JPH10151441A - 汚水処理方法およびそれに用いる処理剤の製造方法 - Google Patents

汚水処理方法およびそれに用いる処理剤の製造方法

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JPH10151441A
JPH10151441A JP32755296A JP32755296A JPH10151441A JP H10151441 A JPH10151441 A JP H10151441A JP 32755296 A JP32755296 A JP 32755296A JP 32755296 A JP32755296 A JP 32755296A JP H10151441 A JPH10151441 A JP H10151441A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚水の濃度に関係なく、清澄な放流水を得る
ことができるとともに、田畑に還元できる汚泥を得るこ
とができ、処理過程において無臭化を達成することがで
きる、汚水処理方法を得る。 【解決手段】 汚水処理施設10の反応混練槽14で、
反応第1剤および反応第2剤と汚水とを混練し、調整槽
22で曝気攪拌する。固液分離装置24で第1の固液分
離を行い、上澄液を曝気槽26に移送する。曝気槽26
の水を反応槽28の処理剤に接触させ、曝気槽26で曝
気攪拌する。さらに、反応接触槽44で反応第1剤を供
給し、沈殿槽48で固体部分を沈殿させる。上澄液を急
速濾過装置54で濾過し、さらに処理剤ペレット濾過装
置56を通して放流する。処理剤は、腐植を8〜11気
圧,60〜80℃の環境下において処理することにより
作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は汚水処理方法およ
びそれに用いられる処理剤の製造方法に関し、特にたと
えば、畜産,食品加工で排出される汚水および一般雑排
水などのような有機物を含む汚水を処理するための、汚
水処理方法およびそれに用いられる処理剤の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】現在の汚水処理の基準として、平成7年
12月27日号外建設省告示第2094号において、建
築基準法施行令第32条の規定に基づき、屎尿の浄化に
関する基準が定められている。これは、屎尿の浄化に関
する基準であるが、全ての浄化装置はこの基準に準拠し
なければならないことになっており、下水道法の基準も
この基準と大きい差はない。このような基準は、活性汚
泥法などの生物学的浄化理論を前提としている。
【0003】このような生物学的浄化理論は、要する
に、微生物を大量に育て、その増殖と生存のためのエネ
ルギー給元を汚物に求めることを利用し、最終的に有機
物を水と炭酸ガスに分解することである。増殖した微生
物は、最終的に死骸となり、それが汚泥として排出され
る。
【0004】活性汚泥法では、まず汚水が原水槽に貯留
される。原水槽に貯留された汚水は曝気槽に送られ、曝
気することによって酸素が与えられる。このような曝気
による好気的環境のもとで、微生物が増殖する。曝気さ
れた汚水は、沈殿槽に送られる。微生物が汚水中で増殖
する際、微生物の凝集フロック形成反応により、フロッ
クが形成される。凝集フロック形成は、汚水中に含まれ
る高分子物質、すなわち多糖類,蛋白質,核酸およびそ
れらの複合体、さらに脂質を含む複合体と菌細胞とが結
合して生じる現象である。このようにして発生するフロ
ックが沈殿し、清澄水と汚泥とに分離される。そして、
清澄水が河川に放流され、汚泥は排棄される。清澄水を
放流する際、滅菌のために塩素が添加される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな活性汚泥法では、微生物によるフロック形成に時間
がかかる。フロック形成は、活性汚泥と高分子との会合
から、早くて1時間で開始する。そして、20時間後に
至って顕著なフロック生成過程が発現し、120時間後
にピークに達する。フロック形成の発現期は溶媒資質に
影響され、もっとも早い反応を示す濃糖質の中でも、反
応の開始から50分後に平準反応に達する。曝気などに
よる酸素の供給により、反応時間が加速されるというこ
とはない。50分後の反応量では、ようやく10%の増
加がみられる程度である。
【0006】糖質の分解フロック形成において際立った
特性をもつシュードモナス12菌の増殖速度は5.0日
であるが、これは細菌類の増殖速度の平均である48.
3日をはるかに上回り、倍加速度の0.83時間につい
ても細菌類の平均を大きく上回る。このようなシューモ
ドナス菌でも、その能力を完全に発現するには、120
時間を要する。現実の浄化に参加する各菌においては、
その能力を発現するのに必要な時間の平均は1159時
間と計算されている。さらに、フロック形成に顕著な効
果を示すロードコッカスエリスロポリス菌も、時間的見
地からみれば、シュードモナス菌と大差はない。
【0007】しかも、これらの微生物の増殖による浄化
は、豊富な酸素の供給を前提としている。活性汚泥法で
は、酸素が比較的潤沢に供給される場所は曝気槽のみで
あり、汚水の前処理段階や沈殿槽などでは、むしろ嫌気
的環境が与えられている。そのため、このような嫌気的
環境では、フロック形成菌の働きを阻害していると考え
られる。また、嫌気的環境は、脱窒および脱燐に効果を
もたらすと説明されているが、そこでは硫化物などによ
る臭気が発生する。
【0008】このような状況では、汚水処理施設を細か
く管理できる技術者が、ほとんど24時間つききりの体
制をとることにより、きれいな放流水を得ているという
のが実情である。しかも、比較的きれいな放流水を得ら
れるのは、処理すべき汚水が一般雑排水などのような低
濃度のものである。しかしながら、畜産農家において排
出される、たとえば豚の屎尿などのような高濃度の汚水
を処理する場合、活性汚泥法によってきれいな放流水を
得ることは、事実上不可能である。
【0009】また、きれいな放流水が得られる場合で
も、放流時に添加される塩素は、トリハロメタンなどの
有毒物質である発癌性ハロゲン化物を生成し、環境悪化
の原因となる。さらに、BOD値やCOD値などの放流
水質基準を経常的に守ることが困難であり、透視度の確
保が不完全であるなどの理由により、放流水の再利用が
困難である。
【0010】また、汚泥については、乾燥すれば膠質の
強固な塊状物質となり、雨水などに触れると、粘着質の
糊状物質に変化すること、重金属が単離して存在するこ
と、臭気が強烈であることなどにより、田畑に還元する
ことは困難である。そこで、山間を囲って汚泥を投棄す
る方法が考えられるが、用地費や運搬費などが増大し、
環境破壊につながる要因をかかえている。また、汚泥を
焼却する方法では、煙害、大気汚染、二酸化炭素の累積
などによる環境破壊の問題がある。
【0011】それゆえに、この発明の主たる目的は、汚
水の濃度に関係なく、清澄な放流水を得ることができる
とともに、田畑に還元できる汚泥を得ることができ、処
理過程において無臭化を達成することができる、汚水処
理方法を提供することである。さらに、この発明の他の
目的は、このような汚水処理方法に用いられる処理剤の
製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、Ca,S
i,Al,Se,Mg,Ti,K,Na,Cの中から選
ばれる複数の無機化合物からなる反応第1剤と汚水とを
混練する工程と、ラジカル酸化助剤からなる反応第2剤
と汚水とを混練する工程と、反応第1剤および反応第2
剤と混練した汚水について第1の固液分離を行う工程
と、第1の固液分離によって得られる液体と腐植から得
られる処理剤とを接触攪拌する工程と、処理剤と接触攪
拌した液体について第2の固液分離を行う工程と、第2
の固液分離によって得られた液体を放流するとともに、
汚水と反応第1剤および反応第2剤とを混練する工程に
返送する工程と、第1の固液分離の工程および第2の固
液分離の工程で得られる固体を汚水と反応第1剤および
反応第2剤とを混練する工程に返送する工程とを含む、
汚水処理方法である。この汚水処理方法において、第1
の固液分離によって得られる液体と処理剤とを接触攪拌
する工程の後に、さらに反応第1剤と混練する工程を付
け加えてもよい。さらに、第2の固液分離を行う工程の
後に、さらに第2の固液分離で得られた液体と処理剤と
を接触させる工程を付け加えてもよい。また、この発明
は、腐植を8〜11気圧の圧力および60〜80℃の温
度の環境下において粘土状物質と高分子電解質とに分離
し、粘土状物質と高分子電解質とを混練したのち自然除
湿することによって形成される、処理剤の製造方法であ
る。この処理剤の製造方法において、自然除湿は、50
〜80℃の温度において行われることが望ましい。
【0013】反応第1剤および反応第2剤と汚水とを混
練することにより、汚水中に含まれる物質が急激に酸化
され、その作用に励起されたイオン交換(交換吸着)、
吸着、高分子架橋、キレート化、錯体生成、重合などの
化学変化が引き起こされる。それにより、巨大分子構造
物が析出され、第1段階の固液分離が行われる。反応第
1剤および反応第2剤によって、汚水中の物質が酸化さ
れ、その物質からの水素の離脱および電子の喪失を伴っ
て、激しく泡立つ現象がみられる。炭素を含む有機化合
物では、中心に金属イオンを持つ錯体の生成が進み、汚
濁物の原質は急激な化学反応を繰り返す。このとき、反
応第1剤の溶解によるエントロピーの増大により温度が
上昇し、化学反応が促進される。
【0014】さらに、汚水は、腐植から得られる処理剤
と接触攪拌される。腐植は、自然界において、土壌中に
含まれる動植物が分解し、それによって生じる有機酸の
縮重合反応によって、不溶性化合物が生成されたもので
ある。新鮮な有機物が重合度の高い化合物へ変化する過
程を腐植化過程と言い、腐植化は有機質の無機化を伴う
安定化の過程である。腐植化の過程における温度,湿潤
度,養分度などという与件による進行妨害が、キレート
生成を促し、腐植に多価のキレート能をもたらす。
【0015】腐植のもつ化学変化潜在力は、動物,植
物,微生物遺体を給元とする土壌中における化合物の生
成過程に依拠し、腐植に含まれる腐植酸,フルボ酸,ヒ
ューミンは、カルボキシル基,カルボニル基,フェノー
ル性水酸基,アルコール性水酸基,メトキシル基,アミ
ノ基など、多数の官能基を含み、これらの官能基の反応
性は高い。土壌中で形成されたこのような非晶質高分子
有機化合物の特性は、化学物質としての高分子材である
とともに、粘土鉱物でもある。粘土鉱物は蛋白質を吸着
し、酵素も粘土とイオン結合することにより土質中の酵
素の安定化を得ている。
【0016】腐植を8〜11気圧の圧力および60〜8
0℃の温度の環境下において粘土状物質と高分子電解質
とに分離し、これらの粘土状物質と高分子電解質とを混
練して自然除湿することによって、汚水処理を行うため
の処理剤が形成される。この処理剤の製造方法におい
て、自然除湿は、50〜80℃の温度において行われる
ことが望ましい。このような製造方法を採用することに
より、さまざまな官能基を有する粘土質の処理剤が得ら
れる。
【0017】このような処理剤に汚水を接触させること
により、処理剤に含まれるフルボ酸が鉄やアルミニウム
と錯体を形成し、腐植酸も金属イオンと錯体を形成す
る。この有機物の一部が微生物的酸化を受けると、金属
−高分子有機酸の重合度が高まり、急速に沈殿すること
が知られている。これは、微生物反応といっても微生物
の代謝作用に惹起される反応であって、錯体化学反応と
して捉えられるものである。
【0018】このような処理剤による反応としては、た
とえば、陽イオン固定、燐酸固定、重合、キレート化、
錯体生成、吸着、イオン交換、高分子架橋などがある。
陽イオン固定は、処理剤の粘土性質により、O原子で囲
まれた6角形状の窪みをもつ4面体層の表面結晶格子
に、K,Cs,NH4 などのイオンが進入し、固定され
る反応である。燐酸固定は、処理剤中の粘土状物質,三
二酸化物および水酸化物などによって、PO4 が固定さ
れる反応である。また、AlやFeの酸化物および水酸
化物も、PO4 と強く結合する。
【0019】重合は、低分子の単量体が結合し、大きい
分子が合成される反応である。重合の1つの形態として
縮重合があり、縮重合は、重合体が生成する際に、水分
子のような小さい分子が取り除かれ、線状の高分子化合
物が得られる反応である。処理剤には多数の官能基が含
まれており、汚水中に含まれる有機物質中の官能基を有
する分子と反応して次々と縮重合をおこし、高分子重合
体が形成される。この高分子重合体が、固液分離の中核
となり、急速に塊状産物として重量化し沈降する。
【0020】キレート化は、環の中に1個以上の金属イ
オンを含む複素環式化合物を形成する化学反応であり、
膨大な錯体群の一部である。ここで、錯体とは、中心金
属イオンまたは中心金属原子の周りに、一定数の分子や
陰イオンが配位結合したものである。吸着は、巨大な内
表面積をもつ処理剤表面に、コロイド粒子状の溶質分子
および気体分子が大量に付着するものである。
【0021】イオン交換は、不溶性物質(固体)の分子
構造に結合または包含されたイオンが、外部の溶液中に
存在するイオンと交換される現象であり、処理剤によっ
て汚水中の金属イオンが置換除去される。また、処理剤
が凝集剤となって、高分子架橋が発生し、汚水中のコロ
イド粒子が凝集して沈殿する。さらに、処理剤中に含ま
れるフェノール類、キノン類、フェノールグルコサイド
類、フェノールカルボン酸類などが、抗菌力として働
く。また、腐植から得られる処理剤には、多くのミネラ
ル分が含まれており、放流水にミネラル分が与えられ
る。
【0022】イオン交換その他の化学作用によって新生
物質が生成される過程は、分子間の力学的接合力に依拠
しており、置換作用を経た分子は、汚泥質のもつ粘土表
面との相互作用により巨大分子の核となる。陽イオン架
橋はその1つの形態であり、処理剤のカルボキシル基,
水酸基などの官能基が、交換性陽イオンと水和した陽イ
オンで粘土と結合する。親和力は強いものではない。親
和力の強いものはキレート複合体の形成であり、処理剤
の官能基が陽イオン周辺の水分子と置換交換し、直接陽
イオンと相互作用するもので、隣接する2つの官能基が
1つの陽イオンと結合するキレート型複合体が形成され
る。この親和力は強い。陽イオン架橋によって吸着され
た処理剤の有機物の分子鎖のうち、未電荷の部分はファ
ンデルワールス力(分子間力)によって粘土表面と相互
作用する。
【0023】
【発明の効果】この発明によれば、反応第1剤によるイ
オン交換や反応第2剤による酸化などによって、汚水中
の固体成分が凝集するとともに、硫化水素,メチルメル
カブタン,アセトアルデヒドなとの悪臭物質を酸化し
て、短時間に臭気が除去される。この第1段階の反応に
より、ある程度の固液分離および臭気除去が行われる。
【0024】次に、腐植から得られる処理剤により、重
合,吸着,イオン交換,高分子架橋などにより、汚水中
の溶質が凝集し、巨大物質となって沈殿する。これによ
り、第1段階で除去できなかった固形物質が除去され
る。また、陽イオン固定によって、固液分離により得ら
れる上澄液から窒素が除去され、燐酸固定によって、固
液分離により得られる上澄液から燐酸が除去される。し
たがって、放流水中に窒素や燐酸が含まれず、河川,湖
および海の富栄養化を防止することができる。これらの
窒素や燐酸などは、固液分離された固体部分に固定され
るため、得られた汚泥を農作物のための肥料とすること
ができる。さらに、汚水中の金属の錯体化により、汚泥
中に金属が単離して存在せず、肥料としての使用が可能
である。
【0025】また、フェノール類などによる抗菌作用に
より、放流水から細菌を除去することができる。そのた
め、放流時に塩素などによる滅菌の必要がなく、トリハ
ロメタンなどの発生を防止することができる。さらに、
汚泥にも抗菌作用があり、これを肥料などとして使用し
たときに、害虫などの忌避作用がある。
【0026】この発明の汚水処理方法では、汚水の固液
分離を2段階にわたって実施しているため、たとえば養
豚場における屎尿などのような超高濃度の汚水であって
も、きれいな放流水を得ることができる。しかも、分離
した汚泥には臭気がなく、手にべとつかず、農作物の肥
料として使用することができる。
【0027】この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施
の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の汚水処理方法
を用いた汚水処理施設の一例を示す図解図である。図中
において、矢印は、水または汚泥の流れを示している。
汚水処理施設10は、原水槽12を含む。原水槽12に
は、たとえば畜産廃水、食品加工廃水、濃縮雑廃水、産
業廃棄物・一般廃棄物濃縮廃水などが貯留される。原水
槽12に貯留された汚水は、反応混練槽14に移送され
る。このとき、たとえば破砕機などの夾雑物除去装置に
より、礫や粗大固形物などが除去される。
【0029】反応混練槽14の近傍には、反応第1剤供
給装置16および反応第2剤供給装置18が設置され
る。反応第1剤供給装置16には、Ca,Si,Al,
Se,Mg,Ti,K,Na,Cの中から選ばれる複数
の無機化合物からなる反応第1剤が充填される。また、
反応第2剤供給装置18には、三塩化鉄などのラジカル
酸化助剤からなる反応第2剤が充填される。これらの反
応第1剤供給装置16および反応第2剤供給装置18か
ら、反応混練槽14に反応第1剤および反応第2剤が供
給され、反応第1剤および反応第2剤と汚水とが、所定
時間混練攪拌される。このとき、汚水の濃度を調整する
ために、希釈水タンク20から希釈水が注入される。希
釈水としては、この汚水処理施設10で最終的に得られ
る上澄水が使用される。
【0030】反応混練槽14では、反応第1剤および反
応第2剤と汚水とを混練することにより、汚水中に含ま
れる物質が急激に酸化され、その作用に励起されたイオ
ン交換(交換吸着)、吸着、高分子架橋、キレート化、
錯体生成、重合などの化学変化が引き起こされる。それ
により、巨大分子構造物が析出される。また、汚水中の
硫化水素,メチルメルカブタン,アセトアルデヒドなど
の臭気物質が酸化されることにより、臭気が除去され
る。反応混練槽14で混練された汚水は、調整槽22に
移送される。調整槽22には、たとえばエアコンプレッ
サなどによって圧縮空気が送られ、汚水が曝気攪拌され
る。それによって、反応第1剤および反応第2剤と汚水
との反応が促進される。この調整槽22には、後述の固
液分離で得られる固形物が加えられる。
【0031】調整槽22で攪拌された汚水は、脱水機な
どの固液分離装置24に移送される。固液分離装置24
では、主として反応第1剤および反応第2剤との反応に
よって形成される固形分と水とが分離される。この第1
の固液分離によって得られる固形分は、後述の汚泥濃縮
槽に移送される。また、固液分離装置24で得られる分
離水は、曝気槽26に移送される。原水槽12に流入す
る汚水が、たとえばBODが30,000mg/l以上
の超高濃度汚水やBODが3,000〜30,000m
g/lの高濃度汚水の場合、固液分離装置24によって
得られる分離水は、まだ清澄な水とはいえない。
【0032】曝気槽26に移送された水は、反応装置2
8を通して、再び曝気槽26に返送される。反応装置2
8には、腐植から得られる処理剤が充填される。処理剤
を作製するために、たとえばニーダコンプレックスで8
〜11気圧の圧力が腐植に加えられ、60〜80℃の熱
環境をつくることにより、泥濘状物質が形成される。泥
濘状物質は、腐植から高分子電解質が液状に抽出された
状態であり、この高分子電解質を分離することなく原物
質とともに混練し、型で成形することにより、湿性ペレ
ットが形成される。得られた湿性ペレットは、50〜8
0℃の乾燥室において自然乾燥される。ここで、除湿機
などにより強制除湿しないのは、抽出された高分子電解
質を吸引し、空中に発散させないためである。そして、
自然除湿によって乾燥したペレットが、処理剤として用
いられる。なお、ペレットを粉砕精製した粉剤や、腐植
に加水して温度による調整をした液剤なども、汚水処理
に使用することができる。
【0033】反応装置28は、図2および図3に示すよ
うに、タンク30を含み、タンク30内に処理剤の円柱
状のカセット32が収納される。カセット32内には、
処理剤のペレットと珪酸塩とが充填される。珪酸塩は、
汚水と処理剤との反応を促進させるために用いられる。
タンク30には、汚水流入管34および流出管36が取
り付けられる。また、カセット32の下部には、空気管
38が配置され、この空気管38にエアコンプレッサな
どから送られてくる空気が通される。さらに、カセット
32が収納された部分には水位センサ40が取り付けら
れ、タンク30内の水量が検出される。この反応装置2
8は、制御装置42によって制御される。
【0034】曝気槽26の水は、汚水流入管34からタ
ンク30内に移送される。タンク30内では、カセット
32の収納された部分に水が一定量蓄積され、空気管3
8から吹き込まれる空気によって攪拌される。それによ
り、水と処理剤とが接触し、水と処理剤との反応が始ま
る。処理剤と接触した水は、流出管36から曝気槽26
に返送される。したがって、流出管36から出ていく量
に対応して、汚水流入管34から流入する水の量が制御
される。
【0035】曝気槽26では、エアコンプレッサなどか
ら圧縮空気が送り込まれ、処理剤と接触した汚水が曝気
攪拌される。なお、活性汚泥法による汚水処理では、微
生物に酸素を与えるために曝気が行われているが、この
発明の汚水処理方法では、汚水と処理剤との反応を促進
するための攪拌が曝気の主たる目的である。
【0036】曝気槽26では、重合,吸着,イオン交
換,高分子架橋などの反応により、汚水中の溶質が凝集
し、巨大物質となる。また、陽イオン固定によって、固
液分離により得られる上澄液から窒素が除去され、燐酸
固定によって、固液分離により得られる上澄液から燐酸
が除去される。さらに、汚水中の金属の錯体化により、
汚泥中に金属が単離して存在しなくなる。また、フェノ
ール類などによる抗菌作用により、上澄液から細菌が除
去される。
【0037】曝気槽26で曝気された水は、反応接触槽
44に移送される。反応接触槽44には、反応第1剤供
給装置46から、反応第1剤が供給される。曝気槽26
において、汚水と処理剤との反応が進み、ほとんど固相
と液相とに分離されるが、反応接触槽44では、まだ液
槽に滞留浮遊している固相を分離するために、反応第1
剤が与えられる。
【0038】反応接触槽44で反応第1剤が与えられた
水は、第2の固液分離のために、沈殿槽48に移送され
る。沈殿槽48では、汚水を静置することにより固相が
沈殿し、固相と液相とが分離される。分離された固体部
分は汚泥濃縮槽50に移送され、液体部分は濾過ポンプ
槽52に移送される。なお、汚泥濃縮層50には、固液
分離装置24で分離された汚泥も移送される。濾過ポン
プ槽52に移送された水は、濾過ポンプによって急速濾
過装置54に送られ、急速濾過装置54によって濾過さ
れる。急速濾過装置54に用いられる濾過材としては、
繊維層などのように物理的な濾過を行うものと、化学吸
着を行うものとが用いられる。化学吸着は、原子,分
子,イオンによる化学反応をともなう吸着である。ここ
で、最終段のBOD,COD,SSなどの除去が行われ
る。
【0039】急速濾過装置54で濾過された水は、処理
材ペレット濾過装置56に送られるとともに、その一部
が調整層22に返送される。処理材ペレット濾過装置5
6では、腐植から得られた処理材に水が通され、腐植由
来のミネラル分が水に供給される。このミネラル分が与
えられることにより、上質水が得られる。得られた上質
水は、放流水槽58から河川などに放流される。このと
き、放流水槽58の水の一部が、希釈水タンク20に送
られる。なお、処理材に含まれるフェノール類などによ
り、細菌が除去されているため、放流時に塩素などの滅
菌剤を投与する必要はない。
【0040】汚泥濃縮槽50で濃縮された汚泥は、汚泥
貯留槽60に移送され、さらに汚泥貯留槽60から脱水
装置62に移送される。脱水装置62では、汚泥を脱水
することによって汚泥ケーキを作製し、この汚泥ケーキ
が農作物の肥料として田畑などに還元される。そして、
脱水によって得られる水は、調整槽22に返送される。
【0041】なお、この汚水処理施設10の説明では、
反応第1剤,反応第2剤および処理剤などの機能をわか
りやすくするために、各槽における水と各反応剤および
処理剤との反応について説明した。しかしながら、調整
槽22よりあとの各槽においても、反応第1剤および反
応第2剤による反応は継続している。また、処理剤に接
触して得られた放流水槽58の水が希釈水として反応混
練槽14に返送され、処理剤に接触して得られた汚泥が
調整槽22に返送されている。したがって、反応混練槽
14や調整槽22においても、処理剤による反応は進ん
でいる。つまり、上述の各槽における反応は、汚水処理
施設10全体で行われていると考えてよい。
【0042】この汚水処理施設10では、従来の活性汚
泥法のような微生物による浄化と異なり、反応第1剤,
反応第2剤および処理剤による物理化学的な反応によ
り、固液分離が行われている。このように、この発明の
汚水処理方法と従来の汚水処理方法とは原理的に異な
り、微生物の活動に期待することなく、確実に汚水の浄
化を行うことができる。なお、反応第1剤,反応第2剤
および処理剤などは、毒性のものではなく、仮に、金属
化合物として微量含まれていても、急速濾過装置54や
処理剤ペレット濾過装置56で除去されるため、放流水
中に毒性の物質は存在しない。
【0043】また、従来の活性汚泥法による汚水処理で
は、養豚場からの屎尿などのような超高濃度の汚水を浄
化することができず、原水よりきれいになってはいるも
のの、なお一般雑廃水なみの放流水しか得られなかっ
た。それに対して、この汚水処理施設10では、固液分
離装置24および沈殿槽48による2段階の固液分離に
より、超高濃度の汚水でも、最終的に清澄な放流水を得
ることができる。
【0044】しかも、この汚水処理施設10では、臭気
成分が酸化されることにより、無臭で浄化処理を行うこ
とができる。さらに、放流水から窒素や燐酸が除去され
ているため、河川,湖,海などの富栄養化を防止するこ
とができる。また、滅菌のための塩素の投与が不要であ
るため、トリハロメタンなどの発生を防止することがで
きる。
【0045】この汚水処理方法で得られる水質基準は、
pH6.5〜6.9、BOD2.0〜3.0mg/l、
COD6.0〜8.0mg/l、SS2.0〜3.0m
g/l、大腸菌群数0〜1、透視度1,000mmであ
り、単離金属や有害金属の析出量は0であった。
【0046】また、分離された汚泥中には、上澄液から
除去された窒素や燐酸が固定されており、農作物の肥料
として用いることができる。しかも、汚水中の金属成分
が錯体化されることにより汚泥中には金属などの単離が
なく、手などにべとつかず、臭気がなく、処理剤に含ま
れるフェノール類などにより害虫忌避作用があり、肥料
としての取扱いが容易である。
【0047】なお、BOD値が500mg/l前後の比
較的低濃度の汚水の場合、図4に示すように、原水槽1
2、調整槽22、曝気槽26、反応装置28、沈殿槽4
8、処理剤ペレット濾過装置56、放流水槽58、汚泥
濃縮槽50、汚泥貯留槽60、脱水装置62などで汚水
処理施設10を構成してもよい。この汚水処理施設10
では、反応第1剤および反応第2剤が与えられていない
が、低濃度の汚水の場合、処理剤のみで汚水の浄化が可
能である。
【0048】また、この水処理方法は、汚水処理のみで
なく、井戸水や水道水の処理にも応用することができ
る。このような施設として、図5に示すような、畜舎の
環境整備施設を構成することができる。この環境整備施
設70は、原水槽72を有し、ここに井戸水や水道水が
蓄積される。この水は曝気槽74に移送され、反応装置
76で処理剤と接触させられる。処理剤と接触した水
は、貯留槽78に移送され、さらに圧送装置80に移送
される。圧送装置80によって水は畜舎に送られ、舍内
散水装置82からシャワーによって水を散布したり、舍
内飲水供給装置84から動物に飲用として与えられる。
【0049】このように、井戸水や水道水を処理剤に接
触させることによって、有害な不純物を取り除くととも
に、抗菌作用を与えることができ、シャワーによって畜
舎の汚濁物を清澄化するとともに、動物に水を飲ませる
ことによって健康の増進を図ることができる。
【0050】なお、反応装置28に用いられる処理剤の
カセット32としては、図6および図7に示すように、
6角柱状などの円柱状以外の形状にすることができる。
また、図8および図9に示すように、カセットを上下方
向に積層して、汚水と接触させることも可能である。こ
のように積層すれば、高濃度の汚水の浄化用に効果を発
揮するものと考えられる。このように、処理剤のカセッ
トの形状は、その目的に応じて、自由に設計可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の汚水浄化方法を用いた汚水処理施設
の一例を示す図解図である。
【図2】図1に示す汚水処理施設に用いられる反応装置
の一例を示す図解図である。
【図3】図2に示す反応装置の平面図解図である。
【図4】低濃度の汚水処理のための汚水処理施設の一例
を示す図解図である。
【図5】この発明の水処理方法を畜舎の環境整備施設に
応用した例を示す図解図である。
【図6】図2に示す反応装置の変形例を示す図解図であ
る。
【図7】図6に示す反応装置の平面図解図である。
【図8】図2に示す反応装置の他の変形例を示す図解図
である。
【図9】図8に示す反応装置の平面図解図である。
【符号の説明】
10 汚水処理施設 12 原水槽 14 反応混練槽 16 反応第1剤供給装置 18 反応第2剤供給装置 20 希釈水タンク 22 調整槽 24 固液分離装置 26 曝気槽 28 反応装置 30 タンク 32 カセット 34 汚水流入管 36 流出管 38 空気管 40 水位センサ 42 制御装置 44 反応接触槽 46 反応第1剤供給装置 48 沈殿槽 50 汚泥濃縮槽 52 濾過ポンプ槽 54 急速濾過装置 56 処理剤ペレット濾過装置 58 放流水槽 60 汚泥貯留槽 62 脱水装置。 70 環境整備施設 72 原水槽 74 曝気槽 76 反応装置 78 貯留槽 80 圧送装置 82 舎内散水装置 84 舍内飲水供給装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ca,Si,Al,Se,Mg,Ti,
    K,Na,Cの中から選ばれる複数の無機化合物からな
    る反応第1剤と汚水とを混練する工程、 ラジカル酸化助剤からなる反応第2剤と前記汚水とを混
    練する工程、 前記反応第1剤および前記反応第2剤と混練した前記汚
    水について第1の固液分離を行う工程、 前記第1の固液分離によって得られる液体と腐植から得
    られる処理剤とを接触攪拌する工程、 前記処理剤と接触攪拌した液体について第2の固液分離
    を行う工程、 前記第2の固液分離によって得られた液体を放流すると
    ともに、汚水と前記反応第1剤および前記反応第2剤と
    を混練する工程に返送する工程、および前記第1の固液
    分離の工程および前記第2の固液分離の工程で得られる
    固体を汚水と前記反応第1剤および前記反応第2剤とを
    混練する工程に返送する工程を含む、汚水処理方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の固液分離によって得られる液
    体と前記処理剤とを接触攪拌する工程の後に、さらに前
    記反応第1剤と混練する工程を含む、請求項1に記載の
    汚水処理方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の固液分離を行う工程の後に、
    さらに前記第2の固液分離で得られた液体と前記処理剤
    とを接触させる工程を含む、請求項1または請求項2に
    記載の汚水処理方法。
  4. 【請求項4】 腐植を8〜11気圧の圧力および60〜
    80℃の温度の環境下において粘土状物質と高分子電解
    質とに分離し、前記粘土状物質と前記高分子電解質とを
    混練したのち自然除湿することによって形成される、処
    理剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記自然除湿は、50〜80℃の温度に
    おいて行われる、請求項4に記載の処理剤の製造方法。
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