JPH1014960A - 手関節装具 - Google Patents

手関節装具

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JPH1014960A
JPH1014960A JP8195736A JP19573696A JPH1014960A JP H1014960 A JPH1014960 A JP H1014960A JP 8195736 A JP8195736 A JP 8195736A JP 19573696 A JP19573696 A JP 19573696A JP H1014960 A JPH1014960 A JP H1014960A
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radius
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Tomohiko Kamata
智彦 鎌田
Toshiro Nakamura
俊郎 中村
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NAKAMURA BUREISU KK
Nakamura Brace Co Ltd
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NAKAMURA BUREISU KK
Nakamura Brace Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の手関節装具は、構造が複雑でかさばり
装用感が悪く、高価なものが多かった。また、手に係止
するためにベルトを用いており、水濡れにあうと拭き取
りが困難であったり乾きにくく、非衛生的であり簡単な
水仕事もしにくいものであった。 【解決手段】 手関節の末梢側及び根幹側をそれぞれ固
定することによって手関節の角度を一定角度に保持する
ための装具であって、手背側から手掌側にかけて示指か
ら小指までの中手骨を周回する断面C字状の手固定部
と、該手背部分から橈骨前側に延びる連結部と、更に該
橈骨部分を該前側内方から尺骨後側に向けて螺旋状に周
回する尺橈骨固定部とによって構成される。また、湾曲
プラスチック板による一体成形品である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、手根管症候群に属
する種々の障害、或いはその他の手関節障害、更にはリ
ウマチによる変形の予防、橈骨神経麻痺などに対して効
果のある手関節保持用装具の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】関節装具装用による関節障害の治療は、
個々の症状に応じた適切な位置に関節位を保存すること
に他ならない。例えば手関節は、動作の意図に応じて掌
屈、背屈、橈側屈、尺側屈、或いはこれらを組み合わせ
て巧妙な調整が行なわれている関節である。障害発生時
には当然ながらこれらの調整機能にも支障を来している
ことが考えられるので、装具の処方には十分な注意が要
求される。
【0003】ここで手根管部における屈筋腱の滑膜性腱
鞘炎によって増殖した滑膜が正中神経を圧迫することよ
り生起される種々の障害、いわゆる手根管症候群を例に
採ってみると、このとき採用される装具は手背屈(10〜
20°の軽度背屈位) のものが好適であることが多い。そ
してこの時用いられる手関節装具には、その支持面を背
側に設けたものと掌側に設けたものの2種類がある。い
ずれにせよ手関節の運動支点を固定するため前腕骨末梢
側と手(中手骨など)を固定する必要があるので、これ
らをベルト又はそれに代わるもので周回させて係止して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが従来の手関節
装具には、以下のような欠点があった。まず欠点として
挙げられるベルトを装着する作業が面倒である点、布や
皮革等水に濡れると乾きにくい部材が使用されている点
などは、いずれも長期装用を妨げる大きな原因となって
いた。特に一旦水に濡れると乾きにくいため、気持ちが
悪く冬は冷えるし非常に具合の悪いものであり、これが
ために簡単な水仕事さえできなかった。
【0005】また、患部を固定するための硬い部材とベ
ルト等の柔らかい部材との組み合わせによって構成され
ているものであるが故に、部材同士の接続構造も含め構
造が複雑で重量があってかさばるものとなり易く、コス
トも高いものが多かった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記諸点に鑑み鋭意研究の結果遂に本発明を成したもので
あり、その特徴とするところは、手関節の末梢側及び根
幹側をそれぞれ固定することによって手関節の角度を一
定角度に保持するための装具であって、手背側から手掌
側にかけて示指から小指までの中手骨を周回する断面C
字状の手固定部と、該手背部分から橈骨前側に延びる連
結部と、更に該橈骨部分を該前側内方から尺骨後側に向
けて螺旋状に周回する尺橈骨固定部とによって構成され
る、湾曲プラスチック板による一体成形品である点にあ
る。
【0007】即ち本発明は、適当な角度(但し手背屈)
に手関節を保持するために、手(中手骨等)を上から下
に巻くようにして固定しつつ、前腕末梢側は下から上に
固定するようにした装具であると言うことができる。構
造的にいうと本発明の手関節装具は、手固定部と尺橈骨
固定部、及びこれらを連結する連結部の3つの部分から
成り立っている。また、プラスチック板を湾曲加工させ
た一体成形品としたことも重大な特徴となっている。
【0008】なお本明細書中において、身体の各部位、
或いは本発明装具の形状その他を説明するために、
「前」「後」「内」「外」「末梢」「根幹」という語句
を使用するが、これらは人が自然な状態で直立している
とき(この時てのひらは太股を向いている)の方向に準
じるものとする(図3参照)。
【0009】手固定部は、手背から手掌にかけて周回し
ている部分を指す。但し、断面C字状であることから明
らかなように手掌部分には隙間がある。この隙間は、装
着時指関節箇所を越える際にプラスチック自体を元来有
している可撓性を利用して変形させ、この隙間距離を拡
げて装着し易くなるようにしたものでもあるし、手の大
きさに合わせてある程度の調整をすることも可能となっ
ている。
【0010】尺橈骨固定部は、手固定部の場合とは逆に
前腕内側から外側の方向に尺骨橈骨の末梢側を支える構
造となっている。そして手固定部と尺橈骨固定部とは、
連結部によって連結されていると考えると本発明装具の
構造を理解しやすい。勿論実際にはこれら手固定部、尺
橈骨固定部、連結部はプラスチック板を湾曲させて成る
一体成形品であり、別部材を接合したものではないこと
は言うまでもない。この連結部は、手関節の背屈を最適
な角度に形成保持させる部分であり、従ってその背屈角
度に応じて湾曲している。またこの連結部は、橈骨の前
側内方から尺骨後側に向けて螺旋状に周回する尺橈骨固
定部の橈骨内側に相当する部分に連続している。これ
は、装具装用時に該連結部が尺骨端部の突起(尺骨茎状
突起)に当たることを防止するためである。よって、本
発明装具は右手用と左手用とで対称となる。
【0011】素材は、わずかな可撓性と十分な保形性が
あるプラスチックであればどのようなものでも良い。ま
た、このプラスチックに更に加工を施すようにしても良
い。例えば、皮膚との適合性を良好にすることによって
装用感を良くするという意味で、全面或いは皮膚に触れ
る面をシリコンーンラバーをコーティングするなどがこ
の「加工」に該当する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明を更に
詳細に説明する。図1は、本発明に係る手関節装具1
(以下本発明装具1という)の一例として右手用装具を
示すものであり、図より明らかなように本発明装具1
は、至る所が湾曲した一体成形品である。各部を便宜上
手固定部2と、尺橈骨固定部3、連結部4という3つの
部分に分けると、手固定部2は手の甲(詳述すると母指
を除く四指の中手骨末梢部分)をその形状に沿って背側
から掌側に回り込んで係止する部分、尺橈骨固定部3は
尺骨橈骨端部を内側から外側方向に係止する部分、連結
部4は手固定部2の外側(背側)と尺橈骨固定部3の前
側(母指側)とを連結する部分であると言える。
【0013】図2(a)(b)(c)は、図1で示した
本発明装具1を実際に右手に装着する様子を経時的概略
的に示したものである。図からも明らかなように装着
は、まず母指を除く四指を手固定部2に差し込むことか
ら始める〔同図(a)〕。なおこの状態では、本発明装
具1の尺橈骨固定部3は手背側にあり、また該尺橈骨固
定部3の嵌め込め箇所31は橈骨T(及び尺骨)の位置
とは逆側に開いており橈骨T(及び尺骨)を嵌め込み固
定することはできない。
【0014】続いて、手関節を屈曲させて橈骨T(及び
尺骨)を本発明装具1の反対側に動かす。その際空いて
いる手(本例の場合であれば左手)で本発明装具1を手
関節の屈曲方向とは逆方向に押圧してやると良い〔同図
(b)〕。この状態では、尺橈骨固定部3の嵌め込め箇
所31は橈骨T(及び尺骨)側に開いている。
【0015】そして、橈骨T(及び尺骨)を尺橈骨固定
部3の嵌め込め箇所31に嵌め込み装着が完了すること
になる〔同図(b)〕。
【0016】なお本発明装具1は、軽度の手関節障害に
対して、或いは該障害の予防のために使用される場面が
多い装具であるので、日常生活動作に支障となるような
構造形状重量になる事態は避けるべきである。その点、
本発明装具はプラスチック製の完全な一体成形品である
ことより、長期装用して煩わしくなるようなところがな
い。また、たとえば透明プラスチックを使用すれば外観
上も目立たず、より装用に適している。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る手関節
装具は、手関節の末梢側及び根幹側をそれぞれ固定する
ことによって手関節の角度を一定角度に保持するための
装具であって、手背側から手掌側にかけて示指から小指
までの中手骨を周回する断面C字状の手固定部と、該手
背部分から橈骨前側に延びる連結部と、更に該橈骨部分
を該前側内方から尺骨後側に向けて螺旋状に周回する尺
橈骨固定部とによって構成される、湾曲プラスチック板
による一体成形品であることを特徴とするものであり、
以下述べる如き種々の効果を有する非常に高度な発明で
ある。
【0018】 手関節を固定するための別部材、例え
ばベルト等が不必要であるので、構造が簡単であり、洗
浄がしやすく衛生的な装用が容易である。 ベルト等、一旦水に濡れてしまうと乾きにくい部材
がないので、装具を装用したまま水仕事等ができる。 構造が簡単であるので安価に提供できる。 軽量で、手表面に沿った部材のみから構成される装
具であるので、日常動作や外出時に支障とならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る手関節装具の一例を示す概略斜視
図である。
【図2】(a)(b)(c)は、図1で示した本発明装
具1を実際に右手に装着する様子を経時的概略的に示し
たすべて斜視図である。
【図3】方向を示すための語句を説明するための概略斜
視図である。
【符号の説明】
1 本発明に係る手関節装具 2 手固定部 3 橈骨固定部 31 嵌め込み箇所 4 連結部 T 橈骨

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 手関節の末梢側及び根幹側をそれぞれ固
    定することによって手関節の角度を一定角度に保持する
    ための装具であって、手背側から手掌側にかけて示指か
    ら小指までの中手骨を周回する断面C字状の手固定部
    と、該手背部分から橈骨前側に延びる連結部と、更に該
    橈骨部分を該前側内方から尺骨後側に向けて螺旋状に周
    回する尺橈骨固定部とによって構成される、湾曲プラス
    チック板による一体成形品であることを特徴とする手関
    節装具。
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