JPH10222055A - 生体の光学ファントム作製法 - Google Patents

生体の光学ファントム作製法

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JPH10222055A
JPH10222055A JP3851397A JP3851397A JPH10222055A JP H10222055 A JPH10222055 A JP H10222055A JP 3851397 A JP3851397 A JP 3851397A JP 3851397 A JP3851397 A JP 3851397A JP H10222055 A JPH10222055 A JP H10222055A
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幸生 山田
Yukari Tanigawa
ゆかり 谷川
Kiyoyuki Chinzei
清行 鎮西
Shuichi Takahashi
修一 高橋
Daigo Imai
大吾 今井
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SHINENERUGII SANGYO GIJUTSU SO
SHINENERUGII SANGYO GIJUTSU SOGO KAIHATSU KIKO
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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SHINENERUGII SANGYO GIJUTSU SO
SHINENERUGII SANGYO GIJUTSU SOGO KAIHATSU KIKO
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複雑な形状と光学特性を持つ生体の対象部位を
忠実に表現した光学フアントムを製作する技術を得るこ
とができる。 【解決手段】生体の対象部位1の形状を測定して対象部
位1の形状のデータをえて、形状のデータにより前記対
象部位1の模型6を作製し、次に模型6を雄型として雌
型8a、8b、8cを作製し、次に対象部位の光学特性
に対応して光学特性を調整した樹脂12a、12b、1
2cを前記雌型8a、8b、8cにモールドして光学フ
アントム11を作製する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、人体その他の生体の
光学ファントムを作製する方法に関するものである。こ
の発明は光学的医療診断機器や光学的治療機器の開発に
使用することができる。
【0002】
【従来の技術】生体の病変部は正常部に比べて光散乱係
数や光吸収係数が変化するので、検査対象部位に光を入
射し、その出力光を観測することによって病変部の位置
や病変の有無を診断したり、或いは病変部の治療をする
技術が開発されつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、光を利用した
医療診断、治療機器の開発に於いては、光が生体内をど
の様に伝播し、どの部分を診断し、或いは治療するかを
明確にすることは必ずしも容易ではない。そこで生体を
光学的に模擬したファントムを作製し、ファントム内に
各種の病変部を模擬した部分を設けることができれば、
診断機器、治療機器の有効性を評価することができる。
このために従来からファントムを作製する試みがなされ
ているが、従来のファントムは平板状または円筒状のも
のに止まっていて生体に類似の形態を持つ光学ファント
ムを得るに至っていない。とくに人間の脳のように複雑
な形状と光学特性を持つ対象物を忠実に表現した光学フ
ァントムは製作が困難であった。この発明は上記のごと
き事情に鑑みてなされたものであって、複雑な形状と光
学特性を持つ生体の対象部位を忠実に表現した光学ファ
ントムを製作する技術を提供することを目的とするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的に対応して、こ
の発明の生体の光学ファントム作製法は、生体の対象部
位の形状を測定して前記対象部位の形状のデータをえ
て、前記形状のデータにより前記対象部位の模型を作製
し、次に模型を雄型として雌型を作製し、次に対象部位
の光学特性に対応して光学特性を調整した樹脂を前記雌
型にモールドして光学ファントムを作製することを特徴
としている。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、この発明の詳細を一実施の
形態を示す図面について説明する。図1において、1は
光学ファントムを製作しようとする生体の対象部位であ
る。この実施例では対象部位1は人間の脳のように光学
的特性が異なる複数層、例えば、内側層2、中間層3お
よび外側層4を持っている場合について説明する。
【0006】11が完成品である光学ファントムであ
る。光学ファントム11を製作する場合は、まず三次元
形状データ収集装置を用いて対象部位1の各層2、3、
および4の形状のデータを収集する。この形状のデータ
はそれぞれの各層2、3、4を複数段a1、a2、a
3、・・・・にスライスした各段の断層像データの形で
収集し記憶装置に記憶する。三次元形状データ収集装置
としてはMRI(Magnetic Resonanc
e Imaging:核磁気共鳴イメ−ジング)または
X線CTその他の対象部位の断層像データを収集し得る
ものを使用することができる。次に収集したデータを使
用して対象部位1の模型を製作する。模型の製作には光
造形技術その他の模型製造技術を使用することができ
る。
【0007】模型は内側層2に関する模型6a、中間層
3に関する模型6b及び外間層4に関する模型6cから
なっている。光造形技術においてそれぞれの模型を製作
する工程の一例を示す。まず外側層4に関する模型6c
を製作する。すなわち基盤5の上に感光性樹脂を供給し
これに第一段a1に関する断層像データを使用して光を
照射し、第一段a1の模型7a1を形成する。次に第一
段a1の模型7a1の上に再び感光性樹脂を供給しこれ
に第二段a2に関する断層像データを使用して光を照射
し、第二段a2の模型7a2を形成する。この作業をす
べての段anについて繰り返して外側層4に関する模型
6cを形成する。同様にして中間層5に関する模型6
b、内側層2に関する模型6aを形成する。なおこの実
施例では感光性樹脂として光硬化性樹脂を使用した例を
示したが、その他の感光性樹脂も使用することができ
る。
【0008】次に模型6a、模型6bおよび模型6cを
雄型として内側層2に関する雌型8a、中間層3に関す
る雌型8bおよび外側層4に関する雌型8cを製作す
る。模型6a、模型6bおよび模型6cは表面形状が入
り組んで複雑であるので雌型は弾性限界の高い材料で作
成する必要があり、これによって雄型に対する雌型の型
離れを良くすることができる。この様な雌型を構成する
弾性限界の大きい材料としては、ゴム、型取り用RTV
ゴムまたはポリエステル樹脂、軟質樹脂等を使用するこ
とができる。これらの雌型はそのまま、または型面を表
面硬化またはメッキなどの表面処理し、後の工程で使用
する。
【0009】次にそれぞれの雌型8a、8b、8cを使
用して光学ファントム11を製作する。すなわちまず雌
型8aを使用して、内側層2の光学特性に対応して光学
特性を調整した樹脂12aを雌型8aにモールドして内
側層2の光学ファントム11aを作製する。
【0010】次に雌型8b内に光学ファントム11aを
配置した状態で、中間層3の光学特性に対応して光学特
性を調整した樹脂を雌型8bにモ−ルドして光学ファン
トム11aを鋳ぐるんだ内側層2と中間層3の光学ファ
ントム11bを作製する。
【0011】次に雌型8c内に光学ファントム11bを
配置した状態で、外側層4の光学特性に対応して光学特
性を調整した樹脂12cを雌型8cにモールドして光学
ファントム11bを鋳ぐるんだ内側層2と中間層3と外
側層4の光学ファントム11cを作製する。この光学フ
ァントム11cが完成品としての光学ファントム11で
ある。光学特性を調整した樹脂としてはエポキシ樹脂、
ポリエステル樹脂その他の透光性のある樹脂に酸化チタ
ン粒子その他の粒子を混入されて光の散乱係数を調整
し、また光吸収のためにインクや染料を混入させて光吸
収係数を調整したものを使用する。
【0012】実験例 1.光CTに用いる近赤外光は、生体内において、強い
散乱を生体組織より受ける。その為、光CTの開発にお
いては、新しいアルゴリズムが必要で、また、開発した
アルゴリズムの妥当性を検討するために人体と良く似た
構造や光学特性を持つファントムを必要とする。そこで
今回、生体組織のサンブルとして人頭部のファントム
(生体模擬試料)の作成を行った。 2.作成過程 人頭部は、生体内でも非常に複雑で入
り組んだ形状をしている。今回このファントムを作成す
るに当たり、高精度であり、また逆テーパのある形状も
成形できる点から、光造形装置の使用を決定した。次に
人体頭部は様々な部位より構築されているが、今まで判
明している光学特性の相違により以下に挙げる5つの部
位に大別することにした。先ず脳であるが、これは内側
を白質、外側を灰白質とし、次に脳表と頭蓋骨の間隙の
部位を透明層、そして頭蓋骨、皮膚と分割した。続いて
これら各部位の形状のデ−タであるが、これはNIH Imag
e という3次元画像処理ソフトを用いて作成した。この
NIH Image を用いた理由は、MRI等から実際の人体頭
部の断層イメージを比較的容易にスタックデータ(光造
形装置用のデータ) に変換できたためである。作成した
スタックデータは、眼球上部より頭頂部までである。こ
のスタックデータで、人頭部のファントムの雄型を光造
形装置で作成する。今回作成した人頭部は、光CTの期
待される応用として新生児の頭部の低酸素症があげられ
るため、直径11cm程度の幼児の頭部という設定で作成し
た。次に光造形装置で出来上がった雄型に離型剤を塗布
し、その上から型取り用RTVゴム(シリコーン)を流
し込み雌型を作成する。今回作成した人頭部(特に脳)
のような複雑で、逆テーパが大量に存在するような形状
においても、弾性限界の高いRTVゴムを用いれば、型
取りが可能であることが判明した。最後に出来上がった
雌型にファントム用の光学特性を調整したエポキシ樹脂
を流し込みファントムを作成する。ここで今回作成した
ファントムは、6層構造(土台+人頭部5層)であるか
ら、以上のような作業を繰り返し行い、目的の人頭部フ
ァントムを完成させた。
【0013】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、この発明
によれば、複雑な形状と光学特性を持つ生体の対象部位
を忠実に表現した光学ファントムを製作する技術を得る
ことができる。また特にこの発明では雌型を使用するこ
とで、雄型の素材などに関する制約がなく、雄型製作に
多様な方法が利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】光学ファントムを製作する工程を示す工程説明
【符号の説明】
1 対象部位 2 内側層 3 中間層 4 外側層 5 基盤 6 模型 6a、6b、6c 各層の模型 7a1〜7an 格段の模型 8a、8b、8c 光学ファントムの雌型 11 光学ファントム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷川 ゆかり 茨城県つくば市並木1丁目2番地 工業技 術院機械技術研究所内 (72)発明者 鎮西 清行 茨城県つくば市並木1丁目2番地 工業技 術院機械技術研究所内 (72)発明者 高橋 修一 東京都豊島区東池袋3丁目1番1号 新エ ネルギー・産業技術総合開発機構内 (72)発明者 今井 大吾 埼玉県大宮市春野1丁目8番の2

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生体の対象部位の形状を測定して前記対象
    部位の形状のデータをえて、前記形状のデータにより前
    記対象部位の模型を作製し、次に前記模型を雄型として
    雌型を作製し、次に対象部位の光学特性に対応して光学
    特性を調整した樹脂を前記雌型にモールドして光学ファ
    ントムを作製することを特徴とする生体の光学ファント
    ム作製法
  2. 【請求項2】対象部位の形状のデータはMRIまたはX
    線CTその他の三次元形状データ収集装置による対象部
    位の断層像データであることを特徴とする請求項1記載
    の生体の光学ファントム作製法
  3. 【請求項3】前記雌型はゴムまたは軟質樹脂等の弾性限
    界の高い材料で構成されていることを特徴とする請求項
    1記載の生体の光学ファントム作製法
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