JPH10160123A - 元混合式面状火炎型バーナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い空気圧やガス圧を用いないでも、燃料ガ
スと燃焼用空気とが良く混合され、且つ、装置の小型化
が図れるようにする。 【解決手段】 背面に燃料ガス配管４とエアー配管５と
が接続され、混合手段６を内蔵した攪拌混合室３を、前
面に燃焼板１を備えた混合ガス室２の背面に連設した。
混合手段６は、回転自在に取り付けた回転軸７の表面
に、下流側ほど次第に幅が広がった形状の複数の板８
を、取り付け両端部では取り付け位置が円周方向に例え
ば３０度捩じれたように取り付けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、吸収冷凍機にお
ける高温再生器の加熱手段などとしても使用される元混
合式の面状火炎型バーナに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ガスボイラなどの元混合式面状
火炎型バーナにおいては、燃料ガスと燃焼用空気との混
合状態が悪いと、良好な燃焼が起こらず、リフト燃焼や
振動燃焼の原因となる。このため、高いガス圧の利用
と、混合距離を長くするようにしたバーナや、図３に示
したように高い空気圧を攪拌の動力源としたベンチュリ
ーミキサー１３を備えた元混合式面状火炎型バーナ１０
０Ｘなどが周知である。

【０００３】この元混合式面状火炎型バーナ１００Ｘに
おいては、燃料ガスと、この燃料ガスの燃焼に必要な量
の酸素を含む空気が、ベンチュリーミキサ１３により攪
拌・混合されて混合ガス室２に供給され、この混合ガス
室に臨んで設置した燃焼板１の図示しない無数の燃焼孔
を通り抜けた混合ガスが、燃焼板１の表面に帯状の火炎
９を形成して燃焼するように仕組まれている。

【０００４】なお、燃焼板１は、適宜の耐火材料、例え
ばメタルファイバーを通気可能な状態に焼結した後、直
径１〜２ｍｍ程度の微小な燃焼孔（図示せず）を多数開
設して形成するものであり、通常２〜４ｍｍ程度の板厚
で使用されている。

【０００５】上記構成の元混合式面状火炎型バーナは、
先混合式の単一ノズル型バーナに比べて燃焼の完結が速
いため、ＮＯ_X の発生量が低減できる、火炎が長くなら
ないので被加熱側装置の小型化が図れる、などと云った
種々のメリットがあり、吸収冷凍機における高温再生器
の加熱装置などとしても使用されるようになってきてい
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の高
圧を利用したり、混合距離を長くしたバーナでは装置が
大型化すると云った問題点あり、高い空気圧やガス圧が
不要で、装置の小型化が図れるようにする必要があり、
これが解決すべき従来技術の課題であった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記した従来技
術の課題を解決するためになされたもので、燃料ガスお
よびこの燃料ガスの燃焼に必要な量の酸素を含む空気が
供給される混合ガス室と、この混合ガス室に臨んで配設
され、混合ガス室の混合ガスが通過して混合ガス室とは
反対側の面に火炎を形成する燃焼孔が多数開設された燃
焼板とを備えて形成される元混合式面状火炎型バーナに
おいて、

【０００８】回転自在な混合手段を燃料ガスおよび空気
と接触可能に設置するようにした第１の構成の元混合式
面状火炎型バーナと、

【０００９】動力手段によって回転駆動される混合手段
を燃料ガスおよび空気と接触可能に設置するようにした
第２の構成の元混合式面状火炎型バーナと、

【００１０】前記第１または第２の構成の元混合式面状
火炎型バーナにおいて、混合手段を燃料ガスおよび空気
の流入口に設置するようにした第３の構成の元混合式面
状火炎型バーナと、を提供することにより、前記従来技
術の課題を解決するものである。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、図１・図２に基づいて本発
明の実施形態を説明する。なお、理解を容易にするた
め、これらの図においても前記図３において説明した部
分と同様の機能を有する部分には同一の符号を付した。

【００１２】〔第１の実施形態〕先ず、図１に基づいて
本発明の第１の実施形態を説明する。この図１に示した
元混合式面状火炎型バーナ１００は、前面に燃焼板１を
備えた混合室２の背面に、混合手段６を内蔵した攪拌混
合室３が連設している。

【００１３】この元混合式面状火炎型バーナ１００にお
いては、燃料ガス配管４と、エアー配管５とが攪拌混合
室３の背面に接続され、それぞれの配管を介して燃料ガ
スと燃焼用空気とが攪拌混合室３に所定の比率で供給さ
れるようになっている。

【００１４】また、混合手段６は、回転軸７を攪拌混合
室３の前後方向に向けて回転自在に取り付け、この回転
軸７の表面には複数の板８をそれぞれ例えば直角に取り
付けてある。この場合、複数の板８は下流側ほど次第に
幅が広がった形状に形成し、且つ、回転軸７には軸方向
に直線的に取り付けるのではなく、取り付け両端部では
取り付け位置が円周方向に、例えば３０度捩じれたよう
に取り付けてある。

【００１５】したがって、燃料ガス配管４・エアー配管
５から燃料ガスと燃焼用空気を攪拌混合室３に供給して
混合ガス室２に送り込む場合、混合手段６は混合ガス室
２に向かって流れる燃料ガスと燃焼用空気から力を受け
て回転（自転）し、この混合手段６の自転によって燃料
ガスと燃焼用空気は逆に進行方向を曲げられ、混合ガス
室２内に入ってからの攪拌作用が促進されて燃料ガス濃
度が一様になるので、リフト燃焼や振動燃焼と云った異
常燃焼は起こり難く、燃焼板１の表面では帯状の火炎９
が安定的に形成される。

【００１６】なお、燃料ガス・燃焼用空気との衝突や摩
擦、部材間の摩擦などによって混合手段６などに静電気
が溜り、静電気による火花が飛ぶことがないように、混
合手段６・攪拌混合室３・混合ガス室２を導電性素材、
例えば鉄などで形成すると共に、相互に連結して同電位
とする。そして、好ましくは接地して使用する。

【００１７】混合手段６の板８は、軸方向の途中で部分
的に途切れていても良い。板８の途切れた所を介して、
板８によって区画された空間それぞれを流れてきた気体
同士が接触し、燃料ガスと燃焼用空気との接触・混合・
攪拌作用が促進されるので、板８は軸方向の途中でむし
ろ部分的に途切れているのが好ましい。

【００１８】ところで、回転軸７に取り付ける板８の
幅、すなわち、回転軸７からの起立幅は長手方向に同一
とすることもできる。

【００１９】さらに、混合手段６は、扇風機の羽根やプ
ロペラなどのように、燃料ガス・燃焼用空気の流路方向
に短く形成することもできる。

【００２０】〔第２の実施形態〕図２に基づいて本発明
の第２の実施形態を説明する。なお、理解を容易にする
ため、この図２に示した元混合式面状火炎型バーナ１０
０Ａおいても、前記図１で説明した部分と同様の機能を
有する部分には、同一の符号を付した。

【００２１】この場合の混合手段６は、その回転軸７が
攪拌混合室３における燃料ガス・燃焼用空気の流路に直
交するように配置され、その回転軸７を電動モータ１０
が回転駆動するようにしてある。

【００２２】そして、この回転軸７に二つのリング１１
を離して取り付け、複数の細長い板１２を、回転軸７と
平行に、且つ、リング１１の半径方向、すなわち放射状
となるように向けて、二つのリング１１の間に掛け渡し
て取り付ける。

【００２３】したがって、この元混合式面状火炎型バー
ナ１００Ａにおいては、攪拌混合室３に燃料ガス配管４
から供給される燃料ガスと、エアー配管５から供給され
る燃焼用空気とは、電動モータ１０が回転する混合手段
６の板１２によって攪拌・混合され、混合ガス室２にお
ける燃料ガス濃度が均一化されるので、リフト燃焼や振
動燃焼と云った異常燃焼は起こり難く、燃焼板１の表面
では帯状の火炎９が安定的に形成される。

【００２４】この場合も、燃料ガス・燃焼用空気と接触
する部材は、静電気が溜って火花が飛ぶことがないよう
に、導電性素材、例えば鉄などで形成すると共に、同電
位となるように相互に連結し、且つ、接地して使用する
のが好ましい。

【００２５】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨から逸
脱しない範囲で各種の変形実施が可能である。

【００２６】例えば、図１に示した混合手段６は、回転
軸７を電動モータによって回転するようにしたり、回転
軸７を攪拌混合室３に回転不能に取り付け、この回転軸
に板８などを回転自在に取り付けるようにすることもで
きる。

【００２７】また、混合手段６は、攪拌混合室３におけ
る燃料ガスと燃焼用空気の流路に直列に複数個設置する
こともできる。この場合、上流側に設置する混合手段６
と下流側に設置する混合手段６とが同じ向きに回転する
ようにしても良いし、逆向きに回転するように設置して
も良い。

【００２８】また、混合手段６の下流側に邪魔板を設け
て進行方向を変えることで、燃料ガスと燃焼用空気との
接触機会を増やして両者の混合を図ると共に、混合手段
６によって起こされた混合ガスの激しい流動が、燃焼板
１を一面に備えた混合ガス室２に及ばないようにするこ
ともできる。

【００２９】また、混合手段６を内蔵した攪拌混合室３
を、混合ガス室２の内部に設けるようにすることも可能
である。

【００３０】また、エアー配管５に取り込む空気の図示
しない取り入れ口に、空気中の粉塵を取り除くためのフ
ィルターを設置するようにしても良い。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明になる元混
合式面状火炎型バーナにおいては、燃料ガスと燃焼用空
気とが短い距離でも良く混合できるので、装置の小型化
が図れるし、リフト燃焼や振動燃焼と云った燃焼異常を
起こし難い。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の実施形態を示す説明図であり、（Ａ）は
側面から見た説明図、（Ｂ）はその混合手段の説明図で
ある。

【図２】第２の実施形態を示す説明図であり、（Ａ）は
側面から見た説明図、（Ｂ）は背後からから見た説明図
である。

【図３】従来技術の説明図である。

【符号の説明】

１ 燃焼板 ２ 混合ガス室 ３ 攪拌混合室 ４ 燃料ガス配管 ５ エアー配管 ６ 混合手段 ７ 回転軸 ８ 板 ９ 火炎 １０ 電動モータ １１ リング １２ 板 １３ ベンチュリーミキサー １００・１００Ａ 元混合式面状火炎型バーナ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃料ガスおよびこの燃料ガスの燃焼に必
   要な量の酸素を含む空気が供給される混合ガス室と、こ
   の混合ガス室に臨んで配設され、混合ガス室の混合ガス
   が通過して混合ガス室とは反対側の面に火炎を形成する
   燃焼孔が多数開設された燃焼板とを備えて形成される元
   混合式面状火炎型バーナであって、 回転自在な混合手段を燃料ガスおよび空気と接触可能に
   設置したことを特徴とする元混合式面状火炎型バーナ。
2. 【請求項２】 燃料ガスおよびこの燃料ガスの燃焼に必
   要な量の酸素を含む空気が供給される混合ガス室と、こ
   の混合ガス室に臨んで配設され、混合ガス室の混合ガス
   が通過して混合ガス室とは反対側の面に火炎を形成する
   燃焼孔が多数開設された燃焼板とを備えて形成される元
   混合式面状火炎型バーナであって、 動力手段によって回転駆動される混合手段を燃料ガスお
   よび空気と接触可能に設置したことを特徴とする元混合
   式面状火炎型バーナ。
3. 【請求項３】 混合手段が燃料ガスおよび空気の流入口
   に設置されたことを特徴とする請求項１または２記載の
   元混合式面状火炎型バーナ。