JPH10182686A - ガングリオシドGQ1b類縁物質 - Google Patents
ガングリオシドGQ1b類縁物質Info
- Publication number
- JPH10182686A JPH10182686A JP34710696A JP34710696A JPH10182686A JP H10182686 A JPH10182686 A JP H10182686A JP 34710696 A JP34710696 A JP 34710696A JP 34710696 A JP34710696 A JP 34710696A JP H10182686 A JPH10182686 A JP H10182686A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- treating
- compound
- ganglioside
- gq1b
- resultant
- Prior art date
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- Saccharide Compounds (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【解決課題】ガングリオシドGQ1bと類似の構造および
類似の生理活性を有し、比較的容易に生産することが可
能な化学物質を提供する。 【解決手段】次の一般式で示されるガングリオシド類縁
物質。 【化1】 (式中、nとmはそれぞれ1以上の整数を示し、AはC
H,P,N,S+ のいずれかを示し、Rはリピッドを示
す。)
類似の生理活性を有し、比較的容易に生産することが可
能な化学物質を提供する。 【解決手段】次の一般式で示されるガングリオシド類縁
物質。 【化1】 (式中、nとmはそれぞれ1以上の整数を示し、AはC
H,P,N,S+ のいずれかを示し、Rはリピッドを示
す。)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生理活性糖脂質と
して様々な生物学的現象を担っているガングリオシドの
構成成分として知られている糖骨格を変換した新規なガ
ングリオシドGQ1b類縁物質に関する。
して様々な生物学的現象を担っているガングリオシドの
構成成分として知られている糖骨格を変換した新規なガ
ングリオシドGQ1b類縁物質に関する。
【0002】
【従来の技術】複合糖質に属する糖脂質はグリセロ糖脂
質とスフィンゴ糖脂質に分類することができ、スフィン
ゴ糖脂質のうちシアル酸を含むスフィンゴ糖脂質を特に
ガングリオシドとよぶ。かかるガングリオシドは糖鎖部
分と脂質部分の構造により、多様な分子種が知られてお
り、ガングリオシドのうち、ガングリオシドGQ1bは神
経突起増成等の生理活性があることが知られている
(『化学と工業』第43巻第6号第60−63頁(19
90年)参照)。例えば、下記式で示す脳の免疫組織に
多くみられるが、生体内には微量にしか存在しない。か
かるガングリオシドGQ1bの合成は難しく、従って医療
品として適用するのが困難であった。
質とスフィンゴ糖脂質に分類することができ、スフィン
ゴ糖脂質のうちシアル酸を含むスフィンゴ糖脂質を特に
ガングリオシドとよぶ。かかるガングリオシドは糖鎖部
分と脂質部分の構造により、多様な分子種が知られてお
り、ガングリオシドのうち、ガングリオシドGQ1bは神
経突起増成等の生理活性があることが知られている
(『化学と工業』第43巻第6号第60−63頁(19
90年)参照)。例えば、下記式で示す脳の免疫組織に
多くみられるが、生体内には微量にしか存在しない。か
かるガングリオシドGQ1bの合成は難しく、従って医療
品として適用するのが困難であった。
【0003】
【化2】
【0004】シアル酸ダイマーを出発材料としたガング
リオシドGQ1b類縁物質が提案されているが(特開平5
−310770)、その合成法は多くの複雑な工程を必
要とする。
リオシドGQ1b類縁物質が提案されているが(特開平5
−310770)、その合成法は多くの複雑な工程を必
要とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、ガング
リオシドGQ1bと類似の構造および類似の生理活性を有
し、比較的容易に生産することが可能な化学物質を得る
ため種々検討し、本発明を完成した。
リオシドGQ1bと類似の構造および類似の生理活性を有
し、比較的容易に生産することが可能な化学物質を得る
ため種々検討し、本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のガングリオシド
類縁物質は、次の一般式で示される。
類縁物質は、次の一般式で示される。
【0007】
【化3】 (式3中、nとmはそれぞれ1以上の整数を示し、Aは
CH,P,N,S+ のいずれかを示し、Rはリピッドを
示す。)
CH,P,N,S+ のいずれかを示し、Rはリピッドを
示す。)
【0008】
【実施の態様】以下に、本発明の実施の態様について述
べる。上記式中、好ましくはnは20以下、より好まし
くは3〜10、最も好ましくは6〜8であり、mは好ま
しくは10以下、より好ましくは1〜5、最も好ましく
は1〜2である。nとmはシアル酸ダイマー間の距離を
ガングリオシドGQ1bに類似させるよう選択する。Aと
しては製法上Nが最も実施し易い。リピッドのRとして
はセラミド、ホスファチジルエタノールアミン(P
E)、ステロイドなどの脂質が挙げられる。このうちで
PEが最も実施し易い。
べる。上記式中、好ましくはnは20以下、より好まし
くは3〜10、最も好ましくは6〜8であり、mは好ま
しくは10以下、より好ましくは1〜5、最も好ましく
は1〜2である。nとmはシアル酸ダイマー間の距離を
ガングリオシドGQ1bに類似させるよう選択する。Aと
しては製法上Nが最も実施し易い。リピッドのRとして
はセラミド、ホスファチジルエタノールアミン(P
E)、ステロイドなどの脂質が挙げられる。このうちで
PEが最も実施し易い。
【0009】以下に、本発明に係るガングリオシド類縁
物質の製造法を示す。シアル酸ダイマー(化合物1)を
メタノール中Dowex 50W×8(酸性イオン交換
樹脂)で処理し、化合物2を得た。次にアセチルクロリ
ド処理で水酸基のアセチル化、およびアノマー位水酸基
の塩素化を行った。続いてサリチル酸銀をプロモーター
として用い、アリルアルコール・ユニットをアノマー位
へ導入し、化合物3を得た。化合物3をNaOMcで処
理し化合物4とした。続いて0.1MNaOHですべて
のエステル結合を開裂した化合物5へと誘導した。さら
に化合物5をオゾン処理し、二重結合部位をアルデヒド
基へと変換した化合物6を得た。最後に、ホスファチジ
ルエタノールアミンと水素化シアノほう素ナトリウムを
用いた還元的アミノ化法によりGQ1bminicを得、
Dowcx 50W×8(酸性イオン交換樹脂)処理に
より酸性基のイオン型をナトリウム型(化合物7)とし
た。
物質の製造法を示す。シアル酸ダイマー(化合物1)を
メタノール中Dowex 50W×8(酸性イオン交換
樹脂)で処理し、化合物2を得た。次にアセチルクロリ
ド処理で水酸基のアセチル化、およびアノマー位水酸基
の塩素化を行った。続いてサリチル酸銀をプロモーター
として用い、アリルアルコール・ユニットをアノマー位
へ導入し、化合物3を得た。化合物3をNaOMcで処
理し化合物4とした。続いて0.1MNaOHですべて
のエステル結合を開裂した化合物5へと誘導した。さら
に化合物5をオゾン処理し、二重結合部位をアルデヒド
基へと変換した化合物6を得た。最後に、ホスファチジ
ルエタノールアミンと水素化シアノほう素ナトリウムを
用いた還元的アミノ化法によりGQ1bminicを得、
Dowcx 50W×8(酸性イオン交換樹脂)処理に
より酸性基のイオン型をナトリウム型(化合物7)とし
た。
【0010】
【化4】
【0011】
【化5】
【0012】
【化6】
【0013】
【化7】
【0014】
【化8】
【0015】
【化9】
【0016】
【化10】
【0017】
【実施例】以下に、本発明に係るガングリオシド類縁物
質の製造法の具体例を示す。シアル酸ダイマー(上に挙
げた化合物1、以下、化合物2乃至化合物7について同
じ。化合物1の使用量は11.04g,17.08mm
ol)を含有するメタノール(200ml)懸濁液にD
owex 50W×8(H+ 型,200−400mes
h,10.84g)を加え、40℃で13時間攪拌す
る。冷却後、反応液をろ過し、ろ液を約40mlになる
まで濃縮する。エーテルを加え、析出した結晶をろ取
し、化合物2(7.84g,76%)を得た。
質の製造法の具体例を示す。シアル酸ダイマー(上に挙
げた化合物1、以下、化合物2乃至化合物7について同
じ。化合物1の使用量は11.04g,17.08mm
ol)を含有するメタノール(200ml)懸濁液にD
owex 50W×8(H+ 型,200−400mes
h,10.84g)を加え、40℃で13時間攪拌す
る。冷却後、反応液をろ過し、ろ液を約40mlになる
まで濃縮する。エーテルを加え、析出した結晶をろ取
し、化合物2(7.84g,76%)を得た。
【0018】氷冷下、化合物2(7.6g,12.38
mmol)を含むアセチルクロリド(150ml)−酢
酸(70ml)混合溶液にメタノール(24ml)を滴
下し、13時間室温で攪拌後、反応液を減圧濃縮する。
得られた残渣にトルエン(40ml)を加え、再び減圧
濃縮する操作を3回繰り返す。反応フラスコをアルミホ
イルで覆い遮光し、アリルアルコール(120ml)、
モレキュラーシーブ4A(10.6g)、サリチル酸銀
(2.8g)を加え、5時間室温で攪拌する。反応液を
セライトでろ過し、ろ液を減圧濃縮する。残渣を酢酸エ
チルに溶かし、分液ロートで酢酸エチル層を飽和NaH
CO2 水溶液、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、水で順
次洗浄する。得られた酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、ろ過後、減圧濃縮する。得られた反応残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(直径4cm×
長さ25cm、展開溶媒:CHCl3 :MeOH=2
0:1)により精製し、化合物3(6.60g,60
%)を得た。
mmol)を含むアセチルクロリド(150ml)−酢
酸(70ml)混合溶液にメタノール(24ml)を滴
下し、13時間室温で攪拌後、反応液を減圧濃縮する。
得られた残渣にトルエン(40ml)を加え、再び減圧
濃縮する操作を3回繰り返す。反応フラスコをアルミホ
イルで覆い遮光し、アリルアルコール(120ml)、
モレキュラーシーブ4A(10.6g)、サリチル酸銀
(2.8g)を加え、5時間室温で攪拌する。反応液を
セライトでろ過し、ろ液を減圧濃縮する。残渣を酢酸エ
チルに溶かし、分液ロートで酢酸エチル層を飽和NaH
CO2 水溶液、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、水で順
次洗浄する。得られた酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、ろ過後、減圧濃縮する。得られた反応残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(直径4cm×
長さ25cm、展開溶媒:CHCl3 :MeOH=2
0:1)により精製し、化合物3(6.60g,60
%)を得た。
【0019】化合物3(3.44g,3.86mmo
l)を含むメタノール(80ml)溶液に1MNaOM
e(2.8ml)を滴下し、室温で1時間攪拌する。Am
berlite 120(H+ −型)を加え中和し、ろ過後、ろ
液を約20mlまで減圧濃縮する。エーテルを加え、析
出した粗結晶をろ取し、さらに結晶をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(直径2cm×長さ17cm、展開
溶媒:CHCl3 :MeOH:H2 O=8:2:0.
2)により精製し、化合物4(1.68g,67%)を
得た。
l)を含むメタノール(80ml)溶液に1MNaOM
e(2.8ml)を滴下し、室温で1時間攪拌する。Am
berlite 120(H+ −型)を加え中和し、ろ過後、ろ
液を約20mlまで減圧濃縮する。エーテルを加え、析
出した粗結晶をろ取し、さらに結晶をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(直径2cm×長さ17cm、展開
溶媒:CHCl3 :MeOH:H2 O=8:2:0.
2)により精製し、化合物4(1.68g,67%)を
得た。
【0020】化合物4(933mg,1.43mmo
l)に0.1MNaOH水溶液(30ml)を加え、3
時間室温攪拌する。Amberlite 120(H+ −型)を加
え、pHを3とする。ろ過後、素早く0.1MNaOH
水溶液を加え、pHを7とする。凍結乾燥して得られた
化合物5を精製することなくそのまま次の反応に用い
た。
l)に0.1MNaOH水溶液(30ml)を加え、3
時間室温攪拌する。Amberlite 120(H+ −型)を加
え、pHを3とする。ろ過後、素早く0.1MNaOH
水溶液を加え、pHを7とする。凍結乾燥して得られた
化合物5を精製することなくそのまま次の反応に用い
た。
【0021】化合物5のメタノール(50ml)溶液に
−78℃でオゾン・ガスを15分間吹き込む。その後、
窒素ガスを5分間吹き込み、ジメチルスルフィド(10
ml)を加える。徐々に室温にもどし、減圧濃縮する。
こうして得られた化合物6を精製することなくそのまま
次の反応に用いた。
−78℃でオゾン・ガスを15分間吹き込む。その後、
窒素ガスを5分間吹き込み、ジメチルスルフィド(10
ml)を加える。徐々に室温にもどし、減圧濃縮する。
こうして得られた化合物6を精製することなくそのまま
次の反応に用いた。
【0022】化合物6のCHCl3 (60ml),Me
OH(120ml),H 2 O(6ml)溶液にホスファ
チジルエタノールアミンジパルミトイル(197mg,
0.29mmol)を加え、70℃で2時間攪拌する。
冷却後、NaBH 3 CN(790mg,12.6mmo
l)のメタノール(10ml)溶液を加え、50℃で1
時間攪拌する。冷却後、反応液をそのままSephadex L
H−20カラムクロマトグラフィー(展開溶媒;CHC
l3 :MeOH=1:1)にかけ脱塩する。得られた濃
縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶
媒;CHCl3 :MeOH:H2 O=6:4:0.5)
により精製した。最後にメタノール中、本化合物をイオ
ン交換樹脂(Dowex 50Wx8,Na+ −型、展開溶
媒;MeOH)で処理し、Na+ 型とした。メタノール
を減圧留去し、GQ1b mimic(882mg,30%,3
steps)を白色粉末として得た(化合物7)。Rf値=
0.28(展開溶媒:CHCl3 :MeOH:H2 O:
=6:4:1)。7HNMR(CDCl3 −CD3 OD
=1:1)δ=0.90(6水素分、3重線、分裂幅
7.6Hz)、1.28(48水素分、多重線)、1.
62(4水素分、多重線)、1.78(4水素分、多重
線、シアル酸の3位アキシャル水素)、2.04(12
水素分、一重線、アセチル)、2.35(4水素分、多
重線)、2.54(2水素分、多重線、シアル酸の3位
エクアトリアル水素)、2.89(2水素分、多重線、
シアル酸の3位エクアトリアル水素)、3.45−4.
45(40水素分、多重線)、5.27(1水素分、多
重線)。また、元素分析結果および質量分析スペクトル
結果は、以下のとおりであった。
OH(120ml),H 2 O(6ml)溶液にホスファ
チジルエタノールアミンジパルミトイル(197mg,
0.29mmol)を加え、70℃で2時間攪拌する。
冷却後、NaBH 3 CN(790mg,12.6mmo
l)のメタノール(10ml)溶液を加え、50℃で1
時間攪拌する。冷却後、反応液をそのままSephadex L
H−20カラムクロマトグラフィー(展開溶媒;CHC
l3 :MeOH=1:1)にかけ脱塩する。得られた濃
縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶
媒;CHCl3 :MeOH:H2 O=6:4:0.5)
により精製した。最後にメタノール中、本化合物をイオ
ン交換樹脂(Dowex 50Wx8,Na+ −型、展開溶
媒;MeOH)で処理し、Na+ 型とした。メタノール
を減圧留去し、GQ1b mimic(882mg,30%,3
steps)を白色粉末として得た(化合物7)。Rf値=
0.28(展開溶媒:CHCl3 :MeOH:H2 O:
=6:4:1)。7HNMR(CDCl3 −CD3 OD
=1:1)δ=0.90(6水素分、3重線、分裂幅
7.6Hz)、1.28(48水素分、多重線)、1.
62(4水素分、多重線)、1.78(4水素分、多重
線、シアル酸の3位アキシャル水素)、2.04(12
水素分、一重線、アセチル)、2.35(4水素分、多
重線)、2.54(2水素分、多重線、シアル酸の3位
エクアトリアル水素)、2.89(2水素分、多重線、
シアル酸の3位エクアトリアル水素)、3.45−4.
45(40水素分、多重線)、5.27(1水素分、多
重線)。また、元素分析結果および質量分析スペクトル
結果は、以下のとおりであった。
【0023】 (1)元素分析結果: (計算値)C85H145 N5 Na5 O42P C49wt%、H7.11wt%、N3.41wt% (測定値)C49wt%、H7.14wt%、N3.55wt% (2)質量分析スペクトル FAB−MS(マトリックス=トリエタノールアミン): 2056(M+H+ )
【0024】
(薬理効果実施例1) 神経芽腫瘍細胞GOTO株増殖に対するガングリオシド
の効果 神経芽腫瘍細胞GOTO株(Sekiguchi,M.ら、Japan.J.
Exp.,Med.,49,67-83,(1979) を牛胎児血清(以下FCS
と略す)を含む培養液(RMPI 1640 培養液 45%、Dulbe
ccoの Modified Eagle's Medium(以下MEMと略す)
45%、FCS10%より成り、ペニシリンGを100
単位/ml及びストレプトマイシン硫酸塩100μg/
mlを含有)に浮遊させ、37℃で空気中に5%の炭酸
ガスを含む培養器中で培養した。容器としてポリスチレ
ン皿を用い、各容器あたり2〜6×104 個まで指数的
に増殖させたものを試験に用いた。
の効果 神経芽腫瘍細胞GOTO株(Sekiguchi,M.ら、Japan.J.
Exp.,Med.,49,67-83,(1979) を牛胎児血清(以下FCS
と略す)を含む培養液(RMPI 1640 培養液 45%、Dulbe
ccoの Modified Eagle's Medium(以下MEMと略す)
45%、FCS10%より成り、ペニシリンGを100
単位/ml及びストレプトマイシン硫酸塩100μg/
mlを含有)に浮遊させ、37℃で空気中に5%の炭酸
ガスを含む培養器中で培養した。容器としてポリスチレ
ン皿を用い、各容器あたり2〜6×104 個まで指数的
に増殖させたものを試験に用いた。
【0025】細胞培養液よりFCS含有培養液を除去し
た後、FCSを含有しない培養液(RPMI50%、M
EM50%、構成物質は前記培養液と同濃度含有)に各
薬剤の所定量を混合したものを加え、同様にして培養を
継続した。薬剤を加えて24時間後に各培養容器中の生
細胞数の増加、神経突起の数の増加及び神経突起の長さ
の伸長を測定した。
た後、FCSを含有しない培養液(RPMI50%、M
EM50%、構成物質は前記培養液と同濃度含有)に各
薬剤の所定量を混合したものを加え、同様にして培養を
継続した。薬剤を加えて24時間後に各培養容器中の生
細胞数の増加、神経突起の数の増加及び神経突起の長さ
の伸長を測定した。
【0026】実験は各条件下とも5皿で行った。生細胞
数はエリスロシン(erythrosine)色素染色に対する抵抗
性により計数した。各測定値は平均値±標準誤差で表し
た。実験材料として、実施例1で合成したガングリオシ
ドGQlb類緑物質、並びに比較材料として、牛脳から
得られた未分画のガングリオシド(以下GSと略記す
る)並びに分画したガングリオシドGQlb、GMl、
GDlaを用いた。その結果を表1に示す。
数はエリスロシン(erythrosine)色素染色に対する抵抗
性により計数した。各測定値は平均値±標準誤差で表し
た。実験材料として、実施例1で合成したガングリオシ
ドGQlb類緑物質、並びに比較材料として、牛脳から
得られた未分画のガングリオシド(以下GSと略記す
る)並びに分画したガングリオシドGQlb、GMl、
GDlaを用いた。その結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】その結果から、ガングリオシドGMl、G
Mlaには、全細胞数増加、神経突起の数並びに神経突
起の長さの伸長作用活性が見られなかった。一方、G
S、GQlb、並びにGQlb類縁物質には強い活性が
見られ、これらの神経突起作用活性惹起に対する至適濃
度は各々、GS25〜50ng/ml、GQlb2〜5
ng/ml、であったのに対し、GQlb類縁物質は、
5〜20ng/mlであり、GQlbに近い濃度で活性
があることが示された。(図1参照)
Mlaには、全細胞数増加、神経突起の数並びに神経突
起の長さの伸長作用活性が見られなかった。一方、G
S、GQlb、並びにGQlb類縁物質には強い活性が
見られ、これらの神経突起作用活性惹起に対する至適濃
度は各々、GS25〜50ng/ml、GQlb2〜5
ng/ml、であったのに対し、GQlb類縁物質は、
5〜20ng/mlであり、GQlbに近い濃度で活性
があることが示された。(図1参照)
【0029】(薬理効果実施例2) 神経芽腫瘍細胞NB−1株増殖に対するガングリオシド
の効果 神経芽腫瘍細胞NB−1株 (Miyake,S. ら、THE Autono
mic Nervous System,10,115-120(1973)を用い、薬理
効果実施例1と同様の方法で実験を実施した。その結果
を表2に示す。薬理効果実施例1と同様な効果が得られ
た。(図2参照)
の効果 神経芽腫瘍細胞NB−1株 (Miyake,S. ら、THE Autono
mic Nervous System,10,115-120(1973)を用い、薬理
効果実施例1と同様の方法で実験を実施した。その結果
を表2に示す。薬理効果実施例1と同様な効果が得られ
た。(図2参照)
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明のガングリオシドGQ1b類縁物質
はガングリオシドGQ1bと類似の構造および類似の生理
活性を有し、比較的容易に生産することが可能であり、
医薬品としての化学物質を提供し得る。
はガングリオシドGQ1bと類似の構造および類似の生理
活性を有し、比較的容易に生産することが可能であり、
医薬品としての化学物質を提供し得る。
【図1】神経芽腫瘍細胞GOTO株増殖に対するガング
リオシドの薬理効果を示すデータグラフである。
リオシドの薬理効果を示すデータグラフである。
【図2】神経芽腫瘍細胞NB−1株増殖に対するガング
リオシドの薬理効果を示すデータグラフである。
リオシドの薬理効果を示すデータグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川瀬 三雄 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 (72)発明者 川瀬 優治 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】次の一般式で示されるガングリオシド類縁
物質。 【化1】 (式中、nとmはそれぞれ1以上の整数を示し、AはC
H,P,N,S+ のいずれかを示し、Rはリピッドを示
す。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34710696A JPH10182686A (ja) | 1996-12-26 | 1996-12-26 | ガングリオシドGQ1b類縁物質 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34710696A JPH10182686A (ja) | 1996-12-26 | 1996-12-26 | ガングリオシドGQ1b類縁物質 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10182686A true JPH10182686A (ja) | 1998-07-07 |
Family
ID=18387959
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34710696A Withdrawn JPH10182686A (ja) | 1996-12-26 | 1996-12-26 | ガングリオシドGQ1b類縁物質 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10182686A (ja) |
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