JPH10148636A - ペプシノーゲン i/ii 比の変化率を基礎としたヘリコバクター・ピロリ除菌判定方法 - Google Patents

ペプシノーゲン i/ii 比の変化率を基礎としたヘリコバクター・ピロリ除菌判定方法

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JPH10148636A
JPH10148636A JP31855896A JP31855896A JPH10148636A JP H10148636 A JPH10148636 A JP H10148636A JP 31855896 A JP31855896 A JP 31855896A JP 31855896 A JP31855896 A JP 31855896A JP H10148636 A JPH10148636 A JP H10148636A
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pepsinogen
helicobacter pylori
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Takahisa Furuta
隆久 古田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 迅速でかつ簡単な操作で検体が陽性か、ある
いは陰性かをスクリーニングできるヘリコバクター・ピ
ロリ除菌判定方法を提供する。 【解決手段】 ヘリコバクター・ピロリ陽性患者体液
(例えば血液など)につき、ヘリコバクター・ピロリ除
菌治療前の体液(例えば血液など)及び除菌治療後実質
的に有意の結果の生ずる期間の後の体液中(例えば血中
などの)ペプシノーゲン I値及びペプシノーゲン II 値
を測定し、次に体液中(例えば血中などの)ペプシノー
ゲン I/ペプシノーゲン II 比を求め、該体液中(例え
ば血中などの)ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン II
比がヘリコバクター・ピロリ除菌治療前の値と該除菌治
療後実質的に有意の結果の生ずる期間の後の値との間で
その変化率を求め、その変化率の一定の値以上のものを
ヘリコバクター・ピロリが除菌されたことを示す指標と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、胃十二指腸疾患の
病因の一つであると考えられているヘリコバクター・ピ
ロリ (Helicobacter pylori: Hp)の除菌判定を体液の検
査、例えば採血検査などにて行うところのより改良され
た方法に関する。Hpは更に最近では胃癌などの原因を
なすことも疑われている。本発明は、体液、例えば血液
検体などを用いて、Hp感染者においてHpの除菌治療
後にHpの除菌が成功しているか否かを確実かつ迅速・
簡単に判定する方法に関する。さらにその方法を、胃酸
分泌抑制剤、抗生物質、抗菌剤、抗原虫剤及びその他の
抗ヘリコバクター・ピロリ活性を有する薬剤からなる群
から選ばれたものを主たる有効成分とする医薬と組み合
わせることによる、Hp除菌方法及び胃十二指腸潰瘍治
療方法にも関する。
【0002】
【従来技術】Hpの感染診断測定においては、特にその
除菌治療の後の正確なHp菌存在・非存在(あるいは除
菌されたか否か)の測定(診断)方法の開発が求められ
ていた。従来、Hpの除菌判定は内視鏡検査を行い、胃
粘膜組織を数個生検し、こうして採取された検体をもと
にHpの培養、ウレアーゼ・テスト、組織の鏡検などを
行ったり、胃粘膜組織や胃液からのポリメラーゼ・チェ
イン・リアクション法(PCR法)による核酸をもとに
菌の検出が行われて来ているのが実情である。しかしな
がら、除菌治療の後では、これら培養法やウレアーゼ・
テストなどではその感度が低下してしまい、偽陰性が出
現してしまうとの問題もあった。また、組織鏡検では、
病理診断医の熟練度によって感度にばらつきが生じてし
まうという問題がある。さらに、Hpの胃内分布は均一
ではないため、生検組織を検体とする場合には、数個の
生検組織を採取しても、常にHpがその検体中に含まれ
ているとは限らず、本来ならばHp感染陽性となるべき
にも拘らず、サンプリングエラーによる偽陰性の問題が
生ずる。
【0003】PCR法では感度は高いが、死菌、汚染菌
などでも偽陽性が出たり、その手法が煩雑であることか
ら簡単には実施することが困難である。さらにこれらの
検査には内視鏡検査が必要であるため、侵襲的であり、
容易に繰り返し行うことの出来る検査とは言えないもの
である。しかも、内視鏡検査を必要とするもののうちP
CR法以外の検査が普及しているが、それらは感度が不
十分であり、偽陰性を生じる可能性が高い。また、尿素
呼気試験は内視鏡検査を必要としないが、13C尿素自体
が高価であり、更に13Cを含む二酸化炭素の質量を計測
する機械も非常に高価である。またわが国におけるそう
した機器の台数も少なく、経済性及び普遍性で問題があ
る。しかも、明確なカットオフ値がまだ設定されていな
いため、偽陽性、偽陰性の問題がある。血中抗Hp抗体
価の低下も除菌判定に有用と言われているが、除菌され
た場合でも抗体価が低下するには半年以上の期間(例え
ば、半年〜9ヶ月以上後にその値が低下してくる)を要
するため、結果の迅速性に欠けるという問題がある。さ
らに除菌治療された患者は、通常症状の改善と共に入院
治療から通院治療あるいは通院による確認検査に移行す
るが、半年以上もの長期に渡っての通院検査は実際上行
われないという問題がある。したがって、より短期間で
より正確な測定を行うことが求められている。一方、こ
うして除菌が成功していない患者では、胃十二指腸潰瘍
などの疾患が再発するばかりでなく、胃癌などが発生す
る可能性が潜在するという問題がある。
【0004】
【解決すべき課題】こうした内視鏡を用いた検査を行う
こと無く、簡単に実施することが出来かつ通常の検査手
段の中の一つとして採用することができる採血による検
査など体液を検査することによって行うことが可能で、
しかも客観的なHpの除菌判定方法であり、なおかつ従
来の汎用されている検査機器をそのまま利用できる迅速
なHpの除菌判定手段を提供することが求められてい
る。ペプシノーゲン (pepsinogen) は、胃液中の蛋白分
解酵素であるペプシン (pepsin) の不活性型前駆体であ
り、そのN末端部のペプチドが脱離してペプシンとなる
ことが知られている。ペプシノーゲンは免疫学的にペプ
シノーゲン I (pepsinogen I: PG I) 及びペプシノーゲ
ン II (pepsinogen II: PG II)の2群に分類され、それ
らの存在比率は生体内各所で微妙に異なることが知られ
ている。Hpの除菌治療の前後で血中PG I値及び血中PG
II 値が低下し、PG I/PG II比が増加することは知られ
ているが、個々の患者によってその基礎値が異なるた
め、血清ペプシノーゲンの値そのものをもって除菌の成
否を区別することをなすことは困難であった。実際加齢
などによったり、その環境などにより個々の患者におい
てその血中PG I値や血中PG II 値は様々な値をとること
が認められる。さらに年齢と胃腸の加齢の程度とは必ず
しも相関せず、一律な測定値の利用、例えばカットオフ
値の設定などは意味を持たなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、迅速でかつ
簡単な操作で検体が陽性か、あるいは陰性かをスクリー
ニングできるHpの除菌判定手段を開発すべく、そして
採血などにより得られた検体につき、血中PG I値などの
体液中のPG I値及び血中PG II 値などの体液中のPG II
値を利用し、正確に測定する方法を見いだすべく、鋭意
研究を行った結果、簡単な方法により、検体が陽性か、
あるいは陰性かをスクリーニングし、さらに簡単な方法
により感度良くHpの除菌判定を達成できる方法の開発
に成功した。すなわち、Hp陽性患者体液、例えば、血
液などにつき、Hp除菌治療前の血液などの体液中及び
除菌治療後実質的に有意の結果の生ずる期間の後の血中
などの体液中PG I値及びPG II 値を測定し、次に血中PG
I/PG II比などの体液中PGI/PG II比を求め、該体液中P
G I/PG II比がHp除菌治療前の値と該除菌治療後実質
的に有意の結果の生ずる期間の後の値との間でその変化
率を求め、その変化率の一定の値以上のものをHpが除
菌されたことを示す指標とすると共にその変化率の設定
値をHp除菌治療前の血中PG I/PG II比などの体液中PG
I/PG II比に応じて設定することを特徴とするHp除菌
判定方法である。
【0006】その方法では、治療前の値の血中PG I/PG
II比が比較的高い場合、例えば、6.0以上の場合で
は、血中PG I/PG II比の変化率が小さく、除菌と非除菌
とでは、その95%信頼区間が重なってしまう、すなわ
ち5%の危険率で見た場合にその血中PG I/PG II比の変
化率に有意差がないという問題があった。本発明者はこ
うした点を改善すべくさらに研究した結果、本発明を完
成した。すなわち、本発明は (1) ヘリコバクター・ピロリ陽性患者体液につき、
ヘリコバクター・ピロリ除菌治療前の体液中及び除菌治
療後実質的に有意の結果の生ずる期間の後の体液中ペプ
シノーゲン I値及びペプシノーゲン II 値をそれぞれ測
定し、次にヘリコバクター・ピロリ除菌治療前の値と該
除菌治療後実質的に有意の結果の生ずる期間の後の値と
の間のペプシノーゲン I 若しくはペプシノーゲン II
の変化率並びに体液中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲ
ン II 比(PG I/PG II比)を求め、更に該体液中ペプシ
ノーゲン I/ペプシノーゲン II 比についてヘリコバク
ター・ピロリ除菌治療前の値と該除菌治療後実質的に有
意の結果の生ずる期間の後の値との間でその変化率を求
め、(i) 該体液中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲ
ン II 比(PG I/PG II比)の変化率がある一定の値以上
のものをヘリコバクター・ピロリが除菌されたことを示
す指標とすると共にその変化率の設定値をヘリコバクタ
ー・ピロリ除菌治療前の体液中ペプシノーゲン I/ペプ
シノーゲン II 比(PG I/PG II比)に応じて設定するこ
と、並びに(ii) 該体液中ペプシノーゲン I/ペプシ
ノーゲン II 比の変化率がある一定の値より少ないもの
であって、且つヘリコバクター・ピロリ除菌治療前体液
検体の体液中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン II 比
がある一定の値以上のものでは、ヘリコバクター・ピロ
リ除菌治療後実質的に有意の結果の生ずる期間の後のペ
プシノーゲン I 若しくはペプシノーゲン II の値が、
ヘリコバクター・ピロリ除菌治療前の値より、ある一定
の値若しくはある割合以下となるものをヘリコバクター
・ピロリが除菌されたことを示す指標とすることを特徴
とするヘリコバクター・ピロリ除菌判定方法;
【0007】(2) (ii)において、該体液中ペプシ
ノーゲン I/ペプシノーゲン II比の変化率がある一定
の値より少ないものであって、且つヘリコバクター・ピ
ロリ除菌治療前体液検体の体液中ペプシノーゲン I/ペ
プシノーゲン II 比がある一定の値以上のものでは、ヘ
リコバクター・ピロリ除菌治療後実質的に有意の結果の
生ずる期間の後のペプシノーゲン I 若しくはペプシノ
ーゲン II の値が、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療前
の値より、例えば、85%未満となるものをヘリコバク
ター・ピロリが除菌されたことを示す指標とすることを
特徴とする上記(1)記載のヘリコバクター・ピロリ除
菌判定方法; (3) (ii)において、該体液中ペプシノーゲン I/
ペプシノーゲン II比の変化率がある一定の値より少な
いものであって、且つヘリコバクター・ピロリ除菌治療
前体液検体の体液中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン
II 比が、例えば、6.0以上のものでは、ヘリコバク
ター・ピロリ除菌治療後実質的に有意の結果の生ずる期
間の後のペプシノーゲン I 若しくはペプシノーゲン I
I の値が、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療前の値よ
り、ある一定の値若しくはある割合以下となるもの、例
えば、85%未満となるものをヘリコバクター・ピロリ
が除菌されたことを示す指標とすることを特徴とする上
記(1)または(2)記載のヘリコバクター・ピロリ除
菌判定方法; (4) (ii)において、該体液中ペプシノーゲン I/
ペプシノーゲン II比の変化率が+10%より少ないも
のであって、且つヘリコバクター・ピロリ除菌治療前体
液検体の体液中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン II
比がある一定の値以上のもの、例えば、6.0以上のも
のでは、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療後実質的に有
意の結果の生ずる期間の後のペプシノーゲン I 若しく
はペプシノーゲン II の値が、ヘリコバクター・ピロリ
除菌治療前の値に対して、ある一定の値若しくはある割
合以下となるもの、例えば、85%未満となるものをヘ
リコバクター・ピロリが除菌されたことを示す指標とす
ることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか一記
載のヘリコバクター・ピロリ除菌判定方法;
【0008】(5) (i)において、該体液中ペプシ
ノーゲン I/ペプシノーゲン II比の変化率が少なくと
も+10%以上のものをヘリコバクター・ピロリが除菌
されたことを示す指標とすると共にその変化率の設定値
をヘリコバクター・ピロリ除菌治療前の体液中ペプシノ
ーゲン I/ペプシノーゲン II 比に応じて設定すること
を特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか一記載のヘ
リコバクター・ピロリ除菌判定方法; (6) (i)において、該体液中ペプシノーゲン I/
ペプシノーゲン II比の変化率が少なくとも+10%以
上のものをヘリコバクター・ピロリが除菌されたことを
示す指標とすると共にその変化率の設定値をヘリコバク
ター・ピロリ除菌治療前の体液中ペプシノーゲン I/ペ
プシノーゲン II 比に応じて設定すること、並びに(i
i)において、該体液中ペプシノーゲン I/ペプシノー
ゲン II比の変化率が+10%より少ないものであっ
て、且つヘリコバクター・ピロリ除菌治療前体液検体の
体液中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン II 比が、例
えば、6.0以上のものでは、ヘリコバクター・ピロリ
除菌治療後実質的に有意の結果の生ずる期間の後のペプ
シノーゲン I 若しくはペプシノーゲン II の値が、ヘ
リコバクター・ピロリ除菌治療前の値より、例えば、8
5%未満となるものをヘリコバクター・ピロリが除菌さ
れたことを示す指標とすることを特徴とする上記(1)
〜(5)のいずれか一記載のヘリコバクター・ピロリ除
菌判定方法;
【0009】(7) (i)において、該体液中ペプシ
ノーゲン I/ペプシノーゲン II比の変化率がある一定
の値以上のもの、例えば、少なくとも+10%以上のも
のをヘリコバクター・ピロリが除菌されたことを示す指
標とすると共にその変化率の設定値をヘリコバクター・
ピロリ除菌治療前の体液中ペプシノーゲン I/ペプシノ
ーゲン II 比に応じて設定すること、並びに(ii)にお
いて、該体液中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン II
比の変化率がある一定の値より少ないもの、例えば、+
10%より少ないものであって、且つヘリコバクター・
ピロリ除菌治療前体液検体の体液中ペプシノーゲン I/
ペプシノーゲン II 比がある一定の値以上のもの、例え
ば、6.0以上のものでは、ヘリコバクター・ピロリ除
菌治療前の値と該除菌治療後実質的に有意の結果の生ず
る期間の後の値との間のペプシノーゲン I 若しくはペ
プシノーゲン II の減少率が、ある一定の値以上のもの
をヘリコバクター・ピロリが除菌されたことを示す指標
とすることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか
一記載のヘリコバクター・ピロリ除菌判定方法; (8) ヘリコバクター・ピロリ陽性患者体液につき、
ヘリコバクター・ピロリ除菌治療前の体液中及び除菌治
療後実質的に有意の結果の生ずる期間の後の体液中ペプ
シノーゲン I値及びペプシノーゲン II 値をそれぞれ測
定し、次にヘリコバクター・ピロリ除菌治療前の値と該
除菌治療後実質的に有意の結果の生ずる期間の後の値と
の間のペプシノーゲン I 若しくはペプシノーゲン II
の変化率及び体液中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン
II 比を求め、更に該体液中ペプシノーゲン I/ペプシ
ノーゲン II 比についてヘリコバクター・ピロリ除菌治
療前の値と該除菌治療後実質的に有意の結果の生ずる期
間の後の値との間でその変化率を求め、(i) 該体液
中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン II 比の変化率の
少なくとも+10%以上のものをヘリコバクター・ピロ
リが除菌されたことを示す指標とすると共にその変化率
の設定値をヘリコバクター・ピロリ除菌治療前の体液中
ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン II 比に応じて設定
すること、並びに(ii) 該体液中ペプシノーゲン I/
ペプシノーゲン II 比の変化率が+10%より少ないも
のであって、且つヘリコバクター・ピロリ除菌治療前体
液検体の体液中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン II
比が6.0以上のものでは、ヘリコバクター・ピロリ除
菌治療前の値と該除菌治療後実質的に有意の結果の生ず
る期間の後の値との間のペプシノーゲン I 若しくはペ
プシノーゲン IIの減少率が、ある一定の値以上のも
の、例えば、+15%以上のものをヘリコバクター・ピ
ロリが除菌されたことを示す指標とすることを特徴とす
る上記(1)〜(7)のいずれか一記載のヘリコバクタ
ー・ピロリ除菌判定方法;
【0010】(9) (ii)において、該体液中ペプシ
ノーゲン I/ペプシノーゲン II比の変化率が+10%
より少ないものであって、且つヘリコバクター・ピロリ
除菌治療前体液検体の体液中ペプシノーゲン I/ペプシ
ノーゲン II 比が6.0以上のものでは、ヘリコバクタ
ー・ピロリ除菌治療前の値と該除菌治療後実質的に有意
の結果の生ずる期間の後の値との間のペプシノーゲン I
若しくはペプシノーゲン II の減少率が、+15%以
上のものをヘリコバクター・ピロリが除菌されたことを
示す指標とすることを特徴とする上記(1)〜(8)の
いずれか一記載のヘリコバクター・ピロリ除菌判定方
法; (10)(i)において、該体液中ペプシノーゲン I/
ペプシノーゲン II比のヘリコバクター・ピロリ除菌治
療前体液検体の値と該除菌治療後実質的に有意の結果の
生ずる期間の後の体液検体の値との間の変化率の一定の
値以上のもの(変化率の設定値)を、(a)ヘリコバク
ター・ピロリ除菌治療前体液検体の体液中ペプシノーゲ
ン I/ペプシノーゲン II 比が3未満では、+40%と
する、及び/又は(b)ヘリコバクター・ピロリ除菌治
療前体液検体の体液中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲ
ン II 比が3以上5未満では、+25%とする、及び/
又は(c)ヘリコバクター・ピロリ除菌治療前体液検体
の体液中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン II 比が5
以上では、+10%とすることを特徴とする上記(1)
〜(9)のいずれか一記載のヘリコバクター・ピロリ除
菌判定方法;
【0011】(11) (i)において、該体液中ペプ
シノーゲン I/ペプシノーゲンII 比のヘリコバクター
・ピロリ除菌治療前体液検体の値と該除菌治療後実質的
に有意の結果の生ずる期間の後の体液検体の値との間の
変化率の一定の値以上のもの(変化率の設定値)を、
(a)ヘリコバクター・ピロリ除菌治療前体液検体の体
液中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン II 比が3未満
では、+40%とする、及び/又は(b)ヘリコバクタ
ー・ピロリ除菌治療前体液検体の体液中ペプシノーゲン
I/ペプシノーゲン II 比が3以上5未満では、+25
%とする、及び/又は(c)ヘリコバクター・ピロリ除
菌治療前体液検体の体液中ペプシノーゲン I/ペプシノ
ーゲン II 比が5以上では、+10%とすること、並び
に(ii)において、該体液中ペプシノーゲン I/ペプシ
ノーゲンII 比の変化率が+10%より少ないものであ
って、且つヘリコバクター・ピロリ除菌治療前体液検体
の体液中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン II 比が6
以上のものでは、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療前の
値と該除菌治療後実質的に有意の結果の生ずる期間の後
の値との間のペプシノーゲン II の減少率が+15%以
上のものをヘリコバクター・ピロリが除菌されたことを
示す指標とすることを特徴とする上記(1)〜(10)
のいずれか一記載のヘリコバクター・ピロリ除菌判定方
法; (12) 体液検体中のペプシノーゲン I値及びペプシ
ノーゲン II 値の測定が、モノクローナル抗体を用いた
免疫測定試薬によりなされる上記(1)〜(11)のい
ずれか一記載のヘリコバクター・ピロリ除菌判定方法;
【0012】(13) モノクローナル抗体がペプシノ
ーゲン Iに対するモノクローナル抗体及びペプシノーゲ
ン II に対するモノクローナル抗体を含有することを特
徴とする上記(1)〜(12)のいずれか一記載のヘリ
コバクター・ピロリ除菌判定方法; (14) 体液検体が血液検体であることを特徴とする
上記(1)〜(13)のいずれか一記載のヘリコバクタ
ー・ピロリ除菌判定方法; (15) 血液検体が、(a)血清、(b)血漿、又は
(c)全血であることを特徴とする上記(1)〜(1
4)のいずれか一記載のヘリコバクター・ピロリ除菌判
定方法; (16) 上記(1)〜(15)のいずれか一記載の方
法に用いる測定試薬と組み合わされた、胃酸分泌抑制
剤、抗生物質、抗菌剤、抗原虫剤及びその他の抗ヘリコ
バクター・ピロリ活性を有する薬剤からなる群から選ば
れたものを主剤とするヘリコバクター・ピロリ除菌剤;
及び (17) 上記(1)〜(15)のいずれか一記載の方
法に用いる測定試薬と組み合わされた、胃酸分泌抑制
剤、抗生物質、抗菌剤、抗原虫剤及びその他の抗ヘリコ
バクター・ピロリ活性を有する薬剤からなる群から選ば
れたものを主剤とする胃十二指腸潰瘍治療剤を提供する
ものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に従えば、ヘリコバクター
・ピロリ陽性患者体液につき、ヘリコバクター・ピロリ
除菌治療前の体液中及び除菌治療後の体液中ペプシノー
ゲン I値及びペプシノーゲン II 値(例えば、血中ペプ
シノーゲン I値及びペプシノーゲンII値)をそれぞれ測
定し、次にヘリコバクター・ピロリ除菌治療前の値と該
除菌治療後(除菌後)の値との間のペプシノーゲン I若
しくはペプシノーゲン II の変化率並びに体液中ペプシ
ノーゲン I/ペプシノーゲン II 比(例えば、血中ペプ
シノーゲン I/ペプシノーゲン II 比)を求め、更に該
体液中ペプシノーゲンI/ペプシノーゲン II 比(例え
ば、血中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲンII 比)に
ついてヘリコバクター・ピロリ除菌治療前の値と該除菌
治療後の値との間でその変化率を求め、(i) 該体液
中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン II 比の変化率
(例えば、血中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン II
比の変化率)が一定の値以上のものをヘリコバクター・
ピロリが除菌されたことを示す指標とすると共にその変
化率の設定値をヘリコバクター・ピロリ除菌治療前の体
液中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン II 比(例え
ば、血中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲンII 比)に
応じて設定すること、並びに(ii) 該体液中ペプシノ
ーゲン I/ペプシノーゲン II 比の変化率(例えば、血
中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン II 比の変化率)
が一定の値より少ないものであって、且つヘリコバクタ
ー・ピロリ除菌治療前体液検体の体液中ペプシノーゲン
I/ペプシノーゲン II 比(例えば、血中ペプシノーゲ
ンI/ペプシノーゲン II 比)が一定の値(例えば、
6.0)以上のものでは、ヘリコバクター・ピロリ除菌
治療後のペプシノーゲン I 若しくはペプシノーゲンII
の値(除菌後のペプシノーゲン I 若しくはペプシノ
ーゲン II の値)が、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療
前の値より、ある一定の値もしくはある割合以下(例え
ば、85%以下)となるものをヘリコバクター・ピロリ
が除菌されたことを示す指標とすることを特徴とするヘ
リコバクター・ピロリ除菌判定方法及びそれに用いる測
定試薬あるいはそのための除菌判定セットが提供され
る。本発明に従えば、ヘリコバクター・ピロリ除菌判定
セットとは、上記ヘリコバクター・ピロリ除菌判定方法
を直ぐにあるいは簡単に実施できるように各種の必要な
ものが組み合わされてパッケージ化されたものであって
よく、例えば、上記ヘリコバクター・ピロリ除菌判定方
法に用いられる測定試薬、該測定に用いる器具、該方法
の実施指示書、該測定試薬を用いて得られたデータの処
理をコンピューターを用いて簡単に行えるようにしたプ
ログラム及び/又はそのための装置等のいずれか任意の
ものあるいは全部を組み合わせて含むようにされたもの
が挙げられる。
【0014】さらには、本発明に従えば、胃酸分泌抑制
剤(例えば、ランソプラゾール、オメプラゾール等のプ
ロトンポンプインヒビター、あるいはラニチジン、ファ
モチジン等のH2 ブロッカー)及び抗生物質(例えば、
アモキシリン、クラリスロマイシン等)及び/又は抗菌
剤・抗原虫剤(例えば、メトロニダゾール等)を主剤と
し、場合によっては粘膜防御因子(例えば、エカベトナ
トリウム、プラウノトール、ソファルコン等)、その他
(次クエン酸ビスマスなどのビスマス製剤、カテキン、
その他の抗ヘリコバクター・ピロリ作用が認められる薬
剤)を併用する医薬組成物と上記測定法・判定法を組合
わせて用いることにより、効率的かつ迅速で、確実なH
pの除菌及び胃十二指腸潰瘍治療を行うことが出来る。
プロトンポンプインヒビターとしては、ランソプラゾー
ルの活性体AG2000、AG1749、E3810、
E3810チオエーテル体、パントプラゾール、NC1
300などをさらに挙げることができる。またH2 ブロ
ッカーとしては、シメチジン、ロキサチジン、ニザチジ
ンなどをさらに挙げることができるが、これらに限定さ
れない。こうしたHpの除菌及び胃十二指腸潰瘍治療の
ための薬剤は、本発明の測定法と組み合わせて使用でき
るものであれば、胃酸分泌抑制剤、抗生物質、抗菌剤、
抗原虫剤さらには粘膜防御因子として知られたものある
いはそうした活性を有するとして知られているものが制
限無く使用できることは理解されるべきである。上記薬
剤は本発明のHpの除菌判定法と組み合わされて確実な
Hpの除菌及び胃十二指腸潰瘍治療を達成できるもので
あれば、それらは単独で使用されてもよいし、任意に配
合されて用いられてよい。
【0015】Hp陽性の消化性潰瘍患者において、Hp
に対する抗菌療法を実施した(除菌治療)。そして、治
療前、及び治療終了後一ヵ月して内視鏡検査、及び採血
検査を行った。内視鏡検査時に胃粘膜の生検検査を行
い、その胃粘膜生検組織を用いて培養、ウレアーゼ・テ
スト、組織の鏡検などを行った。さらに胃粘液よりPC
Rを行って、Hpをそれぞれ検出した。除菌の判定は、
すべての検査で陰性であることとした。さらに、Hpの
抗菌治療の前及び抗菌治療終了後一ヵ月以降に採血を行
い、血中PG I値及び血中PG II 値をそれぞれ測定し、PG
I/PG II (pepsinogen I/pepsinogen II) 比を計算し
た。そして、各々の値につき、治療終了の後一ヵ月以降
の値が、除菌治療前の値に対して何%変化したかを計算
した。計算式を次に示す。
【0016】
【数1】
【0017】上記で得られた各種の検査から除菌の成否
別にそれぞれ検討を加えた。こうして除菌・非除菌別の
血中PG I/PG II比の除菌治療前の値に対して何%変化し
たかの変化を検討した。図1にはその結果を示す。検討
の結果、除菌群・非除菌群間で血中PG I/PG II比のその
変化率は大きく異なっていることが見いだされた。そこ
で、この違いをHp除菌判定の手段とすることとした。
次に除菌前の血中PG I/PG II比が増加するに従い、血中
PG I/PG II比のその変化率は除菌群・非除菌群間で特徴
的な分布を形成することが認められた。したがって、こ
の関係を利用し、除菌前の血中PG I/PG II比に逆比例し
て血中PG I/PGII比の除菌前後での変化率を相関させ、
一定のカットオフ値を設定してこれをHp菌の除菌の成
否の判定方法とすればよいことが見いだされた。さらに
検討するうち、例えばカットオフ値を除菌前の血中PG I
/PG II比が3.0より小さい場合+40%、除菌前の血
中PG I/PG II比が3.0以上5.0より小さい場合+2
5%、そして除菌前の血中PG I/PG II比が5.0以上の
場合+10%とそれぞれ設定したところ、その感度は1
00%、特異度91.5%、そして有用度95.9%で
あった。
【0018】こうしてヘリコバクター・ピロリ陽性患者
体液(例えば、血液)につき、ヘリコバクター・ピロリ
除菌治療前の体液(例えば、血液)中及び除菌治療後実
質的に有意の結果の生ずる期間の後(除菌後)の体液
(例えば、血液)中ペプシノーゲン I値及びペプシノー
ゲン II 値をそれぞれ測定し、次にヘリコバクター・ピ
ロリ除菌治療前の値と該除菌治療後実質的に有意の結果
の生ずる期間の後(除菌後)の値との間のペプシノーゲ
ン I 若しくはペプシノーゲン II の変化率並びに体液
(例えば、血液)中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン
II 比を求め、更に該体液中ペプシノーゲン I/ペプシ
ノーゲン II 比についてヘリコバクター・ピロリ除菌治
療前の値と該除菌治療後実質的に有意の結果の生ずる期
間の後(除菌後)の値との間でその変化率を求め、そし
て該体液(例えば、血液)中ペプシノーゲン I/ペプシ
ノーゲン II 比の変化率がある一定の値以上のものをヘ
リコバクター・ピロリが除菌されたことを示す指標とす
ると共にその変化率の設定値をヘリコバクター・ピロリ
除菌治療前の体液(例えば、血液)中ペプシノーゲンI
/ペプシノーゲン II 比に応じて設定することによりヘ
リコバクター・ピロリ除菌判定が優れた感度、特異度、
有用度で行うことができる。該体液中ペプシノーゲン I
/ペプシノーゲン II 比の変化率がある一定の値以上の
もの(その変化率の設定値)は、ヘリコバクター・ピロ
リ除菌判定が優れた感度、特異度、有用度で行うことが
できるようにその値を設定することが好ましく、さらに
除菌前の血中PG I/PG II比のそれぞれの値(この値は連
続的に選択できるし、非連続的にある値を選択してもよ
い)に対応してヘリコバクター・ピロリ除菌判定が優れ
た感度、特異度、有用度で行うことができるようにその
値を設定することができる。さらにこうした方法を検討
したところ、依然として除菌判定にくい違いの見られた
症例があることが見出された。
【0019】この症例を検討したところ、これらはいず
れもPG I/PG II比の変化率が低いもの(すなわち、PG I
/PG II比が十分に変化しなかったもの)であり、(i)
PG II の低下と共にPG Iの低下も十分に認められて、そ
の結果PG I/PG II比の変化率が小さくなったもの及び
(ii)PG IもPG II もそれ程高い値をとることがなかっ
たために、結果としてPG I/PG II比の変化率が乏しくな
ったものに分けることができること、そしてそれらは除
菌治療前のPG I/PG II比が、ほぼ6あるいは6以上のも
のであることが見出された。さらに解析を進めたとこ
ろ、除菌治療前のPG I/PG II比が6以上においてはPG I
/PG II比の変化率の回帰直線は除菌と非除菌とでは、そ
の95%信頼区間が重なることが見出された。ところが
こうした問題は除菌治療前のPG I/PG II比が6以上の場
合、PG II の変化率によって除菌判定を優先すれば解決
し得ることを見出した。すなわちこれにより、感度は1
00%で変わらないものの特異度が95.7%となり、
さらに有用度は98.0%となり、より正確な除菌判定
を達成できることを見出した。
【0020】こうしてヘリコバクター・ピロリ陽性患者
体液(例えば、血液)につき、ヘリコバクター・ピロリ
除菌治療前の体液(例えば、血液)中及び除菌治療後実
質的に有意の結果の生ずる期間の後(ヘリコバクター・
ピロリ除菌治療後)の体液(例えば、血液)中ペプシノ
ーゲン I値及びペプシノーゲン II 値をそれぞれ測定
し、次にヘリコバクター・ピロリ除菌治療前の値と該除
菌治療後実質的に有意の結果の生ずる期間の後(ヘリコ
バクター・ピロリ除菌治療後)の値との間のペプシノー
ゲン I 若しくはペプシノーゲン II の変化率並びに体
液(例えば、血液)中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲ
ン II 比を求め、更に該体液(例えば、血液)中ペプシ
ノーゲン I/ペプシノーゲン II 比についてヘリコバク
ター・ピロリ除菌治療前の値と該除菌治療後実質的に有
意の結果の生ずる期間の後(ヘリコバクター・ピロリ除
菌治療後)の値との間でその変化率を求め、(i) 該
体液(例えば、血液)中ペプシノーゲン I/ペプシノー
ゲン II 比の変化率がある一定の値以上のものをヘリコ
バクター・ピロリが除菌されたことを示す指標とすると
共にその変化率の設定値をヘリコバクター・ピロリ除菌
治療前の体液(例えば、血液)中ペプシノーゲン I/ペ
プシノーゲン II 比に応じて設定すること、並びに(i
i) 該体液(例えば、血液)中ペプシノーゲン I/ペ
プシノーゲン II 比の変化率がある一定の値(A;例え
ば、+10%)より少ないものであって、且つヘリコバ
クター・ピロリ除菌治療前体液(例えば、血液)検体の
体液(例えば、血液)中ペプシノーゲン I/ペプシノー
ゲン II 比がある一定の値(B;例えば、6.0などの
値;ヘリコバクター・ピロリ除菌判定が優れた感度、特
異度、有用度で行うことができるようにその値を設定す
ることが好ましい)以上のものでは、ヘリコバクター・
ピロリ除菌治療後実質的に有意の結果の生ずる期間の後
のペプシノーゲン I 若しくはペプシノーゲン II の値
が、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療前の値に対して、
ある一定の値若しくはある割合(C;例えば、85%な
どの値;ヘリコバクター・ピロリ除菌判定が優れた感
度、特異度、有用度で行うことができるようにその値を
設定することが好ましい)以下となるものをヘリコバク
ター・ピロリが除菌されたことを示す指標とすることに
より、ヘリコバクター・ピロリ除菌判定が優れた感度、
特異度、有用度で行うことができる。
【0021】上記値のBとしては、症例を勘案検討の上
その値を決定することができ、例えば、6.0、あるい
は6.3などの値とすることができるが、これらに限定
されること無くよりヘリコバクター・ピロリ除菌判定が
優れた感度、特異度、有用度で行うことができるように
選定することは可能である。上記値のCも、症例を勘案
検討の上その値を決定することができ、例えば、85%
あるいは80%などの値とすることができるが、これら
に限定されること無くよりヘリコバクター・ピロリ除菌
判定が優れた感度、特異度、有用度で行うことができる
ように選定することは可能である。また上記値のAも、
症例を勘案検討の上その値を決定することができ、例え
ば、+10%あるいは+12%などの値とすることがで
きるが、これらに限定されること無くよりヘリコバクタ
ー・ピロリ除菌判定が優れた感度、特異度、有用度で行
うことができるように選定することは可能である。本発
明の原理からみて、検体としては血液、例えば、全血、
血清、血漿などをはじめ、尿、唾液、腹水、胃液、組織
浸出液、生検組織培養液、生体由来細胞培養液などの体
液を用いることができる。本発明の方法によれば、正確
かつ確実に、そして患者個々人の違いに基づく測定値の
違いに左右されること無くHp菌の除菌の成否を判定で
きる。すなわち、Hp菌の存否を測定できる。
【0022】
【実施例】次に実施例を示して、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこの具体例により限定されるもの
でなく、その思想に従うかぎり各種の形態で実施できる
ことは理解されるべきである。 実施例1 (1)内視鏡検査を必要とする検査 A.組織培養法 内視鏡による生検で得られた胃粘膜組織からHp菌を培
養して証明する。菌の発育速度は非常に遅く、その判定
にはskirrow血液寒天培地を使用して37℃の温
度で約3〜7日間培養して行った。Hp菌は微好気性菌
であり、培養には酸素濃度を5%に調節する特別な機材
を必要とする。培養にはその酸素濃度のコントロールが
重要で、それに失敗すると菌の検出率が低下する。混合
ガス(酸素5%、炭酸ガス15%及び窒素ガス80%)
を用い、酸素濃度モニターを用いてガス濃度を確認しな
がら培養を行った。
【0023】B.ラピッド・ウレアーゼ・テスト Hp菌が有する強いウレアーゼ活性を利用してその存在
を推測する方法である。内視鏡による生検で得られた胃
粘膜を尿素とpH指示薬(例えば、フェノールレッド、
赤キャベツ色素)を含有する試薬の中に入れ、色の変化
を観察して判定した。もしHp菌が有するウレアーゼ活
性があると、試薬中の尿素が分解されアンモニアが発生
し、pH指示薬の色調の変化(例えば、黄色から赤色に
変化)で判定するものである。
【0024】C.生検組織鏡検法 内視鏡による生検で得られた胃粘膜を特殊染色して顕微
鏡下にHp菌の存否を確認した。特殊染色としては、鍍
銀染色して光学顕微鏡で観察する方法や、アクリジン・
オレンジ染色後蛍光顕微鏡下に観察する方法、Giem
sa染色を用いる方法が挙げられる。
【0025】D.競合的 (Competitive)PCR法 Furuta T. et al., Journal of Clinical Microbiolog
y, 34 (10): 2421-2425, 1996に従い、競合的PCR法
(以下、cPCR法という)によって、胃粘液中のHp
菌の定量的検出を行った。次なるプライマー(primer)及
びコンペティター(competitor)となるDNAを合成して
用いた。 primer HPU18N:5'-CCCATTTGACTCAATGCGATG-3' HPU54N:5'-TGGGATTAGCGAGTATGTCGG-3' competitor sDNA:5'-CCCATTTGACTCAATGCGATGCCCGCCTTTG
ATGATCATGTTGGGCCGACATACTCGCTAATCCCA-3'
【0026】内視鏡検査施行時に胃液を吸引採取した。
吸引採取された胃液を遠心分離し、沈殿した粘液のうち
100μlより市販のDNA抽出キットを用いてDNA
を抽出し、抽出されたDNAをTE400μlに溶解
し、それをHpDNA液とした。cPCR法の反応溶液
の組成は、反応チューブ1本あたり、dNTPs(各
2.5mM)4.00μl、10×PCR緩衝液5.0
0μl、Taq DNAポリメラーゼ(5U/μl)
0.25μl、primer(HPU18N及びHPU
54N:各50pM/μl)0.50μl、HpDNA
溶液5.00μl、そして、種々の濃度のcompet
itor(sDNA:1.0×50 〜1.0×5-8pg
/μl)4.0μlに水を加えて総量50μlとした。
95℃で5分間最初に処理後、94℃で1分間・55℃
で1分間・72℃で1分間を1サイクルとする処理を3
5〜40サイクル行い、最後に72℃で7分間処理し
た。PCR産物を電気泳動し、132bpのHpのDN
Aのバンドと66bpのcompetitorのバンド
の濃度をデンシトメーターにて測定した。132bpの
バンドの濃度が66bpのバンドの濃度と等しくなる点
を求め、胃粘液中のHpの菌量を算出した。そして、H
pの菌量が104 /100μl以上の場合を陽性とし
た。132bpのバンドが認められず、66bpのバン
ドが認められる場合は陰性とした。Hpの菌量が104
/100μl未満の場合は、コンタミネーションの疑い
があり判定不能とした、これによって、コンタミネーシ
ョンによる偽陽性を軽減できた。また132bpのバン
ドと66bpのバンドのいずれもが認められない場合は
PCRの反応不良として、判定不能とした。これによっ
てPCR反応不良による偽陰性をなくすことが可能と考
えられた。なお、判定不能の場合は他の検査(培養、ラ
ピッドウレアーゼテスト、組織鏡検など)に従った。
【0027】(2)血中のPG I値及びPG II 値の測定 血中のPG I値及びPG II 値の測定は、固相化抗体及び標
識抗体にPG I及びPGII にそれぞれ特異的なモノクロー
ナル抗体を使用した試薬、例えば、pepsinogen I RIA B
EAD 及び pepsinogen II RIA BEAD (ダイナボット株式
会社製)を用いて行った。先ず検体及び標準PG I試料あ
るいは標準PG II 試料それぞれ25μl、抗PG I抗体ビ
ーズあるいは抗PG II 抗体ビーズ1個、そして 125I −
標識抗PG I抗体あるいは抗PG II 抗体200μlからな
る反応混合物を、室温で3時間振盪インキュベーション
処理し、反応液を吸引し、洗浄後蒸留水で3回洗い、最
後にビーズの放射能を測定した。
【0028】(3)血中PG I値及びPG II 値の測定結果
と除菌の成否についての検討 除菌治療は、消化性潰瘍患者(胃潰瘍例48例;平均年
齢59±11及び十二指腸潰瘍例50;平均年齢49±
13)に ランソプラゾール(lansoprazole ;30mg/日・6
〜8週間)単独投与群27例、 ランソプラゾール(30mg/日・6〜8週間)及び
アモキシリン(amoxicillin;2g/日・2週間)2剤併
用群32例、 ランソプラゾール(30mg/日・6〜8週間)、ア
モキシシリン(2g/日・2週間)及びメトロニダゾー
ル(metronidazole;1000mg/日・2週間)3剤併
用群21例、 ランソプラゾール(30mg/日・6〜8週間)、ク
ラリスロマイシン(clarithromycin ;800mg/日・
2週間)及びメトロニダゾール(1000mg/日・2
週間)3剤併用群3例、 ラニチジン(ranitidine ;300mg/日・2週間)
単独投与群15例の系98症例を対象とした。
【0029】除菌治療前後で血中のPG I値及びPG II 値
をそれぞれ測定した。投与終了後(除菌)後1〜3ヶ月
以内の採血検体についての結果を除菌治療前の値で除し
て、それぞれ%表示にして除菌の成否と共に対比検討し
た。細胞培養法、ラピッド・ウレアーゼ・テスト、PC
R法、胃液中アンモニア/尿素比測定などの検査結果を
比較検討し、すべてが陰性の場合のみ除菌と判定した。
その結果、98例中43例に除菌が認められた。除菌さ
れているか、非除菌であるかの判定をカットオフ値とし
て設定し、そのカットオフ値を+25%とすると、除菌
判定の感度は94.5%、そして特異性は95.3%と
なることが判明した(図1)。なお、従来一般に行われ
ている培養法の除菌治療終了後1ヶ月以降の感度及び特
異性は、それぞれ61.1%及び100%であり、ウレ
アーゼ・テストではそれらは、それぞれ80.0%及び
100%であり、除菌治療の後ではその検出感度は低下
していることが認められた。
【0030】除菌されているか、非除菌であるかの判定
のなされた症例につき、横軸に除菌治療前のPG I/PG II
比をプロットし、縦軸に上記数1の式で計算された血中
PG I/PG II比の変化率をプロットすると(図3)、基礎
的なPG I/PG II比を示していると判断される除菌治療前
のPG I/PG II比が低い群では、除菌された場合該血中PG
I/PG II比の変化率は大きくでる傾向があり、除菌治療
前のPG I/PG II比が高い群では該血中PG I/PG II比の変
化率は小さく出ることが認められた。非除菌群では、除
菌治療剤のPG I/PG II比の値の大小に係わりなく変化率
はほぼ0%であった。したがって、該血中PG I/PG II比
の変化率に単純にカットオフ値を設定するばかりでな
く、基礎的なPG I/PG II比の値に逆比例したカットオフ
値を設定することにより、より正確な除菌判定が可能と
なることが明らかである。例えば、血中PG I/PG II比が
3未満では、該血中PG I/PG II比の変化率におけるカッ
トオフ値を+40%とし、血中PG I/PG II比が3以上5
未満では、該血中PG I/PG II比の変化率におけるカット
オフ値を+25%とし、さらに血中PG I/PG II比が5以
上では、該血中PG I/PG II比の変化率におけるカットオ
フ値を+10%程度とすることでより正確に除菌の成否
判定が達成できることが認められる(図4)。
【0031】図3は、Hpの除菌の成否別にPG I/PG II
比の除菌治療前値とPG I/PG II比の除菌治療前後の変化
率との関連性を示す。実線は除菌成功群の回帰直線を、
点線(幾分太いほぼ±0のところの横線)は除菌不成功
群の回帰直線を示す。除菌成功群では治療前のPG I/PG
II比とその治療後の変化率との間に有意な相関が認めら
れる(r=0.61, p<0.0001) 。除菌不成功群では除菌治
療前後の変化率はほぼ0%で有意な変化は認められず、
治療前値と変化率との相関も認められない(r=0.063,
p =0.65) 。なお、除菌された群での該血中PG I/PG II
比の変化率は、除菌治療方法による差異は認められなか
った。ところで、血中PG I/PG II比の変化率は、例えば
カットオフ値を除菌前の血中PG I/PG II比が3.0より
小さい場合+40%、除菌前の血中PG I/PG II比が3.
0以上5.0より小さい場合+25%、そして除菌前の
血中PG I/PG II比が5.0以上の場合+10%とそれぞ
れ設定したところ、その感度は100%、特異度91.
5%、そして有用度95.9%であったが、依然として
除菌判定にくい違いの見られた症例があることが見出さ
れた。
【0032】
【表1】
【0033】この症例を検討したところ、これらはいず
れもPG I/PG II比の変化率が低いもの(すなわち、PG I
/PG II比が十分に変化しなかったもの)であり、(i)
PG II の低下と共にPG Iの低下も十分に認められて、そ
の結果PG I/PG II比の変化率が小さくなったもの及び
(ii)PG IもPG II もそれ程高い値をとることがなかっ
たために、結果としてPGI/PG II比の変化率が乏しくな
ったものに分けることができること、そしてそれらは除
菌治療前のPG I/PG II比が、ほぼ6あるいは6以上のも
のであることが見出された。さらに解析を進めたとこ
ろ、除菌治療前のPG I/PG II比が6以上においてはPG I
/PG II比の変化率の回帰直線は除菌と非除菌とでは、そ
の95%信頼区間が重なることが見出された。ところが
こうした問題は除菌治療前のPG I/PG II比が6以上の場
合、除菌治療前後のPG II の変化率によって除菌判定を
優先すれば解決し得ることを見出した。すなわちこれに
より、感度は100%で変わらないものの特異度が9
5.7%となり、さらに有用度は98.0%となり、よ
り正確な除菌判定を達成できることを見出した。
【0034】次に、症例を126症例に増やして同様な
検討を加えたところ(除菌前の血中PG I/PG II比が3.
0より小さい場合、血中PG I/PG II比の変化率のカット
オフ値を+40%;除菌前の血中PG I/PG II比が3.0
以上5.0より小さい場合、血中PG I/PG II比の変化率
のカットオフ値を+25%;そして除菌前の血中PG I/P
G II比が5.0以上の場合、血中PG I/PG II比の変化率
のカットオフ値を+10%とそれぞれ設定し、さらに除
菌治療前のPG I/PG II比が6以上においては除菌治療前
後のPG II の変化率が、+15%以上のものをヘリコバ
クター・ピロリが除菌されたことを示すものと設定し
た)、98.1%(52/53)、95.9%(70/
73)及び96.8%(122/126)となり、より
正確な除菌判定を達成できることを見出した(図5)。
【0035】
【発明の効果】本発明の方法によれば、内視鏡検査を行
うことなく、除菌の判定が比較的正確に行うことが可能
である。しかも、この方法では、内視鏡検査は必要ない
ため、被験者の負担は少なく、繰り返し複数回の検査測
定を問題なく行うことが可能であり、さらに血中ペプシ
ノーゲン Iなどの体液中ペプシノーゲン I及び血中ペプ
シノーゲン II などの体液中ペプシノーゲン II の測定
には市販の検査試薬を用いて、簡単かつ迅速な測定が行
うことが出来る。こうして新たな機材を開発したり、購
入したりする必要はなく、それに付随しての特殊な技能
・技術も要求されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】Hp除菌治療の成否別に血中PG I/PG II比の除
菌治療前後の変化率を示した各値の散布図を示す。+2
5%を境とすると、非除菌群ではその+25%の境界を
越えるものは3例のみである。
【図2】血中PG I/PG II比の除菌治療前後の変化率によ
る除菌判定法の感度及び特異性を示す。従来法である、
培養法や、ラピッド・ウレアーゼ・テストよりも特に感
度の点で優れている。
【図3】除菌前血中PG I/PG II比と血中PG I/PG II比の
除菌治療前後の変化率とさらに除菌の成否との関係を示
す。
【図4】除菌前血中PG I/PG II比と血中PG I/PG II比の
除菌治療前後の変化率とさらに除菌の成否との関係を示
す。
【図5】除菌前血中PG I/PG II比と血中PG I/PG II比の
除菌治療前後の変化率とさらに除菌の成否との関係を示
す。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘリコバクター・ピロリ陽性患者体液に
    つき、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療前の体液中及び
    除菌治療後実質的に有意の結果の生ずる期間の後の体液
    中ペプシノーゲン I値及びペプシノーゲン II 値をそれ
    ぞれ測定し、次にヘリコバクター・ピロリ除菌治療前の
    値と該除菌治療後実質的に有意の結果の生ずる期間の後
    の値との間のペプシノーゲン I 若しくはペプシノーゲ
    ン IIの変化率並びに体液中ペプシノーゲン I/ペプシ
    ノーゲン II 比を求め、更に該体液中ペプシノーゲン I
    /ペプシノーゲン II 比についてヘリコバクター・ピロ
    リ除菌治療前の値と該除菌治療後実質的に有意の結果の
    生ずる期間の後の値との間でその変化率を求め、 (i) 該体液中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン I
    I 比の変化率がある一定の値以上のものをヘリコバクタ
    ー・ピロリが除菌されたことを示す指標とすると共にそ
    の変化率の設定値をヘリコバクター・ピロリ除菌治療前
    の体液中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン II 比に応
    じて設定すること、並びに(ii) 該体液中ペプシノー
    ゲン I/ペプシノーゲン II 比の変化率がある一定の値
    より少ないものであって、且つヘリコバクター・ピロリ
    除菌治療前体液検体の体液中ペプシノーゲン I/ペプシ
    ノーゲン II 比がある一定の値以上のものでは、ヘリコ
    バクター・ピロリ除菌治療後実質的に有意の結果の生ず
    る期間の後のペプシノーゲン I 若しくはペプシノーゲ
    ン II の値が、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療前の値
    に比較して、ある一定の値若しくはある割合以下となる
    ものをヘリコバクター・ピロリが除菌されたことを示す
    指標とすることを特徴とするヘリコバクター・ピロリ除
    菌判定方法。
  2. 【請求項2】 (ii)において、該体液中ペプシノーゲ
    ン I/ペプシノーゲン II 比の変化率がある一定の値よ
    り少ないものであって、且つヘリコバクター・ピロリ除
    菌治療前体液検体の体液中ペプシノーゲン I/ペプシノ
    ーゲン II 比がある一定の値以上のものでは、ヘリコバ
    クター・ピロリ除菌治療後実質的に有意の結果の生ずる
    期間の後のペプシノーゲン I 若しくはペプシノーゲン
    II の値が、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療前の値に
    対して、例えば、85%未満となるものをヘリコバクタ
    ー・ピロリが除菌されたことを示す指標とすることを特
    徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】(ii)において、該体液中ペプシノーゲン
    I/ペプシノーゲンII 比の変化率がある一定の値より
    少ないものであって、且つヘリコバクター・ピロリ除菌
    治療前体液検体の体液中ペプシノーゲン I/ペプシノー
    ゲン II 比が、例えば、6.0以上のものでは、ヘリコ
    バクター・ピロリ除菌治療後実質的に有意の結果の生ず
    る期間の後のペプシノーゲン I 若しくはペプシノーゲ
    ン IIの値が、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療前の値
    に対して、ある一定の値若しくはある割合以下となるも
    の、例えば、85%未満となるものをヘリコバクター・
    ピロリが除菌されたことを示す指標とすることを特徴と
    する請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 (ii)において、該体液中ペプシノーゲ
    ン I/ペプシノーゲン II 比の変化率が+10%より少
    ないものであって、且つヘリコバクター・ピロリ除菌治
    療前体液検体の体液中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲ
    ン II 比がある一定の値以上のもの、例えば、6.0以
    上のものでは、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療後実質
    的に有意の結果の生ずる期間の後のペプシノーゲン I
    若しくはペプシノーゲン II の値が、ヘリコバクター・
    ピロリ除菌治療前の値に対して、ある一定の値若しくは
    ある割合以下となるもの、例えば、85%未満となるも
    のをヘリコバクター・ピロリが除菌されたことを示す指
    標とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 (i)において、該体液中ペプシノーゲ
    ン I/ペプシノーゲン II 比の変化率が少なくとも+1
    0%以上のものをヘリコバクター・ピロリが除菌された
    ことを示す指標とすると共にその変化率の設定値をヘリ
    コバクター・ピロリ除菌治療前の体液中ペプシノーゲン
    I/ペプシノーゲン II 比に応じて設定することを特徴
    とする請求項1〜4のいずれか一記載の方法。
  6. 【請求項6】 (i)において、該体液中ペプシノーゲ
    ン I/ペプシノーゲン II 比の変化率が少なくとも+1
    0%以上のものをヘリコバクター・ピロリが除菌された
    ことを示す指標とすると共にその変化率の設定値をヘリ
    コバクター・ピロリ除菌治療前の体液中ペプシノーゲン
    I/ペプシノーゲン II 比に応じて設定すること、並び
    に(ii)において、該体液中ペプシノーゲン I/ペプシ
    ノーゲン II 比の変化率が+10%より少ないものであ
    って、且つヘリコバクター・ピロリ除菌治療前体液検体
    の体液中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン II 比が、
    例えば、6.0以上のものでは、ヘリコバクター・ピロ
    リ除菌治療後実質的に有意の結果の生ずる期間の後のペ
    プシノーゲン I 若しくはペプシノーゲン II の値が、
    ヘリコバクター・ピロリ除菌治療前の値より、例えば、
    85%未満となるものをヘリコバクター・ピロリが除菌
    されたことを示す指標とすることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれか一記載の方法。
  7. 【請求項7】 (i)において、該体液中ペプシノーゲ
    ン I/ペプシノーゲン II 比の変化率がある一定の値以
    上のもの、例えば、少なくとも+10%以上のものをヘ
    リコバクター・ピロリが除菌されたことを示す指標とす
    ると共にその変化率の設定値をヘリコバクター・ピロリ
    除菌治療前の体液中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン
    II 比に応じて設定すること、並びに(ii)において、
    該体液中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン II 比の変
    化率がある一定の値より少ないもの、例えば、+10%
    より少ないものであって、且つヘリコバクター・ピロリ
    除菌治療前体液検体の体液中ペプシノーゲン I/ペプシ
    ノーゲン II 比がある一定の値以上のもの、例えば、
    6.0以上のものでは、ヘリコバクター・ピロリ除菌治
    療前の値と該除菌治療後実質的に有意の結果の生ずる期
    間の後の値との間のペプシノーゲン I 若しくはペプシ
    ノーゲン II の減少率が、ある一定の値以上のものをヘ
    リコバクター・ピロリが除菌されたことを示す指標とす
    ることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 ヘリコバクター・ピロリ陽性患者体液に
    つき、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療前の体液中及び
    除菌治療後実質的に有意の結果の生ずる期間の後の体液
    中ペプシノーゲン I値及びペプシノーゲン II 値をそれ
    ぞれ測定し、次にヘリコバクター・ピロリ除菌治療前の
    値と該除菌治療後実質的に有意の結果の生ずる期間の後
    の値との間のペプシノーゲン I 若しくはペプシノーゲ
    ン IIの変化率及び体液中ペプシノーゲン I/ペプシノ
    ーゲン II 比を求め、更に該体液中ペプシノーゲン I/
    ペプシノーゲン II 比についてヘリコバクター・ピロリ
    除菌治療前の値と該除菌治療後実質的に有意の結果の生
    ずる期間の後の値との間でその変化率を求め、 (i) 該体液中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン I
    I 比の変化率の少なくとも+10%以上のものをヘリコ
    バクター・ピロリが除菌されたことを示す指標とすると
    共にその変化率の設定値をヘリコバクター・ピロリ除菌
    治療前の体液中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン II
    比に応じて設定すること、並びに(ii) 該体液中ペプ
    シノーゲン I/ペプシノーゲン II 比の変化率が+10
    %より少ないものであって、且つヘリコバクター・ピロ
    リ除菌治療前体液検体の体液中ペプシノーゲン I/ペプ
    シノーゲン II 比が6.0以上のものでは、ヘリコバク
    ター・ピロリ除菌治療前の値と該除菌治療後実質的に有
    意の結果の生ずる期間の後の値との間のペプシノーゲン
    I 若しくはペプシノーゲン IIの減少率が、ある一定
    の値以上のもの、例えば、+15%以上のものをヘリコ
    バクター・ピロリが除菌されたことを示す指標とするこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれか一記載の方法。
  9. 【請求項9】 (ii)において、該体液中ペプシノーゲ
    ン I/ペプシノーゲン II 比の変化率が+10%より少
    ないものであって、且つヘリコバクター・ピロリ除菌治
    療前体液検体の体液中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲ
    ン II 比が6.0以上のものでは、ヘリコバクター・ピ
    ロリ除菌治療前の値と該除菌治療後実質的に有意の結果
    の生ずる期間の後の値との間のペプシノーゲン I 若し
    くはペプシノーゲン II の減少率が、+15%以上のも
    のをヘリコバクター・ピロリが除菌されたことを示す指
    標とすることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一記
    載の方法。
  10. 【請求項10】 (i)において、該体液中ペプシノー
    ゲン I/ペプシノーゲン II 比のヘリコバクター・ピロ
    リ除菌治療前体液検体の値と該除菌治療後実質的に有意
    の結果の生ずる期間の後の体液検体の値との間の変化率
    の一定の値以上のもの(変化率の設定値)を、 (a)ヘリコバクター・ピロリ除菌治療前体液検体の体
    液中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン II 比が3未満
    では、+40%とする、及び/又は(b)ヘリコバクタ
    ー・ピロリ除菌治療前体液検体の体液中ペプシノーゲン
    I/ペプシノーゲン II 比が3以上5未満では、+25
    %とする、及び/又は(c)ヘリコバクター・ピロリ除
    菌治療前体液検体の体液中ペプシノーゲン I/ペプシノ
    ーゲン II 比が5以上では、+10%とすることを特徴
    とする請求項1〜9のいずれか一記載の方法。
  11. 【請求項11】 (i)において、該体液中ペプシノー
    ゲン I/ペプシノーゲン II 比のヘリコバクター・ピロ
    リ除菌治療前体液検体の値と該除菌治療後実質的に有意
    の結果の生ずる期間の後の体液検体の値との間の変化率
    の一定の値以上のもの(変化率の設定値)を、 (a)ヘリコバクター・ピロリ除菌治療前体液検体の体
    液中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン II 比が3未満
    では、+40%とする、及び/又は(b)ヘリコバクタ
    ー・ピロリ除菌治療前体液検体の体液中ペプシノーゲン
    I/ペプシノーゲン II 比が3以上5未満では、+25
    %とする、及び/又は(c)ヘリコバクター・ピロリ除
    菌治療前体液検体の体液中ペプシノーゲン I/ペプシノ
    ーゲン II 比が5以上では、+10%とすること、並び
    に(ii)において、該体液中ペプシノーゲン I/ペプシ
    ノーゲン II 比の変化率が+10%より少ないものであ
    って、且つヘリコバクター・ピロリ除菌治療前体液検体
    の体液中ペプシノーゲン I/ペプシノーゲン II 比が6
    以上のものでは、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療前の
    値と該除菌治療後実質的に有意の結果の生ずる期間の後
    の値との間のペプシノーゲン II の減少率が+15%以
    上のものをヘリコバクター・ピロリが除菌されたことを
    示す指標とすることを特徴とする請求項1〜10のいず
    れか一記載の方法。
  12. 【請求項12】 体液検体中のペプシノーゲン I値及び
    ペプシノーゲン II値の測定が、モノクローナル抗体を
    用いた免疫測定試薬によりなされる請求項1〜11のい
    ずれか一記載の方法。
  13. 【請求項13】 モノクローナル抗体がペプシノーゲン
    Iに対するモノクローナル抗体及びペプシノーゲン II
    に対するモノクローナル抗体を含有することを特徴とす
    る請求項1〜12のいずれか一記載の方法。
  14. 【請求項14】 体液検体が血液検体であることを特徴
    とする請求項1〜13のいずれか一記載の方法。
  15. 【請求項15】 血液検体が、(a)血清、(b)血
    漿、又は(c)全血であることを特徴とする請求項14
    記載の方法。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれか一記載の方
    法に用いる測定試薬と組み合わされた、胃酸分泌抑制
    剤、抗生物質、抗菌剤、抗原虫剤及びその他の抗ヘリコ
    バクター・ピロリ活性を有する薬剤からなる群から選ば
    れたものを主剤とするヘリコバクター・ピロリ除菌剤。
  17. 【請求項17】 請求項1〜15のいずれか一記載の方
    法に用いる測定試薬と組み合わされた、胃酸分泌抑制
    剤、抗生物質、抗菌剤、抗原虫剤及びその他の抗ヘリコ
    バクター・ピロリ活性を有する薬剤からなる群から選ば
    れたものを主剤とする胃十二指腸潰瘍治療剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002543433A (ja) * 1999-04-30 2002-12-17 ビオヒット・ユルキネン・オサケユキテュア 血清サンプル中のペプシノーゲンi(pgi)とガストリン−17の濃度の定量的測定の段階を含む、消化性潰瘍の危険性を評価する方法
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