JPH10161090A - プラズマアドレス液晶表示装置 - Google Patents

プラズマアドレス液晶表示装置

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JPH10161090A
JPH10161090A JP31937196A JP31937196A JPH10161090A JP H10161090 A JPH10161090 A JP H10161090A JP 31937196 A JP31937196 A JP 31937196A JP 31937196 A JP31937196 A JP 31937196A JP H10161090 A JPH10161090 A JP H10161090A
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plasma
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crystal display
substrate
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JP31937196A
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Manabu Takei
学 武居
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プラズマアドレス液晶表示装置の視野角を改善
する。 【解決手段】第1の基板41と絶縁層42との間の空間を隔
壁43で区画した放電セル44に放電用電極45,46を設けた
プラズマアドレス部40と、前記絶縁層42と液晶駆動用電
極52を設けた第2の基板51との間に液晶を介在させた液
晶素子部50とを備えたプラズマアドレス液晶表示装置に
おいて、その各画素領域ごとに、例えば前記液晶駆動用
電極52を覆うカラーフィルタ42R,45G,45B と、このカラ
ーフィルタの上に画素領域D の一部分に対応させて設け
られた第2の液晶駆動用電極52a とからなる電圧調整手
段を設け、放電セル44内にプラズマ放電を生じさせたと
きに液晶駆動用電極52,52aと放電セル44との間に生じる
電圧によって立上がり配向する液晶分子の立上がり配向
状態を画素領域D 内において部分的に異ならせて、視野
角を改善した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はプラズマアドレス
液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラズマアドレス液晶表示装置は、プラ
ズマ放電によりマトリックスのアドレスを行なうマトリ
ックス型の液晶表示装置であり、その構成は次のように
なっている。
【0003】図9は従来のプラズマアドレス液晶表示装
置の一部分の断面図、図10はそのプラズマアドレス部
の一部分の平面図であり、ここではプラズマ放電を交流
駆動により生じさせる方式のものを示している。
【0004】このプラズマアドレス液晶表示装置は、多
数の画素領域Dが行方向(図10において上下方向)お
よび列方向(図10において左右方向)にマトリックス
状に配列しているマトリックス型のものであり、基本的
には、マトリックスのアドレスを行なうプラズマアドレ
ス部10と、液晶素子20とを積層した構造となってい
る。
【0005】前記プラズマアドレス部10は、ガラス等
からなる透明な第1の基板11と、この基板11に対し
て所定の間隙を存して対向する透明な絶縁膜12と、前
記基板11と絶縁層12との間の空間を複数のプラズマ
放電セル14に区画する隔壁13と、この隔壁13で区
画された各放電セル14に設けられた放電用電極15,
16と、前記各放電セル14内にそれぞれ充填された放
電雰囲気ガスとからなっている。
【0006】前記放電用電極15,16のうち、一方の
電極15はカソード電極、他方の電極16はアノード電
極であり、カソード電極15は各画素領域Dごとに形成
され、アノード電極16は、各画素列(画素領域Dの
列)ごとに、その列の全ての画素領域Dを通る連続した
線状に形成されている。
【0007】また、前記基板11の内面には、各画素行
(画素領域Dの行)にそれぞれ対応させて、その行の各
カソード電極15に放電制御信号を供給するためのカソ
ードライン15aが配線されている。
【0008】そして、各カソード電極15は、前記カソ
ードライン15aを覆って基板11のほぼ全面に形成し
た透明なオーバコート膜(絶縁膜)17の上に形成さ
れ、このオーバコート膜17に設けたコンタクト孔にお
いて前記カソードライン15aに接続されており、各ア
ノード電極16は、前記オーバコート膜17の上に前記
カソードライン15aとほぼ直交させて形成されてい
る。
【0009】前記カソード電極15とアノード電極16
は、画素領域の中央部をはさんでその一側と他側とに設
けられており、これらの電極15,16は、基板11の
ほぼ全面に形成した透明な誘電体膜18によって覆われ
ている。
【0010】また、上記隔壁13は、隣り合う放電セル
14のうちの一方のセルのカソード電極15と他方のセ
ルのアノード電極16との間での放電を防ぐためのバリ
アと、基板11と絶縁膜12との間隔を規制するための
スペーサとを兼ねる絶縁壁であり、図9および図10に
示した液晶表示装置では、前記隔壁13を行方向および
列方向にマトリックス状態に配列する各画素領域Dをそ
れぞれ囲む格子状に形成することにより、1つの画素領
域Dに対して1つの放電セル14を対応させている。な
お、上記カソードライン15aは、図10のように、前
記隔壁13の行方向に沿う壁部の幅内に収まるように配
線されている。
【0011】そして、プラズマアドレス部10は、上記
第1の基板11と絶縁膜12とを隔壁13を介して接合
し、前記隔壁13で区画された各放電セル14内に、X
e (キセノン)、He (ヘリウム)、Xe −He 混合ガ
ス等の無色の放電雰囲気ガスを充填して構成されてい
る。
【0012】一方、上記液晶素子部20は、上記プラズ
マアドレス部10の絶縁膜12と、この絶縁膜12のプ
ラズマアドレス部10側とは反対側の面に対して所定の
間隙を存して対向配置されたガラス等からなる透明な第
2の基板21と、この第2の基板21の内面に設けられ
た液晶駆動用電極22と、前記絶縁膜21と第2の基板
21との間に介在されたネマティック液晶23とからな
っている。
【0013】なお、図9および図10に示した液晶表示
装置は、赤、緑、青の画素を交互に並べて表示してフル
カラー画像等の多色カラー画像を表示するものであり、
この液晶表示装置では、上記第2の基板21の内面に、
赤、緑、青のカラーフィルタ24R,24G,24B
を、各画素列の全ての画素領域Dに対応するストライプ
状パターンか、あるいは個々の画素領域Dにそれぞれ対
応するドット状パターンに形成し、その上に液晶駆動用
電極22を設けている。
【0014】上記液晶駆動用電極22はITO等からな
る透明電極であり、この液晶駆動用電極22は、各画素
列ごとに、その列の全ての画素領域Dに対応させて帯状
に形成されている。
【0015】また、上記絶縁膜12の液晶素子部20側
の面(プラズマアドレス部10側とは反対側の面)と、
前記第2の基板21の液晶駆動用電極22を形成した面
にはそれぞれ、ラビング等による配向処理を施した配向
膜25,26が設けられており、液晶23の分子は、前
記絶縁膜12および第2の基板21の近傍における配向
方向を配向膜25,26で規制され、前記絶縁膜12と
第2の基板21との間において所定のツイスト角(例え
ばほぼ90°)でツイスト配向している。
【0016】そして、液晶素子部20は、上記絶縁膜1
2と第2の基板21とをその外周縁部において枠状のシ
ール材(図示せず)を介して接合し、その間の前記シー
ル材で囲まれた領域に液晶23を充填して構成されてお
り、プラズマアドレス液晶表示装置は、上記プラズマア
ドレス部10と液晶素子部20との積層体をはさんでそ
の表裏面(基板11,21の外面)にそれぞれ偏光板3
1,32を配置して構成されている。なお、図9におい
て、BLはパネル状のバックライトであり、このバック
ライトBLは一般に、プラズマアドレス部10側に配置
されている。
【0017】上記プラズマアドレス液晶表示装置は、そ
のプラズマアドレス部10の各放電セル14内でのプラ
ズマ放電によりマトリックスのアドレスを行なって画像
を表示するものであり、前記プラズマアドレス部10の
各アノード電極16を基準電位(例えば接地電位)に接
続し、各画素行の画素領域Dのカソード電極15にそれ
ぞれカソードライン15aを介して放電制御信号を供給
するとともに、各画素列の液晶駆動用電極22にそれぞ
れ表示駆動部Aから画像データに応じて電位が変化する
駆動信号を供給して駆動される。
【0018】前記放電制御信号は、その信号を供給する
カソード電極15が対応する画素行の選択期間に、前記
基準電位に対して充分大きな値の放電電位になる交流波
形の信号であり、各画素行は順次選択され、その選択期
間にその行の各放電セル14のカソード電極15が放電
電位になる。
【0019】この液晶表示装置の表示動作を1つの画素
行の画素領域Dについて説明すると、この画素領域Dの
放電セル14は、その選択期間に、カソード電極15が
放電電位になることにより、カソード電極15とアノー
ド電極16との間に放電電圧が印加されてプラズマ放電
状態になる。
【0020】このプラズマ放電状態は、前記放電セル1
4内の電位が基準電位になった状態)であり、このよう
に放電セル14内が基準電位になると、そのときの液晶
駆動用電極22の電位に応じた値の電圧が前記液晶駆動
用電極22と放電セル14との間に生じ、その電圧値に
応じて液晶分子が立上がり配向して、この液晶分子の立
上がり配向状態に応じた明るさの画素が表示される。
【0021】この表示画素の明るさは、前記液晶駆動用
電極22に供給される駆動信号の電位に対応し、例えば
TNモードの液晶表示装置であって、一対の偏光板3
1,32の透過軸を互いにほぼ直交させたノーマリーホ
ワイト型の液晶表示装置の場合は、前記駆動信号の電位
が基準電位と同程度のときに、液晶分子が初期の配向状
態に配向し、バックライトBLから液晶表示装置に入射
してその表面側に出射する光が表面側の偏光板32を透
過し、また前記駆動信号の電位が高いときは、液晶分子
が立上がり配向し、液晶表示装置に入射した光が液晶分
子の立上がり配向状態に応じて前記偏光板32に吸収さ
れて、液晶分子の配向状態に応じた明るさの画素(カラ
ーフィルタで着色された画素)が表示される。
【0022】なお、上記液晶表示装置は、プラズマアド
レス部10の隔壁13をマトリックス状態に配列する各
画素領域Dをそれぞれ囲む格子状に形成して、1つの画
素領域Dに対して1つの放電セル14を対応させたもの
であるが、プラズマアドレス液晶表示装置には、前記隔
壁13を、各画素領域Dの列間だけ対応させて形成し
て、1つの画素列の全ての画素領域Dに対応する細長い
放電セルを対応させているものもある。
【0023】この液晶表示装置においても、放電用電極
15,16のうちのカソード電極15を各画素領域Dご
とに形成しておけば、前記細長い放電セル内でのプラズ
マ放電を画素領域Dごとに生じさせて、上述した表示を
行なうことができる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、プラ
ズマアドレス液晶表示装置は、プラズマ放電によりマト
リックスのアドレスを行なうものであるが、この液晶表
示装置は、視野角が狭いという問題をもっている。
【0025】これは、液晶表示装置のΔn・d(液晶の
屈折率異方性Δnと液晶層厚dとの積)が視角(表示の
観察角)によって見かけ上変化するためであり、したが
って、光の透過率(表示の明るさ)が視角によって異な
るから、上記液晶表示装置の電圧−透過率特性には視角
依存性がある。
【0026】そして、この視角依存性は、液晶に作用す
る電圧が、液晶のしきい値電圧Vth以下、あるいは液晶
分子がほぼ垂直に近い状態まで立上がり配向する電圧V
a 以上であるときは比較的小さいが、VthとVa の間の
値の電圧では視角依存性が大きくなるため、明るさに階
調をもたせた階調表示を行なわせると、中間調の表示の
明るさが視角によって大きく変化し、極端なコントラス
ト低下や階調の反転等を生じてしまう。
【0027】このため、従来のプラズマアドレス液晶表
示装置は、その表示を良好な品位の画像として観察でき
る視角の範囲が限られ、したがって視野角が狭いという
問題をもっている。これは、特に、液晶分子をツイスト
配向させているTNモードまたはSTNモードの液晶表
示装置において顕著である。この発明は、プラズマアド
レス液晶表示装置の視野角を改善することを目的とした
ものである。
【0028】
【課題を解決するための手段】この発明は、第1の基板
と、この第1の基板に対して所定の間隙を存して対向す
る絶縁層と、前記第1の基板と絶縁層との間の空間を複
数のプラズマ放電セルに区画する隔壁と、前記放電セル
に設けられた放電用電極と、前記放電セル内に充填され
た放電雰囲気ガスとからなるプラズマアドレス部と、前
記絶縁層と、この絶縁層に対して所定の間隙を存して対
向配置された第2の基板と、この第2の基板の内面に設
けられた液晶駆動用電極と、前記絶縁層と第2の基板と
の間に介在された液晶とからなる液晶素子部とを備え、
前記放電セル内でのプラズマ放電によりマトリックスの
アドレスを行なうマトリックス型の液晶表示装置におい
て、その各画素領域ごとに、前記液晶に作用する電圧の
値を画素領域内で部分的に異ならせるための電圧調整手
段を設けたことを特徴とするものである。
【0029】この発明のプラズマアドレス液晶表示装置
によれば、その各画素領域ごとに、液晶に作用する電圧
の値を画素領域内で部分的に異ならせるための電圧調整
手段を設けているため、プラズマアドレス部の放電セル
内にプラズマ放電を生じさせたときに液晶素子部の液晶
駆動用電極と前記放電セルとの間に生じる電圧によって
立上がり配向する液晶分子の立上がり配向状態を、画素
領域内において部分的に異ならせて、視角による見かけ
上のΔn・dの変化を画素領域の各部において異ならせ
ることができ、したがって、視角が変化しても画素領域
全体での平均的なΔn・dの値はあまり変化しないか
ら、電圧−透過率特性の視角依存性が軽減されて、視野
角が広くなる。
【0030】
【発明の実施の形態】この発明のプラズマアドレス液晶
表示装置は、その各画素領域ごとに、前記液晶に作用す
る電圧の値を画素領域内で部分的に異ならせるための電
圧調整手段を設けることにより、液晶分子の立上がり配
向状態を画素領域内において部分的に異ならせて、視野
角を改善したものである。
【0031】この発明の実施形態としては、例えば、前
記電圧調整手段を、前記液晶駆動用電極を覆う絶縁膜
と、この絶縁膜の上に前記画素領域の一部分に対応させ
て設けられた第2の液晶駆動用電極とで構成することが
でき、電圧調整手段をこのように構成すれば、液晶に作
用する電圧値を、画素領域のうちの前記絶縁膜で覆われ
ている液晶駆動用電極が対向する部分と、前記絶縁膜の
上に形成されている第2の液晶駆動用電極が対向する部
分とで互いに異ならせることができる。
【0032】この実施形態の場合、前記液晶駆動用電極
を設ける基板にカラーフィルタを形成するときは、液晶
駆動用電極を覆う絶縁膜として、前記カラーフィルタを
利用するのが好ましい。
【0033】また、この発明の他の実施形態としては、
前記電圧調整手段を、前記液晶駆動用電極を部分的に覆
う絶縁膜で構成してもよく、電圧調整手段をこのような
構成とすれば、液晶に作用する電圧値を、画素領域のう
ちの前記液晶駆動用電極の絶縁膜で覆われている領域が
対向する部分と、前記液晶駆動用電極の絶縁膜で覆われ
ていない領域が対向する部分とで互いに異ならせること
ができる。
【0034】さらに、この発明の別の実施形態として
は、前記電圧調整手段を、前記画素領域内で部分的に異
なる厚さに形成された前記絶縁層で構成してもよい。電
圧調整手段をこのような構成とすれば、液晶に作用する
電圧値を、画素領域のうちの前記絶縁層の厚さが大きい
領域が対向する部分と、前記絶縁層の厚さが小さい領域
が対向する部分とで互いに異ならせることができる。
【0035】この実施形態の場合、前記絶縁層は、各画
素領域に対応する部分の厚さを部分的に異ならせた単一
の絶縁膜としても、平坦な絶縁膜に、前記画素領域のほ
ぼ全体に対向する大きさで厚さが部分的に異なる厚さ調
整膜か、あるいは前記画素領域の一部分に対応する大き
さの厚さ調整膜を積層した積層膜としてもよく、また、
前記厚さ調整膜は、カラーフィルタでも他の絶縁膜でも
よい。この実施形態の場合は、電圧調整手段を構成する
前記絶縁層の液晶素子部側の面を平坦面とするのが望ま
しい。
【0036】
【実施例】図1および図2はこの発明の第1の実施例を
示しており、図1はプラズマアドレス液晶表示装置の一
部分の断面図、図2はその1つの画素領域の等価回路図
である。
【0037】この実施例のプラズマアドレス液晶表示装
置は、プラズマ放電を交流駆動により生じさせる方式の
ものであり、基本的には、マトリックスのアドレスを行
なうプラズマアドレス部40と、液晶素子50とを積層
した構造となっている。
【0038】前記プラズマアドレス部40は、ガラス等
からなる透明な第1の基板41と、この基板41に対し
て所定の間隙を存して対向する透明な絶縁層42と、前
記基板41と絶縁層42との間の空間を複数のプラズマ
放電セル44に区画する隔壁43と、この隔壁43で区
画された各放電セル44に設けられた放電用電極(カソ
ード電極およびアノード電極)45,46と、前記各放
電セル44内にそれぞれ充填された、Xe 、He 、Xe
−He 混合ガス等の無色の放電雰囲気ガスとからなって
いる。
【0039】前記放電用電極45,46のうち、カソー
ド電極45は各画素領域Dごとに形成され、アノード電
極46は、各画素列(画素領域Dの列)ごとに、その列
の全ての画素領域Dを通る連続した線状に形成されてお
り、また、前記基板11の内面には、各画素行(画素領
域Dの行)にそれぞれ対応させて、その行の各カソード
電極45に放電制御信号を供給するためのカソードライ
ン45aが配線されている。
【0040】そして、各カソード電極45は、前記カソ
ードライン45aを覆って基板41のほぼ全面に形成し
た透明なオーバコート膜(絶縁膜)47の上に形成さ
れ、このオーバコート膜47に設けたコンタクト孔にお
いて前記カソードライン45aに接続されており、各ア
ノード電極46は、前記オーバコート膜47の上に前記
カソードライン45aとほぼ直交させて形成されてい
る。
【0041】前記カソード電極45とアノード電極46
は、画素領域の中央部をはさんでその一側と他側とに設
けられており、これらの電極45,46は、基板41の
ほぼ全面に形成した透明な誘電体膜48によって覆われ
ている。
【0042】また、上記隔壁(隣り合う放電セル44の
うちの一方のセルのカソード電極45と他方のセルのア
ノード電極46との間での放電を防ぐためのバリアと、
基板41と絶縁層42との間隔を規制するためのスペー
サとを兼ねる絶縁壁)43は、行方向および列方向にマ
トリックス状態に配列する各画素領域Dをそれぞれ囲む
格子状か、あるいは、各画素領域Dの列間だけに対応さ
せて形成されており、前記放電セル44は、前記隔壁4
3の形成パターンに応じて、各画素領域Dごとに対応す
る形状か、あるいは1つの画素列の全ての画素領域Dに
対応する細長形状に形成されている。
【0043】なお、図示しないが、前記カソード電極4
5とアノード電極46を覆う誘電体膜48の表面または
この誘電体膜48の表面と前記隔壁43の壁面には、前
記カソード電極45とアノード電極46との間に放電電
圧を印加することによって発生させるプラズマ放電の放
電開始電圧を低くするためと、プラズマ放電による誘電
体膜48または誘電体膜48と隔壁43の損傷を防ぐた
めのMg O(酸化マグネシウム)等からなる透明な保護
膜が設けられている。
【0044】また、上記絶縁層42は、単一の絶縁膜4
2aからなっており、プラズマアドレス部40は、上記
第1の基板41と前記絶縁層42とを隔壁43を介して
接合し、前記隔壁43で区画された各放電セル44内に
放電雰囲気ガスを充填して構成されている。
【0045】なお、上記カソード電極45およびカソー
ドライン45aとアノード電極46は、低抵抗の金属で
形成するのが望ましく、その場合でも、カソード電極4
5とアノード電極46をそれぞれ極く細く形成するとと
もに、カソードライン45aを各画素領域Dの行間に配
線(隔壁43を格子状に形成する場合は、この隔壁43
の行方向に沿う壁部の幅内に収まるように配線)すれ
ば、カソードおよびアノード電極45,46による遮光
量を極く少なくして、各画素領域Dの開口率を高くする
ことができる。
【0046】ただし、カソード電極45とアノード電極
46はITO等の透明導電材料(望ましくはできるだけ
低抵抗の材料)で形成してもよく、その場合は、これら
の電極45,46をある程度幅広に形成してもよい。
【0047】一方、上記液晶素子部50は、上記プラズ
マアドレス部40の絶縁層42と、この絶縁層42のプ
ラズマアドレス部40側とは反対側の面に対して所定の
間隙を存して対向配置されたガラス等からなる透明な第
2の基板51と、この第2の基板51の内面に設けられ
た液晶駆動用電極52と、前記絶縁層41と第2の基板
51との間に介在されたネマティック液晶53とからな
っている。
【0048】上記液晶駆動用電極52はITO等からな
る透明電極であり、この液晶駆動用電極52は、各画素
列ごとに、その列の全ての画素領域Dに対応させて、画
素領域Dの幅とほぼ同じ幅の帯状に形成されている。
【0049】なお、この実施例の液晶表示装置は、赤、
緑、青の画素を交互に並べて表示してフルカラー画像等
の多色カラー画像を表示するものであり、この液晶表示
装置では、上記第2の基板51の内面に、赤、緑、青の
カラーフィルタ54R,54G,54Bを、各画素列の
全ての画素領域Dに対応するストライプ状パターンか、
あるいは個々の画素領域Dにそれぞれ対応するドット状
パターンに形成している。
【0050】そして、この実施例では、前記液晶駆動用
電極(以下、第1の液晶駆動用電極という)52を前記
カラーフィルタ54R,54G,54Bで覆い、このカ
ラーフィルタの上に前記画素領域Dの一部分に対応させ
てITO等からなる透明な第2の液晶駆動用電極52a
を形成して、前記カラーフィルタ54R,54G,54
Bと第2の液晶駆動用電極52aとにより、液晶53に
作用する電圧の値を画素領域D内で部分的に異ならせる
ための電圧調整手段を構成している。
【0051】前記第2の液晶駆動用電極52aは、各画
素列ごとに、その列の全ての画素領域Dごとに対応させ
て、画素領域Dの幅のほぼ1/2の幅の帯状に形成され
るとともに、その端部において第1の液晶駆動用電極5
2に接続されており、したがって、この第2の液晶駆動
用電極52aにも、第1の液晶駆動用電極52に供給さ
れる駆動信号と同じ信号が供給される。
【0052】また、上記絶縁層42の液晶素子部50側
の面(プラズマアドレス部40側とは反対側の面)と、
前記第2の基板51のカラーフィルタおよび液晶駆動用
電極を形成した面にはそれぞれ、ラビング等による配向
処理を施した配向膜55,56が設けられており、液晶
53の分子は、前記絶縁層42および第2の基板51の
近傍における配向方向を配向膜55,56で規制され、
前記絶縁層42と第2の基板51との間において所定の
ツイスト角(例えばほぼ90°)でツイスト配向してい
る。
【0053】そして、液晶素子部50は、上記絶縁層4
2と第2の基板51とをその外周縁部において枠状のシ
ール材(図示せず)を介して接合し、その間の前記シー
ル材で囲まれた領域に液晶53を充填して構成されてお
り、プラズマアドレス液晶表示装置は、上記プラズマア
ドレス部40と液晶素子部50との積層体をはさんでそ
の表裏面(基板41,51の外面)にそれぞれ偏光板6
1,62を配置して構成されている。なお、この実施例
では、プラズマアドレス部40側にバックライトBLを
配置している。
【0054】この実施例のプラズマアドレス液晶表示装
置は、そのプラズマアドレス部40の各放電セル44内
でのプラズマ放電によりマトリックスのアドレスを行な
って画像を表示するものであり、従来のプラズマアドレ
ス液晶表示装置と同様に、プラズマアドレス部40の各
アノード電極46を基準電位(例えば接地電位)に接続
し、各画素行の画素領域Dのカソード電極45にそれぞ
れカソードライン45aを介して放電制御信号を供給す
るとともに、各画素列の液晶駆動用電極(この実施例で
は第1と第2の液晶駆動用電極52,52a)に表示駆
動部Aから画像データに応じて電位が変化する駆動信号
を供給して駆動される。
【0055】この液晶表示装置の表示動作は、基本的に
は従来のプラズマアドレス液晶表示装置と同じである
が、この実施例では、上述したように、液晶素子部50
の液晶駆動用電極(第1の液晶駆動用電極)52をカラ
ーフィルタ54R,54G,54Bで覆い、このカラー
フィルタの上に画素領域Dの一部分に対応させて第2の
液晶駆動用電極52aを形成して、前記カラーフィルタ
54R,54G,54Bと第2の液晶駆動用電極52a
とにより、液晶53に作用する電圧の値を画素領域D内
で部分的に異ならせるための電圧調整手段を構成してい
るため、プラズマアドレス部40の放電セル44内にプ
ラズマ放電を生じさせたときに液晶素子部50の液晶駆
動用電極52,52aと前記放電セル44との間に生じ
る電圧によって立上がり配向する液晶分子の立上がり配
向状態を、カラーフィルタで覆われている第1の液晶駆
動用電極52が対向する部分D1 と、前記カラーフィル
タの上に形成されている第2の液晶駆動用電極52aが
対向する部分D2 とで互いに異ならせることができる。
【0056】すなわち、上記第2の液晶駆動用電極52
aは第1の液晶駆動用電極52に接続されているため、
この第2の液晶駆動用電極52aにも第1の液晶駆動用
電極52に供給される駆動信号と同じ信号が供給される
が、前記第1の液晶駆動用電極52はカラーフィルタ5
4R,54G,54Bで覆われ、第2の液晶駆動用電極
52aは前記カラーフィルタ54R,54G,54Bの
上に形成されているため、画素領域Dのうちの第1の液
晶駆動用電極52が対向している部分D1 の液晶53に
作用する有効な電圧は、第2の液晶駆動用電極52aが
対向している部分D2 の液晶53に作用する有効電圧に
比べて、カラーフィルタがもっている容量により電圧降
下した値である。
【0057】これを、図2に示した等価回路でみると、
画素領域Dのうちの第1の液晶駆動用電極52が対向し
ている部分D1 は、プラズマ放電により閉成されるプラ
ズマスイッチPSWと表示駆動部Aとの間に液晶層の容量
CLCとカラーフィルタの容量CCFとが直列に介在した回
路構成となっており、第2の液晶駆動用電極52aが対
向している部分D2 は、前記プラズマスイッチPSWと表
示駆動部Aとの間に液晶層の容量CLCだけが介在した回
路構成となっているため、D1 の部分の液晶に作用する
有効電圧は、D2 の部分の液晶に作用する電圧よりも、
カラーフィルタ容量CCFによる電圧降下分だけ低くな
る。
【0058】このため、液晶分子は、同じ画素領域D内
であっても、液晶に作用する有効電圧が低いD1 の部分
では小さい立上がり角で配向し、有効電圧が高いD2 の
部分では大きい立上がり角で配向する。
【0059】そして、上記液晶表示装置は、そのプラズ
マアドレス部40の放電セル44内にプラズマ放電を生
じさせたときの液晶分子の立上り配向状態が画素領域D
内において部分的に異なるため、視角が変化しても画素
領域全体での平均的なΔn・dの値はあまり変化せず、
したがって、電圧−透過率特性の視角依存性が軽減され
て、視野角が広くなる。
【0060】なお、液晶表示装置の画素の大きさ(面
積)は、通常の観察距離からは人間の目では1つ1つの
画素を認識することができない極く小さな大きさであ
り、例えばパーソナルコンピュータ等のOA機器用のも
のでも画素幅が100μm〜200μm程度であるた
め、上記2つの部分D1 ,D2 は人間の目の分解能では
認識できず、したがって、各画素は、その2つの部分D
1 ,D2 の出射光の強度を平均した明るさの画素として
認識される。
【0061】このように、上記プラズマアドレス液晶表
示装置は、その各画素領域Dごとに、液晶53に作用す
る電圧の値を画素領域D内で部分的に異ならせるための
電圧調整手段を設けることにより、液晶分子の立上がり
配向状態を画素領域D内において部分的に異ならせたや
るようにしたものであり、この液晶表示装置によれば、
視角が変化しても画素領域全体での平均的なΔn・dの
値はあまり変化しないため、視野角を改善して広視野角
化を実現することができる。
【0062】なお、上記実施例では、液晶53に作用す
る電圧の値を画素領域D内で部分的に異ならせるための
電圧調整手段を、第1の液晶駆動用電極52をカラーフ
ィルタ54R,54G,54Bで覆い、このカラーフィ
ルタの上に画素領域Dの一部分に対応する第2の液晶駆
動用電極52aを設けて構成しているが、前記第1の液
晶駆動用電極52はカラーフィルタ54R,54G,5
4Bの上に形成してもよく、その場合は、前記第1の液
晶駆動用電極52を他の絶縁膜で覆ってその上に第2の
液晶駆動用電極52aを設ければよい。
【0063】ただし、液晶素子部の液晶駆動用電極を設
ける基板にカラーフィルタを形成するときは、上記実施
例の液晶表示装置のように、第1の液晶駆動用電極52
を覆う絶縁膜として前記カラーフィルタを利用するのが
好ましく、前記絶縁膜にカラーフィルタを利用すれば、
電圧調整手段を構成するために増加する製造工程は第2
の液晶駆動用電極52aの形成工程だけであるから、液
晶表示装置を能率よく製造することができる。
【0064】図3および図4はこの発明の第2の実施例
を示しており、図3はプラズマアドレス液晶表示装置の
一部分の断面図、図4はその1つの画素領域の等価回路
図である。なお、図3において、図1に示した第1の実
施例の液晶表示装置と同一のものについては、図に同符
号を付して重複する説明を省略する。
【0065】この第2の実施例のプラズマアドレス液晶
表示装置は、液晶素子部50の基板(第2の基板)51
に設ける液晶駆動用電極を、上記第1の実施例における
第1の液晶駆動用電極52だけとし、この液晶駆動用電
極52をカラーフィルタ54R,54G,54Bの上に
形成するとともに、各画素領域Dごとに設ける電圧調整
手段を、前記液晶駆動用電極52の上にその各画素領域
Dに対応する部分のうちの一部分(図では画素領域Dの
ほぼ1/2の部分)を覆う透明な絶縁膜57を設けて構
成したものであり、その他の構成は第1の実施例と同じ
である。
【0066】この実施例の液晶表示装置によれば、液晶
駆動用電極52を部分的に絶縁膜57で覆って電圧調整
手段を構成しているため、プラズマアドレス部40の放
電セル44内にプラズマ放電を生じさせたときに液晶5
3に作用する有効電圧の値を、画素領域Dのうちの前記
液晶駆動用電極52の絶縁膜57で覆われている領域が
対向する部分D11と、前記液晶駆動用電極52の絶縁膜
で覆われていない領域が対向する部分D12とで互いに異
ならせることができる。
【0067】すなわち、図4に示した等価回路のよう
に、画素領域Dのうち、液晶駆動用電極52の絶縁膜5
7で覆われている領域が対向する部分D11は、プラズマ
スイッチPSWと表示駆動部Aとの間に液晶層の容量CLC
と前記絶縁膜57の容量CINとが直列に介在した回路構
成となっており、液晶駆動用電極52の絶縁膜57で覆
われていない領域が対向する部分D12は、前記プラズマ
スイッチPSWと表示駆動部Aとの間に液晶層の容量CLC
だけが介在した回路構成となっているため、D11の部分
の液晶に作用する有効電圧は、D12の部分の液晶に作用
する有効電圧よりも、絶縁膜57の容量CINによる電圧
降下分だけ低くなる。
【0068】このため、この実施例の液晶表示装置にお
いても、プラズマアドレス部40の放電セル44内にプ
ラズマ放電を生じさせたときの液晶分子の立上り配向状
態を画素領域D内において部分的に異ならせて、視角が
変化しても画素領域全体での平均的なΔn・dの値はあ
まり変化しないようにすることができ、したがって、電
圧−透過率特性の視角依存性を軽減して視野角を改善す
ることができる。
【0069】図5〜図7はこの発明の第3〜第5の実施
例を示すプラズマアドレス液晶表示装置の一部分の断面
図である。なお、図5〜図7において、図1に示した第
1の実施例の液晶表示装置と同一のものについては、図
に同符号を付して重複する説明を省略する。
【0070】この第3〜第5の実施例のプラズマアドレ
ス液晶表示装置は、いずれも、上記第1および第2の実
施例では液晶素子部50の基板51に設けている電圧調
整手段を、プラズマアドレス部40と液晶素子部50と
の境界部材である絶縁層42で構成したものであり、そ
の他の構成は第1の実施例と同じである。
【0071】すなわち、図5に示した第3の実施例のプ
ラズマアドレス液晶表示装置は、前記絶縁層42を、各
画素領域Dに対応する部分の厚さを部分的に異ならせた
単一の絶縁膜42bとすることにより、前記絶縁層42
の厚さを画素領域D内で部分的に異ならせて電圧調整手
段を構成したものである。
【0072】なお、この実施例では、絶縁層42の液晶
素子部50側の面を平坦面にするため、前記絶縁膜42
bとして、その一面だけを凹凸面とした絶縁膜を用い、
この絶縁膜42bを、その凹凸面をプラズマアドレス部
40側に対向させて設けている。
【0073】また、図6および図7に示した第4および
第5の実施例のプラズマアドレス液晶表示装置は、前記
絶縁層42を、平坦な絶縁膜42cのプラズマアドレス
部40側の面に、厚さ調整膜42dを積層した積層膜と
することにより、絶縁層42の厚さを画素領域D内で部
分的に異ならせて電圧調整手段を構成したものであり、
図6に示した第4の実施例では、前記絶縁膜42cに、
画素領域Dのほぼ全体に対向する大きさ(面積)で厚さ
が部分的に異なる厚さ調整膜42dを積層し、図7に示
した第4の実施例では、前記絶縁膜42cに、画素領域
Dの一部分に対応する大きさの厚さ調整膜42dを積層
している。
【0074】なお、この第4および第5の実施例では、
前記厚さ調整膜42dをカラーフィルタ54R,54
G,54Bで形成し、液晶素子部50の基板51には液
晶駆動用電極52と配向膜56だけを形成している。
【0075】上記第3〜第5の実施例のプラズマアドレ
ス液晶表示装置によれば、プラズマアドレス部40と液
晶素子部50との境界部材である絶縁層42の厚さを画
素領域D内で部分的に異ならせて電圧調整手段を構成し
ているため、プラズマアドレス部40の放電セル44内
にプラズマ放電を生じさせたときに液晶53に作用する
有効電圧の値を、画素領域Dのうちの前記絶縁層42の
厚さが大きい領域が対向する部分D21と、前記絶縁層4
2の厚さが小さい領域が対向する部分D22とで互いに異
ならせて、液晶分子の立上り配向状態を画素領域D内に
おいて部分的に異ならせることができ、したがって、視
角が変化しても画素領域全体での平均的なΔn・dの値
はあまり変化しないようにして電圧−透過率特性の視角
依存性を軽減し、視野角を改善することができる。
【0076】しかも、上記第3〜第5の実施例では、電
圧調整手段をプラズマアドレス部40と液晶素子部50
との境界部材である絶縁層42で構成しているため、電
圧調整手段を液晶素子部50の基板51に設ける場合に
比べて前記基板51の内面を平坦にすることができる
し、また、電圧調整手段を構成した前記絶縁層42の液
晶素子部50側の面も平坦面であるため、液晶素子部5
0の液晶層厚を液晶層の全域にわたって均一にするとと
もに、段差による液晶分子の配向の乱れをなくして、液
晶素子部50に良好な光学特性をもたせることができ
る。
【0077】なお、上記図7に示した第4の実施例のよ
うに、絶縁層42を、平坦な絶縁膜42cに画素領域D
の一部分に対応する大きさの厚さ調整膜42dを積層し
た積層膜とする場合、前記厚さ調整膜42dをカラーフ
ィルタ54R,54G,54Bで形成すると、画素領域
Dを透過する光のうちの前記厚さ調整膜42dを透過す
る光だけが着色され、厚さ調整膜42dがない部分を透
過する光は着色されないが、画素領域Dの幅が200μ
m以下であり、その半分以上の領域(100μm以上の
幅の領域)を透過する光をカラーフィルタで着色できれ
ば、1つの画素領域Dで表示される画素は、画素全体が
同じ色に着色しているように見える。
【0078】したがって、この第4の実施例のように、
カラーフィルタからなる厚さ調整膜42dを画素領域D
の一部分だけに対応させて設けても、良好なカラー画像
を表示することができるし、また、前記厚さ調整膜42
dがない部分を透過する光が着色されることなく、つま
りカラーフィルタで吸収されることなく出射するため、
光の出射率を高くして、明るい表示を得ることができ
る。
【0079】また、上記第4および第5の実施例では、
前記厚さ調整膜42dをカラーフィルタ54R,54
G,54Bで形成しているが、この厚さ調整膜42d
は、他の絶縁膜で形成してもよい。
【0080】図8はこの発明の第6の実施例を示すプラ
ズマアドレス液晶表示装置の一部分の断面図である。な
お、図8において、図1に示した第1の実施例の液晶表
示装置と同一のものについては、図に同符号を付して重
複する説明を省略する。
【0081】この第6の実施例のプラズマアドレス液晶
表示装置は、電圧調整手段を、液晶駆動用電極(画素列
の全ての画素領域Dに対応する帯状電極)52を2つの
細長電極に分割し、表示駆動部Aからの駆動信号を、一
方の分割電極に対しては電圧調整用コンデンサ58を介
して供給し、他方の分割電極に対しては前記電圧調整用
コンデンサを介さずに供給する構成としたものである。
【0082】また、この第6の実施例では、プラズマア
ドレス部40の基板41の内面に放電用電極(カソード
電極とアノード電極)45,46を覆って設ける誘電体
膜48に、各画素領域Dにそれぞれ対応させるか、ある
いは各画素列ごとにその列の全ての画素領域Dに対応さ
せて、プリズム状または凸レンズ状(図ではプリズム
状)の集光部48aを形成している。
【0083】この第6の実施例のプラズマアドレス液晶
表示装置によれば、液晶駆動用電極52を分割するとと
もに、表示駆動部Aからの駆動信号を、一方の分割電極
に対しては電圧調整用コンデンサ58を介して供給し、
他方の分割電極に対しては前記電圧調整用コンデンサを
介さずに供給するようにして電圧調整手段を構成してい
るため、プラズマアドレス部40の放電セル44内にプ
ラズマ放電を生じさせたときに液晶53に作用する有効
電圧の値を、画素領域Dのうちの前記一方の分割電極が
対向する部分D31と、前記他方の分割電極が対向する部
分D32とで互いに異ならせて、液晶分子の立上り配向状
態を画素領域D内において部分的に異ならせることがで
き、したがって、視角が変化しても画素領域全体での平
均的なΔn・dの値はあまり変化しないようにして電圧
−透過率特性の視角依存性を軽減し、視野角を改善する
ことができる。
【0084】しかも、この実施例では、プラズマアドレ
ス部40の基板41の内面に放電用電極45,46を覆
って設ける誘電体膜48に上記集光部48aを形成して
いるため、バックライトBLからの光のうち、斜め方向
から液晶表示装置に入射してプラズマアドレス部40の
隔壁43で吸収される光も、前記集光部48aで屈折集
光して液晶表示装置の表面側に出射させることができ、
したがって、表示画像の輝度を全体的に上げるととも
に、視野角をより広くすることができる。
【0085】
【発明の効果】この発明のプラズマアドレス液晶表示装
置によれば、その各画素領域ごとに、液晶に作用する電
圧の値を画素領域内で部分的に異ならせるための電圧調
整手段を設けているため、プラズマアドレス部の放電セ
ル内にプラズマ放電を生じさせたときに液晶素子部の液
晶駆動用電極と前記放電セルとの間に生じる電圧によっ
て立上がり配向する液晶分子の立上がり配向状態を、画
素領域内において部分的に異ならせて、視角による見か
け上のΔn・dの変化を画素領域の各部において異なら
せることができ、したがって、視角が変化しても画素領
域全体での平均的なΔn・dの値はあまり変化しないか
ら、電圧−透過率特性の視角依存性を軽減して視野角を
改善することができる。
【0086】この発明において、前記電圧調整手段を、
前記液晶駆動用電極を覆う絶縁膜と、この絶縁膜の上に
前記画素領域の一部分に対応させて設けられた第2の液
晶駆動用電極とで構成すれば、液晶に作用する電圧値
を、画素領域のうちの前記絶縁膜で覆われている液晶駆
動用電極が対向する部分と、前記絶縁膜の上に形成され
ている第2の液晶駆動用電極が対向する部分とで互いに
異ならせることができ、また、前記液晶駆動用電極を覆
う絶縁膜として、この液晶駆動用電極を設ける基板に形
成するカラーフィルタを利用すれば、電圧調整手段を構
成するために増加する製造工程を前記第2の液晶駆動用
電極の形成工程だけにして、液晶表示装置を能率よく製
造することができる。
【0087】また、この発明において、前記電圧調整手
段を、前記液晶駆動用電極を部分的に覆う絶縁膜で構成
すれば、液晶に作用する電圧値を、画素領域のうちの前
記液晶駆動用電極の絶縁膜で覆われている領域が対向す
る部分と、前記液晶駆動用電極の絶縁膜で覆われていな
い領域が対向する部分とで互いに異ならせることができ
る。
【0088】さらに、この発明において、前記電圧調整
手段を、前記画素領域内で部分的に異なる厚さに形成さ
れた前記絶縁層で構成すれば、液晶に作用する電圧値
を、画素領域のうちの前記絶縁層の厚さが大きい領域が
対向する部分と、前記絶縁層の厚さが小さい領域が対向
する部分とで互いに異ならせることができる。
【0089】また、このように、電圧調整手段をプラズ
マアドレス部と液晶素子部との境界部材である前記絶縁
層で構成すれば、電圧調整手段を液晶素子部の基板に設
ける場合に比べて前記基板の内面を平坦にすることがで
きるし、また、電圧調整手段を構成する前記絶縁層の液
晶素子部側の面を平坦面とすれば、液晶素子部の液晶層
厚を液晶層の全域にわたって均一にするとともに、段差
による液晶分子の配向の乱れをなくして、液晶素子部に
良好な光学特性をもたせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示すプラズマアドレ
ス液晶表示装置の一部分の断面図。
【図2】図1に示した液晶表示装置の1つの画素領域の
等価回路図。
【図3】この発明の第2の実施例を示すプラズマアドレ
ス液晶表示装置の一部分の断面図。
【図4】図3に示した液晶表示装置の1つの画素領域の
等価回路図。
【図5】この発明の第3の実施例を示すプラズマアドレ
ス液晶表示装置の一部分の断面図。
【図6】この発明の第4の実施例を示すプラズマアドレ
ス液晶表示装置の一部分の断面図。
【図7】この発明の第5の実施例を示すプラズマアドレ
ス液晶表示装置の一部分の断面図。
【図8】この発明の第6の実施例を示すプラズマアドレ
ス液晶表示装置の一部分の断面図。
【図9】従来のプラズマアドレス液晶表示装置の一部分
の断面図。
【図10】プラズマアドレス部の一部分の平面図。
【符号の説明】
40…プラズマアドレス部 41…第1の基板 42…絶縁層 42a,42b,42c…絶縁膜 42d…厚さ調整膜 43…隔壁 44…放電セル 45,56…放電用電極(カソード電極とアノード電
極) 45a…カソードライン 48…誘電体膜 50…液晶素子部 51…第2の基板 52…液晶駆動用電極 52a…第2の液晶駆動用電極 53…液晶 54R,54G,54B…カラーフィルタ 57…絶縁膜 61,62…偏光板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の基板と、この第1の基板に対して所
    定の間隙を存して対向する絶縁層と、前記第1の基板と
    絶縁層との間の空間を複数のプラズマ放電セルに区画す
    る隔壁と、前記放電セルに設けられた放電用電極と、前
    記放電セル内に充填された放電雰囲気ガスとからなるプ
    ラズマアドレス部と、 前記絶縁層と、この絶縁層に対して所定の間隙を存して
    対向配置された第2の基板と、この第2の基板の内面に
    設けられた液晶駆動用電極と、前記絶縁層と第2の基板
    との間に介在された液晶とからなる液晶素子部とを備
    え、 前記放電セル内でのプラズマ放電によりマトリックスの
    アドレスを行なうマトリックス型の液晶表示装置におい
    て、 その各画素領域ごとに、前記液晶に作用する電圧の値を
    画素領域内で部分的に異ならせるための電圧調整手段を
    設けたことを特徴とするプラズマアドレス液晶表示装
    置。
  2. 【請求項2】前記電圧調整手段は、前記液晶駆動用電極
    を覆う絶縁膜と、この絶縁膜の上に前記画素領域の一部
    分に対応させて設けられた第2の液晶駆動用電極とから
    なっていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ
    アドレス液晶表示装置。
  3. 【請求項3】前記電圧調整手段は、前記液晶駆動用電極
    を部分的に覆う絶縁膜からなっていることを特徴とする
    請求項1に記載のプラズマアドレス液晶表示装置。
  4. 【請求項4】前記電圧調整手段は、前記画素領域内で部
    分的に異なる厚さに形成された前記絶縁層からなってい
    ることを特徴とする請求項1に記載のプラズマアドレス
    液晶表示装置。
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