JPH10167194A - 操縦舵面損傷検出機能を有する飛行制御装置 - Google Patents
操縦舵面損傷検出機能を有する飛行制御装置Info
- Publication number
- JPH10167194A JPH10167194A JP33222296A JP33222296A JPH10167194A JP H10167194 A JPH10167194 A JP H10167194A JP 33222296 A JP33222296 A JP 33222296A JP 33222296 A JP33222296 A JP 33222296A JP H10167194 A JPH10167194 A JP H10167194A
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- Japan
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- control surface
- damage
- damaged
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- control
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、飛行中に操縦舵面の損傷が発生し
た場合に、どの舵面が損傷を受け、またどの程度の損傷
を受けているかを判別することができる装置を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 本発明に係る航空機の操縦舵面損傷検出
機能を有する飛行制御装置は、航空機の飛行制御装置に
おいて、舵面損傷時の実機体運動データを取得する手段
と、機上での機体運動シミュレーシヨン計算手段と、両
者を比較することにより損傷舵面の特定し、その損傷の
度合いを推定する手段をを具備してなることを特徴とす
る。
た場合に、どの舵面が損傷を受け、またどの程度の損傷
を受けているかを判別することができる装置を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 本発明に係る航空機の操縦舵面損傷検出
機能を有する飛行制御装置は、航空機の飛行制御装置に
おいて、舵面損傷時の実機体運動データを取得する手段
と、機上での機体運動シミュレーシヨン計算手段と、両
者を比較することにより損傷舵面の特定し、その損傷の
度合いを推定する手段をを具備してなることを特徴とす
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、操縦舵面損傷時の
損傷舵面の特定及びその損傷の度合いを推定する手段を
有する航空機の飛行制御装置に関する。
損傷舵面の特定及びその損傷の度合いを推定する手段を
有する航空機の飛行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図4に、従来の飛行制御装置の機能ブロ
ツク図を示す。。従来の航空機の飛行制御装置において
は、操縦舵面の損傷が発生した場合においても、どの舵
面が損傷を受け、またどの程度の損傷を受けているかを
判別することができない。
ツク図を示す。。従来の航空機の飛行制御装置において
は、操縦舵面の損傷が発生した場合においても、どの舵
面が損傷を受け、またどの程度の損傷を受けているかを
判別することができない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術には、次の
ような問題がある。 (1)従来の航空機の飛行制御装置においては、操縦舵
面の損傷が発生した場合においても、どの舵面が損傷を
受け、またどの程度の損傷を受けているかを判別するこ
とができない。そのため、パイロットは舵面損傷時の自
機の状況に関する定量的な把握ができない。 (2)また、従来の飛行制御装置では、舵面損傷時に、
発生した損傷に応じた飛行制御アルゴリズムへの変更を
行う事ができない。本発明は、これらの問題を解決する
ことができる装置を提供することを目的とする。
ような問題がある。 (1)従来の航空機の飛行制御装置においては、操縦舵
面の損傷が発生した場合においても、どの舵面が損傷を
受け、またどの程度の損傷を受けているかを判別するこ
とができない。そのため、パイロットは舵面損傷時の自
機の状況に関する定量的な把握ができない。 (2)また、従来の飛行制御装置では、舵面損傷時に、
発生した損傷に応じた飛行制御アルゴリズムへの変更を
行う事ができない。本発明は、これらの問題を解決する
ことができる装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】 (第1の手段)本発明に係る航空機の操縦舵面損傷検出
機能を有する飛行制御装置は、航空機の飛行制御装置に
おいて、舵面損傷時の実機体運動データを取得する手段
と、機上での機体運動シミュレーシヨン計算手段と、両
者を比較することにより損傷舵面の特定し、その損傷の
度合いを推定する手段を具備してなることを特徴とす
る。 (第2の手段)本発明に係る航空機の操縦舵面損傷検出
機能を有する飛行制御装置は、(A)センサデータ入力
部1と、(B)機体制御則部2と、(C)損傷舵面・損
傷度合いの判定ロジック部3と、(D)機体運動シミュ
レーション・アルゴリズム部4とからなり、(E)前記
センサデータ入力部1は、パイロットコマンドと機体運
動センサのデータ11を入力し、(F)前記損傷舵面・
損傷度合いの判定ロジック部3は、損傷判定ロジックの
起動信号13を入力するとともに、センサデータ入力部
1からの信号と機体運動シミュレーション・アルゴリズ
ム部4からの信号を入力し、判定結果を機体制御則部2
と機体運動シミュレーション・アルゴリズム部4と損傷
舵面・損傷度合いのパイロット側表示部14へ出力し、
(G)前記機体制御則部2は、損傷舵面・損傷度合いの
判定ロジック部3からの信号を入力し、操縦舵面の舵角
コマンド12を操縦舵面アクチュエータ5(図示省略)
へ出力することを特徴とする。
機能を有する飛行制御装置は、航空機の飛行制御装置に
おいて、舵面損傷時の実機体運動データを取得する手段
と、機上での機体運動シミュレーシヨン計算手段と、両
者を比較することにより損傷舵面の特定し、その損傷の
度合いを推定する手段を具備してなることを特徴とす
る。 (第2の手段)本発明に係る航空機の操縦舵面損傷検出
機能を有する飛行制御装置は、(A)センサデータ入力
部1と、(B)機体制御則部2と、(C)損傷舵面・損
傷度合いの判定ロジック部3と、(D)機体運動シミュ
レーション・アルゴリズム部4とからなり、(E)前記
センサデータ入力部1は、パイロットコマンドと機体運
動センサのデータ11を入力し、(F)前記損傷舵面・
損傷度合いの判定ロジック部3は、損傷判定ロジックの
起動信号13を入力するとともに、センサデータ入力部
1からの信号と機体運動シミュレーション・アルゴリズ
ム部4からの信号を入力し、判定結果を機体制御則部2
と機体運動シミュレーション・アルゴリズム部4と損傷
舵面・損傷度合いのパイロット側表示部14へ出力し、
(G)前記機体制御則部2は、損傷舵面・損傷度合いの
判定ロジック部3からの信号を入力し、操縦舵面の舵角
コマンド12を操縦舵面アクチュエータ5(図示省略)
へ出力することを特徴とする。
【0005】したがって、次のように作用する。本発明
に係る航空機の飛行制御装置は、 (1)操縦舵面損傷時の損傷舵面の特定し、その損傷の
度合いを推定する手段を具備しているため、パイロット
は舵面損傷時の自機の状況に関して定量的に把握するこ
とが可能になる。 (2)また,推定した損傷等に応じた飛行制御アルゴリ
ズムに切り替える事が可能とな。そのため舵面損傷時の
航空機の飛行特性向上及び飛行安全の確保が可能にな
る。
に係る航空機の飛行制御装置は、 (1)操縦舵面損傷時の損傷舵面の特定し、その損傷の
度合いを推定する手段を具備しているため、パイロット
は舵面損傷時の自機の状況に関して定量的に把握するこ
とが可能になる。 (2)また,推定した損傷等に応じた飛行制御アルゴリ
ズムに切り替える事が可能とな。そのため舵面損傷時の
航空機の飛行特性向上及び飛行安全の確保が可能にな
る。
【0006】そのため、パイロットにより舵面損傷によ
る飛行特性の劣化が生じていると判断された場合に、以
下をパイロット選択により実行する。予め規定されたパ
ターンによる縦ゆれ(ピッチ)、横ゆれ(ロール)、方
向(ヨー)の操舵入力をそれぞれ飛行制御装置に印加
し、それにより生じる機体運動データを、高度、速度、
マッハ数、等の飛行条件とともに取得する。
る飛行特性の劣化が生じていると判断された場合に、以
下をパイロット選択により実行する。予め規定されたパ
ターンによる縦ゆれ(ピッチ)、横ゆれ(ロール)、方
向(ヨー)の操舵入力をそれぞれ飛行制御装置に印加
し、それにより生じる機体運動データを、高度、速度、
マッハ数、等の飛行条件とともに取得する。
【0007】上記取得した飛行条件データ、及び、飛行
制御装置内に保存されている空力特性データと、質量・
重量特性データを用いて、各操縦舵面の舵効きを変化さ
せながら、機体運動の模擬計算を飛行制御装置にて実施
する。
制御装置内に保存されている空力特性データと、質量・
重量特性データを用いて、各操縦舵面の舵効きを変化さ
せながら、機体運動の模擬計算を飛行制御装置にて実施
する。
【0008】この模擬計算を各操縦舵面に対して複数ケ
ース実施し、計算結果に関するデータを蓄積する。実機
体運動データと、各操縦舵面の舵効きを変化させて実施
した模擬計算結果とを比較して、その中から最も実機体
運動データとの誤差が小さい模擬計算ケースに対応する
変化させた操縦舵面とその舵効きの低下を表示する。
ース実施し、計算結果に関するデータを蓄積する。実機
体運動データと、各操縦舵面の舵効きを変化させて実施
した模擬計算結果とを比較して、その中から最も実機体
運動データとの誤差が小さい模擬計算ケースに対応する
変化させた操縦舵面とその舵効きの低下を表示する。
【0009】
(第1の実施の形態)本発明の第1の実施の形態を図1
〜図3に示す。図1は、第1の実施の形態に係る飛行制
御装置の機能ブロック図。
〜図3に示す。図1は、第1の実施の形態に係る飛行制
御装置の機能ブロック図。
【0010】図2は、第1の実施の形態に係る損傷舵面
の特定、及び、その損傷の度合いを推定する実施フロー
図。図3は、飛行制御装置の操縦舵面の取付位置を示す
図である。
の特定、及び、その損傷の度合いを推定する実施フロー
図。図3は、飛行制御装置の操縦舵面の取付位置を示す
図である。
【0011】図1に示すように、本発明に係る飛行制御
装置は、(A)機体運動及びパイロットーコマンドに関
するセンサデータの入力部1と、(B)損傷舵面・損傷
度合いの判定ロジック部3と、(C)機体運動シミュレ
ーシヨンアルゴリズム部4と、(D)飛行制御則アルゴ
リズム部2により構成される。
装置は、(A)機体運動及びパイロットーコマンドに関
するセンサデータの入力部1と、(B)損傷舵面・損傷
度合いの判定ロジック部3と、(C)機体運動シミュレ
ーシヨンアルゴリズム部4と、(D)飛行制御則アルゴ
リズム部2により構成される。
【0012】損傷舵面・損傷度合いの判定ロジック部3
は、予め規定された操舵入力パターンーを飛行制御則ア
ルゴリズム部2に印加する機能を兼ね備える。まず、パ
イロットにより舵面損傷による飛行特性の劣化が生じて
いると判断された場合には、以下の操作をパイロット選
択により実行する。
は、予め規定された操舵入力パターンーを飛行制御則ア
ルゴリズム部2に印加する機能を兼ね備える。まず、パ
イロットにより舵面損傷による飛行特性の劣化が生じて
いると判断された場合には、以下の操作をパイロット選
択により実行する。
【0013】図2に示すように、 (1)ステップS1において、予め規定された縦ゆれ
(ピッチ)、横ゆれ(ロール)、方向(ヨー)の操舵入
力パターンを飛行制御装置100が有する飛行制御則ア
ルゴリズム部2に順番に印加する。 (2)これにより生じる機体運動データを、高度、速
度、マッハ数、等の飛行条件とともにステップS2にお
いて取得する。 (3)上記取得した飛行条件データと、飛行制御装置1
00内に保存されている空力特性データと、質量・重量
特性データを用いて、機体運動シミュレーシヨンアルゴ
リズム部4による模擬計算を、ステップS3において飛
行制御装置にて実施する。 (4)ステップS4において、これら模擬計算結果と、
実機体運動データを比較することにより、どの操縦舵面
に損傷が生じているかを、損傷舵面・損傷度合いの判定
ロジック部3により推定する。
(ピッチ)、横ゆれ(ロール)、方向(ヨー)の操舵入
力パターンを飛行制御装置100が有する飛行制御則ア
ルゴリズム部2に順番に印加する。 (2)これにより生じる機体運動データを、高度、速
度、マッハ数、等の飛行条件とともにステップS2にお
いて取得する。 (3)上記取得した飛行条件データと、飛行制御装置1
00内に保存されている空力特性データと、質量・重量
特性データを用いて、機体運動シミュレーシヨンアルゴ
リズム部4による模擬計算を、ステップS3において飛
行制御装置にて実施する。 (4)ステップS4において、これら模擬計算結果と、
実機体運動データを比較することにより、どの操縦舵面
に損傷が生じているかを、損傷舵面・損傷度合いの判定
ロジック部3により推定する。
【0014】損傷舵面を推定する際には、機体のトリム
状態(釣合い状態)を保つために、パイロットが要する
入力トリムコマンド量(釣合い状態にするための指令の
量)も参考にする。(トリムとは釣合いをとることをい
う)。
状態(釣合い状態)を保つために、パイロットが要する
入力トリムコマンド量(釣合い状態にするための指令の
量)も参考にする。(トリムとは釣合いをとることをい
う)。
【0015】下記例に示す通り、各操縦舵面の変化に対
して、影響を受ける機体運動状態量の特定が、機体運動
モデルから特定可能であるため、損傷を受けた舵面を推
定することができる。
して、影響を受ける機体運動状態量の特定が、機体運動
モデルから特定可能であるため、損傷を受けた舵面を推
定することができる。
【0016】この際、操縦舵面が単一舵面に特定できな
い場合は、損傷が生じている可能性がある操舵舵面を複
数選択する。1例として、左右補助翼22、左右昇降舵
32、方向舵42を主たる操縦舵面とする航空機の場合
を考える。
い場合は、損傷が生じている可能性がある操舵舵面を複
数選択する。1例として、左右補助翼22、左右昇降舵
32、方向舵42を主たる操縦舵面とする航空機の場合
を考える。
【0017】左昇降舵32Aもしくは右昇降舵32Bに
舵面損傷が生じた場合には、損傷が生じた舵面の発生す
る揚力が減少する。そのために生じる左右の揚力の差に
より、機体は損傷の生じた舵面の方に傾く。
舵面損傷が生じた場合には、損傷が生じた舵面の発生す
る揚力が減少する。そのために生じる左右の揚力の差に
より、機体は損傷の生じた舵面の方に傾く。
【0018】これをバランスして、機体を水平に戻すた
めには、パイロットはロールトリム入力を加える要があ
る。またトリム入力を加え水平に機体を保った状態か
ら、縦ゆれ(ピッチ)の操舵入力パターンが飛行制御則
部2に印加されると、損傷により生じた左右水平尾翼3
1の揚力差から、正常時には生じないロール(横ゆれ)
が発生する。
めには、パイロットはロールトリム入力を加える要があ
る。またトリム入力を加え水平に機体を保った状態か
ら、縦ゆれ(ピッチ)の操舵入力パターンが飛行制御則
部2に印加されると、損傷により生じた左右水平尾翼3
1の揚力差から、正常時には生じないロール(横ゆれ)
が発生する。
【0019】また、左補助翼22Aもしくは右補助翼2
2Bに舵面損傷が生じた場合、損傷が生じた舵面の発生
する揚力が減少する。そのために生じる左右の揚力の差
により、昇降舵の場合と同様に、機体は損傷の生じた舵
面の方に傾く。
2Bに舵面損傷が生じた場合、損傷が生じた舵面の発生
する揚力が減少する。そのために生じる左右の揚力の差
により、昇降舵の場合と同様に、機体は損傷の生じた舵
面の方に傾く。
【0020】またトリム入力を加え水平に機体を保った
状態から、横ゆれ(ロール)の操舵入力パターンが飛行
制御則部2に印加されると、損傷により生じた補助翼2
2の揚力が、正常時の揚力より小さいため、発生するロ
ールは、正常時に発生するロールよりも小さい。
状態から、横ゆれ(ロール)の操舵入力パターンが飛行
制御則部2に印加されると、損傷により生じた補助翼2
2の揚力が、正常時の揚力より小さいため、発生するロ
ールは、正常時に発生するロールよりも小さい。
【0021】方向舵42の損傷の際には、トリム入力を
要する機体姿勢の変化は特に生じないが、方向の操舵入
力パターンが印加された場合に発生する機体の横滑り
(サイド・スリップ)は、正常時の機体応答と比較する
と小さい。
要する機体姿勢の変化は特に生じないが、方向の操舵入
力パターンが印加された場合に発生する機体の横滑り
(サイド・スリップ)は、正常時の機体応答と比較する
と小さい。
【0022】これらの関係から、トリム飛行状態におい
て要する入力トリムコマンド量、及び操舵パターン印加
後の機体運動を用いて、機体の構成及び制御則に基づく
個々の条件(例えば、「ロールトリム入力0で水平か
?」、「縦操舵パターン印加後に機体はロールするか
?」等)を確認することにより、損傷が発生した操縦舵
面を推定することが可能になる。 (5)次に、特定した舵面に対応する空力特性データの
うち、舵効きに関する項を変化させ、模擬計算をステッ
プS5にて実施する。
て要する入力トリムコマンド量、及び操舵パターン印加
後の機体運動を用いて、機体の構成及び制御則に基づく
個々の条件(例えば、「ロールトリム入力0で水平か
?」、「縦操舵パターン印加後に機体はロールするか
?」等)を確認することにより、損傷が発生した操縦舵
面を推定することが可能になる。 (5)次に、特定した舵面に対応する空力特性データの
うち、舵効きに関する項を変化させ、模擬計算をステッ
プS5にて実施する。
【0023】この模擬計算を、特定された各操縦舵面に
対応する空力特性データを変化させながら複数回実施す
る。1例として、右水平尾翼31Bの損傷が既に判定さ
れた場合においては、模擬計算時に機体運動モデルの中
で右水平尾翼31Bの効きに関する空力特性データを一
律に、設定した計算回数に応じて、例えば正常時の95
%効き、90%効き、・・・O%効き(20ケースの場
合)といったように変化させ、模擬計算を実施する。 (6)ステップS6で、予め設定された回数の模擬計算
を実行したあと、これらの模擬計算データと、ステップ
S2において取得された実機体運動データを、ケースご
とに統計的手段により比較処理して、最も誤差の小さい
ケースを選択する。
対応する空力特性データを変化させながら複数回実施す
る。1例として、右水平尾翼31Bの損傷が既に判定さ
れた場合においては、模擬計算時に機体運動モデルの中
で右水平尾翼31Bの効きに関する空力特性データを一
律に、設定した計算回数に応じて、例えば正常時の95
%効き、90%効き、・・・O%効き(20ケースの場
合)といったように変化させ、模擬計算を実施する。 (6)ステップS6で、予め設定された回数の模擬計算
を実行したあと、これらの模擬計算データと、ステップ
S2において取得された実機体運動データを、ケースご
とに統計的手段により比較処理して、最も誤差の小さい
ケースを選択する。
【0024】この、選択された模擬計算ケースに対応す
る、変化させた操縦舵面と、その舵効きの低下を表示す
る。複数のケースを比較した結果、誤差量に有意差がな
い場合は、ケース条件を複数表示する。なお、データの
比較処理の際には、実機体運動データに関し、センサ・
ノイズ等の外乱の重畳を除去するため、適切なフィルタ
リング処理が必要となる。
る、変化させた操縦舵面と、その舵効きの低下を表示す
る。複数のケースを比較した結果、誤差量に有意差がな
い場合は、ケース条件を複数表示する。なお、データの
比較処理の際には、実機体運動データに関し、センサ・
ノイズ等の外乱の重畳を除去するため、適切なフィルタ
リング処理が必要となる。
【0025】
【発明の効果】本発明は前述のように構成されているの
で、以下に記載するような効果を奏する。 (1)本発明によれば、飛行中に操縦舵面の損傷が発生
した場合において、パイロットの選択により、本発明を
作用させることにより、どの舵面が損傷を受け、またど
の程度の損傷を受けているかを判別することができる。 (2)これにより、パイロットに対して自機のおかれて
いる状況を正しく、定量的に認識させ、飛行の安全性を
向上させる効果がある。 (3)また、舵面の損傷状況を判別することにより、飛
行制御装置は舵面損傷に応じた飛行制御アルゴリズムへ
の変更を行うことが可能になる。 (4)そのため、パイロットの作業負担の低減、飛行特
性の向上、及び飛行安全の確保が可能になる。
で、以下に記載するような効果を奏する。 (1)本発明によれば、飛行中に操縦舵面の損傷が発生
した場合において、パイロットの選択により、本発明を
作用させることにより、どの舵面が損傷を受け、またど
の程度の損傷を受けているかを判別することができる。 (2)これにより、パイロットに対して自機のおかれて
いる状況を正しく、定量的に認識させ、飛行の安全性を
向上させる効果がある。 (3)また、舵面の損傷状況を判別することにより、飛
行制御装置は舵面損傷に応じた飛行制御アルゴリズムへ
の変更を行うことが可能になる。 (4)そのため、パイロットの作業負担の低減、飛行特
性の向上、及び飛行安全の確保が可能になる。
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る飛行制御装置
の機能ブロツク図。
の機能ブロツク図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る実施フロー
図。
図。
【図3】飛行制御装置の操縦舵面の取付位置を示す図。
【図4】従来の飛行制御装置の機能ブロツク図。
1…センサデータ入力部 2…機体制御則部(機体制御則アルゴリズム部) 3…損傷舵面・損傷度合いの判定ロジック部 4…機体運動のシミュレーション・アルゴリズム部 11…パイロットコマンドと機体運動センサのデータ 12…操縦舵面の舵角コマンド 13…損傷判定ロジックの起動信号 14…損傷舵面・損傷度合いのパイロット側表示部 21…主翼 22…補助翼(エルロン) 23…フラップ 24…タブ 31…水平尾翼 32…昇降舵 33…全可動尾翼(フライイング・テール) 34…タブ 41…垂直尾翼 42…方向舵 43…タブ 100…飛行制御装置(本発明) 200…飛行制御装置(従来)
Claims (2)
- 【請求項1】航空機の飛行制御装置において、舵面損傷
時の実機体運動データを取得する手段と、機上での機体
運動シミュレーシヨン計算手段と、両者を比較すること
により損傷舵面の特定し、その損傷の度合いを推定する
手段を具備してなることを特徴とする航空機の操縦舵面
損傷検出機能を有する飛行制御装置。 - 【請求項2】(A)センサデータ入力部(1)と、
(B)機体制御則部(2)と、(C)損傷舵面・損傷度
合いの判定ロジック部(3)と、(D)機体運動シミュ
レーション・アルゴリズム部(4)とからなり、(E)
前記センサデータ入力部(1)は、パイロットコマンド
と機体運動センサのデータ(11)を入力し、(F)前
記損傷舵面・損傷度合いの判定ロジック部(3)は、損
傷判定ロジックの起動信号(13)を入力するととも
に、センサデータ入力部(1)からの信号と機体運動シ
ミュレーション・アルゴリズム部(4)からの信号を入
力し、判定結果を機体制御則部(2)と機体運動シミュ
レーション・アルゴリズム部(4)と損傷舵面・損傷度
合いのパイロット側表示部(14)に出力し、(G)前
記機体制御則部(2)は、損傷舵面・損傷度合いの判定
ロジック部(3)からの信号を入力し、操縦舵面の舵角
コマンド(12)を操縦舵面アクチュエータへ出力する
ことを特徴とする航空機の操縦舵面損傷検出機能を有す
る飛行制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33222296A JPH10167194A (ja) | 1996-12-12 | 1996-12-12 | 操縦舵面損傷検出機能を有する飛行制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33222296A JPH10167194A (ja) | 1996-12-12 | 1996-12-12 | 操縦舵面損傷検出機能を有する飛行制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10167194A true JPH10167194A (ja) | 1998-06-23 |
Family
ID=18252544
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33222296A Withdrawn JPH10167194A (ja) | 1996-12-12 | 1996-12-12 | 操縦舵面損傷検出機能を有する飛行制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10167194A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011194974A (ja) * | 2010-03-18 | 2011-10-06 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 空力係数推定装置及びこれを用いた舵面故障・損傷検出装置 |
JP2012188065A (ja) * | 2011-03-14 | 2012-10-04 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 航空機の制御システム、航空機、航空機の制御プログラム、及び航空機の制御方法 |
JP2014159268A (ja) * | 2013-02-08 | 2014-09-04 | Ge Aviation Systems Ltd | 水平安定板の障害を予測する方法 |
WO2018061280A1 (ja) * | 2016-09-28 | 2018-04-05 | 株式会社Subaru | 飛行制限設定システム、飛行制限設定方法及び飛行制限設定プログラム |
JP2019156275A (ja) * | 2018-03-15 | 2019-09-19 | 株式会社Subaru | 飛行制限設定システム、飛行制限設定方法及び飛行制限設定プログラム |
-
1996
- 1996-12-12 JP JP33222296A patent/JPH10167194A/ja not_active Withdrawn
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