JP3268442B2 - 光学ファントム及びその作製法 - Google Patents

光学ファントム及びその作製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、生体等の模擬対象物
を光学的に模擬する光学ファントムを作製する方法に関
するものである。この発明は光学的医療診断機器や光学
的治療機器の開発に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】生体の病変部は正常部に比べて光散乱係
数や光吸収係数が変化するので、検査対象部位に光を入
射し、その出力光を観測することによって病変部の位置
や病変の有無を診断したり、或いは病変部の治療をする
機器が開発されつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、光を利用した
医療診断、治療機器の開発に於いては、光が生体内をど
の様に伝播し、どの部分を診断し、或いは治療するかを
明確にすることは必ずしも容易ではない。そこで生体を
光学的に模擬したファントムを作製し、ファントム内に
各種の病変部を模擬した部分を設けることができれば、
診断機器、治療機器の有効性を評価することができる。
このために従来からファントムを作製する試みがなされ
ているが、従来のファントムは平板状または円筒状のも
のに止まっていて生体に類似の形態を持つ光学ファント
ムを得るに至っていない。とくに生体の脳のように複雑
な形状と光学特性を持つ対象物を忠実に表現した光学フ
ァントムは作製が困難であった。
【0004】そこで本願発明の発明者等は先に複雑な形
状と光学特性を持つ模擬対象物を忠実に表現した光学フ
ァントムの作製を容易にするために新しい提案をした
(平成10年特許出願公開第222055号参照)。こ
の新たに提案された光学ファントムの作製法は、生体の
対象部位の形状を測定して前記対象部位の形状のデータ
をえて、前記形状のデータにより前記対象部位の模型を
作製し、次に模型を雄型として雌型を作製し、次に対象
部位の光学特性に対応して光学特性を調整した樹脂を前
記雌型にモールド(注型)して光学ファントムを作製す
るものである。この技術は複雑な形状と光学特性を持つ
模擬対象物を忠実に再現することができる。しかしこの
光学ファントムは各層がそれぞれ複雑な表面形状を持っ
ていることのほかに、各層を構成する樹脂を流し込む型
内の隙間が狭くかつ形状が複雑であり、このために型面
の隅々まで樹脂を流し込むことが困難で、各層の光学的
特性の再現にもう一段の工夫が望まれるところであっ
た。また、この新たに開発された作製法による光学ファ
ントムは表面が立体形状をなす結果、光を検出するため
に使用する光検出プローブとファントム表面とが平面的
な接触をせずに両者間に隙間ができて、光がこの隙間か
ら漏れることがあるので、この漏れを防止するための漏
れ止め部材などを必要とし、装置の構成部品数を増加さ
せることになっていた。
【0005】この発明は上記のごとき事情に鑑みてなさ
れたものであって、複雑な形状と光学特性を持つ生体の
模擬対象部位を忠実に表現し、また光検出プローブに対
して光漏れの少ない光学ファントムを作製する技術を提
供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的に対応して、こ
の発明の光学ファントムは、内側に位置する層のファン
トムの少なくとも一部分を外側に隣接する層のファント
ムの少なくとも一部分が覆う状態で最内側層のファント
ムから最外側層のファントムに達するそれぞれの層のフ
ァントムが光学特性をもつ複数の層のファントムを重層
して有し、かつ内部に充填物を入れ替え可能な空洞を有
し、最外側層のファントムが内側に隣接する層のファン
トムよりも弾性限界の高い材料で構成されていることを
特徴としている。
【0007】またこの発明の光学ファントムの作製法は
内側に位置する層の少なくとも一部分を外側に隣接する
層の少なくとも一部分が覆う状態で最内側層から最外側
層に達するそれぞれの層が光学特性をもつ複数の層を重
層して有し、かつ内部に充填物を入れ替え可能な空洞を
有する光学ファントムの作製法であって、各層に対応す
る模擬対象部位を形状測定装置で計測して得た形状デー
タにより、前記各層のファントムの形状を決定して前記
各層のファントムの模型を作製し、それぞれの模型を使
用して前記各層のファントムの雌型を作製し、前記各層
のファントムのうち最内側層のファントムは前記最内側
層の雌型の型面上に対応する模擬対象部位の光学特性に
対応して光学特性を調整した樹脂を注型して作製し、そ
の他の層のファントムは雌型内に前記その他の層のファ
ントムに内接する層のファントムを位置決めして配置し
て、雌型の型面と内接する層のファントムの外面との間
の間隙を減圧した後に前記間隙に対応する模擬対象部位
の光学特性に対応して光学特性を調整した樹脂を注型し
て作製することを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明の詳細を一実施の
形態を示す図面について説明する。図1において、1は
光学ファントムを作製しようとする生体の模擬対象部位
である。図1(A)に示すように、この実施例では模擬
対象部位1は生体の脳のように光学的特性が異なる複数
層、例えば、最内側層として白質層2、第2層として灰
白質層3、第3層として透明層4、第4層として頭蓋骨
層5及び最外側層として皮膚層6の合計5層を、内側に
位置する層の少なくとも一部分を外側に位置する層の少
なくとも一部分が覆う状態で、持っていて、かつ病変部
54を内包する場合について説明する。
【0009】図1(C)に示すように、11が完成品で
ある光学ファントムである。最内側層としての白質層の
光学ファントム11a、第2層としての灰白質層の光学
ファントム11b、第3層としての透明層の光学ファン
トム11c、第4層としての頭蓋骨層の光学ファントム
11d及び最外側層としての皮膚層の光学ファントム1
1eからなりそれぞれの層の光学ファントム11a〜1
1e及び光学ファントム11を作製する場合は、まず三
次元形状データ収集装置を用いて模擬対象部位1の各層
2、3、4、5および6の形状のデータを収集する。こ
の形状のデータは図1(B)に示すようにそれぞれの各
層2、3、4、5、6の全体を複数段a1、a2、a
3、・・・・にスライスした各段の断層像データの形で
収集し記憶装置に記憶する。三次元形状データ収集装置
としてはMRI(MagneticResonance
Imaging:核磁気共鳴イメ−ジング)またはX
線CTその他の模擬対象部位の断層像データを収集し得
るものを使用することができる。次に収集したデータを
使用して模擬対象部位1の各層2、3、4、5及び6の
模型を作製する。それぞれの模型は外表面の形状が各層
の外表面を表現するものである。模型の作製には光造形
技術その他の模型製造技術を使用することができる。
【0010】模型は図1(D)に示すように、白質層2
に関する模型7a、灰白質層3に関する模型7b、透明
層4に関する模型7c、頭蓋骨層5に関する模型7d及
び皮膚層6に関する模型7eからなっている。光造形技
術においてそれぞれの模型を作製する工程の例を示す。
まず白質層2に関する模型7aを作製する。すなわち図
2に示すように、基盤51の上に感光性樹脂12を供給
し、これに第n段anに関する断層像データを使用して
光57を照射し、第n段anの模型7anを形成する。
次に第n段anの模型7anの下に再び感光性樹脂を供
給しこれに第n−1段an−1に関する断層像データを
使用して光を照射し、第n−1段an−1の模型7an
−1を形成する。この作業をすべての段anについて繰
り返して白質層2に関する模型7aを作製する。同様に
して灰白質層3に関する模型7b、透明層4に関する模
型7c、頭蓋骨層5に関する模型7d及び皮膚層6に関
する模型7eを作製する。なおこの実施例では感光性樹
脂として光硬化性樹脂を使用した例を示したが、その他
の感光性樹脂も使用することができる。
【0011】次に図1(E)に示すように、模型7a、
模型7b、模型7c、模型7dおよび模型7eを雄型と
して白質層2に関する雌型9a、灰白質層3に関する雌
型9b、透明層4に関する雌型9c、頭蓋骨層5に関す
る雌型9dおよび皮膚層6に関する雌型9eを作製す
る。模型9a、模型9b、模型9cおよび模型9dは表
面形状が入り組んで複雑であるので雌型は固化した状態
で軟性で弾性的に伸展性のある弾性限界の高い材料で作
製する必要があり、これによって雄型に対する雌型の型
離れ及び後述する各層の光ファントムに対する雌型の型
離れを良くすることができる。この様な雌型を構成する
弾性限界の大きい材料としては、ゴム、シリコーンゴ
ム、型取り用RTVゴムまたは軟質樹脂等を使用するこ
とができる。これらの雌型はそのまま、または型面を表
面硬化またはメッキなどの表面処理または離型剤の塗布
などの処理をし、後の工程で使用する。一方、雌型9e
は雌型9dよりも弾性限界の小さい材料で構成する。こ
の雌型9eを構成する材料としては例えばエポキシ樹脂
やポリエステル樹脂を使用することができる。
【0012】次に図1(F)に示すように、それぞれの
雌型9a、9b、9c、9d、9eを使用して光学ファ
ントム11を作製する。すなわちまず雌型9aを使用し
て、白質層2の光学特性に対応して光学特性を調整した
樹脂12aを雌型9aに注型し固化後に雌型9aを押し
拡げて取り出し、これにより白質層2の光学ファントム
11aが作製される。次に雌型9b内に光学ファントム
11aを配置した状態で、雌型9bの型面と光学ファン
トム11aの表面との間の隙間56を真空装置を使用し
て管52、53を通して減圧した後、その隙間56に灰
白質層3の光学特性に対応して光学特性を調整した樹脂
12bを注型して固化させた後、雌型9bを押し拡げて
取り出し、これによって光学ファントム11aを鋳ぐる
んだ灰白質層3の光学ファントム11bが作製される。
この雌型とその内側層の光学ファントムの表面との間の
隙間を真空装置を使用して減圧してから樹脂を注型する
真空注型技術は次の光学ファントム11c〜11eを作
製する場合にも使用する。次に同様の手順で雌型9c内
に光学ファントム11bを配置した状態で、透明層4の
光学特性に対応して光学特性を調整した樹脂12cを雌
型9cに注型して光学ファントム11aと光学ファント
ム11bを鋳ぐるんだ透明層4の光学ファントム11c
を作製する。
【0013】次に同様の手順で雌型9d内に光学ファン
トム11cを配置した状態で、頭蓋骨層5の光学特性に
対応して光学特性を調整した樹脂12dを雌型9dに注
型して光学ファントム11aと光学ファントム11bと
光学ファントム11cを鋳ぐるんだ頭蓋骨層5の光学フ
ァントム11dを作製する。
【0014】次に同様の手順で雌型9e内に光学ファン
トム11dを配置した状態で、皮膚層6の光学特性に対
応して光学特性を調整した樹脂12eを雌型9eに注型
して光学ファントム11aと光学ファントム11bと光
学ファントム11cと光学ファントム11dを鋳ぐるん
だ皮膚層6の光学ファントム11eを作製する。この樹
脂12eは頭蓋骨層の光学ファントム11dを構成する
樹脂12dよりも固化の状態で弾性限界の高い材料で構
成されており、特に固化の状態において、光検出プロー
ブの先端を手指で100g/cm2の力で押し付けた場
合に、その接触力によって、プローブの先端面の形状に
沿って弾性変形が可能ななじみ性を発揮する弾性限界を
もつ材料で構成されている。この光学ファントム11e
が完成品としての光学ファントム11である。
【0015】光学特性を調整した樹脂としてはエポキシ
樹脂、ポリエステル樹脂その他の透光性のある樹脂に酸
化チタン粒子その他の粒子を混入されて光の散乱係数を
調整し、また光吸収のためにインクや染料を混入させて
光吸収係数を調整したものを使用する。
【0016】図1(C)に示すように、この実施例の光
学ファントム11では白質層2と灰白質層3と透明層4
の3層にわたる空洞13が設けられている。この空洞1
3は光学ファントム11にダイナミック機能を持たせる
ためのものであって、白質層2にかかる部分13aと灰
白質層3にかかる13bと透明層4にかかる部分13c
との3つの部分からなっている。この空洞13を形成す
るためには、白質層のファントム11aが作製したとき
に、そのファントム11aにルーター等を使用して空洞
部分13aを穿ち、その空洞部分13aをパラフィン等
の可溶性固形材料で埋めて白質層の光学ファントム11
aを完成させ、次の灰白質層の光学ファントム11bを
作製する工程で使用する。灰白質層層の光学ファントム
11bが作製されたときに、そのファントム11bもル
ータ等を使用して空洞部分13bを穿ち、その空洞部分
13bを前と同じ材料で埋めて灰白質層の光学ファント
ム11bを完成させ、次の透明層の光学ファントム11
cを作製する工程で使用する。空洞部分13cをもった
透明層の光学ファントム11cも同様に完成させ、次の
頭蓋骨層5の光学ファントム11dを作製する工程で使
用する。こうして光学ファントム11が作製された時に
は、内部に光学ファントム11a、11b、11cにわ
たって空洞部分13a、13b及び13cからなる空洞
13が形成され、かつその空洞13はパラフィン等の可
溶性固形材料がつまった状態になっている。次に空洞1
3に達する管14a、14bを光学ファントム11に固
定し、光学ファントム11を加熱してパラフィン等を溶
かし管14a、14bを通して空洞13から外部に排出
し、光学ファントム11を完成させる。この管14a、
14bは後にダイナミック機能を動作させる場合に、光
学特性を調整した液体を空洞13に給排するときの通路
として利用される。
【0017】このように構成された光学ファントムでは
ダイナミック用空洞13に光学特性を調整した各種の液
体を交換して充填することができ、各種の病変部や変質
部を模擬することができ、光CTのアルゴリズムを検討
するために使用することができる。また光学ファントム
の最外側層が弾性限界の高い材料で構成されているた
め、生体の皮膚層を忠実に模擬し、光検出プローブを手
指で最外側層のファントムに押しつけたとき、感触が実
際の生体を扱った場合に等しく、取扱いが容易であると
ともに、光検出プローブの押圧力で最外側層が弾性的に
変形し、光検出プローブの先端の形状になじむため、光
シールド材を使用しなくても、光検出のプローブと最外
側層との接触部から光が漏れることがなく、微弱光も検
出することができる。
【0018】またこの発明の光学ファントムの作製方法
では、樹脂を真空注型を利用して注型するため、型面の
再現を忠実に行うことができ、ファントムの光学特性の
調整、再現が容易である。 (実験例) 1.光CTに用いる近赤外光は、生体内において、強い
散乱を生体組織より受ける。その為、光CTの開発にお
いては、新しいアルゴリズムが必要で、また、開発した
アルゴリズムの妥当性を検討するために人体と良く似た
構造や光学特性を持つファントムを必要とする。そこで
今回、生体組織のサンプルとして人頭部のファントム
(生体模擬試料)の作製を行った。 2.作製過程 人頭部は、生体内でも非常に複雑で入
り組んだ形状をしている。今回このファントムを作製す
るに当たり、高精度であり、また逆テーパのある形状も
成形できる点から、光造形装置の使用を決定した。次に
人体頭部は様々な部位より構築されているが、今まで判
明している光学特性の相違により以下に挙げる5つの部
位に大別することにした。先ず脳であるが、これは内側
を白質、外側を灰白質とし、次に脳表と頭蓋骨の間隙の
部位を透明層、そして頭蓋骨、皮膚と分割した。
【0019】続いてこれら各部位の形状のデ−タである
が、これはNIH Image という3次元画像処理ソフトを用
いて作製した。このNIH Image を用いた理由は、MRI
等から実際の人体頭部の断層イメージを比較的容易にス
タックデータ(光造形装置用のデータ)に変換できたた
めである。作製したスタックデータは、眼球上部より頭
頂部までである。このスタックデータで、人頭部のファ
ントムの雄型を光造形装置で作製する。
【0020】今回作製した人頭部は、光CTの期待され
る応用として新生児の頭部の低酸素症があげられるた
め、直径11cm程度の幼児の頭部という設定で作製した。
次に光造形装置で出来上がった雄型に離型剤を塗布し、
その上から型取り用RTVゴム(シリコーン)を流し込
み雌型を作製する。今回作製した人頭部(特に脳)のよ
うな複雑で、逆テーパが大量に存在するような形状にお
いても、弾性限界の高いRTVゴムを用いれば、型取り
が可能であることが判明した。最後に出来上がった雌型
にファントム用の光学特性を調整したエポキシ樹脂を真
空注型により流し込みファントムを作製する。ここで今
回作製したファントムは、6層構造(土台+人頭部5
層)であるから、以上のような作業を繰り返し行い、目
的の人頭部ファントムを完成させた。この光学ファント
ムはサンプルの形状を細部にわたって忠実に再現してい
ることを確認した。また光検出プローブを皮膚層に手指
で押しつけただけで、皮膚層が、光検出プローブになじ
んで、光の漏れがないことが確認された。また、光学特
性を調整した液体を空洞に交換的に充填することによっ
て、ダイナミック機能が発揮されることを確認した。
【0021】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、この発明
によれば、複雑な形状と光学特性を持つ生体の対象部位
を忠実に表現した光学ファントムを作製する技術を得る
ことができる。また特にこの発明では雌型を使用するこ
とで、雄型の素材などに関する制約がなく、雄型作製に
多様な方法が利用可能である。また特に、光検出プロー
ブに対して光漏れが少なく、かつダイナミック機能をも
つ光学ファントムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】模擬対象物から光学ファントムを作製する工程
説明図
【図2】光学ファントムの模型を光造形装置を使用して
作製する原理を示す説明図
【符号の説明】
1 光学ファントム 2 白質層 3 灰白質層 4 透明層 5 頭蓋骨層 6 皮膚層 7a 白質層に関する模型 7b 灰白質層に関する模型 7c 透明層に関する模型 7d 頭蓋骨層に関する模型 7e 皮膚層に関する模型 7a1 第1段a1の模型 7a2 第2段a2の模型 7an 第n段anの模型 9a 白質層に関する雌型 9b 灰白質層に関する雌型 9c 透明層に関する雌型 9d 頭蓋骨層に関する雌型 9e 透明層に関する雌型 11 光学ファントム 11a 白質層の光学ファントム 11b 灰白質層の光学ファントム 11c 透明層の光学ファントム 11d 頭蓋骨層の光学ファントム 11e 皮膚層の光学ファントム 12a 樹脂 12b 樹脂 12c 樹脂 12d 樹脂 12e 樹脂 13 空洞 13a 空洞部分 13b 空洞部分 13c 空洞部分 14a 管 14b 管 51 基板 52 管 53 管 54 病変部 56 隙間 57 光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 健之 茨城県つくば市二の宮1−8−10 時計 台ハイツA204 審査官 樋口 宗彦 (56)参考文献 特開 平11−73096(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/00 - 21/01 G01N 21/17 - 21/61 A61B 6/00 - 6/14 313 A61B 5/05 300 - 400 G09B 23/28 JICSTファイル(JOIS) 実用ファイル(PATOLIS) 特許ファイル(PATOLIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内側に位置する層のファントムの少なくと
    も一部分を外側に隣接する層のファントムの少なくとも
    一部分が覆う状態で最内側層のファントムから最外側層
    のファントムに達するそれぞれの層のファントムが光学
    特性をもつ複数の層のファントムを重層して有し、かつ
    内部に充填物を入れ替え可能な空洞を有し、最外側層の
    ファントムが内側に隣接する層のファントムよりも弾性
    限界の高い材料で構成されていることを特徴とする光学
    ファントム
  2. 【請求項2】前記最外側層のファントムは光検出プロー
    ブとの先端面の接触力によって前記先端面の形状に沿っ
    て弾性変形可能な弾性限界をもつ材料で構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の光学ファントム
  3. 【請求項3】内側に位置する層の少なくとも一部分を外
    側に隣接する層の少なくとも一部分が覆う状態で最内側
    層から最外側層に達するそれぞれの層が光学特性をもつ
    複数の層を重層して有し、かつ内部に充填物を入れ替え
    可能な空洞を有する光学ファントムの作製法であって、
    各層に対応する模擬対象部位を形状測定装置で計測して
    得た形状データにより、前記各層のファントムの形状を
    決定して前記各層のファントムの模型を作製し、それぞ
    れの模型を使用して前記各層のファントムの雌型を作製
    し、前記各層のファントムのうち最内側層のファントム
    は前記最内側層の雌型の型面上に対応する模擬対象部位
    の光学特性に対応して光学特性を調整した樹脂を注型し
    て作製し、その他の層のファントムは雌型内に前記その
    他の層のファントムに内接する層のファントムを位置決
    めして配置して、雌型の型面と内接する層のファントム
    の外面との間の間隙を減圧した後に前記間隙に対応する
    模擬対象部位の光学特性に対応して光学特性を調整した
    樹脂を注型して作製することを特徴とする光学ファント
    ムの作製法
  4. 【請求項4】前記各層のファントムの雌型のうち、最外
    側層のファントムの雌型は最外側層のファントムに内接
    する層のファントムの雌型よりも弾性限界の低い材料で
    構成され、かつ各層のファントムのうち、最外側層のフ
    ァントムは内接する層のファントムよりも弾性限界の高
    い材料で構成されていることを特徴とする請求項3記載
    の光学ファントムの作製法
  5. 【請求項5】前記最外側層のファントムは光検出プロー
    ブの先端面との接触力によって前記先端面の形状に沿っ
    て弾性変形可能な弾性限界をもつ材料で構成されている
    ことを特徴とする請求項3記載の光学ファントムの作製
  6. 【請求項6】前記空洞を構成する空洞部分を有する層の
    ファントムを作製する場合は、注型及び固化が完了した
    後に前記空洞を前記層に穿って前記層のファントムを完
    成させることとし、前記空洞を有する層のファントムに
    外接する層のファントムを作製する場合の注型において
    は前記空洞を有する層のファントムの前記空洞部分を可
    溶性材料で埋めて使用することを特徴とする請求項3記
    載の光学ファントムの作製法
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