JPH10152192A - 圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物およびその組立方法 - Google Patents
圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物およびその組立方法Info
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- JPH10152192A JPH10152192A JP8324770A JP32477096A JPH10152192A JP H10152192 A JPH10152192 A JP H10152192A JP 8324770 A JP8324770 A JP 8324770A JP 32477096 A JP32477096 A JP 32477096A JP H10152192 A JPH10152192 A JP H10152192A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物において、圧
縮空気を一定の圧力に保持して貯蔵することができ、構
造が簡素で安全に使用することができ、かつ建設費及び
用地費が極めて少なくて済むようにする。 【構成】 圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物は、縦型筒状
面と同縦型筒状面の上下両端にそれぞれなめらかに連続
する球面、楕円面等の凸曲面とを有する外形輪郭の密閉
容器により形成された空気貯蔵兼重り収容槽2と、縦型
筒状面と同縦型筒状面の少なくとも下端になめらかに連
続する凸曲面とを有する外形輪郭の密閉容器により形成
された浮き槽1とが、吊り構造4によって相互に連結さ
れ、空気貯蔵兼重り収容槽2には砂、砂利等の重り5が
充填されている。
縮空気を一定の圧力に保持して貯蔵することができ、構
造が簡素で安全に使用することができ、かつ建設費及び
用地費が極めて少なくて済むようにする。 【構成】 圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物は、縦型筒状
面と同縦型筒状面の上下両端にそれぞれなめらかに連続
する球面、楕円面等の凸曲面とを有する外形輪郭の密閉
容器により形成された空気貯蔵兼重り収容槽2と、縦型
筒状面と同縦型筒状面の少なくとも下端になめらかに連
続する凸曲面とを有する外形輪郭の密閉容器により形成
された浮き槽1とが、吊り構造4によって相互に連結さ
れ、空気貯蔵兼重り収容槽2には砂、砂利等の重り5が
充填されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば夜間電力を
圧縮空気エネルギーに変換して貯蔵し、昼間その圧縮空
気を利用してガスタービン発電機を駆動し電力を回収す
るプラントに適用することが可能な圧縮空気貯蔵用海中
浮体構造物およびその組立方法に関する。
圧縮空気エネルギーに変換して貯蔵し、昼間その圧縮空
気を利用してガスタービン発電機を駆動し電力を回収す
るプラントに適用することが可能な圧縮空気貯蔵用海中
浮体構造物およびその組立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、夜間電力によって空気圧縮機を駆
動し、圧縮された大量の空気を貯蔵しておき、昼間の電
力ピーク時にこの圧縮空気に燃料を加えて燃焼させて高
温高圧ガスとし、その高温高圧ガスによりガスタービン
発電機を駆動して発電させることによりピーク電力を補
うようにした電力エネルギー貯蔵方式が広く知られ、実
用にも供せられている。この電力エネルギー貯蔵方式に
おける重要な点は大量の圧縮空気をどのようにして貯蔵
するかという点にある。従来より、圧縮空気の貯蔵方式
として、以下のような方式が知られている。 (1)岩塩鉱、金属鉱、炭鉱等の人為的に作られた地下
洞窟、あるいは鐘乳洞、風穴等の自然洞窟を利用して圧
縮空気を貯蔵する方式。 (2)空気貯蔵用地下洞窟を新設してそこに圧縮空気を
貯蔵する方式。 (3)地上に金属製大容量圧力タンクを新設してその中
に圧縮空気を貯蔵する方式。 (4)海上に巨大タンク方式あるいは集合タンク方式の
コンクリート製圧縮空気貯蔵タンクを新設してその中に
圧縮空気を貯蔵する方式。
動し、圧縮された大量の空気を貯蔵しておき、昼間の電
力ピーク時にこの圧縮空気に燃料を加えて燃焼させて高
温高圧ガスとし、その高温高圧ガスによりガスタービン
発電機を駆動して発電させることによりピーク電力を補
うようにした電力エネルギー貯蔵方式が広く知られ、実
用にも供せられている。この電力エネルギー貯蔵方式に
おける重要な点は大量の圧縮空気をどのようにして貯蔵
するかという点にある。従来より、圧縮空気の貯蔵方式
として、以下のような方式が知られている。 (1)岩塩鉱、金属鉱、炭鉱等の人為的に作られた地下
洞窟、あるいは鐘乳洞、風穴等の自然洞窟を利用して圧
縮空気を貯蔵する方式。 (2)空気貯蔵用地下洞窟を新設してそこに圧縮空気を
貯蔵する方式。 (3)地上に金属製大容量圧力タンクを新設してその中
に圧縮空気を貯蔵する方式。 (4)海上に巨大タンク方式あるいは集合タンク方式の
コンクリート製圧縮空気貯蔵タンクを新設してその中に
圧縮空気を貯蔵する方式。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な従来の圧縮空気貯蔵方式においては、次のような問題
がある。まず、既存の洞窟を利用する第1の方式の場合
には、プラントの建設現場が限定される。例えば、10
0万kwで5時間発電するために使われる圧縮空気を収
容するのに必要な容量は、直径が10mの洞窟の場合そ
の長さが約70kmとなり、このような枯渇洞窟は非常
に少ない。さらに、高圧空気の漏洩対策を実施する必要
があり、維持管理費が高くつく。
な従来の圧縮空気貯蔵方式においては、次のような問題
がある。まず、既存の洞窟を利用する第1の方式の場合
には、プラントの建設現場が限定される。例えば、10
0万kwで5時間発電するために使われる圧縮空気を収
容するのに必要な容量は、直径が10mの洞窟の場合そ
の長さが約70kmとなり、このような枯渇洞窟は非常
に少ない。さらに、高圧空気の漏洩対策を実施する必要
があり、維持管理費が高くつく。
【0004】また、洞窟を新設する第2の方式では、圧
縮空気を貯蔵するための洞窟を新たに掘る必要があり、
洞窟の大きさが長大であるため、建設費用が天文学的な
額となる。さらに、地上に圧力タンクを新設する第3の
方式では、圧力容器を貯蔵空気圧力に耐える構造とする
必要があり、タンクを球形鋼板製としても100万kw
で5時間発電するには、圧縮空気貯蔵タンクは球形部分
のみでも500万トンの鋼材を必要とし、基礎及び敷地
等までも考慮すると採算ベースに乗らない。
縮空気を貯蔵するための洞窟を新たに掘る必要があり、
洞窟の大きさが長大であるため、建設費用が天文学的な
額となる。さらに、地上に圧力タンクを新設する第3の
方式では、圧力容器を貯蔵空気圧力に耐える構造とする
必要があり、タンクを球形鋼板製としても100万kw
で5時間発電するには、圧縮空気貯蔵タンクは球形部分
のみでも500万トンの鋼材を必要とし、基礎及び敷地
等までも考慮すると採算ベースに乗らない。
【0005】上記の第1ないし第3の方式では、貯蔵容
積が変わらないことから、圧縮空気の圧力が貯蔵空気量
に比例して変化するので、利用可能な空気の容積は貯蔵
槽の総容積の約60〜80%程度となる。この対策とし
て、貯蔵槽に水を出し入れして圧縮空気の圧力を一定と
する方式が考えられるが、この場合大きなポンプ設備を
必要とし、またそのための動力費がエネルギー貯蔵シス
テムとして大きな損失となる。
積が変わらないことから、圧縮空気の圧力が貯蔵空気量
に比例して変化するので、利用可能な空気の容積は貯蔵
槽の総容積の約60〜80%程度となる。この対策とし
て、貯蔵槽に水を出し入れして圧縮空気の圧力を一定と
する方式が考えられるが、この場合大きなポンプ設備を
必要とし、またそのための動力費がエネルギー貯蔵シス
テムとして大きな損失となる。
【0006】第4の方式である海上にコンクリート製圧
縮空気貯蔵タンクを新設する方式には次のような問題点
がある。まず巨大タンク方式においては、寸法が大きく
搬送が不可能である。そのため、タンク製作の大部分が
海洋上で行なわなければならず、製作基地の設営にコス
トがかかる上、巨大なコンクリート製単体構造物が対象
となるためその製作には多くの危険な作業を伴う。ま
た、集合タンク方式においては、空気貯蔵槽が小型ユニ
ット化され、製作や搬送等に要する建設費は低減され、
建設工事の安全性も向上するものの、空気貯蔵量が満杯
量に近ずくと設備全体の浮力の中心が重心より下に位置
することとなり、空気貯蔵タンクが転倒する可能性があ
り、その対策が必要となる。
縮空気貯蔵タンクを新設する方式には次のような問題点
がある。まず巨大タンク方式においては、寸法が大きく
搬送が不可能である。そのため、タンク製作の大部分が
海洋上で行なわなければならず、製作基地の設営にコス
トがかかる上、巨大なコンクリート製単体構造物が対象
となるためその製作には多くの危険な作業を伴う。ま
た、集合タンク方式においては、空気貯蔵槽が小型ユニ
ット化され、製作や搬送等に要する建設費は低減され、
建設工事の安全性も向上するものの、空気貯蔵量が満杯
量に近ずくと設備全体の浮力の中心が重心より下に位置
することとなり、空気貯蔵タンクが転倒する可能性があ
り、その対策が必要となる。
【0007】そこで、本発明は、圧縮空気を一定の圧力
に保持して貯蔵することができ、構造が簡素で安全に使
用することができ、かつ建設費及び用地費が極めて少な
くて済むような圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物およびそ
の組立方法を提供しようとするものである。
に保持して貯蔵することができ、構造が簡素で安全に使
用することができ、かつ建設費及び用地費が極めて少な
くて済むような圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物およびそ
の組立方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明の圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物において
は、縦型筒状面と同縦型筒状面の上下両端にそれぞれな
めらかに連続しかつなめらかな曲面を形成する例えば球
面、楕円面等の凸曲面とを有する外形輪郭の密閉容器に
より形成された空気貯蔵兼重り収容槽と、縦型筒状面と
同縦型筒状面の少なくとも下端になめらかに連続しかつ
なめらかな曲面を形成する例えば球面、楕円面等の凸曲
面とを有する外形輪郭の密閉容器により形成された浮き
槽とが、吊り構造によって相互に連結され、上記空気貯
蔵兼重り収容槽には重りが収容されている。
め、本発明の圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物において
は、縦型筒状面と同縦型筒状面の上下両端にそれぞれな
めらかに連続しかつなめらかな曲面を形成する例えば球
面、楕円面等の凸曲面とを有する外形輪郭の密閉容器に
より形成された空気貯蔵兼重り収容槽と、縦型筒状面と
同縦型筒状面の少なくとも下端になめらかに連続しかつ
なめらかな曲面を形成する例えば球面、楕円面等の凸曲
面とを有する外形輪郭の密閉容器により形成された浮き
槽とが、吊り構造によって相互に連結され、上記空気貯
蔵兼重り収容槽には重りが収容されている。
【0009】また、本発明の圧縮空気貯蔵用海中浮体構
造物において、上記空気貯蔵兼重り収容槽が、同空気貯
蔵兼重り収容槽内に貯蔵された圧縮空気と常に外部の等
深度の水圧に等しい水圧で接する水面を形成する海水を
同空気貯蔵兼重り収容槽内に導入するための海水給排用
開口部を有している。
造物において、上記空気貯蔵兼重り収容槽が、同空気貯
蔵兼重り収容槽内に貯蔵された圧縮空気と常に外部の等
深度の水圧に等しい水圧で接する水面を形成する海水を
同空気貯蔵兼重り収容槽内に導入するための海水給排用
開口部を有している。
【0010】さらに、本発明の圧縮空気貯蔵用海中浮体
構造物において、上記吊り構造の少なくとも一部が、上
記浮き槽側の圧縮空気供給部と上記空気貯蔵兼重り収容
槽とを連通し圧縮空気を上記浮き槽側の上記圧縮空気供
給部から上記空気貯蔵兼重り収容槽へ輸送することが可
能な管体により構成されている。
構造物において、上記吊り構造の少なくとも一部が、上
記浮き槽側の圧縮空気供給部と上記空気貯蔵兼重り収容
槽とを連通し圧縮空気を上記浮き槽側の上記圧縮空気供
給部から上記空気貯蔵兼重り収容槽へ輸送することが可
能な管体により構成されている。
【0011】また、本発明の圧縮空気貯蔵用海中浮体構
造物において、上記重りが水等の輸送媒体により管輸送
が可能な砂、砂利等の重りであり、上記吊り構造の少な
くとも一部が、上記浮き槽側の重り投入部と上記空気貯
蔵兼重り収容槽とを連通し上記重りを上記浮き槽側の上
記重り投入部から上記空気貯蔵兼重り収容槽へ輸送する
ことが可能な管体により構成されている。
造物において、上記重りが水等の輸送媒体により管輸送
が可能な砂、砂利等の重りであり、上記吊り構造の少な
くとも一部が、上記浮き槽側の重り投入部と上記空気貯
蔵兼重り収容槽とを連通し上記重りを上記浮き槽側の上
記重り投入部から上記空気貯蔵兼重り収容槽へ輸送する
ことが可能な管体により構成されている。
【0012】さらに、本発明の圧縮空気貯蔵用海中浮体
構造物の組立方法によれば、空気貯蔵兼重り収容槽と浮
き槽とが吊り構造によって相互に連結されて構成される
圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物の組立方法であって、ま
ず空気貯蔵兼重り収容槽及び浮き槽を、それぞれ個別に
陸上設備により製作した後、上記空気貯蔵兼重り収容槽
及び浮き槽を設置海域へ曳航し、設置海域において作業
台船により上記空気貯蔵兼重り収容槽を吊り、同空気貯
蔵兼重り収容槽に順次上記吊り構造を溶接しながら継ぎ
足して上記空気貯蔵兼重り収容槽を吊り降ろし、次いで
上記浮き槽を上記作業台船に搬入して上記吊り構造と溶
接接続される。
構造物の組立方法によれば、空気貯蔵兼重り収容槽と浮
き槽とが吊り構造によって相互に連結されて構成される
圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物の組立方法であって、ま
ず空気貯蔵兼重り収容槽及び浮き槽を、それぞれ個別に
陸上設備により製作した後、上記空気貯蔵兼重り収容槽
及び浮き槽を設置海域へ曳航し、設置海域において作業
台船により上記空気貯蔵兼重り収容槽を吊り、同空気貯
蔵兼重り収容槽に順次上記吊り構造を溶接しながら継ぎ
足して上記空気貯蔵兼重り収容槽を吊り降ろし、次いで
上記浮き槽を上記作業台船に搬入して上記吊り構造と溶
接接続される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の実施の
形態について説明する。まず本発明の圧縮空気貯蔵用海
中浮体構造物の基本構成と作動原理について説明する。
図1は、本発明の圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物の基本
構成を説明するための概念的なモデルの縦断面図であ
る。同図において、圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物20
は、縦型筒状構造の密閉容器により形成された浮き槽1
と、縦型筒状構造の密閉容器により形成された空気貯蔵
兼重り収容槽2とを備え、浮き槽1と空気貯蔵兼重り収
容槽2とが、吊り構造4によって相互に連結され、空気
貯蔵兼重り収容槽2内の重り収容部3には砂、砂利等の
重り5が充填されている。空気貯蔵兼重り収容槽2は、
給排気管7を通して浮き槽1側の圧縮空気供給源に連通
しているとともに、空気貯蔵兼重り収容槽2の底面から
外水中に開口している海水給排管6を介して外水中に連
通している。
形態について説明する。まず本発明の圧縮空気貯蔵用海
中浮体構造物の基本構成と作動原理について説明する。
図1は、本発明の圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物の基本
構成を説明するための概念的なモデルの縦断面図であ
る。同図において、圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物20
は、縦型筒状構造の密閉容器により形成された浮き槽1
と、縦型筒状構造の密閉容器により形成された空気貯蔵
兼重り収容槽2とを備え、浮き槽1と空気貯蔵兼重り収
容槽2とが、吊り構造4によって相互に連結され、空気
貯蔵兼重り収容槽2内の重り収容部3には砂、砂利等の
重り5が充填されている。空気貯蔵兼重り収容槽2は、
給排気管7を通して浮き槽1側の圧縮空気供給源に連通
しているとともに、空気貯蔵兼重り収容槽2の底面から
外水中に開口している海水給排管6を介して外水中に連
通している。
【0014】以下、図1の圧縮空気貯蔵用海中浮体構造
物20の作用について説明する。浮き槽1の高さのうち
のα(m)は吊り構造4と浮き槽1とを浮かべるに必要
な高さであり、高さβ(m)は余裕寸法である。浮き槽
1は、外径D(m)、高さH+α+β(m)の縦型円筒
構造であり上部に天井面1a、下部に底面1bを有す
る。空気貯蔵兼重り収容槽2の空気貯蔵部2bは、内径
D(m)、高さH(m)の縦型円筒構造であり上部に天
井面2aを有する。空気貯蔵兼重り収容槽2の重り収容
部3は、内径D(m)、高さHW(m)の縦型円筒構造
であり、上部側は空気貯蔵部に連接しており、下部には
底面3bを有する。浮き槽1の底面1b部と空気貯蔵兼
重り収容槽2の天井面2a部とは、吊り構造4により、
浮き槽1の喫水下限位置1cと空気貯蔵兼重り収容槽2
の空気貯蔵部2bの下端との間の距離が、HH(m)と
なるように、相互に連結されている。
物20の作用について説明する。浮き槽1の高さのうち
のα(m)は吊り構造4と浮き槽1とを浮かべるに必要
な高さであり、高さβ(m)は余裕寸法である。浮き槽
1は、外径D(m)、高さH+α+β(m)の縦型円筒
構造であり上部に天井面1a、下部に底面1bを有す
る。空気貯蔵兼重り収容槽2の空気貯蔵部2bは、内径
D(m)、高さH(m)の縦型円筒構造であり上部に天
井面2aを有する。空気貯蔵兼重り収容槽2の重り収容
部3は、内径D(m)、高さHW(m)の縦型円筒構造
であり、上部側は空気貯蔵部に連接しており、下部には
底面3bを有する。浮き槽1の底面1b部と空気貯蔵兼
重り収容槽2の天井面2a部とは、吊り構造4により、
浮き槽1の喫水下限位置1cと空気貯蔵兼重り収容槽2
の空気貯蔵部2bの下端との間の距離が、HH(m)と
なるように、相互に連結されている。
【0015】空気貯蔵兼重り収容槽2の重り収容部3内
の重り5の上面3aまでの全量は、空気貯蔵兼重り収容
槽2の空気貯蔵部2bに空気が入っていない空気全排状
態で浮き槽1の喫水が喫水上限位置1dとなるような重
りの量に調節する。重り収容部3内の海水給排管6は、
給排気管7を通して行なわれる空気貯蔵部2b内の貯蔵
空気の給排気と連動して、海水が出入りすることができ
るようになっている。
の重り5の上面3aまでの全量は、空気貯蔵兼重り収容
槽2の空気貯蔵部2bに空気が入っていない空気全排状
態で浮き槽1の喫水が喫水上限位置1dとなるような重
りの量に調節する。重り収容部3内の海水給排管6は、
給排気管7を通して行なわれる空気貯蔵部2b内の貯蔵
空気の給排気と連動して、海水が出入りすることができ
るようになっている。
【0016】ここで給排気管7を通して圧縮空気を空気
貯蔵兼重り収容槽2内へ供給し空気貯蔵部2bにおける
水面の高さが重り5の上面からh(m)の高さとなるま
で圧縮空気を充填すると、充填された圧縮空気の浮力に
より圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物20が上昇し、浮き
槽1の喫水が喫水下限位置1cからh(m)の高さとな
るまで浮かびその位置で浮力と重力とがバランスする。
圧縮空気をさらに空気貯蔵兼重り収容槽2内へ供給し空
気貯蔵部2bにおける水面の高さが重り5の上面の位置
となるまで、すなわち空気貯蔵兼重り収容槽2内の空気
層の天井面2aからの厚みがH(m)となるまで圧縮空
気を充填すると、浮き槽1の喫水が喫水上限位置1dか
らの距離がH(m)となる喫水下限位置1cの位置とな
る。海水面8と空気貯蔵兼おもり収容槽2内の圧縮空気
と接する水面9との高さの差は、常にHH(m)とな
る。この高さの差HH(m)と海水比重量の積が圧縮空
気の圧力であり、空気貯蔵兼重り収容槽2内の空気全排
状態から満杯状態まで圧縮空気の圧力は常に一定の圧力
となる。
貯蔵兼重り収容槽2内へ供給し空気貯蔵部2bにおける
水面の高さが重り5の上面からh(m)の高さとなるま
で圧縮空気を充填すると、充填された圧縮空気の浮力に
より圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物20が上昇し、浮き
槽1の喫水が喫水下限位置1cからh(m)の高さとな
るまで浮かびその位置で浮力と重力とがバランスする。
圧縮空気をさらに空気貯蔵兼重り収容槽2内へ供給し空
気貯蔵部2bにおける水面の高さが重り5の上面の位置
となるまで、すなわち空気貯蔵兼重り収容槽2内の空気
層の天井面2aからの厚みがH(m)となるまで圧縮空
気を充填すると、浮き槽1の喫水が喫水上限位置1dか
らの距離がH(m)となる喫水下限位置1cの位置とな
る。海水面8と空気貯蔵兼おもり収容槽2内の圧縮空気
と接する水面9との高さの差は、常にHH(m)とな
る。この高さの差HH(m)と海水比重量の積が圧縮空
気の圧力であり、空気貯蔵兼重り収容槽2内の空気全排
状態から満杯状態まで圧縮空気の圧力は常に一定の圧力
となる。
【0017】第2図は、本発明の一実施の形態に係る圧
縮空気貯蔵用海中浮体構造物20の要部概略側面図であ
る。同図において、圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物20
は、縦型筒状面と同縦型筒状面の少なくとも下端になめ
らかに連続しかつなめらかな曲面を形成する例えば球
面、楕円面等の凸曲面とを有する外形輪郭の密閉容器に
より形成された浮き槽1と、縦型筒状面と同縦型筒状面
の上下両端にそれぞれなめらかに連続しかつなめらかな
曲面を形成する例えば球面、楕円面等の凸曲面とを有す
る外形輪郭の密閉容器により形成された空気貯蔵兼重り
収容槽2と、吊り構造4とを備え、浮き槽1と空気貯蔵
兼重り収容槽2とは、吊り構造4によって相互に連結さ
れ、空気貯蔵兼重り収容槽2の重り収容部3には、水等
の輸送媒体と共に管輸送が可能な例えば砂、砂利等の重
りが充填されている。
縮空気貯蔵用海中浮体構造物20の要部概略側面図であ
る。同図において、圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物20
は、縦型筒状面と同縦型筒状面の少なくとも下端になめ
らかに連続しかつなめらかな曲面を形成する例えば球
面、楕円面等の凸曲面とを有する外形輪郭の密閉容器に
より形成された浮き槽1と、縦型筒状面と同縦型筒状面
の上下両端にそれぞれなめらかに連続しかつなめらかな
曲面を形成する例えば球面、楕円面等の凸曲面とを有す
る外形輪郭の密閉容器により形成された空気貯蔵兼重り
収容槽2と、吊り構造4とを備え、浮き槽1と空気貯蔵
兼重り収容槽2とは、吊り構造4によって相互に連結さ
れ、空気貯蔵兼重り収容槽2の重り収容部3には、水等
の輸送媒体と共に管輸送が可能な例えば砂、砂利等の重
りが充填されている。
【0018】浮き槽1は、例えば外径D(m)、高さH
+α+β(m)の縦型円筒構造とされ、空気貯蔵兼重り
収容槽2は、例えば内径D(m)、理論高さH+HW
(m)の縦型円筒構造とされる。浮き槽1は外圧容器で
あり、図1のように底板を平板とすると板厚を厚くする
必要があるため、強度が強い形状である縦型円筒構造の
下端になめらかに連続する曲面構造、例えば球または楕
円体殻構造とする。また空気貯蔵兼重り収容槽2も内圧
容器であり、天井板及び重り収容部3の底板を、浮き槽
1と同様の理由により、強度が強い形状である縦型円筒
構造の上下端にそれぞれなめらかに連続する曲面構造、
例えば球または楕円体殻構造とする。
+α+β(m)の縦型円筒構造とされ、空気貯蔵兼重り
収容槽2は、例えば内径D(m)、理論高さH+HW
(m)の縦型円筒構造とされる。浮き槽1は外圧容器で
あり、図1のように底板を平板とすると板厚を厚くする
必要があるため、強度が強い形状である縦型円筒構造の
下端になめらかに連続する曲面構造、例えば球または楕
円体殻構造とする。また空気貯蔵兼重り収容槽2も内圧
容器であり、天井板及び重り収容部3の底板を、浮き槽
1と同様の理由により、強度が強い形状である縦型円筒
構造の上下端にそれぞれなめらかに連続する曲面構造、
例えば球または楕円体殻構造とする。
【0019】吊り構造4は、吊り構造材を必要な長さだ
け延長することによって構成され、各吊り構造材の上端
部が、浮き槽1上の環状連結部を形成するスカート11
を介して浮き槽1の縦型円筒構造の下部に、また各吊り
構造材の下端部が、空気貯蔵兼重り収容槽2上の環状連
結部を形成するスカート12を介して空気貯蔵兼重り収
容槽2の縦型円筒構造の上部に、それぞれ接続される。
吊り構造4を構成する吊り構造材としては、例えば鋼
棒、鋼板、形鋼または鋼管を使用することができ、各接
続部は溶接接続により接続される。上述のように、各吊
り構造材の上端部が浮き槽1の縦型円筒構造の下部に、
また各吊り構造材の下端部が空気貯蔵兼重り収容槽2の
縦型円筒構造の上部にそれぞれ接続されることによっ
て、吊り構造4は、浮き槽1の縦型円筒構造および空気
貯蔵兼重り収容槽2の縦型円筒構造の周面に沿って配設
されることとなる。
け延長することによって構成され、各吊り構造材の上端
部が、浮き槽1上の環状連結部を形成するスカート11
を介して浮き槽1の縦型円筒構造の下部に、また各吊り
構造材の下端部が、空気貯蔵兼重り収容槽2上の環状連
結部を形成するスカート12を介して空気貯蔵兼重り収
容槽2の縦型円筒構造の上部に、それぞれ接続される。
吊り構造4を構成する吊り構造材としては、例えば鋼
棒、鋼板、形鋼または鋼管を使用することができ、各接
続部は溶接接続により接続される。上述のように、各吊
り構造材の上端部が浮き槽1の縦型円筒構造の下部に、
また各吊り構造材の下端部が空気貯蔵兼重り収容槽2の
縦型円筒構造の上部にそれぞれ接続されることによっ
て、吊り構造4は、浮き槽1の縦型円筒構造および空気
貯蔵兼重り収容槽2の縦型円筒構造の周面に沿って配設
されることとなる。
【0020】吊り構造4の一部は鋼管により構成し、圧
縮空気の給排気管として使用することができるように、
下端側を空気貯蔵兼重り収容槽2内に連通させるととも
に、上端側を浮き槽1の頂部の圧縮空気給排装置へ連通
させる。また吊り構造4の他の一部は同様にして鋼管に
より構成し、その鋼管の下端部を空気貯蔵兼重り収容槽
2内の重り収容部3まで引き込むとともに、上端部を浮
き槽1側の重り投入部まで連通させておき、組立作業の
際、浮き槽1を吊り構造4の上端部に接続した後に、
砂、砂利等の重り5を海水と共にその鋼管を通して空気
貯蔵兼重り収容槽2内の重り収容部3に充填することが
できるようにする。重り充填用鋼管は、重りが偏りなく
充填できるように複数本配設することが望ましい。
縮空気の給排気管として使用することができるように、
下端側を空気貯蔵兼重り収容槽2内に連通させるととも
に、上端側を浮き槽1の頂部の圧縮空気給排装置へ連通
させる。また吊り構造4の他の一部は同様にして鋼管に
より構成し、その鋼管の下端部を空気貯蔵兼重り収容槽
2内の重り収容部3まで引き込むとともに、上端部を浮
き槽1側の重り投入部まで連通させておき、組立作業の
際、浮き槽1を吊り構造4の上端部に接続した後に、
砂、砂利等の重り5を海水と共にその鋼管を通して空気
貯蔵兼重り収容槽2内の重り収容部3に充填することが
できるようにする。重り充填用鋼管は、重りが偏りなく
充填できるように複数本配設することが望ましい。
【0021】海水給排管6の下端部は、空気貯蔵兼重り
収容槽2の重り収容部3の底面部に鋼管を溶接接続して
重り収容部3の底面部の外水中に開口させるとともに、
海水給排管6の上端部は、砂、砂利等の重り5の上面よ
りも上方において開口するように設定しておき、空気貯
蔵兼重り収容槽2内に対する圧縮空気の給排に伴って海
水が自由に出入りし、空気貯蔵兼重り収容槽2内の空気
圧と外水圧とが常に平衡を保ってバランスのとれた状態
となるようにする。
収容槽2の重り収容部3の底面部に鋼管を溶接接続して
重り収容部3の底面部の外水中に開口させるとともに、
海水給排管6の上端部は、砂、砂利等の重り5の上面よ
りも上方において開口するように設定しておき、空気貯
蔵兼重り収容槽2内に対する圧縮空気の給排に伴って海
水が自由に出入りし、空気貯蔵兼重り収容槽2内の空気
圧と外水圧とが常に平衡を保ってバランスのとれた状態
となるようにする。
【0022】空気貯蔵兼重り収容槽2は内圧容器であ
り、引っ張り応力のみが働く構成であるため、鋼板で製
作するのが最適である。また、吊り構造4も、空気貯蔵
兼重り収容槽2内の圧縮空気が満杯状態の時以外の空気
貯蔵兼重り収容槽2の水中重量と吊り構造4の自重とを
支持する構成であり、引っ張り応力のみが作用すること
となるので、単純な鋼製の棒、板、または鋼管を適用す
ることが可能である。そして、浮き槽1は、外圧容器と
なるため、鋼板製タンクの内部にリブ等を設けて挫屈に
対処するか、鋼板製タンクの内側に鉄筋コンクリートを
配設して補強することがが考えられる。さらに鋼板製タ
ンクを密閉タンクとし内部に圧縮空気を注入してタンク
内外の圧力差を少なくすることも考えられる。
り、引っ張り応力のみが働く構成であるため、鋼板で製
作するのが最適である。また、吊り構造4も、空気貯蔵
兼重り収容槽2内の圧縮空気が満杯状態の時以外の空気
貯蔵兼重り収容槽2の水中重量と吊り構造4の自重とを
支持する構成であり、引っ張り応力のみが作用すること
となるので、単純な鋼製の棒、板、または鋼管を適用す
ることが可能である。そして、浮き槽1は、外圧容器と
なるため、鋼板製タンクの内部にリブ等を設けて挫屈に
対処するか、鋼板製タンクの内側に鉄筋コンクリートを
配設して補強することがが考えられる。さらに鋼板製タ
ンクを密閉タンクとし内部に圧縮空気を注入してタンク
内外の圧力差を少なくすることも考えられる。
【0023】図3は、本発明の圧縮空気貯蔵用海中浮体
構造物20の係留方式の1例の平面図である。同図にお
いて、各圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物20が、圧縮空
気の給排気管を兼ねた給排気管兼連結鋼管13aを介し
て三角形状に組まれた同じく圧縮空気の給排気管を兼ね
た給排気管兼係留フレーム13の各辺部に整然と配設さ
れ、それぞれ係留フレームフロート14により支持され
た給排気管兼係留フレーム13の各頂点部が、それぞれ
係留フロート15により支持された係留鋼管16を介し
て海底のアンカーに係留されている。
構造物20の係留方式の1例の平面図である。同図にお
いて、各圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物20が、圧縮空
気の給排気管を兼ねた給排気管兼連結鋼管13aを介し
て三角形状に組まれた同じく圧縮空気の給排気管を兼ね
た給排気管兼係留フレーム13の各辺部に整然と配設さ
れ、それぞれ係留フレームフロート14により支持され
た給排気管兼係留フレーム13の各頂点部が、それぞれ
係留フロート15により支持された係留鋼管16を介し
て海底のアンカーに係留されている。
【0024】次に、本発明の圧縮空気貯蔵用海中浮体構
造物20の製造および組立方法の1例について説明す
る。図4は、本発明の圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物を
陸上設備で製作する際の1例としての斜視図、図5は、
本発明の圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物の組立用浮き槽
を設置海域へ曳航する状況を示す斜視図、図6は、本発
明の圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物の吊り構造を作業台
船により溶接接続して延長する作業の1例を示す斜視
図、図7は、本発明の圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物の
組立作業において作業台船に浮き槽を引き込む作業の1
例を示す斜視図である。
造物20の製造および組立方法の1例について説明す
る。図4は、本発明の圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物を
陸上設備で製作する際の1例としての斜視図、図5は、
本発明の圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物の組立用浮き槽
を設置海域へ曳航する状況を示す斜視図、図6は、本発
明の圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物の吊り構造を作業台
船により溶接接続して延長する作業の1例を示す斜視
図、図7は、本発明の圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物の
組立作業において作業台船に浮き槽を引き込む作業の1
例を示す斜視図である。
【0025】図4において、浮き槽1および空気貯蔵兼
重り収容槽2は、それぞれ地上設備17において製作さ
れる。地上設備17としては、浮き槽1及び空気貯蔵兼
重り収容槽2をそれぞれ個別に製作することができ、製
作後各浮き槽1および空気貯蔵兼重り収容槽2を進水さ
せることが可能な設備とするのが良い。勿論、各浮き槽
1および空気貯蔵兼重り収容槽2を例えば既設の造船用
ドックにおいて製作することも可能である。地上設備1
7における製作に当たっては、浮き槽1の下部および空
気貯蔵兼重り収容槽2の上部にそれぞれ吊り構造4の一
部を取付けておくと、その分、設置海域における現地作
業がし易くなる。
重り収容槽2は、それぞれ地上設備17において製作さ
れる。地上設備17としては、浮き槽1及び空気貯蔵兼
重り収容槽2をそれぞれ個別に製作することができ、製
作後各浮き槽1および空気貯蔵兼重り収容槽2を進水さ
せることが可能な設備とするのが良い。勿論、各浮き槽
1および空気貯蔵兼重り収容槽2を例えば既設の造船用
ドックにおいて製作することも可能である。地上設備1
7における製作に当たっては、浮き槽1の下部および空
気貯蔵兼重り収容槽2の上部にそれぞれ吊り構造4の一
部を取付けておくと、その分、設置海域における現地作
業がし易くなる。
【0026】地上設備17から進水した後、図5のよう
に、浮き槽1および空気貯蔵兼重り収容槽2をそれぞれ
設置海域へタグボート18により曳航する。次いで図6
に示すように、空気貯蔵兼重り収容槽2内に海水を注入
し、空気貯蔵兼重り収容槽2の上端部を海面上に残し下
方部を沈めて全体を正立させ、正立状態の空気貯蔵兼重
り収容槽2を、予め例えば給排気管兼係留フレーム13
に係留した作業台船19の開閉可能な側方開口部から同
作業台船19内へと導入し、吊り構造4の一部を作業台
船19上の昇降装置により保持する。続いて作業台船1
9上の揚重設備、自動溶接設備、および作業台船19上
の吊り構造昇降設備により、吊り構造4を順次溶接接続
により継ぎ足して延長し、空気貯蔵兼重り収容槽2を所
定の位置まで沈める。
に、浮き槽1および空気貯蔵兼重り収容槽2をそれぞれ
設置海域へタグボート18により曳航する。次いで図6
に示すように、空気貯蔵兼重り収容槽2内に海水を注入
し、空気貯蔵兼重り収容槽2の上端部を海面上に残し下
方部を沈めて全体を正立させ、正立状態の空気貯蔵兼重
り収容槽2を、予め例えば給排気管兼係留フレーム13
に係留した作業台船19の開閉可能な側方開口部から同
作業台船19内へと導入し、吊り構造4の一部を作業台
船19上の昇降装置により保持する。続いて作業台船1
9上の揚重設備、自動溶接設備、および作業台船19上
の吊り構造昇降設備により、吊り構造4を順次溶接接続
により継ぎ足して延長し、空気貯蔵兼重り収容槽2を所
定の位置まで沈める。
【0027】図7に示すように、作業台船19の開閉可
能な側方開口部から浮き槽1を作業台船19内へと導入
し、上述のように順次継ぎ足した吊り構造4の上部に位
置付けて保持する。作業台船19の開閉可能な側方開口
部を閉じてから、順次継ぎ足した吊り構造4を浮き槽1
に溶接接続する。続いて、浮き槽1に係留設備を配設し
た後、同浮き槽1を作業台船19から外す。最後に、吊
り構造4を兼ねる重り充填用鋼管に砂、砂利等の重りを
海水とともに注入し、空気貯蔵兼重り収容槽2内の重り
収容部3に重りを充填する。重り充填用鋼管は、重りが
偏りなく充填できるよう複数本例えば10本程度配設す
る。充填する重りの量は、空気貯蔵兼重り収容槽2内の
圧縮空気の量と浮き槽1の喫水高さとに応じて調整す
る。
能な側方開口部から浮き槽1を作業台船19内へと導入
し、上述のように順次継ぎ足した吊り構造4の上部に位
置付けて保持する。作業台船19の開閉可能な側方開口
部を閉じてから、順次継ぎ足した吊り構造4を浮き槽1
に溶接接続する。続いて、浮き槽1に係留設備を配設し
た後、同浮き槽1を作業台船19から外す。最後に、吊
り構造4を兼ねる重り充填用鋼管に砂、砂利等の重りを
海水とともに注入し、空気貯蔵兼重り収容槽2内の重り
収容部3に重りを充填する。重り充填用鋼管は、重りが
偏りなく充填できるよう複数本例えば10本程度配設す
る。充填する重りの量は、空気貯蔵兼重り収容槽2内の
圧縮空気の量と浮き槽1の喫水高さとに応じて調整す
る。
【0028】図3のように予め設置した給排気管兼係留
フレーム13に作業台船19を係留した状態で、完成し
た圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物20を、圧縮空気の給
排気管を兼ねた給排気管兼連結鋼管13aを介して、同
じく圧縮空気の給排気管を兼ねた鋼管により構成された
給排気管兼係留フレーム13に溶接接続する。
フレーム13に作業台船19を係留した状態で、完成し
た圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物20を、圧縮空気の給
排気管を兼ねた給排気管兼連結鋼管13aを介して、同
じく圧縮空気の給排気管を兼ねた鋼管により構成された
給排気管兼係留フレーム13に溶接接続する。
【0029】図8は、本発明に係る圧縮空気貯蔵用海中
浮体構造物をガスタービン発電システムに適用した場合
の1例を示すシステム系統図である。同図において、電
動発電機32は、電力需要が小さな夜間においては、ガ
スタービン側嵌脱装置32aが離脱するように制御され
て高圧ガスタービン26および低圧ガスタービン30側
とは非接続状態となり、コンプレッサ側嵌脱装置32b
が嵌合するように制御されて低圧コンプレッサ33、中
間コンプレッサ35および高圧コンプレッサ38側とは
接続状態となって、余剰電力により低圧コンプレッサ3
3、中間コンプレッサ35および高圧コンプレッサ38
を駆動する電動機として作動し、また、電力需要が大き
な昼間においては、コンプレッサ側嵌脱装置32bが離
脱するように制御されて低圧コンプレッサ33、中間コ
ンプレッサ35および高圧コンプレッサ38とは非接続
状態となり、ガスタービン側嵌脱装置32aが嵌合する
ように制御されて高圧ガスタービン26および低圧ガス
タービン30とは接続状態となって、高圧ガスタービン
26および低圧ガスタービン30により発電機として駆
動されて発電を行なう。
浮体構造物をガスタービン発電システムに適用した場合
の1例を示すシステム系統図である。同図において、電
動発電機32は、電力需要が小さな夜間においては、ガ
スタービン側嵌脱装置32aが離脱するように制御され
て高圧ガスタービン26および低圧ガスタービン30側
とは非接続状態となり、コンプレッサ側嵌脱装置32b
が嵌合するように制御されて低圧コンプレッサ33、中
間コンプレッサ35および高圧コンプレッサ38側とは
接続状態となって、余剰電力により低圧コンプレッサ3
3、中間コンプレッサ35および高圧コンプレッサ38
を駆動する電動機として作動し、また、電力需要が大き
な昼間においては、コンプレッサ側嵌脱装置32bが離
脱するように制御されて低圧コンプレッサ33、中間コ
ンプレッサ35および高圧コンプレッサ38とは非接続
状態となり、ガスタービン側嵌脱装置32aが嵌合する
ように制御されて高圧ガスタービン26および低圧ガス
タービン30とは接続状態となって、高圧ガスタービン
26および低圧ガスタービン30により発電機として駆
動されて発電を行なう。
【0030】上述のように、電力需要が小さな夜間にお
いては、ガスタービン側嵌脱装置32aが離脱状態に置
かれ、電動発電機32が、高圧ガスタービン26および
低圧ガスタービン30側とは非接続状態となり、他方、
コンプレッサ側嵌脱装置32bが嵌合状態に置かれて、
電動発電機32が、低圧コンプレッサ33、中間コンプ
レッサ35および高圧コンプレッサ38側と接続状態と
なって、余剰電力により低圧コンプレッサ33、中間コ
ンプレッサ35および高圧コンプレッサ38を駆動する
電動機として作動し、圧縮空気を貯蔵する。
いては、ガスタービン側嵌脱装置32aが離脱状態に置
かれ、電動発電機32が、高圧ガスタービン26および
低圧ガスタービン30側とは非接続状態となり、他方、
コンプレッサ側嵌脱装置32bが嵌合状態に置かれて、
電動発電機32が、低圧コンプレッサ33、中間コンプ
レッサ35および高圧コンプレッサ38側と接続状態と
なって、余剰電力により低圧コンプレッサ33、中間コ
ンプレッサ35および高圧コンプレッサ38を駆動する
電動機として作動し、圧縮空気を貯蔵する。
【0031】すなわち、夜間における余剰電力により駆
動される電動発電機32は、コンプレッサ側嵌脱装置3
2bを介して低圧コンプレッサ33を駆動する。低圧コ
ンプレッサ33は、吸気フィルタ34を通して取り入れ
た空気を圧縮した後、圧縮空気を冷却水tを使用して空
気冷却を行なう冷却器34を介して中間コンプレッサ3
5へと送る。中間コンプレッサ35は、冷却水tを使用
して空気冷却を行なう冷却器36により圧縮空気を冷却
しつつ圧縮した後、圧縮空気を冷却水tを使用して空気
冷却を行なう冷却器37を介して高圧コンプレッサ38
へと送る。高圧コンプレッサ38により高圧に圧縮され
た圧縮空気は、空気配管39、切替弁22を介して圧縮
空気貯蔵用海中浮体構造物20へと送られ、圧縮空気貯
蔵用海中浮体構造物20の空気貯蔵兼重り収容槽2内の
空気貯蔵部に貯蔵される。
動される電動発電機32は、コンプレッサ側嵌脱装置3
2bを介して低圧コンプレッサ33を駆動する。低圧コ
ンプレッサ33は、吸気フィルタ34を通して取り入れ
た空気を圧縮した後、圧縮空気を冷却水tを使用して空
気冷却を行なう冷却器34を介して中間コンプレッサ3
5へと送る。中間コンプレッサ35は、冷却水tを使用
して空気冷却を行なう冷却器36により圧縮空気を冷却
しつつ圧縮した後、圧縮空気を冷却水tを使用して空気
冷却を行なう冷却器37を介して高圧コンプレッサ38
へと送る。高圧コンプレッサ38により高圧に圧縮され
た圧縮空気は、空気配管39、切替弁22を介して圧縮
空気貯蔵用海中浮体構造物20へと送られ、圧縮空気貯
蔵用海中浮体構造物20の空気貯蔵兼重り収容槽2内の
空気貯蔵部に貯蔵される。
【0032】また、昼間、電力需要が大きくなると、コ
ンプレッサ側嵌脱装置32bが離脱状態に置かれ、電動
発電機32が、低圧コンプレッサ33、中間コンプレッ
サ35および高圧コンプレッサ38とは非接続状態とな
り、他方、ガスタービン側嵌脱装置32aが嵌合状態に
置かれて、電動発電機32が、高圧ガスタービン26お
よび低圧ガスタービン30と接続状態となって、高圧ガ
スタービン26および低圧ガスタービン30により発電
機として駆動されて発電を行なう。
ンプレッサ側嵌脱装置32bが離脱状態に置かれ、電動
発電機32が、低圧コンプレッサ33、中間コンプレッ
サ35および高圧コンプレッサ38とは非接続状態とな
り、他方、ガスタービン側嵌脱装置32aが嵌合状態に
置かれて、電動発電機32が、高圧ガスタービン26お
よび低圧ガスタービン30と接続状態となって、高圧ガ
スタービン26および低圧ガスタービン30により発電
機として駆動されて発電を行なう。
【0033】すなわち、上述の夜間における余剰電力に
より圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物20に貯蔵された圧
縮空気は、空気配管23を介してガスタービン発電シス
テムの再生機24へ送られる。再生器24において、低
圧ガスタービン30から排出された排出ガスと熱交換を
して熱せられた圧縮空気は、空気配管25を介して高圧
ガスタービン26を回転駆動した後、空気配管27を介
して燃焼室28へ送られる。燃焼室28は、燃料供給路
28aを通して送られた燃料を空気配管27を通して送
られた空気によって燃焼させる。燃焼室28において燃
焼し高温となった燃焼ガスは燃焼ガス配管29を介して
低圧ガスタービン30へ送られ、低圧ガスタービン30
を回転駆動する。低圧ガスタービン30から排出された
排出ガスは上記の再生器24において空気配管23を通
して送られた圧縮空気を熱した後、煙突31へと送られ
る。このようにして、電動発電機32は、高圧ガスター
ビン26および低圧ガスタービン30により発電機とし
て駆動されて発電を行なう。
より圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物20に貯蔵された圧
縮空気は、空気配管23を介してガスタービン発電シス
テムの再生機24へ送られる。再生器24において、低
圧ガスタービン30から排出された排出ガスと熱交換を
して熱せられた圧縮空気は、空気配管25を介して高圧
ガスタービン26を回転駆動した後、空気配管27を介
して燃焼室28へ送られる。燃焼室28は、燃料供給路
28aを通して送られた燃料を空気配管27を通して送
られた空気によって燃焼させる。燃焼室28において燃
焼し高温となった燃焼ガスは燃焼ガス配管29を介して
低圧ガスタービン30へ送られ、低圧ガスタービン30
を回転駆動する。低圧ガスタービン30から排出された
排出ガスは上記の再生器24において空気配管23を通
して送られた圧縮空気を熱した後、煙突31へと送られ
る。このようにして、電動発電機32は、高圧ガスター
ビン26および低圧ガスタービン30により発電機とし
て駆動されて発電を行なう。
【0034】
【実施例】本発明に係る圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物
20の1実施例としての設計例を以下に示す。 空気貯蔵兼重り収容槽2の内径D 25m 空気貯蔵兼重り収容槽2の高さH 25m 海水面と空気貯蔵兼重り収容槽2内の水面との差HH 417m 上記条件により設計すると、 貯蔵圧縮空気圧力 41.5ata 貯蔵空気容積 12300m3 貯蔵空気量 637.3ton 圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物20の製造に要する部材
量は、 空気貯蔵兼重り収容槽2 410ton 浮き槽1 360ton 吊り構造4 3030ton 重り5の重量 29120ton 重り5の海水中での重量 11940ton 上記圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物20を、15基製作
した上、図3のように水深500m以上の海域に設置す
れば、40万Kwのガスタービン発電機を6時間にわた
って運転することが可能である。
20の1実施例としての設計例を以下に示す。 空気貯蔵兼重り収容槽2の内径D 25m 空気貯蔵兼重り収容槽2の高さH 25m 海水面と空気貯蔵兼重り収容槽2内の水面との差HH 417m 上記条件により設計すると、 貯蔵圧縮空気圧力 41.5ata 貯蔵空気容積 12300m3 貯蔵空気量 637.3ton 圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物20の製造に要する部材
量は、 空気貯蔵兼重り収容槽2 410ton 浮き槽1 360ton 吊り構造4 3030ton 重り5の重量 29120ton 重り5の海水中での重量 11940ton 上記圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物20を、15基製作
した上、図3のように水深500m以上の海域に設置す
れば、40万Kwのガスタービン発電機を6時間にわた
って運転することが可能である。
【0035】
【発明の効果】本発明の圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物
およびその組立方法のうち、まず本発明の圧縮空気貯蔵
用海中浮体構造物によれば、以下のような効果が得られ
る。 (1)縦型筒状面と同縦型筒状面の上下両端にそれぞれ
なめらかに連続しかつなめらかな曲面を形成する凸曲面
とを有する外形輪郭の密閉容器により形成された空気貯
蔵兼重り収容槽と、縦型筒状面と同縦型筒状面の少なく
とも下端になめらかに連続しかつなめらかな曲面を形成
する凸曲面とを有する外形輪郭の密閉容器により形成さ
れた浮き槽とが、吊り構造によって相互に連結され、上
記空気貯蔵兼重り収容槽には重りが収容されているの
で、空気貯蔵兼重り収容槽および浮き槽の胴部が筒状構
造であることにより吊り構造を各槽の外周のみに配置す
ることが可能となって構成がシンプルなものとなり簡素
化され、海水圧を利用して空気貯蔵兼重り収容層槽の耐
圧性能を低く抑えることが可能となり、海面上に設置す
る浮き槽の浮沈により空気貯蔵兼重り収容槽内にはほぼ
一定圧力の圧縮空気の貯蔵が可能となり、大型船舶並の
大きさとしてさらに水深数百mの海に浮かべることが可
能となって地震、津浪、波浪及び暴風雨等の自然の影響
を陸上設置の設備に比し大幅に軽減することができ、機
能性が高く高効率の運転が可能であり、浮力が安定して
いて安全に使用することができ、海底での土木工事はア
ンカーの沈設以外は不要であり、しかも建設費及び用地
費が極めて少なくて済む(請求項1)。 (2)上記空気貯蔵兼重り収容槽が、同空気貯蔵兼重り
収容槽内に貯蔵された圧縮空気と常に外部の等深度の水
圧に等しい水圧で接する水面を形成する海水を同空気貯
蔵兼重り収容槽内に導入するための海水給排用開口部を
有しているので、海水圧とのバランスを利用して空気貯
蔵兼重り収容層槽の耐圧性能を低く抑えることができ、
海面上に設置する浮き槽の浮沈により空気貯蔵兼重り収
容槽内にはほぼ一定圧力の圧縮空気を貯蔵することがで
き、大型船舶並の大きさとしてさらに水深数百mの海に
浮かべることが可能となって地震、津浪、波浪及び暴風
雨等の自然の影響を陸上設置の設備に比し大幅に軽減す
ることができ、機能性が高く高効率の運転が可能であ
り、浮力が安定していて安全に使用することができる
(請求項2)。 (3)上記吊り構造の少なくとも一部が、上記浮き槽側
の圧縮空気供給部と上記空気貯蔵兼重り収容槽とを連通
し圧縮空気を上記浮き槽側の上記圧縮空気供給部から上
記空気貯蔵兼重り収容槽へ輸送することが可能な管体に
より構成されているので、同管体により構成された吊り
構造を圧縮空気の給排管として利用することにより、浮
き槽側の圧縮空気供給部から安全かつ確実に効率良く圧
縮空気を空気貯蔵兼重り収容槽内へ送り込むことがで
き、また逆に圧縮空気を使用する際には、空気貯蔵兼重
り収容槽内から圧縮空気を取り出すことができる(請求
項3)。 (4)上記重りが水等の輸送媒体により管輸送が可能な
砂、砂利等の重りであり、上記吊り構造の少なくとも一
部が、上記浮き槽側の重り投入部と上記空気貯蔵兼重り
収容槽とを連通し上記重りを上記浮き槽側の上記重り投
入部から上記空気貯蔵兼重り収容槽へ輸送することが可
能な管体により構成されているので、同管体により構成
された吊り構造を重りの輸送管として利用することによ
り浮き槽内から安全かつ確実に効率良く重りを空気貯蔵
兼重り収容槽内へ送り込むことが可能となる(請求項
4)。次に本発明の圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物の組
立方法によれば、以下のような効果が得られる。 (5)空気貯蔵兼重り収容槽と浮き槽とが吊り構造によ
って相互に連結されて構成される圧縮空気貯蔵用海中浮
体構造物の組立方法であって、まず空気貯蔵兼重り収容
槽及び浮き槽を、それぞれ個別に陸上設備により製作し
た後、上記空気貯蔵兼重り収容槽及び浮き槽を設置海域
へ曳航し、設置海域において作業台船により上記空気貯
蔵兼重り収容槽を吊り、同空気貯蔵兼重り収容槽に順次
上記吊り構造を溶接しながら継ぎ足して上記空気貯蔵兼
重り収容槽を吊り降ろし、次いで上記浮き槽を上記作業
台船に搬入して上記吊り構造と溶接接続して、最終的に
上記圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物を完成するようにし
たので、陸上設備が空気貯蔵兼重り収容槽及び浮き槽
を、それぞれ個別に製作するのに必要な設備であれば良
く、また陸上設備から設置海域までの運搬の際にも空気
貯蔵兼重り収容槽及び浮き槽等を個別に運搬することが
できるので運搬が容易で安全であり、設置海域において
作業台船により空気貯蔵兼重り収容槽を吊ることによ
り、組立作業中は安定して確実に空気貯蔵兼重り収容槽
を保持することができ、吊り構造を溶接しながら順次継
ぎ足していくことにより圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物
を大型船舶並の大きさとしてさらに水深数百mの海に浮
かべることが可能となって地震、津浪、波浪及び暴風雨
等の自然の影響を陸上設置の設備に比し大幅に軽減する
ことができ、しかも建設費及び用地費が極めて少なくて
済む(請求項5)。
およびその組立方法のうち、まず本発明の圧縮空気貯蔵
用海中浮体構造物によれば、以下のような効果が得られ
る。 (1)縦型筒状面と同縦型筒状面の上下両端にそれぞれ
なめらかに連続しかつなめらかな曲面を形成する凸曲面
とを有する外形輪郭の密閉容器により形成された空気貯
蔵兼重り収容槽と、縦型筒状面と同縦型筒状面の少なく
とも下端になめらかに連続しかつなめらかな曲面を形成
する凸曲面とを有する外形輪郭の密閉容器により形成さ
れた浮き槽とが、吊り構造によって相互に連結され、上
記空気貯蔵兼重り収容槽には重りが収容されているの
で、空気貯蔵兼重り収容槽および浮き槽の胴部が筒状構
造であることにより吊り構造を各槽の外周のみに配置す
ることが可能となって構成がシンプルなものとなり簡素
化され、海水圧を利用して空気貯蔵兼重り収容層槽の耐
圧性能を低く抑えることが可能となり、海面上に設置す
る浮き槽の浮沈により空気貯蔵兼重り収容槽内にはほぼ
一定圧力の圧縮空気の貯蔵が可能となり、大型船舶並の
大きさとしてさらに水深数百mの海に浮かべることが可
能となって地震、津浪、波浪及び暴風雨等の自然の影響
を陸上設置の設備に比し大幅に軽減することができ、機
能性が高く高効率の運転が可能であり、浮力が安定して
いて安全に使用することができ、海底での土木工事はア
ンカーの沈設以外は不要であり、しかも建設費及び用地
費が極めて少なくて済む(請求項1)。 (2)上記空気貯蔵兼重り収容槽が、同空気貯蔵兼重り
収容槽内に貯蔵された圧縮空気と常に外部の等深度の水
圧に等しい水圧で接する水面を形成する海水を同空気貯
蔵兼重り収容槽内に導入するための海水給排用開口部を
有しているので、海水圧とのバランスを利用して空気貯
蔵兼重り収容層槽の耐圧性能を低く抑えることができ、
海面上に設置する浮き槽の浮沈により空気貯蔵兼重り収
容槽内にはほぼ一定圧力の圧縮空気を貯蔵することがで
き、大型船舶並の大きさとしてさらに水深数百mの海に
浮かべることが可能となって地震、津浪、波浪及び暴風
雨等の自然の影響を陸上設置の設備に比し大幅に軽減す
ることができ、機能性が高く高効率の運転が可能であ
り、浮力が安定していて安全に使用することができる
(請求項2)。 (3)上記吊り構造の少なくとも一部が、上記浮き槽側
の圧縮空気供給部と上記空気貯蔵兼重り収容槽とを連通
し圧縮空気を上記浮き槽側の上記圧縮空気供給部から上
記空気貯蔵兼重り収容槽へ輸送することが可能な管体に
より構成されているので、同管体により構成された吊り
構造を圧縮空気の給排管として利用することにより、浮
き槽側の圧縮空気供給部から安全かつ確実に効率良く圧
縮空気を空気貯蔵兼重り収容槽内へ送り込むことがで
き、また逆に圧縮空気を使用する際には、空気貯蔵兼重
り収容槽内から圧縮空気を取り出すことができる(請求
項3)。 (4)上記重りが水等の輸送媒体により管輸送が可能な
砂、砂利等の重りであり、上記吊り構造の少なくとも一
部が、上記浮き槽側の重り投入部と上記空気貯蔵兼重り
収容槽とを連通し上記重りを上記浮き槽側の上記重り投
入部から上記空気貯蔵兼重り収容槽へ輸送することが可
能な管体により構成されているので、同管体により構成
された吊り構造を重りの輸送管として利用することによ
り浮き槽内から安全かつ確実に効率良く重りを空気貯蔵
兼重り収容槽内へ送り込むことが可能となる(請求項
4)。次に本発明の圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物の組
立方法によれば、以下のような効果が得られる。 (5)空気貯蔵兼重り収容槽と浮き槽とが吊り構造によ
って相互に連結されて構成される圧縮空気貯蔵用海中浮
体構造物の組立方法であって、まず空気貯蔵兼重り収容
槽及び浮き槽を、それぞれ個別に陸上設備により製作し
た後、上記空気貯蔵兼重り収容槽及び浮き槽を設置海域
へ曳航し、設置海域において作業台船により上記空気貯
蔵兼重り収容槽を吊り、同空気貯蔵兼重り収容槽に順次
上記吊り構造を溶接しながら継ぎ足して上記空気貯蔵兼
重り収容槽を吊り降ろし、次いで上記浮き槽を上記作業
台船に搬入して上記吊り構造と溶接接続して、最終的に
上記圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物を完成するようにし
たので、陸上設備が空気貯蔵兼重り収容槽及び浮き槽
を、それぞれ個別に製作するのに必要な設備であれば良
く、また陸上設備から設置海域までの運搬の際にも空気
貯蔵兼重り収容槽及び浮き槽等を個別に運搬することが
できるので運搬が容易で安全であり、設置海域において
作業台船により空気貯蔵兼重り収容槽を吊ることによ
り、組立作業中は安定して確実に空気貯蔵兼重り収容槽
を保持することができ、吊り構造を溶接しながら順次継
ぎ足していくことにより圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物
を大型船舶並の大きさとしてさらに水深数百mの海に浮
かべることが可能となって地震、津浪、波浪及び暴風雨
等の自然の影響を陸上設置の設備に比し大幅に軽減する
ことができ、しかも建設費及び用地費が極めて少なくて
済む(請求項5)。
【図1】本発明の圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物の基本
構成を説明するための概念的なモデルの縦断面図であ
る。
構成を説明するための概念的なモデルの縦断面図であ
る。
【図2】本発明の一実施の形態に係る圧縮空気貯蔵用海
中浮体構造物の要部概略側面図である。
中浮体構造物の要部概略側面図である。
【図3】本発明の圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物の係留
方式の1例を示す平面図である。
方式の1例を示す平面図である。
【図4】本発明の圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物を陸上
設備で製作する際の1例を示す斜視図である。
設備で製作する際の1例を示す斜視図である。
【図5】本発明の圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物の組立
用浮き槽を設置海域へ曳航する状況を示す斜視図であ
る。
用浮き槽を設置海域へ曳航する状況を示す斜視図であ
る。
【図6】本発明の圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物の吊り
構造を作業台船により溶接接続して延長する作業の1例
を示す斜視図である。
構造を作業台船により溶接接続して延長する作業の1例
を示す斜視図である。
【図7】本発明の圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物の組立
作業において作業台船に浮き槽を導入する作業の1例を
示す斜視図である。
作業において作業台船に浮き槽を導入する作業の1例を
示す斜視図である。
【図8】本発明の圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物をガス
タービン発電システムに適用した場合の1例を示すシス
テム系統図である。
タービン発電システムに適用した場合の1例を示すシス
テム系統図である。
1 浮き槽 1a 浮き槽天井面 1b 浮き槽底面 1c 喫水下限位置 1d 喫水上限位置 2 空気貯蔵兼重り収容槽 2a 空気貯蔵兼重り収容槽天井面 2b 空気貯蔵部 3 重り収容部 3a 重りの上面 3b 空気貯蔵兼重り収容槽底面 4 吊り構造 5 重り 6 海水連通管 7 給排気管 8 海水面 9 圧縮空気接触水面 11 浮き槽側スカート 12 空気貯蔵兼重り収容槽側スカート 13 給排気管兼係留フレーム 13a 給排気管兼連結鋼管 14 係留フレームフロート 15 係留フロート 16 係留鋼管 17 地上設備 18 タグボート 19 作業台船 20 圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物 21,23,25,27,39 空気配管 24 再生器 26 高圧ガスタービン 28 燃焼器 28a 燃料供給路 29 燃焼ガス配管 30 低圧ガスタービン 31 煙突 32 電動発電機 32a ガスタービン側嵌脱装置 32b コンプレッサ側嵌脱装置 33 低圧コンプレッサ 33a 吸気フィルタ 34,36,37 冷却器 35 中間コンプレッサ 38 高圧コンプレッサ 39 空気配管 t 冷却水
Claims (5)
- 【請求項1】 縦型筒状面と同縦型筒状面の上下両端に
それぞれなめらかに連続しかつなめらかな曲面を形成す
る凸曲面とを有する外形輪郭の密閉容器により形成され
た空気貯蔵兼重り収容槽と、縦型筒状面と同縦型筒状面
の少なくとも下端になめらかに連続しかつなめらかな曲
面を形成する凸曲面とを有する外形輪郭の密閉容器によ
り形成された浮き槽とが、吊り構造によって相互に連結
され、上記空気貯蔵兼重り収容槽には重りが収容されて
いることを特徴とする、圧縮空気貯蔵用海中浮体構造
物。 - 【請求項2】 請求項1に記載の圧縮空気貯蔵用海中浮
体構造物において、上記空気貯蔵兼重り収容槽が、同空
気貯蔵兼重り収容槽内に貯蔵された圧縮空気と常に外部
の等深度の水圧に等しい水圧で接する水面を形成する海
水を同空気貯蔵兼重り収容槽内に導入するための海水給
排用開口部を有していることを特徴とする、圧縮空気貯
蔵用海中浮体構造物。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の圧縮空気貯蔵
用海中浮体構造物において、上記吊り構造の少なくとも
一部が、上記浮き槽側の圧縮空気供給部と上記空気貯蔵
兼重り収容槽とを連通し圧縮空気を上記浮き槽側の上記
圧縮空気供給部から上記空気貯蔵兼重り収容槽へ輸送す
ることが可能な管体により構成されていることを特徴と
する、圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1つに記載
の圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物において、上記重りが
水等の輸送媒体により管輸送が可能な砂、砂利等の重り
であり、上記吊り構造の少なくとも一部が、上記浮き槽
側の重り投入部と上記空気貯蔵兼重り収容槽とを連通し
上記重りを上記浮き槽側の上記重り投入部から上記空気
貯蔵兼重り収容槽へ輸送することが可能な管体により構
成されていることを特徴とする、圧縮空気貯蔵用海中浮
体構造物。 - 【請求項5】 空気貯蔵兼重り収容槽と浮き槽とが吊り
構造によって相互に連結されて構成される圧縮空気貯蔵
用海中浮体構造物の組立方法であって、まず空気貯蔵兼
重り収容槽及び浮き槽を、それぞれ個別に陸上設備によ
り製作した後、上記空気貯蔵兼重り収容槽及び浮き槽を
設置海域へ曳航し、設置海域において作業台船により上
記空気貯蔵兼重り収容槽を吊り、同空気貯蔵兼重り収容
槽に順次上記吊り構造を溶接しながら継ぎ足して上記空
気貯蔵兼重り収容槽を吊り降ろし、次いで上記浮き槽を
上記作業台船に搬入して上記吊り構造と溶接接続して、
最終的に上記圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物を完成する
ことを特徴とする、圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物の組
立方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8324770A JPH10152192A (ja) | 1996-11-20 | 1996-11-20 | 圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物およびその組立方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8324770A JPH10152192A (ja) | 1996-11-20 | 1996-11-20 | 圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物およびその組立方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10152192A true JPH10152192A (ja) | 1998-06-09 |
Family
ID=18169487
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8324770A Withdrawn JPH10152192A (ja) | 1996-11-20 | 1996-11-20 | 圧縮空気貯蔵用海中浮体構造物およびその組立方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10152192A (ja) |
-
1996
- 1996-11-20 JP JP8324770A patent/JPH10152192A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040203 |