JPH10178902A - 植物の栽培方法および栽培用具 - Google Patents

植物の栽培方法および栽培用具

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JPH10178902A
JPH10178902A JP34638596A JP34638596A JPH10178902A JP H10178902 A JPH10178902 A JP H10178902A JP 34638596 A JP34638596 A JP 34638596A JP 34638596 A JP34638596 A JP 34638596A JP H10178902 A JPH10178902 A JP H10178902A
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JP
Japan
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root
growth
plant
roots
enlarged
Prior art date
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JP34638596A
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English (en)
Inventor
Kohei Yamamoto
浩平 山本
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Fukuoka Marumoto Co Ltd
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Fukuoka Marumoto Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 植物の根Rの伸長方向の途中の部位に根
Rの太さ方向の生長を抑制する生長抑制具、たとえばパ
ンチングシート4を取り付ける。日中に葉面から吸収さ
れた養分が、夜間に幹を通って根Rに移動するとき、パ
ンチングシート4を取り付けた部分で養分の移動が抑制
され、パンチングシート4の直上部の根Ra部分に養分
が蓄積して肥大化する。 【効果】 貯蔵養分の増大によって、根、枝葉の展開や
開花結実がより促進され、また、施肥や灌水の間隔を長
くすることができる、旱魃や気温の変化に強くなるなど
の効果が得られる。とくに気温の変化に強くなることか
ら、果樹の広域栽培に寄与することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は植物の栽培、とくに
果樹や盆栽用樹木などの栽培に適した栽培方法およびこ
れに用いる用具に関する。
【0002】
【従来の技術】果樹や盆栽用樹木などの植物栽培におい
て、地上部の成長、収穫物の品質や収量を左右する要因
は多々あるが、そのなかで、根の健全な発達は重要な要
因の一つである。植物の根は地下部にあるため目立たな
いが、全植物体の約半分を占めており、植物体の支持、
養分の吸収、水分の吸収という大きな役割を果してい
る。
【0003】植物の根のはり方は根系と呼ばれており、
その形は植物の種類や、根をとりまく環境条件によって
著しく異なる。根系は大別すると二つに分けられ、一つ
は、種子から出る幼根が発達して主根となり、これから
次々と側根を出し、側根はさらに2次,3次,・・・の
側根を作って樹枝状に発達するタイプであり、もう一つ
は、1本の種子根(主根)を出して後、根基部の節から
多くのひげ状の根(冠根)を次々と出し根群を形成して
いくタイプである。一般に双子葉植物や裸子植物は前者
に属し、単子葉植物は後者に属する。
【0004】上記のような根系の発達は、一次的には植
物がもつ遺伝的要素によって定まってくるが、二次的に
は土壌環境の影響を強く受け、土壌の含水量と地温、養
分の存在状況、土壌の構造などにより左右される。ま
た、高濃度の塩類や代謝阻害物質の存在により根系の発
達は抑制を受け、逆に良質の有機物の存在はその発達を
促進する。
【0005】このようなことから、果樹の栽培農家や盆
栽愛好家は、根系が健全に発達するように良好な土壌環
境作りに努めて、植物自体の成長、収穫物の品質や収量
の向上をはかっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した根
系において、主根が特に発達した例として、ニンジン、
ダイコン、カブなどの根菜がある。これらは、主根が肥
大化して、貯蔵根になったものである。これらの根菜の
場合は、この肥大化した主根そのものを食用に供してい
るのであるが、主根を食用にするのではない植物におい
ても、主根や側根を現状よりも肥大化させることができ
るならば、肥大化した部分に多くの養分を貯蔵すること
ができるので、貯蔵養分の増大によって根、枝葉の展開
や開花結実がより促進されるという効果が期待でき、ま
た、施肥や灌水の間隔を長くすることができる、旱魃や
気温の変化に強くなるなどの効果が期待できる。
【0007】本発明が解決すべき課題は、遺伝的要素に
よって主根が肥大化する品種ではない植物において、人
為的な手段で主根や側根を肥大化させることを可能とす
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の植物の栽培方法は、植物の根の中途におい
て、局部的に根の太さ方向の生長を抑制し,同抑制部位
より地上部側の根を肥大化させることを特徴とする。
【0009】ここで、前記の主根あるいは側根の中途と
は、主根あるいは側根の伸長方向の途中の部位を指し、
主根の場合は地面に近い位置が適当であり、側根の場合
は主根との分岐点にできるだけ近い位置が適当である。
【0010】また、局部的に根の太さ方向の生長を抑制
する手段としては、前記部位において、根の外周長とほ
ぼ同じ内周長を有する穴を形成した板材や網材または環
状体の前記穴に根を挿通した状態、あるいは、根の回り
に紐状体または帯状体を巻き付けた状態を長期間継続さ
せることにより、同部位における根の太さ方向の生長を
物理的に抑制し、同部位より地上部側の根を肥大化させ
ることができる。
【0011】ここで、局部的とは、前記手段により根の
太さ方向の生長を抑制したときに、地上部側の根を肥大
化させることができ、かつ、それより先の根の先端から
の養水分の吸収を妨げない範囲で、抑制する部分の根の
伸長方向長さ範囲をできるだけ短くするという意味であ
る。植物の種類および前記の生長抑制具の製作や取扱い
の点も考慮すると、この長さ範囲は、2〜50mm程度
以内が適当である。
【0012】上記の生長抑制手段をとる時期としては、
栽培過程において植物の移植を行う場合は、移植のとき
に主根あるいは側根の中途に生長抑制具を取り付けるの
が、作業的にもっとも簡単である。移植を行わない樹木
に対しては、若木の2,3年ぐらいの間に土中を掘り返
して主根あるいは側根の中途に生長抑制用具を取り付け
る。また、若木あるいは苗の段階で土中に生長抑制用具
を敷設してもよい。
【0013】図1は生長抑制具の使用により肥大化した
根を示す模式図である。同図に示すように、根Rの中途
に生長抑制具Sを取り付けることにより、生長抑制具S
の直上部の根Raが肥大化する。この肥大化のメカニズ
ムは必ずしも明らかではないが、長さ方向とともに太さ
方向に生長しようとする根Rの、太さ方向の生長が抑制
されることになり、生長抑制具Sを取り付けた部分が径
方向に圧縮されたかたちとなる。このため、日中に葉面
から吸収された養分が、夜間に幹を通って根Rに移動す
るとき、生長抑制具Sを取り付けた部分で養分の移動が
抑制され、その結果、生長抑制具Sの直上部の根Ra部
分に養分が蓄積して肥大化するものと考えられる。
【0014】このようにして根を部分的に肥大化させる
ことにより、肥大化した部分に多くの養分を貯蔵するこ
とができ、貯蔵養分の増大によって根、枝葉の展開や開
花結実がより促進されるという効果が得られ、また、施
肥や灌水の間隔を長くすることができる、旱魃や気温の
変化に強くなるなどの効果が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、果樹を例にとって本発明の
実施の形態を説明する。ミカンやリンゴなどの果樹の生
長は、枝葉や根の発育する栄養生長と、花や種子および
果実の発育する生殖生長とに分けられるが、果樹の場合
はこの両生長期が明瞭に区別できない。この両者の関係
は複雑で、春季、開花と同時に根や枝葉の生長が始ま
り、夏季に翌年の生殖生長の基となる花芽分化および発
育がすでに行われるというように、栄養生長と生殖生長
が相伴って進行するため、両者を時期的に画然と分かつ
ことはできない。一般に果樹の生長周期はつぎのように
分けられる。
【0016】(1)根,枝葉の展開期 主として前年の貯蔵養分によって行われる。 (2)生長増大期 成熟した葉による同化養分および根による養分吸収によ
って、枝,果実の旺盛な生長が行われる。 (3)成熟期 果実発育の最盛期および枝の充実期 (4)樹体内養分蓄積期 収穫期から落葉期までの同化養分を根や枝の組織内に蓄
える時期 (5)休眠期 落葉期から翌春の発芽期までの生長停滞または最も緩慢
な時期
【0017】ところで、一般に果樹は若木の2,3年ぐ
らいまでは栄養生長が盛んに行われ、生殖生長が開始さ
れるまで、すなわち結実年齢に達するまでには比較的年
数を要する。そこで本発明においては、果樹が結実年齢
に達するまでの間において、主根およびまたは側根の中
途において、局部的に根の太さ方向の生長を抑制し,同
抑制部位より地上部側の根を肥大化させ、これによっ
て、肥大化した部分に多くの養分を貯蔵できるようにす
る。
【0018】図2は本発明の実施の形態における根の生
長抑制具の配置例を示す図、図3は生長抑制具の例を示
す斜視図である。
【0019】図2に示すように、生長抑制具は樹枝状に
発達した根の主根Rmの地面に近い位置、および側根R
sのつけ根に近い位置(図中、破線で囲んだ位置)に取
り付ける。生長抑制具の取り付け方法は、枷状の孔あき
板材の場合は主根Rmまたは側根Rsの両側から挟み付
けるかたちで取り付け、網材の場合は側根Rsが細く短
いうちに側根Rsのつけ根付近の主根Rmに巻き付けて
取り付けるか、または側根Rsの先端付近の土中に敷設
する。またバンド材の場合は、主根Rmまたは側根Rs
に直接巻き付ける。
【0020】図3に示す生長抑制具はいずれも合成樹脂
製であり、同図(a)の穴あき板材1は、根の外周長と
ほぼ同じ内周長を有する穴11を形成した枷状の板材で
ある。この穴あき板材1を根に取り付けるには、半円形
の切り欠きを有する2枚の板1a,1bを果樹の主根R
m(図中、一点鎖線で示す)または側根Rsの両側から
挟むかたちで突き合わせ、突き合わせ部を融着させて穴
11が拡大しないようにする。穴11の大きさは、主根
Rmまたは側根Rsの大きさに合わせて数種類の大きさ
のものを準備しておく。
【0021】図3(b)の網材2は、太径の糸を編んだ
網材である。編み目の大きさは、側根Rsがまだ細く短
いうちに編み目を通過することができるように、2〜1
0mm程度にする。なお、太径の糸を編んだ網材に代え
て、多数の穴を形成したパンチングシート状のものとす
ることもできる。この網材2を根に取り付けるには、側
根Rsが細く短いうちに側根Rsのつけ根付近の主根R
mに巻き付けて取り付けるか、または側根Rsの先端付
近の土中に敷設する。
【0022】図3(c)のバンド材3は、二つ割りの短
いリング状のバンド材である。リングの内径は同図
(a)の穴あき板材1の穴11の大きさと同様とし、根
に取り付ける場合は図中一点鎖線で示すようにリングを
開いた状態にして、主根Rmまたは側根Rsに巻き付け
るかたちで取り付け、突き合わせ部を融着させてリング
が開かないようにする。
【0023】図4は生長抑制具としての多数の穴41を
形成したパンチングシート4を若木Tの根元の土中に敷
設した例を示す。この例のように、若木の段階でパンチ
ングシート4を土中に敷設しておくことにより、根Rが
発達する過程で側根の先端がパンチングシート4の穴4
1を通過して延びていき、根Rの太さが穴41の大きさ
に達した時点以降はパンチングシート4が生長抑制具と
して機能し、パンチングシート4の上の部分の根Rが肥
大化する。
【0024】このような生長抑制具を主根や側根の中途
に取り付けて、局部的に根の太さ方向の生長を抑制して
抑制部位より地上部側の根を肥大化させ、これによっ
て、肥大化した部分に多くの養分を貯蔵することができ
る。
【0025】この貯蔵養分の増大によって、翌年の根、
枝葉の展開や開花結実がより促進され、また、施肥や灌
水の間隔を長くすることができる、旱魃や気温の変化に
強くなるなどの効果が得られる。とくに気温の変化に強
くなることから、本来温暖地帯(または寒冷地帯)に成
育する果樹を寒冷地帯(または温暖地帯)に移植して成
育させることが可能となり、果樹の広域栽培に寄与する
ことができる。
【0026】なお、上記の実施形態は本発明を果樹に適
用した場合の例であるが、本発明は果樹に限らず、他の
類似の樹木や盆栽用樹木、果物や野菜の苗にも適用する
ことができる。また、生長抑制具も図3に示したものに
限らず、同様な機能を有するものであれば他の形態のも
のを使用することができる。
【0027】
【発明の効果】植物の根の中途において局部的に根の太
さ方向の生長を抑制し,同抑制部位より地上部側の根を
肥大化させることにより、肥大化した部分に多くの養分
を貯蔵することができ、貯蔵養分の増大によって根、枝
葉の展開や開花結実がより促進され、また、施肥や灌水
の間隔を長くすることができる、旱魃や気温の変化に強
くなるなどの効果が得られる。とくに気温の変化に強く
なることから、本来温暖地帯(または寒冷地帯)に成育
する植物を寒冷地帯(または温暖地帯)に移植して成育
させることが可能となり、植物の広域栽培に寄与するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】生長抑制具の使用により肥大化した根を示す模
式図である。
【図2】本発明の実施の形態における生長抑制具の配置
例を示す図である。
【図3】本発明の生長抑制具の例を示す斜視図である。
【図4】他の生長抑制具による実施形態を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 穴あき板材 1a,1b 板 2 網材 3 バンド材 4 パンチングシート 11,41 穴 S 生長抑制具 R 根 Ra 根(肥大化部分) Rm 主根 Rs 側根 T 若木

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物の根の中途において、局部的に根の
    太さ方向の生長を抑制し,同抑制部位より地上部側の根
    を肥大化させることを特徴とする植物の栽培方法。
  2. 【請求項2】 前記根の太さ方向の生長を抑制する手段
    が、根の太さに応じた1個または複数個の穴を形成した
    板材、網材または環状体の前記穴に根を挿通した状態、
    あるいは、根の回りに紐状体または帯状体を巻き付けた
    状態を長期間継続させて、同部位における根の太さ方向
    の生長を物理的に抑制するものである請求項1記載の植
    物の栽培方法。
  3. 【請求項3】 植物の根の太さに応じた1個または複数
    個の穴を形成した板材、網材または環状体からなる請求
    項1または2記載の植物の栽培方法に用いる栽培用具。
JP34638596A 1996-12-25 1996-12-25 植物の栽培方法および栽培用具 Pending JPH10178902A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101049861B1 (ko) * 2008-07-16 2011-07-19 대한민국 단근 묘목 재배 방법
KR20150137523A (ko) * 2014-05-30 2015-12-09 이기봉 세조망을 이용한 과수 우량묘목 생산방법

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