JPH10156582A - 肉盛り溶接による耐食性金属管の製造方法 - Google Patents
肉盛り溶接による耐食性金属管の製造方法Info
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- JPH10156582A JPH10156582A JP31515496A JP31515496A JPH10156582A JP H10156582 A JPH10156582 A JP H10156582A JP 31515496 A JP31515496 A JP 31515496A JP 31515496 A JP31515496 A JP 31515496A JP H10156582 A JPH10156582 A JP H10156582A
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Abstract
とを可能にするスーパーヒートチューブを、ボイラ用チ
ューブなどの表面にCr−Mo−Ni合金をPPW(プ
ラズマパウダーウェルデング)により肉盛り溶接により
被覆して製造するに当り、肉盛り溶接層間の融合不良を
回避して、きびしい条件の曲管加工に耐え、耐食性に関
しても欠陥のない被覆を与える。 【解決手段】 肉盛り被覆層に所望する合金組成よりも
Mo含有量を高め、融点が低く、したがってPPWによ
り形成された溶融金属の粘度が低くなる合金組成の粉末
を、Mo含有量の低い合金組成の粉末と併用してPPW
を行ない、最終的に所望の合金組成の肉盛り被覆金属を
得る。
Description
る耐食性金属管の製造方法、詳しくは、金属管の外側に
プラズマパウダーウェルディング(以下「PPW」とい
う)によりCr−Mo−Ni合金を肉盛り溶接して、耐
食性被覆層を形成することからなる耐食性金属管の製造
方法に関する。
熱を発電に利用することが企てられている。 この目的
には、燃焼ガスの流路にスーパーヒーターチューブとよ
ばれる金属管を配置し、その中で水をスチームに変える
ボイラを構成するのが得策である。
をいかに確保するかにある。 300℃以下の低温のス
チームを発生する設備であれば、チューブにさしたる耐
食性は求められないが、高効率の発電を行なうためには
500℃またはそれ以上の高温のスチームを発生させる
ことが必要となり、その場合は、塩化物や硫化物を含有
する焼却灰の腐食に耐えるチューブを使用しなければな
らない。
Ni合金や高Co合金のチューブを使用すればよい。
しかし、チューブの加工性の点からもコストの点から
も、これは不利であって、内部の強度を担う部分は低〜
中合金鋼たとえばステンレス鋼やボイラ用鋼を使用し、
耐食性を要求される表面だけをCr−Mo−Ni合金で
被覆する二層管の使用が有利である。
イラ用鋼の管を基材とし、その表面に、Cr−Mo−N
i合金の粉末をPPW法で肉盛りすることによって行な
うことができる。 具体的には、上記チューブを回転さ
せながらPPWを行ない、溶接トーチをチューブに沿っ
て移動させることにより、チューブ表面にラセン状に連
続した肉盛りが行なえる。
成、代表的には20Cr−10Mo−65Niの合金の
粉末をPPWにより肉盛り溶接すると、上記ラセン状の
肉盛り層の隣接する層との間で融合不良が生じやすいこ
とが経験された。 融合不良があると、そこが機械的な
応力に対する弱点になって、曲げ加工のときなど支障が
生じるし、耐食性に関しても欠陥となりやすい。
W肉盛り被覆による耐食性金属管の製造に当って、基材
となる管上にラセン状に形成された被覆の層間に生じや
すい融合不良を防止して製造を行なう方法を提供するこ
とにある。
方法は、図1に示すように、基材となる鋼管、ステンレ
ス鋼管またはCr−Mo−Ni合金管(2)の表面にN
i基合金粉末を肉盛り溶接して耐食性被覆(3)を形成
することからなる耐食性金属管の製造方法において、肉
盛り被覆に所望する合金組成よりMo含有量を高くえら
んで融点を低くした組成の合金Aの粉末と、Mo含有量
を低くえらんだ組成の合金Bの粉末とを、最終的なMo
の含有量が所望の値になるような量比で組み合わせて溶
接トーチ(1)に供給し、所望の組成の合金より低粘度
の溶融金属を形成させて肉盛り溶接を行なうことを特徴
とする。
(重量%、以下同じ)を有する合金Aおよび合金Bを使
用し、 (A)Cr:18〜22%、Mo:12〜15%、N
i:残部 (B)Cr:15〜35%、Mo:1〜10%、Ni:
残部 下記の組成を有する合金Cを (C)Cr:15〜33%、Mo:2〜13.5%、N
i:残部 肉盛り溶接金属として得ることを特徴とする。
B、347HTB、STB340、STBA22および
STBA24からえらんだ合金の管を使用するとよい。
r−Mo−Ni合金たとえば20Cr−10Mo−65
Ni合金の粉末のPPWによる肉盛りを行なって、融合
不良は図2に示すように、基材に近い部分で生じること
を経験した。 図2において、ひとつの肉盛り溶接層
(31)と次の肉盛り溶接層(32)との間に存在する
のが、融合不良部分(33)である。 融合不良の解決
策として、発明者らは、図3に示すように、肉盛り層の
基材からの立ち上り部分の傾斜がより小さくなるように
することを考え、これを実現するため、PPWの対象と
する粉末合金の組成を調整することによってその融点を
低下させることを着想した。
含有量を低めにえらんだ組成の合金の粉末を用意し、そ
れとは別にMoの含有量がより高い組成の合金の粉末を
用意し、 (低融点合金) 21.3Cr−13.9Mo−3.5 W−残部N
i 融点1368℃ (高融点合金) 21.3Cr− 9.1Mo−残部Ni 融点
1394℃ 両者を重量でほぼ8:2の割合でプラズマトーチに別々
に供給してPPWを実施したところ、融合不良は著しく
減少し、実質上ゼロとなった。 この2種の合金の粉末
を混合した上でプラズマアークに供給しPPWを実施し
た場合も、同様な結果が得られた。
に溶融して相対的に低粘度の溶融金属層を形成し、そこ
へ高融点合金の粉末が溶け込むような形で後から溶融す
ることによって肉盛り溶接が進行するものと理解され
る。 優先的に形成された低粘度の溶融金属層は、基体
のチューブ表面に対して図3に示したような、より小さ
い傾斜角で存在し、その状態を保って固化すると考えら
れる。 この層に隣接してラセン状に形成された次の溶
融金属層は、重力の作用で前の層におおいかぶさる形と
なって溶け込み、両者の融合が良好になると解される。
ちなみに、上記の高低二つの融点をもつNi基合金か
ら形成された混合金属を単独で製造してその融点を測定
すると、1386℃である。
明は、主としてMoの量を、所望する最終的な合金組成
をもつ肉盛り合金中のMoより高めに調節することによ
って融点を低くしたCr−Mo−Ni合金(合金A)を
用意し、これと最終的な合金組成よりMo含有量を低め
に調節したCr−Mo−Ni合金(合金B)を組み合わ
せることによって、より低融点の合金から低粘度の溶融
金属を形成させて融合不良を防止するとともに、最終的
に所望のCrおよびMo含有量をもったCr−No−N
i合金(合金C)の肉盛りを完成させるものである。
の粉末は、PPWにより肉盛りする合金中、重量で10
%以上存在する必要がある。 好ましくは30%以上、
より好ましくは50%以上である。
よい。 プラズマトーチへの2種の合金粉末の供給は、
それぞれ別のキャリアガス流にのせて行なってもよい
し、粉末を混合してひとつのキャリアガス流にのせて行
なってもよい。
−Fe)製の、外径38.1mm、長さ6mのチューブを
基材として使用し、その外周に約4mmの厚さに耐食性C
r−Mo−Ni合金の肉盛り被覆を施した。 PPW装
置は、図1に示したように、このチューブを水平に置い
て1.5rpm で回転させながら、その上方に設けたトー
チを9.5mm/min.の速度でチューブに沿って移動させ
る構造である。 チューブの内部には水を通して冷却し
た。
し、 a)19Cr−12.5Mo−残部Ni b)22Cr−7Mo−残部Ni 両者を重量で8:2の割合に混合してアルゴンガスの流
れにのせて溶接トーチに供給し、最終的な肉盛り合金の
組成が、下記cのようになることを意図した: c)19.5Cr−10Mo−残部Ni PPWは、溶接電流130A、粉末供給速度1.8kg/
hrで行なった。
接のまま、1100℃×20分間の溶体化処理を施
す、表面をショットピーニング加工したのち1100
℃×20分間の溶体化処理を施す、の三種の場合につい
て試験片を採取し、ゴミ焼却炉で発生した下記の組成
(重量%)の灰(ふるい分けて150メッシュ以下にし
たもの)の中に埋め、かつ表面に灰を3mmの厚さにかぶ
せた状態で、 Fe2O3 2.9% Na2O 3.24% CuO 0.04% Al2O3 16.9 CaO 23.0 CO3 0.5 SiO2 20.1 MgO 4.2 SO3 7.9 Cr2O3 0.04 ZnO 0.92 Cl 2.35 K2O 16.0 PbO 0.19 下記の雰囲気のガス中に、温度550℃×100時間保
持したのちとり出し、 HCl 1000ppm SO2 50ppm H2O 20% O2 10% CO2 10% N2 残 腐食減量をしらべた。 比較のため、STB340合金
のチューブから採取した試験片についても、上記と同様
の腐食試験を行なった。 結果は、つぎのとおりであ
る。
耐食性が向上しているが、加工変形を与えたのちに溶体
化処理したものは、耐食性の改善が著しい。これは、粒
界が再構築されて粒界侵食が防止されるためと考えられ
る。
却炉内の450℃および480℃の位置において雰囲気
ガスおよび灰と接触させる試験を行なった。 8カ月後
の腐食減肉量(厚さ)は、450℃で0.15mm、48
0℃で0.20mmであった。
など常用のチューブに対して耐食性が高いCr−Mo−
Ni合金を肉盛り被覆することによる耐食性の改善が、
溶接層間の融合不良を生じることなく実施できるように
なった。 この管は、したがってきびしい条件の曲管加
工にも耐えて、ボイラ用チューブに加工することが可能
である。 内部の強度を担う部分はステンレス鋼など常
用のものを材料とすればよく、それらを基材とすること
によって、コストが不相当に高くなることを避け、かつ
加工性の高い耐食性管が得られる。
続いてショットピーニング加工および溶体化処理を施す
好ましい態様によるときは、いっそう高い耐食性が得ら
れ、長期間の使用に耐えるスーパーヒーターチューブが
提供できる。
装置の側面図。
融合不良が生じる状況を示す概念的な図。
り融合不良が回避できる理由を示す、図2に対応する概
念的な図。
Claims (6)
- 【請求項1】 基材となる鋼管、ステンレス鋼管または
Ni基合金管の表面にCr−Mo−Ni合金粉末をプラ
ズマパウダーウェルディングにより肉盛り溶接して耐食
性被覆を形成することからなる耐食性金属管の製造方法
において、肉盛り被覆に所望する合金組成よりMo含有
量を高くえらんで融点を低くした組成の合金Aの粉末
と、Mo含有量を低くえらんだ組成の合金Bの粉末と
を、最終的なMoの含有量が所望の値になるような量比
で組み合わせて溶接トーチに供給し、所望の組成の合金
より低粘度の溶融金属を形成させて肉盛り溶接を行なう
ことを特徴とする製造方法。 - 【請求項2】 合金Aおよび合金Bとして、下記の組成
(重量%)を有するものを使用し、 (A)Cr:18〜22%、Mo:12〜15%、N
i:残部 (B)Cr:15〜35%、Mo:1〜10%、Ni:
残部 下記の組成を有する合金Cを (C)Cr:15〜33%、Mo:2〜13.5%、N
i:残部 肉盛り溶接金属として得る請求項1の製造方法。 - 【請求項3】 合金Aの粉末および合金Bの粉末を、重
量割合で10:90〜90:10の範囲で組み合わせ使
用する請求項1または2の耐食性管の製造方法。 - 【請求項4】 合金Aおよび合金Bの原料として下記の
合金組成aおよびbの合金を使用し、a:bをほぼ8:
2にすることによって、 (a)19Cr−12.5Mo−残部Ni (b)22Cr−7Mo−残部Ni 合金組成Cの肉盛り溶接金属として下記の組成cの合金 (c)20Cr−10Mo−残部Ni を得る請求項1または2の耐食性管の製造方法。 - 【請求項5】 基材となる管として、SUS304T
B、347HTB、STB340、STBA22および
STBA24からえらんだ合金の管を使用する請求項1
または2の耐食性管の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかの製造方法
により製造した耐食性管に対し、ショットピーニングを
施したのち溶体化処理する工程を加え、耐食性がさらに
向上した管を製造することからなる耐食性管の製造方
法。
Priority Applications (1)
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JP31515496A JP3820654B2 (ja) | 1996-11-26 | 1996-11-26 | 肉盛り溶接による耐食性金属管の製造方法 |
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JPH10156582A true JPH10156582A (ja) | 1998-06-16 |
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Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1996
- 1996-11-26 JP JP31515496A patent/JP3820654B2/ja not_active Expired - Fee Related
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