JPH10198422A - 移動車の誘導制御装置 - Google Patents

移動車の誘導制御装置

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JPH10198422A
JPH10198422A JP9001147A JP114797A JPH10198422A JP H10198422 A JPH10198422 A JP H10198422A JP 9001147 A JP9001147 A JP 9001147A JP 114797 A JP114797 A JP 114797A JP H10198422 A JPH10198422 A JP H10198422A
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Yukifumi Yamanaka
山中  之史
Yasuo Fujii
保生 藤井
Yasuo Irie
康夫 入江
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の走行経路の夫々において、所定の精度
を維持しながら、且つ、安定した操向制御を行うことが
可能となる移動車の誘導制御装置を提供する。 【解決手段】 地上側に、電流が供給される誘導線2が
設置され、移動車V側に、電流により形成される磁界の
強さを検出する操向用磁界検出手段と、この操向用磁界
検出手段による検出情報に基づいて、移動車を平行な複
数の予定走行経路の夫々において誘導走行させる制御手
段12とが備えられ、制御手段12は、操向用磁界検出
手段による検出値と予め設定される目標値との偏差、及
び、操向制御用の制御定数に基づいて、操向用電動モー
タの操作量を求めるように構成され、車体横幅方向に沿
う磁界の強さの変化具合を求める磁界変化具合検出手段
GKの検出情報に基づいて、操向制御用の制御定数を逐
次演算し、且つ、その演算された制御定数に基づいて求
めた操作量にて電動モータを制御するように構成されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地上側に、電流が
供給される誘導線が設置され、移動車側に、前記電流に
より形成される磁界の強さを検出する操向用磁界検出手
段と、前記誘導線の長手方向に沿うと共に互いに平行な
複数の予定走行経路の夫々において、前記操向用磁界検
出手段による検出情報に基づいて、移動車を前記各予定
走行経路に沿って誘導走行させるべく操向操作手段を制
御する制御手段とが備えられ、前記制御手段は、前記操
向用磁界検出手段による検出値と予め設定される目標値
との偏差、及び、操向制御用の制御定数に基づいて、前
記操向操作手段の操作量を求めるように構成されている
移動車の誘導制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記構成の移動車の誘導制御装置は、誘
導線に供給される電流により形成される磁界の強さは、
誘導線からの離間距離に応じて定まる特性を有すること
から、この磁界の強さの検出情報に基づいて、誘導線の
長手方向に沿う平行な複数の走行経路の夫々において、
移動車を誘導走行させることができるようにしたもので
ある。
【0003】上記構成の誘導制御装置において、従来で
は、前記磁界検出手段により検出される磁界の強さの検
出値と、予め設定されている目標値との偏差に基づい
て、例えば、この偏差が小さくなるように、操向操作手
段を制御する構成となっており、このときの偏差に対す
る制御定数は常に一定の値になるように構成されてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構成の
誘導制御装置においては、磁界検出手段にて検出される
磁界の強さは、誘導線からの離間距離の2乗に反比例す
るので、離間距離の変化に対して磁界の強さの変化が大
きなものとなり、各走行経路のうちの誘導線に近接した
箇所にある走行経路と、誘導線から遠く離れた箇所にあ
る走行経路とにおいては、各走行経路上における磁界の
強さの変動幅が大きいものとなる。
【0005】従って、前記各走行経路中を走行する際に
おいて、目標走行位置からの車体の実際のずれ量が同じ
であっても、磁界検出手段の検出値と前記目標値との偏
差が異なった値になる。言い換えると、車体の目標位置
に対する変動量と、磁界検出手段の出力値変化との対応
関係が前記各走行経路において異なった値になる。
【0006】その結果、上述したように、上記従来技術
においては制御定数が一定であることから、前記各走行
経路において操向操作手段の操作量が異なるものになる
が、複数の走行経路の夫々において操向制御の精度を向
上させるために、誘導線から遠く離れた箇所にある走行
経路において設定精度にて操向制御させることができる
ように制御定数を設定しておくと、誘導線に近接した箇
所にある走行経路において誘導走行する場合に、磁界検
出手段の出力値の変化量が大きくなり過ぎて、ハンチン
グ現象が発生して操向制御が不安定になり、移動車の走
行状態が不安定になって車体が振らついてしまう等の不
具合が発生していた。
【0007】そこで、複数の走行経路のうちの1つの走
行経路に沿って走行する際に、その走行経路の始端部に
おける磁界の強さに基づいて、その走行経路における制
御定数を変更設定させる構成、例えば、前記磁界の強さ
に応じて予め設定された特性データから制御定数を求め
て、その走行経路における制御定数として設定する等の
構成が考えられた。
【0008】しかしながら、上記改良構成においても未
だ次のような不利な点があった。つまり、誘導線に供給
される電流により形成される磁界の強さが同じであって
も、磁界検出手段の検出値と目標値との偏差に対する、
操向制御により修正すべき車体変位量、即ち、車体の目
標位置からのずれ量との相対関係が常に一定であるとは
言えない場合がある。例えば、誘導線に流れる電流の大
きさが経年変化によって異なった値に変化したり、又、
電流を供給するためにループ状に設けられる誘導線の電
流の戻り経路の設置状態の差異や、地中を通して循環通
流させる場合であれば地中の電気抵抗の差異等によっ
て、同じ地点での磁界の強さが変化したりすることが考
えられる。このように種々の要因によって、誘導線に供
給される電流による磁界の形成状態が変化したような場
合には、磁界検出手段により検出される磁界の強さが同
じであっても、車体が走行経路から単位量ずれた場合に
おける磁界の強さの変化量が異なった値になるおそれが
ある。その結果、磁界の強さが同じであって且つ前記偏
差が同じであっても、車体の修正量(操向操作量)が異
なったものになることがある。
【0009】ところが、上記改良構成においては、磁界
の強さが同じであれば操向制御用の制御定数が同じであ
ることから、上述したように種々の要因によって磁界の
形成状態が変化すると、操向操作量が適正な値とは異な
った値になり、適正な操向制御が実行されないおそれが
あるといった不利があった。
【0010】しかも、上記改良構成においては、前記制
御定数は、各走行経路毎に設定されるものであり、ある
走行経路の始端部において一旦、制御定数が設定される
と、その走行経路中においては経路終端部までその設定
された制御定数が用いられることになる。しかしなが
ら、地上側に設置される誘導線が無限長であれば、半径
方向に沿う離間距離が同じであれば、磁界の強さも同じ
であると考えられるが、実際には、設置距離が所定の長
さに限定されて有限長となるので、誘導線の端部付近
と、中間部付近とでは、離間距離が同じであっても磁界
の強さが異なった値になってしまうことがある。その結
果、走行経路の始端部においては適正な制御定数であっ
ても、走行経路を走行するに伴って、制御定数が適正で
ない状態になり、良好な操向制御が行えないものになる
といった不利もあった。
【0011】本発明はかかる点に着目してなされたもの
であり、その目的は、合理的な構成により、複数の走行
経路の夫々において、その始端部から終端部に到るま
で、所定の精度を維持しながら、且つ、安定した操向制
御を行うことができて移動車を安定走行させることが可
能となる移動車の誘導制御装置を提供する点にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の特徴構
成によれば、移動車が前記各予定走行経路に沿って誘導
走行する場合において、前記磁界変化具合検出手段によ
って、移動車の車体横幅方向に沿う磁界の強さの変化具
合が求められ、その検出情報に基づいて、制御手段が、
操向制御用の制御定数を逐次演算することになる。そし
て、制御手段は、その演算された制御定数に基づいて操
作量を求めて、操向操作手段を制御するのである。
【0013】つまり、前記制御定数は、検出される磁界
の強さの偏差量に対する操向操作手段の操作量との相関
関係を規定する定数であることから、移動車が位置する
箇所における、車体横幅方向、即ち、誘導線の長手方向
とほぼ直交する方向に沿う前記磁界の強さの変化具合を
実際に求めて、その変化具合に応じて操作量を求めるこ
とにより、前記偏差量に対する前記操向操作量との相対
関係を常に一定に維持させるように調整することが可能
となる。
【0014】しかも、制御定数の演算は走行するに伴っ
て逐次実行されるので、走行経路を移動する途中におい
て磁界の変化具合が変化するような場合であっても、常
に適切な制御定数を求めることができるものとなる。
【0015】その結果、種々の要因によって、電流によ
り形成される磁界の形成状態が変化した場合であって
も、車体の位置ずれに起因して生じる磁界の強さの偏差
に対する操向操作手段の操作量の相対関係を、常に適正
なものにすることが可能となって、どの走行経路を走行
する場合であっても、経路始端部から経路終端部に到る
まで、常に適正な操作量にて操向操作手段が操作制御さ
れることになり、設定精度を維持しながら安定した操向
制御を行うことが可能となった。
【0016】請求項2に記載の特徴構成によれば、前記
複数の走行経路のうちの1つの走行経路が、前記操向制
御用の制御定数として、予め設定された基準制御定数が
適用される基準走行経路として設定され、制御手段は、
この基準走行経路以外の走行経路に沿って走行する際
に、当該予定走行経路にて逐次検出される前記磁界変化
具合検出手段の検出情報と、前記基準走行経路における
前記磁界変化具合検出手段の基準検出情報とに基づい
て、前記基準制御定数を逐次補正して、その走行経路用
の制御定数を演算するのである。
【0017】前記基準走行経路においては、予め適正な
値に設定された基準制御定数が、操向制御用の制御定数
として適用されることから、過不足の少ない適正な操向
制御を行うことができる。そして、基準走行経路以外の
走行経路においては、基準走行経路における磁界変化具
合と異なることから、磁界変化具合検出手段の検出情報
に基づいて、逐次、基準制御定数を補正することで、磁
界変化具合に対応する状態で制御定数が逐次設定される
ことになる。その結果、どの走行経路においても、走行
経路の始端部から終端部に到るまで基準走行経路におけ
る制御状態と同様な制御状態に設定することが可能とな
って、過不足の少ない適正な操向制御を行うことが可能
となる。
【0018】請求項3に記載の特徴構成によれば、前記
磁界変化具合検出手段は、車体横幅方向に沿って設定間
隔を隔てて設置された一対の磁界検出部を備えて構成さ
れ、一方の磁界検出部が操向用磁界検出手段として機能
するように構成されている。
【0019】従って、磁界変化具合を検出するために車
体横幅方向に沿って設定間隔を隔てて設置される一対の
磁界検出部のうちの一方の磁界検出部の検出情報を有効
利用して、操向制御を実行する構成とすることで、磁界
変化具合検出手段と操向用磁界検出手段とを各別に備え
させる場合に比べて、それらを兼用化させて構成の簡素
化を図ることができる。
【0020】請求項4に記載の特徴構成によれば、前記
磁界変化具合検出手段を構成する前記各磁界検出部が、
隣り合う走行経路の間隔に対応させて間隔を隔てて設置
される。そして、移動車が複数の走行経路のうちの1つ
に沿って走行するときに、各磁界検出部のうちの一方の
磁界検出部が、その走行中の走行経路に沿う前記誘導制
御を実行するために現走行経路用の磁界の強さを検出す
ることになり、他方の磁界検出部が、隣接する次の走行
経路に沿って移動車を走行させた際に現走行経路用の磁
界検出部にて検出されることになる次走行経路用の磁界
の強さを検出するのである。
【0021】従って、複数の走行経路のうちの1つの走
行経路に沿って走行しているときに、次回の走行経路に
対応する磁界の強さに基づいて磁界変化具合を検出する
ことになり、現走行経路を走行するときに、次走行経路
における磁界変化具合を予測することが可能で、現走行
経路から次走行経路への移行中等の制御の空き時間を利
用して予め制御定数を設定しておくことで、次走行経路
において制御定数の設定動作の待ち時間が無く、迅速に
操向制御を実行することが可能となる。
【0022】請求項5に記載の特徴構成によれば、前記
移動車が予定走行経路から単位偏差量だけ変位した場合
に、予定走行経路に沿わせるべく誘導走行するための操
向用単位操作量に相当する特性定数が予め設定記憶され
ており、制御手段は、基準走行経路に沿って移動車が走
行する際における各磁界検出部の夫々の検出値、及び、
特性定数に基づいて、基準制御定数を求めて保持するよ
うに構成されている。
【0023】つまり、基準走行経路に沿って移動車を走
行させながら、各磁界検出部にて検出される検出値、即
ち、基準走行経路における磁界変化具合の実測値情報に
基づいて基準制御定数を求めるので、より実際の状況に
適した値として、基準制御定数を定めることができる。
【0024】請求項6に記載の特徴構成によれば、ある
走行経路を走行するとき、次走行経路用の磁界検出部に
おける検出情報が、移動車の走行距離を検出する距離検
出手段の検出情報と対応付けて逐次、記憶手段に記憶さ
れる。そして、次走行経路を走行する際に、前記制御手
段は、前記記憶手段にて記憶される記憶情報を制御用目
標値として操向制御を実行することになる。
【0025】従って、操向操作用の制御定数だけでな
く、操向制御用の目標値も併せて、常に実際の走行経路
の状況に応じて適切な値を、各走行経路の夫々において
設定できることになり、路面の状況等の実際の走行状況
に適した適正な操向制御を実行することが可能となる。
【0026】請求項7に記載の特徴構成によれば、次走
行経路用の磁界検出部にて検出される磁界の強さの検出
情報に基づいて、現走行経路用の磁界検出部における出
力ゲインの目標値が設定され、且つ、次走行経路用の磁
界検出部にて磁界の強さが検出される走行経路において
は、当該走行経路に沿う誘導走行に先立って、現走行経
路用の磁界検出部における出力ゲインが前記目標値に自
動調整されることになる。そして、出力ゲインが目標値
に変更調整されると、その目標値に対応させて制御定数
が適正状態に補正されることになる。
【0027】その結果、各走行経路における磁界の強さ
の変動幅が大きい場合であっても、次走行経路用の磁界
検出部における検出情報に基づいて、常に、適切な出力
ゲインの目標値に自動調整されることになり、検出値が
大き過ぎて増幅器の出力歪みによる検出誤差が大きくな
ったり、検出値が小さ過ぎて適正な偏差が検出できず車
体の位置ずれに対する検出誤差が発生したりすることを
防止できると共に、このように出力ゲインが目標値に調
整されると、その目標値に対応して制御定数を補正する
ことで、常に、検出誤差を小さいものに抑制しながら、
安定した操向制御状態を維持することができるものとな
った。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る移動車の誘導
制御装置について説明する。移動車の誘導制御装置は、
図1に示すように、誘導エリアの一例としての矩形形状
の圃場1内において、移動車の一例としての作業車Vを
圃場1の長手方向に沿って互いに平行な複数の走行経路
kの夫々において、無人状態で誘導走行させることがで
きるように構成されている。
【0029】圃場1の外周部における各辺(畦)には、
夫々、畦の長さとほぼ同じ長さの誘導線2が畦の長手方
向に沿わせる状態で設置され、各誘導線2には夫々各別
に電流供給手段としての電流供給源により所定周波数の
交流電流が供給される。つまり、圃場1の長尺方向に沿
う両側の畦に沿って設置される各誘導線2a,2cに
は、各電流供給源3により周波数fa(Hz)及び周波
数fc(Hz)の交流電流が夫々供給され、短尺方向に
沿う両側の畦に設置される各誘導線2b,2dには、各
電流供給源3により周波数fb(Hz)及び周波数fd
(Hz)の交流電流が夫々供給される。尚、周波数は、
数百Hz〜数十KHz程度に設定されている。
【0030】前記各誘導線2は、図2に示すように、地
中に打ち込まれた導通材料からなる複数の杭4を介して
地中を経由して前記電流が通流するように構成され、誘
導線が長い距離にわたって設置される場合であっても、
長手方向両側部で杭4を打ち込むだけで簡単に設置が行
えるように構成されている。尚、地中においては、比較
的電気抵抗の高い地表層G1でなく、比較的電気抵抗の
低い下層の粘土層G2を通して電流が流れるように、杭
4の打ち込み深さを設定している。
【0031】上述したように設置された誘導線に電流が
流れると、その電流によって磁界が形成されるが、誘導
線からの離間距離に対する磁界の強さの理論値は演算に
て求めることができ、その磁界の強さは誘導線からの離
間距離の2乗に反比例する。従って、供給される電流値
が一定であれば、図3に示すように、誘導線からの離間
距離に対する磁界の強さの変化特性が定まることにな
り、圃場1内でのある地点での磁界の強さはほぼ一定の
大きさになる。
【0032】前記作業車Vは、四輪型の走行車体5の後
部に対地作業装置としてのロータリー耕耘装置6が備え
られ、走行しながら圃場1の対地作業(耕耘作業)を行
うことができるようになっている。走行車体5にはエン
ジンが搭載され、このエンジンの動力が、動力伝達を入
切自在な前後進切換機構7を備えた変速装置を介して各
車輪に伝えられて車体が走行するように構成され、エン
ジンの動力がロータリー耕耘装置6に伝えられるように
なっている。又、左右の前輪が操向操作手段としての電
動モータ9により操向操作可能に設けられている。
【0033】前記作業車Vには、車軸の回転数を検出す
ることで車体の走行距離を検出するための例えばロータ
リーエンコーダ等から成る距離検出手段としての走行距
離センサ10、車体の方位を検出する方位検出手段とし
ての方位センサ11、前記前後進切換機構7や操向用電
動モータ9等の動作を制御する制御手段としてのマイク
ロコンピュータ利用の制御装置12等が備えられてい
る。
【0034】又、図11に示すように、走行車体5の前
部には、前記各誘導線に対する作業車の位置(離間距
離)情報として、前記各誘導線に供給される交流電流に
より形成される磁界の強さを検出する3個の磁界センサ
が車体横幅方向に沿って並設される状態で設けられ、こ
のうち、左右両側に位置する側部磁界センサ13R,1
3Lは、圃場1の長尺方向に沿う両側の畦に沿って設置
される各誘導線2a,2cからの位置情報(離間距離情
報)を、周波数fa及び周波数fcの交流電流により形
成される磁界の強さとして検出するように構成され、左
右中央側に位置する中央磁界センサ14は、圃場1の短
尺方向に沿う両側の畦に沿って設置される各誘導線2
b,2dからの位置情報を、周波数fb及び周波数fd
の交流電流により形成される磁界の強さとして検出する
ように構成されている。
【0035】そして、前記制御装置12は、各側部磁界
センサ13R,13Lによる検出情報に基づいて、複数
の走行経路kの夫々において作業車Vを各走行経路kに
沿って誘導走行させる誘導走行制御を実行し、且つ、経
路端部検出部としての中央磁界センサ14による検出情
報に基づいて、各走行経路kの終端部又は始端部に達し
たことを検出し、終端部に達したことを検出すると、作
業車Vを回向走行させて隣接する次回の走行経路に進入
誘導させる旋回制御を実行するように構成されている。
【0036】つまり、図4に示すように、各側部磁界セ
ンサ13R,13L、中央磁界センサ14の出力が夫
々、信号処理部15にて処理された後に制御装置12に
与えられ、これらの磁界検出情報に基づいて、各走行経
路kに沿って誘導走行されるように操向用電動モータ9
を制御すると共に、走行経路kの終端部においては、磁
界検出情報及び方位センサ11並びに走行距離センサ1
0の検出情報に基づいて、旋回走行すべく操向用電動モ
ータ9、前後進切換機構7等を制御するように構成され
ている。
【0037】前記中央磁界センサ14は、図5に示すよ
うに、誘導線に流れる交流電流により形成される交番磁
界によって誘導起電力が発生する検出コイル16aと、
この検出コイル16aの出力を所定のレベルまで増幅す
る増幅器16bと、検出コイル16aの出力のうち前記
各誘導線2b,2dに流れる電流の周波数fb,fdに
対応する出力のみ通過させる周波数フィルターとしての
バンドパスフィルターBPF、その出力を直流信号に変
換する直流変換回路DC等を備えて構成されている。
【0038】前記側部磁界センサ13R,13Lは、夫
々、誘導線2a,2cに流れる交流電流により形成され
る交番磁界の車体上下方向に沿う磁界成分を検出する上
下方向検出コイル17、車体横幅方向に沿う磁界成分を
検出する横幅方向検出コイル18、これらの各検出コイ
ルの出力を所定のレベルまで増幅する増幅器19,2
0、各検出コイル17,18の出力のうち前記各誘導線
2a,2cに流れる電流の周波数fa,fcに対応する
出力のみ通過させる周波数フィルターとしてのバンドパ
スフィルターBPF、その出力を直流信号に変換する直
流変換回路DC、及び、前記各周波数fa,fcに対応
する上下方向成分と横幅方向成分とに基づいて、夫々の
磁界の強さを演算する演算部21,22等を備えて構成
されている。前記各演算部21,22は、図13に示す
ように、車体上下方向成分pと横幅方向成分qとに基づ
いて三角形の定理に基づいて演算して、合成磁界rの強
さを求めるように構成されている。
【0039】このように構成することで、例えば、図1
3(イ)に示すように、作業車Vが走行途中で片側車輪
が凹部に入り込んで車体が水平姿勢よりの角度θだけ斜
め姿勢に傾斜したような場合であっても、誘導線に供給
される電流により形成される磁界を、互いに直交する2
方向の成分にて検出して、図13(ロ)に示すように、
それを演算にて合成磁界を求めることにより正確な磁界
の強さ、つまり、誘導線からの離間距離を精度よく検出
することができるものとなる。
【0040】このように、各側部磁界センサ13R,1
3Lは、夫々、周波数fa及び周波数fcの夫々に対応
する検出情報が出力され、中央磁界センサ14は、夫
々、周波数fb及び周波数fdの夫々に対応する検出情
報が出力されるようになっているが、信号処理部15に
おいて、それらのうち、検出レベルが高い方、即ち、作
業車Vが該当する誘導線に近い方の検出情報が選択的に
出力されるようになっている。信号処理部15は、図6
に示すように、前記各磁界センサ13R,13L,14
の出力が制御装置12に入力され、制御装置12は各磁
界センサ13R,13L,14における異なる周波数の
出力のうち、検出レベルの高い側の出力を判別して、そ
の出力を選択するように3個のアナログスイッチAS1,
AS2,AS3 に選択信号を与えるように構成されてい
る。
【0041】制御装置12は、中央磁界センサ14の検
出情報に基づいて、短尺方向に沿う畦に設置される誘導
線2b,2dのうちいずれかの検出レベルの高い側の誘
導線からの離間距離を算出して、その離間距離が設定値
になると、作業車Vが前記各走行経路kの端部位置に達
したことを判別するように構成されている。尚、短尺方
向に沿う畦に設置される誘導線2b,2dは、図7に示
すように、両側端部を圃場1内方側に向けて略L字形に
屈曲させた状態で設置されている。このように構成する
と、誘導線2b,2dの中間部tからの離間距離が設定
距離にある地点で誘導線2b,2dの全長にわたってほ
ぼ同一の磁界の強さになるので、この地点を走行経路k
の端部位置として設定している。この端部位置は、端部
屈曲部の長さLよりも設定距離だけ圃場1内方側によっ
た地点となる。因みに、本出願人の実験によれば、端部
屈曲部の長さHが例えば3mであれば、端部位置は誘導
線から5mの離間距離の位置となる。
【0042】このように、走行経路kの端部位置を圃場
1の端部よりも内方側に設定する理由は、図1に示すよ
うに、有限長の誘導線により形成される磁界において、
離間距離が同一の地点における磁界強度分布は、誘導線
の端部付近においては、離間距離に対する磁界の強さの
関係が直線的でなく、磁界の強さに基づく誘導制御が良
好に行えないおそれがあるからである。
【0043】又、各誘導線2には、図8に示すように、
他の誘導線に流れる電流が地中を通して流入することを
抑制する電流抑制手段の一例である周波数フィルターと
して、当該誘導線に供給される電流の周波数のみの通過
を許容するバンドパスフィルター23が設けられてい
る。このバンドパスフィルター23は、コイル23aと
コンデンサ23bを直列接続した共振回路にて構成さ
れ、その共振周波数が前記電流の周波数に対応するよう
に構成されている。従って、他の誘導線から地中を通し
て異なる周波数の電流が流れ込んでも、誘導線にはその
流入電流が通流することが抑制され、各磁界センサが誤
った情報を検出するおそれを極力少なくさせている。
【0044】前記各側部磁界センサ13R,13Lの検
出情報に対応する各アナログスイッチAS1,AS3 の出
力を増幅するための増幅ゲインは、制御装置12からの
切り換え情報に基づいて複数段階(4段階)に変更調整
するように構成されている。つまり、夫々増幅ゲインの
異なる4個の増幅器24,25,26,27の出力のう
ちのいずれかを制御装置12に入力させるためのアナロ
グスイッチAS4,AS 5 に対して、制御装置12が選択
内容を指令するように構成されている。誘導線に供給さ
れる電流により形成される磁界の強さは、上述したよう
に離間距離の変化に対して大きく変化するものであり、
増幅ゲインを一定に維持した場合には、全範囲にわたっ
て適正な分解能で検出することが難しく、検出精度が低
下してしまうおそれがあるので、制御装置12に対する
入力レベルが、例えば図9に示すように、前記誘導線か
らの離間距離が単位距離変化したときに適切な磁界の強
さの変化が識別可能となるように、言い換えると、適切
な分解能を有する適正出力範囲になるように増幅ゲイン
を自動調整するのである。
【0045】前記各側部磁界センサ13R,13Lは、
車体横幅方向に設定間隔を隔てて設置されており、その
いずれか一方の側部磁界センサが、作業車Vが、複数の
走行経路kのうちの1つに沿って走行するときに、その
走行中の走行経路kに沿う誘導制御を実行するために磁
界の強さを検出するための現走行経路用の磁界検出部、
即ち、操向用磁界検出手段GK1 として機能し、他方の
側部磁界センサが、隣接する次の走行経路kに沿って作
業車を走行させた際に前記現走行経路用の磁界検出部G
1 にて検出されることになる磁界の強さを検出する次
走行経路用の磁界検出部GK2 として機能するように構
成されている。つまり、他方の側部磁界センサは、現走
行経路kを走行しながら次走行経路kの磁界を逐次検出
するようになっており、この検出情報は、前記走行距離
センサ10により検出される距離情報と対応付けた状態
で、記憶手段としてのメモリMに逐次記憶されるように
構成されている。
【0046】制御装置12は、磁界検出情報が記憶され
ている次走行経路kにおいて、メモリMに記憶されてい
る磁界検出情報と、走行距離センサ10により検出され
る走行経路kの端部位置からの走行距離情報とに基づい
て、当該走行経路k上の各地点における磁界の強さの目
標値を求め、その目標値と、現走行経路用の磁界検出部
GK1 として機能する側部磁界センサの検出値との偏差
に基づいて、走行用電動モータ9を駆動制御する誘導走
行制御を実行するように構成されている。
【0047】又、制御装置12は、メモリMに記憶され
ている磁界検出情報に基づいて、次走行経路kにおいて
誘導走行される際における現走行経路用の磁界検出部G
1の出力ゲインの目標値を設定すると共に、次走行経
路kにおける誘導走行に先立って、出力ゲインを目標値
に自動調整するように構成されている。具体的には、メ
モリMに記憶されている磁界の強さの最大値が、ゲイン
調整用設定上限値を越えていれば、現行のゲインよりも
1段低いゲインの増幅器が選択され、前記最大値が、ゲ
イン調整用設定下限値を下回っていれば、現行のゲイン
よりも1段高いゲインの増幅器が選択されるように、ア
ナログスイッチAS4,AS5 に対して選択信号を指令す
るようになっている。尚、各アナログスイッチAS4,A
5 のゲインは常に同じ値に調整されるようになってい
る。前記ゲイン調整用の設定上限値及び設定下限値は、
アナログ値としての出力変化の直線性が保障される上下
限範囲として設定される。
【0048】又、制御装置12は、現走行経路用の磁界
検出部GK1 として機能する側部磁界センサの検出値
と、前記目標値との偏差に制御定数を乗じて操向操作
量、つまり、電動モータ9の操作量を求めるように構成
され、現走行経路用の磁界検出部GK1 及び次走行経路
用の磁界検出部GK2 にて検出される磁界の強さの検出
情報に基づいて、前記制御定数を逐次演算し、且つ、そ
の演算された制御定数に基づいて求めた操作量にて電動
モータ9を制御するように構成されている。
【0049】次に、制御装置12の制御動作について説
明する。圃場1内において作業車Vを誘導走行させる場
合、制御装置12による自動誘導制御に先立って、初回
の走行経路kにおいては、適正な走行経路kに沿わせる
状態で手動操縦により作業車Vを走行させる。そのと
き、走行経路kの始端位置から、走行を開始させるに伴
って、次走行経路側の側部磁界センサの検出情報並びに
走行距離センサ10の検出情報とを対応させた状態で、
メモリMに逐次書き込み記憶させておく。又、この初回
走行経路を走行するに伴って設定時間毎にサンプリング
された複数のデータのうち、走行経路の中央付近におけ
る左右側部磁界センサ13R,13Lの夫々の検出値の
複数(n個)のサンプリングデータα1 …αn 、β1
…βn の差分値の平均値Z1 を求め、この平均値Z
1 と、予め設定されて記憶されている定数γとに基づい
て当該走行経路における操向制御用の制御定数を基準制
御定数G1 として求めておく。具体的には下記〔数1〕
に基づいて演算する。従って、初回走行経路が基準走行
経路に相当することになる。又、前記定数γは、作業車
が予定走行経路から単位偏差量だけ横幅方向に変位した
場合に、予定走行経路に沿わせるべく誘導走行するため
の操向用単位操作量に相当する特性定数であって、予め
実験データ等に基づいて求められて設定記憶されてい
る。
【0050】
【数1】
【0051】そして、作業車を次の走行経路kの始端部
に移動させた後に、自動での誘導走行制御が開始され
る。図10、図11に示すフローチャートに基づいて、
制御装置の制御動作について説明する。先ず、現走行経
路用の磁界検出部GK1 として機能する側部磁界センサ
(図1の場合には左側のセンサ13L)の初期設定が行
われ(ステップ1)、その走行経路における誘導走行制
御を実行する(ステップ2)。この誘導走行制御におい
ては、図11に示すように、先ず、現在位置における操
向制御用の制御定数Gnを演算にて求める(ステップ2
1)。つまり、現在位置における左右側部磁界センサ1
3R,13Lの夫々の検出値VAN,VBNの差分値〔(V
AN−VBN)=Zn〕を求め、この差分値Znと、前記初
回走行経路における平均差分値Z1 並びに前記基準制御
定数G1 に基づいて、下記〔数2〕に基づいてこの走行
経路における制御定数Gnを算出する。
【0052】
【数2】Gn=(Zn /Z1 )・G1
【0053】前記各側部磁界センサ13R,13Lの差
分値は、例えば図3に示すように、作業車の現在位置に
おける車体横幅方向に沿う前記磁界の強さの変化具合に
相当することになり、磁界の強さの変化具合に基づい
て、前記基準制御定数G1 を補正して、その位置での制
御定数を演算にて求めるように構成されている。つま
り、左右の側部磁界センサ13R,13Lを利用して、
作業車が走行する経路における車体横幅方向に沿う前記
磁界の強さの変化具合を求める磁界変化具合検出手段G
Kが構成されており、この磁界変化具合検出手段GKの
検出情報に基づいて、制御装置12が、作業車の現在位
置における操向制御の為の制御定数を逐次求めるように
なっている。
【0054】次に、現走行経路用の磁界検出部GK1
して機能する側部磁界センサの検出値(VANあるいはV
BN)と、メモリMに記憶されている当該走行経路におけ
る制御目標値との制御偏差ΔVを演算し(ステップ2
2)、その制御偏差ΔVが不感帯を越えて作業車が走行
経路から位置ずれしていることが判別されると、電動モ
ータによる必要操向操作量θを下記〔数3〕に基づいて
演算して(ステップ23,23)、その操作量だけ電動
モータを操作させる(ステップ25)。従って、現走行
経路用の磁界検出部GK1 が、操向用磁界検出手段に対
応することになる。
【0055】
【数3】θ=Gn・ΔV
【0056】そして、この誘導走行制御が実行される際
に、次走行経路用の磁界検出部GK 2 として機能する次
走行経路側の側部磁界センサの検出情報を走行距離セン
サ10の検出情報と対応させた状態で、メモリMに逐次
書き込み記憶させる(ステップ4)。
【0057】中央磁界センサ14の検出情報に基づい
て、走行経路kの終端部に達したことが検出されるま
で、ステップ2〜ステップ4が設定時間(数ms〜数十
ms程度)毎に繰り返して実行されることになる(ステ
ップ4)。
【0058】中央磁界センサ14の検出情報に基づい
て、走行経路kの終端部に達したことが検出されると、
走行経路数nをカウントアップし(ステップ5,6)、
カウント値が圃場1内での設定経路数nsに達していな
ければ(ステップ7)、前記メモリMに書き込み記憶さ
れた磁界の強さの最大値Xmが、ゲイン調整用設定上限
値SGMを越えていれば、現行のゲインよりも1段低いゲ
インの増幅器が選択されるようにアナログスイッチAS
4,AS5 に対して選択信号を指令して、出力ゲインが下
げ側に変更される(ステップ8,9)。前記最大値Xm
が、ゲイン調整用設定下限値SGLを下回っていれば、現
行のゲインよりも1段高いゲインの増幅器が選択される
ように、アナログスイッチAS4,AS5 に対して選択信
号を指令して、出力ゲインが上げ側に変更される(ステ
ップ10,11)。尚、このように出力ゲインが変更さ
れた場合には、前記制御定数に対する係数が変更量に対
応して適宜設定され、その係数にて制御対数が修正され
ることになる(ステップ12,13)。このようにし
て、磁界の強さの検出値や出力ゲインの変更状況に応じ
て、常に適切な制御定数にて電動モータを駆動制御する
ようにして、制御のハンチングや検出誤差の発生を極
力、抑制するようにしている。
【0059】次に、現走行経路用の磁界検出部GK1
して機能する側部磁界センサを、反対側のものに切り換
える(ステップ14)。車体の向きの変化によりそれら
の位置関係が反転するからである。
【0060】その後、車体を次走行経路kの始端部に位
置させるべく回向走行させる旋回制御を実行する(ステ
ップ15)。図14(イ)に示すように、走行経路kの
終端位置から設定距離だけ操向操作を中立状態に維持し
たままで直進走行させた後に、方位センサ11をリセッ
トして、車体の方位が180度反転したことが検出され
るまで、最大切れ角にて旋回走行させ、その後、中央磁
界センサ14の検出情報に基づいて次の走行経路kの始
端部に達したことが検出されるまで直進走行させる(ス
テップ16)。
【0061】尚、次の走行経路の経路始端側箇所では、
図14(ロ)に示すように、現走行経路k用の磁界検出
部として機能する側部磁界センサの検出情報と、前記メ
モリMに記憶されている記憶情報とに基づいて、次走行
経路に沿う状態になるように車体を旋回しながら前進さ
せて幅寄せを行う必要があるが、このとき、次走行経路
用の磁界検出情報が、屈曲した状態となるが、この領域
においては、初回走行経路の検出情報と、上述したよう
な磁界変化具合の検出情報とに基づいて、適正な状態に
補正するようにしている。その後、その走行経路に沿わ
せる状態で誘導走行制御を実行することになる。
【0062】以後、上述したような誘導走行制御を実行
するが、このとき、ステップ9,11にてゲインが変更
されていれば、メモリMに記憶されている検出情報に対
しても、変化量に対応したゲインを掛けて走行用目標値
を求めることになる。そして、ステップ2〜15を繰り
返して、各走行経路kに沿わせて順次、作業車Vを誘導
走行させ、設定経路数nsに達すると制御が終了する
(ステップ7)。
【0063】現走行経路kにおいては、前走行経路kを
走行する際に記憶されている磁界の強さと現走行経路k
での検出磁界とが同じになるように制御され、しかも、
前記各側部磁界センサ13R,13Lの設置間隔は、ロ
ータリー耕耘装置6の対地作業幅よりも幅狭に設定され
ているので、ロータリー耕耘装置6による作業領域が各
走行経路kでラップすることになり、未作業領域が発生
しないようになっている。又、各側部磁界センサ13
R,13Lの設置間隔を変更調整自在に構成されてい
る。
【0064】〔別実施形態〕 (1)上記実施形態では、前記磁界変化具合検出手段と
して、車体横幅方向に沿って設定間隔を隔てて設置され
た一対の磁界検出部を備えて構成され、一方の磁界検出
部が前記操向用磁界検出手段として機能とし、他方の磁
界検出部が、隣接する次の走行経路に沿って前記移動車
を走行させた際に前記現走行経路用の磁界検出部にて検
出されることになる次走行経路用の磁界の強さを検出す
るように構成される構成としたが、このような構成に代
えて、次のように構成してもよい。
【0065】前記実施形態における他方の磁界検出部の
検出値と、中央磁界センサの検出値とを用いて、前記磁
界変化具合を検出する構成としてもよく、又、これらの
センサとは別に横幅方向に間隔を隔てて別途設けられる
磁界センサにて磁界変化具合を検出するようにしてもよ
い。
【0066】更に、磁界の強さを検出自在な磁界センサ
を、車体横幅方向に沿って設定距離にわたって移動操作
自在に移動車に設け、この磁界センサを横幅方向に順次
移動させながらその移動距離に対応させて磁界の強さを
順次検出するようにして、磁界変化具合を検出するよう
にしてもよい。この磁界センサは、操向用磁界検出手段
として機能してもよく、操向用磁界検出手段とは別に設
けられるものでもよい。
【0067】(2)上記実施形態では、基準となる走行
経路を定めて、そのときの基準制御定数に対して補正し
て制御定数を求めるようにしたが、このような構成に代
えて、例えば、変化具合検出手段にて検出される変化具
合に対応する適正な制御定数が予めマップデータとして
記憶されており、各走行経路において、変化具合検出手
段の検出情報に基づいて直接、制御定数を求めるように
してもよい。
【0068】(3)上記実施形態では、操向制御の制御
目標値として、次回走行経路用の磁界検出部の検出情報
を記憶させて、その記憶情報を制御目標とするようにし
たが、このような構成に代えて、制御目標値を、予め、
各走行経路に対応させてマップデータとしてメモリに記
憶させるようにしてよい。
【0069】(4)上記実施形態では、経路端部検出部
として中央磁界センサにて走行経路の端部を検出するよ
うにしたが、このような構成に代えて、例えば、経路端
部にて横方向にレーザー光を照射させて、このレーザー
光を検出するセンサにて経路端部を検出するようにして
もよく、又、無線操縦にて手動にて経路端部に至ったこ
とを移動車側に指令する構成等、各種の構成にて実施し
てもよい。
【0070】(5)上記実施形態では、操向用磁界検出
手段の出力ゲインを自動調整する構成としたが、このよ
うな自動調整を行わない構成としてもよい。
【0071】(6)上記実施形態では、誘導対象エリア
の左右両側に誘導線が設置される場合を例示したが、片
側にのみ誘導線が設けられる構成としてもよく、この場
合において、誘導走行制御は、誘導線に近い方の走行経
路から順次、遠い側の経路に誘導させてもよく、誘導線
に遠い方の走行経路から順次、近い側の経路に誘導させ
てもよい。又、上記実施形態では誘導線が、地中を経由
して前記電流が通流するように構成される場合を例示し
たが、このような構成に限らず、誘導線を、例えば畦を
囲うように細長の矩形ループ状に配置させるような設置
形態であってもよい。
【0072】(7)上記実施形態では、移動車として四
輪型で左右前輪が走行揺動自在に設けられる構成とした
が、四輪全てが走行揺動自在に設けられて、前後車輪が
互いに異なる方向に揺動する小旋回半径での旋回を行う
形態や、前後車輪が同じ方向に揺動して移動車が斜め方
向に平行移動するような走行形態を採る構成であっても
よい。又、左右一対のクローラ走行装置を備え、片側に
制動を加える操向操作構成を有する構成であってもよ
い。
【0073】(8)上記実施形態では、移動車としてロ
ータリー耕耘装置を備えた構成としたが、苗移植装置や
薬剤散布装置等を備えたものであってもよく、又、この
ような作業装置を備えない、運搬車等の移動車であって
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】誘導状態を示す平面図
【図2】誘導線の設置状態を示す側面図
【図3】磁界強度分布を示す図
【図4】制御ブロック図
【図5】磁界検出部の構成図
【図6】信号処理部の構成図
【図7】誘導線の設置状態を示す平面図
【図8】誘導線の電気回路図
【図9】出力ゲインを切り換えた場合の出力特性を示す
【図10】制御動作のフローチャート
【図11】制御動作のフローチャート
【図12】移動車の平面図
【図13】磁界検出状態を示す図
【図14】旋回制御状態を示す図
【符号の説明】
2 誘導線 9 操向操作手段 10 距離検出手段 12 制御手段 13R,13L 磁界検出部 GK 磁界変化具合検出手段 GK1 操向用磁界検出手段 M 記憶手段 V 移動車
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 幸生 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タ堺製造所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地上側に、電流が供給される誘導線が設
    置され、 移動車側に、 前記電流により形成される磁界の強さを検出する操向用
    磁界検出手段と、 前記誘導線の長手方向に沿うと共に互いに平行な複数の
    予定走行経路の夫々において、前記操向用磁界検出手段
    による検出情報に基づいて、移動車を前記各予定走行経
    路に沿って誘導走行させるべく操向操作手段を制御する
    制御手段とが備えられ、 前記制御手段は、 前記操向用磁界検出手段による検出値と予め設定される
    目標値との偏差、及び、操向制御用の制御定数に基づい
    て、前記操向操作手段の操作量を求めるように構成され
    ている移動車の誘導制御装置であって、 前記移動車に、 車体横幅方向に沿う前記磁界の強さの変化具合を求める
    磁界変化具合検出手段が設けられ、 前記制御手段は、 前記移動車が前記各予定走行経路に沿って誘導走行する
    場合において、前記磁界変化具合検出手段の検出情報に
    基づいて、前記操向制御用の制御定数を逐次演算し、且
    つ、その演算された制御定数に基づいて求めた操作量に
    て、前記操向操作手段を制御するように構成されている
    移動車の誘導制御装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の予定走行経路のうちの1つの
    予定走行経路が、前記操向制御用の制御定数として、予
    め設定された基準制御定数が適用される基準走行経路と
    して設定され、 前記制御手段は、 前記基準走行経路以外の予定走行経路に沿って走行する
    際に、当該予定走行経路にて逐次検出される前記磁界変
    化具合検出手段の検出情報と、前記基準走行経路におけ
    る前記磁界変化具合検出手段の基準検出情報とに基づい
    て、前記基準制御定数を逐次補正して、その走行経路用
    の制御定数を演算するように構成されている請求項1記
    載の移動車の誘導制御装置。
  3. 【請求項3】 前記磁界変化具合検出手段は、 車体横幅方向に沿って設定間隔を隔てて設置された一対
    の磁界検出部を備えて構成され、 一方の磁界検出部が前記操向用磁界検出手段として機能
    するように構成されている請求項1又は2記載の移動車
    の誘導制御装置。
  4. 【請求項4】 前記各磁界検出部は、隣り合う走行経路
    の間隔に対応させて間隔を隔てて設置する状態で備えら
    れ、 前記各磁界検出部のうちの一方の磁界検出部が、 前記複数の走行経路のうちの1つに沿って走行するとき
    に、 その走行中の走行経路に沿う前記誘導制御を実行するた
    めに現走行経路用の磁界の強さを検出するように構成さ
    れ、 他方の磁界検出部が、 隣接する次の走行経路に沿って前記移動車を走行させた
    際に前記現走行経路用の磁界検出部にて検出されること
    になる次走行経路用の磁界の強さを検出するように構成
    されている請求項3記載の移動車の誘導制御装置。
  5. 【請求項5】 前記移動車が予定走行経路から単位偏差
    量だけ変位した場合に、予定走行経路に沿わせるべく誘
    導走行するための操向用単位操作量に相当する特性定数
    が予め設定記憶されており、 前記制御手段は、 前記基準走行経路に沿って前記移動車が走行する際にお
    ける前記各磁界検出部の夫々の検出値、及び、前記特性
    定数に基づいて、前記基準制御定数を求めて保持するよ
    うに構成されている請求項4記載の移動車の誘導制御装
    置。
  6. 【請求項6】 前記移動車の走行距離を検出する距離検
    出手段と、 前記次走行経路用の磁界検出部における検出情報を、前
    記距離検出手段の検出情報と対応付けて逐次記憶する記
    憶手段とが設けられ、 前記制御手段は、前記記憶手段にて記憶される記憶情報
    を前記目標値として操向制御を実行するように構成され
    ている請求項4又は5記載の移動車の誘導制御装置。
  7. 【請求項7】 前記制御手段は、 前記次走行経路用の磁界検出部にて検出される磁界の強
    さの検出情報に基づいて、前記現走行経路用の磁界検出
    部における出力ゲインの目標値を設定するように構成さ
    れると共に、 前記次走行経路用の磁界検出部にて磁界の強さが検出さ
    れる走行経路においては、当該走行経路に沿う誘導走行
    に先立って、前記現走行経路用の磁界検出部における出
    力ゲインを前記目標値に自動調整するように構成され、 且つ、前記出力ゲインが前記目標値に調整されると、そ
    の目標値に対応させて前記制御定数を適正状態に補正す
    るように構成されている請求項4〜6のいずれか1項に
    記載の移動車の誘導制御装置。
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