示すフローチャートである。これらの図を参照
して説明する。
【0057】図4において、121は画像記憶装置、1
22はドメインブロック生成記憶装置、123はレンジ
ブロック生成記憶装置、124は圧縮データ生成装置、
125は乱数発生装置、126は圧縮画像記憶装置であ
る。また、127はブロック特性計算装置、128はブ
ロック分類装置、129は確率分布指定装置である。
【0058】図4の画像圧縮装置の構成において、画像
記憶装置121、ドメインブロック生成記憶装置12
2、レンジブロック生成記憶装置123、圧縮データ生
成装置124、乱数発生装置125、および圧縮画像記
憶装置126は、第1の実施例の画像圧縮装置(図1)
の画像記憶装置111、ドメインブロック生成記憶装置
112、レンジブロック生成記憶装置113、圧縮デー
タ生成装置114、乱数発生装置115、および圧縮画
像記憶装置116と同様なものである。この第2の実施
例の構成においては、ドメインブロックの特性に応じた
確率分布を与えるため、更に、ブロック特性計算装置1
27、ブロック分類装置128、および確率分布指定装
置129が設けられている。
【0059】画像記憶装置121には、圧縮される画像
が記憶されており、ドメインブロック生成記憶装置12
2は、画像記憶装置121に記憶されている画像をアク
セスして、ドメインブロックを生成して記憶する。ま
た、レンジブロック生成記憶装置123は、画像記憶装
置121に記憶されている画像をアクセスして、レンジ
ブロックを生成して記憶する。
【0060】乱数発生装置125は、例えば、“0”か
ら“1”の間の一様な乱数を発生させる。圧縮データ生
成装置124は、生成したドメインブロックとレンジブ
ロックとを選択し、ドメインブロックをアフィン変換し
てものと比較する。その場合のドメインブロックとレン
ジブロックの選択においては、乱数発生装置125から
の乱数によるランダムな順序にドメインブロックを選択
するが、更に、ブロック特性計算装置127、ブロック
分類装置128、確率分布指定装置129によって、レ
ンジブロックおよびドメインブロックの特性に応じて分
類し、その選択の確率分布を変えるようにする。その確
率分布に従って、ドメインブロックの選択を行う。
【0061】すなわち、ブロック特性計算装置127に
より、レンジブロックおよびドメインブロックの特性を
計算し、例えば、各ブロックの特性として、各ブロック
の画像の輝度の分散の計算を行う。ブロック分類装置1
28は、計算された特性に基づいてレンジブロックおよ
びドメインブロックをグループに分類する。例えば、レ
ンジブロックを有限の数のグループに分類し、ドメイン
ブロックもその分類に従ってグループ分けする。そし
て、確率分布指定装置129により、分類されたレンジ
ブロックおよびドメインブロックのグループに確率分布
を与えるようにする。
【0062】圧縮データ生成装置124は、このグルー
プの確率分布に従って、ドメインブロックとレンジブロ
ックを選択し、ドメインブロックをアフィン変換したも
のとレンジブロックとを比較し、ドメインブロックとレ
ンジブロックとの差分が予め与えられた許容範囲内であ
る場合、または、予め決められた最小のレンジブロック
のサイズ以下である場合に、ドメインブロックの位置情
報と当該ドメインブロックを変換するアフィン変換式と
を画像の圧縮データとする。圧縮データ生成装置124
により作成された圧縮データは、圧縮画像記憶装置12
6に送られて記憶される。
【0063】具体例に従って説明すると、第2の実施例
の画像圧縮装置においては、ドメインブロックとレンジ
ブロックを選択する際、ブロック特性計算装置127
が、レンジブロックとドメインブロックの特性、例え
ば、輝度の分散を計算する。そして、求められた輝度の
分散に基づいて、ブロック分類装置128が、レンジブ
ロックを有限の数のグループに分類する。ドメインブロ
ックもその分類に従ってグループ分けする。
【0064】圧縮データ生成装置124は、画像の圧縮
データの生成のため、対応するドメインブロックに対し
て未決定のレンジブロックが有る限り、次に説明する
〔ステップ1〕から〔ステップ5〕までの処理を行う。
【0065】〔ステップ1〕:対応するドメインブロッ
クが未決定のレンジブロックを一つ選択する。そのレン
ジブロックの属するグループ名を特定する。 〔ステップ2〕:ドメインのそれぞれのグループにマッ
チングの可能性に従って、確率を決定する。各グループ
内でグループ内のドメインブロック数に従って、各グル
ープに割り当てられた確率分布を更に分割する。 〔ステップ3〕:乱数発生装置125において“0”か
ら“1”まで一様に分布する乱数xを発生させ、その発
生させた乱数xにしたがって、その乱数xが属するドメ
インブロックを特定する。この特定したドメインブロッ
クをアフィン変換した後、レンジブロックと比較する。
その差分が予め与えられた許容値以内であれば、そのド
メインブロックとアフィン変換式を記録する。そして、
次のレンジブロックを選択する最初の〔ステップ1〕の
処理に戻る。 〔ステップ4〕:もし、差分が許容値より大きい場合に
は、対応するグループからそのドメインブロックを取り
除き、また、そのグループ内でのそれぞれの残りのドメ
インブロックの確率分布を、残りのドメインの数で均等
に、そのグループに割り当てられた確率分布を分割した
値により更新する。そして、ドメインブロックを選択す
る〔ステップ3〕の処理に戻る。 〔ステップ5〕:もし、どのドメインブロックにおいて
も、その差分が許容値以下になるものが見つからない場
合、現在のレンジブロックを分割する。分割されたレン
ジブロックの集まりは、元のレンジブロックを置き換え
る。そして、次のレンジブロックを選択する最初の〔ス
テップ1〕の処理に戻る。
【0066】このようにして、比較されるドメインブロ
ックおよびレンジブロックは、その特性に従い分類され
て、近似関係のある分類のブロック同士で、それぞれの
ブロックの画像の比較が行われるので、圧縮データの生
成の際のマッチングの計算量を減らすことができ、従来
のアルゴリズムに比べると、同程度の画像の質を維持し
ながら、更に計算量を減らすことができる。
【0067】なお、前述した第1の実施例の画像圧縮装
置においては、全てのドメインブロックが均等に選ばれ
ていた。具体的に説明すると、全てのドメインブロック
には等確率分布を与えられていたが、この第2の実施例
の画像圧縮装置においては、ドメインブロックの特性を
計算し、ドメインブロックの領域毎に異なった確率分布
を与えて、ドメインブロックの選択を行うようにしてい
る。
【0068】したがって、第2の実施例の圧縮データ生
成処理のアルゴリズムは、第1の実施例の圧縮データ生
成処理のアルゴリズム(図2)に対して、(1)初期設
定の部分(ステップ201〜203)、(2)ドメイン
ブロックを選択する部分(ステップ209)、(3)ド
メインブロツクを再構成する部分(ステップ213)
を、次のように変更または付加されたものとなる。
【0069】したがって、第2の実施例の圧縮データ生
成処理のアルゴリズムは、図5および図6〜図8に示す
ようになる。図5に示される本発明の第2の実施例の画
像の圧縮データ生成処理の処理フローのメインフロー
と、図6〜図8に示されるメインフローに組み込まれる
サブルーチンの処理フローにしたがって、第2の実施例
の圧縮データ生成処理のアルゴリズムを説明する。
【0070】この圧縮データの生成処理を開始すると、
まず、ステップ501からステップ503の処理および
ステップ610のサブルーチンの処理において、初期設
定を行う。つまり、ステップ501において、フラクタ
ル画像の実画像からの許容誤差eを指定し、次のステッ
プ502において、与えられた圧縮する画像をドメイン
ブロックに分割し、更に、レンジブロックに分割して、
ドメインブロックDとレンジブロックRとを設定する。
そして、次のステップ503において、全てのレンジブ
ロックRを未決定とする。
【0071】次に、ステップ610のブロック特性の計
算処理のサブルーチンの処理を実行する。図6を参照す
る。このブロック特性の計算処理では、ステップ611
において、ブロックの特性の輝度を計算する。すなわ
ち、ブロック特性計算装置127を制御して、ブロック
特性計算装置127からドメインブロック生成記憶装置
122とレンジブロック生成記憶装置123をアクセス
し、これらに記憶されているブロック参照のためのデー
タ構造、ブロックテーブルやブロックリストを参照し
て、画像記憶装置121に記億されている画像データを
アクセスする。そして、各ドメインブロックと各レンジ
ブロックの輝度の特性を求める。ここでの輝度の特性と
しては、例えば、分散、平均値、最大値、最小値、ある
いは、輝度の変化の状態などがある。この輝度の特性の
計算の処理は、初期値設定の処理の中で一回行うだけで
すむ。求められた特性のデータは、ドメインブロック生
成記憶装置122とレンジブロック生成記憶装置123
にそれぞれ記憶され、これらはブロックノードで参照さ
れる。
【0072】次に、ステップ612において、ブロック
分類装置128を制御して、ブロック分類装置128に
より、レンジブロック生成記憶装置123に記憶されて
いるレンジブロック特性データを参照し、レンジブロッ
クを分類する。次に、ステップ613において、同じ
く、ブロック分類装置128により、レンジブロックを
分類した分類基準により、ドメインブロック生成記憶装
置122に記憶されているドメインブロックを分類し、
メイン処理フロー(図5)に戻る。
【0073】次に、ステップ504の処理において、ド
メインブロックに対して、未決定のレンジブロックRが
あるか否かを判定し、未決定のレンジブロックRが無く
なるまで、ステップ504からステップ514までの処
理を繰り返す。この処理の中で、ドメインブロック選択
処理のサブルーチンの処理(図7)およびドメインブロ
ックの確率分布の更新処理のサブルーチンの処理(図
8)を行う。そして、未決定のレンジブロックRが無く
なると、ここでの処理を終了する。
【0074】次のステップ504の判定処理で、未決定
のレンジブロックRがあると、ステップ505に進み、
未決定のレンジブロックRの一つのレンジブロックRi
をリストから得る。次に、ステップ506において、変
数Mが“0”以上となっているか否かを判定する。この
変数Mは、比較されるドメインブロックで未だ選択参照
されていないものの数であるので、この判定で「M>
0」でない場合は、全てのドメインブロックが参照され
たことを意味している。
【0075】このため、次に、ステップ507に進み、
ここでのレンジブロックRiをより小さいレンジブロッ
クRに分割して、それぞれを未決定とし、この分割され
た元のレンジブロックRiをレンジブロックRのリスト
から除き、ステップ514に進む。そして、ステップ5
14において、ドメインブロックテーブルとドメインブ
ロックノードのリンクを初期状態にリセットし、ステッ
プ504に戻る。そして、再び、ステップ504からの
処理により、レンジブロック選択からの処理を繰り返
す。
【0076】また、ステップ506の判定において「M
>0」であり、比較対象のドメインブロックDがある場
合には、ステップ508に進み、“0”から“1”まで
の一様に分布する乱数xを発生させる。ここで発生させ
た乱数を用いて、次のステップ620において、ドメイ
ンブロックDjの選択処理(図7)を行う。
【0077】次に、図7を参照して、ここでのドメイン
ブロックDjの選択処理のサブルーチンの処理を説明す
る。この処理では、始めに、ステップ621において、
与えられたレンジブロックがどのグループに属するかを
決め、次のステップ622において、グループ情報にし
たがって、ドメインブロックのグループに確率分布を与
える。そして、次のステップ623において、先に発生
させた乱数xを参照して、それぞれのドメインブロック
に与えられた確率分布の下限と上限に当該乱数xが入っ
ているようなドメインブロックDjを選択する。そし
て、メイン処理フロー(図5)に戻る。
【0078】すなわち、このドメインブロックDjの選
択処理においては、確率分布指定装置129を制御し
て、先に求めたグループの情報に基づいて、確率分布を
各グループ、各ブロックに割り当てる。例えば、今、レ
ンジブロックCiがk番めのクラスターまたはグループ
Gkに属しているとすると、k番目のグループに属する
ドメインブロックに対しては一番高い確率を、またその
他のグループはグループの近接度によって異なった確率
を与える。更に、同じグループ内では各ドメインブロッ
クはそのグループに与えられた確率をそのグループに属
するドメインプロツクの数で割った等確率を与えるよう
に、確率分布を与える。
【0079】そして、“0”から“1”までの数を、グ
ループに与えられた確率に従って分割する。すなわち、
第k番日のグループの確率をP(k)とすると、第k番
目のグループの確率分布は、a=P(1)+P(2)+
P(3)+…+P(k−1)からb=p(1)+p
(2)+…+p(k−1)+p(k)までの領域を占め
るものとする。図9に示すように、最初の点は(k−
1)番目の領域、最後の点はk番目の領域に属するとす
る。
【0080】図9は、グループに分類したドメインブロ
ックに対して指定する確率分布を説明する図である。例
えば、前述のようにグループに確率分布を与え、“0”
から“1”までの一様に分布する乱数xを発生させる
と、その乱数xが、第k番日のグルーブに属する確率は
p(k)となる。更に、各々のグループの確率分布を、
そのグループに属するドメインブロックの数で均等に割
り、それぞれのドメインブロックの確率分布を指定す
る。同じグループ内ではブロックの順番は任意である。
したがって、第k番目のグループにm個のブロックがあ
ったとすると、m個のブロックの内、第n番目のブロッ
クに割り当てられた確率分布は、その(確率分布最小
値,確率分布最大値)は、(a+((a−b)/m)*
(n−1),a+((a−b)/m)*n))となる
(左端点を含まず、右端点を含む)。
【0081】このようにして、乱数xにより、その乱数
の属する確率分布のグループのドメインブロックDjを
選択して、サブルーチンのドメインブロックの選択処理
が終了すると、メイン処理フローに戻る。
【0082】メイン処理フロー(図5)に戻ると、次
に、ステップ510において、ドメインブロックDjか
らアフィン変換(線形変換)fによるブロック画像f
(Dj)を計算する。すなわち、ドメインブロックDj
をアフィン変換した値f(Dj)を求め、この変換式f
と共に記憶する。
【0083】そして、次のステップ511において、対
象のレンジブロックRiとアフィン変換後のドメインブ
ロックf(Dj)との差分|f(Dj)−Ri|が、予
め与えられた誤差の許容値e以下であるか否か、また
は、対象のレンジブロックRiが、レンジブロックの最
小の大きさrminよりも十分に小さいか否かを判定す
る。この判定の結果、差分|f(Dj)−Ri|が誤差
の許容値e以下である場合、または、対象のレンジブロ
ックRiがレンジブロックの最小の大きさrminより
も十分に小さい場合、この場合には、処理対象として選
択したドメインブロックDjと、ここでの対象のレンジ
ブロックRiとが誤差の許容値e以下で適合したので、
ステップ512に進み、ドメインブロックDjに対する
変換式(線形変換式)“f”を記録し、ここでのレンジ
ブロックRiを決定済とする。そして、ステップ514
に進み、ドメインブロックテーブルとドメインブロック
ノードのリンクを初期状態にリセットし、ステップ50
4に戻る。そして、ステップ504からの処理により、
レンジブロック選択からの処理を繰り返す。このように
して、ここでの処理が終了した結果として、記録された
ドメインブロックDjに対する変換式(線形変換式)
“f”が、画像の圧縮データとなる。
【0084】また、ステップ511の判定処理におい
て、差分|f(Dj)−Ri|が誤差の許容値e以下で
ない場合、かつ、対象のレンジブロックRiがレンジブ
ロックの最小の大きさrmin以上の場合、ここでの処
理対象として選択したドメインブロックは、誤差の許容
値e以下で適合しなかったので、処理対象として次のド
メインブロックを選択するため、ステップ630に進
み、ドメインブロックの確率分布の更新処理(図8)を
行う。
【0085】図8を参照して、ドメインブロックの確率
分布の更新処理を説明する。このドメインブロックの確
率分布の更新処理においては、まず、ステップ631に
おいて、選ばれたドメインブロックを参照するノードを
削除する。次に、ステップ632において、選ばれたド
メインブロックを子ノードとして持つグループノードの
子ノードの数Mを“1”減らす。次に、ステップ633
に進み、グループGiに与えられた確率分布の上限aと
加減bとの差を新しい子ノードの数mで割る。すなわ
ち、s=(a−b)/mを計算する。そして、次のステ
ップ634において、計算した値sを用いて、それぞれ
の子ノードを辿って、子ノード(ドメインブロック)の
確率分布を更新する。すなわち、第k番目の子ノードの
確率分布が、(a+s*(k−1))から(a+s*
k)となるように更新する。そして、メイン処理フロー
(図5)に戻る。
【0086】ここでのドメインブロックの確率分布の更
新処理は、あるレンジブロックに対して、対応するドメ
インブロックが見つからなかった場合の処理である。す
なわち、アフィン変換されたドメインブロックとレンジ
ブロックの差分が許容以下になるようなドメインブロツ
クが見つからなかった場合に、対応するドメインブロッ
クが適切に選択できるように確率分布を更新する処理で
ある。
【0087】すなわち、この確率分布の更新処理では、
まず、適切なドメインブロックが見つからなかったの
で、そのドメインブロックを当該ドメインブロックが属
していたグループから取り除き(ステップ631)、そ
のドメインブロックが属していたグループノードに属す
るブロックノード(ドメインブロック)の数Mを、1減
らす(ステップ632)。そして、そのグループ内に残
されたドメインブロックの数で、そのグループに割り当
てられた確率分布を均等分割して(ステップ633)、
残りのブロックノードの確率分布を更新する(ステップ
634)。
【0088】この作業は、確率分布指定装置129を制
御して、この確率分布指定装置129により、いま問題
にしているグループノードとそれが参照しているノード
をアクセスすることによって行われる。先ず、グループ
ノードの参照するノードの数mを1減らし、グループノ
ードの確率分布の最小値をaとし、最大値をbとしてs
=(a−b)/mを計算する。そして、このグループノ
ードのブロックノードをリンクで辿りながら、それぞれ
の確率分布の最大値および最小値を更新する。あるグル
ープ内でn番目のブロックノードは、その確率分布の最
大値および最小値を、それぞれ(a+s*(n−1))
および(a+s*n)に更新する。これにより、適切で
ないと判定されたドメインブロックが取り除かれて、残
りのドメインブロックに対して確率分布が与えられるこ
とになる。
【0089】次に、ここでの画像の圧縮データを生成す
る場合において、近い関係のあるドメインブロックを分
類する分類方法について説明すると、例えば、レンジブ
ロックを、そのブロックの輝度の分散の順(例えば小さ
いものから大きいものまで)に並べる。並べたものを幾
つかのグループに分類する。また、類似関係からは、良
く知られているクラスターリングの方法を使って分類す
る。
【0090】また、レンジブロックやドメインブロック
を分類する他の方法として、ブロック内の輝度が、
「(1)一様である、(2)なだらかに変化する、
(3)急激な変化をする」などで分類することも可能で
ある(B.Ramamurti and A.Gersho,Classified Vector Q
uantization of lmages,IEEE Transactions,COM‐34,1
1,Nov.,1986,pp.1105-1115参照)。あるいは、ブロック
内のエッジの有無、ブロック内のエッジとブロックの周
囲との交差の始点と終点の位置などで分類することも可
能である。なお、ここで注意することは、特に、ブロッ
クの特性の特定のパラメータを指定せずに、各々のブロ
ックが別のグループに属するとすると、第1の実施例の
場合に帰着することになることである
【0091】図10は、グループごとに分類された各ブ
ロックに確率分布を与えるデータ構造の一例を示す図で
ある。ここでのデータ構造では、図10(a)に示すよ
うなデータ構造のグループノード102と、図10
(b)に示すようなブロックノード103とが、リンク
関係で結合され組み合わされて構成されている。ブロッ
ク参照データ構造と確率分布があったとすると、ここで
は、G1〜G5の全部で5つのグループが存在し、グル
ープG1は、2個のブロック(D11,D12)から成
り、グループG2は、2個のブロック(D21,D2
2)から成り、グループG3は、3個のブロック(D3
1,D32,D33)から成り、グループG4は、2個
のブロック(D41,D42)から成り、グループG5
は、1個のブロック(D51)から成り立っているもの
とする。
【0092】例えば、k=3番目のグループG3に、い
ま問題とするレンジブロックが属しているとすると、グ
ループG3には「0.5」の確率が与えられており、隣
接するグループ(分散の値の大きさに従って順序付けら
れているグループ)にそれぞれ「0.166」の確率が
与えられているとする。
【0093】この場合に、最終的な各々のグループの確
率分布は、グループG1の確率分布が「0」であり、グ
ループG2の確率分布が「0」から「0.25」であ
り、グループG3の確率分布が「0.25」から「0.
75」であり、グループG4の確率分布が「0.75」
から「1」であり、グループG5の確率分布が「0」と
なる。
【0094】ブロック別の確率分布では、Dijをiグ
ループのj番目のドメインブロックとすると、D21に
は「0」から「0.125」の確率分布が与えられ、D
22には「0.125」から「0.25」の確率分布が
与えられ、D31には「0.25」から「0.416」
の確率分布が与えられ、D32には「0.416」から
「0.582」の確率分布が与えられ、D33には
「0.582」から「0.75」の確率分布が与えら
れ、D41には「0.75」から「0.875」の確率
分布が与えられ、D42には「0.85」から「1」の
確率分布が与えられ、その他は全て「0」の確率分布が
与えられている。
【0095】したがって、乱数生成装置によって“0”
から“1”まで一様に分布する乱数xを発生させ、その
乱数がブロックに与えられた確率分布の上限と下限に入
るようなブロックを探すと、その乱数がk番目のグルー
プに属した場合、その乱数はそのグループに属する各ブ
ロックをk番目のブロックをヒットした条件のもとで等
確率にヒットしたことになる。例えば、乱数xが0.7
7の場合、グループ4に属する1番目のブロック(D4
1)であるブロック名「b3」のブロックが選ばれるこ
とになる。
【0096】なお、図10では、そのようにしていない
が、各々のドメインブロックの確率分布が増大するよう
に、各々のブロックノードを線形に繋いだリンク形式の
データ構造では、ドメインブロックの選択においてバイ
ナリーサーチが可能となる。
【0097】以上に説明したように、この第2の実施例
のような構成によれば、ブロックを分類して近似関係の
ある分類同士でブロック画像の比較を行い、マッチング
の計算量を減らすことができるので、従来のアルゴリズ
ムに対して、同程度の画像の質を維持しながら、更に計
算量を減らすことができる。また、前述の第1の実施例
および第2の実施例においては、それぞれ共に画像の情
報は、その画面上の座標位置(x,y)および輝度から
成りたっているもの(モノカラー)としているが、3原
色のカラー画像の場合などの一般の画像の場合において
も、同様に適用できることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の第1の実施例の画像圧縮装置
の構成を示すブロック図、
【図2】 図2は本発明の第1の実施例の画像の圧縮デ
ータ生成処理の処理フローを示すフローチャート、
【図3】 図3はドメインブロックを管理するデータ構
造を説明する図、
【図4】 図4は本発明の第2の実施例の画像圧縮装置
の構成を示すブロック図、
【図5】 図5は本発明の第2の実施例の画像の圧縮デ
ータ生成処理の処理フローのメインフローを示すフロー
チャート、
【図6】 図6は図5の圧縮データ生成処理の処理フロ
ーのメインフローに組み込まれるブロック特性の計算処
理のサブルーチンの処理フローを示すフローチャート、
【図7】 図7は図5の圧縮データ生成処理の処理フロ
ーのメインフローに組み込まれるドメインブロック選択
処理のサブルーチンの処理フローを示すフローチャー
ト、
【図8】 図8は図5の圧縮データ生成処理の処理フロ
ーのメインフローに組み込まれるドメインブロックの確
率分布の更新処理のサブルーチンの処理フローを示すフ
ローチャート、
【図9】 図9はグループに分類したドメインブロック
に対して指定する確率分布を説明する図、
【図10】 図10はグループごとに分類された各ブロ
ックに確率分布を与えるデータ構造の一例を示す図、
【図11】 図11はフラクタル画像圧縮処理のアルゴ
リズムを説明するフローチャート、
【図12】 図12はフラクタル画像圧縮の原理を説明
する図である。
【符号の説明】
111…画像記憶装置、112…ドメインブロック生成
記憶装置、113…レンジブロック生成記憶装置、11
4…圧縮データ生成装置、115…乱数発生装置、11
6…圧縮画像記憶装置、121…画像記憶装置、122
…ドメインブロック生成記憶装置、123…レンジブロ
ック生成記憶装置、124…圧縮データ生成装置、12
5…乱数発生装置、126…圧縮画像記憶装置である。
また、127…ブロック特性計算装置、128…ブロッ
ク分類装置、129…確率分布指定装置。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮される画像を保持する手段と、 画像からドメインブロックを生成し記憶する手段と、 画像からレンジブロックを生成し記憶する手段と、 乱数を発生させる手段と、 生成したドメインブロックとレンジブロックとを乱数に
    よるランダムな順序に選択し、ドメインブロックをアフ
    ィン変換してレンジブロックと比較し、ドメインブロッ
    クとレンジブロックとの差分が予め与えられた許容範囲
    内であり、または予め決められた最小のレンジブロック
    のサイズ以下の場合に、ドメインブロックの位置情報と
    当該ドメインブロックを変換するアフィン変換式とを画
    像の圧縮データとする圧縮手段と、 画像の圧縮データを保持する手段とを備えることを特徴
    とする画像圧縮装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の画像圧縮装置におい
    て、更に、 レンジブロックおよびドメインブロックの特性を計算す
    る手段と、 計算された特性に基づいてレンジブロックおよびドメイ
    ンブロックを分類する手段と、 分類されたレンジブロックおよびドメインブロックのグ
    ループに確率分布を与える手段とを有し、 前記圧縮手段が前記確率分布に従ってドメインブロック
    を選択することを特徴とする画像圧縮装置。
JP3137897A 1997-01-31 1997-01-31 画像圧縮装置 Pending JPH10224801A (ja)

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