JPH10219317A - 高炉操業方法 - Google Patents

高炉操業方法

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JPH10219317A
JPH10219317A JP1877997A JP1877997A JPH10219317A JP H10219317 A JPH10219317 A JP H10219317A JP 1877997 A JP1877997 A JP 1877997A JP 1877997 A JP1877997 A JP 1877997A JP H10219317 A JPH10219317 A JP H10219317A
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furnace
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pressure
charge
ore
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Takeshi Sato
健 佐藤
Kanji Takeda
幹治 武田
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高炉の安定操業を妨げるスリップ、棚吊り等
の装入物降下異常を防止する高炉操業方法を提供する。 【解決手段】 数学モデルにより高炉の炉頂半径方向の
鉱石/コークス層厚比分布を予測し、さらにその分布を
用いてシャフト部における炉内装入物の粉体圧分布を予
測し、かつ前記鉱石/コークス層厚比分布および鉱石、
コークスの粒子径からシャフト部における炉内ガスの圧
力分布を予測して、シャフト部任意箇所でそこから炉頂
までの圧力損失とその箇所の装入物の鉛直方向粉体圧の
比を求め、この比が1を超えないように装入物分布制御
を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉の安定操業を
妨げるスリップ、棚吊り等の装入物降下異常を防止する
高炉操業技術に関する。
【0002】
【従来の技術】高炉操業において、経験上、送風羽口と
炉頂間の炉内ガスの圧力損失が増大すると炉内装入物の
降下状態が悪化し、スリップや棚吊りといった異常が発
生することが知られている。高炉操業者は、送風羽口前
と炉頂との間の炉内ガスの圧力損失を送風条件で標準化
した通気抵抗指数を監視し、該指数が過去の経験による
炉内装入物の降下状態が悪化した際の値に近づいた場合
は送風量を減少して対処するのが一般的である。
【0003】しかし、このような管理手法的操炉技術
は、装入物降下異常の発生の本質的な原因を管理してい
るわけではないので一般性に欠ける。したがって、原料
性状や装入物分布の変化時には、炉内ガスの圧力損失の
限界値が変化するため、試行錯誤を繰り返して新しい条
件での圧力損失の限界値を求めていく必要がある。これ
に対し、装入物降下異常の発生機構を考慮して、炉内圧
力損失を管理する技術が報告されている。特公平1−20
203 号公報には、炉頂圧を測定すると共に、炉壁におけ
る高さが異なる複数の位置にて炉壁静圧を測定し、これ
らの測定値により各炉壁静圧測定位置から炉頂までの圧
力損失を求める一方、操業条件により炉頂から各炉壁静
圧測定位置までの装入物荷重を求め、各炉壁静圧測定位
置について前記圧力損失と装入物荷重との比を求め、こ
の比が、棚吊り、スリップまたは吹き抜けを発生させな
いように予め規定してある条件を満たすように送風条件
を設定する高炉送風方法が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特公平1−20203 号公
報に示された技術では、炉壁静圧測定位置における装入
物荷重を求めるにあたり、装入物比重に炉頂から炉壁静
圧測定位置までの炉高さ方向距離を乗じて算出している
が、実際にシャフト内の各所に発生する粉体圧の半径方
向の分布を考慮していない。ここで、粉体圧とは炉内の
堆積する原燃料にかかる土圧をいう。本来、棚吊り、ス
リップ等の装入物降下異常は、シャフト内の局所的な位
置での装入物にかかる鉛直下方向の粉体圧と、シャフト
を上昇する炉内ガスの前記位置と炉頂との間の圧力損失
のバランスで、炉内ガスの圧力損失が大きくなったとき
に、装入物の降下が妨げられることによって生じるもの
である。したがって、特公平1−20203 号公報で示され
ているように、装入物にかかる粉体圧を炉頂からの装入
物荷重で代表させるのは、実際の物理的現象を正確に捉
えているとは言いがたく、装入物降下異常防止技術とし
ては不完全である。また送風量は高炉の生産量にリンク
し、通常は製鉄所の生産計画に応じて設定されるもので
あり、送風量を高炉操業安定化のための操作因子として
しまうと目標の生産量を達成できない等の問題が生じて
しまう。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、まず、炉内シャフト部における局所
的な位置での装入物にかかる鉛直下方向の粉体圧につい
て有意義な知見を得た。すなわち、高炉縮小模型実験
(内容積4500m3の高炉の縮尺1/30相当)により炉内の
充填原料を下部から抜き出しながら上部からの原料供給
を行い、移動層を形成させながら移動層内の鉛直方向粉
体圧を測定した。図1にこの実験における、移動層内の
鉛直方向粉体圧分布を示す。これは実験結果(シャフト
の各レベルにおける半径方向の無次元半径r/R=0.2
、0.5 、0.8 の位置における鉛直方向粉体圧)を等粉
体圧線に整理したものである。鉛直方向粉体圧は、装入
物と共に降下させた粉体圧力計により炉内に通風しない
状態で測定した。シャフト上部では半径方向に鉛直方向
粉体圧の変化はほとんどないが、シャフト中部以下で半
径方向に鉛直方向粉体圧の勾配が存在し、同一水平断面
の周辺部では中心〜中間部よりも鉛直方向粉体圧が低
い。
【0006】次に図2に示した高炉縮小模型において羽
口位置から送風し、炉内で下から上方向へ通風しながら
装入物を降下させた際の降下挙動観察より得られた結果
について述べる。装入物の降下は実炉では羽口1前での
コークスの燃焼、消失により起こる。高炉縮小模型で
は、各羽口の炉内前方にそれぞれ抜き出し口2を設け、
下部室9のロータリーフィーダ4から装入物を排出させ
ることで、高炉内の装入物を各抜き出し口2から下部室
9へ抜き出すことにより、羽口前でのコークス燃焼、消
失をシミュレートできる。炉壁7に炉内ガスの静圧測定
用圧力計3を多段に設けて炉壁静圧を測定すると共に、
炉頂部のレーザセンサ6により装入物の炉頂部表層のレ
ベルを測定した。
【0007】シャフト上部に細粒原料を入れて炉内ガス
の圧損抵抗をシャフト上部につけたときと、シャフト中
部に細粒原料を入れて圧損抵抗をシャフト中部につけた
ときとの2種類の条件で、送風条件を変えながら実験を
行った。原料条件と送風条件の組み合わせに応じて、装
入物の降下状況が図3(a) 、(b) 、(c) に示すような3
パターンに類別された。これは、炉下部から充填原料を
連続的に排出した際の、時間経過に対する充填層最表層
の位置の変化を表したものであり、炉頂部のレーザセン
サにより装入物のレベルが(a) 正常に降下する場合と、
(b) 降下不連続(一般的にスリップと呼ぶ)になる場
合、(c) 棚吊りを起こす場合の3種類のパターンの現象
が見られた。
【0008】それぞれの条件で炉壁静圧測定位置〜炉頂
間の炉内ガスの圧力損失と静圧測定位置レベルの無風時
の鉛直方向粉体圧の比(以下、圧力損失/粉体圧と記
す)を求めると、シャフト上部、あるいは中部に細粒原
料を入れて圧損抵抗をつけたときに、その細粒原料の直
下の部分に圧力損失/粉体圧が最大となる領域が発生す
る。水平断面における炉半径方向における周辺部(r/
R=0.8 )の圧力損失/粉体圧と、中心部(r/R=0.
2 )の圧力損失/粉体圧をそれぞれ横軸、縦軸にとり、
装入物の降下状況を図4に図示した。
【0009】シャフト上部で圧損抵抗がある場合は圧力
損失/粉体圧が最大となる領域はシャフト上部にあるた
め、周辺部(r/R=0.8 )の圧力損失/粉体圧と中心
部(r/R=0.2 )の圧力損失/粉体圧はほぼ同じ値と
なるが、両者の数値が共に1を超える条件になると棚吊
りが発生した。シャフト中部で圧損抵抗がある場合は圧
力損失/粉体圧が最大となる領域はシャフト中部にある
ため、周辺部(r/R=0.8 )の圧力損失/粉体圧は中
心部(r/R=0.2 )の圧力損失/鉛直方向粉体圧より
も大きい値となり、周辺部の圧力損失/粉体圧のみが1
を超えると、降下不連続の現象が生じ、周辺部、中心部
の圧力損失/粉体圧が共に1を超えると棚吊りが発生し
た。
【0010】このように、シャフト部任意箇所で圧力損
失/粉体圧=1になると降下異常が発生し、周辺部のみ
該条件を満たす場合はスリップとなり、半径方向全域で
該条件を満たす場合は棚吊りとなるといった詳細な現象
が明らかになった。本発明は、上記に述べたようにシャ
フトでの装入物の棚吊り、スリップ等の原因が、シャフ
ト内の局所的な位置での炉内ガスの押し上げる力と装入
物の鉛直下方向の粉体圧とのバランスの崩れによるもの
であるとの知見を得、送風条件の変更の他に装入物分布
の変更によりシャフト内の局所的な位置での上記バラン
スの崩れを修正するように定量的に対策を採れることに
想到したことにより完成したものである。
【0011】すなわち本発明は、装入物分布による炉頂
半径方向の鉱石/コークス比分布の変化および炉内に発
生する複雑な粉体圧分布を考慮した上で装入物降下異常
の発生条件を定量化し、かつ高炉単独の操作因子である
装入物分布制御によって装入物降下異常を未然に防ぐ技
術の提供を目的とする。具体的には、数学モデルにより
炉頂半径方向の鉱石/コークス比分布を予測し、さらに
その分布を用いてシャフト部の粉体圧分布を下記の(1)
、(2) 、(3) 式で予測する一方、前記鉱石/コークス
比分布および鉱石、コークスの粒子径からシャフト部の
圧力損失を予測し、シャフト部任意箇所でそこから炉頂
までの圧力損失とその場所の鉛直方向粉体圧との比を算
出し、この比が1を超えないように装入物分布制御を行
うことを特徴とする高炉操業方法である。
【0012】 記 σv=k・ρ(r/R) ・Z(1+sin φi・cos α(r/R ))/ (1−sin φi・cos α(r/R ))・・・(1) αw =0.5 (φw+ sin-1(sin φw/sin φi)) ・・・(2) α(r/R) =αw・(r/R) ・・・(3) σv:鉛直方向粉体圧、 ρ(r/R) :各半径方向位置での装入物比重、 α(r/R) :各半径方向位置での主方向、 r/R :無次元半径、 Z:装入物表層からの深さ、 R:Zのレベルにおける炉内半径、 k:土圧係数(k=tan2(n/4−φi/2))、 αw:壁面での主方向、 φi:粉体の内部摩擦角、 φw:壁面摩擦角 また、炉頂圧およびシャフト部の高さ方向数箇所に設置
された圧力計から炉壁静圧を測定し、炉内圧力損失を測
定する一方、数学モデルまたはプロフィル計から把握し
た炉頂の半径方向鉱石層厚比分布に基づいて炉内粉体圧
分布を予測し、炉壁静圧測定位置から炉頂までの圧力損
失と該炉壁静圧測定レベルの粉体圧との比が設定値以下
になるように装入物分布制御を行うことを特徴とする高
炉操業方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】前述の知見を高炉操業に適用する
際には、実炉の粉体圧分布を予測する必要がある。シャ
フト部の粉体圧予測はすでに報告があり、例えば鉄と鋼
(1987),S35 には、応力の平衡方程式に基づいてシャ
フト部の粉体圧分布を数値解析した結果が示されてい
る。本発明者らは、・同一レベルでは水平方向粉体圧は
一定・クーロンの降伏条件を満たすという仮定の基に、
半径位置に対する粉体圧主方向の変化を考慮して鉛直方
向粉体圧を予測するモデルを開発した。その概要を式
(1) 、(2) および(3) に示す。
【0014】 σv=k・ρ(r/R) ・Z(1+sin φi・cos α(r/R ))/ (1−sin φi・cos α(r/R ))・・・(1) σv:鉛直方向粉体圧、 ρ(r/R) :各半径方向位置での装入物比重、 α(r/R) :各半径方向位置での主方向、 r/R :無次元半径、 Z:装入物表層からの深さ、 R:Zのレベルにおける炉内半径、 k:土圧係数(k=tan2(n/4−φi/2))、 αw:壁面での主方向、 φi:粉体の内部摩擦角、 φw:壁面摩擦角 αw=0.5 (φw+ sin-1(sin φw/sin φi)) ・・・(2) 各半径位置の主方向α(r/R) は、中心から炉壁に向かっ
て0〜αwの間で連続的に変化すると仮定し、式(3) と
した。
【0015】 α(r/R) =αw・(r/R) ・・・(3) ここで、φi、粉体の種類、粒径により決まる係数、φ
wは、粉体種類および壁面の滑らかさで決まる係数で、
高炉の通常の操業で使用する鉱石、コークスではそれぞ
れ φi=35〜50度 φw=10〜20度 の範囲である。
【0016】図5は中心および炉壁の応力状態をモール
円で表したものである。各半径位置のσvはα(r/R) σ
hを用いて、PYLに接するモール円から一義的に算出
できる。図6は高炉縮小模型を対象とし、式(1) を用い
た粉体圧の予測値と実測値を比較したものである。両者
はよく一致している。
【0017】本発明において実炉の粉体圧を予測する際
には、前出の粉体圧予測モデルを使用した。本発明の一
実施形態では、高炉の生産計画に基づき、操業設計を行
う上で、高炉の安定操業を指向するための装入物分布制
御を行う。そこで前記炉内鉛直方向粉体圧分布を予め予
測しておく必要がある。このため計算に用いる炉頂半径
方向の装入物比重ρ(r/R) 分布は、装入物分布に関する
数学モデルに任意の装入パターン、鉱石/コークス比を
入力して算出される鉱石層厚比分布より求めた。このよ
うな装入物分布に関する数学モデルはいくつかの報告が
あるが、本発明では特開平7−113108号公報に示された
モデルを用いた。
【0018】この数学モデルは下記(4) ないし(8) 式に
より装入物の炉頂での堆積形状を推定するものであり、
ベルレス装入装置における設定された装入パターンの傾
動角毎に(4) ないし(8) 式を満足する炉頂装入物の堆積
形状を求め、それらを合わせて一巡の装入シーケンスに
対応した装入物の高炉半径方向にわたる堆積形状を推定
し、これを定常状態になるまで繰り返して該設定された
装入パターンで操業したときの装入物の高炉半径方向の
堆積形状を推定するものである。これにより、鉱石、コ
ークスそれぞれの堆積形状が推定できるので、鉱石、コ
ークスそれぞれの1チャージにおける装入体積を考慮す
ると、炉半径方向での鉱石とコークスの堆積層厚み分布
が求められ、鉱石層厚比分布が得られる。
【0019】 記 0≦rt ≦r1 のとき dZ /drt =gb ・rt +kb ・・・(4) r1 ≦rt ≦r2 のとき dZ /drt =Θb.MAX ・・・(5) r2 ≦rt ≦rf のとき dZ /drt =θb.0 〔exp {-fb.c ・(rf −rt ) }-1〕・・(6) rf ≦rt ≦r3 のとき dZ /drt =θb.0 〔exp {-fb.w ・(rt −rf ) }-1〕・・(7) r3 ≦rt ≦Rのとき dZ /drt =gb ・rt +kb ・・・(8) ここで、 r :高炉炉頂の装入位置における炉中心からの半径方
向位置(m) r1 :(1) 式と(2) 式の交点位置の半径(m) Z :rの関数であり、高炉炉頂半径方向rの位置での
基準装入位置からの堆積面の高さ(m) gb :装入物の種類(鉱石かコークスか)、また、装入
物粒径によって固有に決まる定数(−) kb :装入物の種類(鉱石かコークスか)、また、装入
物粒径によって固有に決まる定数(−) r2 :(2) 式と(3) 式の交点位置の半径(m) Θb.MAX :装入物の種類(鉱石かコークスか)、また、
装入物粒径によって固有に決まる堆積勾配の最大値
(−) rf :分配シュートからの落下軌跡に一致する堆積面の
最高点位置での半径(m) θb.0 :装入物の種類(鉱石かコークスか)、また、装
入物粒径によって固有に決まる値で、堆積面の最高点位
置から離れた場所で取りうる勾配 fb.c :堆積面の最高点近傍の中心側勾配の立ち上がり
を決める係数で装入物の種類(鉱石かコークスか)、ま
た、装入物粒径によって固有に決まる値 fb.w :堆積面の最高点近傍の壁側勾配の立ち上がりを
決める係数で装入物の種類(鉱石かコークスか)、ま
た、装入物粒径によって固有に決まる値 r3 :(4) 式と(5) 式の交点位置の半径(m) R :高炉炉頂の装入位置における炉中心から炉壁まで
の半径(m) また、炉半径方向の粒径分布は、上記鉱石層厚比分布に
応じて、鉱石平均粒径、コークス平均粒径を荷重平均し
て求めてもよいし、また三輪らの式〔粉体工学通論(日
刊工業新聞社);三輪茂雄、初版第6刷、昭和62年10月
30日;127 頁〕により原料の粒径分布から炉半径方向で
の粒度偏析を推定してもよい。
【0020】鉱石、コークスの粒度分布により、空隙率
分布は推定できる。シャフト内部における鉱石層厚比、
粒径、空隙率の炉半径方向分布は上記した炉頂部での分
布をそのまま仮定しても大きな誤差はない。炉内ガス圧
力損失は上記したシャフト内部における鉱石層厚比、粒
径、空隙率の炉半径方向分布に基づき、充填層内のガス
流れを表すエルガン式および連続の式を用いて求められ
る。
【0021】 −grad(P)=(f1 +f2 )Gg ・・・エルガン式 −div (Gg )+Rg =0 ・・・連続の式 ここで、f1 =150 (1−ε)2 μg /(φdP )2ε3 ρg 2 =1.75(1−ε)/(φdP ) ε2 ρg P :圧力 [Pa] Gg :ガス質量速度(ベクトル) [kg/m2s] ε :空間率 [-] μg :ガス粘度 [kg/m s] φ :シャフト部原燃料粒子の形状係数 [-] dP :シャフト部原燃料粒子の粒子径 [m] ρg :ガス密度 [kg/m3] Rg :ガス湧きだし量(ガス還元での生成ガス量) [kg/m3s] シャフト内部の鉱石層厚比、粒径、空隙率の炉半径方向
分布、および炉内ガス圧力損失は半径方向の分布を考慮
した高炉数学モデルによって推定することにより精度を
上げることができる。そのような高炉数学モデルにはい
くつかの報告があるが、本発明ではCAMP-ISIJ 、8(199
5)、P.140 に示されているものと同様のモデルを用い
た。該モデルでは上記炉頂部での鉱石層厚比、粒径、空
隙率の炉半径方向分布、および送風条件を境界条件とし
て、炉内の物質移動、諸反応、装入物の粉化が考慮され
ており、圧力損失は2次元に拡張したエルガン式を用い
て求めている。図7にシャフト部圧力損失に関する実測
値と該高炉数学モデルを用いて計算した計算値の比較を
示すが、両者はよく一致している。
【0022】以上に述べた数学モデルを用いて、任意の
装入パターン、送風条件下における鉛直方向粉体圧分
布、炉内ガス圧力損失が算出でき、高炉縮小模型実験よ
り得られた装入物降下異常発生条件に鑑み、圧力損失/
粉体圧が1を超える場所の有無により装入物降下の良否
が予測できる。図8に内容積4300m3の高炉における、1
日に10回以上のスリップが発生したスリップ多発時(a)
と、スリップの全く発生しなかった炉況安定時(b) のシ
ャフト内での圧力損失/粉体圧分布の予測結果を示す。
それぞれ、実績の装入物粒度、装入パターン、送風条件
を用いて前出の数学モデルにより算出した結果である。
スリップ多発時にはシャフト下部炉壁近傍で圧力損失/
粉体圧が1を超える場所が発生しており、本発明により
実炉の降下異常発生を予測できる。
【0023】また、本発明の他の実施形態では、操業中
に変化する炉内状態に対して各種圧力計等の実測データ
に基づいて、炉内装入物降下の安定状態を確認し、操業
管理を行う高炉操業方法となる。この場合は、炉口部に
設置した装入物プロフィール計により炉半径方向の鉱石
層厚、コークス層厚をそれぞれ求めることにより、炉半
径各位置での鉱石層厚比分布を求めることができる。あ
るいは装入物分布に関する数学モデルを用いて、実績の
装入パターン、鉱石/コークス比を入力して鉱石層厚比
分布を算出して求めてもよい。ここで求めた炉半径各位
置での鉱石層厚比分布に基づき、前記の粉体圧予測モデ
ルによりシャフト内での鉛直方向粉体圧分布を求める。
【0024】一方、炉内ガスの圧力損失は、炉頂圧とシ
ャフト部各レベルでのシャフト圧力を測定し、その差を
取ることにより求める。この場合、シャフト部では水平
方向での圧力分布は実質的にはほとんどないので、炉壁
での圧力値をそのレベルの各位置での圧力値として問題
はない。図9に4300m3の高炉における粉体圧分布の予測
結果を示す。粉体圧分布は炉頂プロフィル計により測定
した鉱石層厚比を基に予測した。簡便のため、φi、φ
wは鉱石、コークスの平均とし、φi=45度、φw=1
2度とした。同図には、シャフト圧力計の位置を併せて
示した。粉体圧分布とシャフト圧力計位置から、降下異
常が発生する各圧力計〜炉頂間の圧力損失値がわかる。
図10には図9に示した粉体圧分布下の操業における炉内
圧力損失値とスリップ回数の関係を示す。#3シャフト
圧力計レベル〜炉頂間の圧力損失が0.6kg/cm2 を超える
とスリップが多発しているが、これは図9に示した粉体
圧分布と#3シャフト圧力計の位置から推定される降下
異常発生条件と一致する。
【0025】
【実施例】
(実施例1)内容積4300m3のベルレス高炉において、粒
径5mm以下の小塊焼結鉱の配合量を増加した際の操業の
推移を図11に示す。本発明適用前は、小塊焼結鉱の増配
時にスリップが発生し、操業が安定しなかった。本発明
適用後は、小塊焼結鉱増配の際に圧力損失と粉体圧の比
が1を超える場所が発生しないような装入物分布の検討
を事前に行った。その結果、小塊焼結鉱の増配に対応し
て適切な装入パターンを採用することにより、降下異常
発生を防止でき、安定操業の継続が行えた。
【0026】(実施例2)内容積4300m3のベルレス高炉
において、粒径5mm以下の小塊焼結鉱の配合量を増加し
た際の操業の推移を図12に示す。本発明適用前は、小塊
焼結鉱の増配時にスリップが発生し、操業が安定しなか
った。本発明適用時には圧力損失/粉体圧比の管理値を
0.9 とした。小塊焼結鉱増配の際には圧力損失が増大し
圧力損失/粉体圧比が上昇したが、管理値に達した時点
で装入パターンを変更することで適切な装入物分布に制
御することにより、降下異常発生を防止でき、安定操業
の継続が行えた。
【0027】
【発明の効果】本発明により、任意の操業条件に対して
装入物降下異常発生の有無を予測し、それを回避する装
入物分布制御を実施することにより安定操業の継続が達
成できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】高炉模型におけるシャフト部粉体圧分布を示す
グラフである。
【図2】高炉縮小模型を示す説明図である。
【図3】高炉模型における装入物降下状況を示す説明図
である。
【図4】高炉模型における圧力損失/粉体圧と降下状況
を示す説明図である。
【図5】応力状態のモール円による説明図である。
【図6】粉体圧予測値と実測値との関係を示す特性図で
ある。
【図7】シャフト部圧力損失の計算値と実測値との関係
を示す特性図である。
【図8】実炉における圧力損失/粉体圧分布を示す特性
図である。
【図9】4300m3の高炉での粉体圧分布の予測図である。
【図10】圧力損失とスリップ回数との関係を示す特性
図である。
【図11】本発明適用前後の操業状況を示す特性図であ
る。
【図12】本発明適用前後の操業状況を示す特性図であ
る。
【符号の説明】
1 羽口 2 抜き出し口 3 静圧測定用圧力計 4 ロータリーフィーダ 5 レシーバ 6 レーザセンサ 7 炉壁 8 底板 9 下部室

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数学モデルにより高炉の炉頂半径方向の
    鉱石/コークス層厚比分布を予測し、さらにその分布を
    用いてシャフト部における炉内装入物の粉体圧分布を下
    記の(1) 、(2) 、(3) 式で予測し、かつ前記鉱石/コー
    クス層厚比分布および鉱石、コークスの粒子径からシャ
    フト部における炉内ガスの圧力分布を予測して、シャフ
    ト部任意箇所でそこから炉頂までの圧力損失とその箇所
    の装入物の鉛直方向粉体圧との比を算出し、この比が1
    を超えないように装入物分布制御を行うことを特徴とす
    る高炉操業方法。 記 σv=k・ρ(r/R) ・Z(1+sin φi・cos α(r/R ))/ (1−sin φi・cos α(r/R ))・・・(1) αw =0.5 (φw+ sin-1(sin φw/sin φi)) ・・・(2) α(r/R) =αw・(r/R) ・・・(3) σv:鉛直方向粉体圧、 ρ(r/R) :各半径方向位置での装入物比重、 α(r/R) :各半径方向位置での主方向、 r/R :無次元半径、 Z:装入物表層からの深さ、 R:Zのレベルにおける炉内半径、 k:土圧係数(k=tan2(n/4−φi/2))、 αw:壁面での主方向、 φi:粉体の内部摩擦角 35〜50、 φw:壁面摩擦角 10〜20
  2. 【請求項2】 数学モデル、または炉頂装入物プロフィ
    ル計から把握した高炉の炉頂半径方向の鉱石/コークス
    層厚比分布に基づいてシャフト部の粉体圧分布を予測
    し、一方、炉頂圧およびシャフト部の高さ方向数箇所に
    設置された圧力計から炉壁近傍の炉内ガス静圧を測定し
    て炉内ガス圧力損失を測定し、炉内ガス静圧測定位置か
    ら炉頂までの圧力損失と該炉内ガス静圧測定レベルにお
    ける炉内装入物の鉛直方向粉体圧との比が設定値以下に
    なるように装入物分布制御を行うことを特徴とする高炉
    操業方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011225898A (ja) * 2010-04-15 2011-11-10 Kobe Steel Ltd 高炉の圧力損失導出装置、この装置に用いられる高炉の圧力損失導出方法、及び高炉の圧力損失導出プログラム
KR101368504B1 (ko) * 2012-07-30 2014-02-28 현대제철 주식회사 고로 장입물 분포 평가방법
CN113959628A (zh) * 2021-10-21 2022-01-21 攀钢集团研究院有限公司 高炉上部压力分布与炉况判定方法

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