JPH10173261A - 半導体発光素子駆動回路および画像記録装置 - Google Patents

半導体発光素子駆動回路および画像記録装置

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JPH10173261A
JPH10173261A JP33198196A JP33198196A JPH10173261A JP H10173261 A JPH10173261 A JP H10173261A JP 33198196 A JP33198196 A JP 33198196A JP 33198196 A JP33198196 A JP 33198196A JP H10173261 A JPH10173261 A JP H10173261A
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light emitting
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semiconductor light
laser
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JP33198196A
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Chikao Ikeda
周穂 池田
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】半導体発光素子の発熱による出力変動を精度よ
く補正することのできる半導体発光素子駆動回路、およ
びこの半導体発光素子駆動回路を用いた画像記録装置を
提供することを目的とする。 【解決手段】レーザダイオード14にバイアス電流を供
給するバイアス電流源10bと、所定の変調信号に応じ
て変動する変調電流を供給する変調電流源10aと、レ
ーザダイオード14の温度による出力変化を補正するた
めの、積分器19および電圧電流変換器20からなる補
正回路10cとを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体発光素子
を、例えばレーザゼログラフィー方式の画像記録装置の
静電潜像形成用光源などの用途に用いる場合の、半導体
発光素子を駆動するための半導体発光素子駆動回路、お
よびその半導体発光素子駆動回路を用いた画像記録装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばレーザゼログラフィー方式
の画像記録装置では、レーザ光をパルス幅変調すること
により感光体上の潜像電位を制御して画像の濃淡を表現
している。図9は、レーザ駆動電流の波形(図9
(a))およびそのレーザ駆動電流により駆動される半
導体レーザからのレーザ光出力波形(図9(b))を示
すグラフである。
【0003】一般に半導体レーザは、レーザ光出力の動
特性を向上させるために、レーザ発振閾値以下の一定の
バイアス電流を変調電流に重畳したレーザ駆動電流で駆
動される。図9(a)には、バイアス電流に変調電流が
重畳されたレーザ駆動電流の波形が示されている。図9
(a)に示すように、一定レベルのバイアス電流が供給
されているところに、時刻t1 から時刻t2 までの間、
所定レベルの変調電流が重畳されて半導体レーザに供給
された場合に、半導体レーザからのレーザ光出力は、図
9(b)に示すように、最初のレーザ点灯時t1 には所
定のパルスピーク値P1を示すが、その瞬間から徐々に
減衰していき、レーザ消灯時t2 にはレーザ光出力はP
1より低いP1’レベルまで低下する。次に時刻t3 で
半導体レーザが再び点灯された時も、点灯時にパルスピ
ーク値P2を示した後、徐々に減衰し時刻t4 ではP
2’に低下する。
【0004】ここで、2回目に点灯された時刻t3 時点
のパルスピーク値P2は、最初のパルスピーク値P1よ
りも低い値を示している。このように、後続するパルス
ピーク値が始めのパルスピーク値よりも低い値を示す現
象はパターン効果と呼ばれ、このパルスピーク値の差は
前回のレーザ消灯時刻から次回のレーザ点灯時刻までの
時間間隔が短いほど大きい。
【0005】このように、半導体レーザを同一レベルの
レーザ駆動電流で駆動してもレーザ光出力が時間の経過
と共に低下するため、レーザゼログラフィー方式の画像
記録装置において、例えば、レーザ光の走査方向に垂直
な方向に延びる帯状パターンを同一濃度で印字しようと
した場合、半導体レーザの点灯開始時と半導体レーザの
消灯時とでレーザ光出力レベルが異なってくるため、パ
ターンの幅内で濃度むらを生じる。また、レーザ光の走
査方向に垂直な方向に並んで延びる複数の帯状パターン
を同一濃度で印字しようとした場合は、上述のパターン
効果のために、パターン幅内だけでなく、隣り合うパタ
ーンどうしの間にも濃度むらを生じる。このように、レ
ーザ光出力レベルが変動し濃度むらを生じるのは、半導
体レーザチップが駆動電流により発熱しチップ温度が上
昇してレーザの駆動状態が変化するためであることが知
られている。
【0006】図10は、レーザ駆動電流に対するレーザ
光出力の関係を示すグラフである。図10に示すよう
に、レーザチップの温度が低い時の電流発光量特性A
は、レーザ駆動電流をゼロから徐々に増加していき、レ
ーザ発振閾値と呼ばれる値Ith1 を越えるとレーザ光
出力は急激に増加する。レーザ駆動電流がレーザ発振閾
値Ith1 を超えた後はレーザ光出力はレーザ駆動電流
にほぼ比例して増大していく。このレーザ発振閾値は、
レーザチップの温度が上昇すると(電流発光量特性
B)、それにつれてレーザ発振閾値Ith2 は高電流側
にシフトする。したがって、例えば、図10に示すレー
ザ駆動電流Iで半導体レーザを駆動したとき、レーザ駆
動直後はレーザチップの温度が低くレーザ発振閾値It
1 が低いためレーザ出力レベルL1は高い値を示す
が、連続して駆動している間にレーザチップ温度が上昇
しそれに伴ってレーザ発振閾値Ith2 が上昇するた
め、同一のレーザ駆動電流Iで駆動を続けるとレーザ光
出力はL2のように低下する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような問題に対し
さまざまな対策が提案されている。これらの対策に共通
しているのは、レーザの駆動状態を反映する何らかの物
理量を検出しその物理量から駆動状態を推定して駆動電
流を調整するという方法を採用していることである。こ
れらの対策を検出対象別に分類すると次の4通りの方式
に分けられる。
【0008】第一の方式は、変調するパターンを検出す
るものであり、特開昭49−122990号公報には、
ディジタルの符号化パルスパターンを検出しその検出状
態に応じた補正パルス電流をレーザ駆動電流に重畳する
方法が開示されている。しかし、この方法はディジタル
のパルスパターンを検出して補正するものであるためア
ナログ的な補正ができず温度補正の精度が低いという問
題がある。
【0009】第二の方式は、パルス変調された駆動信号
を検出しこれにアナログ的演算を施し、その演算結果に
基づいてレーザ駆動電流を補正する方式である。この方
式の一例として特公昭58−51435号公報を挙げる
ことができる。この公報に開示されているレーザ駆動回
路では、入力された変調信号をそのまま増幅した信号
と、入力された変調信号を積分回路により積分してから
増幅した信号とを和回路で加算することにより、レーザ
駆動信号を生成している。
【0010】図11は、特公昭58−51435号公報
に開示されたレーザ駆動回路の出力波形の説明図であ
る。図11(a)は、補正を行わなかったときのレーザ
駆動電流の波形であり、図11(b)は、図11(a)
の波形のレーザ駆動電流で駆動されたレーザからのレー
ザ光出力波形である。図11(b)に示すように、レー
ザ光出力は、レーザがオンになった瞬間にパルスピーク
値を示した後、徐々にレーザ光出力が減少している。図
11(c)は、積分回路で作られる、図11(a)のレ
ーザ駆動電流の積分波形であり、図11(d)は、図1
1(a)に示す波形と、それを積分した後の図11
(c)に示す波形とを加算した波形である。図11
(d)の波形のレーザ駆動電流によりレーザを駆動する
ことにより、波形の頭部の傾斜部分が互いに相殺され
て、図11(e)に示すような、図11(a)の波形に
近い波形を持つレーザ光出力が得られる。このような、
積分回路を通した変調信号を元の変調信号に重畳する方
法と類似の方法が、上記のほかにも多数提案されてい
る。例えば、特開昭63−213983号公報には、前
述の特開昭58−51435号公報に示された回路と基
本的には同様の考え方に基づく、最初に変調信号で増幅
しておいてからローパスフィルタ(積分器)を通した信
号をレーザ駆動電流に重畳する方法が開示されている。
【0011】以上説明した第二の方式は、パルス信号の
積分波形がレーザチップの温度変化と必ずしも正確に対
応していないため十分な温度補正精度を確保しにくいと
いう問題がある。第三の方式は、レーザチップの温度を
実際に検出しその検出結果に基づいて温度補正を行うも
のである。レーザチップ温度の検出には、例えば、感温
素子としてサーミスタなどが用いられるか、あるいはダ
イオードの順電圧降下などが利用される。例えば、特開
平1−183872号公報には、温度検出回路部をレー
ザチップに近接させて設置し、この温度検出回路部によ
りレーザチップの温度を検出しその検出出力で直流バイ
アス制御を行いレーザチップの温度変化に対する安定性
を持たせたレーザ駆動回路が開示されている。また、特
開昭55−1147号公報には、LED(Light
Emitted Diode:発光ダイオード)の駆動
回路の基準電位にシリコンダイオードの順方向電圧を利
用することにより、温度変動によるLEDの発光量への
影響を補正するようにした発光素子駆動回路が開示され
ている。
【0012】しかし、これらの感温素子を用いる方式に
は次のような問題点がある。すなわち、これらの感温素
子と半導体発光素子とを必ずしも十分な熱的結合状態に
保つことができるとは限らず、検出された温度と半導体
発光素子の真の温度との間に差が生じたり、あるいは温
度の検出に時間的な遅れが生じたりすることがある。ま
た、正確な温度を検出するために同一の半導体発光素子
を並べて配置し、片方を温度モニタとして利用すること
も考えられるが、そのためには発光素子が2つ必要とな
りコストアップを招くという問題もある。また、同一温
度条件とするには同一の熱発生量が必要であるが、発光
素子の駆動には大電流が必要であり温度補正のために2
倍の電流を流すことは非効率的である。
【0013】このほかに、半導体レーザの温度を検出す
る方法として、半導体レーザのアノードとカソードとの
間の電圧から温度を検出する方法も提案されているが、
半導体レーザの温度と半導体レーザのアノード・カソー
ド間電圧とを直接対応させて温度検出するためには定電
流で半導体レーザを駆動する必要がある。しかし、強度
変調では駆動電流は常に変動しているため、この方式を
実現させるためには極めて複雑な処理が必要となり、コ
ストアップを招きやすい。
【0014】第四の方式は、発光素子の駆動電流を検出
しハイパスフィルタを通して入力に帰還させることによ
り第二の方式と同様の効果を得ようとするものでる。例
えば、特公平6−26421号公報には、発光素子の駆
動電流を一部分岐させ電流電圧変換しハイパスフィルタ
を通過させた電圧を発光レベル信号にネガティブフィー
ドバックすることによって発光素子の駆動電流の急激な
変化を抑制し、図11(a)〜図11(e)におけると
同様、積分波形の合成により温度補正を行う発光素子駆
動回路が開示されている。この方法では、検出された電
流を電流電圧変換した後ハイパスフィルタを通してから
駆動回路にフィードバックするので、この駆動回路を、
駆動信号が高速でオンオフされる用途に用いる場合はフ
ィードバックが追従し切れず、例えば、駆動信号の立ち
上がり時、フィードバックがかかるまでの間、温度補正
無しの状態になってしまうという問題がある。
【0015】さらに、以上の問題のほかに、最近の半導
体レーザの性能向上に伴い新たな問題が発生している。
すなわち、最近の半導体レーザは、短波長化、閾値電流
の低下に伴い発光効率は10%を越えるまでに改善され
てきており、このような高発光効率のレーザにおいて
は、発熱による出力変動を補正するに際して光放射によ
って失われるエネルギーを考慮しなければ補正量が過大
となってしまう。ところが従来提案されてきた方法で
は、前述の第三の方式(レーザチップ温度を検出して補
正する方式)を除いては、温度補正のための信号を、単
に変調信号から生成しており、レーザ光放射によるエネ
ルギー消費が考慮されていない。
【0016】図12は、半導体レーザの駆動エネルギー
の内訳を示すグラフである。図12に示すように、半導
体レーザの駆動エネルギーは光放射のエネルギーA、光
放射に伴って生じる熱エネルギーB、および発振維持に
必要な熱エネルギーCの3種類に分類することができ
る。前述の4種類の方式のうち第三の方式以外の方式で
は、半導体レーザの駆動エネルギー(A+B+C)全て
を温度補正用の信号として用いて温度補正を行ってい
る。しかし、半導体レーザの駆動エネルギーと半導体レ
ーザの温度とは単純な比例関係にはない。すなわち、図
12に示すレーザ発振閾値Ithを越えるレーザ駆動電
流では、駆動エネルギーのうちの一定比率のエネルギー
が光放射エネルギーAとして放射されており、この光放
射エネルギーAは半導体レーザを発熱させる熱エネルギ
ーとはならない。従って、全駆動エネルギー(A+B+
C)をそのまま温度補正用の信号として温度補正を行う
と、図12での光放射エネルギーAに相当する部分が過
大評価されたまま温度補正が行われる。この現象につい
て、従来の温度補正方式による実際のレーザ駆動例に基
づき以下に説明する。
【0017】図13は、従来方式により、レーザ発振閾
値電流より高い電流でキャリブレーションを行った場合
の半導体レーザの予測温度の説明図である。図13は、
図11を参照して説明した、第二の方式、すなわち積分
波形を加算する方式における、半導体レーザの駆動信号
から予測した半導体レーザの予測温度T1と半導体レー
ザの実際の温度T2とが示されている。一般に、半導体
レーザでは、レーザ発振閾値に対して一定割合の電流を
バイアス電流として常時流すことにより高速動作を行わ
せており、図13においても、駆動信号の最小値はバイ
アスレベルと一致させてある。図13に示すように、駆
動信号の増加に従い半導体レーザチップの実際の温度T
2は増加しているが、その増加の程度はレーザ発振閾値
電流Ithを境として減少している。すなわち、駆動信
号がバイアス電流からレーザ発振閾値電流Ithに至る
領域での半導体レーザチップの温度上昇の傾きに比べ、
レーザ発振閾値電流Ith以上の領域での半導体レーザ
チップの温度上昇の傾きは緩やかになっている。これ
は、レーザ発振閾値電流Ith以上の領域では半導体レ
ーザチップの光放射によるエネルギー消費のため熱エネ
ルギーの増加分が減少するからである。
【0018】図13に示す温度補正方式では、駆動信号
に一定の補正係数を乗じた値をレーザチップの予測温度
T1としその予測温度T1に基づいてバイアス電流を補
正している。予測温度T1は、図13に示すように、一
本の直線として示される。駆動信号に対する補正係数
は、キャリブレーション点の駆動信号を定め、その電流
値で半導体レーザを発光させ、そのとき発光直後と一定
時間経過後とでレーザ光出力レベルが変化しないよう
に、実験的に定められる。図13では、駆動信号レベル
がレーザ発振閾値電流Ithよりも大きい電流値Ic1
をキャリブレーション点と定め、このキャリブレーショ
ン点Ic1 において駆動信号に乗ずる補正係数を調整
し、駆動信号からの予測温度T1と実際の温度T2とを
一致させている。
【0019】図14は、図13に示すようにレーザ発振
閾値電流より高い電流でキャリブレーションを行った場
合のレーザ駆動回路のタイムチャートを示す図である。
従来の温度補正方式により、レーザ発振閾値電流Ith
より高い電流値Ic1点でキャリブレーションを行った
場合の、変調信号波形が図14(a)に、積分器からの
出力波形が図14(b)に、加算器からの出力波形が図
14(c)に、またレーザ光出力波形が図14(d)に
示されている。
【0020】図14(d)に示すように、時刻t1 時点
において電流値Ic1 (図13参照)で最初にキャリブ
レーションを行った後、時刻t2 時点において、キャリ
ブレーション時と同一レベルIc1 の変調信号を再度入
力した場合にはレーザ光出力レベルは変動せず同一の出
力が得られる。ところが、次に時刻t3 時点において、
図13に駆動信号レベルS1として示した低い駆動信号
レベルで変調を行った場合には、S1における予測温度
T1が実際の温度T2よりも低く評価されるため、図1
3に矢印で示した『過小評価分』だけ補正量が過小とな
る。その結果、図14(d)に示すように、時刻t3 で
のレーザ光出力レベルは、立上がり後に次第に低下して
いく。一方、レーザ発振閾値電流付近の電流でキャリブ
レーションを行った場合は、上記とは逆に、レーザ光出
力レベルは立上がり後に次第に上昇していく現象を示
す。
【0021】図15は、従来方式により、レーザ発振閾
値電流付近の電流でキャリブレーションを行った場合の
半導体レーザの予測温度の説明図である。図15に示す
ように、レーザ発振閾値電流Ithに近いIc2 点でキ
ャリブレーションを行った場合は、レーザ光放射に消費
されるエネルギーが極めて少なく、半導体レーザへの投
入電力がほとんど熱エネルギーとなる。そのため、投入
電力に対するレーザ素子の温度上昇の割合が大きくな
り、したがって、駆動信号に対する補正係数として大き
な値が設定される。
【0022】図16は、図15に示すようにレーザ発振
閾値電流付近の電流でキャリブレーションを行った場合
のレーザ駆動回路のタイムチャートを示す図である。従
来の温度補正方式により、レーザ発振閾値電流Ith付
近の電流値Ic2 点でキャリブレーションを行った場合
の、変調信号波形が図16(a)に、積分器からの出力
波形が図16(b)に、加算器からの出力波形が図16
(c)に、またレーザ光出力波形が図16(d)に示さ
れている。
【0023】図16(d)に示すように、時刻t1 時点
において最初にキャリブレーションを行った後、時刻t
2 時点においてキャリブレーション時と同一レベルの変
調信号を再度入力した場合には、図14におけると同
様、レーザ光出力レベルは変動せず同一のレーザ光出力
が得られる。ところが、次に時刻t3 時点において、図
15に駆動信号レベルS2として示した高い駆動信号レ
ベルで変調を行った場合には、S2における予測温度T
1が実際の温度T2よりも高く評価されるため、図15
に矢印で示した『過大評価分』だけ補正量が過大とな
る。その結果、図16(d)に示すように、時刻t3 時
点でのレーザ出力レベルが立上がり後に次第に上昇して
いく。これは、図13、図14の場合と逆に、小光量領
域でキャリブレーションを行ったため、駆動信号に対す
る補正係数が大きく設定され、S2のような大信号が入
力される領域では、実際の温度T2よりも予測温度T1
が高くなり補正量が過大となるためである。
【0024】このように、レーザ発振閾値に対して一定
割合の電流をバイアス電流として設定している場合、従
来方式によりレーザ素子の温度補正を行うと、キャリブ
レーションが行われた駆動信号レベルから離れた駆動信
号レベルの領域では正しい温度補正が行われないという
不具合が発生する。本発明は、上記の事情に鑑み、半導
体発光素子の発熱による出力変動を精度よく補正するこ
とのできる半導体発光素子駆動回路、およびこの半導体
発光素子駆動回路を用いた画像記録装置を提供すること
を目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の第1の半導体発光素子駆動回路は、半導体発光素
子に所定時間にわたり一定なバイアス電流とその所定時
間内において所定の変調信号に応じて変動する変調電流
とが重畳されてなる駆動電流を供給する電流源と、上記
駆動電流が上記半導体発光素子に供給されることにより
半導体発光素子で消費される電気エネルギーのうちの、
上記変調電流が上記半導体発光素子に供給されることに
より上記半導体発光素子で消費される電気エネルギーな
いし該電気エネルギーに相関を有する量に基づいて、上
記半導体発光素子の出力変化を補正する補正回路とを備
えたことを特徴とする。
【0026】また、上記の目的を達成する本発明の第2
の半導体発光素子駆動回路は、半導体発光素子に所定時
間にわたり一定なバイアス電流とその所定時間内におい
て所定の変調信号に応じて変動する変調電流とが重畳さ
れてなる駆動電流を供給する電流源と、上記駆動電流が
上記半導体発光素子に供給されることにより上記半導体
発光素子で消費される電気エネルギーと半導体発光素子
から発せられる光のエネルギーとの差のエネルギーない
し該差のエネルギーに相関を有する量に基づいて、上記
半導体発光素子の出力変化を補正する補正回路とを備え
たことを特徴とする。
【0027】また、上記の目的を達成する本発明の第1
の画像記録装置は、画像を記録する過程に、画像情報を
担持する光ビームにより所定の被走査体上を走査する過
程を含む画像記録装置において、光ビームを出射する半
導体発光素子、上記半導体発光素子から出射した光ビー
ムにより、所定の被走査体上を走査する走査光学系、上
記半導体発光素子に所定時間にわたり一定なバイアス電
流とその所定時間内において所定の変調信号に応じて変
動する変調電流とが重畳されてなる駆動電流を供給する
電流源、および上記駆動電流が上記半導体発光素子に供
給されることにより上記半導体発光素子で消費される電
気エネルギーのうちの、上記変調電流が上記半導体発光
素子に供給されることにより上記半導体発光素子で消費
される電気エネルギーないし該電気エネルギーに相関を
有する量に基づいて、上記半導体発光素子の出力変化を
補正する補正回路を備えたことを特徴とする。
【0028】また、上記の目的を達成する本発明の第2
の画像記録装置は、画像を記録する過程に、画像情報を
担持する光ビームにより所定の被走査体上を走査する過
程を含む画像記録装置において、光ビームを出射する半
導体発光素子、上記半導体発光素子から出射した光ビー
ムにより、所定の被走査体上を走査する走査光学系、上
記半導体発光素子に所定時間にわたり一定なバイアス電
流とその所定時間内において所定の変調信号に応じて変
動する変調電流とが重畳されてなる駆動電流を供給する
電流源、上記半導体発光素子から発せられる光を受光す
る光センサ、および上記駆動電流が上記半導体発光素子
に供給されることにより上記半導体発光素子で消費され
る電気エネルギーと、上記光センサにより受光された上
記半導体発光素子から発せられる光のエネルギーとの差
のエネルギーないし該差のエネルギーに相関を有する量
に基づいて、半導体発光素子の出力変化を補正する補正
回路を備えたことを特徴とする。
【0029】ここで、本発明における「エネルギーない
し該エネルギーに相関を有する量」は、そのエネルギー
ないしそのエネルギーに相関を有する量をモニタするこ
とのできる量であればよく、そのエネルギーないしその
エネルギーに相関を有する量を直接に知る必要はない。
また、本発明における「エネルギーに相関を有する量」
とは、例えば、電気エネルギーにおいて、その電気エネ
ルギーの変動範囲内において電圧がほぼ一定であって定
数と見なし得るような場合の電流量などをいう。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態のうち、
先ず、第1の実施形態について説明する。なお、この第
1の実施形態は、本発明の第1の半導体発光素子駆動回
路の実施形態に相当するものである。図1は、本発明の
第1の実施形態の半導体発光素子駆動回路のブロック図
である。
【0031】図1に示された半導体発光素子駆動回路1
0は、レーザゼログラフィー方式の画像記録装置におけ
るレーザダイオード14を駆動するための回路であり、
レーザダイオード14に変調電流を供給する変調電流源
回路10aと、レーザダイオード14にバイアス電流を
供給するバイアス電流源回路10bと、レーザダイオー
ド14の発熱による出力変動を補正するための補正回路
10cとからなる。変調電流源回路10aは、アンプ1
1、サンプルホールダ21、D/Aコンバータ16、お
よび電圧電流変換器17から構成され、バイアス電流源
回路10bは、アンプ12、サンプルホールダ22、お
よびバイアス用電圧電流変換器15から構成され、補正
回路10cは、積分器19、および電圧電流変換器20
から構成される。
【0032】なお、本発明にいう電流源は、上記変調電
流源回路10aおよびバイアス電流源回路10bの総称
であり、上記バイアス電流源回路10bは所定時間にわ
たり一定なバイアス電流を半導体発光素子(レーザダイ
オード14)に供給するものであり、上記変調電流源回
路10aはその所定時間内において所定の変調信号に応
じて変動する変調電流を半導体発光素子に供給するもの
であり、半導体発光素子には上記のバイアス電流と変調
電流とが重畳されてなる駆動電流が供給される。
【0033】次に、この半導体発光素子駆動回路10の
動作について図1および図2を参照しながら説明する。
図2は、図1に示す第1の実施形態の半導体発光素子駆
動回路10のタイムチャートを示す図である。図2
(a)および図2(b)は、図示しない画像記録装置か
ら出力された同期信号に基づいて生成された、それぞれ
サンプルホールダ22およびサンプルホールダ21に入
力されるS/H信号の波形を示し、図2(c)は半導体
発光素子駆動回路10に入力される変調信号の波形を示
し、図2(d)は積分器19からの出力波形を示し、図
2(e)はレーザダイオード14に供給されるレーザ駆
動電流の波形を示し、図2(f)はレーザダイオード1
4から出力されるレーザ光出力の波形を示している。
【0034】この画像記録装置では、先ず、感光体(図
示せず)に近接して配置された図示しない受光素子に向
けてレーザダイオード14からレーザビームが照射され
トリガーパルスが発せられ、変調電流源回路10aのD
/Aコンバータ16に最小レベルの変調信号を入力する
ことにより変調電流源回路10aからレーザダイオード
14に供給される変調電流をゼロとする。このとき、サ
ンプルホールダ21はホールド状態にある。この状態で
バイアス電流の設定を行う。すなわち、時刻t1 の時点
で、バイアス電流源回路10bのサンプルホールダ22
を、入力側の信号をそのまま出力側に伝えるスルー状態
とした上で、レーザダイオード14から発せられたレー
ザ光の一部をフォトダイオード13で受光することによ
り得られたモニタ電圧が、微小光量に対応する第2の基
準電圧V2に一致するよう、アンプ12による光量自動
制御を行う。光量自動制御の結果、フォトダイオード1
3の出力が第2の基準電圧V2と一致した時点で、サン
プルホールダ22をホールド状態とし、そのときの電圧
をサンプルホールダ22にホールドする。こうして、バ
イアス電流源回路10bにレーザ発振閾値にほぼ等しい
バイアス電流が設定される。
【0035】次に、変調電流源回路10aのD/Aコン
バータ16に最大レベルの変調信号を入力し、サンプル
ホールダ22をホールド状態としたままで、時刻t2 の
時点において、変調電流源回路10aのサンプルホール
ダ21をスルー状態とし、レーザダイオード14から発
せられたレーザ光の一部をフォトダイオード13で受光
することにより得られたモニタ電圧が、描画に必要な最
大光量に対応する第1の基準電圧V1に一致するよう、
アンプ11による光量自動制御を行う。光量自動制御の
結果、フォトダイオード13の出力が第1の基準電圧V
1に一致すると、サンプルホールダ21をホールド状態
とし、そのときの電圧をサンプルホールダ21にホール
ドする。このようにして、微小光量時および描画光量時
における自動光量設定(APC)が終了し、サンプルホ
ールダ21,22にそれぞれ所定の電圧がホールドされ
た状態で、D/Aコンバータ16に入力された変調信号
に基づく変調電流(図2(c):t3 〜t4 )がレーザ
ダイオード14に供給され、レーザダイオード14から
出射されたレーザビームによる、感光体の一回の主走査
が行われる。
【0036】ところで、この半導体発光素子駆動回路1
0には、前述のように、積分器19および電圧電流変換
器20から成る補正回路10cが備えられており、この
補正回路10cにより、レーザダイオード14で消費さ
れる電気エネルギーのうちの、変調電流がレーザダイオ
ード14に供給されることによりレーザダイオード14
で消費される電気エネルギーに相関を有する量、すなわ
ちこの実施形態では変調電流の電流量に基づいて、レー
ザダイオード14の出力変化を補正するよう構成されて
いる。
【0037】すなわち、この半導体発光素子駆動回路1
0では、変調電流によるレーザダイオード14の温度上
昇をレーザダイオード14で消費される電気エネルギー
のうちの変調電流により消費される電流量により予測し
その予測温度に応じて駆動電流を補正している。次に、
補正回路10cの動作について説明する。変調電流源回
路10aのD/Aコンバータ16の出力は補正回路10
cの積分器19にも接続されている。D/Aコンバータ
16からの出力は、レーザダイオード14で消費される
電気エネルギーのうちの、変調電流がレーザダイオード
14に供給されることによりレーザダイオード14で消
費される電気エネルギーに相関を有する量である。積分
器19はその出力を積分し、電圧電流変換器20はそれ
を電流に変換してレーザダイオード14に出力する(図
2(d))。このようにして、レーザダイオード14に
は、描画光量で自動光量設定された変調電流源回路10
aからの変調電流と、微小光量で自動光量設定されたバ
イアス電流源回路10bからのバイアス電流と、補正回
路10cからの補正用電流の3つが重畳されたレーザ駆
動電流が供給され(図2(e))、レーザダイオード1
4からは、図2(f)に示すような、変調信号(図2
(c))に忠実なパワーのレーザ光が出力される。
【0038】このように、補正回路10cを備えたこと
により、本実施形態の半導体発光素子駆動回路10で
は、図9(b)を参照して説明したレーザ光出力レベル
の変動を生じることなく、変調信号の波形とほぼ同一の
波形を持つレーザ光出力を得ることができる。次に、図
2の時刻t5 および時刻t6 において、次の主走査ライ
ンに対応する、微小光量および描画光量における自動光
量設定が行われる。2回目の主走査では、時刻t7 に、
短時間だけ、図2(c)に示す変調信号が入力されるが
それ以外の時間は変調信号の入力レベルはゼロである。
【0039】上記のように、本実施形態の半導体発光素
子駆動回路10では、レーザダイオード14で消費され
る電気エネルギーのうちの、変調電流がレーザダイオー
ド14に供給されることによりレーザダイオード14で
消費されるエネルギーに相関を有する電流量に基づいて
レーザダイオード14の温度を予測し、その予測温度に
応じて駆動電流を補正しているが、このような方法によ
りレーザダイオード14の温度を予測できる理由につい
て次に説明する。
【0040】本実施形態では、レーザダイオード14が
微小光量で発光する程度の、レーザ発振閾値に等しい電
流がバイアス電流として設定される。この設定状態にお
ける半導体レーザの予測温度と実際の温度との関係を図
3に示す。図3は、バイアス電流をレーザ発振閾値と等
しい値に設定した場合の半導体レーザの予測温度と実際
の温度との関係を示すグラフである。
【0041】半導体レーザの発光効率は、レーザ閾値電
流Ith以上の領域では温度によらず一定であるため、
バイアス電流をレーザ閾値電流Ithと等しい値に設定
し、図3に示すように、レーザ閾値電流Ithに近い駆
動信号レベルIcでキャリブレーションを行って駆動信
号から半導体レーザの予測温度を求めるための係数を設
定することにより、すべての駆動信号レベルに対して実
際の温度T1と予測温度T2とを一致させることができ
る。
【0042】このように、バイアス電流をレーザ閾値電
流Ithと等しい値に設定することにより予測温度T2
が駆動信号に対し直線関係が成立する領域内で、図1に
示す補正回路10cを用いて温度補正を行うことによ
り、レーザダイオード14の発熱による出力変化が補正
され、図2(f)に示すように、時刻t3 時点で入力が
開始された変調信号(図2(c))に忠実な波形のレー
ザ光出力を得ることができる。
【0043】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。この第2の実施形態は、本発明の第2の半導体
発光素子駆動回路に関する実施形態である。前述の本発
明の第1の半導体発光素子駆動回路においては、補正回
路は、半導体発光素子に供給される供給電流により半導
体発光素子で消費される電気エネルギーのうちの、駆動
電流が半導体発光素子に供給されることにより半導体発
光素子で消費される電気エネルギーないしその電気エネ
ルギーに相関を有する量に基づいて、半導体発光素子の
出力変化を補正するものであるが、次に説明する本発明
の第2の半導体発光素子駆動回路においては、補正回路
は、半導体発光素子で消費される電気エネルギーと半導
体発光素子から発せられる光のエネルギーとの差のエネ
ルギーないしその差のエネルギーに相関を有する量に基
づいて、半導体発光素子の出力変化を補正するものであ
る。
【0044】図4は、本発明の第2の実施形態の半導体
発光素子駆動回路を示すブロック図である。図4に示す
半導体発光素子駆動回路50には、変調信号のタイミン
グ調整を行う位相回路51、位相回路51の出力を増幅
する増幅器52、増幅器52および増幅器59からの出
力を加算する和回路53、和回路53の出力を増幅する
増幅器54、レーザ光を出射するレーザダイオード5
5、レーザダイオード55からの光放射エネルギーを検
出する光センサ56、変調信号から、変調信号と強度レ
ベルを合わせた光センサ56からの検出信号を差し引く
引算回路57、引算回路57の出力を積分する積分器5
8、および積分器58の出力を増幅する増幅器59が備
えられている。
【0045】次に、この半導体発光素子駆動回路50の
動作について説明する。変調信号は、タイミング調整用
の位相回路51および引算回路57に入力される。位相
回路51に入力された変調信号は、位相回路51でタイ
ミング調整が行われた後、増幅器52に入力され増幅器
52で増幅された後、和回路53に入力される。引算回
路57には、光センサ56からの検出信号が入力され
る。光センサ56からの検出信号は変調信号と強度レベ
ルを合わされた後、変調信号から引き算される。
【0046】ここで、引算回路57に入力される変調信
号は、レーザダイオード55で消費されるエネルギーに
相関を有する値であり、同時に引算回路57に入力され
る光センサ56からの検出信号は、レーザダイオード5
5から発せられる光のエネルギーに相関を有する値であ
るから、この両者の差は、レーザダイオード55で熱エ
ネルギーとして消費されるエネルギーとの間に相関を有
している。従って、引算回路57からの、熱エネルギー
と相関を有する信号が積分器58に入力され、積分器5
8で積分され増幅器59で増幅された後、和回路53に
おいて増幅器52からの出力に加算されることにより、
光の放射エネルギー分が差し引かれた、熱エネルギーの
みによる温度補正を行うことができる。
【0047】図5は、図4に示す半導体発光素子駆動回
路の要部である引算回路および積分器の回路図である。
図5に示すように、引算回路57は、演算増幅器による
差動増幅回路57aで構成されている。この場合、差動
増幅回路57aの入力インピーダンスが低いため、差動
増幅回路57aの前段に増幅器57b,57cを設置し
てある。増幅器57b,57cの増幅度は調節可能であ
り、変調信号レベルに対する光センサ出力レベルを調整
できるよう構成されている。引算回路57の出力はRC
ローパスフィルターで構成された積分器58に入力さ
れ、積分器58の出力が増幅器59で増幅された後、和
回路53(図4参照)に入力される。
【0048】図6は、図4に示す第2の実施形態の半導
体発光素子駆動回路のタイムチャートを示す図である。
図6(a)には、位相回路51(図4参照)および引算
回路57に入力される変調信号の波形、図6(b)に
は、光センサ56が検出した信号の波形、図6(c)に
は、変調信号(図6(a))と光信号(図6(b))と
の差の信号波形、図6(d)には、積分器58の出力波
形、図6(e)には、レーザダイオード55の駆動電流
の波形、図6(f)には、レーザダイオード55の光出
力の波形が示されている。図6(a)に示すように、時
刻t1 において、変調電流の増幅器ゲイン設定が行われ
た後、時刻t2 から時刻t3 にかけて、第1回目の主走
査に対応する変調信号が入力される。光センサ56は、
図6(b)に示すような検出信号を引算回路57に出力
する。引算回路57は、変調信号(図6(a))から、
光センサ56からの検出信号(図6(b))を差し引
き、図6(c)に示すような差信号を生成し、積分器5
8に出力する。積分器58はその差信号を積分し図6
(d)に示すような積分器出力を増幅器59に出力す
る。和回路53は、変調信号が位相回路51でタイミン
グ調整が行われ増幅器52で増幅された信号と、増幅器
59からの信号とを加算し図6(e)に示すようなレー
ザ駆動電流を合成する。和回路53の出力は、増幅器5
4で増幅された後、レーザダイオード55に供給され
る。このように引算回路57により、レーザダイオード
55で消費されるエネルギーに相関を有する電流量か
ら、レーザダイオード55から発せられる光のエネルギ
ーに相関を有する電流量を差し引くことによって、レー
ザダイオード55で消費された熱エネルギーが求めら
れ、その熱エネルギーに基づいて、レーザダイオード5
5の発熱による出力変化が補正されたレーザ光出力(図
6(f))を得ることができる。
【0049】次に、上記の半導体発光素子駆動回路が、
画像記録装置のレーザダイオードの駆動回路(LDドラ
イバ)として組み込まれてなる本発明の画像記録装置の
一実施形態について説明する。図7は、本発明の画像記
録装置の一実施形態を示すブロック図であり、図8は、
図7に示す画像記録装置のレーザ走査系の構成図であ
る。
【0050】図7に示す画像記録装置は、その構成が信
号処理系110、レーザ走査系120、および画像出力
系130に大別される。画像を読み取って画像信号を得
る例えばデジタルスキャナ等の画像生成系101で得ら
れた画像信号が、信号処理系110を構成する画像信号
処理システム111に入力されると、この画像処理シス
テム111では、画像出力系130を構成する電子写真
プロセス132の機構を制御する機構制御部131から
の制御情報、例えば現像条件等の情報を受け、それに適
合するように、入力された画像信号に適切な画像処理、
例えば階調処理や色補正処理等が施され、その画像処理
後の画像信号がレーザ変調信号生成部112に入力され
る。レーザ変調信号生成部112では、入力された画像
信号に基づいて、レーザ走査系120を構成するレーザ
ダイオード122から出射されるレーザ光の変調強度を
表わすレーザ変調信号を生成する。このレーザ変調信号
の生成にあたっては、レーザ走査系120を構成する走
査レーザ光の同期検知手段126からの情報を受け、レ
ーザ走査と同期するようにレーザ変調信号が生成され
る。この走査レーザ光の同期検知手段126は、本実施
形態では、図8に示すように、ミラー126_1と光セ
ンサ126_2とからなり、光センサ126_2から
は、レーザダイオード122から出射したレーザ光が図
8に示す矢印A方向に一回偏向される毎に同期パルスが
出力される。
【0051】図7に示すレーザ変調信号生成部112で
生成されたレーザ変調信号SL は、レーザ走査系120
を構成するLD(レーザダイオード)ドライバ121に
入力される。LDドライバ121には、機構制御部13
1からの機構制御情報SC も入力され、LDドライバ1
21は、その機構制御に合わせて、レーザダイオード
(LD)122を駆動する。レーザダイオード122
は、LDドライバ121の駆動により時系列的な強度変
調を伴ったレーザ光を出射し、その出射レーザ光は、レ
ンズ123_1,アパーチャ123_2,シリンドリカ
ルレンズ123_3からなるプレポリゴン光学系123
を経由し、矢印B方向に回転するポリゴンミラー124
_1を含む光偏向器124により矢印A方向に繰り返し
偏向され、さらにfθレンズ125_1,およびシリン
ドリカルミラー125_2からなるポストポリゴン光学
系125を経由し、画像出力系130を構成する、矢印
C方向に回転する感光体133上を矢印A’方向に繰り
返し走査(主走査)する。
【0052】この感光体133は、光の照射により表面
の抵抗値が変化する性質を有し、画像情報を担持したレ
ーザ光により走査されることにより、その表面に静電潜
像が形成される。この感光体133に形成された静電潜
像は所定の電子写真プロセス132を経て、所定の用紙
上に、画像生成系101で得られた画像信号が担持する
画像のハードコピー102が生成される。
【0053】なお、本実施形態のLDドライバ121と
しては、図1もしくは図4を参照して説明した、本発明
にいう半導体発光素子駆動回路が用いられる。このう
ち、図1に示した、本発明の第1の半導体発光素子駆動
回路を組み込こむことにより、本発明の第1の画像記録
装置が構成され、図4に示した本発明の第2の半導体発
光素子駆動回路を組み込こむことにより、本発明の第2
の画像記録装置が構成される。従って、このように構成
された本発明の第1および第2の画像記録装置によれ
ば、半導体発光素子の発熱による出力変動が補正され、
画像濃度の変動が抑えられるため高画質の画像記録を行
うことができる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導体発
光素子駆動回路によれば、半導体発光素子の温度による
出力変動補正を行う際に、駆動電流が半導体発光素子に
供給されることにより半導体発光素子で消費される電気
エネルギーのうちの、変調電流が半導体発光素子に供給
されることにより半導体発光素子で消費される電気エネ
ルギーないしその電気エネルギーに相関を有する量に基
づいて、半導体発光素子の出力変化を補正する補正回路
を用いて補正するか、あるいは、駆動電流が半導体発光
素子に供給されることにより半導体発光素子で消費され
る電気エネルギーと半導体発光素子から発せられる光の
エネルギーとの差のエネルギーないしその差のエネルギ
ーに相関を有する量に基づいて、半導体発光素子の出力
変化を補正する補正回路を用いて補正が行われる。従っ
て、半導体発光素子の全消費エネルギーを、半導体発光
素子が発熱で消費したエネルギーと半導体発光素子が光
放射で消費したエネルギーとを分離し、その両者のうち
のいずれか一方を用いて半導体発光素子の発熱による出
力変動を補正するので、高効率の半導体レーザを用いた
半導体発光素子駆動回路でも、半導体発光素子の出力変
動を高精度で補正することができる。
【0055】また、本発明の画像記録装置によれば、上
記のように、半導体発光素子の発熱による出力変動を高
精度で補正する半導体発光素子駆動回路が組み込まれて
いるため、画像濃度の変動の少ない高画質の画像を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の半導体発光素子駆動
回路のブロック図である。
【図2】図1に示す第1の実施形態の半導体発光素子駆
動回路のタイムチャートを示す図である。
【図3】バイアス電流をレーザ発振閾値と等しい値に設
定した場合の半導体レーザの予測温度と実際の温度との
関係を示すグラフである。
【図4】本発明の第2の実施形態の半導体発光素子駆動
回路を示すブロック図である。
【図5】図4に示す半導体発光素子駆動回路の要部であ
る引算回路および積分器の回路図である。
【図6】図4に示す第2の実施形態の半導体発光素子駆
動回路のタイムチャートを示す図である。
【図7】本発明の画像記録装置の一実施形態を示すブロ
ック図である。
【図8】図7に示す画像記録装置のレーザ走査系の構成
図である。
【図9】レーザ駆動電流の波形およびそのレーザ駆動電
流により駆動される半導体レーザからのレーザ光出力波
形を示すグラフである。
【図10】レーザ駆動電流に対するレーザ光出力の関係
を示すグラフである。
【図11】特公昭58−51435号公報に開示された
レーザ駆動回路の出力波形の説明図である。
【図12】半導体レーザの駆動エネルギーの内訳を示す
グラフである。
【図13】従来方式により、レーザ発振閾値電流より高
い電流でキャリブレーションを行った場合の半導体レー
ザの予測温度の説明図である。
【図14】図13に示すようにレーザ発振閾値電流より
高い電流でキャリブレーションを行った場合のレーザ駆
動回路のタイムチャートを示す図である。
【図15】従来方式により、レーザ発振閾値電流付近の
電流でキャリブレーションを行った場合の半導体レーザ
の予測温度の説明図である。
【図16】図15に示すようにレーザ発振閾値電流付近
の電流でキャリブレーションを行った場合のレーザ駆動
回路のタイムチャートを示す図である。
【符号の説明】
10,30 半導体発光素子駆動回路 10a 変調電流源回路 10b バイアス電流源回路 10c 補正回路 11,12 アンプ 13 フォトダイオード 14 レーザダイオード 15,17,20 電圧電流変換器 16 D/Aコンバータ 19 積分器 21,22 サンプルホールダ 50 半導体発光素子駆動回路 51 位相回路 52,54,59 増幅器 53 和回路 55 レーザダイオード 56 光センサ 57 引算回路 57a 差動増幅回路 57b,57c 増幅器 58 積分器 101 画像生成系 102 ハードコピー 110 信号処理系 111 画像信号処理システム 112 レーザ変調信号生成部 120 レーザ走査系 121 LDドライバ 122 レーザダイオード 123 プレポリゴン光学系 123_1 レンズ 123_2 アパーチャ 123_3 シリンドリカルレンズ 124 光偏向器 124_1 ポリゴンミラー 125 ポストポリゴン光学系 125_1 fθレンズ 125_2 シリンドリカルミラー 126 同期検知手段 126_1 ミラー 126_2 光センサ 130 画像出力系 131 機構制御部 132 電子写真プロセス 133 感光体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体発光素子に所定時間にわたり一定
    なバイアス電流と該所定時間内において所定の変調信号
    に応じて変動する変調電流とが重畳されてなる駆動電流
    を供給する電流源と、 前記駆動電流が前記半導体発光素子に供給されることに
    より該半導体発光素子で消費される電気エネルギーのう
    ちの、前記変調電流が該半導体発光素子に供給されるこ
    とにより該半導体発光素子で消費される電気エネルギー
    ないし該電気エネルギーに相関を有する量に基づいて、
    該半導体発光素子の出力変化を補正する補正回路とを備
    えたことを特徴とする半導体発光素子駆動回路。
  2. 【請求項2】 半導体発光素子に所定時間にわたり一定
    なバイアス電流と該所定時間内において所定の変調信号
    に応じて変動する変調電流とが重畳されてなる駆動電流
    を供給する電流源と、 前記駆動電流が前記半導体発光素子に供給されることに
    より該半導体発光素子で消費される電気エネルギーと該
    半導体発光素子から発せられる光のエネルギーとの差の
    エネルギーないし該差のエネルギーに相関を有する量に
    基づいて、該半導体発光素子の出力変化を補正する補正
    回路とを備えたことを特徴とする半導体発光素子駆動回
    路。
  3. 【請求項3】 画像を記録する過程に、画像情報を担持
    する光ビームにより所定の被走査体上を走査する過程を
    含む画像記録装置において、 光ビームを出射する半導体発光素子、 前記半導体発光素子から出射した光ビームにより、所定
    の被走査体上を走査する走査光学系、 前記半導体発光素子に所定時間にわたり一定なバイアス
    電流と該所定時間内において所定の変調信号に応じて変
    動する変調電流とが重畳されてなる駆動電流を供給する
    電流源、および前記駆動電流が前記半導体発光素子に供
    給されることにより該半導体発光素子で消費される電気
    エネルギーのうちの、前記変調電流が該半導体発光素子
    に供給されることにより該半導体発光素子で消費される
    電気エネルギーないし該電気エネルギーに相関を有する
    量に基づいて、該半導体発光素子の出力変化を補正する
    補正回路を備えたことを特徴とする画像記録装置。
  4. 【請求項4】 画像を記録する過程に、画像情報を担持
    する光ビームにより所定の被走査体上を走査する過程を
    含む画像記録装置において、 光ビームを出射する半導体発光素子、 前記半導体発光素子から出射した光ビームにより、所定
    の被走査体上を走査する走査光学系、 前記半導体発光素子に所定時間にわたり一定なバイアス
    電流と該所定時間内において所定の変調信号に応じて変
    動する変調電流とが重畳されてなる駆動電流を供給する
    電流源、 前記半導体発光素子から発せられる光を受光する光セン
    サ、および前記駆動電流が前記半導体発光素子に供給さ
    れることにより該半導体発光素子で消費される電気エネ
    ルギーと、前記光センサによりモニタされた前記半導体
    発光素子から発せられる光のエネルギーとの差のエネル
    ギーないし該差のエネルギーに相関を有する量に基づい
    て、該半導体発光素子の出力変化を補正する補正回路を
    備えたことを特徴とする画像記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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