JPH10171891A - 投票用紙の手書き記号の判別方法 - Google Patents

投票用紙の手書き記号の判別方法

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JPH10171891A
JPH10171891A JP8326785A JP32678596A JPH10171891A JP H10171891 A JPH10171891 A JP H10171891A JP 8326785 A JP8326785 A JP 8326785A JP 32678596 A JP32678596 A JP 32678596A JP H10171891 A JPH10171891 A JP H10171891A
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JP8326785A
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Inventor
Fumiaki Takeda
史章 竹田
Yoshiyuki Matsumoto
芳幸 松本
Shoji Tomitani
尚司 冨谷
Yasushi Ikeda
泰 池田
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Glory Ltd
Original Assignee
Glory Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基準マーク等の特別なマークを必要とせず、
他種類のフォーマットの投票用紙を扱えると共に、用紙
の汚れや折り目等の影響を受けにくく判別精度の良い、
投票用紙の手書き記号の判別方法を提供する。 【解決手段】 複数の同形の記入欄を備えた用紙に選択
的に記号が記入された投票用紙の少なくとも選択欄の光
学画像をシャッターを備えたカメラ手段により取り込み
(S1)、用紙画像の先端情報及び予め設定されている
用紙情報に基づいて前記選択欄から前記複数の同形状の
記入欄を切り出し(S2)、この記入欄の個々を識別対
象として記入があるかないかを判定し(S3)、記入が
ある記入欄について記入記号の判別をする(S4〜S
9)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、国民審査用紙、ア
ンケート用紙等、同じ大きさの枠に記載された記号を判
別する為の判別機、分類集計機などの記号識別に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、公職選挙法に基づき行われる
衆議院選挙と同時に最高裁判所裁判官国民審査(以下、
「罷免選挙」という)が行われている。この罷免選挙に
おいては、選挙人は予め国民審査に付される最高裁判所
裁判官(以下、「最高裁判事」という)の氏名を列記し
た投票用紙を付与され、罷免すべきと判断する最高裁判
事の氏名の上方に自ら筆記用具を介して×印を付し、こ
れを投票箱に投函して投票を行っている。従って、この
罷免選挙に際しては選挙人が自ら最高裁判事の氏名の上
に×印等の記号を付すので、表象される形状が選挙人の
筆記癖等によって大きく異なっている。このため、実際
に投票箱から出して開票する際に判読に困難な場合がし
ばしばあり、また、筆記用具に鉛筆を用いた場合など書
込がされてから投票箱まで運ばれる間に汚れてしまう、
折り目がつく、裂け目が入っているなど不都合な投票用
紙となっている場合もある。
【0003】また、最近になって上記の罷免選挙に限ら
ず議員選挙においても、投票用紙に候補者名、政党名を
記入するのではなく、予め投票用紙に候補者名、政党名
と記入欄を印刷しておき、自分が選びたい人、又は政党
の記入欄に○印を記入することが認められてきている。
このような形式の投票用紙は、投票用紙の複数ある記入
欄に○印或いは×印が存在すれば、その欄には、記入が
あると判別するものであるが、投票用紙固有の問題とし
て、被選挙人の数が行われる選挙や地区によって異なる
ため、投票用紙の記入枠の大きさを設定する必要があ
る。
【0004】投票用紙に筆記された文字を認識し、集計
作業を自動化するようにしたものとしては、例えば特開
平6−89296号公報に記載されたものがある。これ
は、投票箱の投票口に投函された投票用紙に筆記された
文字情報を読取り、その文字情報を認識して投票情報を
集計するようにしたもので、筆記された文字の認識エリ
アを自動的に特定するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
特開平6−89296号公報においては、投票用紙基準
マークが投票用紙に予め印刷されており、これによっ
て、記号記入面と認識エリアを特定している。この場合
には特別な投票用紙基準マークが必要となり、用紙の規
格化が必要となり煩雑の原因ともなる。また、基準マー
クは用紙の周縁部に印刷されるため、汚れや折り目がつ
くなどの影響を受けやすく、基準マークが一箇所でも検
出できなければ判別不能になってしまうという問題があ
る。
【0006】本発明は上述のような事情から成されたも
のであり、本発明の目的は、基準マーク等の特別なマー
クの印刷を必要とせず、他種類のフォーマットの投票用
紙を扱えると共に、用紙の汚れや折り目等の影響を受け
にくく判別精度の良い、投票用紙の手書き記号の判別方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、投票用紙の手
書き記号の判別方法に関するものであり、本発明の上記
目的は、複数の同形の記入欄を備えた用紙に選択的に記
号が記入された投票用紙の少なくとも選択欄の光学画像
をシャッターを備えたカメラ手段により取り込み、用紙
画像の先端情報及び予め設定されている用紙情報に基づ
いて前記選択欄から前記複数の同形状の記入欄を切り出
し、この記入欄の個々を識別対象として記入があるかな
いかを判定し記入がある記入欄について記入記号を判別
することによって達成される。また、前記記入があると
判定された記入欄について前記記号が記入されている部
分の画像データを抽出し、抽出した画像データを正規化
して所定の大きさの記号データとし、この正規化した記
号データの画素値を基に画像認識処理を行って前記記入
記号を判別するようにすることによって、より効果的に
達成される。また、前記記入があると判定された記入欄
について前記記号が記入されている部分の画像データを
抽出し、抽出した画像データを正規化して所定の大きさ
の記号データとし、この正規化した記号の画素値をスラ
ブ値としてニューロ演算入力として入力し、ニューラル
ネットワークによるパターン認識により前記記入記号を
判別することよって、より効果的に達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明では、手書き記号が記入さ
れる投票用紙の記入欄全体を一括にとらまえて認識する
ようにはせず、同形の記入欄のl個1個に注目して認識
するようにしている。すなわち、搬送されて移動する投
票用紙を撮像して個々の記入欄を切り出し、その特定さ
れた枠内で手書き記号(○印,×印,△印,文字等のマ
ーク)及び空欄を判別する。手書き記号の判別をニュー
ロコンピュータで行う構成とした場合は、ニューロの学
習対象はこの1個の欄に記載された記号であり、1個の
欄を用いて学習することにより全ての記入欄に記載され
ている記号の判別を行うことができる。
【0009】以下、図面に基づいて本発明の好適な実施
の形態について詳細に説明する。図12は本発明を適用
した投票用紙計数仕分機の外観構成を示しており、本体
1の正面上部には液晶表示部2、スタート/ストップキ
−3、ファンクションキ−4から成る操作パネルが設け
られており、正面左側には、左側面に取り付けられるス
タッカ7に対応した位置にスタッカ番号を表示するLE
D表示器5が設けられている。また、本体右側面にはホ
ッパ部6が設けられている。このホッパは例えば500
枚の容量を有している。仕分けされる投票用紙はホッパ
部6に載置され、仕分けされてスタッカ部7に収納され
る。スタッカ部7はn段(本例では4段)のスタッカよ
り成っており、最下段のスタッカは無効票や読取不能票
などのリジェクト専用となっている。
【0010】図13は、投票用紙計数仕分機の内部構成
を示しており、この投票用紙計数仕分機1は繰出部1
1、撮像部12、判別部13、分類部14、及び全体の
制御と計数処理を行う制御部15を備えている。撮像部
12はセンサユニット121を有しており、その上部に
はエリアセンサ122が設けられいる。図12及び図1
3を参照して装置全体の動作例を説明する。ホッパ部6
に収納された投票用紙はローラで一枚ずつ繰り出され、
撮像部13へと搬送される。判別部13では、エリアセ
ンサ122によって撮像した光学画像から投票用紙の記
入欄を認識し、記入欄の個々を識別対象として記号の記
入“有”/“無”を判定し、記入“有り”の記入欄につ
いて記入記号の判別処理を行う。分類部14は複数の分
岐通路を備えており、判別部13での判別結果に基づい
て通路の切換えを行ない、該当するスタッカ7へと投票
用紙を送る。
【0011】ここで、投票用紙計数仕分機1が有する集
計機能と仕分機能について説明する。例えば、候補者
(あるいは政党)を択一的に選択する衆議院/参議院選
挙や市長選挙では、候補別の○印の数と無効票/読取不
能票の数が集計されてそれぞれの集計値が液晶表示部2
に表示され、仕分けれた投票用紙はそれぞれのスタッカ
に収納される。一方、罷免すべきと判断する最高裁判事
を指定する罷免選挙では、最高裁判事別の×印の数、×
印の数別の用紙枚数、最高裁判事別の×印の数別用紙枚
数、無効票/読取不能票の数がそれぞれ集計され、例え
ば画面切替えにより当該集計値が液晶表示部2に表示さ
れ、仕分けれた投票用紙がそれぞれのスタッカに収納さ
れる。仕分けされる投票用紙とスタッカの対応は、正面
パネルの裏面に設けられた“テンキーパッド”の操作に
より設定できるようになっており、例えばスタッカの数
が不足する場合は、第1〜第mの候補者とその他の候補
者を第1〜第mと第m+1のスタッカに仕分けた後、第
m+1のスタッカに仕分けられたその他の候補者を再度
仕分けることで、候補者別に仕分けることができるよう
になっている。
【0012】図2は、本発明に係る判別部13の構成例
をブロック図で示している。判別部13は、エリアセン
サ122からの投票用紙10の画像データを斜行補正し
ながら画像フレームメモリ132に取込むデータサンプ
リング/斜行補正部131と、取込まれた用紙画像の先
端情報と予め設定されている用紙情報とから選択欄10
aの個々の記入欄の枠内のエリアを切り出す記入欄切出
部133と、切り出された個々の記入欄のエリア毎に記
号の記入有り/無しを判定する一次判定部134と、記
入が有る記入欄について記入記号を判定する二次判定部
(本例の一例では、ニューロ回路)135とを備えてい
る。装置本体の制御部15では、一次判定部134及び
二次判定部135の判別結果DRに基づいて前述の集計
/仕分処理を行うようになっている。
【0013】上述のような構成において、本発明に係る
判別部13の処理について図1のフローチャートに沿っ
て詳細に説明する。
【0014】「データサンプリング/斜行補正部13
1での処理」 投票用紙10が1枚づつ繰り出されて撮像部12にさし
かかると、図示しないトリガ用光センサによってデータ
のサンプリングが開始される。撮像部12では、エリア
センサ(シャッタを備えたカメラ用のエリアイメージセ
ンサ)122により搬送ブレの無い画像を撮像する。本
発明では投票用紙10の全部を撮像する必要はないた
め、斜行されて搬送されて来ることを考慮に入れて、図
3(A)に示すように、対象となる投票用紙の選択欄1
0aが画像エリア12a内に全て含まれるように、エリ
アセンサ122の撮像エリアを設けている。
【0015】データサンプリング/斜行補正部131で
は、データをエリアセンサ122から画像フレームメモ
リ132に転送する際に、斜行角度から作成してある補
正用テーブルを参照して、転送開始に近い用紙端面が垂
直となるように、即ち画像データの左辺を揃えるように
斜行の補正を行う。図3(A),(B)は、補正前と補
正後の画像例を示しており、実際の画像VDより左上頂
点から水平方向(X方向)にズレた画像VDCが、画像
フレームメモリ132に格納されることになる。但し、
斜行角度が小さい場合(例えば8度以内の場合)には、
大幅な補正をすることなく安定に記入欄の抽出ができる
ので、上述の補正(垂直斜行補正)をせずに現状維持と
する。データサンプリング/斜行補正部131では、斜
行の補正処理を実行しながら、図4(A)に示すよう
に、画像VDCの先端側エッジの座標E1〜En(ライ
ン番号,チャンネル番号)を抽出する。その際、奇数ラ
インのデータの後に偶数ラインのデータが出力される仕
様のエリアセンサの場合は、スピードアップを図るため
に、奇数ラインのデータのみでエッジアドレスを求める
ようにしている(ステップS1)。
【0016】ここで投票用紙の説明を行う。図9は投票
用紙の一例を示しており、投票用紙10には、対象とな
る候補名(人名あるいは政党名)が書かれた候補欄10
cが複数設けられている。各候補を選択するための選択
欄10aは、同一形状の記入欄10bから構成され、投
票者は記入欄10bの枠内に記号を記入して候補を選択
するようになっている。図9の投票用紙の例では、上側
マージンは何もなく、いきなり記入欄10bからはじま
っている。図10、図11は投票用紙の他の例を示して
おり、図10は罷免選挙の投票用紙の現物見本で、図1
1(A)及び(B)は市長選挙の投票用紙の例を示して
いる。これらの例に示すように、記入欄10bの位置や
枠の大きさは投票用紙の種類によって異なり、記入枠の
数も、同じ市長選挙の投票用紙であっても候補者の数な
どによって異なるというように、様々なフォーマットの
ものがある。本発明では個々の記入欄10bの枠の形状
が同形であれば良く、記入欄10bの位置、枠の大きさ
及び枠数が異なる形式の投票用紙でも扱うことができ
る。以下に、記入欄10bを検出して記入記号を判別す
るまでの処理について説明する。
【0017】「記入欄切出部133での処理」 記入欄切出部133では、ステップS1で求めたエッジ
座標E1〜En(ライン番号,チャンネル番号)の情報
より、図4(B)、(C)に示す用紙画像VDCの左上
頂点Etの座標(x,y)を算出し(図4(B)は右先
行、図4(C)は左先行の例)、予め登録されている用
紙情報により、図5(A)に示す各記入枠の基準点P1
〜Pnを算出する。用紙情報としては、例えば選択欄1
0aの上側/左側マージン、記入欄10bの枠の縦/横
サイズ、記入欄10bの枠数、及び記号が記入された画
素部を検出するための閾値を予め登録しておく。以上の
用紙情報は、サンプル用紙のイメージデータから検出さ
れ(上記閾値は、例えば、用紙の白紙部の出力レベルと
黒線枠部の出力レベルとの差から設定)、用紙パターン
毎に登録される。また、用紙情報は、手入力での設定も
可能となっている。判別対象の用紙パターンは、装置本
体の制御部15から判別部13に渡される。以下に、各
記入枠の基準点P1〜Pnと認識エリアの算出方法の具
体例を説明する。
【0018】記入欄切出部133では、装置本体の制御
部15から受けた用紙パターン番号により、当該パター
ンの用紙情報を読込み、図5(A)に示す用紙画像VD
Cの左上頂点Etより、垂直方向の斜行値を考慮に入
れ、用紙情報に示される上側/左側マージンを加えて選
択欄10aの左上頂点Mtを求める。そして、図5
(B)、(C)に示すように、枠線よりw画素(数画素
以下が望ましい)内側の位置を記入枠の基準点P1と
し、記入枠の横サイズ及び枠数の用紙情報から、他の基
準点P2〜Pnを求める。
【0019】そして、求めた基準点P1〜Pnと、用紙
情報に示される記入枠の縦/横サイズとから決定される
記入枠内の領域を有効領域とし、記入記号の認識エリア
として座標メモリに登録する。本例では、記入枠内では
範囲が比較的狭いので斜行補正は行わず、図5(B)、
(C)のように、枠線よりw画素内側の矩形領域(斜線
部)RAが認識エリアとして登録される。このときの許
容斜行角は本例では8度までである(ステップS2)。
【0020】「一次判定部134での処理」 一次判定部134では、一次判定の前処理として次の処
理を行う。先ず、ステップS2で切り出した記入枠内
(認識エリアRA内)で各画素を2値化して、そのとき
の閾値以上で黒くなっている画素の個数をカウントして
総数CTを求める。その際、水平方向座標に沿つて垂直
方向に走査して“1”が入っている個数を数え、同様に
垂直方向に沿つて水平方向に走査して“1”が入ってい
る個数を数えて、図6(A)に示すように、ヒストグラ
ムHhist,Vhistを作成する。そして、このヒ
ストグラムに数字が入っている両端PS,PEを求め、
記入された記号の形状の縦の長さ(垂直方向のヒストグ
ラム長)Wyと横の長さ(水平方向のヒストグラム長)
Wxを求める。また、左上隅PSのアドレスを、記入記
号部(手書き記号が書かれた部分)のデータを抽出する
ための基準アドレスとする。
【0021】一次判定処理では、前処理で求めた情報に
基づいて記号の記入“有”/“無”を判定し、記号が記
入されている枠をピックアップする。即ち、記入枠内の
黒の部分の総数CTが所定の閾値に示される個数よりも
多いこと、記入された記号の形状の縦の長さWyと横の
長さWxとの差が所定判定値(例えば、4画素)以内
(あるいは縦横比Wy/Wxが所定判定値以内)である
こと、の両者の条件あるいは前者の条件を満足する時に
記入“有り”の記入欄と見なす。そして、この判定処理
を存在する記入枠全てに亘って繰り返し、全記入枠につ
いて記号の記入“有”/“無”をチェックする(ステッ
プS3)。続いて、記入数の規定がある投票用紙の場合
には、その規定条件を満しているか否かを判定する。例
えば、択一的に候補を選択する用紙の場合、全欄に亘っ
て記入が無い若しくは、2箇所以上の記入が有るときに
は無効票として判定する(ステップS4〜S6)。
【0022】「二次判定部135での処理」 二次判定部135では、記入“有り”の記入欄を対象と
して次の前処理を行う。先ず、一次判定の前処理で求め
た基準アドレスPSを始点として、図6(B)に示すよ
うに、垂直方向のヒストグラム長Wy,水平方向のヒス
トグラム長Wxの範囲のデータ、即ち記号部分のデータ
MDを抽出する。そして、抽出した記号データMDをス
ケーリング処理により所定の大きさに変換する。図7
(A)〜(F)は、大きさの異なる記号データMDをn
×mのブロックに分割して同じ大きさの記号データM
D’に変換した場合の具体例を示しており、二次判定部
135では、分割したブロック内の画素値をそれぞれ合
計して、n×m個の画素データから成る2次元配列デー
タの記号データMD’に変換する。
【0023】二次判定処理では、同じ大きさに変換され
た記号データMD’を用いて、記入記号の判別を個々の
記入欄毎に行う。図8は、二次判定部135の主要部の
構成例をブロック図で示しており、記入記号の判別をニ
ューロコンピュータで行うようにした場合の構成例を示
している。ニューラルネットワークを応用した技術は、
例えば特開平7−220087号公報(特願平6−27
7170号)に記載された技術を用いることができる。
本発明では、上述の前処理で得られた記号データMD’
をニューロ演算用に正規化した記号データMD”が、ニ
ューロ回路の入力層に入力されることになる。ニューロ
演算用の記号データMD”は、例えば、2次元配列の記
号データMD’(i,j)の内、最大値をDmax,最
大値をDminとし、下記の数1により正規化する。
【0024】
【数1】出力配列データMD”(i,j)=(入力配列
データMD’(i,j)−Dmin)/(Dmax−D
min) 図7の例では、記号データMD’は縦,横各n×m分割
なので、上記数1により得たMD”(i,j)(但しi
=1〜n、j=1〜m)のn×m個のデータ(0〜1の
浮動小数の値)をスラブ値として、ニューラルネットワ
ークの入力層に入れる。又、マスク処理を施した画像デ
ータをスラブ値としてニューラルネットワークの入力層
に入れる場合には、例えば、画像ブロックn×mを12
8個になる様にし、これらにマスクをかけて50種類の
スラブ値を求め、このスラブ値をニューラルネットワー
クの入力層に入れる。
【0025】そして、この入力情報に基づきニューラル
ネットワークを用いてパターンの認識が行われる。図8
の例では、ニューラルネットワークの出力層からは、判
定パターン1〜n毎に分離演算値が出力されようになっ
ており、例えば、分離演算値が最も大きく閾値Sa以上
であり、且つ2番目に大きい分離演算値との差が閾値S
b以上のものを、当該記入欄に記入された記号パターン
とする。そして、記入“有”の記入欄全てについて記号
を判別したのであれば、一次判定部134の判定結果と
二次判定部135の判定結果(記入欄毎の記入の有/
無,記入有りの欄の記号パターン番号,票の有効/無効
の情報)を集計し、判別部13の判別結果DRとして記
憶する(ステップS8)。判別結果DRは、本体1の制
御部15から識別要求により送信する(ステップS
9)。本体1の制御部15では、判別部13からの判別
結果DRに基づいて投票者の選択を判断し、前述の集計
/仕分処理を行う。
【0026】なお、上述した実施の形態では、記号を識
別する手段(第二次の判定手段)として、学習機能を有
するニューロコンピュータを使用した場合を例として説
明したが、ニューロコンピュータに限るものではなく、
汎用のパターン認識技術が使用でき、例えば、基準パタ
ーンとの比較等により記号を識別する識別器を有する装
置では、スケーリング処理された記号データMD’を用
いて記号を識別すれば良く、また、ソフトウェアで識別
するようにしても良い。また、投票用紙は本体側の制御
部で集計して表示する場合を例として説明したが、判別
部で集計処理を行う構成としても良い。また、本発明を
投票用紙計数仕分機に適用した場合を例として説明した
が、アンケート用紙の集計装置等、同じ大きさの枠に記
載された記号を判別するための装置であれば、本発明を
適用することができる。
【0027】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の投票用
紙の手書き記号の判別方法によれば、投票用紙として規
格化された記入欄の1個に着目して記号判別をするの
で、用紙の汚れや折り目等の影響を受けにくく、判別精
度が上がる。そして、枠の位置情報を登録するのみで違
うフォーマットの投票用紙を取り扱うことができる。ま
た、記入枠内のエリアから記号部分を抽出して同じ大き
さの記号データに変換してから記入記号を判別するよう
にしているので、記号の記入位置が記入枠内のどこであ
っても判別が可能である。さらに、ニューロコンピュー
タによって記号を判別する形態では、手書きなどのあい
まいな情報を正しく認識できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するためのフローチャートであ
る。
【図2】本発明に係る判別部の構成例を示すブロック図
である。
【図3】本発明における斜行補正処理を説明するための
図である。
【図4】本発明におけるエッジ検出処理を説明するため
の図である。
【図5】本発明における画像切出処理を説明するための
図である。
【図6】本発明における第一次の記号判定処理を説明す
るための図である。
【図7】本発明における切出画像の正規化処理を説明す
るための図である。
【図8】本発明における第二次の記号判定処理を説明す
るための図である。
【図9】本発明に係る投票用紙のフォーマットの一例を
示す図である。
【図10】本発明に係る投票用紙のフォーマットの他の
例を示す図である。
【図11】本発明に係る投票用紙のフォーマットのさら
に他の例を示す図である。
【図12】本発明を適用した投票用紙計数仕分機の一例
を示す外観斜視図である。
【図13】図12の投票用紙計数仕分機の内部機構の一
例を示す構造図である。
【符号の説明】
10 投票用紙 10a 選択欄 10b 記入欄 10c 候補欄 13 判別部 131 データサンプリング/斜行補正部 132 画像フレームメモリ 133 記入欄切出部 134 一次判定部 135 二次判定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 泰 兵庫県姫路市下手野一丁目3番1号 グロ ーリー工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の同形の記入欄を備えた用紙に選択
    的に記号が記入された投票用紙の少なくとも選択欄の光
    学画像をシャッターを備えたカメラ手段により取り込
    み、用紙画像の先端情報及び予め設定されている用紙情
    報に基づいて前記選択欄から前記複数の同形状の記入欄
    を切り出し、この記入欄の個々を識別対象として記入が
    あるかないかを判定し記入がある記入欄について記入記
    号を判別することを特徴とする投票用紙の手書き記号の
    判別方法。
  2. 【請求項2】 前記記入があると判定された記入欄につ
    いて前記記号が記入されている部分の画像データを抽出
    し、抽出した画像データを正規化して所定の大きさの記
    号データとし、この正規化した記号データの画素値を基
    に画像認識処理を行って前記記入記号を判別するように
    なっている請求項1に記載の投票用紙の手書き記号の判
    別方法。
  3. 【請求項3】 前記記入があると判定された記入欄につ
    いて前記記号が記入されている部分の画像データを抽出
    し、抽出した画像データを正規化して所定の大きさの記
    号データとし、この正規化した記号の画素値をスラブ値
    としてニューロ演算入力として入力し、ニューラルネッ
    トワークによるパターン認識により前記記入記号を判別
    するようになっている請求項1に記載の投票用紙の手書
    き記号の判別方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100442014B1 (ko) * 2001-12-07 2004-07-30 주식회사 한틀시스템 자동개표 시스템에서의 투표용지 인식 방법
JP2012023550A (ja) * 2010-07-14 2012-02-02 Musashi Eng Co Ltd 投票用紙の読取装置および読取方法
JP2012027877A (ja) * 2010-07-28 2012-02-09 Musashi Eng Co Ltd 投票用紙の読取装置および読取方法

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