JPH10155583A - 椅子用脚キャップ - Google Patents

椅子用脚キャップ

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JPH10155583A
JPH10155583A JP35313396A JP35313396A JPH10155583A JP H10155583 A JPH10155583 A JP H10155583A JP 35313396 A JP35313396 A JP 35313396A JP 35313396 A JP35313396 A JP 35313396A JP H10155583 A JPH10155583 A JP H10155583A
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    • A47C7/002Chair or stool bases

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 椅子の脚キャップでありながら、キャスター
付き椅子のように椅子を移動させやすくし、しかも摩耗
しにくく、また容易に脱落したり、ガタを生ずることが
なく、脚に確実に取り付けることができ、強度が大き
く、さらに前脚より起立角度の小さい後脚を有する椅子
に取り付けた場合にも確実に摺動できる脚キャップを提
供することを課題とする。 【解決手段】 椅子1の脚2の端部に密嵌する外挿体4
を軟質プラスチックで形成する。摺動接地体5を軟質プ
ラスチックより硬質のプラスチックの摺動材で形成す
る。脚2の最先端に嵌める内キャップ7を金属で形成す
る。内キャップ7と摺動接地体5と外挿体4とを一体化
するとともに外挿体4の下方から摺動接地体5を突出さ
せて前脚キャップ22と後脚キャップ23を形成する。
前脚キャップ22の外挿体4を水平な下端4′から垂直
若しくはほぼ垂直に起立する。後脚キャップ23の外挿
体4を水平な下端4′から斜めに起立する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は椅子の脚端に取り付
ける接地キャップに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より本願出願人は図6で示す脚キャ
ップを製造・販売しており、またこの従来例は意匠公報
(登録第598842号)によっても知られている。
【0003】この従来例は椅子の脚2の最先端6に外嵌
する金属製の内キャップ7を外キャップ9に内挿してな
るもので、前記外キャップ9は、脚2への密嵌部10を
有するとともに接地部11を有し、しかも外キャップ9
全体を軟質ポリ塩化ビニール樹脂で形成するものであ
る。
【0004】この従来例は接地部11も軟質ポリ塩化ビ
ニール樹脂であるため、強度が小さく、摩耗しやすいと
ともに摩擦抵抗が大きく、椅子の脚2に取り付けたとき
に椅子本体を移動させにくい。なお外キャップ9を硬質
または半硬質プラスチックで形成することも考えられる
が、このようにすると脚2の端部3への外挿部分も硬質
または半硬質となるため、端部3に遊嵌させねばなら
ず、脚2に密嵌せず、密嵌部としての機能を発揮でき
ず、脚2から容易に脱落したり、使用中にガタを生ず
る。また従来例は強度を大きくするため内キャップ7を
金属で形成しているが、接地部11が柔軟なため全体と
しての強度が劣るものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明のうち請求項1
の発明は脚キャップでありながら、キャスターのように
椅子を移動しやすく、かつ摩耗しにくくし、しかも容易
に脱落したり、ガタを生ずることがなく、脚に確実に取
り付けることができるようにし、また強度が大きく、さ
らに前脚より起立角度の小さい後脚を有する椅子に取り
付けた場合にも確実に摺動する椅子用脚キャップを提供
することを目的としたものである。
【0006】請求項2の発明は請求項1の発明の目的に
加えて構造が簡単で、容易に製造できる椅子用脚キャッ
プを提供することを目的としたものである。
【0007】請求項3および4の発明は請求項1および
2の発明の目的に加えて各部材の一体化を確実にして壊
れにくく、しかもより製造容易な椅子用脚キャップの提
供を目的としたものである。
【0008】請求項5および6の発明は請求項1、2、
3および4の発明の目的に加えて移動時のすべりをより
良好にし、外観を損ねず、摺動性能が低下せず、ゴミ等
が付着しにくく、しかも容易かつ安価に製造できる椅子
用脚キャップを提供することを目的としたものである。
【0009】請求項7の発明は請求項1、2、3、4、
5および6の発明に加えて移動時のすべりがさらに良好
な椅子用脚キャップの提供を目的としたものである。
【0010】請求項8の発明は請求項7の発明に加えて
静止時の安定性が良好な椅子用脚キャップの提供を目的
としたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1の発明は椅子の脚の端部に密
嵌する軟質プラスチック製の外挿体と、軟質プラスチッ
クより硬質のプラスチックの摺動材からなり、しかも前
記外挿体から下方に突出する摺動接地体と、前記椅子の
脚の最先端に嵌める金属製の内キャップとを一体化して
それぞれ前脚キャップと後脚キャップとを形成し、前記
前脚キャップの前記外挿体を水平な下端から垂直若しく
はほぼ垂直に起立し、前記後脚キャップの前記外挿体を
水平な下端から斜めに起立したことを特徴とする。
【0012】ここで軟質プラスチックより硬質のプラス
チックとは、硬質プラスチック、半硬質プラスチックの
いずれも含む意味である。また前記軟質プラスチック、
半硬質プラスチック、硬質プラスチックの概念はAST
M−D−883の定義に基づくもので、標準状態におけ
る弾性率が70MPa(10,000psi)を越えな
いプラスチックを軟質プラスチック、前記弾性率が70
MPa〜700MPa(10,000psi〜100,
000psi)のプラスチックを半硬質プラスチック、
前記弾性率が700MPa(100,000psi)以
上のプラスチックを硬質プラスチックとするものであ
る。
【0013】前記のように構成すると、外挿体が脚の端
部に密着し、確実に取り付けることができるとともに接
地部分が軟質プラスチックより硬質のプラスチックの摺
動材からなる摺動接地体のため従来例の接地部より移動
しやすいとともに摩耗しにくく、しかも金属製の内キャ
ップと相俟って強度が大きくなり、また前脚より起立角
度の小さい後脚を有する椅子に取り付けた場合にも確実
に摺動させることができる。
【0014】ここで外挿体と摺動接地体と内キャップの
一体化は前記3部材の結合順を限定するものではない
が、好ましくは請求項2の発明のように、内キャップを
摺動接地体に埋設し、前記内キャップと一体の摺動接地
体を外挿体に結合して前記外挿体、摺動接地体および内
キャップを一体化する。このように形成すると、構造が
簡単で容易に製造することができる。
【0015】またここで内キャップを摺動接地体に埋設
する手段および摺動接地体を外挿体に結合する手段を限
定するものではないが、好ましくは請求項3の発明のよ
うに、内キャップをインサート成形により埋設して摺動
接地体に一体化し、前記内キャップと一体の摺動接地体
をインサート成形により外挿体に溶融一体化する。この
ように形成すると、前記3部材が確実に一体化し、壊れ
にくく、しかもより容易に製造することができる。
【0016】またここで外挿体を形成する軟質プラスチ
ックと、摺動接地体を形成する軟質プラスチックより硬
質のプラスチックの摺動材とを同種、異種のいずれかの
プラスチックにするか限定するものではないが、好まし
くは請求項4の発明のように、外挿体を形成する軟質プ
ラスチックと、摺動接地体を形成する軟質プラスチック
より硬質のプラスチックの摺動材が同種のプラスチック
であり、前記摺動接地体と前記外挿体とを溶融一体化す
る。このようにすると外挿体と摺動接地体の一体化がよ
り強固となり、より壊れにくく、しかもより製造しやす
くなる。
【0017】またここで同種の軟質プラスチックと、こ
れより硬質のプラスチックの摺動材をより具体的に限定
するものではないが、好ましくは請求項5または6の発
明のように、外挿体を形成する軟質プラスチックが軟質
ボリ塩化ビニール樹脂であり、摺動接地体を形成する軟
質プラスチックより硬質のプラスチックの摺動材がシリ
コーンレジン配合の硬質または半硬質ポリ塩化ビニール
樹脂であるようにする。このようにするとシリコーンレ
ジンによる高摺動性機能のためすべり作用が良好で、よ
り移動させやすく、かつ外観を損ねず、経年使用によっ
ても摺動性能が低下せず、ゴミ等が付着しにくく、しか
もポリ塩化ビニール樹脂自体が安価なため、すべりの良
好な四ふっ化エチレン樹脂その他のプラスチックに比べ
て非常に安価に製造することができる。
【0018】またここで摺動接地体の形状を特に限定す
るものではないが、好ましくは請求項7の発明のよう
に、摺動接地体の接地下面が凸弧面であるようにする。
このようにすると、より摩擦抵抗が小さくなり、さらに
すべりやすくなる。
【0019】またここで接地下面の一部を凸弧面にする
か全体を凸弧面にするか限定するものではないが、好ま
しくは請求項8の発明のように凸弧面の中央に水平面を
形成するようにする。このようにすると移動時のすべり
が良好であるとともに静止時の安定性が良い。
【0020】
【発明の実施の形態】図1〜図5により本発明の実施の
形態を説明する。なおここで図示した椅子用脚キャップ
は、前脚2′と、前脚2′より起立角度が小さい後脚
2″を有する椅子1、例えば幼稚園や保育園における園
児用の腰掛け椅子のパイプ脚に使用する場合を示してい
る。また同一構成の前脚キャップ22を図1では垂直に
近い状態で傾斜している前脚2′に取り付けた場合を、
図2では垂直に起立している前脚2′に取り付けた場合
を示している。
【0021】椅子用脚キャップは、前脚キャップ22と
後脚キャップ23とからなり、前脚キャップ22と後脚
キャップ23はそれぞれの脚2、具体的には前脚2′と
後脚2″の各端部3に密嵌する外挿体4を軟質プラスチ
ックで形成し、また軟質プラスチックより硬質のプラス
チックの摺動材により摺動接地体5を形成し、さらに脚
2の最先端6に嵌める内キャップ7を金属により形成
し、外挿体4と摺動接地体5と内キャップ7とを一体化
し、しかも摺動接地体5を外挿体4から下方に突出させ
る。また図2・4で示すように前脚キャップ22の外挿
体4を水平な下端4′から垂直に起立し、後脚キャップ
23の外挿体4を水平な下端4′から斜めに起立する。
【0022】前記軟質プラスチックより硬質のプラスチ
ックは硬質プラスチックまたは半硬質プラスチックであ
るが、摺動接地体5を硬質プラスチックで形成した場合
が最も移動しやすいとともに摩耗せず、また半硬質プラ
スチックで形成した場合、移動性および非摩耗性の点で
良好であり、しかも着席時の安定性を考慮した場合、有
効である。
【0023】前記各外挿体4、各摺動接地体5および各
内キャップ7の一体化について、実施の形態では、内キ
ャップ7を摺動接地体5に一体化し、摺動接地体5を外
挿体4に一体化するものであり、また内キャップ7は有
底管状である。さらに摺動接地体5の接地下面8の形状
は水平面若しくは凸弧面に形成してもよいが、実施の形
態では凸弧面8″の中央に水平面8′を形成するもので
ある。
【0024】実施の形態をさらに具体的に説明すれば、
図2で示すように垂直に起立する軟質プラスチック製の
円管を末広状に形成して上方を密嵌部10とし、下方大
径部を対外緩衝部12とし、円管により形成された脚密
嵌孔13に連続して凹溝14′を有する埋設孔14およ
び嵌合溝15を順に設けて前脚キャップ22の外挿体4
を形成する。また図4で示すように前脚キャップ22の
起立角度αより小さい起立角度βの軟質プラスチック製
の円管を斜設するとともに末広状に形成して上方を密嵌
部10とし、水平な下端4′つまり水平な下方大径部を
対外緩衝部12とし、円管により形成された脚密嵌孔1
3に連続して凹溝14′を有する埋設孔14および水平
な嵌合溝15を順に設けて後脚キャップ23の外挿体4
を形成する。本実施の形態では椅子1の前脚2′および
後脚2″がそれぞれ金属製の丸パイプであるので、各密
嵌部10を円管状に形成するものであり、しかも各密嵌
部10の高さを内キャップ7の高さより長く形成し、か
つ各密嵌部10を薄肉に形成する。薄肉で、しかも前脚
2′、後脚2″との接触面積が大きいほど脚2の端部3
への密着性が良いからである。
【0025】上方を開口し、しかも前脚2′、後脚2″
の最先端6に外嵌する有底管状の金属製丸栓により前脚
キャップ22用および後脚キャップ23用の内キャップ
7、7を形成する。なお後脚キャップ23用の内キャッ
プ7には底部7′に凸部7″を形成する。
【0026】図2・4で示すように有底管状で、かつ軟
質プラスチックより硬質のプラスチックの摺動材に埋設
孔16および水平な外向鍔部17を形成し、外向鍔部1
7の下に前記接地下面8を形成して前脚キャップ22用
および後脚キャップ23用の摺動接地体5、5を形成す
る。なお前脚キャップ22用の摺動接地体5の管状部
5′を水平な外向鍔部17に対して垂直に、後脚キャッ
プ23用の摺動接地体5の管状部5′を図4で示すよう
に水平な外向鍔部17に対し、起立角度βをもって斜設
し、埋設孔16の底部に凹部16′を形成する。
【0027】そして各内キャップ7を各埋設孔16に嵌
着して内キャップ7を摺動接地体5に埋設して一体化
し、また各摺動接地体5の外向鍔部17を嵌合溝15に
嵌着し、各管状部5′の上端縁を凹溝14′に嵌着する
とともに管状部5′を埋設孔14に嵌着して内キャップ
7と一体の各摺動接地体5を各外挿体4に結合して一体
化する。なお後脚キャップ23用の内キャップ7は凸部
7″を凹部16′へも嵌着するものである。前記のよう
に内キャップ7を埋設孔16に嵌着し、凸部7″を凹部
16′に嵌着し、外向鍔部17を嵌合溝15に嵌着し、
管状部5′の上端縁を凹溝14′に嵌着し、管状部5′
を埋設孔14に嵌着すると、嵌着箇所が多いとともに外
向鍔部17と嵌合溝15や管状部5′の上端縁と凹溝1
4′のように係合して嵌着する箇所があるので、極めて
強固に一体化して、より壊れにくくなる。
【0028】各内キャップ7、各摺動接地体5および各
外挿体4の一体化について、さらに具体的に説明すれ
ば、内キャップ7を摺動接地体5用の成形金型内にイン
サートし、摺動接地体5を成形する。つまり内キャップ
7をインサート成形により埋設して摺動接地体5に一体
化する。次に内キャップ7と一体の摺動接地体5を外挿
体4用の成形金型内にインサートし、外挿体4を成形
し、摺動接地体5と外挿体4との接触面とを溶融一体化
する。つまり内キャップ7と一体の摺動接地体5をイン
サート成形により外挿体4に溶融一体化する。なお摺動
接地体5の接地下面8を外挿体4の水平な下端4′から
下方に突出させる。
【0029】また各外挿体4を形成する軟質プラスチッ
クと、各摺動接地体5を形成する軟質プラスチックより
硬質のプラスチックとを同種のプラスチックとし、さら
に前記硬質のプラスチックの摺動材は前記硬質のプラス
チックの摺動性を向上させる摺動向上剤を配合したもの
であり、より具体的には各外挿体4を軟質ポリ塩化ビニ
ール樹脂で形成し、各摺動接地体5をシリコーンレジン
配合の硬質ポリ塩化ビニール樹脂、またはシリコーンレ
ジン配合の半硬質ポリ塩化ビニール樹脂で形成する。
【0030】なお他の実施の形態として請求項1、2ま
たは3の摺動接地体5を形成する軟質プラスチックより
硬質のプラスチックの摺動材は例えば四ふっ化エチレン
樹脂のように軟質プラスチックより硬質で、しかもプラ
スチック摺動材として公知の単体成形物であっても、ま
た例えば四ふっ化エチレン樹脂を主成分とする混成プラ
スチック成形物であっても、さらには軟質プラスチック
より硬質のプラスチックに、例えばシリコーンオイル等
の摺動向上剤を内部添加したり、ポリマーそのものを変
性反応によって改質して当該プラスチックの摺動性を向
上させたり、摺動性を向上させる塗料で表面塗布する
等、軟質プラスチックより硬質のプラスチックに摺動性
を向上させたものであってもよいが、好ましくは前記摺
動向上剤として前記実施の形態によるシリコーンレジン
を配合した硬質または半硬質ポリ塩化ビニール樹脂で摺
動接地体5を形成すると、ポリ塩化ビニール樹脂自体が
他のプラスチック材のものより安価なので、経済的効果
が大きい。
【0031】また前記例のようにシリコーンオイル等の
摺動向上剤を内部添加した場合にはブリード現象により
シリコーンオイル等がプラスチック表面に滲み出し、摺
動性は良好であるが、外観を損ね、また経年使用により
摺動性が低下し、さらにゴミ、砂、鉄粉等が付着しやす
いが、前記実施の形態によるシリコーンレジン配合の硬
質または半硬質ポリ塩化ビニール樹脂で摺動接地体5を
形成すると、外観を損ねることがなく、時間の経過によ
る摺動性能の低下もなく、またゴミ、砂、鉄粉等が付き
にくく、さらには四ふっ化エチレン樹脂の場合は他の部
品への一体化が容易ではないが、前記硬質または半硬質
ポリ塩化ビニール樹脂による摺動接地体5は他の部品と
の一体化が容易で製造しやすく、より効果的である。
【0032】なお内キャップ7の金属例は鉄であるが、
ステンレス、銅、黄銅その他の金属であってもよい。但
し、銅や黄銅より強度の大きい鉄またはステンレスの方
が好ましい。
【0033】また摺動接地体5の接地下面8を水平面に
形成するよりも凸弧面に形成する方が床面等に対する接
触面積が小さく、椅子1を移動させやすく、さらには接
地下面8全体を凸弧面にすると、椅子1の静止時に点接
触となるが、実施の形態のように凸弧面8″の中央に水
平面8′を形成する方が、椅子1の静止時に面接触とな
り安定性が良い。
【0034】なお摺動接地体5の接地下面8全体を凸弧
面とする場合でも、また実施の形態のように中央が水平
面8′である凸弧面8″とする場合でも、使用する椅子
が幼稚園や保育園等の子供用施設で用いられる子供椅子
である場合には不動時の安定性も考慮して前記凸弧面の
傾斜を極めて緩くして不動時における安定性を保持しつ
つ、移動時においては全体が水平面状の接地下面8より
すべりやすくした方が好ましい。
【0035】次に本実施の形態の使用法および作用を説
明すれば、椅子1の前脚2′および後脚2″の各端部3
に各外挿体4を外挿して前脚キャップ22を前脚2′
に、後脚キャップ23を後脚2″に取り付ける。ここに
各外挿体4は軟質プラスチック製で、密着性を有し、脚
2の端部3に密嵌し、また各脚2の各最先端6に内キャ
ップ7が嵌まる。この内キャップ7が金属製で、しかも
摺動接地体5が軟質プラスチックより硬質のプラスチッ
ク製であるので、強度が大となる。
【0036】なお図1・2・4で示す床面に対する椅子
1の前脚2′と後脚2″のように後脚2″の起立角度β
が前脚2′の起立角度より小さくても、例えば床面に対
して前脚2′が垂直若しくは垂直に近く、後脚2″がか
なり傾斜している場合でも実施の形態では、前脚キャッ
プ22を垂直に、後脚キャップ23を斜めに起立してい
るので各摺動接地体5の接地下面8の中央近傍が床面に
接地する。もし、このとき図4の1点鎖線で示すように
後脚2″に前脚キャップ22を取り付けると軟質プラス
チック製の外挿体4端が床面に接触し、また外挿体4端
が2点鎖線で示すように床面に近接していると摺動接地
体5の摩耗により外挿体4端が床面に接触し、移動時の
摺動性が悪く、不都合であるが、実施の形態では接地下
面8の中央近傍が床面に接地し、水平な下端4′との距
離が前述の場合より大きくなるので、前記不都合を解消
でき、確実に摺動することができる。
【0037】なお好ましくは前脚キャップ22の外挿体
4を前脚2′の起立角度と、また後脚キャップ23の外
挿体4を後脚2″の起立角度と一致させて水平な下端
4′より起立させれば各外挿体4の下端4′が床面と平
行になり、床面と下端4′との距離が大きくなり、効果
的である。ただ椅子により前脚2′、後脚2″の起立角
度が一定していないので、本実施の形態のように後脚
2″より起立角度が大きく、垂直若しくは垂直に近い前
脚2′には垂直に起立する前脚キャップ22を、前脚
2′より傾斜が小さい後脚2″には斜めに起立する後脚
キャップ23を取り付ければ、接地下面8の中央近傍が
床面に接地し、少なくとも前述の図4で示す1点鎖線や
2点鎖線の外挿体4端が床面に接触若しくは近接して生
ずる前記不都合を避けて摺動接地体5を確実に摺動する
ことができ、しかも汎用性に富み、製造上および経済
上、有効である。
【0038】また密嵌部10より側方に突出している対
外緩衝部12は他の家具等に衝突したときの緩衝部分で
ある。
【0039】なお接地下面8が完全な凸弧面であって
も、椅子1への着席時に荷重がかかった場合、本脚キャ
ップの接地下面8が僅かに歪みを生じ、完全な点接触で
はなく、僅かではあるが面接触となり静止時の安定性が
良いが、実施の形態のように凸弧面8″の中央に水平面
8′を形成すれば、より接触面積が大きくなり、より安
定性を有するとともにより単位面積当りの荷重が小さく
なり床面を傷つけにくい。
【0040】また椅子1を押して、或いは着席状態のま
ま移動させれば、前記硬質のプラスチックの摺動材から
なる摺動接地体5を有するのですべりやすく、椅子1は
容易に移動し、また脚キャップは摩耗しにくい。
【0041】なお接地下面8が完全な凸弧面の場合、中
央に水平面8′を有する凸弧面8″の場合、全体が水平
面の場合の順にすべりやすいが、子供椅子の脚キャップ
とする場合には、着席時の安定性および摺動時の扱い易
さを総合的に考慮すると、接地下面8が中央に水平面
8′を有する凸弧面8″である実施の形態が最も好まし
い。
【0042】
【発明の効果】本発明のうち請求項1の発明は脚キャッ
プでありながら、キャスターのように椅子を移動しやす
く、かつ摩耗しにくくすることができ、しかも容易に脱
落したり、ガタを生ずることがなく、脚に確実に取り付
けることができ、強度の大きい椅子用脚キャップを提供
することができ、また前脚より起立角度の小さい後脚を
有する椅子に取り付けた場合に外挿体端が床面等に接触
若しくは近接せず、確実に摺動する。
【0043】本発明のうち請求項2の発明は請求項1の
発明の効果に加えて構造が簡単で、容易に製造できる。
【0044】本発明のうち請求項3および4の発明は請
求項1および2の発明の効果に加えて各部材の一体化を
確実にして壊れにくく、しかもより製造容易となる。
【0045】本発明のうち請求項5および6の発明は請
求項1、2、3および4の発明の効果に加えて移動時の
すべりがより良好となり、しかも外観を損ねず、経年使
用によっても摺動性能が低下しにくく、ゴミ等が付着し
にくく、かつ容易かつ安価に製造できる。
【0046】本発明のうち請求項7の発明は請求項1、
2、3、4、5および6の発明の効果に加えて移動時の
すべりがさらに良好となる。
【0047】本発明のうち請求項8の発明は請求項7の
発明の効果に加えて静止時の安定性が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の使用状態を示す正面図で
ある。
【図2】本発明の実施の形態における前脚キャップの拡
大縦断正面図である。
【図3】同上のA−A断面図である。
【図4】本発明の実施の形態における後脚キャップの拡
大縦断正面図である。
【図5】同上における後脚を除いた平面図である。
【図6】従来例の縦断正面図である。
【符号の説明】
1 椅子 2 脚 3 端部 4 外挿体 4′下端 5 摺動接
地体 6 最先端 7 内キャ
ップ 22 前脚キャップ 23 後脚
キャップ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 椅子の脚の端部に密嵌する軟質プラスチ
    ック製の外挿体と、軟質プラスチックより硬質のプラス
    チックの摺動材からなり、しかも前記外挿体から下方に
    突出する摺動接地体と、前記椅子の脚の最先端に嵌める
    金属製の内キャップとを一体化してそれぞれ前脚キャッ
    プと後脚キャップとを形成し、前記前脚キャップの前記
    外挿体を水平な下端から垂直若しくはほぼ垂直に起立
    し、前記後脚キャップの前記外挿体を水平な下端から斜
    めに起立したことを特徴とする椅子用脚キャップ。
  2. 【請求項2】 内キャップを摺動接地体に埋設し、前記
    内キャップと一体の摺動接地体を外挿体に結合して前記
    外挿体、摺動接地体および内キャップを一体化すること
    を特徴とする請求項1の椅子用脚キャップ。
  3. 【請求項3】 内キャップをインサート成形により埋設
    して摺動接地体に一体化し、前記内キャップと一体の摺
    動接地体をインサート成形により外挿体に溶融一体化す
    ることを特徴とする請求項1または2の椅子用脚キャッ
    プ。
  4. 【請求項4】 外挿体を形成する軟質プラスチックと、
    摺動接地体を形成する軟質プラスチックより硬質のプラ
    スチックの摺動材が同種のプラスチックであり、前記摺
    動接地体と前記外挿体とを溶融一体化することを特徴と
    する請求項1、2または3の椅子用脚キャップ。
  5. 【請求項5】 外挿体を形成する軟質プラスチックが軟
    質ポリ塩化ビニール樹脂であり、摺動接地体を形成する
    軟質プラスチックより硬質のプラスチックの摺動材がシ
    リコーンレジン配合の硬質ポリ塩化ビニール樹脂である
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4の椅子用脚
    キャップ。
  6. 【請求項6】 外挿体を形成する軟質プラスチックが軟
    質ポリ塩化ビニール樹脂であり、摺動接地体を形成する
    軟質プラスチックより硬質のプラスチックの摺動材がシ
    リコーンレジン配合の半硬質ポリ塩化ビニール樹脂であ
    ることを特徴とする請求項1、2、3または4の椅子用
    脚キャップ。
  7. 【請求項7】 摺動接地体の接地下面が凸弧面であるこ
    とを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6の椅
    子用脚キャップ。
  8. 【請求項8】 凸弧面の中央に水平面を形成することを
    特徴とする請求項7の椅子用脚キャップ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007268244A (ja) * 2006-03-06 2007-10-18 Lec Inc 家具用脚カバー
JP2008264191A (ja) * 2007-04-20 2008-11-06 Car-Boy:Kk 乳幼児用椅子及びこれに用いられる外側カバー足部材
KR101416647B1 (ko) * 2013-03-29 2014-08-13 신동민 의자다리 소음방지용 캡
JP2015134076A (ja) * 2014-01-17 2015-07-27 株式会社ジェクティブ 什器用脚キャップ

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