JPH10174157A - 無線呼出システムの遅延補正方式 - Google Patents

無線呼出システムの遅延補正方式

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JPH10174157A
JPH10174157A JP8325754A JP32575496A JPH10174157A JP H10174157 A JPH10174157 A JP H10174157A JP 8325754 A JP8325754 A JP 8325754A JP 32575496 A JP32575496 A JP 32575496A JP H10174157 A JPH10174157 A JP H10174157A
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JP
Japan
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base station
frame
delay correction
station
paging
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Pending
Application number
JP8325754A
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English (en)
Inventor
Shinichi Saito
新一 齊藤
Yoshitoku Sato
良徳 佐藤
Masato Fujii
正人 藤井
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Oi Electric Co Ltd
Original Assignee
Oi Electric Co Ltd
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Publication date
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通信の多重化のために高速モデムを用いる場
合、このモデムのトレーニングによって遅延時間が変動
し、複数基地局からの同時無線呼出に支障が生じる。 【解決手段】 中央局3および基地局4はそれぞれ衛星
通信用受信ユニット200、210を持つ。これにより
1秒ごとのパルス信号を受信する。中央局3はパルス信
号を受信したとき、フレームのいずれのビット位置で1
秒パルスを受信したかをフレーム内に情報として格納し
伝送する。基地局4の遅延補正部100〜10nはつぎ
の1秒パルス信号が到来した瞬間に前記ビット位置情報
をもとに遅延補正したデータを送信機120〜12nに
送出する。タイミングの制御は制御部212が行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、無線呼出システ
ムにおける遅延補正方式に関する。この発明は特に、適
宜トレーニングの必要なモデムを無線呼出中央局と無線
呼出基地局の間の伝送に用いる無線呼出システムにおい
て、そのモデムによる伝送のために遅延補正を行う方式
に関する。この発明は例えば、無線呼出中央局と無線呼
出基地局の間の伝送に、複数チャネルを多重化して一回
線の専用線で伝送を行う多重化装置を用いる場合に、無
線呼出基地局の遅延補正部に対する遅延補正時間の設定
を自動的に行う遅延補正方式に適用できる。
【0002】
【従来の技術】周知のごとく、ここ数年ページャやメッ
セージデコーダ等の携帯型受信機(以下単にページャと
いう)に対する需要が急速にのびている。無線呼出シス
テムに用いられる代表的な無線回線信号方式のひとつ
に、POCSAG(British PostOffice Code Standard
ization Advisory Group )方式がある。POCSAG
方式は、伝送レートに512または1200bps、変
調方式にFSK(FreqencyShift Keying )を採用する
データ通信方式である。POCSAG方式におけるデー
タの送信単位はバッチと呼ばれ、1バッチは1個の同期
コードとそれにつづく8個のフレームから構成されてい
る。
【0003】図5は従来の無線呼出システムの構成例を
示す図である。ここでは、無線呼出システムが無線呼出
中央局(以下中央局という)1および無線呼出基地局
(以下基地局という)2から構成され、これらと発信者
側の電話機および公衆電話網の関係も示している。基地
局2は同図以外にも存在する。
【0004】同図のごとく、発信者側の電話機10〜1
m(図中のT)は公衆電話網20、無線呼出システムの
中央局1は公衆電話網20に、それぞれ接続されてい
る。中央局1は、地域制御装置30(同LC)と、チャ
ネル装置40〜4n(同CH)と、多重分離制御装置5
0(同MUX)と、モデム60(同MODおよびDE
M)と、これらを統括する制御部22からなる。モデム
60のうち、変調器(MOD)の出力は局間の専用線で
あるアナログ伝送路70に接続され、復調器(DEM)
の入力は同アナログ伝送路71に接続される。制御部2
2は各構成に対する一般的な制御、および各構成間に必
要なやりとりの制御を行う。
【0005】一方、基地局2は、モデム80と、多重分
離制御装置90と、位相同期装置とも呼ばれる遅延補正
部100〜10n(図中のDL)と、チャネル装置11
0〜11nと、送信機120〜12nと、これらを統括
的に制御する制御部82からなる。
【0006】以上の構成において、まず発信者が例えば
電話機10によって呼び出しの目的であるページャ(以
下「目的ページャ」という)の加入番号をダイヤルす
る。この発信は公衆電話網20を介して地域制御装置3
0に送られ、ここでPOCSAG信号に変換される。チ
ャネル装置40〜4nではPOCSAG信号が符号化さ
れ、これが多重分離制御装置50で多重化され、モデム
60の変調器で変調が施され、基地局2へ送出される。
基地局2では、データがモデム80の復調器によって復
調され、多重分離制御装置90で分離され、遅延補正部
100〜10nに入力される。ここで必要な遅延補正が
行われ、その後データはチャネル装置110〜11nを
経由して送信機120〜12nに送られ、目的ページャ
に無線呼び出しが行われる。
【0007】無線呼出システムでは一般に、目的ページ
ャの所有者が移動することを念頭に、複数の基地局から
の同時無線呼び出しが行われている。このため、中央局
1から各基地局2までの伝送遅延を同一の値に補正する
処理、すなわち遅延補正が必要となる。遅延補正をしな
いと、複数の基地局から一台の目的ページャに対してタ
イミングのずれた呼び出しが行われ、これらの無線信号
が相互干渉を起こしてデータ化けなどの不具合が発生し
うるためである。
【0008】従来、遅延補正のための遅延時間の設定
は、多重化を行わない場合と同様、基地局2の据え付け
時に手動で行われていた。図6は従来の無線呼出システ
ムにおける遅延補正の手順を模式的に示す図である。同
図では、中央局1のチャネル装置40〜4nの中のひと
つ(例えば4n)の送信端子Sと受信端子Rが折返し接
続されている。この構成にて、まず対向する基地局2の
チャネル装置11nの送信端子Sから、例えば200H
zの方形波(1200bpsのデータ「11100
0」)が中央局1に対して送出される。このデータは中
央局1のチャネル装置4nで折り返し、最終的に基地局
2のチャネル装置11nの受信端子Rに現れる。そこ
で、もとの送信波形と受信波形を、例えば二事象の観察
が可能なストレージオシロスコープ130などによって
計測し、データの往復時間を測定する。図7はこうして
観察された送信波形と受信波形を示す図であり、ここで
は後者が前者に比べてTD だけ遅れている。これは往復
時間であるため、この1/2、すなわちTD /2が中央
局1から基地局2までの伝送遅延にあたる。
【0009】つづいて、図5の遅延補正部100〜10
nに対する遅延補正時間、すなわち、遅延補正のために
与えるべき遅延時間の設定を行う。遅延補正時間TM
基地局ごとに、 TM =T0−TD /2 (式1) で計算される。T0はTM が負にならないよう決められ
る一定値である。すなわち式1によれば、中央局1から
基地局2への伝送遅延が遅延補正の結果すべて、 T0=TM +TD /2 に揃い、所期の目的が達せられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】多重分離制御装置50
における多重化数が多くなると、モデム60および80
に、例えば9600bpsまたはそれと同等以上の高速
モデムが必要になる。このような高速モデムは通常トラ
ンスバーサルフィルタタイプの自動等化器(Adaptive E
qualizer)を備えており、電源の初期投入時や、停電ま
たは瞬断後の電源再投入時などに、まずトレーニングモ
ードで動作して自動等化器の調整が行われる。ここで問
題となるのは、トレーニングの際、必ずしも高速モデム
の内部遅延が一定になるとは限らないことである。その
一方、遅延補正は当然ながら高速モデムの内部遅延も含
めて考えなければならない。
【0011】このような高速モデムを採用するときに従
来のような遅延補正を行う場合、以下の課題が生じる。
【0012】1.トレーニングは高速モデムごとに行わ
れるため、中央局1側と基地局2側の高速モデムにおけ
る遅延が同じ値にならず、上記TD /2が真の伝送遅延
に一致しない。このため、遅延補正時間の設定値に誤差
が生じる。
【0013】2.仮に1.の誤差がなかったとしても、
瞬断などによって再度トレーニングが行われたとき、高
速モデムの内部遅延が変化する。その結果、設定されて
いる遅延補正時間が誤差を含むことになる。
【0014】[本発明の目的]本発明は上記課題に鑑み
てなされたもので、その目的は、主に基地局側の高速モ
デムのトレーニングの際、自動的に最適な遅延補正時間
を求め、これを自動的に再設定することにより、設定誤
差の発生を防止する遅延補正方式を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の遅延補正方式は、適宜トレーニングが必
要なモデムを中央局と基地局間の伝送に用いる無線呼出
システムにおいて、複数の基地局における同時呼出を実
現するために遅延補正を行う方式であって、中央局およ
び基地局にそれぞれ衛星通信システム用の受信機を設
け、中央局は、自局の前記受信機によって受信した時刻
情報をフレームの一部に格納してこれを基地局に送信
し、基地局は、受信したフレームに格納されている時刻
情報と、自局の前記受信機によって受信した時刻情報と
の比較をもとに遅延補正を行う。
【0016】ここで、衛星通信システムの例にGPS
(Global Positioning System )があり、衛星通信シス
テム用の受信機の例にGPS受信機がある。
【0017】この構成において、まず中央局は自己のも
つ衛星通信システム用の受信機により、衛星通信に係る
信号を受信する。つづいて、この信号の中に含まれる時
刻情報をフレームの一部に格納した上で、これを基地局
に送信する。一方、基地局はこのフレームを受信し、フ
レームに格納されている時刻情報を読み出す。基地局も
衛星通信システム用の受信機を持っているため、自局内
で中央局側と同一の時刻情報を得ることができる。そこ
で、衛星通信から得られた時刻情報(以下「衛星時刻情
報」ともいう)と受信したフレームに格納されている時
刻情報(以下「フレーム時刻情報」もいう)を比較す
る。この比較結果に基づき、フレームデータの遅延補正
を行う。
【0018】衛星通信に係る時刻情報は中央局および複
数の基地局に対して絶対的な時間基準を与える。このた
め中央局は、単に時刻情報をフレームに格納して送るだ
けでよく、それ以上の処理を要しない。一方、基地局は
互いに他の基地局における遅延補正の状況を意識するこ
となく、単に自局の受信機で得られた衛星時刻情報とフ
レーム時刻情報を比較することにより、遅延補正を行う
ことができる。
【0019】(2)本発明の別の態様では、中央局およ
び基地局にそれぞれ衛星通信システム用の受信機を設
け、中央局は、衛星から所定時間ごとに送信される定間
隔信号を自局の前記受信機によって受信したとき、その
受信時刻がフレーム中のいずれのビット位置に相当する
かを示す情報をフレームに格納してこれを基地局に送信
し、基地局は、受信したフレームの前記ビット位置に相
当するデータビットを、そのフレームの受信以降に自局
の前記受信機によって定間隔信号が受信された時刻を基
準に処理することにより遅延補正を行う。
【0020】ここで「定間隔信号」の例に、1秒ごとに
発信されるパルス信号がある。この構成において、中央
局は伝送すべき信号をフレームに格納する際、一定のタ
イミングで定間隔信号を受信する。そこで、この信号の
受信時刻がフレーム中のいずれのビット位置に相当する
かを示す情報(以下「位置情報」という)をフレームに
格納してこれを送出する。定間隔信号を受信しない間に
作成されたフレームについては、位置情報を付さないで
送出する等の処理を行えばよい。また、一旦フレームの
作成を開始した後に定間隔信号を受信することもあるた
め、位置情報を次のフレームに格納するなどの設計でも
よい。「定間隔信号を受信したとき、その受信時刻がフ
レーム中のいずれのビット位置に相当するかを示す情報
をフレームに格納して」とは、そのような設計自由度を
含む意味である。
【0021】一方、基地局は受信したフレームの前記ビ
ット位置に相当するデータビットを、そのフレーム受信
以降に自局のもつ衛星通信システム用の受信機によって
定間隔信号が受信された時刻を基準に処理する。例え
ば、フレーム受信以降、最初に定間隔信号を受信した時
刻を基準に処理をなせばよい。ここで「処理」とは、多
重化されているフレームの分離、いったんメモリなどに
格納されたフレームデータの読出等、基地局における単
位処理をいい、この「処理」がいずれの単位処理のいず
れの動作時点を指すか決めておくことにより、各基地局
における処理動作を同時に開始すること、すなわち遅延
補正を行うことができる。
【0022】(3)本発明の別の態様では、(1)また
は(2)の構成に加えて、中央局は、フレームを送出す
る際にそのタイミングを規定する信号を基地局に送信
し、基地局は受信した前記信号をもとに遅延補正状態の
維持を行う。
【0023】例えば中央局の最終段にモデムがおかれる
場合、前記信号の例として、このモデムのデータ送信ク
ロックが考えられる。(1)または(2)の方法によっ
ていったん遅延補正がなされれば、各基地局における処
理動作は同期のとれている状態になる。そこで、以降前
記信号をもとに基地局による処理を行えば、遅延補正状
態の維持を行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施形態を適宜図
面を参照して説明する。
【0025】[構成]図1は実施形態に係る遅延補正方
式を実現するための無線呼出システムの構成図である。
同図において図5同等の部材には同一の符号を与え、適
宜説明を省略する。
【0026】本実施形態における新たな構成は、中央局
3に設けられた衛星通信用受信ユニット200と、基地
局4に設けられた衛星通信用受信ユニット210であ
る。ここでは、衛星通信としてGPSを利用し、衛星通
信用受信ユニット200はGPS受信ユニットであると
する。GPS受信ユニット自体は既知であり、購入も可
能である。GPSは測位衛星システムであり、その主眼
は地上位置の測定にあるが、GPS受信ユニットは原子
時計を搭載したGPSから送られる信号をもとに、1秒
ごとにパルス信号(以下単に「パルス信号」という)を
発している。本実施形態では、このパルス信号をもとに
遅延補正を行う。
【0027】中央局3の制御部202および基地局4の
制御部212は、それぞれ1チップマイクロコントロー
ラおよび必要な周辺回路から構成される。中央局3の制
御部202は自局の衛星通信用受信ユニット200から
パルス信号を受け取り、このパルス信号に関する情報を
含めてフレームを生成する。一方、基地局4の制御部2
12も自局の衛星通信用受信ユニット210からパルス
信号を受け取ってこれを衛星時刻情報とし、中央局3か
ら送られてきたフレームに格納されているパルス信号に
関する情報をフレーム時刻情報とする。基地局4の制御
部212は、衛星時刻情報とフレーム時刻情報を比較
し、その比較結果に基づきフレームデータの遅延補正を
行う。衛星通信用受信ユニット200、210がパルス
信号をそれぞれ制御部202、212に出力する際、出
力タイミングのばらつきは、現在市販されているユニッ
ト間で通常10μs以内である。一方、無線呼出システ
ムにおいて許容される無線呼出タイミングのずれ、すな
わち遅延補正の規格上の許容誤差「符号歪み6%以下」
は、50μs(833.3μS×0.06)であるた
め、本実施形態の構成で良好な遅延補正が可能となる。
【0028】本実施形態では、遅延補正部100〜10
nにおける遅延補正時間、すなわち遅延補正のために与
えられる遅延時間が制御部212において自動的に設定
される。遅延補正部100〜10nでは遅延用の素子と
してデュアルポートメモリを利用し、入力されたフレー
ムのデータについてはこれを次々に記憶していく。この
フレームのデータの読出タイミングを制御部212から
制御することにより、各フレームのデータがデュアルポ
ートメモリに留まる時間を所望の遅延補正時間に一致さ
せる。デュアルポートメモリから所望のデータを所望の
タイミングで読み出す技術は、例えばコンピュータの画
像メモリの読出回路として知られている。遅延用の素子
としてデュアルポートメモリのようなメモリ素子を利用
するのは、上述のごとく遅延補正の許容誤差がμsのオ
ーダである一方、後述のごとく本実施形態における遅延
補正時間が約1秒に及ぶためである。
【0029】中央局3の高速モデム60と基地局4の高
速モデム80はトレーニングの必要なモデムで、伝送レ
ートは例えば9600bpsとする。従ってこれらによ
るデータ送信の基準となるクロック(以下「送信クロッ
ク」という)は9.6kHzである。本実施形態では図
示しないPLL(Phase Locked Loop )回路を設け、後
述のごとく、遅延補正の正確を期するために、送信クロ
ックからその64倍の周波数をもつクロック(以下「詳
細クロック」という)を生成して利用する。詳細クロッ
クの周波数は9.6×64=614.4kHzである。
詳細クロックは制御部202、212に入力される。
【0030】[動作]上記構成による動作を、中央局に
おけるフレームの生成と、基地局における遅延補正およ
び最適遅延の維持の順に説明する。
【0031】(1)フレームの生成 図2は本実施形態で採用する多重化後のフレームフォー
マットを示す図である。ここでは説明の簡略化のため
に、多重化数を4としている。同図(a)のごとく、1
フレームは4チャネル分の多重化データで構成され、そ
の総ビット数は一例として380である。フレームは以
下の領域に分かれる。
【0032】1.同期コード(8ビット) 局間でフレームの同期をとるための既知のコード領域で
ある。
【0033】2.時刻情報(16ビット) 時刻情報を格納するための領域である。図2(b)はこ
の領域の詳細構成図である。この領域の最初のビット
は、フレーム生成中にパルス信号を受信したか否かを示
す「有効フラグ」であり、このビットが「1」の場合は
「受信あり」、「0」の場合は「受信なし」を示す。す
なわち、このビットが「0」の場合は時刻情報全体が無
効なものとして無視される。
【0034】つづく9ビットは「タイムスタンプ(時刻
の刻印)位置情報」を格納する。すなわち、この9ビッ
トによって0〜379を表し、フレーム生成中のいずれ
のビット位置でパルス信号を受信したかが記述される。
ここではフレームの先頭ビットをビット「0」とし、以
下ビット「1」「2」…とつづく。本実施形態では衛星
から送られるパルス信号が時刻情報として利用される
が、この時刻情報は、現実にはビット位置による位置情
報の形で扱われる。
【0035】残る6ビットは「細分化位置情報」に割り
当てられている。この6ビットは0〜63をとる。細分
化位置情報は、タイムスタンプ位置によって決まるビッ
トに対応する時間をさらに64等分して詳細な時刻情報
を記述するもので、この情報は詳細クロックをサンプリ
ングクロックに用いることによって得られる。以降、6
4等分した時間区分を先頭から順に、アドレス「0」
「1」…「63」と表現する。パルス信号の受信時刻は
詳細クロックの周期(約1.6マイクロ秒)の精度で特
定される。
【0036】3.その他の情報(ビット数任意) 予約ビットであり、任意の情報のために利用される。
【0037】4.4チャネル分のデータ 多重化された4チャネル分のデータが格納される。この
データが最終的に目的ページャに伝送すべきデータに当
たる。
【0038】図3は、中央局3の制御部202が時刻情
報をフレームに格納する手順を示す図である。同図で
は、隣接する2つのフレームaとbが示されており、こ
こではフレームaの生成中に衛星通信用受信ユニット2
00がパルス信号を受信したものとする。
【0039】このときまず制御部202は、パルス信号
がフレームaのいずれのビット位置のいずれのアドレス
で受信されたかを判定する。制御部202には詳細クロ
ックが入力されているため、タイムスタンプ位置および
細分化位置を特定することができる。同図では、判定の
結果タイムスタンプ位置がビット「200」、細分化位
置がアドレス「30」であるとしている。つづいて、制
御部202による判定の結果に従って時刻情報をフレー
ムに格納するが、このとき、すでにフレームaの生成が
着手されているため、本実施形態ではフレームaのかわ
りにその直後のフレームbに時刻情報を格納する。この
格納規則は中央局3と複数の基地局4の共通認識事項と
する。フレームbについては、作成の際に有効フラグを
1としておく。なお、パルス信号は1秒おきにしか発生
しない一方、1フレームの時間的な長さは約40ミリ秒
のため、フレームbの生成中に再度パルス信号を受信す
ることはない。以上が中央局3側におけるフレーム生成
動作である。
【0040】(2)遅延補正 ここでは、あるパルス信号P1に関するタイムスタンプ
位置および細分化位置がフレームaのビット「200」
アドレス「30」であったと仮定する。
【0041】図4は基地局4における遅延補正動作の手
順を示す図である。同図(i)は、基地局4が受信した
フレーム列とパルス信号P1の時間関係を示す図であ
る。ここでは、フレームaのビット「200」アドレス
「30」に対応する個所が基地局4側では伝送遅延によ
ってT1だけパルス信号P1から遅れている。
【0042】一方、同図(ii)は、基地局4で必要な遅
延補正が行われた後のフレーム列、すなわち遅延補正部
100〜10nの出力信号とパルス信号P2の時間関係
を示している。パルス信号P2は前記パルス信号P1の
ちょうど1秒後に受信されるパルス信号である。この図
からわかるように、基地局4の遅延補正部100〜10
nからフレームaが出力されるとき、そのビット「20
0」アドレス「30」に相当する個所がちょうどパルス
信号P2の受信時刻に出力されるよう、遅延補正時間が
調整される。この調整は、制御部212が遅延補正部1
00〜10n内部のデュアルポートメモリに対する読出
タイミングを詳細クロックで制御することより可能であ
る。遅延補正時間をTM と記述すれば、TM は、 TM =1−T1 (式2) で求められる。なおここでは、T1を「基地局4が受信
したフレーム列とパルス信号P1の時間関係」とした
が、T1+TM =1が厳密に満たされるためには、T1
を「フレームaが基地局4の遅延補正部100〜10n
に入力される瞬間とパルス信号P1の時間関係」としな
ければならない。TM が「遅延補正部100〜10nか
らフレームaが出力される瞬間とパルス信号P2の時間
関係」のためである。しかし実際には、各基地局4とも
同一のハードウエア構成を採用しており、かつ各基地局
4間の相対遅延が0になりさえすれば絶対遅延は問題と
ならないため、そこまで厳密な時刻管理は必要ない。従
ってT1は、例えば「基地局4の多重分離制御装置90
がフレームaを処理した瞬間とパルス信号P1の時間関
係」などと決めることができる。トレーニングによって
遅延が変化するのは高速モデム60であるから、この高
速モデム60の内部遅延がT1に含まれるよう、高速モ
デム60よりも後段の処理をT1測定の基準とすればよ
い。
【0043】以上の遅延補正を別の表現でいえば、中央
局3でフレームを生成する際にパルス信号を受信したフ
レームについては、そのデータのうちパルス信号の受信
時刻に対応する位置にあるデータが、基地局4において
つぎのパルス信号が受信されるとき、すなわちちょうど
1秒後に送信機120〜12nへ送出される状態を実現
するよう遅延補正時間を設定する、となる。このよう
に、各基地局4にて同じ方式の遅延補正を行うことによ
り、データを同時に送信機120〜12nに送ることが
でき、そこから同時に無線呼出をすることができる。こ
の結果、当初の目的が達成される。なお、中央局3から
基地局4への伝送遅延はせいぜい数十ミリ秒のオーダで
あるため、本実施形態のように1秒間の時間をとれば、
必ずすべての基地局4で対応が可能となる。
【0044】(3)最適遅延の維持 本実施形態では、中央局3から基地局4に対するフレー
ムの送出タイミングを高速モデム60の送信クロックに
同期させて行うとともに、この送信クロックも基地局4
側に送るものとする。この場合、一旦衛星からのパルス
信号によって遅延補正がなされれば、以降基地局4はこ
の送信クロックのみを参照することにより、たとえ高速
モデム80のトレーニングが行われても、最適な遅延補
正状態を維持することができる。この構成の場合、例え
ば衛星からの受信が何等かの理由で途絶えるような場合
でも、良好な遅延補正状態を保つことができる。
【0045】以上が本実施形態の概要である。なお、本
実施形態については、以下のような改良または変形が考
えられる。
【0046】1.本実施形態では1秒ごとの定間隔信号
を用いたが、これは当然別の信号であってよいし、用い
る衛星通信もGPSに限られない。
【0047】2.本実施形態では、パルス信号を受信す
るたびに必ずその時刻情報をフレームに格納したが、こ
の手続は簡略化することができる。例えば、基地局4側
から中央局3に対してトレーニングの要求があったとき
に限り、時刻情報の送信を行っても良い。この場合、ト
レーニング信号の要求がない間は衛星通信用受信ユニッ
トの電源を落とす等の処置も可能となる。
【0048】3.本実施形態では遅延補正部100〜1
0nにおける遅延素子にデュアルポートメモリを用いた
が、これは別の構成をとることも可能である。例えば可
変シフトレジスタ、すなわちシフトの段数をソフトウエ
ア的に設定可能なレジスタによって構成してもよい。そ
の場合、シフトの段数を大きく設定するほど遅延時間が
大きくなる。
【0049】4.本実施形態では局間伝送路としてアナ
ログ伝送路70、71を考えたが、本方式を利用する場
合、これをディジタル回線に置き換えても遅延補正が可
能である。
【0050】
【発明の効果】衛星通信に係る時刻情報を用いて遅延補
正を行う場合は、中央局および基地局に対して絶対的な
時間基準が与えられるため、中央局は単に時刻情報をフ
レームに格納して送るだけでよい。一方、基地局は単に
自局の衛星通信用受信機で得られた時刻情報とフレーム
に格納された時刻情報を比較することにより、遅延補正
を行うことができる。
【0051】また本発明によれば、中央局と基地局間の
伝送路になんらかの状況変化、環境変化が生じて伝送遅
延が変化した場合にも、本発明のシステムは影響を受け
ないため好都合である。本発明により、無線呼出システ
ムで伝送路を多重化して高速モデムを導入する際などに
有用な遅延補正方式が与えられる。
【0052】対向局の信号によってフレームデータに関
するタイミング制御を行う場合は、いったん確立した最
適な遅延を維持することができる。このとき、衛星通信
用の受信機を使用する必要がなくなる点でも有利であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態に係る遅延補正方式を実現するため
の無線呼出システムの構成図である。
【図2】 実施形態で採用する多重化後のフレームフォ
ーマットを示す図である。
【図3】 中央局3の制御部202が時刻情報をフレー
ムに格納する手順を示す図である。
【図4】 基地局4における遅延補正動作の手順を示す
図である。
【図5】 従来の無線呼出システムの構成例を示す図で
ある。
【図6】 従来の無線呼出システムにおける遅延補正の
手順を模式的に示す図である。
【図7】 従来の遅延補正の際に基地局側で観察された
送信波形と受信波形を示す図である。
【符号の説明】
3 中央局、4 基地局、10〜1m 電話機、20
公衆電話網、30 地域制御装置、40〜4n,110
〜11n チャネル装置、50 多重分離制御装置、6
0,80 高速モデム、70,71 アナログ伝送路、
90 多重分離制御装置、100〜10n 遅延補正
部、120〜12n 送信機、200,210 衛星通
信用受信ユニット、202,212 制御部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 適宜トレーニングが必要なモデムを無線
    呼出中央局と無線呼出基地局間の伝送に用いる無線呼出
    システムにおいて、複数の無線呼出基地局における同時
    呼出を実現するために遅延補正を行う方式であって、 無線呼出中央局および無線呼出基地局にそれぞれ衛星通
    信システム用の受信機を設け、 無線呼出中央局は、自局の前記受信機によって受信した
    時刻情報をフレームの一部に格納してこれを無線呼出基
    地局に送信し、 無線呼出基地局は、受信したフレームに格納されている
    時刻情報と、自局の前記受信機によって受信した時刻情
    報との比較をもとに遅延補正を行うことを特徴とする遅
    延補正方式。
  2. 【請求項2】 適宜トレーニングが必要なモデムを無線
    呼出中央局と無線呼出基地局間の伝送に用いる無線呼出
    システムにおいて、複数の無線呼出基地局における同時
    呼出を実現するために遅延補正を行う方式であって、 無線呼出中央局および無線呼出基地局にそれぞれ衛星通
    信システム用の受信機を設け、 無線呼出中央局は、衛星から所定時間ごとに送信される
    定間隔信号を自局の前記受信機によって受信したとき、
    その受信時刻がフレーム中のいずれのビット位置に相当
    するかを示す情報をフレームに格納してこれを無線呼出
    基地局に送信し、 無線呼出基地局は、受信したフレームの前記ビット位置
    に相当するデータビットを、そのフレームの受信以降に
    自局の前記受信機によって定間隔信号が受信された時刻
    を基準に処理することにより遅延補正を行うことを特徴
    とする遅延補正方式。
  3. 【請求項3】 請求項1、2のいずれかに記載の遅延補
    正方式において、 無線呼出中央局は、フレームを送出する際にその送出タ
    イミングを規定する信号を無線呼出基地局に送信し、 無線呼出基地局は、受信した前記信号をもとに遅延補正
    状態の維持を行うことを特徴とする遅延補正方式。
JP8325754A 1996-12-05 1996-12-05 無線呼出システムの遅延補正方式 Pending JPH10174157A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6385980B1 (en) 2000-11-15 2002-05-14 Carrier Corporation High pressure regulation in economized vapor compression cycles

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6385980B1 (en) 2000-11-15 2002-05-14 Carrier Corporation High pressure regulation in economized vapor compression cycles

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