JPH10159776A - 真空ポンプ - Google Patents

真空ポンプ

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JPH10159776A
JPH10159776A JP9324095A JP32409597A JPH10159776A JP H10159776 A JPH10159776 A JP H10159776A JP 9324095 A JP9324095 A JP 9324095A JP 32409597 A JP32409597 A JP 32409597A JP H10159776 A JPH10159776 A JP H10159776A
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vacuum pump
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rotors
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照雄 丸山
Tatsuhisa Taguchi
辰久 田口
Ryoichi Abe
良一 阿部
Mikio Hasegawa
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2360/00Engines or pumps
    • F16C2360/44Centrifugal pumps
    • F16C2360/45Turbo-molecular pumps

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  • Magnetic Bearings And Hydrostatic Bearings (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体設備に使用できる真空ポンプにおいて
機械的な摺動摩擦を伴うメカニカルシール部の発熱を防
止し、シール寿命の向上およびトルクアップを目的とす
る。 【解決手段】 ハウジング1内に収納された複数個のロ
ータ6,7に締結された複数個の軸2,3と、これらの
軸の回転を支持する軸受16,17と、前記ロータと前
記ハウジングにより形成される流体移送室と、前記ハウ
ジングに形成され前記流体移送室と連絡する流体の吸入
口10及び吐出口11と、前記複数個の軸をそれぞれ独
立して回転駆動する複数個のモータ27,28と、この
モータが収納された空間の圧力を大気圧よりも高くする
手段と、前記複数個のモータを同期制御する手段とを備
えることにより、ポンプの性能向上を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体製造設備等に用
いられる真空ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体の製造プロセスにおけるCVD装
置、ドライエッチング装置、スパッタ装置などには、真
空環境を作り出すための真空ポンプが不可欠である。こ
の真空ポンプに対する要望は、半導体プロセスの高集積
化、微細化に対応するため、近年ますます高度になって
きており、その主な内容は、高い真空到達圧が得られる
こと、クリーンであること、メンテナンスが容易なこ
と、小型・コンパクトであること等である。 以上の半
導体設備の真空排気系の要請に応えるため、従来から用
いられていた油回転ポンプに代わり、より清浄な真空を
得ることを目的として、粗引き用のドライ真空ポンプが
広く用いられるようになっている。
【0003】図11は、従来の容積型真空ポンプ(粗引
きポンプ)の一種であるねじ溝式(スクリュー式の一
種)のドライ真空ポンプを示すものである。同図におい
て、101はハウジング、102は第一回転軸、103
は第2回転軸、104と105はそれぞれ回転軸10
2、103に締結された筒型ロータである。この真空ポ
ンプは、ハウジング101内に第一回転軸102と第2
回転軸103が平行に配置され、その軸上にロータ10
4と105を備えている。それぞれのロータ104と1
05の外周部には、ねじ溝106と107が形成されて
いて、自ら(106または107)の凹部(溝)を相手
(107または106)の 凸部(山)と噛み合わせるこ
とにより、両者の間で密閉空間を作り出している。ロー
タ104と105が回転すると、その回転に伴い、前記
密閉空間が吸入側から吐出側へ移動して吸入作用と吐出
作用を行うのである。
【0004】さて、同図のねじ溝式の真空ポンプでは、
2個のロータ104、105の同期回転はタイミングギ
ヤ110a、110bの働きによっている。すなわち、
モータ108の回転は、駆動ギヤ109aから中間ギヤ
109bに伝達され、両ロータ104、105の軸に設
けられて互いに噛み合っているタイミングギヤの一方1
10bに伝達される。両ロータ104、105の回転角
の位相は、これら2個のタイミングギヤ110a、11
0bの噛み合いにより調節されている。 また113a、
b及び114a、bは、第一回転軸102、第2回転軸1
03を支持するころがり軸受である。
【0005】駆動ギヤ109bの端部にはオイルポンプ
115が組み込まれている。潤滑のためのオイル117
は、ポンプ最下部のオイルパン116からオイルポンプ
115により吸い込まれ、オイルフィルターを経由し
て、軸受と前記ギヤに供給されている。119はメカニ
カルシールであり、オイル117がねじ溝ロータを収納
する流体移送室120に流出しないように、また逆に、
流体移送室120内で輸送される反応性ガスが前記軸
受、オイルが収納された空間に侵入しないように設けら
れるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来のドライ真
空ポンプを反応性ガスを用いる半導体プロセスに適用し
たとき、次のような課題があった。
【0007】ドライポンプは、作動室内で油を使用しな
いため、油とガスとの反応が生じないという点で、油回
転ポンプよりは信頼性が高い。しかし反面、ロータ、ハ
ウジング等が油の皮膜なく直接活性ガスや反応性生成物
に晒されることになり、この点に関しては、ドライポン
プは油回転ポンプよりも条件はむしろ苛酷といえる。半
導体プロセスでは、アルミニウム・プラズマエッチング
やシリコン窒化膜生成プロセスが真空ポンプにとって、
最も苛酷なプロセスといわれている。これらのプロセス
では、それぞれ反応生成物として多量の塩化アルミニウ
ム(AlCl3)、塩化アンモニウム(NH4Cl)を生
ずる。これらの物質は高温低圧の反応室の中では気体で
あるが、比較的低温の真空配管やポンプの内部で凝縮し
て固体となる。真空ポンプの中で反応生成物が堆積する
と、ロータとハウジング(ケーシング)が固着しポンプ
の運転ができなくなる。たとえば、前述したねじ溝式ド
ライポンプの場合、高圧である排気側のねじ溝部分で反
応性生成物が堆積しやすくなる。2つのねじ溝ロータ1
04,105が噛み合う部分、あるいはロータとハウジ
ング101の間は、通常数十ミクロンのギャップが保て
るように構成されている。しかし、ねじ溝内部に反応性
生成物が堆積すると、この種のポンプでは、堆積物が排
除される機構を持たないために、両ロータ間に接触が生
じ、たちまち運転不能に陥るなどのトラブルが発生す
る。
【0008】両ロータ間あるいはロータとハウジング間
のギャップを拡大すれば、ポンプ内部での反応性生成物
の堆積作用をかなり押さえられることが既に確認されて
いる。しかし上記ギャップのシールに油膜を利用できな
いドライポンプでは、ギャップを極力小さくすることに
よる気体の粘性抵抗にシール効果を頼らざるをえず、ギ
ャップの拡大には限界があった。ギャップの拡大によっ
て、内部リークが増大して粗引きポンプの基本性能(真
空到達圧)に大きな悪影響を与えてしまうのである。
【0009】内部リークの影響を極力減らすために、真
空ポンプの高速化を図った場合、流体移送室とモータ等
が収納された空間の間をシールするために通常用いられ
るメカニカルシール部119に次の様な課題が生じる。
すなわち、機械的な摺動摩擦を伴うメカニカルシール部
の発熱の増大とシール寿命の低下、トルクアップ、等が
問題点となる。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明にかかる真空ポンプは、ハウジング内に収
納された複数個のロータ及びこれらのロータのそれぞれ
に締結された複数個の軸と、これらの軸の回転を支持す
る軸受と、前記ロータと前記ハウジングにより形成され
る流体移送室と、前記ハウジングに形成され前記流体移
送室と連絡する流体の吸入口及び吐出口と、前記複数個
の軸をそれぞれ独立して回転駆動する複数個のモータ
と、このモータが収納された空間の圧力を大気圧よりも
高くする手段と、前記複数個のモータを同期制御する手
段を備えたことを特徴とした真空ポンプを構成したもの
である。
【0011】
【作用】容積式ポンプを構成する各ロータを、それぞれ
独立したモータで同期運転することにより、従来のタイ
ミングギヤを用いたロータ間の大きなトルク伝達が不要
となる。その結果、ポンプの高速化を妨げていた課題の
一つが解消される。
【0012】さらに前記モータの回転を検知する検出手
段として高分解能で高精度のエンコーダを用いれば、こ
のエンコーダからの信号により前記複数個のモータの回
転を電子制御を用いて同期運転することによって、さら
なる高速化が図れる。
【0013】従来数千rpmが限界だった粗引き用真空ポ
ンプの回転数を、たとえば1万rpm以上にまで上げること
により、真空ポンプの基本性能(真空到達圧)を大幅に
向上できる。あるいは、両ロータ間あるいはロータとハ
ウジング(ケーシング)間のギャップを大きくしても真
空ポンプの基本性能を維持できる。後者の効果を利用す
れば、ギャップの拡大によって、反応性生成物の堆積作
用を押さえることが出来る。その理由は、ポンプの一行
程中の内部漏れの総量は、ポンプの一行程に要する時間
に比例するからで、回転数のアップにより内部漏れが性
能に与える影響を低減できるからである。
【0014】しかし粗引き用真空ポンプの高速化を図っ
た場合、流体移送室とモータ等が収納された空間の間を
シールするために、通常用いられるメカニカルシール部
に次の様な課題が生じる。すなわち、機械的な摺動摩擦
を伴うメカニカルシール部の発熱の増大とシール寿命の
低下、トルクアップ、等が問題点となる。メカニカルシ
ールを用いる代わりに、機械的な摺動を伴わない非接触
のシール方法として、モータなどが収納された空間の圧
力を大気圧よりも高くする方法、たとえばガスパージ手
段を用いれば上記高速回転化のネックの一つは解消され
る。その結果、電子式同期制御の特徴を活かして一層の
高速化が図れるようになる。
【0015】また反応性ガスを取り扱う半導体用プロセ
スに、本真空ポンプを適用したときの特有の課題、すな
わち、センサー、回転円盤などの部材から構成される精
緻な構造を持つエンコーダが収納された空間に、腐食性
ガスが侵入することによる致命的なトラブルが懸念され
る。この場合、クリーンな圧縮気体を上記エンコーダが
収納された空間に繋がった部分に供給してエンコーダ収
納空間の圧力を高めることにより、反応性ガスの侵入を
防止できる。
【0016】このエンコーダを、ロータが締結される側
とは反対側の回転軸の端面に装着すれば、モータ、エン
コーダを収納する空間が汚染源(流体移送室)に繋がる
部分から最も遠方に配置できる。
【0017】またこの発明を適用する真空ポンプの形態
として、ロータの外周部にねじ溝を備えたものにする
と、ねじ溝型ロータは、回転中心軸に垂直な断面が比較
的円形に近く、外周部の近くまで空洞にすることができ
る。この内部空間を利用して、スリーブ状ロータの内面
と軸受等が収納される固定スリーブの外面の間隙部に、
非接触の上記ガスパージの流路を形成する。この流路は
充分に長く形成できるため、十分なシール効果が得られ
る。また回転軸の軸長を増さなくてすむため、高速化に
支障をきたさない。
【0018】また回転軸を支持する軸受に静圧軸受、磁
気軸受などの非接触型軸受を用いれば、完全なオイルフ
リーに加えて機械的な接触・摺動部分がすべてなくなる
ため、玉軸受を用いる場合と比べて、さらなる高速化を
図ることができる。
【0019】
【実施例】図1は、この発明にかかる容積式真空ポンプ
(粗引きポンプ)の一実施例を示す。
【0020】この真空ポンプは、ハウジング1内に、第
一回転軸2と第2回転軸3をそれぞれ鉛直方向に収納し
た第一軸受室4と第2軸受室5を備えている。また筒形
のロータ6、7が、両回転軸2,3の上端部でかん合さ
れている。ロータ6,7の外周面には、互いに噛み合う
ようにして、ねじ溝(スクリュー溝の一種)8、9が形
成されている。ロータ6,7の上部(上流側)のハウジ
ング1に吸気口10、下部(下流側)のハウジング1に
吐出口11が設けられている。ロータ6,7に形成され
た両ねじ溝の互いに噛み合う部分である凸部(山部)と
凹部(溝部)およびハウジング1で形成される空間(流
体移送室50と呼ぶ)が、両回転軸2,3の回転に伴い
前記吸気口10側から前記吐出口11側へ移動し、この
空間の移動により、容積式ポンプとしての吸入・排気
(吐出)作用が得られる。
【0021】第1回転軸2と第2回転軸3は、非接触の
静圧軸受で支持されている。両回転軸に設けられた円盤
状のスラスト軸受12、13と対向する固定側に、オリ
フィス14a、14b、15a、15bが設けられている。16,1
7は上部ラジアル軸受の回転側、18,19は下部ラジ
アル軸受の固定側である。スラスト軸受同様に、これら
のラジアル軸受面と対向する固定側にも、それぞれにオ
リフィス20〜23が設けられている。
【0022】なお上部ラジアル軸受16及び17は、筒
状に形成されたロータの内部空間を利用して配置されて
おり、大きな慣性負荷を有するロータ6,7を支持する
上で有利な構成となっている。
【0023】上述したオリフィスには、外部から高圧の
圧縮気体が吸気孔24を経て供給される。ここで圧縮気
体として、半導体工場等で常備されているクリーンな窒
素ガスを用いれば、前記モータ等が収納された第一、第
二軸受室4,5に繋がる内部空間25,26内の圧力を
大気圧よりも高くすることができる。そのため、腐食性
があり堆積物を生じ易い反応性ガスの内部空間25,2
6内への侵入を防止することができる。
【0024】なお、軸受に玉軸受を用いて、かつその潤
滑のために潤滑油を用いる場合は、窒素ガスを用いたガ
スパージ機構により、前記流体作動室への潤滑油の侵入
を防ぐことができる。
【0025】また、回転軸を支持する軸受は、静圧軸受
以外の非接触型の軸受としては、たとえば磁気軸受でも
よい。この場合でも、静圧軸受同様に高速回転が容易
で、完全オイルフリーな構成となる。
【0026】27a、28aはACサーボモータの回転側である
モータロータ、27b,28bは固定側であるモータステータ
である。
【0027】実施例の真空ポンプでは、各ロータ6,7
の下端部に直結した形で、図2に示すようなロータ同士
の接触を防止するための接触防止ギヤ29,30が設け
られている。この構成が可能なのは、実施例の真空ポン
プでは非接触同期制御を用いるため、従来のドライポン
プのようなタイミングギヤ部への油潤滑が不要であり、
ギヤ部を前記流体作動室に配置できるからである。本構
成により回転軸の軸長を短くできるため、高速化を図る
上で一層有利となる。なおこの接触防止ギヤには、多少
の金属間接触にも耐えられるように、固体潤滑膜が形成
されている。
【0028】第一回転軸2、第二回転軸3は、ACサー
ボモータ27,28により、実施例では数万rpmの高速
で回転する。両軸の回転信号は、前記吸気口側とは反対
側の各回転軸2,3の下端部に設けられたロータリエン
コーダ31,32により検出される。
【0029】さて本実施例における2つの回転軸の同期
制御は、図3のブロック図で示す方法を用いた。すなわ
ち、ロータリエンコーダ31,32からの出力パルス
は、仮想の回転ロータを想定して設定された設定司令パ
ルス(目標値)と照合される。目標値と各エンコーダー
31,32からの出力値(回転数、回転角度)との間の
偏差は、位相差カウンターにより演算処理され、この偏
差を消去するように各軸の前記サーボモータの回転が制
御される。
【0030】ロータリエンコーダとしては、磁気式エン
コーダや一般的な光学式エンコーダでもよいが、実施例
ではレーザ光の回折・干渉を利用した高分解能でかつ高
速の応答性を持つレーザ式エンコーダを用いた。図4に
そのレーザ式エンコーダの一例を示す。
【0031】同図において、91は多数のスリットが
円周状に沿って形成された移動スリット盤であって、回
転軸2,3とともに回転する。93は移動スリット盤9
1に対面する個所に配置された扇形の固定スリット盤で
ある。レーザダイオード94から出たレーザ光は、コリ
メータレンズ95を経て、前記両スリット盤91,93
の各スリットを通過して、受光素子96に受光される。
【0032】なお実施例では、このエンコーダをモー
タ、エンコーダが収納された空間が流体移送室に繋がる
部分から最も遠方の密封端、すなわち回転軸の端面に配
置することにより、反応性ガスからの汚染防止を図って
いる。
【0033】本発明では、径小モータが回転軸にダイレ
クトにビルトインされた形で、回転軸を直接駆動できる
ため、動的安定性の点で有利である。すなわち実施例の
真空ポンプは、互いに機械的に干渉しない2つの単軸ス
ピンドルが並列に配置されたものと考えてよく、従来の
単軸で片持ち支持構造のターボ分子ポンプが数万回転の
高速化を図ることができるように、基本的に高速化に有
利である。
【0034】なお、実施例の真空ポンプでは、ロータの
外周部にねじ溝を備えたスクリュー式の一種であるねじ
溝式を採用した。ねじ溝型ロータは、回転中心軸に垂直
な断面が比較的円形に近く、外周部の近くまで空洞にす
ることができ、そのためロータの内部空間が大きくとれ
る。この内部空間(図1のAA)を実施例のごとくガスパ
ージ部と軸受部を収納する等の利用をすれば、片持ち支
持構造であっても、回転軸の軸長を短くできるためポン
プの高速化に有利となる。すなわち複数モータによる同
期制御の特徴(高速化)を活かし、かつクリーン化を図
る上で有利な構成となる。
【0035】接触防止ギヤ29,30の互いに噛み合う
部分の隙間(バックラッシュ)δ2は、両ロータ6,7
に形成された前記ねじ溝同士が噛み合う部分の隙間(バ
ックラッシュ)δ1よりも小さくなるように設計されて
いる。そのため、接触防止ギヤ29,30は、両回転軸
2,3の同期回転が円滑に行われているときは互いに接
触することはない。万一、この同期がずれたときは、ね
じ溝8、9同士の接触に先立って、ギヤ29,30同士
が接触することにより、ねじ溝8,9の接触・衝突を防
止する働きをする。このとき、バックラッシュδ1 、δ
2が微小であると、部材の加工精度が実用的なレベルで
得られないという点が懸念される。しかし、ポンプの一
行程中の流体の漏れ総量は、ポンプの一行程に要する時
間に比例するため、非接触同期制御により高速回転が図
れる実施例の真空ポンプでは、ねじ溝8,9間のバック
ラッシュδ1 を少々大きくしても充分に真空ポンプの性
能(到達真空圧など)を維持できる。そのため、実用レ
ベルの通常の加工精度で、ねじ溝8,9の衝突防止に必
要なバックラッシュδ1、 δ2 の寸法を確保できる。
【0036】図5は、この発明にかかる真空ポンプの別
形態を示す。この例では、ロータ外周面に形成されたね
じ溝60,61が互いに噛み合うように、2個のロータ
62,63が配置されて、ねじ溝60,61とハウジン
グ64により容積式真空ポンプ構造部分Aを構成してい
る。
【0037】またロータ62の同軸上で、前記容積式真
空ポンプ構造部分Aから離れた上流側のロータ外周面
に、ねじ溝65が形成されており、このねじ溝65とハ
ウジング64により、運動量移送式構造部分Bを構成し
ている。ねじ溝65とハウジング64の微小な間隙部に
ある気体分子は、ロータ62の高速回転により回転運動
量を与えられて、前記構造部分Aに輸送される。
【0038】前記運動量移送式構造部分Bに形成したね
じ溝65の代わりに、タービン翼を形成しハウジング1
の内周部にも形成したタービン翼と噛み合う構成でもよ
い。真空ポンプを上述したように構成すれば、真空圧の
作動領域を広げることができる。
【0039】本発明を適用できる回転部のロータ200
の形態としては、ルーツ型(図6)、歯車型(図7)、
単ローベ型(図8(a))、複ローベ型(図8
(b))、ネジ型(図9)、外円周ピストン型(図1
0)等であってもよい。
【0040】また第一の実施例で説明したように、回転
軸を支持する軸受に静圧軸受、磁気軸受などの非接触型
軸受を用いれば、完全なオイルフリーに加えて機械的な
接触・摺動部分がすべてなくなるため、玉軸受を用いる
場合と比べて、さらなる高速化を図ることができる。
【0041】
【発明の効果】容積式真空ポンプを構成する各ロータ
を、それぞれ独立したモータで高速同期運転させる。従
来数千rpmが限界だったドライポンプの回転数を、たと
えば数倍の1万rpm以上にアップさせれば、ポンプ一行程
中の内部漏れ総量が低減するため、ポンプの基本性能
(真空到達圧)の大幅な向上がはかれる。あるいは同一
性能のままで、ロータとケーシング間のギャップを拡大
できる。後者の効果を利用すれば、上記ギャップ部分で
の反応性生成物の堆積作用を押さえられるため、ドライ
ポンプとしての信頼性向上が図れる。
【0042】またモータ、エンコーダが収納された空間
にクリーンな圧縮気体を供給するガスパージ手段によ
り、機械的摺動を伴うメカニカルシールを省略できる。
その結果、高速回転のネックが解消されるため、電子制
御による同期運転を用いて一層の高速化を図ることが出
来るようになる。また精緻な構造を持つエンコーダの反
応性ガスによる汚染も、ガスパージ手段によって防止で
きる。
【0043】またこのエンコーダを、ロータが締結され
る側とは反対側の回転軸の端面に装着することにより、
モータ、エンコーダを収納する空間が汚染源(流体移送
室)に繋がる部分から最も遠方に配置できる。
【0044】この発明を適用する真空ポンプとして、ロ
ータの外周部にねじ溝を備えたものにすると、ねじ溝型
ロータは、ギヤ型、ルーツ型、ローベ型のような凹凸の
振幅が大きい異形ロータとは異なり、回転中心軸に垂直
な断面が比較的円形に近く、外周部の近くまで空洞にす
ることができる。この内部空間を利用して、スリーブ状
ロータの内面と軸受等が収納される固定スリーブの外面
の間隙部に、非接触のガスパージの流路を形成する。こ
の流路は充分に長く形成できるため、十分なシール効果
が得られる。また回転軸の軸長を増さなくてすむため、
高速化に支障をきたさない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明にかかる真空ポンプの第1実
施例を示す断面図 (b)は同ハウジングの一部側面図
【図2】第1実施例における接触防止ギヤの平面図
【図3】第1実施例における電子式同期制御の方法を示
すブロック図
【図4】第1実施例におけるレーザ式エンコーダを示す
斜視図
【図5】本発明の第2実施例における側面図
【図6】本発明が適用できるポンプの形態図
【図7】本発明が適用できるポンプの形態図
【図8】本発明が適用できるポンプの形態図
【図9】本発明が適用できるポンプの形態図
【図10】本発明が適用できるポンプの形態図
【図11】従来の真空ポンプの側面図
【符号の説明】
1 ハウジング 2,3 軸 6,7 ロータ 10 吸気口 11 吐出口 27,28 モータ 50 流体移送室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 幹夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に収納された複数個のロー
    タ及びこれらのロータのそれぞれに締結された複数個の
    軸と、これらの軸の回転を支持する軸受と、前記ロータ
    と前記ハウジングにより形成される流体移送室と、前記
    ハウジングに形成され前記流体移送室と連絡する流体の
    吸入口及び吐出口と、前記複数個の軸をそれぞれ独立し
    て回転駆動する複数個のモータと、このモータが収納さ
    れた空間の圧力を大気圧よりも高くする手段と、前記複
    数個のモータを同期制御する手段とを備えたことを特徴
    とした真空ポンプ。
  2. 【請求項2】 ハウジング内に収納された複数個のロー
    タ及びこれらのロータのそれぞれに締結された複数個の
    軸と、これらの軸の回転を支持する軸受と、前記ロータ
    と前記ハウジングにより形成される流体移送室と、前記
    ハウジングに形成され前記流体移送室と連絡する流体の
    吸入口及び吐出口と、前記複数個の軸をそれぞれ独立し
    て回転駆動する複数個のモータと、このモータの回転を
    検知するエンコーダと、このエンコーダが収納された空
    間の圧力を大気圧よりも高くする手段と、前記複数個の
    モータを同期制御する手段を備えたことを特徴とした真
    空ポンプ。
  3. 【請求項3】 圧縮気体を前記モータ及びエンコーダと
    繋がった空間に供給することにより、この空間と前記流
    体移送室との間を機械的に非接触でシールするガスパー
    ジ手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載
    の真空ポンプ。
  4. 【請求項4】 回転軸のロータ側とは反対側の端部に、
    エンコーダを設けたことを特徴とする請求項2記載の真
    空ポンプ。
  5. 【請求項5】 容積式の真空ポンプは、ねじ溝式である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の真空ポン
    プ。
  6. 【請求項6】 ハウジング内に収納された複数個のロー
    タ及びこれらのロータのそれぞれに締結された複数個の
    軸と、これらの軸の回転を支持する非接触型の軸受と、
    前記ロータと前記ハウジングにより形成される流体移送
    室と、前記ハウジングに形成され前記流体移送室と連絡
    する流体の吸入口及び吐出口と、前記複数個の軸をそれ
    ぞれ独立して回転駆動する複数個のモータと、このモー
    タを同期制御する手段を備えたことを特徴とした真空ポ
    ンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005042979A1 (ja) * 2003-10-21 2005-05-12 Nabtesco Corporation 回転式ドライ真空ポンプ
JP2013198307A (ja) * 2012-03-21 2013-09-30 Ebara Corp 多軸複合電動機及び該電動機を駆動するためのインバータ装置

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