JPH10145144A - 無線受信装置 - Google Patents

無線受信装置

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JPH10145144A
JPH10145144A JP30321496A JP30321496A JPH10145144A JP H10145144 A JPH10145144 A JP H10145144A JP 30321496 A JP30321496 A JP 30321496A JP 30321496 A JP30321496 A JP 30321496A JP H10145144 A JPH10145144 A JP H10145144A
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patch antenna
line
chip
feed
lines
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JP30321496A
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Yasushi Shizuki
康 志津木
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Input Circuits Of Receivers And Coupling Of Receivers And Audio Equipment (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】バランを用いることなく平衡型ミキサを構成し
て、小型で低コスト、高信頼性、かつ広帯域にわたって
安定に動作する無線受信装置を提供する。 【解決手段】誘電体基板101上に形成されたパッチア
ンテナ103を線対称に二分する線上の対向する二つの
端を給電端F1,F2として、0°/180°のRF信
号をパッチアンテナ103から直接取り出し、給電線路
104〜107を介して半導体集積回路108内に構成
された平衡型ミキサに入力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体通信などに
用いられる無線受信装置に係り、特にパッチアンテナを
用いて構成した無線受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、無線通信の分野では高周波化が進
んでいる。高周波化すると各種コンポーネントを小型化
できるため、従来のハイブリッドICに代えて、MMI
C(モノリシック・マイクロ波集積回路)を用いて送受
信装置を構成する方法が多用される。
【0003】図7は、MMICを用いて構成した従来の
無線受信装置の例である。パッチアンテナ11で受信さ
れたRF信号は、低雑音増幅器(LNA)12で増幅さ
れた後、ミキサ13に入力され、局部発振器14からの
ローカル信号LOとミキシングされることにより、IF
信号(中間周波信号)に変換される。破線で囲んだ低雑
音増幅器12、ミキサ13および局部発振器14の部分
は、半導体集積回路チップ(以下、ICチップという)
15上に構成される。
【0004】図8は、MMICを用いて構成した従来の
他の無線受信装置であり、平衡型ミキサを使用した例で
ある。パッチアンテナ21で受信されたRF信号は、低
雑音増幅器22で増幅された後バラン23に入力され、
互いに位相が反転した二つのRF信号、すなわち0°/
180°のRF信号が生成される。これらのRF信号
は、平衡型ミキサを構成する二つのミキサ24,25に
それぞれ入力され、局部発振器26からのローカル信号
LOとミキシングされた後、減算器27によって差がと
られ、IF信号に変換される。この場合には、破線で囲
んだ低雑音増幅器22、バラン23、ミキサ24,2
5、局部発振器26および減算器27の部分がICチッ
プ28上に構成される。
【0005】図8の無線受信装置は、平衡型ミキサの使
用により、通信を妨害するイメージ成分を除去でき、図
7の例と比較してより高感度の受信が可能となるという
利点がある。この例では、バラン23によって生成され
る0°/180°のRF信号の信号の位相精度が高く、
かつ振幅が揃っていることが高性能の平衡型ミキサを実
現する上で重要となる。
【0006】ここで、装置の小型化・低消費電力を達成
するためには、図8に示したようにバラン23をICチ
ップ28上に設ける必要がある。しかし、ICチップ2
8上でバラン23が占める面積は一般に大きくなるた
め、チップ面積が増大して歩留まり低下の問題が起こ
る。
【0007】また、高周波化を図る場合、一般に半導体
基板として高周波特性に優れたGaAs基板を用いる
が、このような基板は高価であるため、占有面積の大き
なバラン23をICチップ28上に設けることはコスト
アップにつながってしまい、好ましくない。
【0008】さらに、GaAs基板は高誘電率であり、
このような高誘電率基板上にバラン23を形成すると、
バラン23の周波数帯域を広くとることが難しい。従っ
て、搬送波の周波数範囲が広い通信システムにおいて
は、搬送波の周波数によってはバラン23により生成さ
れるRF信号の0°/180°の位相関係を正確に維持
することが難しくなり、特性のばらつきが生じる可能性
がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の平衡型ミキサを用いる無線受信装置では、位相が反転
した二つのRF信号を生成するために用いられるバラン
の存在によって、装置をMMIC化した場合、チップ面
積の増大、歩留まりの低下、コストアップなどの問題が
生じ、また使用周波数帯域が広い通信システムにおいて
は、半導体ICチップ内に形成したバラン自体の特性の
ばらつきが問題となっていた。
【0010】本発明は、バランを用いることなく平衡型
ミキサを構成して、MMIC化により小型で低コスト、
高信頼性、かつ広い周波数帯域にわたって安定に動作す
る無線受信装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係る無線受信装置は、誘電体基板上に形成
されたパッチアンテナを線対称に二分する線上の対向す
る二つの端を給電端として、これらの給電端に一対の給
電線路を接続し、パッチアンテナで受信された信号を該
一対の給電線路を介して半導体集積回路により構成され
た平衡型ミキサに入力し、平衡型ミキサにおいてローカ
ル信号とミキシングして出力信号を取り出すようにした
ことを特徴とする。平衡型ミキサにおいては、入力され
るRF信号を低雑音増幅器により増幅してからローカル
信号とミキシングしてもよい。
【0012】パッチアンテナは一般的に正方形状をな
し、その一辺の長さは使用中心波長λに対してλ/2に
選ばれるので、パッチアンテナを線対称に二分する線上
の対向する二つの端を給電端とすれば、これらの給電端
上の電圧位相は互いに逆位相となる。すなわち、これら
の給電端から互いに0°/180°のRF信号を直接取
り出して、給電線路により平衡型ミキサに供給すること
ができる。
【0013】従って、半導体集積回路内にバランを設け
ることなく平衡型ミキサを構成することができ、半導体
集積回路チップの小型化、低価格化が可能となる。しか
も、パッチアンテナが形成される誘電体基板は、GaA
s基板のような高周波用の半導体基板に比較して低誘電
率であるため、広帯域にわたって0°/180°の位相
関係が高精度に維持されたRF信号をパッチアンテナの
二つの給電端から取り出すことができる。
【0014】また、本発明は一対の給電線路の長さLと
パッチアンテナの使用中心波長λとの関係をL≠n×λ
/4(n:自然数)とし、かつパッチアンテナの給電端
の近傍位置と給電線路との間に抵抗素子を挿入したこと
を特徴とする。
【0015】一対の給電線路とこれに接続された半導体
集積回路の入力端との間でインピーダンス不整合が生じ
ると、反射波が発生する。この反射波が各々の給電線
路、パッチアンテナおよび他方の給電線路を介して半導
体集積回路の他方の入力端に戻ると多重反射が起こり、
平衡型ミキサの動作に悪影響を及ぼす。
【0016】本発明では、給電線路の長さを上記のよう
に選ぶと、パッチアンテナの給電端では給電線路を介し
てパッチアンテナ側に戻る反射波はある電流値を持つた
め、パッチアンテナの給電端近傍位置と給電線路の間に
挿入された抵抗素子により減衰され、上記のような多重
反射が防止される。この場合、パッチアンテナで受信さ
れた信号による電流は給電端で最小となるため、抵抗素
子によって減衰されることなく、給電線路を介して半導
体集積回路に供給される。
【0017】さらに、本発明は一対の給電線路の長さL
とパッチアンテナの使用中心波長λとの関係をL≠n×
λ/4(n:自然数)とし、かつパッチアンテナを二つ
の給電端を結ぶ線と直交する方向に線対称に二分する線
上の少なくとも一方の端部とグランド間に抵抗素子を接
続したことを特徴とする。
【0018】給電線路の長さを上記のように選ぶと、給
電線路と半導体集積回路の入力端との間でインピーダン
ス不整合により生じた反射波は、パッチアンテナを二つ
の給電端を結ぶ線と直交する方向に線対称に二分する線
上である電圧を持つため、この線上の少なくとも一方の
端部に接続された抵抗素子を通してグランドに流れ込
み、減衰される。従って、上記と同様にして多重反射が
防止される。この場合、パッチアンテナで受信された信
号の電圧は、パッチアンテナを二つの給電端を結ぶ線と
直交する方向に線対称に二分する線上では最小となるた
め、この抵抗素子によって減衰を受けることはない。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。 (第1の実施形態)図1(a)(b)は、本発明の第1
の実施形態に係る無線受信装置の平面図とA−A′線に
沿う断面図である。同図において、基板101は例えば
セラミック基板のような誘電体基板であり、その裏面に
グランド導体膜102が形成されている。誘電体基板1
01上には、正方形状のパッチアンテナ103が形成さ
れている。このパッチアンテナ103の一辺の長さは、
使用中心波長をλとしてλ/2に設定され、より厳密に
は、誘電体基板101の比誘電率をεr1とすると、λ/
(2・√εr1)に設定される。
【0020】パッチアンテナ103には、対向する二辺
の中央部、すなわちアンテナ103を図の左右に線対称
に二分する線上の対向する端部に給電端F1,F2が設
けられている。これらの給電端F1,F2に、高インピ
ーダンス線路104,105を介して主給電線路10
6,107のそれぞれの一端が接続されている。高イン
ピーダンス線路104,105は、特性インピーダンス
が通常50Ωである主給電線路106,107とパッチ
アンテナ103とのインピーダンス整合をとるために設
けられており、この例では主給電線路106,107よ
り線路幅の狭い線路からなっている。本発明でいう給電
線路とは、本実施形態の場合、高インピーダンス線路1
04,105と主給電線路106,107を含めた線路
全体を差すものとする。
【0021】主給電線路106,107の他端は、誘電
体基板101上にダイパッド109を介して実装された
図2に示す構成の半導体集積回路チップ(以下、ICチ
ップという)108の二つの入力端子に接続されてい
る。ICチップ108の出力端子は、誘電体基板101
上に形成された出力信号線路110に接続されている。
ICチップ108と主給電線路106,107との接続
および出力信号線路110との接続は、ボンディングワ
イヤ111,112および113によって行われる。な
お、ICチップにフリップチップ素子を用い、フェイス
ダウンボンディングにより実装してもよい。
【0022】グランド導体膜102は、誘電体基板10
1の裏面にCu膜、Au膜などの良導電性の導体膜を蒸
着またはスパッタなどにより一様に形成したものであ
る。一方、パッチアンテナアンテナ103、高インピー
ダンス線路104,105、主給電線路106,10
7、ダイパッド109および出力信号線路110は、誘
電体基板101のグランド導体膜102と反対側の面上
にCu膜、Au膜などの良導電性の導体膜を蒸着または
スパッタなどにより一様に形成した後、所望パターンに
エッチングすることで形成される。
【0023】パッチアンテナ103の対向する二辺の中
央部の給電端F1,F2からは、互いに逆位相、つまり
0°/180°のRF信号がそれぞれ取り出される。す
なわち、一辺の長さがλ/2であるパッチアンテナ10
3上の電圧分布は、図3の太線で示されるように給電端
F1,F2を通るF1−F2線上の中央部で最小(0
V)、給電端F1,F2の位置で最大となるが、給電端
F1,F2の位置での電圧は逆極性である。従って、給
電端F1,F2から0°/180°のRF信号を取り出
すことができる。これら0°/180°のRF信号は、
高インピーダンス線路104,105および主給電線路
106,107を介してICチップ108に入力され
る。
【0024】図2に、ICチップ108の本発明に関係
する部分の内部構成を示す。図2において、パッチアン
テナ103から高インピーダンス線路104,105お
よび主給電線路106,107をそれぞれ介して入力さ
れた0°/180°の位相のRF信号は、それぞれ低雑
音増幅器(LNA)201,202によって増幅された
後、ミキサ203,204に入力され、局部発振器20
5からのローカル信号とミキシングされ、さらに減算器
206で差がとられることによってIF信号が生成され
る。生成されたIF信号は、出力信号線路110により
次段の回路へ出力される。
【0025】このようにしてICチップ108内に0°
/180°の位相のRF信号を生成するためのバランを
設けることなく、平衡型ミキサを構成することができ
る。ミキサ203,204の入力端でのRF信号は、ほ
ぼ等振幅、逆位相であることが必要である。このため
に、低雑音増幅器201,202は同一ゲイン、同一位
相回転を持つように設計される。0°/180°の各々
のRF信号経路に振幅および位相の調整用のパターンや
回路を設けて、ミキサ203,204の入力端でのRF
信号を等振幅、逆位相となるように調整してもよい。
【0026】また、本実施形態においてICチップ10
8の比誘電率をεr2とすると、εr1<εr2とすること
で、ICチップ108内にバランを設けた場合よりも特
性が広帯域化する。
【0027】(第2の実施形態)図3に、本発明の第2
の実施形態に係る無線受信装置の平面図を示す。本実施
形態では、高インピーダンス線路104,105と主給
電線路106,107からなる給電線路の長さLと、パ
ッチアンテナ103の使用中心波長λとの関係をL≠n
×λ/4(n:自然数)とし、かつパッチアンテナ10
3の給電端F1,F2の近傍位置、この例では給電端F
1,F2が設けられた二つの辺と高インピーダンス線路
104,105との間に、抵抗素子121,122をそ
れぞれ挿入した点が第1の実施形態と異なっている。抵
抗素子121,122は、例えばニッケル膜のような電
気的抵抗が比較的高い導体膜、あるいは抵抗体膜によっ
て形成される。
【0028】本実施形態によると、抵抗素子121,1
22により主給電線路106,107の特性インピーダ
ンスとICチップ108の入力インピーダンス(低雑音
増幅器201,202の入力インピーダンス)とのイン
ピーダンス不整合による多重反射を回避できるという効
果が得られる。この効果を以下に説明する。
【0029】上記のようなインピーダンス不整合がある
と、低雑音増幅器201,202の入力端で反射が起こ
る。この場合、低雑音増幅器201の入力端での位相0
°の反射波は、主給電線路106および高インピーダン
ス線路104を通って給電端F1からパッチアンテナ1
03に入り、さらに給電端F2から高インピーダンス線
路105および主給電線路107を通って低雑音増幅器
202の入力端に入り込むため、低雑音増幅器202に
は0°/180°の両方の信号が入力されることにな
る。低雑音増幅器202の入力端での位相180°の反
射波も同様に、主給電線路107および高インピーダン
ス線路105を通って給電端F2からパッチアンテナ1
03に入り、給電端F1から高インピーダンス線路10
4および主給電線路106を通って低雑音増幅器201
の入力端に入り込むので、低雑音増幅器201にも0°
/180°の両方の信号が入力されることになる。この
ような多重反射は、当然のことながら平衡型ミキサの動
作に悪影響を及ぼす。
【0030】これに対し、本実施形態ではL≠n×λ/
4の条件から低雑音増幅器201,202での反射波
は、給電端F1,F2の近傍位置に設けられた抵抗素子
121,122の位置では零でないある電流値を持つた
め、抵抗素子121,122によって減衰され、パッチ
アンテナ103に流れ込むことはない。従って、インピ
ーダンス不整合があっても多重反射の問題は発生せず、
平衡型ミキサを正しく動作させることができる。
【0031】また、パッチアンテナ103で受信された
RF信号による電流分布は、図3に破線で示したように
なり、給電端F1,F2で電流最小となるため、RF信
号は抵抗素子121,122によって減衰されることな
く、給電線路を介してICチップ108に供給される。
【0032】(第3の実施形態)図5(a)(b)は、
本発明の第3の実施形態に係る無線受信装置の平面図と
A−A′線に沿う断面図である。本実施形態において
は、第2の実施形態と同様に高インピーダンス線路10
4,105と主給電線路106,107からなる給電線
路の長さLと、パッチアンテナ103の使用中心波長λ
との関係をL≠n×λ/4(n:自然数)とした上で、
かつパッチアンテナ103の二つの給電端F1,F2を
結ぶ線F1−F2と直交する方向に線対称に二分する線
G1−G2上の両端部G1,G2とグランド間にそれぞ
れ抵抗素子131,132を接続した点がこれまでの実
施形態と異なっている。
【0033】抵抗素子131,132は、例えば膜状抵
抗体またはチップ抵抗からなり、パッチアンテナ103
の端部G1,G2と反対側の端部は、誘電体基板101
を貫通して設けられたスルーホール133,134をそ
れぞれ介してグランド導体膜102に接続されている。
【0034】本実施形態によっても、第2の実施形態と
同様に抵抗素子131,132により主給電線路10
6,107の特性インピーダンスとICチップ108の
入力インピーダンス(低雑音増幅器201,202の入
力インピーダンス)とのインピーダンス不整合による多
重反射を回避できるという効果が得られる。
【0035】すなわち、本実施形態ではL≠n×λ/4
の条件から、線G1−G2と給電点F1,F2との間の
距離λ/4とLの和についても、L+λ/4≠n×λ/
4の条件が成立する。従って、低雑音増幅器201,2
02での反射波は、線G1−G2上の両端に設けられた
抵抗素子131,132の位置で零でないある電圧値を
持つため、抵抗素子131,132を通ってグランドに
流れ込んで減衰され、パッチアンテナ103に流れ込む
ことはない。この結果、インピーダンス不整合があって
も、第2の実施形態と同様に多重反射の問題は発生せ
ず、平衡型ミキサを正しく動作させることができる。
【0036】なお、第2の実施形態で説明した抵抗素子
121,122と第2の実施形態で説明した抵抗素子1
31,132を併用して多重反射を防止することも可能
である。
【0037】(第4の実施形態)図6(a)(b)
(c)は、本発明の第4の実施形態に係る無線受信装置
の平面図とB−B′線およびC−C′線に沿う断面図で
ある。第1〜第3の実施形態では、パッチアンテナの給
電端と給電線路を直接接続してDC結合させたが、本実
施形態はスロットを用いてAC結合させた例である。
【0038】すなわち、本実施形態では図6(b)に示
すように誘電体基板141上に給電線路142,143
を形成し、その上に誘電体層144を介して設けられた
導体層145に、パッチアンテナ103の給電端の下部
に位置するように一対のスロット146,147を設
け、さらにその上に設けられた誘電体層148の表面に
パッチアンテナ103を形成している。パッチアンテナ
103によって受信されたRF信号は、給電端の下部に
位置しているスロット146,147により給電線路1
42,143と結合し、ICチップ108に供給される
ことになる。
【0039】ICチップ108は、最上層の誘電体層1
48上に実装されている。ICチップ108の二つの入
力端子(図2の低雑音増幅器201,202の入力端
子)は、ボンディングワイヤ111,112をそれぞれ
介して誘電体層148上のパッド151,152と接続
されている。これらのパッド151,152と、誘電体
基板141と内側の誘電体層144との間に設けられた
給電線路142,143との接続は、スルーホール15
3,154によって行われる。
【0040】本実施形態によると、スロット146,1
47によるAC結合を利用して給電を行っているため、
第1〜第3の実施形態のようなパッチアンテナ103と
給電線路142,143とのインピーダンス整合のため
の高インピーダンス線路は不要となる。
【0041】なお、第の実施形態の構成を第2、第3の
実施形態と組み合わせて実施することも可能である。ま
た、上記実施形態ではパッチアンテナ103の形状を正
方形状としたが、円形のパッチアンテナを用いた場合に
も本発明を適用することができる。その他、本発明はそ
の主旨に反しない範囲で種々変形して実施することが可
能である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればパ
ッチアンテナに設けた二つの給電端から0°/180°
の位相の二つのRF信号を直接取り出して平衡型ミキサ
に供給するため、バランを用いることなく平衡型ミキサ
を構成でき、ICチップの小型化、低価格化が可能とな
る。
【0043】また、パッチアンテナが形成される誘電体
基板は、GaAs基板のような高周波用の半導体基板と
比較して低誘電率であることから、広帯域にわたって0
°/180°の位相関係が高精度に維持されたRF信号
を取り出すことができ、平衡型ミキサの動作特性が向上
する。
【0044】さらに、本発明では一対の給電線路の長さ
Lとパッチアンテナの使用中心波長λとの関係をL≠n
×λ/4(n:自然数)とし、かつパッチアンテナの給
電端近傍位置と給電線路との間に抵抗素子を挿入する
か、またはパッチアンテナを二つの給電端を結ぶ線と直
交する方向に線対称に二分する線上の少なくとも一方の
端部とグランド間に抵抗素子を接続することにより、受
信したRF信号を減衰させることなく、給電線路とIC
チップの入力端との間のインピーダンス不整合により生
じた反射波を減衰させ、平衡型ミキサの動作に悪影響を
及ぼす多重反射の問題を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る無線受信装置の
構成を示す平面図とA−A′線に沿う断面図
【図2】ICチップ内部の回路構成を示すブロック図
【図3】パッチアンテナ上の電圧分布および電流分布を
示す図
【図4】本発明の第2の実施形態に係る無線受信装置の
構成を示す平面図
【図5】本発明の第3の実施形態に係る無線受信装置の
構成を示す平面図とA−A′線に沿う断面図
【図6】本発明の第4の実施形態に係る無線受信装置の
構成を示す平面図とB−B′線およびC−C′線に沿う
断面図
【図7】従来の一般的な無線受信装置の構成を示すブロ
ック図
【図8】平衡型ミキサを用いた従来の無線受信装置の構
成を示すブロック図
【符号の説明】
101…誘電体基板 102…グランド導体膜 103…パッチアンテナ F1,F2…パッチアンテナの給電端 104,105…高インピーダンス線路 106,107…主給電線路 108…ICチップ 109…ダイパッド 110…出力信号線路 111〜113…ボンディングワイヤ 121,122…抵抗素子 131,132…抵抗素子 133,134…スルーホール 141…誘電体基板 142,143…給電線路 144…誘電体層 145…導体層 146,147…スロット 148…誘電体層 201,202…低雑音増幅器 203,204…ミキサ 205…局部発振器 206…減算器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体基板と、 この誘電体基板上に形成されたパッチアンテナと、 このパッチアンテナを線対称に二分する線上の対向する
    二つの給電端に接続された一対の給電線路と、 前記パッチアンテナで受信された信号を前記一対の給電
    線路を介して入力し、ローカル信号とミキシングして出
    力信号を取り出す半導体集積回路により構成された平衡
    型ミキサとを備えたことを特徴とする無線受信装置。
  2. 【請求項2】前記一対の給電線路の長さLと前記パッチ
    アンテナの使用中心波長λとの関係をL≠n×λ/4
    (n:自然数)とし、かつ前記パッチアンテナの前記給
    電端近傍位置と前記給電線路との間に抵抗素子を挿入し
    たことを特徴とする請求項1に記載の無線受信装置。
  3. 【請求項3】前記一対の給電線路の長さLと前記パッチ
    アンテナの使用中心波長λとの関係をL≠n×λ/4
    (n:自然数)とし、かつ前記パッチアンテナを前記二
    つの給電端を結ぶ線と直交する方向に線対称に二分する
    線上の少なくとも一方の端部とグランド間に抵抗素子を
    接続したことを特徴とする請求項1または2に記載の無
    線受信装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100342778B1 (ko) * 1999-03-04 2002-07-04 가타오카 마사타카 위성방송수신용 컨버터
US8742480B2 (en) 2005-03-31 2014-06-03 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Wireless chip and electronic device having wireless chip

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