JPH10193504A - ゴムと金属板の積層体、その加熱方法、製造方法、および装置 - Google Patents

ゴムと金属板の積層体、その加熱方法、製造方法、および装置

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JPH10193504A
JPH10193504A JP9238643A JP23864397A JPH10193504A JP H10193504 A JPH10193504 A JP H10193504A JP 9238643 A JP9238643 A JP 9238643A JP 23864397 A JP23864397 A JP 23864397A JP H10193504 A JPH10193504 A JP H10193504A
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陽一 井上
Shigeru Yuki
滋 結城
Hirohiko Fukumoto
裕彦 福元
Shigeto Adachi
成人 足立
Natsushiro Kino
夏四郎 嬉野
Takayuki Sato
隆之 佐藤
Yoshinori Kurokawa
好徳 黒川
Kazuhiko Sakiyama
和彦 崎山
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    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 未加硫ゴムと金属板からなる積層体を短時間
で加熱することができる加熱方法を提供する。 【解決手段】 未加硫ゴム3と金属板2、4、5とを交
互に積層してなる積層体1を誘導コイル6の影響下に配
置し、該誘導コイル6に交流を通電して前記積層体1を
構成する複数の金属板2、4、5の各々に渦電流を発生
せしめて各金属板2、4、5を発熱させ、昇温された各
金属板2、4、5からの熱伝導によって前記未加硫ゴム
3を加熱することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴムと金属板とを
交互に積層した積層体構造の加硫ゴム成形品、この加硫
ゴム成形品の原形である未加硫ゴムと金属板とを交互に
積層した積層体を加熱する方法及び加熱装置、上記加硫
ゴム成形品の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴムと金属板の積層体構造の加硫ゴム成
形品としては、例えば免震装置に用いられるものがあ
る。この免震装置は、ビル、建物、橋梁、機械装置等の
構造物の基礎に取り付けられるものであり、地震等によ
る加振力に対する応答加速度を減少させ、被害を最小限
にとどめるためのものである。建物用の大型の免震装置
では、設計荷重が500トン以上にもなり、その直径は
1m前後の大きさになる。
【0003】このようなゴムと金属板の積層体は、加硫
済ゴムと金属板を接着するか、未加硫ゴムと金属板の積
層体を加圧しながら加硫温度まで加熱することによって
製造される。加硫済ゴムと金属板を接着する方法として
は、金属を電磁誘導で加熱して接着剤層部分を主として
加熱する方法(特公昭59−19018号公報)が提案
されているが、未加硫ゴムを1枚ずつ加硫して加硫済ゴ
ムを製造する工程や、金属板との間に接着剤を塗布して
積層する工程などを必要とするため、とくに、免震装置
などのように大型の積層体では、好ましい方法とはいえ
ない。
【0004】そこで、未加硫ゴムと金属板の積層体を加
熱し、加圧しながら加硫できる加熱方法が望まれる。一
般的に、未加硫ゴムの加熱方法としては、蒸気や温水を
使用した熱板プレスやホットプレスが用いられている
が、モールド(金型)を電磁誘導で発熱させ、モールド
からの熱伝達で未加硫ゴムを加熱する方法(特開昭57
−193340号公報)も提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、未加硫
ゴムは一種の断熱材であり、熱板プレス、ホットプレス
およびモールドの発熱などによる外部からの加熱だけで
は内部まで熱がいきわたるまでに時間がかかり、生産性
が著しく劣るという問題があった。この問題はとくに大
型の免震装置などでは、顕著なものとなる。
【0006】例えば、前述の設計荷重が約500トンで
直径が約1mの建物用の大型の免震装置では、加硫する
のにおよそ10〜20時間かかっている。また、このよ
うに長時間にわたって大型の積層体を加熱加圧状態のま
ま保持することは、エネルギーコストの面からも好まし
いものではない。
【0007】本発明は、前述の問題に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、未加硫ゴムと金属
板からなる積層体を短時間で加熱することができる加熱
方法を提供することである。また、昇温中の積層体内で
温度差が生じないように加熱できる加熱方法を合わせて
提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる発明
は、未加硫ゴムと金属板を交互に積み重ねて電磁誘導加
熱により加熱成形された積層体構造の加硫ゴム成形品で
あって、前記金属板は導電性材料により形成されている
ことを特徴とするものである。前記金属板は導電性材料
であるので渦電流により発熱させることができる。した
がって、電磁誘導加熱に供することができる。導電性材
料としては、鉄板、鋼板の他、アルミニウムおよびその
合金、銅およびその合金などがある。金属板が鉄板を除
く上記のような材料により形成された積層体では、耐腐
食性が鉄よりも良好であることから、鉄板で形成した場
合よりも腐食による設計荷重の低下を招来し難いものと
なる。
【0009】請求項2にかかる発明は、請求項1に記載
の発明に加えて、前記金属板が磁性を有するものであ
る。磁性体は磁界を強め渦電流を大きくする。
【0010】請求項3にかかる発明は、請求項1または
2に記載の発明に加えて、前記金属板がマルテンサイト
系ステンレスであるものである。一般にマルテンサイト
系ステンレスは、導電体で耐腐食性が良好であり、非
(または弱)磁性体である。また、強度があり、低コス
トである。
【0011】請求項4にかかる発明は、未加硫ゴムと金
属板とを交互に積層してなる未加硫積層体を誘導コイル
の影響下に配置し、該誘導コイルに交流を通電して前記
未加硫積層体を構成する複数の金属板の各々に渦電流を
発生せしめて各金属板を発熱させ、昇温された各金属板
からの熱伝導によって前記未加硫ゴムを加熱することを
特徴とする加熱方法である。金属板は導電性材料であ
り、磁束変化により内部に渦電流が発生する。誘導コイ
ルにより発生する磁束密度を大きくするためには、金属
板の磁性が大きいほうが好ましい。また、強度およびコ
ストの観点からは鋼板であることが好ましい。積層体
は、薄板状の未加硫ゴムと金属板とを交互に積層したも
のであるが、その積層方向の両端は金属板である。両端
の金属板は、未加硫ゴムに挟まれている金属板と異な
り、完成品を所定箇所に取り付けるためのネジ孔などが
設けられるため、フランジ部分だけ幅広となっている。
これら積層体の形状は、中実円柱または中空円筒柱など
が一般的であるが、3角柱以上の多角柱(中空のものも
含む)なども可能である。
【0012】請求項5にかかる発明は、請求項4に記載
の発明に加えて、前記誘導コイルを少なくとも未加硫ゴ
ムに挟まれた各金属板に対して積層方向と直交する方向
に渦電流を発生させるように配設したものである。未加
硫ゴムに挟まれた金属板の積層方向と直交する方向(径
方向)に渦電流を発生させる方法としては、誘導コイル
の内部に積層体を置く方法が構成が簡素であり好ましい
が、複数の誘導コイルを積層体の周辺に配置することに
よっても可能である。金属板は良好な熱伝導体であり、
例えば、径方向の端付近の局所的な発熱であってもすぐ
に全体に伝導し全面が昇温する。このように全面が昇温
された金属板により未加硫ゴムが加熱される。径方向の
端付近とは、積層体が中実柱の場合外周を指し、積層体
が中空柱の場合、外周または内周を指す。外周と内周は
何れか一方を発熱させてもよいし、両方を発熱させても
よい。内周を発熱させるには、内周の中空部分に誘導コ
イルを挿入する方法などがある。
【0013】請求項6にかかる発明は、請求項4または
5に記載の発明に加えて、前記金属板が、磁性材料によ
り形成されてなるものである。磁性体は磁界を強め渦電
流を大きくし、大きな発熱量が得られる。もっとも、他
の熱源との併用などによって補うようにすることも可能
である。
【0014】請求項7にかかる発明は、請求項6に記載
の発明に加えて、前記金属板が、マルテンサイト系ステ
ンレスであるものである。一般的な材料であるマルテン
サイト系ステンレスを用いることによって、材料コスト
を低減することができる。
【0015】請求項8にかかる発明は、請求項4乃至7
の何れかに記載の発明に加えて、前記誘導コイルに通電
される交流電流の周波数が1KHz以下であるものであ
る。周波数を1KHz以下の低周波数とすることによっ
て、積層方向の両端と中央との温度差がなくなる。すな
わち、周波数が高くなる程、積層方向の上端および下端
にあるものに加熱が集中する傾向がある。低周波数の磁
界を積層体に印加することによって、積層体中の金属板
のそれぞれに磁界を十分に印加して発熱させることがで
き、積層方に温度勾配を生じさせることなく均一に積
層体全体の加熱を短時間で行うことができる。
【0016】請求項9にかかる発明は、請求項4乃至8
の何れかに記載の発明に加えて、前記周波数が20Hz
以下であるものである。積層体内部の金属板に面内温度
差を生じさせないように温度を上昇させることができ
る。したがって、積層体の積層方向だけでなく径方向の
温度差が緩和される。
【0017】請求項10にかかる発明は、請求項4乃至
9の何れかに記載の発明に加えて、前記周波数が1Hz
以上であるものである。周波数を下げると加熱効率が下
がる傾向にある。温度の均一性と加熱効率の2つを考慮
して、所定温度に到達する時間を下げない程度に、均一
な温度で加温されるような最適な周波数を決定すること
が好ましい。が、概して1Hz未満では、所定温度に到
達させるのに時間がかかるようになるため好ましくな
い。
【0018】請求項11にかかる発明は、請求項4乃至
10の何れかに記載の発明に加えて、前記誘導コイルに
通電される交流電流の周波数を変化させながら加熱する
ものである。周波数を変えることによって、外周と内部
の金属板の発熱量の大小を制御できるため、温度差をよ
り均一にできる。
【0019】請求項12にかかる発明は、請求項4乃至
11の何れかに記載の発明に加えて、前記加熱方法が、
前記積層体内の未加硫ゴムを所定温度まで昇温させる予
熱工程に適応されるものである。未加硫ゴムを加硫する
場合、予熱工程と、予熱されたゴムを所定温度に保ちな
がら加圧する加硫工程とを要する。予熱工程で誘導加熱
を行ったのち、加硫工程で熱盤プレスやホットプレスな
ど従来の方法を用いて加硫してもよい。
【0020】請求項13にかかる発明は、請求項4乃至
12の何れかに記載の発明に加えて、前記加熱方法が、
前記積層体を積層方向に加圧しながら加熱する加硫工程
に適応されるものである。予熱工程を熱盤プレスやホッ
トプレスなど従来の方法での加熱とし、加硫工程を電磁
誘導加熱としてもよい。また、両方の工程を電磁誘導加
熱としてもよい。
【0021】請求項14にかかる発明は、請求項4乃至
13の何れかに記載の発明に加えて、前記積層体の外周
をモールドで拘束して加熱するものである。加硫工程で
は、加圧するためのモールド内に未加硫ゴムと金属板の
積層体を収納する。モールド内に収めたまま加熱できる
ようにすることにより、モールドへの出し入れの手間が
省け、予熱工程から加硫工程への移行が容易になる。
【0022】請求項15にかかる発明は、請求項14に
記載の発明に加えて、前記モールドが、非または弱磁性
体であるものである。モールドが磁束を引きつけないの
で筒状のモールドの中空部に、良好な磁界を生成する。
したがって、その中空部に収納される積層体の金属板を
透過する磁束が減少することなく、効率のよい電磁誘導
加熱が可能になる。非磁性体であることが好ましいが弱
磁性体でもよい。非または弱磁性体としては、SUS3
04などのオーステナイト系ステンレス、コンクリー
ト、各種セラミックなどがある。
【0023】請求項16にかかる発明は、請求項14ま
たは15に記載の発明に加えて、前記モールドが、導電
性を有しているものである。モールド内に渦電流を発生
させることができる。したがって、モールドも昇温し、
モールドからの熱伝導によって積層体を外周からも加熱
することができる。これにより、積層体内部と外周との
温度差をなくすことができる。
【0024】請求項17にかかる発明は、請求項14、
15または16に記載の発明に加えて、前記モールド
が、オーステナイト系ステンレス製であるものである。
ステンレスは、非(または弱)磁性体であり、導電性を
有することから、モールド内の積層体に作用する磁力に
悪影響を与えることがない。その上、耐腐食性があり、
機械的強度も強く、低コストである。
【0025】請求項18にかかる発明は、請求項14乃
至17の何れかに記載の発明に加えて、前記モールドを
加熱する加熱手段を設け、当該モールドからの熱伝導に
よって積層体を外周からも加熱するものである。モール
ドの加熱手段としては、モールド内に設けられた空洞に
加熱媒体を供給するもの、電熱線を内設したものなど、
従来から一般に用いられる手段を適宜採用することがで
きる。これにより、積層体内部と外周との温度差(径方
向の温度勾配)をなくすことができる。
【0026】請求項19にかかる発明は、請求項4乃至
18の何れかに記載の発明に加えて、前記未加硫積層体
を積層方向両端側から加熱または保温する加熱・保温手
段が設けられてなるものである。積層方向両端の加熱・
保温手段としては、内部に加熱媒体が供給される熱盤、
電熱線を内設された熱盤など、従来から一般に用いられ
る手段を適宜採用することができる。これにより、積層
体の積層方向の温度勾配をなくすことができる。
【0027】請求項20にかかる発明は、請求項1乃至
3記載の加硫ゴム成形品の製造方法であって、前記未加
硫ゴムと金属板とを交互に積層してなる積層体を誘導コ
イルの影響下に配置し、該誘導コイルに交流を通電して
前記積層体を構成する複数の金属板の各々に渦電流を発
生せしめて各金属板を発熱させ、昇温された各金属板か
らの熱伝導によって前記未加硫ゴムを加熱しながら、前
記積層体の積層方向に加圧力を作用させて加硫すること
を特徴とするゴムと金属板の積層体構造の加硫ゴム成形
品の製造方法である。未加硫ゴムと金属板の積層体を加
硫して加硫ゴム成形品を製造する場合に、予熱工程と加
硫工程に誘導加熱が適応されるものである。両工程を一
つの設備で連続して行なうことが出来るので効率的であ
る。
【0028】請求項21にかかる発明は、請求項20に
記載の発明に加えて、前記積層体を少なくとも外側の外
周が拘束されるモールド内に収納して行なうものであ
る。モールド内に収めたまま加熱できるようにすること
により、モールドへの出し入れの手間が省け、製造工程
が簡素化できる。
【0029】請求項22にかかる発明は、請求項1乃至
3記載の加硫ゴム成形品の製造方法であって、前記未加
硫ゴムと金属板とを交互に積層してなる積層体を誘導コ
イルの影響下に配置し、該誘導コイルに交流を通電して
前記積層体を構成する複数の金属板の各々に渦電流を発
生せしめて各金属板を発熱させることで前記積層体を予
熱した後、該積層体の積層方向に加圧力を作用させなが
ら適宜加熱しながら加硫することを特徴とするゴムと金
属板の積層体構造の加硫ゴム成形品の製造方法である。
未加硫ゴムを加硫する場合、予熱工程と、予熱されたゴ
ムを所定温度に保ちながら加圧する加硫工程とを要す
る。予熱工程で誘導加熱を行ったのち、加硫工程で熱盤
プレスやホットプレスなど従来の方法を用いて加硫して
もよい。
【0030】請求項23にかかる発明は、請求項22に
記載の発明に加えて、前記積層体を少なくとも外側の外
周が拘束されるモールド内に収納して行なうものであ
る。モールド内に収めたまま加熱できるようにすること
により、モールドへの出し入れの手間が省け、製造工程
が簡素化できる。
【0031】請求項24にかかる発明は、未加硫ゴムと
金属板とを交互に積層してなる積層体を構成する全ての
金属板のうちの一部または全部を未加硫ゴム層から露出
させ誘導加熱により加熱して加硫した後、前記金属板の
露出部を強制冷却する工程を含んでなることを特徴とす
るゴムと金属板の積層体構造の加硫ゴム成形品製造方法
である。金属板の露出部を強制的に冷却することによっ
て、金属板を介して積層体の内部から急速に冷却するこ
とができ、加硫成形後におけるゴム成形品の冷却時間を
短縮化することができる。
【0032】請求項25にかかる発明は、請求項24に
記載の発明に加えて、液体状または気体状の冷媒により
前記金属板の露出部を強制冷却するものである。取り扱
いの容易な気体状または液体状の冷媒により、容易によ
り速く冷却することができる。
【0033】請求項26にかかる発明は、請求項24ま
たは25に記載の発明に加えて、前記金属板の露出部に
冷却用フィン部材を取り付け、該冷却用フィン部材を介
して前記露出部を強制冷却するものである。冷却用フィ
ン部材を冷媒で冷やすことにより一層速く露出部を冷却
することができる。
【0034】請求項27にかかる発明は、請求項25ま
たは26に記載の発明に加えて、前記積層体の金属板に
マルテンサイト系ステンレス鋼板を使用し、前記冷媒に
水または空気を使用するものである。マルテンサイト系
ステンレス鋼板は耐腐食性が良好であり、腐食を生じさ
せ易い水や空気による冷却を行っても、腐食が生じ難い
ものとなる。従って、加硫ゴム成形品を製造する際の冷
却工程におけるコストを安価な水や空気の使用により低
減させることができる。
【0035】請求項28にかかる発明は、未加硫ゴムと
金属板とを交互に積層した積層体に対して電磁誘導加熱
する加熱装置であって、前記金属板に対して磁界により
渦電流を発生させて発熱させるように、前記積層体に前
記磁界を印加する誘導コイルと、前記誘導コイルに交流
電流を通電して前記磁界を発生させる電源手段とを有し
ていることを特徴とするものである。これにより、未加
硫ゴムと金属板とを交互に積層することにより形成され
た積層体における金属板がそれ自体で発熱するため、金
属板が伝熱板となって積層体の内部から加熱が行われ
る。従って、未加硫ゴムの外部から加熱する場合より
も、短時間で積層体全体を所定温度以上に加熱すること
ができる。
【0036】請求項29にかかる発明は、請求項28に
記載の発明に加えて、前記積層体の外周を拘束して収納
するモールドを備えてなるものである。予熱工程から加
硫工程への移行が容易であり、加硫システムの簡略化を
図ることができる。
【0037】請求項30にかかる発明は、請求項29に
記載の発明に加えて、前記モールドが、非または弱磁性
体材料からなるものである。積層体への磁界が弱められ
ることなく、効率よく金属板を発熱させることができ
る。非磁性体であることが好ましいが、弱磁性体でもよ
い。非または弱磁性体としては、SUS304などのオ
ーステナイト系ステンレス、コンクリート、各種セラミ
ックなどがある。
【0038】請求項31にかかる発明は、請求項28、
29または30に記載の発明に加えて、前記モールドを
加熱する加熱手段を備えてなるものである。モールドを
ステンレス製とすると、ステンレスは非(または弱)磁
性体であり、導電性材料でもあるので、積層体への磁束
を減少させることなく、モールド自身にも渦電流が発生
し、加熱される。この他、ステンレス製としなくても、
加熱手段を設けてモールド自身が加熱されるようにする
と、積層体を外周から加熱できるので内部との温度差を
緩和し、より速く均一に加熱することができる。モール
ドを加熱する手段としては、モールドの内部に加熱媒体
を導く加熱媒体方式、電熱線を内蔵させる電熱方式など
がある。そのほか、従来から一般に用いられている方法
を適宜採用することができる。なお、モールドを用いな
い加熱の場合は、モールドに準じて、モールドと同様に
積層体の外周と接するもので、加熱手段が内蔵されたも
のを用いることができる。
【0039】請求項32にかかる発明は、請求項28乃
至31のいずれかに記載の発明に加えて、前記積層体を
積層方向両端側から加熱または保温する熱盤を備えてな
るものである。この熱盤も、モールドの加熱手段と同様
に、加熱媒体方式、電熱方式など従来から用いられてい
る方法を適宜採用して用いることができる。これによ
り、積層方向の温度差を緩和し、より速く均一に加熱す
ることができる。また、加圧プレスに挿着して積層体を
加熱する場合には、上下プラテンを熱盤としてもよい。
【0040】請求項33にかかる発明は、請求項28乃
至32のいずれかに記載の発明に加えて、前記電源手段
は、交流電流の周波数を可変調整する周波数調整手段を
有することを特徴とするものである。これにより、積層
体のサイズに応じて最適な周波数の磁界を積層体に印加
したり、予熱工程と加硫工程とで加熱量を変化させるこ
とができ、目的に応じた加熱調整ができるため、積層体
全体の加熱を一層短時間で行うことができる。
【0041】請求項34にかかる発明は、請求項28乃
至33のいずれかに記載の加熱装置と、前記積層体をそ
の積層方向から加圧する加圧手段を有することを特徴と
するゴムと金属板の積層体構造の加硫ゴム成形品の製造
装置である。積層体全体の加熱を短時間で行えることか
ら加硫ゴム成形品の製造が、短時間で済み、装置として
簡素化された製造装置が得られる。
【0042】
【本発明の実施形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しつつ説明する。図1乃至図3は、本発明の積層体
の実施態様例を示す積層方向の断面図である。本発明に
おいて、積層体の代表的な形状としては、中実円柱や中
空円筒が挙げられるが、これに限らず、三角柱以上の多
角柱(中空のものも含む)も可能である。しかしなが
ら、便宜上本明細書では、積層方向と直交する方向を径
方向という。
【0043】図1において、積層体1は、金属板2、
4、5とゴム3を平行状態を保ったまま交互に積み重ね
たものである。金属板2、4、5のうち、金属板2は内
部板2とも呼ばれ、金属板4、5は連結板4、5とも呼
ばれる。内部板2の両面はゴム3と接しており、連結板
4、5は、積層体1の両端面にあってフランジ部分4
a、5aを有している。内部板2とゴム3はそれぞれ、
厚みが数ミリメートルであり、数枚〜数十枚を交互に積
み重ねられている。連結板4、5は、取付けプレート等
をネジ止めするためのフランジとして機能する。そのた
め、内部板2よりも厚く、径も大きくなっている。内部
板2はゴム3の積層方向の剛性を高めるためのものであ
り、ゴム3と略同等の厚みであることが好ましい。
【0044】また、図1において、内部板2は、環状の
ゴム3aによってその外周2aも完全にゴム3、3a内
に完全に埋設された状態になっている。このように、内
部板2がゴム3に完全に埋設された構成であれば、1回
の加硫成形により内部板2を完全に防錆した加硫ゴム成
形品とすることができるので好ましい。
【0045】図2では、図1の環状のゴム3aにあたる
ものがなく、全ての内部板2の外周2aは露出してい
る。また、図3では、一部の内部板2の外周2aが露出
している。このように、全てまたは一部の内部板2の外
周2aが露出された構成であれば、露出した外周2aに
モールドを当接させて、加熱したモールドからの熱伝導
により内部板2を加熱でき、その内部板2からの熱伝導
により未加硫ゴム3を一層効率よく加熱することができ
る。また、冷却時において、内部板2の外周2を冷媒な
どによって強制的に冷やすことができ、冷却時間を短縮
化することができる。
【0046】金属板2、4、5は導電性材料から形成さ
れており、磁束が変化する環境に置かれると内部に渦電
流が発生し、発熱する。したがって、この積層体1は、
電磁誘導加熱により金属板2、4、5を加熱することが
できる。また、磁束の通り道にある金属板2、4、5が
磁性を有するものであれば、磁界を強めることができ、
発生する渦電流が大きくなり、発熱量が大きくなる。金
属板が加熱されると、それと接するゴム3が昇温された
金属板2、4、5からの熱伝導により加熱される。ま
た、積層体1は、主に免震ゴムとして建築物の柱下にて
何百トンというオーダーの荷重に何十年と耐えなければ
ならない。そのため、鉄よりも耐腐食性が良好な材料に
より形成されることが好ましい。そのような材料とし
て、ステンレスなどの鋼板、アルミニウム、アルミニウ
ム合金、銅、銅合金などを挙げることができ、腐食によ
る設計荷重の低下を招来し難いものとすることができ
る。以上のほか、強度があり低コストであるという観点
も含めて本発明では、金属板2、4、5の最も好ましい
材料の一例としてマルテンサイト系ステンレスを挙げる
ことができる。
【0047】次に、図4に基づいて前述の積層体を加熱
する方法を説明する。
【0048】図4において、積層体1の外周には、誘導
コイル6がらせん状に巻回されて配設されており、周波
数調整器7が接続されて誘導コイル6に交流が通電され
ている。周波数調整器7は例えばインバータ装置で構成
され、1KHz以下の任意の周波数の交流を発生させる
ことができるものである。誘導コイル6は、上下の連結
板4,5の間であって、内部板2の端(径方向の外周)
2aにできるだけ近づけて配設されることが好ましい。
誘導コイル6によって形成される磁束は点線のように、
上側の連結板4の下側をはって、内部板2の外周2a付
近の各々を貫き、下側の連結板5の上側をはうというル
ープを形成する。すると、内部板2の外周2a付近に渦
電流が発生する。この渦電流によるI2 R損失によって
内部板2の外周2a付近が発熱する。
【0049】内部板2は良好な熱伝導体であり、かつ、
その両面に接している未加硫ゴム3は断熱材である。し
たがって、内部板2の外周2a付近での発熱はゴムへ拡
散されることなく、矢印に示されるように速やかに中
央部へ向かいすぐに、内部板2の全体が発熱しているの
と略等価な状態になる。ついで、このように昇温された
内部板2の全体からじわじわと未加硫ゴム3に向かって
矢印のように熱伝導が行われる。このような熱伝導が
内部板2の各々で生じるため、積層体1はその内部から
全体が加熱される。したがって、速やかで均一な加熱が
可能である。
【0050】次に本発明の電磁誘導による加熱方法と、
従来のスチームによる加熱方法を、シミュレーションテ
ストの結果を示すグラフ図において比較する。
【0051】図5において、誘導加熱は、積層体1に6
0Hzの交流を作用させて100°Cまで加熱した場合
であり、スチーム加熱は、積層体1をスチーム室の中に
入れて外部から加熱した場合である。中央部は、図4に
示される積層体1のゴムのA部分を示し、径方向の中心
であり、かつ積層方向の中央にあたる。また、上端部
は、図4に示される積層体1のゴムのB部分を示し、径
方向の外周2a付近であり、かつ積層方向の上端にあた
る。
【0052】図5において、●印と■印で示される誘導
加熱では、◆印と▲印で示されるスチームに比べて昇温
カーブが急であり、短時間で所定温度に昇温できること
がわかる。また、誘導加熱では、中央部●印と、上端部
■印とで温度差が比較的少なく、似たようなカーブで昇
温しているのに比べて、スチーム加熱では、中央部▲印
と上端部◆印とで温度差が激しく、均一に昇温されてい
ないことがわかる。すなわち、電磁誘導加熱では、内部
から加熱されるので、早く均一な加熱が可能であり、お
よそ100分で、中央部Aおよび上端部Bの両方が10
0°C近くになって安定に向かっている。これに対し、
スチーム加熱では、外部から順に内部に向かって加熱さ
れるため、中央部Aと上端部Bとで温度差が大きく、お
よそ20時間以上経ってようやく、中央部Aおよび上端
部Bの両方が約100°Cになって安定に向かう。この
ことから、積層体1に本実施形態の電磁誘導加熱を施す
と、加硫時間を1/10程度に短縮できる可能性がある
ことが判る。
【0053】次に、金属板2、4、5の材料として好ま
しいマルテンサイト系ステンレスを用いた場合を、鉄と
比較する。
【0054】図6は、図4の内部板2および連結板4・
5に耐腐食性の良好なマルテンサイト系ステンレス(S
US)を用いた構成した積層体1に60Hzの交流を作
用させて150°Cまで加熱する場合のシミュレーショ
ンテストの結果“○”を示すグラフ図である。尚、比較
例として、内部板2および連結板4・5に耐腐食性の低
い鉄(steel)を用いた場合のシミュレーションテ
ストの結果“●”と、従来方法である蒸気(170°
C)を用いて加熱した場合のシミュレーションテストの
結果“△”も併せて求めた。
【0055】この結果、加熱を開始してから150°C
に到達するまでに要する時間は、ステンレス(SUS)
の積層体1において440分、鉄(steel)の積層
体1において260分、蒸気加熱において520分であ
ることが判明した。また、最高温度と最低温度との関係
は、鉄(steel)の積層体1において最も温度差が
小さく、蒸気加熱において最も温度差が大きく、ステン
レス(SUS)の積層体1がこれらの場合の中間の温度
差であることが判明した。これにより、ステンレス(S
US)を用いた場合には、電気伝導度が鉄(stee
l)よりも小さいため、鉄(steel)を用いた場合
よりも加熱に時間を要しているが、蒸気で積層体1の外
部から加熱する場合よりも、積層体1の内部から加熱し
ているため、短時間で加熱を行うことができることが判
明した。
【0056】ところで、先の図5などに示されるシュミ
レーション結果では、スチーム加熱に比べて誘導加熱が
格段に優れていることがわかるが、中央部Aと上端部B
とで全く温度差がないわけではない。すなわち、中央部
A(●印)の昇温カーブのほうが、上端部B(■印)の
昇温カーブより急であり、積層体1の内部の方が上下端
よりもわずかながらも加熱され易い傾向にあることを示
している。内部板2の端部2aから内部に向かう熱量の
方が積層体1の上下端での放熱を上回って、熱量が内部
にこもっていることを示唆している。
【0057】そこで、誘導コイル6の周波数を変えて発
熱量を制御し、全体が同一な昇温カーブを描くようにす
ることが好ましい。
【0058】一方で、交流発生器7からの交流の周波数
を上げすぎると、内部板2のうち積層方向の上端および
下端にあるものが外周の端C、D(図4参照)だけで発
熱しようとする傾向があり、積層方向および径方向に温
度勾配を生じることがわかっている。内部板2の外周2
aの端付近をそれぞれ発熱させるためには、1 KHz以下
の低周波数にする必要がある。
【0059】また、1 KHz以下の周波数であっても、金
属板の内部で径方向の温度勾配が生じる場合がある。そ
の場合、さらに低い周波数にすると、金属板(内部板)
における磁束の径方向に浸透深さ(表皮深さ)が大きく
なる。このため、金属板に誘導されるジュール発熱の径
方向分布が周波数を下げることによってよりブロードに
なるために、面内温度差が小さくなる。
【0060】図7において、コイル周波数と加熱時間と
の関係、および、コイル周波数と温度差との関係を比較
する。図7は、直径500mmの積層体(厚さ3mmの鋼板
を25層、厚さ5mmの加硫済ゴムを26層交互に積層し
たもの)に交番磁界を印加したときのシミュレーション
結果である。
【0061】図7において、破線▲印で示されるカーブ
は、鋼板(内部板2)の面内温度差を示しており、周波
数が低いほど温度差が少ないことがわかる。したがっ
て、周波数を低くすればそれだけ、積層体の内部で温度
差が生じないように均一に昇温できる。一方で、実線●
印で示されるカーブは、積層体1の全体が150℃に到
達する時間を示しており、周波数が低いほど加熱に時間
がかかることがわかる。したがって、この図6を用い
て、ゴムの加硫に影響の出ない範囲の面内温度差で、な
るべく速く温度が上昇して加硫ができるように、適宜周
波数を決定することができる。そのような範囲として、
周波数を1Hz以上20Hz以下とすることが好ましい。こ
の範囲で、面内温度差は50℃〜70℃、150℃到達
時間は10分〜100分である。
【0062】さらに、金属板(鋼板)の面内温度差を緩
和する方法として積層体の外周と接するモールドの温度
を制御する方法が挙げられる。この方法としては、モー
ルドを導電体で形成し、内部板と同様に電磁誘導で発熱
させる方法が好ましい。
【0063】モールド8は、図8に示されるように、積
層体1の径方向を拘束するために積層体1の外径に等し
い内径を有する中空体であり、積層体1が積層方向に加
圧されるように、加圧代εだけ連結板4と連結板5との
間の間隔よりもモールド8の段差8a、8b間の間隔の
方が小さくされている。積層体1をこの様なモールド8
に収納した状態で加熱する場合には、誘導コイル6は、
モールド8の外周に配設される。
【0064】図9に、図8に示されるようなモールド8
をオーステナイト系SUSで、径方向の厚さを25mmと
して形成した場合のモールドの昇温速度を周波数との関
係においてシミュレーションで調べた結果を示す。破線
●印で示されるモールドの昇温速度は周波数の増加に伴
い大きく増加しているが、実線○印で示される鋼板の昇
温速度はほぼ横ばいである。両者は3Hz近辺で一致す
る。したがって、モールドをオーステナイト系ステンレ
ス製とした場合、誘導加熱の周波数を3Hz近辺とすれ
ば、積層体の内部と、モールドに接する境界とで温度差
が生じない。
【0065】また、図9の関係を用いれば、加熱の途中
で周波数を切り換えることにより、モールド、内部の金
属板、それぞれの昇温速度を制御することができる。
【0066】なお、モールド8は、非(または弱)磁性
体で形成されることが好ましい。誘導コイル6による磁
束がモールド8を透過して内部板2に及びやすいからで
ある。このような観点からもモールドをSUS304な
どのオーステナイト系ステンレス製とすることが好まし
いことがわかる。
【0067】このように、積層体に接するモールドを加
熱することによっても、温度格差を緩和できることがわ
かる。モールドを用いない加熱(予熱など)のばあい
は、これと同形にされたオーステナイト系ステンレス製
の治具を積層体の外周に接触させればよい。また、後述
するように、温度の上がりにくいところに他の加熱方法
を補助的に使用することによっても温度格差を無くすよ
うにすることができる。
【0068】次に、図10に基づいて、未加硫ゴムと金
属板とを交互に積層した積層体を加硫するシステムの一
例を説明する。図10に示される加硫システムでは、予
熱工程(第1・第2予熱ステーションS2、S3)で本
発明の電磁誘導加熱が行われ、加硫工程(加圧加熱ステ
ーションS1)では従来のスチーム加熱が行われる。こ
の加硫システムは、この他に、モールドを着脱するため
の第1・第2組立・分解ステーションS4、S5(組立
ステーションS4と分解ステーションS5に別けてもよ
い)と、これら各ステーションS1〜S5の間をモール
ドおよび積層体を載置して走行する搬送台車30を備え
ている。
【0069】一般に、上記積層体を加熱するだけならば
モールド内に収納しなくてもできるが、加圧を必要とす
る加硫工程ではモールド内に収納した状態での加熱が必
要である。したがって、上記積層体を加硫する場合に
は、予熱工程から加硫工程までモールド内に収納した状
態で流れ作業的に行われることが好ましい。すなわち、
図10において、積層体は、先ず、モールド組立ステー
ションS4に搬送され、モールドを装着されて予熱ステ
ーションS2またはS3で予熱され、加圧加熱ステーシ
ョンS1で加硫され、モールド分解ステーションS5に
搬送されてモールドから取り出される。
【0070】また、通常、積層体の温度を加硫可能な所
定温度まで昇温させる予熱工程の方が、一定温度を保っ
た状態で加圧する加硫工程よりも時間を要する。また、
モールドの組立・分解にも時間を要する。そこで、予熱
工程を行う予熱ステーションの数を、加硫工程を行う加
圧加熱ステーションの数よりも多くすることによって、
加硫サイクルを短縮し、生産性を上げることができる。
モールドの組立・分解ステーションも複数設けることが
好ましい。図10において、予熱ステーションは2つ設
けられており、加圧加熱ステーションは1つである。な
お、これらの数の比は、時間の差によって適宜決められ
ることが好ましい。
【0071】図11および図12に示される装置は、図
10のシステムに用いられる装置であり、予熱を電磁誘
導(図11参照)で、加硫をスチーム加熱(図12参
照)で別の装置でそれぞれ行うように構成されたもので
ある。
【0072】図11において、モールド10は、積層体
1の径方向を拘束する円筒状のモールド本体12と、積
層体1の積層方向両端面と接する下蓋部11および上蓋
部13から構成されている。下蓋部11とモールド本体
12との間にて、積層体1の連結板5が保持され、上蓋
部13とモールド本体12との間にて積層体1の連結板
4が保持されるともに、これら上蓋部13とモールド本
体12の間には押し込み可能な加圧代εが設けられてい
る。誘導コイル6はモールド本体12の外周であって、
連結板4,5の間に位置するように配設されている。ま
た、モールド本体12内部には、加硫工程で作用させる
べき加熱ジャケット12aが設けられている。さらに、
モールド本体12は、縦割り可能な構成とすることによ
って積層体1の出し入れが容易となる。同様に、上下蓋
部11、13を分解可能にしてもよい。また、上下蓋部
11、13は省略することも可能である。
【0073】モールド本体12は、前述したように、S
US304の如き非(または弱)磁性体で形成されるこ
とが好ましく、誘導コイル6による磁束がモールド10
を透過して内部板2に及ぶようになっている。したがっ
て、誘導コイル6に上述した低周波の交流を通電する
と、積層体1の全体が内部から短時間に加熱されて加硫
前の予熱が行われる。また、SUS304は導電性材料
であり、電磁誘導によって加熱されるので、モールド本
体12と接する端面からも積層体1は加熱され、内部と
の温度差が生じないように均一に加熱される。
【0074】図12において、加硫プレス20は、プレ
スフレーム21内の上部に、上プラテン22を高さ調整
機構23を介して保持し、プレスフレーム21内の下部
に、下プラテン24を加圧シリンダ25を介して保持す
る構造になっている。加圧シリンダ25を短縮した状態
にして、予熱された積層体1を収納するモールド10を
例えば紙面厚み方向から横滑りして所定位置にして装着
する。その後、加圧シリンダ25を伸長すると、モール
ド10即ち積層体1は上下プラテン22,24の間で加
圧される。同時に、中間部12の加熱ジャケット12a
にスチームを導入すると、加圧と加熱が同時に行われ、
所定形状に加圧したままで硬化させるという加硫が進行
する。なお、上下プラテン22、24の内部にも加熱ジ
ャケット22a、24aを設け、スチームを導入して加
熱ができるように構成してもよい。
【0075】なお、加硫工程に本発明の電磁誘導による
加熱方法を用いることもできる。そのばあい、1つの装
置内で予熱と加硫の両工程を行えるように構成すること
が好ましい(図13参照)。また、予熱を従来のスチー
ムなどによる加熱方法で行い、加硫工程における加熱の
みを電磁誘導加熱で行うように構成することも可能であ
る。
【0076】次に、図13に基づいて予熱と加硫の両工
程を一度に行える加熱装置を詳細に説明する。
【0077】この加熱装置は、モールド43内に装填さ
れた積層体1を上下方向に押圧する加圧プレス40と、
積層体1を加熱する電磁誘導加熱装置41とを有してい
る。加圧プレス40は、内部が開口された枠型フレーム
31を有している。枠型フレーム31は、複数枚の枠板
32…を積層してボルト33…で締結することにより形
成されており、枠板32…の積層数を調整することによ
って、所望の応力や歪み量を容易に得ることができるよ
うになっている。
【0078】上記の枠型フレーム31の内部には、スペ
ーサ部材34が上面に設けられており、スペーサ部材3
4の下端には、プラテンサポート35を介して中空部3
6aを有した上部プラテン36が設けられている。ま
た、上部プラテン36の下方には、上部プラテン36と
同様に中空部37aを有した下部プラテン37が配置さ
れている。そして、これらの上部および下部プラテン3
6・37の中空部36a・37aには、図示しない熱供
給源が接続されており、熱供給源は、蒸気等の加熱媒体
を中空部36a・37aに供給することによって、上部
および下部プラテン36・37を所定温度以上に昇温さ
せるようになっている。
【0079】上記の下部プラテン37は、プラテンサポ
ート38を介して油圧等の流体圧を利用した加圧シリン
ダ39に支持されている。加圧シリンダ39は、軸心が
鉛直方向に設定された加圧ロッド39aを有しており、
加圧ロッド39aを進退移動させることによって、下部
プラテン37を昇降させるようになっている。これらの
上部プラテン36および下部プラテン37の間には、モ
ールド43および積層体1が搬入されるようになってい
る。モールド43は、積層体1の側周面に当接するよう
に筒形状に一体的に形成されている。そして、このモー
ルド43内には、中空部43aが形成されており、中空
部43aには、加硫成形時において上述の図示しない熱
供給源が接続されるようになっている。これにより、モ
ールド43は、熱供給源から蒸気等の加熱媒体が中空部
43aに供給されることによって、所定温度以上に加熱
されるようになっている。また、モールド43は、SU
S304等の非磁性体を用いて形成されており、モール
ド43内において磁界を良好に生成させるようになって
いる。
【0080】上記のモールド43内に装填される積層体
1は、円柱形状の未加硫ゴム3を有している。未加硫ゴ
ム3の内部には、金属板からなる内部板2…が所定間隔
をおいて上下方向に積層されながら水平配置されてい
る。また、未加硫ゴム3の上面および下面には、内部板
2と同様に金属板からなる連結板4・5が接合されてお
り、これらの連結板4・5および内部板2…は、電磁誘
導により加熱されることによって、未加硫ゴム3を上下
面および内部から加熱するようになっている。
【0081】上記の内部板2…および連結板4・5に対
する加熱は、図13に示すように、モールド43の周囲
に配置された電磁誘導加熱装置41により行われるよう
になっている。電磁誘導加熱装置41は、環状の誘導コ
イル47と、誘導コイル47を空気や水により強制冷却
する図示しない冷却装置とを有している。誘導コイル4
7には、図4の周波数調整器7(電源手段)が接続され
ており、周波数調整器7は、誘導コイル47に通電され
る交流電流の周波数を調整することで、誘導コイル47
の周囲に任意の強度の磁界を発生させるようになってい
る。
【0082】上記の構成において、加熱装置の動作につ
いて説明する。先ず、モールド43および誘導コイル4
7を加圧プレス40にセットし、加圧シリンダ39に対
して加圧ロッド39aを進出させることによって、モー
ルド43および積層体1を下部プラテン37および上部
プラテン36により挟持して押圧する。この後、上部プ
ラテン36、下部プラテン37、およびモールド43に
蒸気等の加熱媒体を供給して加熱すると共に、誘導コイ
ル47に対して所定の周波数で交流電流を通電し、誘導
コイル47の周囲に磁界を発生させる。
【0083】上記の磁界は、積層体1における未加硫ゴ
ム3の上面および下面に接合された連結板4、5および
未加硫ゴム3中に埋設された内部板2…に印加され、こ
れらの連結板4、5および内部板2…に渦電流を発生さ
せて加熱する。そして、この連結板4、5および内部板
2…の加熱により未加硫ゴム3を上下面および内部から
加熱し、さらに、上部プラテン36、下部プラテン3
7、およびモールド43により未加硫ゴム3への加熱を
促進することによって、未加硫ゴム3を外部および内部
から加熱して加硫成形することになる。この後、積層体
1の加硫成形が完了すると、モールド43を誘導コイル
47と共に加圧装置40から搬出した後、モールド43
を加硫済みの積層体1と共に冷却工程等の次工程に搬送
する。
【0084】なお、上部プラテン36、下部プラテン3
7、およびモールド43には、蒸気等の加熱媒体による
加熱のほか、電熱方式など従来一般に用いられる加熱手
段を適宜選択して利用することができる。また、これら
は、電磁誘導による加熱により温度格差が生じた場合
に、温度が上がりにくいところの加熱を補うように制御
されることが、より均一で迅速な加熱を実現するという
観点から好ましい。
【0085】以上説明した実施形態では、誘導コイルは
積層体1の外周に沿ってらせん状に巻回されたものを例
示したが、積層体1の外周にじゃばら状になった誘導コ
イルを数分割にして張りつけるものであってもよい。ま
た、凹字型の鉄心に誘導コイルを巻き、凹字型鉄心の磁
束の影響下に積層体を配置するものであってもよい。要
は、積層体1を構成する内部板の各々に対して磁束を浸
透させ、好ましくは、内部板の径方向の端部を発熱させ
ることができればよい。
【0086】さらに、積層体は、中空のものでもよい。
次に、図14および図15に基づいて、中空円筒柱状の
積層体50を加熱する方法を説明する。
【0087】図14に示される積層体50は、中空円板
状の内部板52を未加硫ゴム53で埋設して中空円筒柱
にし、未加硫ゴム53の上下端に未加硫ゴム53と同径
の連結板54,55を密着させたものである。このよう
な積層体51にあっては、積層体の内周と外周のそれぞ
れに誘導コイル61、62を配設し、両端部(外周と内
周)を発熱させるようにすることができる。
【0088】図15では、図14の積層体51をモール
ド63に収納し、モールド63を介して電磁誘導加熱す
る状態を示している。モールド63は、外筒64と中心
柱65が立設された下モールド66と、下モールド66
に対して締め込み代εを残して蓋をする上モールド67
とからなっている。このモールド63はSUS304の
如き非磁性体で形成されており、下モールド66の外筒
部64の外周に誘導コイル6を配設することにより、積
層体51を加熱することができる構造になっている。ま
た、外筒64と中心柱65は内部に加熱ジャケット64
a、65aを有しており、スチーム加熱などの方法によ
り補助的な加熱もできるようになっている。
【0089】また、図2および図3に示されるように、
内部板2が露出した積層体1では、加硫後の冷却工程に
おいて、前述の加熱方法とは逆に、内部板2の露出部
(端部)を強制的に冷却し内部板2の全体の温度を下
げ、熱伝導により内部から冷却することができる。これ
により、冷却時間の短縮を図ることができる。
【0090】ここで、放熱の方法としては、図16に示
すように、積層体1を放置して自然放熱する方法を挙げ
ることができると共に、送風ファン14により空気(冷
媒)を内部鋼板2の露出部に吹き当てて強制的に冷却す
る方法がある。また、空気を冷媒として用いる代わり
に、気体状の冷媒として窒素ガスを用いても良いし、液
体状の冷媒として水や油を用いても良い。また、積層体
1を放置していても露出部を強制的に冷却できるよう
に、冷却用フィン15を露出部に取り付け、この冷却用
フィン15を介して露出部を強制的に冷却する方法であ
っても良い。さらに、冷却用フィン15に上述の気体状
や液体状の冷媒を接触させることによって、冷却用フィ
ン15を介して強制的に冷却するものであっても良い。
尚、空気や水を冷媒として用いる場合には、内部板2が
耐腐食性に良好なステンレス鋼板であることが望まし
く、このような構成にすることによって、積層体1を冷
却する際において内部板2に腐食を生じさせ難くするこ
とができる。
【0091】
【発明の効果】以上のように、請求項1乃至3にかかる
発明では、ゴムと金属板を交互に積み重ねてなる積層体
を電磁誘導により加硫成形したものである。金属板は、
導電性材料であり、電磁誘導により短時間で高熱にする
ことができるので、加熱時間(加硫時間)の短縮を図る
ことができる。強磁性体であれば、電磁誘導時に大きな
磁束変化を捉えて発熱量を大きくすることができ、より
好ましいが、ステンレス製であっても十分に加熱時間の
短縮を図ることができる。この場合には、建築物の免震
ゴムとして長期間使用されても腐食による設計荷重の低
下を生じさせない。また、強度があり安価である。
【0092】請求項4乃至7に記載の発明では、積層体
を電磁誘導により内部から加熱するので、加熱時間を短
縮することができる。
【0093】請求項8乃至11に記載の発明では、誘導
コイルの周波数を低くしたので、積層体の一部のみが高
温になることを防ぐことができ、内部で温度勾配が生じ
ないように均一に昇温させることができる。したがっ
て、加硫後の製品が均一で優れたものとなる。さらに、
周波数を変えながら加熱すると、加熱時間の短縮化を図
ることができる。
【0094】請求項12および13に記載の発明では、
予熱工程または加硫工程のうちのいずれか一方、または
両方に電磁誘導加熱を用いるものであり、加硫システム
において生産性の向上を図ることができる。
【0095】請求項14乃至17に記載の発明では、積
層体をモールドに収納した状態で加熱するものであり、
予熱工程から加硫工程への移行作業を容易にすることが
できる。モールドが非または弱磁性体であれば、積層体
への磁束の浸透を妨げることなく、積層体を構成する金
属板の発熱状態が良好なものとなる。また、モールドが
導電性を有していれば、電磁誘導によってモールド自身
も発熱し、積層体の外周からの加熱を補助する。そのよ
うな材料としてモールドをオーステナイト系ステンレス
製とすることによってコストの低減も図れる。
【0096】請求項18および19に記載の発明では、
積層体を径方向および積層方向から加熱する手段(電磁
誘導以外のもの)を、さらに設けているので、電磁誘導
のみでは温度の上がり難い部分を補助的に加温して、積
層体の内部で温度勾配が生じないように均一に昇温させ
ることができる。径方向からの加熱手段はモールドに設
け、積層方向の加熱手段はプレス機のプラテンなどに設
けることが容易であり安価である。
【0097】請求項20乃至21に記載の発明では、予
熱から加硫まで1つの装置で、モールド内に収めたまま
できるので、製造工程が簡素化できる。
【0098】請求項22乃至23に記載の発明では、予
熱工程と加硫工程を異なる装置で行うものであり、その
ような場合も、モールド内に収めておくと、一方の装置
から他方の装置への移動が容易であり、製造工程が簡素
化できる。
【0099】請求項24乃至27に記載の発明では、積
層体の金属板の端部の一部または全部を露出させて、そ
の露出部を強制的に冷却するものであり、内部を熱伝導
により冷却できるので冷却時間を短縮することができ
る。
【0100】請求項28に記載の発明では、積層体の金
属板に磁束を透過させるように誘導コイルを配置し、誘
導コイルに交流電流を発生させる電源手段を設けたもの
であり、導電体である金属板に渦電流による発熱が生
じ、金属板が伝熱板になって積層体の内部から加熱が行
われる。これにより外部から加熱するよりも、短時間で
積層体全体を所定温度以上に上げることができる。
【0101】請求項29乃至31に記載の発明では、モ
ールドを備えており、モールドに収納された状態で加熱
ができる。したがって、加硫するばあいの予熱工程から
加硫工程への移行が容易である。そのとき、モールドを
非磁性体とすることによって、積層体の金属板への磁束
を弱めることなく、良好に磁場を生じさせることがで
き、電磁誘導加熱を効率よく行わせることができる。さ
らにモールド自らが加熱できるように導電性材料で形成
したり、内部に加熱手段を設けたりしておくことによっ
て、積層体をモールドに接する外周側からも加熱できる
ので、積層体の中心部と外周部とで温度差が生じないよ
うに均一に加熱することができ、優れた加硫製品を製造
することができる。
【0102】請求項32に記載の発明では、前記積層体
を積層方向両端側から加熱または保温する熱盤を備えて
おり、積層方向の温度差を緩和し、より速く均一に加熱
することができる。
【0103】請求項33に記載の発明では、電源手段
が、交流電流の周波数を可変調整する周波数調整手段を
有することによって、積層体のサイズに応じて最適な周
波数の磁界を積層体に印加したり、予熱工程と加硫工程
とで加熱量を変化させることができ、目的に応じた加熱
調整ができるため、積層体全体の加熱を一層短時間で行
うことができる。とくに、1Hz〜20Hzの範囲では、所
定温度に到達する時間(加熱効率)を落とさしめること
なく、1枚の金属板の内部での面内温度差(温度勾配)
が生じないように、均一に保ちながら温度を上昇させる
ことができるので、製造サイクルの短縮で生産性が向上
するとともに、優れた加硫製品を製造することができ
る。
【0104】請求項34に記載の発明では、加熱装置に
加圧手段を設けており、予熱と加硫が1つの装置ででき
るので、設備費および維持費が少なくてすみ、製造工程
も簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層体の一実施例の縦断面説明図であ
る。
【図2】本発明の積層体の他の実施例の縦断面説明図で
ある。
【図3】本発明の積層体のさらに他の実施例の縦断面説
明図である。
【図4】本発明の加熱方法の概念図である。
【図5】本発明の加熱方法による昇温カーブを従来の方
法によるものとの比較において示すグラフ図である。
【図6】本発明の加熱方法による昇温カーブを従来の方
法によるものとの比較において示すグラフ図である。
【図7】周波数と加熱時間および鋼板面内温度差を示す
グラフである。
【図8】モールドに収納され状態での加熱方法の説明図
である。
【図9】モールドを鋼板と同様にステンレス製とした場
合の周波数と昇温速度との関係を鋼板との比較において
示す図である。
【図10】本発明の加熱方法を予熱工程に用いた場合の
システムの一例を示す説明図である。
【図11】モールド内に収納した積層体を電磁誘導で予
熱する場合に用いられる装置の概略説明図である。
【図12】電磁誘導で予熱したのちに用いられる加硫装
置の一例を示す図である。
【図13】予熱と加硫を行うことができる装置の概略説
明図である。
【図14】中空円筒状の積層体を電磁誘導で加熱する工
程を示す図である。
【図15】中空円筒状の積層体をモールド内に収納して
電磁誘導で加熱する工程を示す図である。
【図16】冷却工程の一例を示す図である。
【符号の説明】
1、50 積層体 2 内部板(金属板) 3 未加硫ゴム 4、5 連結板(金属板) 6、47 誘導コイル 7 低周波発生器(電源手段) 8 モールド 10、43、63 モールド(加熱手段を内蔵) 15 冷却用フィン 20、40 加硫プレス 21、31 枠型フレーム 22、36 上部プラテン(熱盤を兼用) 24、37 下部プラテン(熱盤を兼用) 35、38 プラテンサポート 41 電磁誘導加熱装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年9月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】請求項3にかかる発明は、請求項1または
2に記載の発明に加えて、前記金属板がマルテンサイト
系ステンレスであるものである。一般にマルテンサイト
系ステンレスは、導電体で耐腐食性が良好であり、磁
体である。また、強度があり、低コストである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】請求項8にかかる発明は、請求項4乃至7
の何れかに記載の発明に加えて、前記誘導コイルに通電
される交流電流の周波数が1KHz以下であるものであ
る。周波数を1KHz以下の低周波数とすることによっ
て、積層方向の両端と中央との温度差がなくなる。すな
わち、周波数が高くなる程、積層方向の上端および下端
にあるものに加熱が集中する傾向がある。低周波数の磁
界を積層体に印加することによって、積層体中の金属板
のそれぞれに磁界を十分に印加して発熱させることがで
き、積層方向に温度勾配を生じさせることなく均一に積
層体全体の加熱を短時間で行うことができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】請求項17にかかる発明は、請求項14、
15または16に記載の発明に加えて、前記モールド
が、オーステナイト系ステンレス製であるものである。
オーステナイト系ステンレスは、非(または弱)磁性体
であり、導電性を有することから、モールド内の積層体
に作用する磁力に悪影響を与えることがない。その上、
耐腐食性があり、機械的強度も強く、低コストである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】請求項31にかかる発明は、請求項28、
29または30に記載の発明に加えて、前記モールドを
加熱する加熱手段を備えてなるものである。モールドを
オーステナイト系ステンレス製とすると、オーステナイ
ト系ステンレスは非(または弱)磁性体であり、導電性
材料でもあるので、積層体への磁束を減少させることな
く、モールド自身にも渦電流が発生し、加熱される。こ
の他、ステンレス製としなくても、加熱手段を設けてモ
ールド自身が加熱されるようにすると、積層体を外周か
ら加熱できるので内部との温度差を緩和し、より速く均
一に加熱することができる。モールドを加熱する手段と
しては、モールドの内部に加熱媒体を導く加熱媒体方
式、電熱線を内蔵させる電熱方式などがある。そのほ
か、従来から一般に用いられている方法を適宜採用する
ことができる。なお、モールドを用いない加熱の場合
は、モールドに準じて、モールドと同様に積層体の外周
と接するもので、加熱手段が内蔵されたものを用いるこ
とができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】また、図1において、内部板2は、環状の
ゴム3aによってその外周2aもゴム3、3a内に完全
に埋設された状態になっている。このように、内部板2
がゴム3に完全に埋設された構成であれば、1回の加硫
成形により内部板2を完全に防錆した加硫ゴム成形品と
することができるので好ましい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】図2では、図1の環状のゴム3aにあたる
ものがなく、全ての内部板2の外周2aは露出してい
る。また、図3では、一部の内部板2の外周2aが露出
している。このように、全てまたは一部の内部板2の外
周2aが露出された構成であれば、露出した外周2aに
モールドを当接させて、加熱したモールドからの熱伝導
により内部板2を加熱でき、その内部板2からの熱伝導
により未加硫ゴム3を一層効率よく加熱することができ
る。また、冷却時において、内部板2の外周2を冷媒
などによって強制的に冷やすことができ、冷却時間を短
縮化することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0091
【補正方法】変更
【補正内容】
【0091】
【発明の効果】以上のように、請求項1乃至3にかかる
発明では、ゴムと金属板を交互に積み重ねてなる積層体
を電磁誘導により加硫成形したものである。金属板は、
導電性材料であり、電磁誘導により短時間で高熱にする
ことができるので、加熱時間(加硫時間)の短縮を図る
ことができる。強磁性体であれば、電磁誘導時に大きな
磁束変化を捉えて発熱量を大きくすることができ、より
好ましいが、マルテンサイト系ステンレス製であっても
十分に加熱時間の短縮を図ることができる。この場合に
は、建築物の免震ゴムとして長期間使用されても腐食に
よる設計荷重の低下を生じさせない。また、強度があり
安価である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 21:00 B29L 9:00 (72)発明者 足立 成人 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所高砂製作所内 (72)発明者 嬉野 夏四郎 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所高砂製作所内 (72)発明者 佐藤 隆之 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所高砂製作所内 (72)発明者 黒川 好徳 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所高砂製作所内 (72)発明者 崎山 和彦 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所高砂製作所内

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未加硫ゴムと金属板を交互に積み重ねて
    電磁誘導加熱により加熱成形されていることを特徴とす
    るゴムと金属板の積層体構造の加硫ゴム成形品。
  2. 【請求項2】 前記金属板が磁性を有するものである請
    求項1記載のゴムと金属板の積層体構造の加硫ゴム成形
    品。
  3. 【請求項3】 前記金属板がマルテンサイト系ステンレ
    スである請求項1または2記載のゴムと金属板の積層体
    構造の加硫ゴム成形品。
  4. 【請求項4】 未加硫ゴムと金属板とを交互に積層して
    なる積層体を誘導コイルの影響下に配置し、該誘導コイ
    ルに交流を通電して前記積層体を構成する複数の金属板
    の各々に渦電流を発生せしめて各金属板を発熱させ、昇
    温された各金属板からの熱伝導によって前記未加硫ゴム
    を加熱することを特徴とする未加硫ゴムと金属板の積層
    体の加熱方法。
  5. 【請求項5】 前記誘導コイルは、少なくとも未加硫ゴ
    ムに挟まれた各金属板に対して積層方向と直交する方向
    に渦電流を発生させるように配設したことを特徴とする
    請求項4記載の加熱方法。
  6. 【請求項6】 前記金属板が、磁性材料により形成され
    てなる請求項4または5記載の加熱方法。
  7. 【請求項7】 前記金属板が、マルテンサイト系ステン
    レスである請求項6記載の加熱方法。
  8. 【請求項8】 前記誘導コイルに通電される交流電流の
    周波数が1KHz以下である請求項4乃至7のいずれか
    に記載の加熱方法。
  9. 【請求項9】 前記周波数が20Hz以下である請求項
    4乃至8のいずれかに記載の加熱方法。
  10. 【請求項10】 前記周波数が1Hz以上である請求項
    4乃至9のいずれかに記載の加熱方法。
  11. 【請求項11】 前記誘導コイルに通電される交流電流
    の周波数を変化させながら加熱する請求項4乃至10の
    いずれかに記載の加熱方法。
  12. 【請求項12】 前記加熱方法が、前記積層体内の未加
    硫ゴムを所定温度まで昇温させる予熱工程に適応される
    ものである請求項4乃至11のいずれかに記載の加熱方
    法。
  13. 【請求項13】 前記加熱方法が、前記積層体を積層方
    向に加圧しながら加熱する加硫工程に適応されるもので
    ある請求項4乃至12のいずれかに記載の加熱方法。
  14. 【請求項14】 前記積層体の外周をモールドで拘束し
    て加熱する請求項4乃至13のいずれかに記載の加熱方
    法。
  15. 【請求項15】 前記モールドが、非または弱磁性体で
    ある請求項14記載の積層体の加熱方法。
  16. 【請求項16】 前記モールドが、導電性を有している
    請求項14または15に記載の加熱方法。
  17. 【請求項17】 前記モールドが、オーステナイト系ス
    テンレス製である請求項14、15または16記載の加
    熱方法。
  18. 【請求項18】 前記モールドを加熱する加熱手段を設
    け、当該モールドからの熱伝導によって積層体を外周か
    らも加熱する請求項14乃至17のいずれかに記載の加
    熱方法。
  19. 【請求項19】 前記積層体を積層方向両端側から加熱
    または保温する加熱・保温手段が設けられ、該加熱・保
    温手段にて加熱または保温しつつ加熱する請求項4乃至
    18のいずれかに記載の加熱方法。
  20. 【請求項20】 請求項1乃至3記載の加硫ゴム成形品
    の製造方法であって、前記未加硫ゴムと金属板とを交互
    に積層してなる積層体を誘導コイルの影響下に配置し、
    該誘導コイルに交流を通電して前記積層体を構成する複
    数の金属板の各々に渦電流を発生せしめて各金属板を発
    熱させ、昇温された各金属板からの熱伝導によって前記
    未加硫ゴムを加熱しながら、前記積層体の積層方向に加
    圧力を作用させて加硫することを特徴とするゴムと金属
    板の積層体構造の加硫ゴム成形品の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記積層体を少なくとも外側の外周が
    拘束されるモールド内に収納して行なうこと特徴とする
    請求項20記載のゴムと金属板の積層体構造の加硫ゴム
    成形品の製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項1乃至3記載の加硫ゴム成形品
    の製造方法であって、前記未加硫ゴムと金属板とを交互
    に積層してなる積層体を誘導コイルの影響下に配置し、
    該誘導コイルに交流を通電して前記積層体を構成する複
    数の金属板の各々に渦電流を発生せしめて各金属板を発
    熱させることで前記積層体を予熱した後、該積層体の積
    層方向に加圧力を作用させながら適宜加熱しながら加硫
    することを特徴とするゴムと金属板の積層体構造の加硫
    ゴム成形品の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記積層体を少なくとも外側の外周が
    拘束されるモールド内に収納して行なうこと特徴とする
    請求項22記載のゴムと金属板の積層体構造の加硫ゴム
    成形品の製造方法。
  24. 【請求項24】 未加硫ゴムと金属板とを交互に積層し
    てなる積層体を構成する全ての金属板のうちの一部また
    は全部を未加硫ゴム層から露出させて誘導加熱により加
    熱して加硫した後、前記金属板の露出部を強制冷却する
    工程を含んでなることを特徴とするゴムと金属板の積層
    体構造の加硫ゴム成形品の製造方法。
  25. 【請求項25】 液体状または気体状の冷媒により前記
    金属板の露出部を強制冷却するものである請求項24記
    載の製造方法。
  26. 【請求項26】 前記金属板の露出部に冷却用フィン部
    材を取り付け、該冷却用フィン部材を介して前記露出部
    を強制冷却するものである請求項24または25記載の
    製造方法。
  27. 【請求項27】 前記積層体の金属板にマルテンサイト
    系ステンレス鋼板を使用し、前記冷媒に水または空気を
    使用するものである請求項25または26記載の製造方
    法。
  28. 【請求項28】 未加硫ゴムと金属板とを交互に積層し
    た積層体に対して電磁誘導加熱する加熱装置であって、 前記金属板に対して磁界により渦電流を発生させて発熱
    させるように、前記積層体に前記磁界を印加する誘導コ
    イルと、 前記誘導コイルに交流電流を通電して前記磁界を発生さ
    せる電源手段とを有していることを特徴とする加熱装
    置。
  29. 【請求項29】 前記積層体の外周を拘束して収納する
    モールドを備えてなる請求項28記載の加熱装置。
  30. 【請求項30】 前記モールドが、非または弱磁性体材
    料からなる請求項29記載の加熱装置。
  31. 【請求項31】 前記モールドを加熱する加熱手段を備
    えてなる請求項28、29または30記載の加熱装置。
  32. 【請求項32】 前記積層体を積層方向両端側から加熱
    または保温する熱盤を備えてなる請求項28乃至31の
    何れかに記載の加熱装置。
  33. 【請求項33】 前記電源手段は、交流電流の周波数を
    可変調整する周波数調整手段を有することを特徴とする
    請求項28乃至32の何れかに記載の加熱装置。
  34. 【請求項34】 請求項28乃至33のいずれかに記載
    の加熱装置と、前記積層体をその積層方向から加圧する
    加圧手段を有することを特徴とするゴムと金属板の積層
    体構造の加硫ゴム成形品の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002210831A (ja) * 2000-11-10 2002-07-31 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴム積層体の製造方法
CN108824182A (zh) * 2018-09-04 2018-11-16 南京林业大学 一种frp约束型盆式橡胶支座
CN110757691A (zh) * 2019-11-22 2020-02-07 无锡锦和科技有限公司 一种内外同步加热式隔震橡胶支座模具

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CN110757691A (zh) * 2019-11-22 2020-02-07 无锡锦和科技有限公司 一种内外同步加热式隔震橡胶支座模具

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