JPH10222683A - 画像符号化装置、画像符号化方法、画像復号化装置、及び、画像復号化方法 - Google Patents

画像符号化装置、画像符号化方法、画像復号化装置、及び、画像復号化方法

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JPH10222683A
JPH10222683A JP16991397A JP16991397A JPH10222683A JP H10222683 A JPH10222683 A JP H10222683A JP 16991397 A JP16991397 A JP 16991397A JP 16991397 A JP16991397 A JP 16991397A JP H10222683 A JPH10222683 A JP H10222683A
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chain
phase angle
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JP16991397A
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Yoichi Murayama
洋一 村山
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T9/00Image coding
    • G06T9/20Contour coding, e.g. using detection of edges

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Compression Of Band Width Or Redundancy In Fax (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)
  • Image Analysis (AREA)
  • Image Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウェーブレット変換を用いた画像符号化方式
において、発生符号量の増大を抑えつつ、復号画像の画
質の劣化を抑えられるようにする。 【解決手段】 ウェーブレット変換部101は、複数段
のウェーブレット変換を画像信号に施し、それにより得
たウェーブレット変換係数から画像振幅、及び位相角度
を各段毎に算出する。ローカルマキシマ検出部102
は、第2段の画像振幅、及び位相角度を基に画像上のエ
ッジ点を検出し、チェーン構成部103は、そのエッジ
点を接続してチェーンを構成する。チェーン符号化部1
04は、そのチェーンを符号化し、振幅符号化部105
は、ウェーブレット変換部101から入力した画像の低
周波成分、チェーンに沿って抽出した各段の画像振幅を
符号化する。角度符号化部106は、各チェーン毎に、
その先頭位置の位相角度を符号化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像から特徴情報
を抽出し、それを利用して画像を圧縮する技術に関し、
特にはウェーブレット変換を用いて画像を圧縮する技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】最近では、ウェーブレット解析という研
究分野が数学、工学の双方から大きな注目を浴びてい
る。そのウェーブレット解析は、周波数領域で信号を表
現するというフーリエ解析が持つ特徴の他に、変動の時
間的あるいは空間的推移も同時にとらえられるという特
徴も備えている。そのために、データ圧縮、特に画像圧
縮の分野においても、それが応用されるようになってき
ている。
【0003】画像の特徴情報は、画像認識やコンピュー
タビジョン、画像圧縮などの分野において広く用いられ
る。画像圧縮の分野では、その特徴情報を基にした記述
(符号化)から、原画像を再構成できるということが指
摘されている。画像上に存在するエッジは、画像の重要
な特徴情報の一つである。ウェーブレット変換は、その
エッジ(高周波成分)の検出(抽出)等に用いられてい
る。エッジを特徴情報として符号化に利用する方式は、
2次元構造抽出符号化方式の一つとして知られている。
【0004】ウェーブレット変換を用いた従来の画像符
号化方式では、画像圧縮(符号化)が例えば以下のよう
に行われる。先ず、画像信号(データ)f(x,y)に
対し、スケールを変えて、水平、垂直の各方向からウェ
ーブレット変換を行う。これにより、水平、垂直の各方
向におけるウェーブレット変換が、各スケール毎に得ら
れる。ここでは、水平、垂直の各方向における第j段階
のウェーブレット変換(係数)を、それぞれ、W2J 1
(x,y)、W2J 2 f(x,y)と表現する。なお、ウ
ェーブレット変換においては、2j はスケール、jはレ
ベルと呼ばれる。
【0005】上記ウェーブレット変換W2J 1 f(x,
y)、W2J 2 f(x,y)からは、画像振幅M2J
(x,y)と位相角度A2Jf(x,y)が求められる
(数1参照)。エッジ点は、位相角度A2jf(x,y)
の方向上において、画像振幅M2Jf(x,y)の勾配が
大きい点である。このため、画像振幅M2Jf(x,y)
と位相角度A2Jf(x,y)から、エッジ点を検出する
ことができる。
【0006】上記エッジ点としては、j=1、2、3と
スケール(レベル)を変えて3段のウェーブレット変換
を行う場合、例えばj=2、即ち第2段目のスケールの
画像振幅M22f(x,y)から得られたエッジ点が採用
される。これは、各スケールで得られるエッジ点のなか
で、そのスケール(j=2)で得られるエッジ点が視覚
特性を最も反映しているためである。
【0007】エッジは、普通、色彩や明るさといった視
覚的に異なる領域の境界を示す輪郭線として存在する。
このため、エッジ点を検出した後は、隣接し、且つ画像
振幅M2Jf(x,y)、位相角度A2jf(x,y)の各
値が近似している点を接続し、輪郭線としてのエッジを
構成(検出)する。このようにして構成したエッジ(輪
郭線)がチェーン(chain)である。
【0008】上記チェーンは符号化する。各段の画像振
幅M2Jf(x,y)においては、チェーンに沿って抽出
した部分だけを符号化する。その他には、ウェーブレッ
ト変換のスケールに合わせて、例えばサブサンプリング
により全体の大きさをK(例えば2j )分の1程度に縮
小した画像(画像の低周波成分)を符号化する。図29
は、そのようにして符号化される画像の低周波成分を説
明する図である。
【0009】上記のように、ウェーブレット変換を用い
た画像圧縮では、チェーン、各スケールのチェーンに沿
った部分の画像振幅M2Jf(x,y)、及び縮小した画
像の低周波成分が符号化される。
【0010】画像の復号(画像の再構成)は、例えば、
凸射影法を用いた再構成アルゴリズムによる操作、及び
逆ウェーブレット変換による操作を施すことで行われ
る。より具体的には、例えば以下のようにして画像が復
号される。
【0011】周知のように、レベル(j)が1増える
と、例えばjの値が1から2に変更されると、上記の例
ではそれによって解像度が前の2-1倍となる。換言すれ
ば、前の画像から見た縦横の長さ(画素数)の比が共に
1/2になる。このため、再構成アルゴリズムに基づく
操作では、解像度を上げる方向にレベル(j)を順次変
更しながら、その変更に合わせたウェーブレット変換係
数の補間拡大を行う。
【0012】各レベルにおいては、補間拡大後のウェー
ブレット変換係数に、そのレベルの画像振幅M2J
(x,y)から得たウェーブレット変換係数を加える操
作が行われる。レベルを変更する度にそれらを行うこと
で、原画像と同じ解像度のウェーブレット変換係数が再
構成される。
【0013】符号化側は、チェーン(エッジ)に沿って
抽出した画像振幅M2Jf(x,y)を符号化する。その
画像振幅M2Jf(x,y)からウェーブレット変換係数
は再構成される。このため、再構成したウェーブレット
変換係数に逆ウェーブレット変換を施すことで、画像の
エッジ部分(高周波成分)が復号される。
【0014】画像の低周波成分は、元(原画像)の大き
さに補間拡大し、その補間拡大後の低周波成分に、上記
高周波成分が加えられる。それが終了することで、画像
の復号が完了する。このようにして復号された画像は、
各レベルの画像振幅M2Jf(x,y)はチェーン(エッ
ジ)に沿って抽出されていることから、エッジ部分が鮮
明に再現されたものとなる。
【0015】なお、上述したように、画像は基となる縮
小画像を順次拡大していくことで得られることから、上
記画像符号化方式は、ピラミッド階層符号化方式とも呼
ばれる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ウェーブレット変換を
用いた従来の画像符号化方式では、上記したように、チ
ェーン、画像振幅M2Jf(x,y)、画像の低周波成分
の符号化を行うことを基本としている。位相角度A2J
(x,y)は、ウェーブレット変換の性質より、エッジ
が形成されている方向と垂直になることが知られている
ことから、符号化を行わず、復号(再構成)側でそれを
予測するようにしていた。その位相角度は、各段(スケ
ール)で符号化されている画像振幅M2Jf(x,y)か
らウェーブレット変換係数を求める際に必要となる情報
である。
【0017】しかし、エッジ形状の複雑さや画像の性
質、或いはノイズの混入等を原因として、復号側で予測
した位相角度が符号化側で算出した位相角度と大きく異
なる場合があるという問題点があった。復号側で予測し
た位相角度が符号化側で算出した位相角度と大きく異な
った場合、各段(スケール)の画像振幅M2Jf(x,
y)からウェーブレット変換係数をそれぞれ高精度に求
めることができないため、エッジ部分(高周波成分)の
再現性が低下し、復号画像の画質を劣化させることにな
る。
【0018】画像圧縮においては、圧縮率の向上ととも
に、再現される画像の画質の劣化を抑えることがより重
要視されている。従って、上記問題点も、圧縮率の低下
(発生符号量の増大)を抑えつつ、解決することが望ま
れている。
【0019】本発明の課題は、ウェーブレット変換を用
いた画像符号化方式において、発生符号量の増大を抑え
つつ、復号画像の画質の劣化を抑えられるようにするこ
とにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の第1〜第5の態
様の画像符号化装置は、画像信号から画像上に存在する
エッジに対応している部分を検出して画像信号を符号化
することを前提とし、画像信号にスケールが異なる複数
段のウェーブレット変換を施して、各段毎のウェーブレ
ット変換係数を求めるウェーブレット変換手段と、ウェ
ーブレット変換手段が出力した各段のウェーブレット変
換係数を用いて、画像振幅、及び位相角度を算出する算
出手段と、算出手段が算出した所定段の画像振幅、及び
位相角度に基づいて、エッジを形成しているエッジ点を
検出するエッジ検出手段と、画像信号の低周波成分を符
号化する第1の符号化手段と、をそれぞれ共通の構成と
して備えている。
【0021】第1の態様の画像符号化装置は、上記共通
の構成に加えて、エッジ検出手段が検出したエッジ点を
接続してチェーンを構成するチェーン構成手段と、チェ
ーン構成手段が構成したチェーンを符号化するととも
に、該チェーンに沿って、算出手段から入力した各段毎
の画像振幅、及び所定段の位相角度を抽出して符号化す
る第2の符号化手段と、を具備する。
【0022】なお、上記第1の態様の画像符号化装置の
構成において、第2の符号化手段は、チェーン毎に、該
チェーンの先頭のエッジ点における位相角度だけを抽出
して符号化する、ことが望ましい。
【0023】第2の態様の画像符号化装置は、上記共通
の構成に加えて、エッジ検出手段が検出したエッジ点を
接続してチェーンを構成するチェーン構成手段と、チェ
ーン構成手段が構成したチェーン毎に、該チェーン上の
各エッジ点の位相角度を予測する位相角度予測手段と、
位相角度予測手段が予測した位相角度を、算出手段が算
出した所定段の位相角度と対応させて比較することによ
り予測エラーを検出する予測エラー検出手段と、チェー
ン構成手段が構成したチェーンを符号化するとともに、
該チェーンに沿って、算出手段から入力した各段毎の画
像振幅を抽出して符号化する第2の符号化手段と、予測
エラー検出手段が検出した予測エラーに関する情報を符
号化する第3の符号化手段と、を具備する。
【0024】なお、上記第2の態様の画像符号化装置の
構成において、第3の符号化手段は、予測エラーに関す
る情報として、チェーン毎に、予測エラーの発生の有無
を表すフラグ、該予測エラーが発生したエッジ点の位
置、及び該予測エラーが発生したエッジ点で算出された
位相角度を、予測エラーの発生の有無に応じて符号化す
る、ことが望ましい。また、位相角度予測手段は、予測
エラー検出手段が予測エラーを検出した場合、該予測エ
ラーの検出結果を反映させた位相角度の予測を行う、こ
とが望ましい。
【0025】第3の態様の画像符号化装置は、上記共通
の構成に加えて、エッジ検出手段が検出したエッジ点を
接続してチェーンを構成するチェーン構成手段と、チェ
ーン構成手段が構成したチェーン毎に、該チェーン上の
各エッジ点の位相角度を予測する位相角度予測手段と、
位相角度予測手段が予測した位相角度を、算出手段が算
出した所定段の位相角度と対応させて比較することによ
り予測エラーを検出するとともに、該予測エラーを検出
した場合に、該予測エラーに関する情報をチェーン構成
手段に送出し、チェーン構成手段にチェーンの再構成を
行わせる予測エラー検出手段と、チェーン構成手段が構
成、或いは再構成したチェーンを符号化するとともに、
該チェーンに沿って、算出手段から入力した各段毎の画
像振幅を抽出して符号化する第2の符号化手段と、を具
備する。
【0026】第4の態様の画像符号化装置は、上記共通
の構成に加えて、エッジ検出手段が検出したエッジ点を
接続してチェーンを構成するチェーン構成手段と、チェ
ーン構成手段が構成したチェーン毎に、該チェーン上の
各エッジ点の位相角度を画像信号の低周波成分から予測
する位相角度予測手段と、位相角度予測手段が予測した
位相角度を、算出手段が算出した所定段の位相角度と対
応させて比較することにより、画像信号の低周波成分か
ら行う位相角度の予測に予測エラーが発生するか否か検
出する予測エラー検出手段と、チェーン構成手段が構成
したチェーン、及び該チェーンに沿って、算出手段から
入力した各段毎の画像振幅を抽出して符号化する第2の
符号化手段と、予測エラー検出手段の検出結果に応じ
て、予測エラーに関する情報を符号化する第3の符号化
手段と、を具備する。
【0027】第5の態様の画像符号化装置は、上記共通
の構成に加えて、エッジ検出手段が検出したエッジ点を
接続してチェーンを構成するチェーン構成手段と、チェ
ーン構成手段が構成したチェーン毎に、該チェーン上の
各エッジ点の位相角度を画像信号の低周波成分から予測
する位相角度予測手段と、位相角度予測手段が予測した
位相角度、及び算出手段が算出した所定段の位相角度に
基づいて、チェーン構成手段にチェーンの再構成を行わ
せるとともに、所定段の位相角度を補正する補正手段
と、チェーン構成手段が構成、或いは再構成したチェー
ンを符号化するとともに、該チェーンに沿って、算出手
段から入力した各段毎の画像振幅を抽出して符号化する
第2の符号化手段と、補正手段が所定段の位相角度に対
して行った補正の内容を表す情報を符号化する第3の符
号化手段と、を具備する。
【0028】なお、上記第5の態様の画像符号化装置の
構成において、補正手段は、位相角度予測手段が予測し
た隣接するエッジ点間の位相角度に予め定めた許容範囲
外の変化が生じていた場合、該変化が生じたエッジ点間
でチェーンを分割する再構成をチェーン構成手段に行わ
せ、位相角度予測手段が予測した位相角度と許容範囲外
の差が生じている所定段の位相角度が存在していた場合
には、許容範囲外の差が生じている所定段の位相角度を
対応する予測した位相角度に補正し、第3の符号化手段
は、補正手段が位相角度を補正したエッジ点、該エッジ
点の補正後の位相角度を特定するための情報を、補正の
内容を表す情報として少なくとも符号化する、ことが望
ましい。
【0029】本発明の第1の態様の画像符号化方法は、
画像信号から画像上に存在するエッジに対応している部
分を検出して画像信号を符号化するためのものであり、
画像信号にスケールが異なる複数段のウェーブレット変
換を施して、各段毎のウェーブレット変換係数を求め、
該各段のウェーブレット変換係数を用いて、画像振幅、
及び位相角度を算出し、該算出した所定段の画像振幅、
及び位相角度に基づいて、エッジを形成しているエッジ
点を検出し、該検出したエッジ点を接続してチェーンを
構成し、画像信号の低周波成分、及びチェーンを符号化
するとともに、該チェーンに沿って、各段の画像振幅、
及び所定段の位相角度を抽出して符号化する。
【0030】なお、上記所定段の位相角度の符号化は、
チェーン毎に、該チェーンの先頭のエッジ点における位
相角度だけを抽出して行うことが望ましい。本発明の第
2の態様の画像符号化方法は、画像信号から画像上に存
在するエッジに対応している部分を検出して画像信号を
符号化するためのものであり、画像信号にスケールが異
なる複数段のウェーブレット変換を施して、各段毎のウ
ェーブレット変換係数を求め、該各段のウェーブレット
変換係数を用いて、画像振幅、及び位相角度を算出し、
該算出した所定段の画像振幅、及び位相角度に基づい
て、エッジを形成しているエッジ点を検出し、該検出し
たエッジ点を接続してチェーンを構成し、該構成したチ
ェーン毎に、該チェーン上の各エッジ点の位相角度を予
測し、該予測した位相角度を、算出した所定段の位相角
度と対応させて比較することにより予測エラーを検出
し、画像信号の低周波成分、チェーン、該チェーンに沿
って抽出した各段の画像振幅、及び予測エラーに関する
情報を符号化する。
【0031】なお、上記予測エラーに関する情報として
は、チェーン毎に、予測エラーの発生の有無を表すフラ
グ、該予測エラーが発生したエッジ点の位置、及び該エ
ッジ点で算出された所定段の位相角度を、予測エラーの
発生の有無に応じて符号化する、ことが望ましい。ま
た、位相角度の予測は、予測エラーの検出結果を反映さ
せて行う、ことが望ましい。
【0032】本発明の第3の態様の画像符号化方法は、
画像信号から画像上に存在するエッジに対応している部
分を検出して画像信号を符号化するためのものであり、
画像信号にスケールが異なる複数段のウェーブレット変
換を施して、各段毎のウェーブレット変換係数を求め、
該各段のウェーブレット変換係数を用いて、画像振幅、
及び位相角度を算出し、該算出した所定段の画像振幅、
及び位相角度に基づいて、エッジを形成しているエッジ
点を検出し、該検出したエッジ点を接続してチェーンを
構成し、該構成したチェーン毎に、該チェーン上の各エ
ッジ点の位相角度を予測し、該予測した位相角度を、算
出した所定段の位相角度と対応させて比較することによ
り予測エラーを検出し、該予測エラーを検出した場合、
該検出結果を反映させたチェーンの再構成を、再構成後
のチェーンから予測エラーを検出しなくなるまで繰り返
し行い、画像信号の低周波成分、予測エラーが検出され
なくなった後のチェーン、及び該チェーンに沿って抽出
した各段の画像振幅を符号化する。
【0033】本発明の第4の態様の画像符号化方法は、
画像信号から画像上に存在するエッジに対応している部
分を検出して画像信号を符号化するためのものであり、
画像信号にスケールが異なる複数段のウェーブレット変
換を施して、各段毎のウェーブレット変換係数を求め、
該各段のウェーブレット変換係数を用いて、画像振幅、
及び位相角度を算出し、該算出した所定段の画像振幅、
及び位相角度に基づいて、エッジを形成しているエッジ
点を検出し、該検出したエッジ点を接続してチェーンを
構成し、該構成したチェーン毎に、該チェーン上の各エ
ッジ点の位相角度を画像信号の低周波成分から予測し、
該予測した位相角度を、算出した所定段の位相角度と対
応させて比較することにより、画像信号の低周波成分か
ら行う位相角度の予測に予測エラーが発生するか否か検
出し、画像信号の低周波成分、チェーン、及び該チェー
ンに沿って抽出した各段の画像振幅を符号化するととも
に、予測エラーの検出結果に応じて予測エラーに関する
情報を符号化する。
【0034】本発明の第5の態様の画像符号化方法は、
画像信号から画像上に存在するエッジに対応している部
分を検出して画像信号を符号化するためのものであり、
画像信号にスケールが異なる複数段のウェーブレット変
換を施して、各段毎のウェーブレット変換係数を求め、
該各段のウェーブレット変換係数を用いて、画像振幅、
及び位相角度を算出し、該算出した所定段の画像振幅、
及び位相角度に基づいて、エッジを形成しているエッジ
点を検出し、該検出したエッジ点を接続してチェーンを
構成し、該構成したチェーン毎に、該チェーン上の各エ
ッジ点の位相角度を画像信号の低周波成分から予測し、
該予測した位相角度及び算出した所定段の位相角度に基
づいて、チェーンの再構成を行わせるとともに、所定段
の位相角度を補正し、画像信号の低周波成分、構成、或
いは再構成したチェーン、該チェーンに沿って抽出した
各段の画像振幅、及び所定段の位相角度に対して行った
補正の内容を表す情報をそれぞれ符号化する。
【0035】なお、上記各態様の画像符号化装置、及び
各態様の画像符号化方法において、画像信号の低周波成
分、画像振幅等を符号化する順序、タイミング等は、採
用した符号化データの構造、形式等に応じて任意に変更
させることができ、特に限定するものではない。また、
それらの符号化には、差分符号化方式、エントロピー符
号化方式等の何らかの符号化方式を採用しても良いこと
から、それらの符号化方式を特に限定するものでもな
い。これは、後述する復号側(各態様の画像復号化装
置、及び各態様の画像復号化方法)においても同様であ
る。
【0036】本発明の第1の態様の画像復号化装置は、
上記第1の態様の画像符号化装置が生成した符号化デー
タ、或いは第1の態様の画像符号化方法により生成され
た符号化データから画像信号を復号することを前提と
し、画像信号の低周波成分を復号する第1の復号手段
と、チェーン、各段の画像振幅、及び所定段の位相角度
を復号する第2の復号手段と、第2の復号手段が復号し
た各段の画像振幅、及び所定段の位相角度からウェーブ
レット変換係数を各段毎に求めてそれらを再構成し、該
再構成後のウェーブレット変換係数に逆ウェーブレット
変換を施すことで得た信号成分を、チェーンに沿って低
周波成分に加えることで、画像信号を復号する再構成手
段と、を具備する。
【0037】本発明の第2の態様の画像復号化装置は、
上記第1の態様の画像符号化装置が生成した符号化デー
タ、或いは第1の態様の画像符号化方法により生成され
た符号化データから画像信号を復号することを前提と
し、画像信号の低周波成分を復号する第1の復号手段
と、チェーン、各段の画像振幅、及び所定段の位相角度
を復号する第2の復号手段と、第2の復号手段が復号し
た位相角度を反映させて、チェーン上の各エッジ点の位
相角度を予測する位相角度予測手段と、第2の復号手段
が出力した各段の画像振幅、及び位相角度予測手段が出
力した位相角度からウェーブレット変換係数を各段毎に
求めてそれらを再構成し、該再構成後のウェーブレット
変換係数に逆ウェーブレット変換を施すことで得た信号
成分を、チェーンに沿って低周波成分に加えることで、
画像信号を復号する再構成手段と、を具備する。
【0038】本発明の第3の態様の画像復号化装置は、
上記第2の態様の画像符号化装置が生成した符号化デー
タ、或いは第2の態様の画像符号化方法により生成され
た符号化データから画像信号を復号することを前提と
し、画像信号の低周波成分を復号する第1の復号手段
と、チェーン、及び各段の画像振幅を復号する第2の復
号手段と、予測エラーに関する情報を復号する第3の復
号手段と、第3の復号手段が復号した予測エラーに関す
る情報を反映させて、チェーン上の各エッジ点の位相角
度を予測する位相角度予測手段と、第2の復号手段が出
力した各段の画像振幅、及び位相角度予測手段が出力し
た位相角度からウェーブレット変換係数を各段毎に求め
てそれらを再構成し、該再構成後のウェーブレット変換
係数に逆ウェーブレット変換を施すことで得た信号成分
を、チェーンに沿って低周波成分に加えることで、画像
信号を復号する再構成手段と、を具備する。
【0039】本発明の第4の態様の画像復号化装置は、
画像信号に複数段のウェーブレット変換を施すことによ
り符号化される該画像信号の低周波成分、該画像信号に
よって表現される画像上に存在するエッジ点を接続して
構成したチェーン、及び該チェーンに沿って抽出した各
段の画像振幅から、該画像信号を復号することを前提と
し、画像信号の低周波成分、チェーン、及び各段の画像
振幅を復号する復号手段と、復号手段が復号した画像信
号の低周波成分から、チェーン上の各エッジ点の位相角
度を予測する位相角度予測手段と、復号手段が復号した
各段の画像振幅、及び位相角度予測手段が予測した位相
角度からウェーブレット変換係数を各段毎に求めてそれ
らを再構成し、該再構成後のウェーブレット変換係数に
逆ウェーブレット変換を施すことで得た信号成分を、チ
ェーンに沿って低周波成分に加えることで、画像信号を
復号する再構成手段と、を具備する。
【0040】本発明の第5の態様の画像復号化装置は、
上記第4の態様の画像符号化装置が生成した符号化デー
タ、或いは第4の態様の画像符号化方法により生成され
た符号化データから画像信号を復号することを前提と
し、画像信号の低周波成分を復号する第1の復号手段
と、チェーン、及び各段の画像振幅を復号する第2の復
号手段と、予測エラーに関する情報を復号する第3の復
号手段と、第3の復号手段が復号した予測エラーに関す
る情報を反映させて、チェーン上の各エッジ点の位相角
度を画像信号の低周波成分から予測する位相角度予測手
段と、第2の復号手段が復号した各段の画像振幅、及び
位相角度予測手段が予測した位相角度からウェーブレッ
ト変換係数を各段毎に求めてそれらを再構成し、該再構
成後のウェーブレット変換係数に逆ウェーブレット変換
を施すことで得た信号成分を、チェーンに沿って低周波
成分に加えることで、画像信号を復号する再構成手段
と、を具備する。
【0041】本発明の第6の態様の画像復号化装置は、
上記第5の態様の画像符号化装置が生成した符号化デー
タ、或いは第5の態様の画像符号化方法により生成され
た符号化データから画像信号を復号することを前提と
し、画像信号の低周波成分を復号する第1の復号手段
と、チェーン、及び各段の画像振幅を復号する第2の復
号手段と、位相角度に対して行われた補正内容を表す情
報を復号する第3の復号手段と、第3の復号手段が復号
した補正内容を表す情報を反映させて、チェーン上の各
エッジ点の位相角度を画像信号の低周波成分から予測す
る位相角度予測手段と、第2の復号手段が復号した各段
の画像振幅、及び位相角度予測手段が予測した位相角度
からウェーブレット変換係数を各段毎に求めてそれらを
再構成し、該再構成後のウェーブレット変換係数に逆ウ
ェーブレット変換を施すことで得た信号成分を、チェー
ンに沿って低周波成分に加えることで、画像信号を復号
する再構成手段と、を具備する。
【0042】本発明の第1の態様の画像復号化方法は、
上記第1の態様の画像符号化装置が生成した符号化デー
タ、或いは第1の態様の画像符号化方法により生成され
た符号化データから画像信号を復号するためのものであ
り、画像信号の低周波成分、チェーン、各段の画像振
幅、及び所定段の位相角度をそれぞれ復号し、該復号し
た各段の画像振幅、及び所定段の位相角度からウェーブ
レット変換係数を各段毎に求めてそれらを再構成し、該
再構成後のウェーブレット変換係数に逆ウェーブレット
変換を施すことで得た信号成分を、チェーンに沿って低
周波成分に加えて画像信号を復号する。
【0043】本発明の第2の態様の画像復号化方法は、
上記第1の態様の画像符号化装置が生成した符号化デー
タ、或いは第1の態様の画像符号化方法により生成され
た符号化データから画像信号を復号するためのものであ
り、画像信号の低周波成分、チェーン、各段の画像振
幅、及びチェーンの先頭位置のエッジ点における位相角
度をそれぞれ復号し、該復号した位相角度を反映させ
て、チェーン上の各エッジ点の位相角度を予測し、各段
の画像振幅、及び予測した位相角度からウェーブレット
変換係数を各段毎に求めてそれらを再構成し、該再構成
後のウェーブレット変換係数に逆ウェーブレット変換を
施すことで得た信号成分を、チェーンに沿って低周波成
分に加えて画像信号を復号する。
【0044】本発明の第3の態様の画像復号化方法は、
上記第2の態様の画像符号化装置が生成した符号化デー
タ、或いは第2の態様の画像符号化方法により生成され
た符号化データから画像信号を復号するためのものであ
り、画像信号の低周波成分、チェーン、各段の画像振
幅、及び予測エラーに関する情報をそれぞれ復号し、該
復号した予測エラーに関する情報を反映させて、チェー
ン上の各エッジ点の位相角度を予測し、各段の画像振
幅、及び予測した位相角度からウェーブレット変換係数
を各段毎に求めてそれらを再構成し、該再構成後のウェ
ーブレット変換係数に逆ウェーブレット変換を施すこと
で得た信号成分を、チェーンに沿って低周波成分に加え
て画像信号を復号する。
【0045】本発明の第4の態様の画像復号化方法は、
画像信号に複数段のウェーブレット変換を施すことによ
り符号化された該画像信号の低周波成分、該画像信号に
よって表現される画像上に存在するエッジ点を接続して
構成したチェーン、及び該チェーンに沿って抽出した各
段の画像振幅から、該画像信号を復号するためのもので
あり、画像信号の低周波成分、チェーン、及び各段の画
像振幅をそれぞれ復号し、該画像信号の低周波成分か
ら、チェーン上の各エッジ点の位相角度を予測し、各段
の画像振幅、及び予測した位相角度からウェーブレット
変換係数を各段毎に求めてそれらを再構成し、該再構成
後のウェーブレット変換係数に逆ウェーブレット変換を
施すことで得た信号成分を、チェーンに沿って低周波成
分に加えて画像信号を復号する。
【0046】本発明の第5の態様の画像復号化方法は、
上記第4の態様の画像符号化装置が生成した符号化デー
タ、或いは第4の態様の画像符号化方法により生成され
た符号化データから画像信号を復号するためのものであ
り、画像信号の低周波成分、チェーン、各段の画像振
幅、及び予測エラーに関する情報をそれぞれ復号し、該
予測エラーに関する情報を反映させて、チェーン上の各
エッジ点の位相角度を画像信号の低周波成分から予測
し、各段の画像振幅、及び該予測した位相角度からウェ
ーブレット変換係数を各段毎に求めてそれらを再構成
し、該再構成後のウェーブレット変換係数に逆ウェーブ
レット変換を施すことで得た信号成分を、チェーンに沿
って低周波成分に加えることで、画像信号を復号する。
【0047】本発明の第6の態様の画像復号化方法は、
上記第5の態様の画像符号化装置が生成した符号化デー
タ、或いは第5の態様の画像符号化方法により生成され
た符号化データから画像信号を復号するためのものであ
り、画像信号の低周波成分、チェーン、各段の画像振
幅、及び予測エラーに関する情報をそれぞれ復号し、該
位相角度に関わる情報を反映させて、チェーン上の各エ
ッジ点の位相角度を画像信号の低周波成分から予測し、
各段の画像振幅、及び該予測した位相角度からウェーブ
レット変換係数を各段毎に求めてそれらを再構成し、該
再構成後のウェーブレット変換係数に逆ウェーブレット
変換を施すことで得た信号成分を、チェーンに沿って低
周波成分に加えることで、画像信号を復号する。
【0048】本発明では、符号化側が従来符号化されて
いなかった位相角度(それを表す情報を含む)を符号化
する項目に新たに加え、それを他の項目の情報とともに
符号化し、復号側は、符号化された位相角度、或いはそ
れを反映させて予測した位相角度を用いて画像信号を復
号する。
【0049】また、本発明では、符号化側でチェーンの
各エッジ点の位相角度を予測し、該予測した位相角度を
算出した位相角度と比較することで、例えばそれらの間
の差が予め定めた許容範囲内か否かにより予測エラーを
検出し、その予測エラーに関する情報を符号化する項目
に新たに追加して、それを他の項目の情報とともに符号
化し、復号側は、その予測エラーに関する情報を反映さ
せて位相角度の予測を行い、予測した位相角度を用いて
画像信号を復号する。
【0050】上記何れの発明においても、復号側は、従
来と比較してより正確な位相角度を用いて画像信号の復
号を行うことになる。それにより、復号された画像信号
によって表現される画像は従来よりも高画質となる。復
号側が位相角度を予測する方法に応じて、その復号側が
位相角度を高精度に行ううえで必要な情報だけを選択し
て符号化することで、発生符号量の増大を抑えることが
可能となる。
【0051】また、本発明では、符号化側がチェーンの
各エッジ点の位相角度を予測し、該予測した位相角度を
算出した位相角度と比較することで予測エラーを検出
し、その予測エラーの検出結果に応じてチェーンの再構
成を行う。これにより、復号側では、予測エラーとなる
ような位相角度を予測することが回避され、従来と比較
してより正確な位相角度を用いて画像信号の復号を行え
るようになる。また、位相角度等の符号化を行わないこ
とから、発生符号量の増大は回避される。
【0052】また、本発明では、復号側が符号化側から
送られる画像の低周波成分を基にチェーン上の各エッジ
点の位相角度を予測し、その予測した位相角度を用いて
画像信号の復元を行う。低周波成分はノイズが減少する
傾向にあることから、それによって復号側ではノイズ分
が減少された画像信号が復号されるようになる。画像の
低周波成分は従来より符号化されていることから、発生
符号量の増大は回避される。
【0053】更に、本発明では、符号化側が、画像の低
周波成分に基づいた位相角度の予測に加え、画像の低周
波成分から予測できない、或いは高精度に予測できない
といった予測エラーを検出して、その予測エラーに関す
る情報も符号化し、復号側は、その情報を基に予測エラ
ーに対処しつつ位相角度の予測を行う。そのようにして
位相角度を予測することで、その精度が向上し、復号さ
れた画像信号によって表現される画像は従来よりも高画
質となる。また、復号側が必要な情報(予測エラーに関
する情報)だけを選択的に符号化することから、発生符
号量の増大も抑えられることになる。
【0054】また、本発明では、符号化側が画像の低周
波成分から位相角度を予測し、予測した位相角度を基に
チェーンの再構成を行うとともに、算出した位相角度と
低周波成分から求めた位相角度との間に許容範囲外の差
があるエッジ点の位相角度を、例えば低周波成分から求
めた位相角度に補正して、その補正内容を表す情報も符
号化し、復号側は、その補正内容を表す情報を反映させ
て位相角度の予測を行う。そのようにして位相角度を予
測することで、ノイズ等の影響が低減され、復号された
画像信号によって表現される画像は従来よりも高画質と
なる。復号側が必要な情報(補正内容を表す情報)だけ
を選択的に符号化することから、発生符号量の増大も抑
えられることになる。
【0055】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態につき詳細に説明する。 <第1の実施の形態>図1は、第1の実施の形態が適用
された画像符号化装置の構成図である。この図1は、画
像符号化装置が備えた機能をブロック化してその構成を
表したものである。
【0056】この画像符号化装置は、図1に示すよう
に、入力された画像信号f(x,y)に対してウェーブ
レット変換を施すとともに、それにより得たウェーブレ
ット変換係数から画像振幅、及び位相角度を算出するウ
ェーブレット変換部101と、そのウェーブレット変換
部101から入力した画像振幅、及び位相角度を基に、
画像上のエッジ(ローカルマックス)点を検出するロー
カルマキシマ検出部102と、ローカルマキシマ検出部
102が検出したエッジ点を接続してチェーン(cha
in)を構成するチェーン構成部103と、チェーン構
成部103が構成したチェーンを符号化するチェーン符
号化部104と、チェーン構成部103から入力したチ
ェーンの情報に従って、ウェーブレット変換部101か
ら入力した画像振幅のなかからチェーン部分に対応する
ものを抽出し、その抽出した画像振幅を符号化する振幅
符号化部105と、チェーン構成部103から入力した
チェーンの情報に従って、ウェーブレット変換部101
から入力した位相角度のなかからチェーンの先頭位置の
ものを抽出し、その抽出した位相角度を符号化する角度
符号化部106と、を備えて構成される。
【0057】以上の構成において、その動作を説明す
る。画像符号化装置は、スケール(レベル)を変えて多
段階のウェーブレット変換を行う。ウェーブレット変換
部101は、入力された画像信号f(x,y)に対し、
例えば3段階(j=1、2、3)にスケールを変えて、
各段毎に水平、及び垂直方向のウェーブレット変換、例
えばdyadicウェーブレット変換を行う。これによ
り得られた水平、垂直方向のウェーブレット変換(係
数)をW2J 1 f(x,y)、W2J 2 f(x,y)と表現
する。
【0058】なお、水平、垂直方向におけるウェーブレ
ット変換は、周知のように、各方向毎に定めたマザーウ
ェーブレット(アナライジングウェーブレット)と画像
信号f(x,y)の畳み込みで定義される。
【0059】また、ウェーブレット変換部101は、各
段毎に、ウェーブレット変換係数WW2J 1 f(x,
y)、W2J 2 f(x,y)から画像振幅M2Jf(x,
y)、位相角度A2jf(x,y)を算出する。数1に、
それらの算出式を示す。
【0060】
【数1】
【0061】ローカルマキシマ検出部102は、上記ウ
ェーブレット変換部101から、第2段目(j=2)の
画像振幅M22f(x,y)、及び位相角度A22f(x,
y)を入力する。上記したように、画像上に存在するエ
ッジ点(ローカルマックス)は、位相角度A22f(x,
y)方向における画像振幅M22f(x,y)の勾配の大
きな点である。ローカルマキシマ検出部102は、その
エッジ点の性質に着目して、画像振幅M22f(x,
y)、及び位相角度A22f(x,y)からエッジ点を検
出する。なお、エッジ点を第2段の画像振幅M22
(x,y)、及び位相角度A22f(x,y)から検出す
るのは、各段のなかで第2段のものが最も視覚特性を反
映しているためである。
【0062】図2は、エッジ(ローカルマキシマ)検
出、及びエッジ上の位相角度を説明する図である。図2
に示すように、画像が色彩の異なる2つの領域R1、R
2から形成されていた場合、その領域R1とR2の境界
がエッジ点となり、そのエッジ点の繋がりがエッジとな
る。ローカルマキシマ検出部102は、そのエッジ上の
各点を検出する。
【0063】チェーン構成部103は、ローカルマキシ
マ検出部102が検出したエッジ点の位置、画像振幅M
22f(x,y)、及び位相角度A22f(x,y)を基
に、隣接したエッジ点を接続してチェーンを構成する。
図4は、そのチェーン例を示す図であり、図中に示すP
1〜P5は、チェーンを構成する各エッジ点である。
【0064】本実施の形態では、各エッジ点間の接続関
係を、各エッジ点から見て、それに次に接続されている
エッジ点が位置している方向で表している。その方向
は、図3に示すように、0〜15の16方向に量子化し
ている。このため、例えばその方向が−11.25度以
上、+11.25度未満の範囲内(即ち0度を中心とし
た22.5(=360/16)度の範囲内)であれば0
となる。各エッジ点の位置を表現するためのビット数
は、360度を16等分割しているため、4(24=1
6)である。
【0065】チェーン構成部103は、チェーン先頭の
位置、及びその先頭からチェーンを構成する各エッジ点
の繋がりを量子化した方向で示すデータ列を、各チェー
ン毎にまとめる。その各チェーン毎にまとめた情報によ
り、チェーンの位置、及び形状が特定される。以降、そ
のまとめた情報をチェーン位置情報と呼ぶ。
【0066】チェーン符号化部104は、チェーン構成
部103からチェーン位置情報を入力する。チェーン符
号化部104は、その情報を符号化し、伝送路107に
出力する。
【0067】振幅符号化部105は、ウェーブレット変
換部101から各段の画像振幅M2Jf(x,y)を入力
するとともに、チェーン構成部103からチェーン位置
情報を入力する。振幅符号化部105は、チェーン位置
情報を基に、各段の画像振幅M2Jf(x,y)のなかか
らチェーン上のものを抽出してそれを符号化する。
【0068】ウェーブレット変換部101は、振幅符号
化部105に、画像の低周波成分を出力する。その低周
波成分は、ウェーブレット変換の最終段の出力であり、
本実施の形態では、縦横の長さを共に原画像の23 分の
1の比にサブサンプリングしている。振幅符号化部10
5は、画像振幅M2Jf(x,y)の符号化が終了した
後、その低周波成分を符号化する。それら符号化された
情報は、伝送路107を介して復号側に伝送される。な
お、画像の低周波成分は、画像振幅M2Jf(x,y)を
符号化する前の段階で符号化しても良い。
【0069】角度符号化部106は、ウェーブレット変
換部101から第2段の位相角度A 22f(x,y)を入
力するとともに、チェーン構成部103からチェーン位
置情報を入力する。角度符号化部106は、それらを入
力した後、チェーン位置情報を基に、各チェーンの先頭
位置の位相角度A22f(x,y)を抽出する。即ち図4
に示すチェーンにおいては、点P1の位相角度A1のみ
を抽出する。位相角度A22f(x,y)を抽出すると、
それを量子化して伝送路107に出力する。
【0070】図5は、1チェーン当たりの符号化データ
の構造を示す図である。1チェーン当たりの符号化デー
タは、図5に示すように、チェーン符号化部104が出
力するチェーン符号化データ、振幅符号化部105が出
力する各段の振幅符号化データ、及び角度符号化部10
6が出力する角度符号化データから構成される。その角
度符号化データは、チェーンの先頭位置の位相角度A22
f(x,y)を量子化(図3参照)して得られた値であ
る。
【0071】位相角度は、例えば図2に示すように、エ
ッジが形成されているラインに対して垂直になる性質が
ある。従来の復号(画像の再構成)では、その性質を基
に、チェーン(エッジ)の形状から位相角度の予測を行
っているが、実際の角度と大きく異なる角度を予測して
しまうことがあった。しかし、チェーンの先頭位置の位
相角度を符号化すると、復号側では、その位相角度を角
度予測に反映させることで、チェーンの各点の位相角度
をより高精度に予測することができる。それにより、画
像の復号をより高精度に行うことができ、画質をより向
上させることができる。
【0072】次に、上述した画像符号化処理における動
作について、図6に示すその動作フローチャートを参照
して詳細に説明する。図6に示す動作フローチャート
は、図1に示す各部101〜106が動作するタイミン
グに従って、画像符号化の流れを図示表現したものであ
る。
【0073】先ず、ステップ601では、ウェーブレッ
ト変換部101が、外部から入力した画像信号f(x,
y)に対し、スケールを順次変更して、水平、及び垂直
方向のウェーブレット変換を行うとともに、それにより
得たウェーブレット変換係数を用いて画像振幅M2J
(x,y)、及び位相角度A2jf(x,y)の算出を行
う。
【0074】続くステップ602では、ローカルマキシ
マ検出部102が、ウェーブレット変換部101から入
力した第2段の画像振幅M22f(x,y)、及び位相角
度A 22f(x,y)から、画像上に存在するエッジ点を
検出する。その後、ステップ603の処理に移行する。
【0075】ステップ603では、チェーン構成部10
3が、エッジ点を、その位置、画像振幅M22f(x,
y)、及び位相角度A22f(x,y)を基に接続してチ
ェーンを構成する。続くステップ604では、チェーン
符号化部104が、チェーン構成部103から入力した
チェーン位置情報に基づき、復号側がチェーンを特定す
るための情報の符号化を行い、それにより生成したチェ
ーン符号化データを伝送路107に出力する。そのチェ
ーン符号化データは、上述したように、チェーンの先頭
位置を示すデータ、及び隣接する点間の繋がりを量子化
した方向で表すデータ(列)の2種類のデータから構成
されている。
【0076】ステップ604に続くステップ605で
は、振幅符号化部105が、チェーン構成部103から
入力したチェーン位置情報に基づき、ウェーブレット変
換部101から入力した各段の画像振幅M2Jf(x,
y)のなかから、チェーン部分に対応しているものをチ
ェーンに沿って抽出し、その抽出した画像振幅M2J
(x,y)をチェーン単位にまとめて符号化する。その
画像振幅M2Jf(x,y)の符号化は、例えばエントロ
ピー符号化方式を用いて行われ、それにより生成された
振幅符号化データは伝送路107に出力される。それが
終了した後、ステップ606の処理に移行する。
【0077】ステップ606では、角度符号化部106
が、チェーン構成部103から入力したチェーン位置情
報に基づき、ウェーブレット変換部101から入力した
第2段の位相角度A22f(x,y)のなかからチェーン
の先頭位置に対応しているものを抽出し、それを符号化
する。その符号化は、位相角度A22f(x,y)の量子
化であり、それを量子化した値が角度符号化データとし
て伝送路107に出力される。
【0078】上記ステップ604〜606の処理を、1
チェーン毎に繰り返し行った場合、図5に示すように、
チェーン単位でまとめられた符号化データが得られる。
ステップ604〜606の各処理が、それぞれ、全チェ
ーンを対象にして処理を行った場合には、符号化データ
の種類(チェーン符号化データ、振幅符号化データ、及
び角度符号化データ)単位でまとめられた符号化データ
が得られる。図6には処理動作の流れを明確に図示して
いないが、第1の実施の形態で採用しているのは前者で
ある。
【0079】上記ステップ606で全てのチェーンの位
相角度A22f(x,y)の符号化が終了すると、特に図
示していないが、振幅符号化部105により、画像の低
周波成分(縮小画像)の符号化、及びそれの符号化デー
タの伝送路107への出力が行われる。低周波成分の符
号化データを伝送路107に出力した後、一連の処理が
終了する。
【0080】なお、上記画像符号化の流れは一例であ
り、チェーン情報、画像振幅M2Jf(x,y)、位相角
度A22f(x,y)、画像の低周波成分を符号化する順
序、それらを符号化する方法、符号化データの全体の構
成等は、当然のことながら、柔軟に変更することが可能
である。
【0081】次に、上記画像符号化装置が出力した符号
化データから画像を再構成する画像復号化装置について
説明する。図7は、第1の実施の形態による画像復号化
装置の構成図である。この図7も、図1示す画像符号化
装置と同様に、画像復号化装置が備えた機能をブロック
化してその構成を表したものである。
【0082】この画像復号化装置は、図7に示すよう
に、チェーン符号化データを復号するチェーン復号部7
01と、振幅符号化データを復号する振幅復号部702
と、角度符号化データを復号する角度符号部703と、
チェーン復号部701が出力したチェーン位置情報を基
に、角度符号部703が出力した位相角度A22f(x,
y)を反映させた位相角度の予測を行う角度予測部70
4と、各部701〜704から入力した情報を基に、画
像の再構成(復号)を行う画像再構成部705と、を備
えて構成される。
【0083】以上の構成において、各部の動作を説明す
る。チェーン復号部701、振幅復号部702、及び角
度復号部703は、符号化側が各情報に対して施した符
号化方式に合わせて、それぞれ、入力した符号化データ
を復号化する。その復号化により、チェーン復号部70
1はチェーン位置情報、振幅復号部702は各段の画像
振幅M2Jf(x,y)、及び画像の低周波成分を画像再
構成部705に出力し、角度復号部703は位相角度A
22f(x,y)を角度予測部704に出力する。
【0084】角度復号部703が角度予測部704に出
力する位相角度A22f(x,y)は、各チェーンの先頭
位置のものである。このため、角度予測部704は、チ
ェーン復号部701からチェーン位置情報を入力し、そ
のチェーン位置情報に基づいて、先頭位置以外の位相角
度を予測する。角度復号部703から入力した位相角度
22f(x,y)は、そのままチェーンの先頭位置の位
相角度とすることで、他のエッジ点の位相角度の予測に
反映させる。なお、復号した位相角度と予測した位相角
度とを区別するために、ここでは“A22f(x,y)”
を符号化側で算出した位相角度だけに付加することにす
る。
【0085】図8は、位相角度の予測方法を説明する図
である。図8において、P1〜P4はエッジ点、a1〜
a3は各エッジ点の位相角度である。図8は、エッジ点
P2の位相角度a2を予測する様子を表している。エッ
ジ点P2の位相角度a2の予測は、エッジ点P1の位相
角度a1が確定した後に行われる。上述したように、そ
のエッジ点P1がチェーンの先頭であった場合には、そ
れの位相角度a1は符号化側から伝送された値となる。
【0086】エッジ点の位相角度の予測は、チェーンに
沿って行う。エッジ点P2の位相角度a2を予測する場
合、それの次に予測の対象となるエッジ点P3の位相角
度a3を予測する。その位相角度a3は、位相角度はエ
ッジが形成されている方向と垂直になるという性質か
ら、エッジ点P2とP3を結ぶ直線に垂直となる角度を
位相角度a3として暫定的に予測する。その後、位相角
度a1とa3、即ち両隣のエッジ点の位相角度を参照し
てそれらの平均値を求め、その平均値をエッジ点P2の
位相角度a2と予測する。この位相角度a2を求めるこ
とで、エッジ点P2における位相角度の予測が完了す
る。その後は、エッジ点P2の位相角度a2の予測に用
いた位相角度a3を破棄して、エッジ点P3の位相角度
の予測を同様にして行う。
【0087】チェーンの先頭位置の位相角度A22
(x,y)を符号化側が伝送した場合、復号側では、そ
の伝送された位相角度A22f(x,y)を基準にして、
他のエッジ点の位相角度を予測することができる。これ
は、予測した位相角度が逆(180度近くずれる)にな
るようなことを回避できることから、符号化側が位相角
度を符号化していなかった従来と比較して、復号側はよ
り高精度に位相角度を予測することができることを意味
する。画像振幅M2Jf(x,y)、及び位相角度A 22
(x,y)は、数1に示す算出式から求められる。従っ
て、位相角度をより高精度に予測できることは、ウェー
ブレット変換係数をより高精度に再現できることも意味
する。これにより、復元される画像の画質を向上させる
ことができる。そのために新たに付加する位相角度は、
各チェーン毎に一つである。このため、発生符号量の増
加も抑えることができる。
【0088】角度予測部704は、角度復号部703が
復号したチェーンの先頭位置の位相角度に、上述したよ
うにして予測した各エッジ点の位相角度を付加して画像
再構成部705に出力する。図4に示すチェーン例にお
いて、A2〜A5が予測した位相角度である。
【0089】画像再構成部705は、凸射影法を用いた
再構成アルゴリズムによる操作、及び逆ウェーブレット
変換による操作等を行うことで、画像の低周波成分、画
像振幅M2Jf(x,y)、及び位相角度から画像信号を
復号する。その画像信号(画像)の復号の流れは、具体
的には例えば以下のようになる。
【0090】数1から判るように、ある点における画像
振幅M2Jf(x,y)と位相角度A 2jf(x,y)が与
えられた場合、その画像振幅M2Jf(x,y)と位相角
度A 2jf(x,y)が得られるウェーブレット変換係数
を求めることができる。画像再構成部705は、角度予
測部704から入力した位相角度、振幅復号部702か
ら入力した各段の画像振幅M2Jf(x,y)からウェー
ブレット変換係数を算出する。
【0091】再構成アルゴリズムは、画像の符号化時と
は逆に、レベルを順次下げながら(jをそれよりも小さ
な値に順次変更しながら)操作が行われる。それは、画
像を順次拡大していくことに対応する操作である。始め
は、第3段目(j=3)の画像振幅M23f(x,y)か
ら得られたウェーブレット変換係数を、第2段目(j=
2)の解像度に合わせるように補間拡大する。その補間
拡大後のウェーブレット変換係数に、第2段目の画像振
幅M22f(x,y)から得られたウェーブレット変換係
数を加え、第2段目のウェーブレット変換係数を確定さ
せる。それ以降は、上記と同様の操作を繰り返し行うこ
とで、レベル0におけるウェーブレット変換係数を再構
成する。
【0092】上記のようにして再構成したウェーブレッ
ト変換係数は、画像振幅M2Jf(x,y)がチェーンに
沿って抽出してあることから、画像のエッジ部分(各段
毎にスケールが異なるので、エッジの周辺も含む)に対
応する。従って、再構成したウェーブレット変換係数と
縮小された画像の低周波成分を原画像の大きさに補間拡
大したものに逆ウェーブレット変換を施すと復号が完了
する。
【0093】そのエッジ部分の信号成分は、従来と比較
してより高精度に予測された位相角度を用いて得られた
ものである。このため、復号された画像は、従来と比較
して、高周波成分はより忠実に再現され、画質はより高
いものとなる。
【0094】次に、上記した各部701〜705の画像
を復号化する際の動作について、図9に示す動作フロー
チャートを参照して詳細に説明する。図9に示す動作フ
ローチャートは、図7に示す各部701〜705が動作
するタイミングに従って、画像復号化の流れを図示表現
したものである。
【0095】先ず、ステップ901では、チェーン復号
部701が、伝送路107から受け取ったチェーン符号
化データを復号する。それを復号することで得られたチ
ェーン位置情報は、画像再構成部705、及び角度予測
部704に送られる。
【0096】続くステップ902では、振幅復号部70
2が、伝送路107から受け取った振幅符号化データ、
及び画像の低周波成分を復号する。それらを復号するこ
とで得られた画像振幅M2Jf(x,y)、低周波成分
は、画像再構成部705に送られる。
【0097】ステップ902に続くステップ903で
は、角度復号部703が、伝送路107から受け取った
角度符号化データを復号する。それを復号することで得
られた各チェーンの先頭位置の位相角度A22f(x,
y)は、角度予測部704に送られる。その後は、ステ
ップ904の処理に移行する。
【0098】ステップ904では、角度予測部704
が、各チェーンの先頭位置以外のエッジ点における位相
角度を予測し、先頭位置を含む各エッジ点の位相角度を
各チェーン毎にまとめて画像再構成部705に送る。そ
の後、ステップ905の処理に移行する。
【0099】ステップ905では、画像再構成部705
が、各段の画像振幅M2Jf(x,y)、及び位相角度か
ら各段のウェーブレット変換係数を求めた後、そのウェ
ーブレット変換係数に対し、凸射影法を用いた再生アル
ゴリズムによる操作を行い、レベル0のウェーブレット
変換係数を再構成する。そのウェーブレット変換係数の
再構成は、チェーン位置情報に従い、各チェーン毎に分
けて行われる。
【0100】続くステップ906では、画像再構成部7
05が、低周波成分の補間拡大を行い、その補間拡大後
の低周波成分に再構成したウェーブレット変換係数を加
えて逆ウェーブレット変換を施す操作を行う。ウェーブ
レット変換係数を低周波成分に加える操作は、チェーン
位置情報に従って行われ、それが加えられた低周波成分
に逆ウェーブレット変換を施すことで画像信号が復号さ
れる。このステップ906の処理が終了すると、画像信
号の復号が完了したとして、一連の処理が終了する。
【0101】なお、第1の実施の形態は、チェーンを構
成する各点の繋がり、及び位相角度A22f(x,y)
を、360度を16等分した方向(図3参照)で表して
おり、それを表現するのに4ビットを必要としている。
しかし、角度(360度)の分割数は、発生符号量をよ
り抑えるために、それ(16)よりも小さい値としても
良い。360度を8等分した方向でそれらを表す条件、
即ち角度(方向)を3ビットで表現する条件で実験を行
った結果、画質の劣化は視認できなかった。
【0102】位相角度は、エッジが形成されている方向
とは垂直方向になる性質があることから、その性質に着
目した位相角度の符号化を行っても良い。以下、その一
例(変形例)を具体的に説明する。
【0103】図10は、位相角度の性質に着目した符号
化の一例を説明する図である。図10において、P1は
チェーン先頭のエッジ点、P2はそのエッジ点P1に接
続されたそれに隣接するエッジ点である。
【0104】図8を参照して説明した位相角度の予測方
法を用いた場合、エッジ点P1、P2の位置関係から求
まる位相角度A1は、それらエッジ点P1とP2を結ぶ
直線と垂直になる。図10中のA01は実際の位相角度
であり、その位相角度A01と予測した位相角度A1の
向きが同じであれば、通常はそれらの間に大きな違いは
ないと考えられる。このことから、チェーンの先頭位置
とそれに続く点を結ぶ直線から見て、実際の位相角度が
そのどちら側であるかを示す情報を符号化するだけで、
画質の劣化を回避しつつ、発生符号量をより抑えること
ができる。
【0105】図10に示す例では、エッジ点P2からエ
ッジ点P1を見て、実際の位相角度A01がエッジ点P
1とP2を通過する直線で分けられる左右のどちら側に
あるかを示す情報だけを符号化する。例えば位相角度A
01が左(L)であれば“0”、それが右(R)であれ
ば“1”といったように、実際の位相角度A01が存在
する側を1ビットで表現する。復号側は、その1ビット
の情報からでも位相角度をより高精度に予測することが
できる。
【0106】また、第1の実施の形態では、符号化側が
符号化する位相角度を1チェーン当たり1つとしている
が、各チェーン毎に、それを構成している各エッジ点の
位相角度を全て符号化するようにしても良い。そのよう
にした場合、復号側の構成は、図7に示す構成から角度
予測部704を除いたものとなる。更には、符号化させ
る位相角度を、チェーンの先頭位置のみ、或いはチェー
ンの全エッジ点の何れかにユーザが選択できるようにし
ても良い。
【0107】第1の実施の形態は、伝送路107を介し
て符号化データの送受信を行うシステムに本発明を適用
したものであるが、本発明を適用できるシステムはこの
ようなシステムに限定されるものではない。符号化デー
タを蓄積し、その蓄積しておいた符号化データを必要に
応じて使用するようなシステムに本発明を適用しても良
い。これは、後述する他の実施の形態(その変形例を含
む)においても同様である。 <第2の実施の形態>図12は、チェーンの形状から予
測した位相角度と実際の位相角度の例を示す図である。
図12において、A1はチェーンの先頭位置の位相角
度、A2〜A5はチェーンの形状から予測した位相角度
であり、ダッシュ(’)を付けて示す位相角度A3’〜
A5’は、ウェーブレット変換係数から求められる実際
の位相角度である。
【0108】図12に示すチェーンは、エッジ点P2と
P3の間で実際の位相角度が逆向き(エッジが形成され
ている線で正逆を判断。以降も同様に向きを判断する)
になっている。このようなこと(予測エラー)は、エッ
ジ形状や画像の性質、ノイズの混入等の何らかの原因に
より発生することがある。それは、チェーン部分の再現
性を低下させ、復号される画像の画質を劣化させる。第
2の実施の形態は、チェーンの先頭以外で発生する実際
の位相角度と予測される位相角度の大きな相違による復
号画像の画質の劣化を回避するようにしたものである。
【0109】図11は、第2の実施の形態による画像符
号化装置の構成図である。この図11も、画像復号化装
置が備えた機能をブロック化してその構成を表したもの
である。
【0110】図11に示す画像符号化装置において、図
1に示す第1の実施の形態による画像符号化装置と同じ
符号を付けた構成要素は、その動作内容が基本的に同一
である。このため、図1に表れていない符号を付けた構
成要素を中心に説明する。
【0111】第2の実施の形態では、チェーンを構成す
る各エッジ点における実際の位相角度とエッジ形状から
予測する位相角度との相違を比較するために、角度予測
部1101を備えている。
【0112】その角度予測部1101は、チェーン構成
部103から入力したチェーン位置情報を基に、図7に
示す画像復号化装置の角度予測部704と同じ予測方法
で位相角度を予測し、また、その予測した位相角度をウ
ェーブレット変換部101から入力した実際の位相角度
22f(x,y)と対比する。角度符号化部1102に
は、チェーン先頭位置の実際の位相角度A22f(x,
y)と、予測した位相角度を実際の位相角度A22
(x,y)と対比した結果とを出力する。
【0113】角度符号化部1102は、各チェーン毎
に、その先頭位置の位相角度A22f(x,y)、及び角
度予測部1101の上記対比結果を符号化する。その符
号化される対比結果は、予測した位相角度が実際の位相
角度A22f(x,y)と大きく相違しているエッジ点が
存在するか否か、即ち予測エラーが発生したか否かを示
すフラグ、及びその予測エラーの内容を示す情報であ
る。後者は、予測エラーが発生したエッジ点を特定する
情報、及びそのエッジ点での実際の位相角度A22
(x,y)とからなる。
【0114】図13は、1チェーン当たりの符号化デー
タの構造を示す図である。第2の実施の形態による符号
化データの構造は、第1の実施の形態のそれと基本的に
は同じであり、チェーン符号化データ、振幅符号化デー
タ、及び角度符号化データとから構成されている。それ
らのなかで、チェーン符号化データ、及び振幅符号化デ
ータは、第1の実施の形態のそれらと構造が同一であ
る。
【0115】角度符号化データには、予測エラーの有無
により、予測エラーの内容を示す情報が付加される。即
ち、角度符号化データは、予測エラーが発生しなかった
場合、図13(a)に示すように、エラーフラグ(図中
に示す“f”)、及びチェーン先頭の位相角度(図中に
示す“A1”)とから構成され、予測エラーが発生した
場合には、図13(b)に示すように、それらに加え
て、予測エラーが発生したエッジ点の位置情報(図中に
示す“p3”)、及びそのエッジ点の実際の位相角度
(図中に示す“A3’”)が符号化される。この角度符
号化データにより、復号側は、チェーン上の何れかの点
で発生する予測エラーに対処することができ、第1の実
施の形態と比較して、より画質が良い復号画像を得るこ
とができるようになる。
【0116】なお、上記予測エラーが発生したエッジ点
の位置情報は、例えばそのエッジ点がチェーン先頭から
何番目のエッジ点であるかを示す数値である。また、エ
ラーフラグの値は、例えば予測エラーが発生した場合は
“0”、そうでない場合は“1”である。
【0117】次に、上述した角度予測部1101、角度
符号化部1102を備えた第2の実施の形態による画像
符号化装置の全体動作について、図14に示す動作フロ
ーチャートを参照して詳細に説明する。その動作フロー
チャートは、図11に示す各部101〜105、110
1、1102が動作するタイミングに基づいて、画像符
号化の流れを表したものである。
【0118】先ず、ステップ1401では、ウェーブレ
ット変換部101が、外部から入力した画像信号f
(x,y)に対し、スケールを順次変更して、水平、及
び垂直方向のウェーブレット変換を行い、また、画像振
幅M2Jf(x,y)、及び位相角度A2jf(x,y)の
算出を行う。
【0119】続くステップ1402では、ローカルマキ
シマ検出部102が、ウェーブレット変換部101から
入力した第2段の画像振幅M22f(x,y)、及び位相
角度A22f(x,y)から、画像上に存在するエッジ点
を検出する。その後、ステップ1403の処理に移行す
る。
【0120】ステップ1403では、チェーン構成部1
03が、エッジ点を、その位置、画像振幅M22f(x,
y)、及び位相角度A22f(x,y)を基に接続してチ
ェーンを構成する。続くステップ1404では、チェー
ン符号化部104が、チェーン構成部103から入力し
たチェーン位置情報に基づき、復号側がチェーンを特定
するための情報の符号化を行い、それにより生成したチ
ェーン符号化データを伝送路107に出力する。そのチ
ェーン符号化データは、上述したように、チェーンの先
頭位置を示すデータ、及び隣接する点間の繋がりを量子
化した方向で表すデータの2種類のデータから構成され
ている。
【0121】ステップ1404に続くステップ1405
では、振幅符号化部105が、チェーン構成部103か
ら入力したチェーン位置情報に基づき、ウェーブレット
変換部101から入力した各段の画像振幅M2Jf(x,
y)のなかから、チェーン部分に対応しているものをチ
ェーンに沿って抽出し、その抽出した画像振幅M2J
(x,y)をチェーン単位にまとめて符号化する。その
画像振幅M2Jf(x,y)の符号化は、例えばエントロ
ピー符号化方式を用いて行われ、それにより生成された
振幅符号化データは、伝送路107に出力される。それ
が終了した後、ステップ1406の処理に移行する。
【0122】なお、上述したステップ1401〜140
5の各処理は、図6に示す第1の実施の形態による画像
符号化処理中のステップ601〜605の各処理と処理
内容はそれぞれ同じである。
【0123】ステップ1406では、角度予測部110
1が、チェーン構成部103から入力したチェーン位置
情報(チェーンの形状)に基づいて、チェーンの各点の
位相角度を予想し、その予想した各点の位相角度を、ウ
ェーブレット変換部101から入力したチェーンの各点
のそれと対応させて対比する。角度予測部1101は、
角度符号化部1102に、チェーン先頭の実際の位相角
度A22f(x,y)、予測エラーが発生したか否かを示
すエラーフラグ、及び予測エラーが発生した場合にはそ
の内容を示す情報を出力する。
【0124】ステップ1406に続くステップ1407
では、角度符号化部1102が、角度予測部1101か
ら入力した上記の情報を符号化する。それにより、角度
符号化データが角度符号化部1102から出力される。
【0125】第2の実施の形態では、上記ステップ14
04〜1407の一連の処理を1チェーン毎に分けて繰
り返し行う。これにより、1チェーン毎に、それの符号
化データが、図13(a)に示す形式、或いは図13
(b)に示す形式で伝送路107に出力される。ステッ
プ1407で全てのチェーンに対する処理が終了する
と、振幅符号化部105により、画像の低周波成分(縮
小画像)の符号化、及びそれの符号化データの伝送路1
07への出力が行われる。その後、一連の処理が終了す
る。
【0126】図15は、予測した位相角度を実際の位相
角度A22f(x,y)と対比する動作を示すフローチャ
ートである。このフローチャートは、図14中に示すス
テップ1406の処理の一部を抜粋して、角度予測部1
101の動作の詳細を表したものである。この図15を
参照して、ステップ1406の処理(角度予測部110
1の動作)を詳細に説明する。その角度予測部1101
には、チェーン構成部103からチェーン位置情報、ウ
ェーブレット変換部101から位相角度A22f(x,
y)がそれぞれ入力される。
【0127】図15に示すステップ1501〜1507
の一連の処理では、チェーン位置情報に従ってエッジ点
を移動させながら、チェーンを構成する各エッジ点毎
に、予測した位相角度と実際の位相角度A22f(x,
y)の対比、及びその対比結果の保持が行われる。
【0128】先ず、ステップ1501では、チェーン位
置情報を基にして、処理対象とすべきエッジ点を設定
し、そのエッジ点の位相角度を予測し、その予測した位
相角度を変数a1に代入する。また、そのエッジ点の実
際の位相角度を変数a0に代入する。それらの位相角度
の代入が終了した後、ステップ1502の処理に移行す
る。
【0129】第2の実施の形態では、実際の位相角度
(以降、実位相角度と呼び、予測した位相角度は予測位
相角度と呼ぶ)と予測位相角度の差で表される範囲(1
〜359までの角度)を2種類の領域に分け、その位相
角度の差がどちらの領域内に入っているかで予測エラー
の発生の有無を判定している。具体的には、例えば時計
回りに見て、位相角度の差が90度以上270未満の範
囲内であれば予測エラーが発生したと判定し、位相角度
の差がその範囲外であれば予測エラーが発生していない
と判定するようにしている。その予測エラーの発生の有
無の判定は、ステップ1502で行われる。なお、位相
角度の差が90度以上270未満の範囲内に入っている
場合とは、視覚的には、実位相角度と予測位相角度が互
いに反対方向を示しているような状態である。
【0130】そのステップ1502では、変数a0の値
から変数a1の値を引いた値の絶対値が、90以上27
0未満か否か判定する。即ち、予測エラーが発生したか
否か判定する。上記したように、実位相角度(変数a0
に代入)と予測位相角度(変数a1に代入)が互いに反
対方向を示していたような場合、予測エラーが発生した
として判定はYESとなり、ステップ1503の処理に
移行する。そうでない場合には、その判定はNOとなっ
てステップ1508の処理に移行する。処理対象のエッ
ジ点がチェーン先頭であった場合は、無条件でステップ
1502からステップ1508の処理に移行する。
【0131】ステップ1503〜1506の一連の処理
では、予測エラーの検出に応じて、その予測エラーの内
容を示す情報の保持が行われる。先ず、ステップ150
3では、エラーフラグをONにする。例えばエラーフラ
グに1を代入する。続くステップ1504では、符号化
するエラーフラグに、ステップ1503の処理を反映さ
せ、現時点でのエラーフラグの値を確定させる。角度符
号化データ中のエラーフラグの値は、予測エラーが一度
でも発生すれば0である。その後、ステップ1505の
処理に移行する。
【0132】図12に示すように、予測エラーが発生し
た場合、それまでと同じように位相角度を予測すると、
その予測エラーが発生したエッジ点の後に連なる各エッ
ジ点で予測エラーが継続して発生することが予想され
る。このため、予測エラーが発生した後のステップ15
01では、図12中のエッジ点P4、P5で予測した位
相角度が実位相角度A4’、A5’と同じ方向となるよ
うに、予測エラーの発生を反映させて位相角度の予測が
行われる。
【0133】上記ステップ1503と1504で扱うエ
ラーフラグは、実際には別の変数である。即ちステップ
1503の処理でONにセットされたエラーフラグは、
ステップ1501で位相角度の予測を行う際に参照す
る、検出した予測エラーを反映した位相角度の予測を行
うための変数であるのに対し、ステップ1504で扱う
エラーフラグは、角度予測部1101が角度符号化部1
102に出力して符号化させる変数である。
【0134】ステップ1505では、予測エラーが発生
したエッジ点の位置情報の保持を行う。そのエッジ点の
位置情報は、角度符号化データの1項目として復号側に
伝送する情報である(図13(b)参照)。続くステッ
プ1506では、そのエッジ点の実位相角度の保持を行
う。その実位相角度は、符号化されるとともに、次のエ
ッジ点の位相角度を予測するために参照される。その実
位相角度の保持により、1エッジ点に対する処理が終了
し、ステップ1507の処理に移行する。
【0135】ステップ1507では、チェーンを構成す
る各エッジ点を全て処理したか否か判定する。エッジ点
は、チェーン位置情報に従って行っている。このため、
先に処理が終了したエッジ点がチェーンの終点であった
場合、その判定はYESとなって、図15に示す一連の
処理を終了する。このとき、処理すべきチェーンが他に
存在しているのであれば、チェーンを未処理のものに変
えて一連の処理が繰り返される。反対に、チェーンを構
成する各エッジ点に対する処理が終了していない場合、
その判定はNOとなってステップ1501の処理に戻
る。次に処理すべきエッジ点は、そのステップ1501
で設定される。
【0136】ステップ1502の判定がNO、即ち予測
エラーが発生しなかった場合、或いは処理対象のエッジ
点がチェーン先頭であった場合に実行されるステップ1
508〜1510では、以降のような一連の処理が行わ
れる。
【0137】先ず、ステップ1508では、エラーフラ
グをOFFにする。例えばエラーフラグに0を代入す
る。続くステップ1509では、現時点での符号化させ
るエラーフラグの値を決定する。
【0138】なお、ステップ1508で扱うエラーフラ
グは、上述したように、次の処理対象のエッジ点の予測
を行う際に参照する変数であり、ステップ1509で扱
うエラーフラグは、角度予測部1101が角度符号化部
1102に符号化させる変数である。このため、ステッ
プ1509では、それまでに予測エラーが1度でも発生
していた場合、符号化させるエラーフラグの値を0と
し、そうでない場合にはそのエラーフラグの値を1とす
る。
【0139】予測エラーが発生しなかった場合、次の処
理対象となるエッジ点の位相角度は、予測した位相角度
を参照して予測される。このため、ステップ1509に
続くステップ1510では、変数a1に代入されている
予測位相角度を保持する。そのエッジ点がチェーン先頭
であった場合には、変数a0に代入してある実位相角度
を符号化させるべき情報として保持する。前者の予測位
相角度は、次にステップ1501の処理を実行した際に
破棄される情報である。後者の実位相角度は、角度符号
化データにおいて、エラーフラグに続いて符号化される
情報である(図13参照)。このステップ1510の処
理が終了した後、ステップ1507の処理に移行する。
【0140】上記のように、角度予測部1101は、予
測エラーの発生の有無を反映させて位相角度の予測を行
いつつ、予測エラーが発生した場合には、その予測エラ
ーが発生したエッジ点の位置情報、及びそのエッジ点の
実位相角度が角度符号化部1102に渡すべき情報とし
て保持する。予測エラーが発生しなかった場合には、復
号側が満足すべき位相角度を予測できることから、実位
相角度等の情報は保持しない。このようにして保持した
情報を角度符号化部1102に所定の形式で渡すこと
で、図13に示すような角度符号化データが角度符号化
部1102から出力される。
【0141】なお、第2の実施の形態で採用した角度符
号化データの形式では、予測エラーが発生する毎に、エ
ッジ点の位置情報とそれの実位相角度が追加される。デ
ータ長が状況に応じて変化すると、そのままでは復号側
は符号化データの区切りを正確に特定することができな
い。従って、復号側が符号化データの区切りを正確に特
定できるように、予測エラーに関する情報を追加する数
を予め設定しておくといった何らかの対策を講じる必要
がある。
【0142】予測エラーは、1チェーンにおいて複数回
発生することも考えられる。余分なビットを付加するこ
とは、発生符号量を抑えるうえでは望ましくない。これ
らのことから、例えば図16に示すように、1チェーン
の符号化データの区切りを表す制御符号(図中に示すE
OC:End Of Chain)を、符号化データの最後に付加す
るようにしても良い。これにより、発生符号量を抑えつ
つ、復号側はより高画質な画像を復元できるようにな
る。上記制御符号を付加する場合には、エラーフラグを
省いても良い。それは、実位相角度、エッジ点の位置情
報等に割り当てたビット数は予め判明しており、その制
御符号によって符号化データの区切りを復号側が特定で
きるためである。
【0143】また、チェーン先頭位置(エッジ点)の実
位相角度を符号化しているため、その先頭位置で予測エ
ラーが発生したか否かの検出を行っていないが、そのよ
うな例外を設けず、チェーンを構成する全エッジ点を予
測エラーの検出対象としても良い。このようにした場合
には、先頭位置で予測エラーを検出したときにのみ、そ
の先頭位置の実位相角度を符号化すれば良い。
【0144】次に、第2の実施の形態による画像復号化
装置について説明する。第2の実施の形態による画像復
号化装置の構成は、図7に示す第1の実施の形態のそれ
と基本的に同じである。また、動作も、図9に示すその
動作フローチャートと基本的に同じである。このため、
第1の実施の形態の画像復号化装置から異なる部分のみ
説明する。
【0145】上述したように、第2の実施の形態による
画像符号化装置の角度符号化部1102は、チェーン先
頭位置の実位相角度に加えて、発生した予測エラーに関
する情報も角度符号化データとして符号化している。こ
のため、第2の実施の形態による画像復号化装置では、
角度復号部703と角度予測部704がその角度符号化
データに応じて動作するようになっている。以下、それ
らの動作を詳細に説明する。
【0146】角度復号部703は、伝送路107を介し
て符号化側が出力した角度符号化データを受信してそれ
を復号する。その角度符号化データの区切りは、エラー
フラグの値から判断する。角度復号部703は、1チェ
ーンの角度符号化データを復号すると、チェーン先頭位
置の実位相角度、予測エラーが発生していた場合には、
それに加えて、予測エラーが発生したエッジ点の位置情
報、及びそのエッジ点の実位相角度を角度予測部704
に出力する。
【0147】角度予測部704は、角度復号部703か
ら入力した情報を参照しつつ、チェーン復号部701か
ら入力したチェーン位置情報に基づいて、チェーン上の
各エッジ点の位相角度を予測する。具体的には、チェー
ン先頭位置のエッジ点、及びエッジ点の位置情報が示す
エッジ点に対し、伝送されてきた実位相角度をそれぞれ
割り当て、それら以外のエッジ点の位相角度を、伝送さ
れてきた実位相角度、既に予測して確定した位相角度、
及び暫定的に予測した位相角度から求める。これによ
り、符号化側で行った位相角度の予測結果が反映され、
復号側で予測した位相角度は、第1の実施の形態と比較
して、より高精度となる。
【0148】角度予測部704は、チェーン単位にまと
めて、その位相角度を画像再構成部705に出力する。
その画像再構成部705に出力された位相角度は、上記
のように、第1の実施の形態と比較してより高精度であ
る。このため、画像再構成部705も、第1の実施の形
態と比較してより高画質に画像を復号(再構成)するこ
とができる。
【0149】なお、第2の実施の形態の上記変形例で
は、符号化側は予測エラーが発生した各エッジ点毎に、
その予測エラーに関する情報、即ち予測エラーが発生し
たエッジ点、及ぶそのエッジ点の実位相角度を符号化し
て伝送する。しかし、予測エラーが発生した1エッジ点
毎の角度復号部703、及び角度予測部704の動作
は、上述した第2の実施の形態における動作と基本的に
同じである。このため、その変形例においても復号側の
構成は図7に示すものとなる。
【0150】以上が、第2の実施の形態における角度復
号部703、及び角度予測部704の動作である。図9
に示す画像復号化処理内では、角度復号部703の動作
がステップ903の処理に、角度予測部704の動作が
ステップ904の処理に対応している。これらステップ
903、及びステップ904の各処理では、上記したよ
うに角度復号部703、及び角度予測部704が動作す
ることで、画像の復号が行われる。
【0151】なお、第2の実施の形態、及びその変形例
では、図12等からも判るように、本来は別にすべきエ
ッジ点群を組み合わせて一つのチェーンを構成したとい
ったような場合等にも対応することができる。しかし、
例えばノイズが混入した場合には、1つのチェーンとし
てまとめるべきエッジ点を正確に検出してチェーンを構
成しても、そのなかの幾つかのエッジ点で予測エラーが
発生することも考えられる。このため、1つのエッジ点
で予測エラーが発生しても、予測エラーが発生した旨を
復号側に送らず、予測エラーが幾つか連続して発生した
場合に、予測エラーが発生した旨を復号側に送るように
しても良い。これにより、ノイズの影響を低減し、より
高画質で画像を復号することも可能になる。 <第3の実施の形態>図18は、構成したチェーンの一
例を示す図である。図18において、A1〜A6は、各
エッジ点P1〜P6における実位相角度であり、点線は
チェーン(エッジ)の形状を表している。
【0152】図18に示すチェーンは、エッジの形状
(エッジ点を結ぶ線の何れ側にあるかで)で実位相角度
の方向を分けた場合、位相角度A1〜A3と位相角度A
4〜A6は互いに反対方向となっている。これは、視覚
特性から考えると、例えば隣接する領域で形成されてい
る隣り合ったエッジを1つのチェーンとして構成したよ
うに、本来は別にすべき複数のエッジを1つのチェーン
として構成したと考えることができる。第3の実施の形
態は、このように構成させたチェーンを再構成するよう
にしたものである。
【0153】図17は、第3の実施の形態による画像符
号化装置の構成図である。この図17も、画像符号化装
置が備えた機能をブロック化してその構成を表したもの
である。
【0154】図17に示す画像符号化装置において、図
1に示す第1の実施の形態による画像符号化装置と同じ
符号を付けた構成要素は、その動作内容が基本的に同一
である。このため、図1に表れていない符号を付けた構
成要素を中心に説明する。
【0155】復号側は、チェーン符号化部104が符号
化して伝送するチェーン位置情報に基づいて、チェーン
上の各エッジ点の位相角度を予測する。このため、第3
の実施の形態では、符号化側に復号側と同じアルゴリズ
ムで位相角度を予測する角度予測部1702を備えてい
る。
【0156】その角度予測部1702は、チェーン構成
部103からチェーン位置情報、ウェーブレット変換部
101から実際の位相角度A22f(x,y)(以降、実
位相角度と呼ぶ)をそれぞれ入力する。チェーン位置情
報に基づいて、チェーン上の各エッジ点の位相角度を予
測し、ウェーブレット変換部101から入力した実位相
角度に対しては、チェーンに沿って各エッジ点の実位相
角度を抽出する。予測した位相角度(予測位相角度)と
実位相角度を対比することで、予測エラーが発生したチ
ェーン、及びそのチェーン上のエッジ点を検出し、その
検出結果をチェーン構成部1701に出力する。検出結
果としては、例えば予測エラーが発生したチェーン毎
に、そのチェーンを特定する情報、予測エラーが発生し
たエッジ点を特定する情報がチェーン構成部1701に
出力される。
【0157】チェーン構成部1701は、上記検出結果
を入力すると、予測エラーが発生したチェーンを、その
予測エラーが発生したエッジ点で分割してチェーンの再
構成を行う。その再構成を行った後は、チェーン位置情
報を角度予測部1702に出力し、再構成後のチェーン
に予測エラーが発生しないか否かの確認を行う。
【0158】図19は、チェーン構成部1701による
予測エラーが発生したチェーンの再構成を説明する図で
ある。図19において、最初に構成されたチェーンは各
エッジ点P1〜P6間を結ぶ点線で表している。図19
の上方に示すチェーンがその最初に構成されたチェーン
であり、その下方に示す2つのチェーンがそれを分割
(再構成)して得られたチェーンである。
【0159】なお、図19中に示す各チェーンに対して
は、便宜的に、最初に構成されたチェーンを初期構成チ
ェーン、その初期構成チェーンを分割して得られた2つ
のチェーンについては、エッジ点P1〜P3を備えた方
を第1の分割チェーン、他方を第2の分割チェーンと呼
ぶことにする。
【0160】エッジ点P1〜P6を有する初期構成チェ
ーンは、例えばエッジ点間を結ぶ点線のどちらの側に実
位相角度が向いているかで見た場合、各エッジ点P1〜
P3の実位相角度A1〜A3と各エッジ点P4〜P6の
実位相角度A4〜A6は反対方向となっている。これ
は、エッジ点P3とP4間で分かれている2つの別のエ
ッジを1つのチェーンとして構成したと考えられる。こ
のため、この初期構成チェーンでは、エッジ点P4で予
測エラーが発生し、その旨が角度予測部1702からチ
ェーン構成部1701に通知される。
【0161】チェーン構成部1701は、その通知を受
け取ると、初期構成チェーンをエッジ点P3とP4間で
分割し、その初期構成チェーンを第1、及び第2の分割
チェーンの2つのチェーンに再構成する。これにより、
予測エラーが発生しない2つのチェーンが得られること
になる。なお、図19中のP1’〜P3’、A1’〜A
3’は、初期構成チェーン中のエッジ点P4〜P6が1
つのチェーン(第2の分割チェーン)に再構成(分割)
されることに伴い、再構成(分割)後には各エッジ点P
4〜P6、各エッジ点P4〜P6の実位相角度A4〜A
6の扱いが変化することから、それらの表現を変えて示
したものである。
【0162】チェーン構成部1701、角度予測部17
02は、上述した動作を、例えば全てのチェーンで予測
エラーが発生しなくなるまで繰り返し行う。全てのチェ
ーンで予測エラーが発生しないことを確認することでチ
ェーンの構成が完了し、確定したチェーン位置情報を基
に、チェーン符号化部104はそのチェーン位置情報、
振幅符号化部105はチェーンに沿って画像振幅M2J
(x,y)をそれぞれ符号化する。角度符号化部170
3は、角度予測部1702から入力したチェーン先頭位
置の実位相角度(A22f(x,y))を符号化する。従
って、1チェーン当たりの符号化データの構造は、第1
の実施の形態と同じく図5に示すようになる。
【0163】次に、上述したチェーン構成部1701、
角度予測部1702、及び角度符号化部1703を備え
た第3の実施の形態による画像符号化装置の全体動作に
ついて、図20に示す動作フローチャートを参照して詳
細に説明する。その動作フローチャートは、図17に示
す各部101、102、104、1701〜1703が
動作するタイミングに基づいて、画像符号化の流れを表
したものである。
【0164】先ず、ステップ2001では、ウェーブレ
ット変換部101が、外部から入力した画像信号f
(x,y)に対し、スケールを順次変更して、水平、及
び垂直方向のウェーブレット変換を行い、また、画像振
幅M2Jf(x,y)、及び位相角度A2jf(x,y)の
算出を行う。
【0165】続くステップ2002では、ローカルマキ
シマ検出部102が、ウェーブレット変換部101から
入力した第2段の画像振幅M22f(x,y)、及び位相
角度A22f(x,y)から、画像上に存在するエッジ点
を検出する。その後、ステップ2003の処理に移行す
る。
【0166】ステップ2003では、チェーン構成部1
03が、エッジ点を、その位置、画像振幅M22f(x,
y)、及び実位相角度A22f(x,y)を基に接続して
チェーンを構成する。後述するステップ2005から戻
って再び実行する場合には、角度予測部1702の検出
結果、例えば予測エラーが発生したチェーンを特定する
情報、及びその予測エラーが発生したエッジ点を特定す
る情報を基に、予測エラーが発生したチェーンの再構成
(分割)を行う。
【0167】ステップ2003に続くステップ2004
では、角度予測部1702が、チェーン構成部1701
から入力したチェーン位置情報に基づいて、チェーンの
各点の位相角度を予想し、その予想した各点の位相角度
を、ウェーブレット変換部101から入力したチェーン
の各点のそれと対応させて対比することで、各チェーン
毎に予測エラーの発生の有無を検出する。その後、ステ
ップ2005の処理に移行する。
【0168】ステップ2005では、角度予測部170
2が、上記の対比を行った結果、予測エラーが発生した
チェーンを検出したか否か判定する。予測エラーが発生
したチェーンを検出した場合、その判定はYESとなっ
てステップ2003の処理に戻る。そうでない場合に
は、その判定はNOとなってステップ2006の処理に
移行する。判定がYESとなってステップ2003の処
理に戻る場合には、角度予測部1702はチェーン構成
部1701に予測エラーの検出結果を出力する。その検
出結果としては、予測エラーが発生したチェーン毎に、
そのチェーンを特定する情報、予測エラーが発生したエ
ッジ点を特定する情報が出力される。
【0169】上記ステップ2003〜2005は処理ル
ープを形成している。その処理ループは、予測エラーが
発生するチェーンがなくなるまで繰り返し実行される。
ステップ2005の判定がNO、即ち予測エラーが発生
するチェーンがなくなると、その処理ループを抜けて、
ステップ2006の処理に移行する。ステップ2006
〜2008の各処理では、確定したチェーン(チェーン
位置情報)を用いて、復号側に伝送すべき情報の符号化
が行われる。
【0170】先ず、ステップ2006では、チェーン符
号化部104が、チェーン構成部1701から入力した
チェーン位置情報を符号化して、それにより生成したチ
ェーン符号化データを伝送路107に出力する。そのチ
ェーン符号化データは、上述したように、チェーンの先
頭位置を示すデータ、及び隣接する点間の繋がりを量子
化した方向で表すデータの2種類のデータから構成され
ている。
【0171】ステップ2006に続くステップ2007
では、振幅符号化部105が、チェーン構成部103か
ら入力したチェーン位置情報に基づき、ウェーブレット
変換部101から入力した各段の画像振幅M2Jf(x,
y)のなかから、チェーン部分に対応しているものをチ
ェーンに沿って抽出し、その抽出した画像振幅M2J
(x,y)をチェーン単位にまとめて符号化する。その
画像振幅M2Jf(x,y)の符号化は、例えばエントロ
ピー符号化方式を用いて行われ、それにより生成された
振幅符号化データは、伝送路107に出力される。それ
が終了した後、ステップ2008の処理に移行する。
【0172】ステップ2008では、角度符号化部17
02が、角度予測部1702から入力したチェーン先頭
位置の実位相角度を符号化して伝送路107に出力す
る。角度符号化部1703が符号化する実位相角度は、
角度予測部1702が、チェーン位置情報を基に、ウェ
ーブレット変換部101から入力した実位相角度のなか
からチェーン先頭位置に該当するものを抽出する。
【0173】第3の実施の形態では、上記ステップ20
06〜2008の一連の処理を1チェーン毎に分けて繰
り返し行う。これにより、1チェーン毎に、それの符号
化データが、図5に示す形式で伝送路107に出力され
る。角度符号化部1703が最後のチェーンの実位相角
度を符号化し、更に振幅符号化部105が画像の低周波
成分(縮小画像)を符号化すると、1画像分の符号化が
完了し、図20に示す一連の処理が終了する。
【0174】次に、第3の実施の形態による画像復号化
装置について説明する。第3の実施の形態による画像復
号化装置の構成は、図7に示す第1の実施(第2の実施
の形態)の形態のそれと基本的に同じである。また、画
像を復号する動作も、1チェーン当たりの符号化データ
の構造が第1の実施の形態のそれと同じであるため、図
9に示す第1の実施の形態による動作フローチャートと
同じになる。即ち、第3の実施の形態では、符号化側の
みが第1の実施の形態から異なっている。このため、復
号側(画像復号化装置)に関する説明は省略する。
【0175】第3の実施の形態では、予測エラーが発生
するか否か検出し、その検出結果を基にチェーンの再構
成を行い、チェーン先頭位置の実位相角度を符号化して
いる。チェーン先頭位置の実位相角度を符号化すること
により、上記した他の実施の形態と同様に、復号側がよ
り高精度に位相角度を予測できるようにしている。しか
し、この第3の実施の形態では、実位相角度は必ずしも
符号化する必要はない。実位相角度を符号化しなくと
も、先頭位置以外での予測エラーが発生しないようにチ
ェーンを再構成しているので、従来と比較して高画質の
画像を復元することができる。そのようにした場合に
は、発生符号量の増大も回避することができる。 <第4の実施の形態>上述した第1〜第3の実施の形態
では、位相角度はエッジが形成されている方向とは垂直
方向になる性質があることに着目して位相角度を予測す
るのを基本としている。その位相角度は、画像上の濃度
(色彩も含む)の勾配に相当する。このことから、第4
の実施の形態は、画像上の濃度の勾配から位相角度を予
想するようにしたものである。
【0176】符号化側からは、画像の低周波成分が伝送
される。その低周波成分は、ウェーブレット変換の最終
段の出力をサブサンプリングした縮小画像である。第4
の実施の形態では、その低周波成分に着目し、原画像の
縮小画像から濃度の勾配、即ち位相角度の予測を行うよ
うにしている。
【0177】その低周波成分は、従来から符号化されて
いた情報である。符号化側の構成、及び動作は、従来と
同じである。このため、第4の実施の形態については、
復号側だけを説明する。なお、ここでは、特に断らない
限り、縮小画像を画像(原画像)の低周波成分と同じ意
味で用いることとする。
【0178】図21は、第4の実施の形態による画像復
号化装置の構成図である。この図21も、画像復号化装
置が備えた機能をブロック化してその構成を表したもの
である。
【0179】図21に示す画像復号化装置において、図
7に示す第1の実施の形態による画像復号化装置と同じ
符号を付けた構成要素は、その動作内容が基本的に同一
である。このため、図7に表れていない符号を付けた構
成要素を中心に説明する。
【0180】チェーン復号部701は、伝送路107か
ら受け取ったチェーン符号化データを復号し、振幅復号
部702は、振幅符号化データ、及び低周波成分を復号
する。角度予測部2101には、チェーン復号部701
からチェーン符号化データを復号して得られるチェーン
位置情報が、振幅復号部702からは復号後の低周波成
分がそれぞれ入力される。
【0181】チェーン位置情報は、スケールが第2段目
(j=2)のものであり、低周波成分(縮小画像)は、
スケールが第3段目(j=3)のものである。このた
め、角度予測部2101は、それらのスケールの違いを
考慮してチェーン位置情報で指定されるエッジ点の縮小
画像上における位置を特定し、特定したエッジ点、及び
その周囲の様子から位相角度を予測する。エッジ点の位
置をチェーン位置情報に従って移動させることにより、
チェーン上の各エッジ点の位相角度をチェーン単位で行
う。
【0182】図23は、第4の実施の形態における位相
角度の予測方法を説明する図である。図23において、
Pは現在注目している縮小画像上におけるエッジ点(以
降、注目エッジ点と呼ぶ)、その周りのドットは各画素
(縮小画像における画素である)、BKは位相角度を予
測する際に参照するブロック(パターン)をそれぞれ示
している。
【0183】図23に示すように、第4の実施の形態で
は、ブロックBKを3×3(画素)の大きさに設定し、
注目エッジ点Pをその中心にした際にブロックBKで覆
われる各画素の状態から位相角度の予測を行っている。
より具体的には、注目エッジ点Pを中心に、それから外
側に向けて連なっている2画素の濃度値の変化(差分)
を上下左右の計4方向でそれぞれ求め、そのなかで最も
変化(低→高)が大きい方向が位相角度であると予想し
ている。当然のことながら、上下左右の方向のなかで注
目エッジ点と隣り合っているエッジ点の方向は除外す
る。そのようにして位相角度を予測し、注目エッジ点を
チェーン位置情報に従って移動させていくことにより、
チェーン上の各エッジ点の位相角度を決定する。
【0184】なお、第4の実施の形態では、ブロックB
Kの大きさを3×3に設定することにより、注目エッジ
点Pの隣の画素と、それの隣の画素との間の濃度値変化
(勾配)から位相角度を予測しているが、ブロックBK
をより大きく設定して、より多くの画素間の濃度値変化
から位相角度を予測するようにしても良い。そのように
した場合には、予測した位相角度(予測位相角度)と実
際の位相角度(実位相角度)との間の誤差をより小さく
することができる。また、位相角度を予測する方向とし
ては、第4の実施の形態では上下左右の計4方向だけと
しているが、更に右斜め上下、左斜め上下の計4方向を
加えて全8方向で位相角度の方向を予測するようにして
も良い。
【0185】角度予測部2101は、上記したようにし
て位相角度を予測し、予測結果(予測位相角度)をチェ
ーン毎にまとめて画像再構成部705に送る。その画像
再構成部705には、チェーン復号部701からチェー
ン位置情報、振幅復号部702から各段の画像振幅M2J
f(x,y)、及び画像の低周波成分がそれぞれ送られ
る。画像再構成部705は、それらの情報を用いて画像
の再構成を行い、外部に画像信号を出力する。
【0186】次に、図21に示す画像復号化装置の画像
を復号化する際の全体的な動作について、図22に示す
動作フローチャートを参照して詳細に説明する。図22
に示す動作フローチャートは、図21に示す画像復号化
装置の各部701、702、705、及び2101が動
作するタイミングに従って、画像復号化の流れを図示表
現したものである。
【0187】先ず、ステップ2201では、チェーン復
号部701が、伝送路107から受け取ったチェーン符
号化データを復号する。それを復号することで得られた
チェーン位置情報は、画像再構成部705、及び角度予
測部2101に送られる。
【0188】続くステップ2202では、振幅復号部7
02が、伝送路107から受け取った振幅符号化デー
タ、及び画像の低周波成分を復号する。それらを復号す
ることで画像振幅M2Jf(x,y)、低周波成分が得ら
れる。画像再構成部705には、画像振幅M2Jf(x,
y)、低周波成分が送られ、角度予測部2101には低
周波成分のみが送られる。
【0189】ステップ2202に続くステップ2203
では、角度予測部2101が、チェーン位置情報、及び
低周波成分(縮小画像)から、各チェーン毎にそれを構
成する各エッジ点の位相角度を予測する。予測した位相
角度はチェーン単位でまとめて画像再構成部705に送
る。その後、ステップ2204の処理に移行する。
【0190】ステップ2204では、画像再構成部70
5が、各段の画像振幅M2Jf(x,y)、及び位相角度
から各段のウェーブレット変換係数を求めた後、そのウ
ェーブレット変換係数に対し、凸射影法を用いた再構成
アルゴリズムによる操作を行い、レベル0のウェーブレ
ット変換係数を再構成する。そのウェーブレット変換係
数の再構成は、チェーン位置情報に従い、各チェーン毎
に分けて行われる。
【0191】続くステップ2205では、画像再構成部
705が、低周波成分の補間拡大を行い、その補間拡大
後の低周波成分に再構成したウェーブレット変換係数を
加えて逆ウェーブレット変換を施す操作を行う。ウェー
ブレット変換係数を低周波成分に加える操作は、チェー
ン位置情報に従って行われ、それが加えられた低周波成
分を逆ウェーブレット変換することで画像信号が復号さ
れる。このステップ2205の処理が終了すると、画像
信号の復号が完了したとして、一連の処理が終了する。
【0192】位相角度は、画像上の濃度(色彩も含む)
の勾配に相当する。画像を縮小すると、全体的に平滑化
されてノイズが除去される傾向がある。そのため、縮小
画像(低周波成分)を参照して位相角度を予測した場合
には、予測結果と実際の位相角度との間の誤差を全体的
に小さくすることができる。それにより、画像を高画質
に復元することができるようになる。また、位相角度の
予測に従来から符号化されている縮小画像(低周波成
分)を利用しているため、発生符号量の増大も回避する
ことができる。
【0193】なお、第4の実施の形態では、縮小画像を
位相角度の予測に利用しているが、チェーンの形状を基
に予測した位相角度のチェック・修正用に縮小画像を利
用しても良い。このときには、縮小画像のノイズ分は小
さいことから、例えばチェーンの形状から予測した位相
角度が縮小画像から予測した位相角度と向きが逆といっ
たように大きく異なっていた場合に、縮小画像から予測
した位相角度を採用するようにすれば良い。その縮小画
像から行う位相角度の予測方法については、上記した他
の実施の形態に採用しても良い。 <第5の実施の形態>上述した第4の実施の形態のよう
に、画像を参照して位相角度の予測を行う場合、画像上
に形成されているエッジの形状や位置によって濃度値の
変化が検出できない、或いはそれを正確に検出できない
といったようなことが起こることも予想される。第5の
実施の形態は、そのような予測エラーの発生に対処でき
るようにしたものである。
【0194】図24は、第5の実施の形態による画像符
号化装置の構成図である。画像符号化装置が備えた機能
をブロック化してその構成を表したものである。図24
に示す画像符号化装置において、図1に示す第1の実施
の形態による画像符号化装置と同じ符号を付けた構成要
素は、その動作内容が基本的に同一である。このため、
図1に表れていない符号を付けた構成要素を中心に説明
する。
【0195】第5の実施の形態では、復号側が低周波成
分(縮小画像)から位相角度の予測が行えるか否か、即
ち予測エラーの発生の有無を判断するために、符号化側
が復号側と同じアルゴリズムで位相角度の予測を行って
予測エラーの発生の有無を検出し、その検出結果に応じ
て復号側に必要な情報を送るようにしている。その予測
エラーの検出は、角度予測部2401によって行われ
る。
【0196】その角度予測部2401は、ウェーブレッ
ト変換部101から実際に算出された第2段の位相角度
22f(x,y)(実位相角度)、及び画像の低周波成
分(縮小画像)を入力する。また、チェーン構成部10
3からチェーン位置情報を入力する。そのチェーン位置
情報で指定される各エッジ点の位相角度を、例えば上記
第4の実施の形態と同じようにして低周波成分から予測
し、その予測結果(予測位相角度)をウェーブレット変
換部101から入力した対応する実位相角度と比較する
ことにより、予測エラーを検出する。例えば、それらの
位相角度を比較した結果、互いに向きが反対方向である
といったように大きく異なっていた場合に、予測エラー
が発生したと判断する。角度符号化部2402には、各
チェーン毎に、予測エラーの発生の有無、それの内容を
表す情報を出力する。予測エラーの内容としては、例え
ば予測エラーが発生するエッジ点の位置情報、そのエッ
ジ点の実位相角度(或いはその向き)を出力する。
【0197】角度符号化部2402は、角度予測部24
01から送られた情報を予測エラー発生の有無に応じて
符号化し、それを角度符号化データとして伝送路107
に出力する。例えば、その角度符号化データとしては、
図25(a)に示すように、予測エラーが発生しなかっ
た場合にはエラーフラグ(図中に示す“f1”)だけを
符号化し、図25(b)に示すように、予測エラーが発
生した場合にはエラーフラグf1に加えて、予測エラー
が発生するエッジ点に関する情報が符号化される。エラ
ーフラグf1は、例えば1ビットのデータであり、予測
エラー発生時には“0”、それの発生時には“1”が格
納される。
【0198】そのような角度符号化データを復号側に送
った場合、復号側は予測エラー発生の有無に応じて位相
角度の修正を行うことができるようになり、予測エラー
に対処することができる。それにより、復号側では、低
周波成分からは位相角度を正確に予測できないエッジを
有していても、画像を常に高画質に復元することがで
き、様々な画像にも適切に対処することができるように
なる。発生符号量においては、予測エラーが発生するエ
ッジ点に関する情報を必要に応じて符号化するため、そ
の増大を抑えることができる。なお、予測エラーが発生
するエッジ点に関する情報としては、予測エラーが発生
するエッジ点の位置情報だけを符号化しても良い。その
位置情報だけを符号化しても、それが示すエッジ点で予
測位相角度と実位相角度の向きが大きく異なっているこ
とを復号側に伝えたことになるので、例えば予測位相角
度の向きを反対にするといったようにして復号側に予測
エラーに対処させることもできる。そのようにした場合
には、発生符号量の増大をより抑えることができる。
【0199】上記した角度予測部2401、角度符号化
部2402を備えた第5の実施の形態による画像符号化
装置の全体動作、即ち画像符号化の流れは、図14に示
すようになる。第2の実施の形態による画像符号化装置
のそれと基本的には同じである。第4の実施の形態と第
2の実施の形態とは、ステップ1406と1407の処
理内容だけが異なっている。そのため、第2の実施の形
態から異なるステップ1406と1407の処理につい
てのみ説明する。
【0200】ステップ1406では、角度予測部240
1が、チェーン構成部103から入力したチェーン位置
情報に従ってウェーブレット変換部101から入力した
画像の低周波成分上のエッジ点に該当する位置、及びそ
の周囲を参照し、画素の濃度値の変化からチェーン上の
各エッジ点の位相角度を予測する。その予想した各エッ
ジ点の位相角度は、ウェーブレット変換部101から入
力したチェーンの各点のそれと対応させて比較すること
で予想エラーを検出する。角度符号化部1102には、
エラーフラグf1、更にはその検出結果に応じて予測エ
ラーが発生するエッジ点に関する情報が出力される。
【0201】ステップ1406に続くステップ1407
では、角度符号化部2402が、角度予測部2401か
ら入力した上記の情報を符号化する。それにより、角度
符号化データが角度符号化部2402から伝送路107
に出力される。
【0202】第5の実施の形態でも、上記ステップ14
04〜1407の一連の処理を1チェーン毎に分けて繰
り返し行う。これにより、1チェーン毎に、それの符号
化データが、図25に示す形式で伝送路107に出力さ
れる。角度符号化部2402が最後のチェーンの角度符
号化データを出力し、更に振幅符号化部105が画像の
低周波成分(縮小画像)を符号化すると、1画像分の符
号化が完了し、図14に示す一連の処理が終了する。
【0203】次に、第5の実施の形態による画像復号化
装置について説明する。図26は、第5の実施の形態に
よる画像復号化装置の構成図である。この図26も、画
像復号化装置が備えた機能をブロック化してその構成を
表したものである。
【0204】図26に示す画像復号化装置において、図
7に示す第1の実施の形態による画像復号化装置と同じ
符号を付けた構成要素は、その動作内容が基本的に同一
である。このため、図7に表れていない符号を付けた構
成要素を中心に説明する。
【0205】上記したように、符号化側からは予測エラ
ーの検出結果に応じて角度符号化データが送出される。
その角度符号化データは、角度復号部2601によって
復号され、角度予測部2602に送られる。角度予測部
2602には、予測エラー発生の有無を示すエラーフラ
グf1、そのエラーフラグf1の値が“0”、即ち予測
エラーが発生する際にはそれが発生するエッジ点に関す
る情報、例えばそのエッジ点の位置情報、そのエッジ点
の実位相角度が角度復号部2601から送られる。
【0206】角度予測部2602には、それ以外に、チ
ェーン復号部701からチェーン位置情報、振幅復号部
702から画像の低周波成分(縮小画像)がそれぞれ入
力される。角度予測部2602は、エラーフラグf1の
値が“1”、即ち現在対象としているチェーンに予測エ
ラーが発生しない場合、チェーン位置情報に従って低周
波成分を参照し、上記第4の実施の形態と同じようにし
て、チェーンを構成する各エッジ点の位相角度をエッジ
点の周囲の濃度変化から予測する。エラーフラグf1の
値が“0”、即ち予測エラーが発生する場合には、角度
復号部2601が出力した位置情報から特定されるエッ
ジ点の位相角度に実位相角度を設定し、それ以外のエッ
ジ点(予測エラーが発生しないエッジ点)の位相角度は
チェーン位置情報と低周波成分から予測する。
【0207】復号側では、このようにして符号化側で行
った位相角度の予測エラーの検出結果を位相角度の設定
に反映させる。それにより、第4の実施の形態と比較し
て、位相角度をより正確に設定することができるように
なる。そのようにして設定した位相角度はチェーン毎に
まとめて画像再構成部705に送られる。そのため、画
像再構成部705は、第4の実施の形態と比較してより
高画質に画像を復号(再構成)することができる。
【0208】上記角度復号部2601、角度予測部26
02を備えた第5の実施の形態による画像復号化装置の
画像を復号する際の全体的な動作の流れは、第1の実施
の形態のそれと基本的には同じであり、図9に示すよう
になる。その図9に示す画像復号化処理において、角度
復号部2601の動作がステップ903の処理に、角度
予測部2602の動作がステップ904の処理に対応し
ている。角度復号部2601、角度予測部2602の動
作については上述したため、ここでは図9を参照しての
説明は省略する。
【0209】なお、第5の実施の形態では、低周波成分
から位相角度の予測が困難なエッジ点の位置情報、及び
それの実位相角度だけを復号側に送っているが、例えば
チェーン先頭のエッジ点の実位相角度も復号側に送るよ
うにしても良い。その場合には、復号側ではその実位相
角度を反映させて位相角度の予測を行うことができるよ
うになり、位相角度の予測がより容易となる。それによ
り、位相角度の予測が困難とするレベルを上げて、即ち
復号側に送るエッジ点の位置情報、及びそれの実位相角
度を減らして、角度符号化データのデータ量をより抑え
るようなことも可能である。 <第6の実施の形態>上記第3の実施の形態では、隣り
合うエッジ点の実位相角度のなかでその値が大きく変化
していた場合、本来は別にすべき複数のエッジを1つの
チェーンとして構成したとして、チェーンの分割・再構
成を行っている。しかし、位相角度の大幅な変化は、画
像信号f(x,y)(入力画像)に何らかの理由でノイ
ズが加わって発生した可能性もある。第6の実施の形態
は、そのようなノイズの影響を低減して、画像をより高
画質に復元できるようにしたものである。
【0210】復号側に送られる画像の低周波成分は、画
像をサブサンプリングといった手法で縮小(上述した実
施の形態では1/8倍)した縮小画像である。上記した
ように、画像は縮小するとノイズが除去される傾向があ
る。このことから、第6の実施の形態では、画像の低周
波成分(縮小画像)を利用し、その低周波成分から位相
角度を予測して、チェーンの分割・再構成を行ってい
る。画像の低周波成分からの位相角度の予測は、例えば
上記第4の実施の形態の手法を用いて行うことができ
る。
【0211】図28は、第6の実施の形態におけるチェ
ーンの分割方法を説明する図である。あるチェーンを構
成する各エッジ点の位相角度によってチェーンの分割を
行う様子を示している。この図28を参照して、チェー
ンの分割方法について詳細に説明する。その図28にお
いて、P1〜P6、P1’〜P3’はエッジ点、A1〜
A6は演算によって求めた実位相角度、A1’〜A3’
は画像の低周波成分から求めた予測位相角度をそれぞれ
示している。また、各エッジ点を結ぶ点線は、その時点
で構成されているチェーン(エッジ)の形状を表してい
る。
【0212】図28に示すチェーンでは、エッジ点を結
ぶ点線の何れの側にあるかで実位相角度の向きを分ける
と、実位相角度A1〜A3と実位相角度A4〜A6の向
きは互いに反対方向となっている。エッジ点P3とP4
の間で実位相角度が大幅に変化している。このように実
位相角度に大幅な変化が見られる場合、第6の実施の形
態では、画像の低周波成分から予測した各エッジ点P1
〜P6の位相角度と(予測位相角度)と実位相角度とを
比較し、その比較結果に応じてチェーンの分割・再構成
を行っている。図28に示す例では、具体的には以下の
ようにして行っている。
【0213】予測位相角度と実位相角度が予め定めた許
容範囲内で一致し、低周波成分から求めた位相角度が演
算によって求めた位相角度を支持していた場合、例えば
隣接する領域で形成されている隣り合ったエッジを1つ
のチェーンとして構成したように、本来は別にすべき複
数のエッジを1つのチェーンとして構成したエラーが発
生したとして、実位相角度が大幅に変化した部分でチェ
ーンを分割させる。図28に示す例では、エッジ点P3
とP4の間でチェーンを分割し、エッジ点P1〜P3で
構成されるチェーンと、エッジ点P1’〜P3’で構成
されるチェーンとに分割させている。
【0214】なお、これは他のエッジ点においても同じ
であるが、再構成(分割)前のエッジ点P4を再構成後
はP1’としているのは、チェーンの再構成に伴いエッ
ジ点の扱いが変化するためである。また、上記許容範囲
としては、第6の実施の形態では位相角度の向きが同一
方向内を許容範囲として設定している。
【0215】その一方、予測位相角度と実位相角度が予
め定めた許容範囲内で一致せず、低周波成分から求めた
位相角度と演算によって求めた位相角度が異なっていた
場合、より具体的には低周波成分から求めた位相角度に
は大幅な変化が見られなかった場合、実位相角度の大幅
な変化はノイズによるものであるとして、チェーンを分
割しない。
【0216】この場合、第6の実施の形態では、低周波
成分から求めた位相角度と大きく異なっていた(向きが
反対となっていた)実位相角度を廃棄し、その換わりに
低周波成分から求めた位相角度を採用している。図28
に示す例では、予測位相角度と実位相角度とを対比した
結果に従って、エッジ点P4〜P6の位相角度をA4〜
A6からA4’〜A6’に変更(補正)したことを表し
ている。復号側には、位相角度をより高精度に予測でき
るように、位相角度を変更したエッジ点の位置情報、及
びそのエッジ点の変更後の位相角度を符号化して送って
いる。
【0217】チェーンの分割・再構成を行うか否かの判
断に画像の低周波成分から予測した位相角度を用いた場
合、ノイズの影響が低減されるため、第3の実施の形態
と比較してチェーンをより正確に構成させることができ
るようになる。それにより、画像もより高画質に復元で
きるようになる。第6の実施の形態では、位相角度も復
号側に送っているため、復元される画像の画質は更に向
上することになる。
【0218】図27は、上記チェーンの分割を行う第6
の実施の形態による画像符号化装置の構成図である。第
6の実施の形態による画像符号化装置が備えた機能をブ
ロック化してその構成を表したものである。図1に示す
第1の実施の形態による画像符号化装置と同じ符号を付
けた構成要素は、その動作内容が基本的に同一である。
このため、図1に表れていない符号を付けた構成要素を
中心に説明する。
【0219】チェーン構成部2701は、ローカルマキ
シマ検出部102が検出したエッジ点の位置、画像振幅
22f(x,y)、及び実位相角度(A22f(x,
y))を基に、隣接したエッジ点を接続してチェーンを
構成する。構成したチェーンを表すチェーン位置情報を
振幅符号化部105、及び角度予測部2702に送る。
【0220】角度予測部2702は、上記チェーン位置
情報の他に、ウェーブレット変換部101から画像の低
周波成分、及び実位相角度を受け取る。チェーン位置情
報に従い、実位相角度のなかからチェーン上の各エッジ
点の実位相角度を抽出するとともに、画像の低周波成分
を参照して各エッジ点の位相角度を予測する。隣接する
エッジ点の間で予測位相角度が大幅に変化することな
く、実位相角度と予測位相角度が一致していた場合、そ
の旨をチェーン構成部2701に通知して、現在処理対
象としているチェーンの構成を確定させる。そうでない
場合には、即ち隣接するエッジ点の間で予測位相角度の
大幅な変化が見られた場合には、その旨をチェーン構成
部2701に通知し、その大幅な変化が起こっているエ
ッジ点間でチェーンを分割させる再構成をチェーン構成
部2701に行わせる。その再構成は、隣接するエッジ
点間で予測位相角度の大幅な変化が見られなくなるまで
行わせる。
【0221】上記のようなチェーンの再構成をチェーン
構成部2701に行わせることで、ノイズの影響が低減
され、且つ視覚特性にも合ったチェーンが最終的に構成
されることになる。
【0222】角度予測部2702は、そのように構成さ
れたチェーンの先頭に位置するエッジ点の位相角度(実
位相角度、或いは予測位相角度)を角度符号化部270
3に送出し、それを符号化させる。これは、図28に示
すように、実位相角度と予測位相角度が一致しつつ、チ
ェーンを再構成させる場合があるためである。その場合
には、確定後のチェーンでは隣接するエッジ点間で位相
角度の大幅な変化はないため、復号側ではチェーン先頭
のエッジ点の位相角度だけで他のエッジ点の位相角度も
高精度に予測することができる。
【0223】その一方、チェーンの再構成を行うことな
く、実位相角度と予測位相角度が一致していないエッジ
点の位相角度を変更した場合には、その変更をしたエッ
ジ点の位置情報、及び変更後の位相角度(予測位相角
度)を角度予測部2702は角度符号化部2703に送
出し、それを符号化させる。それらの情報を位相角度の
予測に反映することで、復号側は他のエッジ点の位相角
度を高精度に予測することができる。
【0224】角度符号化部2703は、角度予測部27
02から送られる上記の情報を符号化し、角度符号化デ
ータとして伝送路107に送出する。そのため、その角
度符号化データの構成としては、第2の実施の形態と同
じように、図13、或いは図16に示すようになる。
【0225】なお、これは第2の実施の形態においても
同様であるが、変更後の位相角度は必ずしも符号化しな
くても良い。これは、位相角度が変更されたエッジ点の
位置情報によって、例えば予測される位相角度の向きを
反対方向にするといったように、そのエッジ点で予測さ
れる位相角度の補正を復号側で行うこともできるためで
ある。
【0226】上記したチェーン構成部2701、角度予
測部2702、角度符号化部2703を備えた第6の実
施の形態による画像符号化装置の全体動作、即ち画像符
号化の流れは、図20に示すようになる。第3の実施の
形態による画像符号化装置のそれと基本的には同じであ
る。そのため、詳細な説明は省略するが、図20におい
て、上記チェーン構成部2701、角度予測部270
2、角度符号化部2703は、ステップ2003〜20
05の処理ループ、及びステップ2008の処理を実現
する動作を行う。また、復号側については、図7に示す
第1の実施の形態による画像復号化装置と同じであるた
め、その説明は省略する。
【0227】なお、第6の実施の形態では、チェーンの
位相角度(先頭のエッジ点、及び位相角度が変更された
エッジ点の変更後の位相角度)も復号側に送るようにし
ているが、その位相角度は必ずしも復号側に送らなくと
も良い。位相角度を送らなくとも、チェーンはより高精
度に構成されているため、従来、或いは第3の実施の形
態と比較しても、画像をより高画質に復元することがで
きる。
【0228】位相角度を復号側に送らないようにする
と、復号側には画像の低周波成分が送られることから、
符号化側ではなく、復号側でチェーンの再構成を行わせ
るようにすることもできる。換言すれば、第6の実施の
形態と上記第4の実施の形態を組み合わせるようなこと
もできる。そのようにした場合には、更に上記第5の実
施の形態を組み合わせて、低周波成分から位相角度を予
測できないエッジ点の実位相角度を復号側に送るように
することが望ましい。
【0229】上記した実施の形態(変形例も含む)は、
特別に構築したシステムではなく、例えばパーソナルコ
ンピュータといった身近なシステムで実現させることも
できる。そのため、上記した各部の動作を実現させるた
めのプログラムを用意し、そのプログラムをCD−RO
Mといった記憶媒体に格納して、或いは何らかの通信手
段(例えば公衆網)を介して配布するようにしても良
い。そのようにした場合には、個人で上記実施の形態に
対応するシステムを容易、且つ任意に構築できるように
なり、画像の蓄積、伝送、受信、及び復元(再生)に利
用することができる。それにより、高い利便性も得られ
るようになる。
【0230】
【発明の効果】以上説明したように本発明(第1、第
2、第5、及び第6の実施の形態)では、符号化側が従
来符号化されていなかった位相角度(それを表す情報を
含む)を符号化する項目に新たに加え、それを他の項目
の情報とともに符号化し、他方の復号側は、符号化され
た位相角度を復号して、その位相角度を他の位相角度の
予測に反映させる。そのため、位相角度の精度が向上
し、その位相角度を用いて復号された画像信号からはよ
り高画質の画像(復号画像)を得ることができる。
【0231】また、本発明(第2の実施の形態)では、
符号化側でチェーンの各エッジ点の位相角度を予測し、
該予測した位相角度を算出した位相角度と比較すること
により予測エラーを検出し、その予測エラーに関する情
報を符号化する項目に新たに追加して、それを他の項目
の情報とともに符号化し、他方の復号側は、符号化され
た予測エラーに関する情報を復号し、その情報を反映さ
せて位相角度の予測を行う。そのため、予測エラーによ
る影響が回避されて位相角度の精度が向上し、より高画
質の復号画像を得ることができる。
【0232】上記各発明における発生符号量について
は、例えば、チェーンの先頭位置といった位相角度の予
測において特に重要なエッジ点の位相角度のみを抽出し
て符号化、或いは上記のように、予測エラーが発生する
エッジ点のその予測エラーに関する情報を選択して符号
化することで、発生符号量の増大を抑えつつ、高画質の
復号画像を得ることができる。
【0233】また、本発明(第3の実施の形態)では、
符号化側でチェーンの各エッジ点の位相角度を予測し、
該予測した位相角度を算出した位相角度と比較すること
で検出した予測エラーを基に、チェーンの再構成を行う
ため、復号側が予測エラーとなるような位相角度を予測
することを確実に回避することができる。それにより、
発生符号量の増大を回避しつつ、高画質の復号画像を得
ることができるようになる。
【0234】また、本発明(第4の実施の形態)では、
復号側が符号化側から送られる画像の低周波成分を基に
チェーン上の各エッジ点の位相角度を予測し、その予測
した位相角度を用いて画像信号の復号を行う。画像の低
周波成分は従来より符号化されていた情報であり、その
低周波成分ではノイズ分が除去される傾向にある。その
ため、発生符号量の増大を回避しつつ、ノイズ分を除去
して復号画像の画質を向上させることができる。
【0235】更に、本発明(第5の実施の形態)では、
符号化側が、画像の低周波成分に基づいた位相角度の予
測に加え、画像の低周波成分から予測できない、或いは
高精度に予測できないといった予測エラーを検出して、
その予測エラーに関する情報も符号化する。そのため、
上記の発明と比較して、復号画像の画質をより向上させ
ることができる。発生符号量においては、予測エラーが
発生するエッジ点のそれに関する情報を選択して符号化
するため、その増大を抑えることができる。
【0236】また、本発明(第6の実施の形態)では、
符号化側が画像の低周波成分から位相角度を予測し、予
測した位相角度を基にチェーンの再構成を行うととも
に、算出した位相角度と低周波成分から求めた位相角度
との間に許容範囲外の差があるエッジ点の位相角度を、
例えば低周波成分から求めた位相角度に補正して、その
補正内容を表す情報も符号化し、復号側は、その補正内
容を表す情報を反映させて位相角度の予測を行う。その
ため、復号画像のノイズ分を除去してその画質を向上さ
せることができる。復号側が必要な情報(補正内容を表
す情報)だけを選択的に符号化するため、発生符号量の
増大も抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態による画像符号化装置の構成
図である。
【図2】エッジ検出、及びエッジ上の位相角度を説明す
る図である。
【図3】チェーン符号化方法を説明するための図であ
る。
【図4】構成されたチェーン例を示す図である。
【図5】1チェーン当たりの符号化データの構造を示す
図である。
【図6】画像符号化処理の動作フローチャートである。
【図7】第1の実施の形態による画像復号化装置の構成
図である。
【図8】位相角度の予測方法を説明する図である。
【図9】画像復号化処理の動作フローチャートである。
【図10】第1の実施の形態の変形例による位相角度の
符号化を説明する図である。
【図11】第2の実施の形態による画像符号化装置の構
成図である。
【図12】チェーンの形状から予測した位相角度と実際
の位相角度の例を示す図である。
【図13】1チェーン当たりの符号化データの構造を示
す図である(第2の実施の形態)。
【図14】画像符号化処理の動作フローチャートである
(第2の実施の形態)。
【図15】予測した位相角度を実際の位相角度と対比す
る動作を示すフローチャートである。
【図16】1チェーン当たりの符号化データの構造を示
す図である(第2の実施の形態の変形例)。
【図17】第3の実施の形態による画像符号化装置の構
成図である。
【図18】構成したチェーンの一例を示す図である。
【図19】予測エラーが発生したチェーンの再構成を説
明する図である。
【図20】画像符号化処理の動作フローチャートである
(第3の実施の形態)。
【図21】第4の実施の形態による画像復号化装置の構
成図である。
【図22】画像復号化処理の動作フローチャートである
(第4の実施の形態)。
【図23】位相角度の予測方法を説明する図である(第
4の実施の形態)。
【図24】第5の実施の形態による画像符号化装置の構
成図である。
【図25】1チェーン当たりの符号化データの構造を示
す図である(第5の実施の形態)。
【図26】第5の実施の形態による画像復号化装置の構
成図である。
【図27】第6の実施の形態による画像符号化装置の構
成図である。
【図28】チェーンの分割方法を説明する図である(第
6の実施の形態)。
【図29】符号化される画像の低周波成分を説明する図
である。
【符号の説明】
101 ウェーブレット変換部 102 ローカルマキシマ検出部 103、1701、2701 チェーン構成部 104 チェーン符号化部 105 振幅符号化部 106、1102、1703、2402、2703 角
度符号化部 704、1101、1702、2101、2401、2
602、2702角度予測部 701 チェーン復号部 702 振幅復号部 703 角度復号部 705 画像再構成部

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像信号から画像上に存在するエッジに
    対応している部分を検出して前記画像信号を符号化する
    装置であって、 前記画像信号にスケールが異なる複数段のウェーブレッ
    ト変換を施して、各段毎のウェーブレット変換係数を求
    めるウェーブレット変換手段と、 前記ウェーブレット変換手段が出力した各段のウェーブ
    レット変換係数を用いて、画像振幅、及び位相角度を算
    出する算出手段と、 前記算出手段が算出した所定段の画像振幅、及び位相角
    度に基づいて、前記エッジを形成しているエッジ点を検
    出するエッジ検出手段と、 前記エッジ検出手段が検出したエッジ点を接続してチェ
    ーンを構成するチェーン構成手段と、 前記画像信号の低周波成分を符号化する第1の符号化手
    段と、 前記チェーン構成手段が構成したチェーンを符号化する
    とともに、該チェーンに沿って、前記算出手段から入力
    した各段毎の前記画像振幅、及び前記所定段の位相角度
    を抽出して符号化する第2の符号化手段と、 を具備したことを特徴とする画像符号化装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の符号化手段は、前記チェーン
    毎に、該チェーンの先頭のエッジ点における位相角度だ
    けを抽出して符号化する、 ことを特徴とする請求項1記載の画像符号化装置。
  3. 【請求項3】 画像信号から画像上に存在するエッジに
    対応している部分を検出して前記画像信号を符号化する
    装置であって、 前記画像信号にスケールが異なる複数段のウェーブレッ
    ト変換を施して、各段毎のウェーブレット変換係数を求
    めるウェーブレット変換手段と、 前記ウェーブレット変換手段が出力した各段のウェーブ
    レット変換係数を用いて、画像振幅、及び位相角度を算
    出する算出手段と、 前記算出手段が算出した所定段の画像振幅、及び位相角
    度に基づいて、前記エッジを形成しているエッジ点を検
    出するエッジ検出手段と、 前記エッジ検出手段が検出したエッジ点を接続してチェ
    ーンを構成するチェーン構成手段と、 前記チェーン構成手段が構成したチェーン毎に、該チェ
    ーン上の各エッジ点の位相角度を予測する位相角度予測
    手段と、 前記位相角度予測手段が予測した位相角度を、前記算出
    手段が算出した前記所定段の位相角度と対応させて比較
    することにより、予測エラーを検出する予測エラー検出
    手段と、 前記画像信号の低周波成分を符号化する第1の符号化手
    段と、 前記チェーン構成手段が構成したチェーンを符号化する
    とともに、該チェーンに沿って、前記算出手段から入力
    した各段毎の前記画像振幅を抽出して符号化する第2の
    符号化手段と、 前記予測エラー検出手段が検出した予測エラーに関する
    情報を符号化する第3の符号化手段と、 を具備したことを特徴とする画像符号化装置。
  4. 【請求項4】 前記第3の符号化手段は、前記予測エラ
    ーに関する情報として、前記チェーン毎に、前記予測エ
    ラーの発生の有無を表すフラグ、該予測エラーが発生し
    たエッジ点の位置、及び該予測エラーが発生したエッジ
    点で算出された位相角度を、前記予測エラーの発生の有
    無に応じて符号化する、 ことを特徴とする請求項3記載の画像符号化装置。
  5. 【請求項5】 前記位相角度予測手段は、前記予測エラ
    ー検出手段が予測エラーを検出した場合、該予測エラー
    の検出結果を反映させた前記位相角度の予測を行う、 ことを特徴とする請求項3、または4記載の画像符号化
    装置。
  6. 【請求項6】 画像信号から画像上に存在するエッジに
    対応している部分を検出して前記画像信号を符号化する
    装置であって、 前記画像信号にスケールが異なる複数段のウェーブレッ
    ト変換を施して、各段毎のウェーブレット変換係数を求
    めるウェーブレット変換手段と、 前記ウェーブレット変換手段が出力した各段のウェーブ
    レット変換係数を用いて、画像振幅、及び位相角度を算
    出する算出手段と、 前記算出手段が算出した所定段の画像振幅、及び位相角
    度に基づいて、前記エッジを形成しているエッジ点を検
    出するエッジ検出手段と、 前記エッジ検出手段が検出したエッジ点を接続してチェ
    ーンを構成するチェーン構成手段と、 前記チェーン構成手段が構成したチェーン毎に、該チェ
    ーン上の各エッジ点の位相角度を予測する位相角度予測
    手段と、 前記位相角度予測手段が予測した位相角度を、前記算出
    手段が算出した前記所定段の位相角度と対応させて比較
    することにより予測エラーを検出し、該予測エラーを検
    出した場合に、該予測エラーに関する情報を前記チェー
    ン構成手段に送出し、前記チェーン構成手段に前記チェ
    ーンの再構成を行わせる予測エラー検出手段と、 前記画像信号の低周波成分を符号化する第1の符号化手
    段と、 前記チェーン構成手段が構成、或いは再構成したチェー
    ンを符号化するとともに、該チェーンに沿って、前記算
    出手段から入力した各段毎の前記画像振幅を抽出して符
    号化する第2の符号化手段と、 を具備したことを特徴とする画像符号化装置。
  7. 【請求項7】 画像信号から画像上に存在するエッジに
    対応している部分を検出して前記画像信号を符号化する
    装置であって、 前記画像信号にスケールが異なる複数段のウェーブレッ
    ト変換を施して、各段毎のウェーブレット変換係数を求
    めるウェーブレット変換手段と、 前記ウェーブレット変換手段が出力した各段のウェーブ
    レット変換係数を用いて、画像振幅、及び位相角度を算
    出する算出手段と、 前記算出手段が算出した所定段の画像振幅、及び位相角
    度に基づいて、前記エッジを形成しているエッジ点を検
    出するエッジ検出手段と、 前記エッジ検出手段が検出したエッジ点を接続してチェ
    ーンを構成するチェーン構成手段と、 前記チェーン構成手段が構成したチェーン毎に、該チェ
    ーン上の各エッジ点の位相角度を前記画像信号の低周波
    成分から予測する位相角度予測手段と、 前記位相角度予測手段が予測した位相角度を、前記算出
    手段が算出した前記所定段の位相角度と対応させて比較
    することにより、前記画像信号の低周波成分から行う前
    記位相角度の予測に予測エラーが発生するか否か検出す
    る予測エラー検出手段と、 前記画像信号の低周波成分を符号化する第1の符号化手
    段と、 前記チェーン構成手段が構成したチェーン、及び該チェ
    ーンに沿って、前記算出手段から入力した各段毎の前記
    画像振幅を抽出して符号化する第2の符号化手段と、 前記予測エラー検出手段の検出結果に応じて、前記予測
    エラーに関する情報を符号化する第3の符号化手段と、 を具備したことを特徴とする画像符号化装置。
  8. 【請求項8】 画像信号から画像上に存在するエッジに
    対応している部分を検出して前記画像信号を符号化する
    装置であって、 前記画像信号にスケールが異なる複数段のウェーブレッ
    ト変換を施して、各段毎のウェーブレット変換係数を求
    めるウェーブレット変換手段と、 前記ウェーブレット変換手段が出力した各段のウェーブ
    レット変換係数を用いて、画像振幅、及び位相角度を算
    出する算出手段と、 前記算出手段が算出した所定段の画像振幅、及び位相角
    度に基づいて、前記エッジを形成しているエッジ点を検
    出するエッジ検出手段と、 前記エッジ検出手段が検出したエッジ点を接続してチェ
    ーンを構成するチェーン構成手段と、 前記チェーン構成手段が構成したチェーン毎に、該チェ
    ーン上の各エッジ点の位相角度を前記画像信号の低周波
    成分から予測する位相角度予測手段と、 前記位相角度予測手段が予測した位相角度、及び前記算
    出手段が算出した前記所定段の位相角度に基づいて、前
    記チェーン構成手段に前記チェーンの再構成を行わせる
    とともに、前記所定段の位相角度を補正する補正手段
    と、 前記画像信号の低周波成分を符号化する第1の符号化手
    段と、 前記チェーン構成手段が構成、或いは再構成したチェー
    ンを符号化するとともに、該チェーンに沿って、前記算
    出手段から入力した各段毎の前記画像振幅を抽出して符
    号化する第2の符号化手段と、 前記補正手段が前記所定段の位相角度に対して行った補
    正の内容を表す情報を符号化する第3の符号化手段と、 を具備したことを特徴とする画像符号化装置。
  9. 【請求項9】 前記補正手段は、前記位相角度予測手段
    が予測した隣接するエッジ点間の位相角度に予め定めた
    許容範囲外の変化が生じていた場合、該変化が生じたエ
    ッジ点間で前記チェーンを分割する再構成を前記チェー
    ン構成手段に行わせ、前記位相角度予測手段が予測した
    位相角度と前記許容範囲外の差が生じている前記所定段
    の位相角度が存在していた場合には、前記許容範囲外の
    差が生じている前記所定段の位相角度を対応する前記予
    測した位相角度に補正し、 前記第3の符号化手段は、前記補正手段が位相角度を補
    正したエッジ点、該エッジ点の補正後の位相角度を特定
    するための情報を、前記補正の内容を表す情報として少
    なくとも符号化する、 ことを特徴とする請求項8記載の画像符号化装置。
  10. 【請求項10】 画像信号から画像上に存在するエッジ
    に対応している部分を検出して前記画像信号を符号化す
    るための方法であって、 前記画像信号にスケールが異なる複数段のウェーブレッ
    ト変換を施して、各段毎のウェーブレット変換係数を求
    め、 該各段のウェーブレット変換係数を用いて、画像振幅、
    及び位相角度を算出し、 該算出した所定段の画像振幅、及び位相角度に基づい
    て、前記エッジを形成しているエッジ点を検出し、 該検出したエッジ点を接続してチェーンを構成し、 前記画像信号の低周波成分、及び前記チェーンを符号化
    するとともに、該チェーンに沿って、各段の前記画像振
    幅、及び前記所定段の位相角度を抽出して符号化する、 ことを特徴とする画像符号化方法。
  11. 【請求項11】 前記所定段の位相角度は、前記チェー
    ン毎に、該チェーンの先頭のエッジ点における位相角度
    だけを抽出して符号化する、 ことを特徴とする請求項10記載の画像符号化方法。
  12. 【請求項12】 画像信号から画像上に存在するエッジ
    に対応している部分を検出して前記画像信号を符号化す
    るための方法であって、 前記画像信号にスケールが異なる複数段のウェーブレッ
    ト変換を施して、各段毎のウェーブレット変換係数を求
    め、 該各段のウェーブレット変換係数を用いて、画像振幅、
    及び位相角度を算出し、 該算出した所定段の画像振幅、及び位相角度に基づい
    て、前記エッジを形成しているエッジ点を検出し、 該検出したエッジ点を接続してチェーンを構成し、 該構成したチェーン毎に、該チェーン上の各エッジ点の
    位相角度を予測し、 該予測した位相角度を、前記算出した所定段の位相角度
    と対応させて比較することにより予測エラーを検出し、 前記画像信号の低周波成分、前記チェーン、該チェーン
    に沿って抽出した各段の前記画像振幅、及び前記予測エ
    ラーに関する情報を符号化する、 ことを特徴とする画像符号化方法。
  13. 【請求項13】 前記予測エラーに関する情報として、
    前記チェーン毎に、前記予測エラーの発生の有無を表す
    フラグ、該予測エラーが発生したエッジ点の位置、及び
    該エッジ点で算出された前記所定段の位相角度を、前記
    予測エラーの発生の有無に応じて符号化する、 ことを特徴とする請求項12記載の画像符号化方法。
  14. 【請求項14】 前記位相角度の予測は、前記予測エラ
    ーの検出結果を反映させて行う、 ことを特徴とする請求項12、または13記載の画像符
    号化方法。
  15. 【請求項15】 画像信号から画像上に存在するエッジ
    に対応している部分を検出して前記画像信号を符号化す
    るための方法であって、 前記画像信号にスケールが異なる複数段のウェーブレッ
    ト変換を施して、各段毎のウェーブレット変換係数を求
    め、 該各段のウェーブレット変換係数を用いて、画像振幅、
    及び位相角度を算出し、 該算出した所定段の画像振幅、及び位相角度に基づい
    て、前記エッジを形成しているエッジ点を検出し、 該検出したエッジ点を接続してチェーンを構成し、 該構成したチェーン毎に、該チェーン上の各エッジ点の
    位相角度を予測し、 該予測した位相角度を、前記算出した所定段の位相角度
    と対応させて比較することにより予測エラーを検出し、 該予測エラーを検出した場合、該検出結果を反映させた
    前記チェーンの再構成を、再構成後のチェーンから予測
    エラーを検出しなくなるまで繰り返し行い、 前記画像信号の低周波成分、前記予測エラーが検出され
    なくなった後のチェーン、及び該チェーンに沿って抽出
    した各段の前記画像振幅を符号化する、 ことを特徴とする画像符号化方法。
  16. 【請求項16】 画像信号から画像上に存在するエッジ
    に対応している部分を検出して前記画像信号を符号化す
    るための方法であって、 前記画像信号にスケールが異なる複数段のウェーブレッ
    ト変換を施して、各段毎のウェーブレット変換係数を求
    め、 該各段のウェーブレット変換係数を用いて、画像振幅、
    及び位相角度を算出し、 該算出した所定段の画像振幅、及び位相角度に基づい
    て、前記エッジを形成しているエッジ点を検出し、 該検出したエッジ点を接続してチェーンを構成し、 該構成したチェーン毎に、該チェーン上の各エッジ点の
    位相角度を前記画像信号の低周波成分から予測し、 該予測した位相角度を、前記算出した所定段の位相角度
    と対応させて比較することにより、前記画像信号の低周
    波成分から行う前記位相角度の予測に予測エラーが発生
    するか否か検出し、 前記画像信号の低周波成分、前記チェーン、及び該チェ
    ーンに沿って抽出した各段の前記画像振幅を符号化する
    とともに、前記予測エラーの検出結果に応じて前記予測
    エラーに関する情報を符号化する、 ことを特徴とする画像符号化方法。
  17. 【請求項17】 画像信号から画像上に存在するエッジ
    に対応している部分を検出して前記画像信号を符号化す
    るための方法であって、 前記画像信号にスケールが異なる複数段のウェーブレッ
    ト変換を施して、各段毎のウェーブレット変換係数を求
    め、 該各段のウェーブレット変換係数を用いて、画像振幅、
    及び位相角度を算出し、 該算出した所定段の画像振幅、及び位相角度に基づい
    て、前記エッジを形成しているエッジ点を検出し、 該検出したエッジ点を接続してチェーンを構成し、 該構成したチェーン毎に、該チェーン上の各エッジ点の
    位相角度を前記画像信号の低周波成分から予測し、 該予測した位相角度及び前記算出した所定段の位相角度
    に基づいて、前記チェーンの再構成を行わせるととも
    に、前記所定段の位相角度を補正し、 前記画像信号の低周波成分、前記構成、或いは再構成し
    たチェーン、該チェーンに沿って抽出した各段の前記画
    像振幅、及び前記所定段の位相角度に対して行った補正
    の内容を表す情報をそれぞれ符号化する、 ことを特徴とする画像符号化方法。
  18. 【請求項18】 請求項1、または2記載の画像符号化
    装置が生成した符号化データ、或いは請求項10、また
    は11記載の画像符号化方法により生成された符号化デ
    ータから前記画像信号を復号する装置であって、 前記画像信号の低周波成分を復号する第1の復号手段
    と、 前記チェーン、前記各段の画像振幅、及び前記所定段の
    位相角度を復号する第2の復号手段と、 前記第2の復号手段が復号した各段の画像振幅、及び前
    記所定段の位相角度からウェーブレット変換係数を各段
    毎に求めてそれらを再構成し、該再構成後のウェーブレ
    ット変換係数に逆ウェーブレット変換を施すことで得た
    信号成分を、前記チェーンに沿って前記低周波成分に加
    えることで、前記画像信号を復号する再構成手段と、 を具備したことを特徴とする画像復号化装置。
  19. 【請求項19】 請求項1、または2記載の画像符号化
    装置が生成した符号化データ、或いは請求項10、また
    は11記載の画像符号化方法により生成された符号化デ
    ータから前記画像信号を復号する装置であって、 前記画像信号の低周波成分を復号する第1の復号手段
    と、 前記チェーン、前記各段の画像振幅、及び前記所定段の
    位相角度を復号する第2の復号手段と、 前記第2の復号手段が復号した位相角度を反映させて、
    前記チェーン上の各エッジ点の位相角度を予測する位相
    角度予測手段と、 前記第2の復号手段が出力した各段の画像振幅、及び前
    記位相角度予測手段が出力した位相角度からウェーブレ
    ット変換係数を各段毎に求めてそれらを再構成し、該再
    構成後のウェーブレット変換係数に逆ウェーブレット変
    換を施すことで得た信号成分を、前記チェーンに沿って
    前記低周波成分に加えることで、前記画像信号を復号す
    る再構成手段と、 を具備したことを特徴とする画像復号化装置。
  20. 【請求項20】 請求項3、4、または5記載の画像符
    号化装置が生成した符号化データ、或いは請求項12、
    13、または14記載の画像符号化方法により生成され
    た符号化データから前記画像信号を復号する装置であっ
    て、 前記画像信号の低周波成分を復号する第1の復号手段
    と、 前記チェーン、及び前記各段の画像振幅を復号する第2
    の復号手段と、 前記予測エラーに関する情報を復号する第3の復号手段
    と、 前記第3の復号手段が復号した予測エラーに関する情報
    を反映させて、前記チェーン上の各エッジ点の位相角度
    を予測する位相角度予測手段と、 前記第2の復号手段が出力した各段の画像振幅、及び前
    記位相角度予測手段が出力した位相角度からウェーブレ
    ット変換係数を各段毎に求めてそれらを再構成し、該再
    構成後のウェーブレット変換係数に逆ウェーブレット変
    換を施すことで得た信号成分を、前記チェーンに沿って
    前記低周波成分に加えることで、前記画像信号を復号す
    る再構成手段と、 を具備したことを特徴とする画像復号化装置。
  21. 【請求項21】 画像信号に複数段のウェーブレット変
    換を施すことにより符号化される該画像信号の低周波成
    分、該画像信号によって表現される画像上に存在するエ
    ッジ点を接続して構成したチェーン、及び該チェーンに
    沿って抽出した各段の画像振幅から、該画像信号を復号
    する装置であって、 前記画像信号の低周波成分、前記チェーン、及び前記各
    段の画像振幅を復号する復号手段と、 前記復号手段が復号した画像信号の低周波成分から、前
    記チェーン上の各エッジ点の位相角度を予測する位相角
    度予測手段と、 前記復号手段が復号した各段の画像振幅、及び前記位相
    角度予測手段が予測した位相角度からウェーブレット変
    換係数を各段毎に求めてそれらを再構成し、該再構成後
    のウェーブレット変換係数に逆ウェーブレット変換を施
    すことで得た信号成分を、前記チェーンに沿って前記低
    周波成分に加えることで、前記画像信号を復号する再構
    成手段と、 を具備したことを特徴とする画像復号化装置。
  22. 【請求項22】 請求項7記載の画像符号化装置が生成
    した符号化データ、或いは請求項16記載の画像符号化
    方法により生成された符号化データから前記画像信号を
    復号する装置であって、 前記画像信号の低周波成分を復号する第1の復号手段
    と、 前記チェーン、及び前記各段の画像振幅を復号する第2
    の復号手段と、 前記予測エラーに関する情報を復号する第3の復号手段
    と、 前記第3の復号手段が復号した予測エラーに関する情報
    を反映させて、前記チェーン上の各エッジ点の位相角度
    を前記画像信号の低周波成分から予測する位相角度予測
    手段と、 前記第2の復号手段が復号した各段の画像振幅、及び前
    記位相角度予測手段が予測した位相角度からウェーブレ
    ット変換係数を各段毎に求めてそれらを再構成し、該再
    構成後のウェーブレット変換係数に逆ウェーブレット変
    換を施すことで得た信号成分を、前記チェーンに沿って
    前記低周波成分に加えることで、前記画像信号を復号す
    る再構成手段と、 を具備したことを特徴とする画像復号化装置。
  23. 【請求項23】 請求項8、または9記載の画像符号化
    装置が生成した符号化データ、或いは請求項17記載の
    画像符号化方法により生成された符号化データから前記
    画像信号を復号する装置であって、 前記画像信号の低周波成分を復号する第1の復号手段
    と、 前記チェーン、及び前記各段の画像振幅を復号する第2
    の復号手段と、 前記位相角度に対して行われた補正内容を表す情報を復
    号する第3の復号手段と、 前記第3の復号手段が復号した補正内容を表す情報を反
    映させて、前記チェーン上の各エッジ点の位相角度を前
    記画像信号の低周波成分から予測する位相角度予測手段
    と、 前記第2の復号手段が復号した各段の画像振幅、及び前
    記位相角度予測手段が予測した位相角度からウェーブレ
    ット変換係数を各段毎に求めてそれらを再構成し、該再
    構成後のウェーブレット変換係数に逆ウェーブレット変
    換を施すことで得た信号成分を、前記チェーンに沿って
    前記低周波成分に加えることで、前記画像信号を復号す
    る再構成手段と、 を具備したことを特徴とする画像復号化装置。
  24. 【請求項24】 請求項1、または2記載の画像符号化
    装置が生成した符号化データ、或いは請求項10、また
    は11記載の画像符号化方法により生成された符号化デ
    ータから前記画像信号を復号するための方法であって、 前記画像信号の低周波成分、前記チェーン、前記各段の
    画像振幅、及び前記所定段の位相角度をそれぞれ復号
    し、 該復号した各段の画像振幅、及び前記所定段の位相角度
    からウェーブレット変換係数を各段毎に求めてそれらを
    再構成し、 該再構成後のウェーブレット変換係数に逆ウェーブレッ
    ト変換を施すことで得た信号成分を、前記チェーンに沿
    って前記低周波成分に加えて前記画像信号を復号する、 ことを特徴とする画像復号化方法。
  25. 【請求項25】 請求項1、または2記載の画像符号化
    装置が生成した符号化データ、或いは請求項10、また
    は11記載の画像符号化方法により生成された符号化デ
    ータから前記画像信号を復号するための方法であって、 前記画像信号の低周波成分、前記チェーン、前記各段の
    画像振幅、及び前記チェーンの先頭位置のエッジ点にお
    ける位相角度をそれぞれ復号し、 該復号した位相角度を反映させて、前記チェーン上の各
    エッジ点の位相角度を予測し、 前記各段の画像振幅、及び前記予測した位相角度からウ
    ェーブレット変換係数を各段毎に求めてそれらを再構成
    し、 該再構成後のウェーブレット変換係数に逆ウェーブレッ
    ト変換を施すことで得た信号成分を、前記チェーンに沿
    って前記低周波成分に加えて前記画像信号を復号する、 ことを特徴とする画像復号化方法。
  26. 【請求項26】 請求項3、4、または5記載の画像符
    号化装置が生成した符号化データ、或いは請求項12、
    13、または14記載の画像符号化方法により生成され
    た符号化データから前記画像信号を復号するための方法
    であって、 前記画像信号の低周波成分、前記チェーン、前記各段の
    画像振幅、及び前記予測エラーに関する情報をそれぞれ
    復号し、 該復号した予測エラーに関する情報を反映させて、前記
    チェーン上の各エッジ点の位相角度を予測し、 前記各段の画像振幅、及び前記予測した位相角度からウ
    ェーブレット変換係数を各段毎に求めてそれらを再構成
    し、 該再構成後のウェーブレット変換係数に逆ウェーブレッ
    ト変換を施すことで得た信号成分を、前記チェーンに沿
    って前記低周波成分に加えて前記画像信号を復号する、 ことを特徴とする画像復号化方法。
  27. 【請求項27】 画像信号に複数段のウェーブレット変
    換を施すことにより符号化された該画像信号の低周波成
    分、該画像信号によって表現される画像上に存在するエ
    ッジ点を接続して構成したチェーン、及び該チェーンに
    沿って抽出した各段の画像振幅から、該画像信号を復号
    するための方法であって、 前記画像信号の低周波成分、前記チェーン、及び前記各
    段の画像振幅をそれぞれ復号し、 該画像信号の低周波成分から、前記チェーン上の各エッ
    ジ点の位相角度を予測し、 前記各段の画像振幅、及び前記予測した位相角度からウ
    ェーブレット変換係数を各段毎に求めてそれらを再構成
    し、 該再構成後のウェーブレット変換係数に逆ウェーブレッ
    ト変換を施すことで得た信号成分を、前記チェーンに沿
    って前記低周波成分に加えて前記画像信号を復号する、 ことを特徴とする画像復号化方法。
  28. 【請求項28】 請求項7記載の画像符号化装置が生成
    した符号化データ、或いは請求項16記載の画像符号化
    方法により生成された符号化データから前記画像信号を
    復号するための方法であって、 前記画像信号の低周波成分、前記チェーン、前記各段の
    画像振幅、及び前記予測エラーに関する情報をそれぞれ
    復号し、 該予測エラーに関する情報を反映させて、前記チェーン
    上の各エッジ点の位相角度を前記画像信号の低周波成分
    から予測し、 前記各段の画像振幅、及び該予測した位相角度からウェ
    ーブレット変換係数を各段毎に求めてそれらを再構成
    し、 該再構成後のウェーブレット変換係数に逆ウェーブレッ
    ト変換を施すことで得た信号成分を、前記チェーンに沿
    って前記低周波成分に加えることで、前記画像信号を復
    号する、 ことを特徴とする画像復号化方法。
  29. 【請求項29】 請求項8、または9記載の画像符号化
    装置が生成した符号化データ、或いは請求項17記載の
    画像符号化方法により生成された符号化データから前記
    画像信号を復号するための方法であって、 前記画像信号の低周波成分、前記チェーン、前記各段の
    画像振幅、及び前記予測エラーに関する情報をそれぞれ
    復号し、 該位相角度に関わる情報を反映させて、前記チェーン上
    の各エッジ点の位相角度を前記画像信号の低周波成分か
    ら予測し、 前記各段の画像振幅、及び該予測した位相角度からウェ
    ーブレット変換係数を各段毎に求めてそれらを再構成
    し、 該再構成後のウェーブレット変換係数に逆ウェーブレッ
    ト変換を施すことで得た信号成分を、前記チェーンに沿
    って前記低周波成分に加えることで、前記画像信号を復
    号する、 ことを特徴とする画像復号化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007098143A (ja) * 2005-10-07 2007-04-19 Medison Co Ltd 超音波映像システム及び超音波映像処理方法

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JP2007098143A (ja) * 2005-10-07 2007-04-19 Medison Co Ltd 超音波映像システム及び超音波映像処理方法

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