JPH10167702A - 重水素の濃縮度算出決定方法とその装置 - Google Patents
重水素の濃縮度算出決定方法とその装置Info
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- JPH10167702A JPH10167702A JP32740296A JP32740296A JPH10167702A JP H10167702 A JPH10167702 A JP H10167702A JP 32740296 A JP32740296 A JP 32740296A JP 32740296 A JP32740296 A JP 32740296A JP H10167702 A JPH10167702 A JP H10167702A
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Abstract
水温度を算出決定する。 【解決手段】 重水素を含む水である電解液が充填され
ている電解槽に通電し、該電解液を電解して水素と酸素
とを発生させて重水素を濃縮する方法において、水検出
器を介して目標とする前記電解液の水位を直接検出しか
つ電気信号を電解電源あらの制御端子若しくは継電器に
通電して電解電流を停止させ、該継電停止液量を一定値
時に投入液量のみから重水濃度を算出決定する重水素の
濃縮算出して決定方法とその装置の提供。
Description
ジュウテリウム及びトリチウムの重水素を濃縮するため
に使用する電解濃縮方法に関するが、詳しくは従来の電
解停止作動による濃縮液量を解消して電解毎に一定量の
濃縮液体容量が得られるようにした重水素濃縮度の算出
決定方法とその装置に関するものである。
地殻変動の予測、温泉地下水系の測定等の分野におい
て、天然水中の重水素、特にトリチウムの分析が重要に
なってきている。このトリチウム濃度は、極低レベルで
あるために測定精度の向上のため電解濃縮することが一
般的である。従来から一般的に行われている重水素の電
解濃縮は、電解質を溶解させた試料溶液を調製して板状
の平板を向かい合わせて電解する方法が知られている。
Oの他にHDOやHTOがあり、これらは通常の水電解
にしたがって水素と酸素とに分解されるが、同位体効果
によりH2 Oの分解がHDOやHTOの分解に対して優
先して電解液中のジュウテリウムやトリチウムの濃度が
上昇し濃縮が行われる。この電解に使用する陽極として
は、ニッケルが又陰極としては鋼、鉄及びニッケル等が
使用され、これらの電極を研磨洗浄し希薄苛性ソーダを
支持塩として重水を含む水の溶液に添加し、調製した試
料水を容器に入れ通電して電解が行われている。その
際、電流密度を1〜10A/dm2 程度にして発熱によ
る水の蒸発を防止するために液温を5℃以下に維持しな
がら、通常液量が10分の1以下になるまで電解を継続
して重水素の濃縮が行われていた。
電解質を重水に溶解して試料水を調製する手間が掛かる
こと、電解質等の影響による電極表面の変質のために
分離係数が変動しやすいこと、発生した水素及び酸素
がそれぞれ対極を覆うことにより電解効率の低下を招き
やすいこと、また水素及び酸素が爆鳴気となり爆発し
やすいことなどの問題点があった。
めに本願出願人が重水素の濃縮方法及び装置(特開平8
−26703号)を開発して開示した。この改良発明
は、従来の電解による重水素濃縮では発生する水素ガス
及び酸素ガスが混合して爆発が起こりやすいという問題
点があったので、これらの問題点を解決した重水素濃縮
装置及び方法を提供することを目的として開発し、その
構成は図4に示すように陽極25及び陰極26をイオン
交換膜27に好ましくは密着させた本体24から成る重
水素濃縮装置を設け、この装置により発生ガスが対極を
覆うことがなくかつイオン交換膜27のイオン交換基が
電解質として機能するため、支持塩の添加が不要になっ
て支持塩による電極の劣化を防止させることができる。
すなわち、この改良発明はイオン交換膜により陽極室と
陰極室に区画されかつ重水素を含む水である電解液が充
填された電解槽に通電して、前記電解液を電解し水素及
び酸素を発生させることにより前記重水素を濃縮するこ
とを特徴とする重水素の濃縮方法であり、また重水素を
含む水である陽極液が充填された陽極室、重水素を含む
水である陽極液が充填された陽極室、該両極室を区画す
るイオン交換膜及び両電極への給電体を含んで成る重水
素の濃縮装置の提供にある。
出するためには電解毎に投入した液量及び電解終了後の
濃縮液量を知る必要がある。従って、かかる従来からの
重水素電解濃縮においては、計時装置あるいは積算電流
計を利用して積算電流量によって停止作動を行なう方法
であり、一定値に設定した積算電流量によって電解を停
止させても濃縮液量は電解濃縮毎に変動するために電解
終了後に濃縮液量を実測しなければならない欠点があっ
た。この欠点を解決するところに、本発明が解決しよう
とする課題がある。
題を解決するために開発したものであって、重水素を含
む水である電解液が充填されている電解槽に通電し、該
電解液を電解して水素と酸素とを発生させて重水素を濃
縮する方法において、水検出器を介して目標とする前記
電解液の水位を直接検出しかつ電気信号を電解電源から
の制御端子若しくは継電器に通電して電解電流を停止さ
せ、該電解停止液量を一定値時に投入液量のみから重水
濃度を算出して決定することを特徴とする重水素の濃縮
算出決定方法であり、また重水素を含む水である電解液
が充填されている電解槽に通電し、該電解液を電解させ
て水素と酸素とを発生させて重水素を濃縮する方法にお
いて、電解停止作動による電解終了後の液量変動を解消
し、更に電解毎に一定量の電解終了後の液体容量を得て
液量計測を省略して成る重水素の濃縮度算出決定方法で
ある。更に、重水素を含む水である陽極液が充填されて
いる陽極室と、重水素を含む水である陰極液が充填され
ている陰極室と、両極室を区画するイオン交換膜及び両
電極への給電体を含有して成る重水素の濃縮装置におい
て、前記重水濃縮装置に水平器及び水平調節ネジを介し
て電解濃縮を一定の水平値に設定し、かつ水検出器を介
して一定液量に達したときに電解電源が停止する電解自
動停止装置を備えたことを特徴とする重水素の濃縮度算
出決定装置の提供にあり、また前記電解自動停止装置が
電解により電解液が減容して一定値に達したことを電解
液水位から直接検出し、該検出によって電解電流を停止
させる重水素の濃縮度算出決定装置の提供にある。
は、従来の電解停止作動による濃縮液量の変動を解消し
て電解毎に一定量の濃縮液体容量を得ることによって計
測作業を簡易化するため、水検出器により目標とする電
解液水位を直接検出して電気信号を電解電源装置の制御
端子あるいは継電器に伝えることによって、電解電流を
停止させる濃縮度算出決定方法とその装置を提供すると
ころにある。
接点をはじめ光の屈折率あるいは透過率、誘電率、電気
伝導度、密度等液体と気体の物性の違いを検出する多く
の種類があるが、いずれを用いても良くこれらの検出器
を電解電源の制御端子又は継電器に直結あるいは電気回
路を通して接続することで、液体が検出されなくなった
ときに電解電源を停止させるスイッチの役割を果してい
る。また水検出器によって検出された水位が、電解濃縮
毎に一定の液体容量となるように装置の架台には水平調
節ネジと気泡式水平器とが備えてある。
る。実験方法 (1)既知濃度の低レベル標準トリチウム水を以下に述
べる電解装置で濃縮し、その濃縮前後のトリチウム量を
液体シンチレーションカウンタで計測した。
縮倍率を測定し、x軸に初期水量、y軸にトリチウム濃
縮度をとった両対数座標にプロットすると測定値は傾き
A、切片Bの直線に乗る。そして、得られたプロットか
ら最小自乗法により装置定数A、Bを決定した。
出して標準濃度と比較することで濃縮による誤差を調べ
た。電解装置 図1に示すように試料水の循環性を向上させるために、
試料容器の蓋には凝縮した水滴が滴下しやすいように中
心に向かって傾斜をつけた。また、ガス抜き用チューブ
の接続位置を試料容器の下側に設けて、試料水が少なく
なっても電極部と試料容器の間で水が循環しやすいよう
にした。また、電解停止水位を検出するために水位セン
サ、気泡式水平器及び水平調整ネジを取付けた。
ら電解電源を停止する仕組みであった。この制御機構に
は、積算電流計リレーあるいは外部制御機能付きの電解
電源及び制御用のパソコンなどが必要であった。
いたスイッチング電源は、TDK社のRM05−20R
GB型で定電流出力電圧垂下方式自動復帰型で制御端子
付きである。過電流検出機能を利用して定電流電源とし
て用い、更に出力電力値が27Aとなるように電源の調
整用半固定抵抗を調節した。
ンズ付フォトリフレクタに類するものでタカギ社(北九
州市小倉南区)の#72H型である。このセンサは、発
光ダイオード(図中LED)及びフォトトランジスタ
(図中Ph−Tr)を並べて一つのモジュールにした半
導体素子にプリズムを組み合わせた構造となっている。
この水位センサのLED点灯用電源として、ACアダプ
タ(DC出力3−9V、10mA以上)を用いた。抵抗
R2 は、LEDを安定に動作させるためのものである。
このLEDの赤外光は、屈折率の違いから液体に対して
はプリズムを通過してPh−Trを高抵抗状態にする。
一方、気体に対してはプリズムで反射してPh−Trを
導通状態にする。
結線すれば、試料水の水位がセンサ位置より低くなった
ときだけ電解電流は停止することになる。電解操作 試料水(初期濃度、Ti Bq/kg)を蒸留し、400
−1000gをビーカにとって計量(初期水量、V
i g)して洗浄済の電解セルに入れた。そして、センサ
に検出される水量が毎回同じ水位となるように、電解装
置の水平調整ネジを調整した。更に、装置に水素ガス用
の排気チューブ、電気配線を結線して冷却器の温度が−
0.1−1.0℃の設定値に達してから電解を開始し
た。なお、電解が終了したら電解セルから濃縮水を取り
出して蒸留した後に液体シンチレーション計測した。
縮倍率を両対数プロットし、最小自乗法で決定したもの
で直線の傾きはA=0.93、切片はB=−1.39、
相関係数はr=0.999であった。 (2)また、電解セルの性能としては本実験では濃縮に
よる誤差が1%以下であった。
一定量にまで電解されたときに自動停止する機能を持た
せた。これによって、濃縮水量の計量操作を省略して実
験操作を更に簡略化することができた。
量及び濃縮水濃度だけから試料水濃度を決定する手法を
開発した。その結果、正確に行うことが困難であった濃
縮水量の測定が回避できて環境試料水のトリチウム濃縮
法として十分な精度が達成できた。
点である達成可能な濃縮倍率の大きさ、操作の簡易性及
び安全性、電解時間の短縮に加えて精度の向上が達成で
きるので、環境水の分析用途として実用価値が更に高く
なったものといえる。
の実施例について説明する。図1は、本発明に係わる重
水濃縮の電解自動停止装置の一例を示したものであっ
て、電解自動停止装置を重錘濃縮装置に組み込んだ状態
を示した概要図であり、図2はその電解自動停止装置を
示したものである。なお、図1に図示されている重水濃
縮装置は、本願出願人が開発して開示(特願平8−26
703号)されている基本構造と同じであるので説明を
省略し、その特徴の構造と作用について説明する。
した後に試料容器2aあるいは2bに入れる。2aの水
と2bの水は、電解装置10の小穴で通じている。この
電解電源13と電解電極を結線して電解濃縮を開始す
る。その結果、電解によって水が水素ガスと酸素ガスと
に分解されて試料水Aは減容していった。次いで、試料
水Aとが水検出器11に達したところで電解電源13は
停止及び両開動作を交互に繰り返し、最終的には一定水
容量で完全停止の状態となった。
リチウム水(トリチウム濃度3.7−7.7Bq/k
g)400−1000ミリリットルで実験を行ったとこ
ろ、トリチウム濃縮倍率はそれぞれ11−25.4とな
った。この関係を両対数グラフに実験点数9をプロット
したところ、傾き0.93、切片−1.39、相関係数
0.999の直線関係が得られた。
理論式において、電解終了後の液量を一定値としたとき
の関係式から電解終了後の液量31ミリリットル及びト
リチウム分離係数14.3が算出された。この直線関係
における傾き及び切片を装置定数として使用すると、電
解装置10に投入した試料水量だけからトリチウム濃縮
倍率を決定できることになり、更にこのトリチウム濃縮
倍率の値からの偏差は1パーセント以下となり、低濃度
トリチウム水の濃縮測定法として有効であることが明ら
かとなった。
て、未知の試料水を本装置を利用して電解濃縮すれば、
投入した試料水量の計測値だけから重水濃縮度を算出す
ることが可能である。なお、この解析法は実験操作が簡
易なだけではなく電解終了後の液量を正確に計測するこ
とが困難な電解濃縮においても測定精度の向上には役立
つものである。
電解液が充填されている電解槽に通電し、該電解液を電
解して水素と酸素とを発生させて重水素を濃縮する方法
において、水検出器を介して目標とする前記電解液の水
位を直接検出しかつ電気信号を電解電源からの制御端子
若しくは継電器に通電して電解電流を停止させ、該電解
停止液量を一定値時に投入液量のみから重水濃度を算出
して決定することを特徴とする重水素の濃縮算出決定方
法であり、また重水素を含む水である電解液が充填され
ている電解槽に通電し、該電解液を電解させて水素と酸
素とを発生させて重水素を濃縮する方法において、電解
停止作動による電解終了後の液量変動を解消し、更に電
解毎に一定量の電解終了後の液体容量を得て液量計測を
省略して成る重水素の濃縮度算出決定方法である。
る陽極が充填されている陽極室と、重水素を含む水であ
る陰極液が充填されている陰極室と、両極室を区画する
イオン交換膜及び両電極への給電体を含有して成る重水
素の濃縮装置において、前記重水濃縮装置に水平器及び
水平調節ネジを介して電解濃縮を一定の水平値に設定
し、かつ水検出器を介して一定液量に達したときに電解
電源が停止する電解自動停止装置を備えたことを特徴と
する重水素の濃縮度算出決定装置であり、また前記電解
自動停止装置が電解により電解液が減容して一定値に達
したことを電解液水位から直接検出し、該検出によって
電解電流を停止させる重水素の濃縮度算出決定装置であ
る。従って、従来の方法に対比して次のような多くの特
徴を有する。 安全性:爆発性ガスが発生しないこと。試薬を必要とし
ないこと。 実験操作性:簡単容易(操作時間2/7に短縮)である
こと。 濃縮倍率:上限12倍から無制限になること。 電解時間:3/8に短縮できること。 分析精度:環境濃度の測定としては十分であること。
置に組み込んだ一例を示した説明概要図。
ート図。
ャート図。
試料容器 4 アルミニウムブロック 5 冷却器 6 制御器 7 センサー 9 水平調節ネジ 10 電解装置 11 水検器 12 水平器 13 電解電源 21 重水素濃
縮装置 22 冷却水 23 恒温槽 24 本体 25 陽極 26 陰極 27 イオン交
換器 29、30 給電体 34 試料水
Claims (4)
- 【請求項1】 重水素を含む水である電解液が充填され
ている電解槽に通電し、該電解液を電解して水素と酸素
とを発生させて重水素を濃縮する方法において、水検出
器を介して目標とする前記電解液の水位を直接検出しか
つ電気信号を電解電源からの制御端子若しくは継電器に
通電して電解電流を停止させ、該電解停止液量を一定値
時に投入液量のみから重水濃度を算出して決定すること
を特徴とする重水素の濃縮算出決定方法。 - 【請求項2】 重水素を含む水である電解液が充填され
ている電解槽に通電し、該電解液を電解させて水素と酸
素とを発生させて重水素を濃縮する方法において、電解
停止作動による電解終了後の液量変動を解消し、更に電
解毎に一定量の電解終了後の液体容量を得て液量計測を
省略して成る請求項1記載の重水素の濃縮度算出決定方
法。 - 【請求項3】 重水素を含む水である陽極液が充填され
ている陽極室と、重水素を含む水である陰極液が充填さ
れている陰極室と、両極室を区画するイオン交換膜及び
両電極への給電体を含有して成る重水素の濃縮装置にお
いて、前記重水濃縮装置に水平器及び水平調節ネジを介
して電解濃縮を一定の水平値に設定し、かつ水検出器を
介して一定液量に達したときに電解電源が停止する電解
自動停止装置を備えたことを特徴とする重水素の濃縮度
算出決定装置。 - 【請求項4】 前記電解自動停止装置が、電解により電
解液が減容して一定値に達したことを電解液水位から直
接検出し、該検出によって電解電流を停止させる請求項
3記載の重水素の濃縮度算出決定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32740296A JP3748304B2 (ja) | 1996-12-09 | 1996-12-09 | 重水素の濃縮度算出決定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32740296A JP3748304B2 (ja) | 1996-12-09 | 1996-12-09 | 重水素の濃縮度算出決定装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10167702A true JPH10167702A (ja) | 1998-06-23 |
JP3748304B2 JP3748304B2 (ja) | 2006-02-22 |
Family
ID=18198761
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32740296A Expired - Lifetime JP3748304B2 (ja) | 1996-12-09 | 1996-12-09 | 重水素の濃縮度算出決定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3748304B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016014179A (ja) * | 2014-07-02 | 2016-01-28 | デノラ・ペルメレック株式会社 | 電解液を連続的に電解する電解処理方法及び電解処理装置 |
-
1996
- 1996-12-09 JP JP32740296A patent/JP3748304B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016014179A (ja) * | 2014-07-02 | 2016-01-28 | デノラ・ペルメレック株式会社 | 電解液を連続的に電解する電解処理方法及び電解処理装置 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3748304B2 (ja) | 2006-02-22 |
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