JPH10141662A - ガスタービン燃焼器 - Google Patents

ガスタービン燃焼器

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JPH10141662A
JPH10141662A JP30751296A JP30751296A JPH10141662A JP H10141662 A JPH10141662 A JP H10141662A JP 30751296 A JP30751296 A JP 30751296A JP 30751296 A JP30751296 A JP 30751296A JP H10141662 A JPH10141662 A JP H10141662A
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卓 田丸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼室壁面の高温化が可能となり、未燃焼排
出物の低減と燃焼効率の向上を図ることができ、さらに
ガスタービン燃焼器の小型化と軽量化を図ることができ
る。 【解決手段】 燃焼器外筒1、1’内面に燃焼室壁面を
構成する1000℃以上の耐熱性を有する非金属耐熱材
からなる耐熱材壁2を取り付け、該耐熱材壁中に直接又
は空気通路11を介して通過させて燃焼室3に燃焼制御
又は僅かな冷却に必要な空気を分配させる。 【効果】 燃焼反応が壁面近傍まで行なわれ、炭化水素
や一酸化炭素等の未燃焼排出物を飛躍的に低減すること
ができ、且つ冷却空気量を削減できるので、燃焼室内で
希薄燃焼制御が可能となり窒素酸化物NOxの発生も低
減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービン燃焼
器、特に航空用又は産業用ガスタービン燃焼器における
従来の金属ライナに代わる新規の燃焼室形成構造を有す
るガスタービン燃焼器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の航空用又は産業用ガスタービン燃
焼器は、一般に外筒の内側に金属ライナを設け、外筒と
金属ライナとの間が環状の空気通路となっている。この
ようなガスタービン燃焼器において、ディフューザー入
口部を経て流入する空気は、燃焼器入口部で環状通路と
燃焼器頭部内に分流され、頭部内に流入する空気は空気
旋回器等により再循環保炎流を形成して安定燃焼に寄与
し、環状通路を流れる空気はライナ空気孔及びライナ冷
却構造を経て燃焼室に流入する。一般に、ライナ前半部
の空気孔から流入する空気は燃焼制御とライナ自身の冷
却に寄与し、ライナ中・後半部の空気孔から流入する空
気は燃焼の完結と燃焼器出口部でのタービン入口ガス温
度分布調整に用いられている。そのほか、環状通路を流
れる空気は、ライナを燃焼熱から保護するための冷却用
に用いられる。ライナ冷却空気はライナ冷却構造によっ
て流量が制限され、作動条件の変化の必要性に応じた流
量の制御はできない。
【0003】従来の金属ライナの耐熱温度は1000K
〜1200K程度であるため、ライナがその温度以上に
加熱されるのを防止するのに、燃焼器に供給される空気
量の通常20〜40%を冷却用に用いている。しかしな
がら、近時のガスタービン燃焼器は燃料消費率向上を目
指して設計圧力比の上昇、再生サイクルの採用等により
流入空気温度の高温化が著しく、それに伴い燃焼ガス温
度が上昇しているため、金属ライナを上記耐熱温度以下
に保つにはより多くの冷却空気量が必要となってきてい
る。反面、最近排出ガスの清浄化の要求から燃焼器上流
部分の燃料/空気混合気の希薄化を図る等、燃焼制御に
利用する空気の割合が増大し、その結果タービン入口ガ
ス温度分布調整用空気(希釈空気)量が減少し、したが
って環状通路を流れる冷却空気流速が低減し、ライナ及
び外筒内面を対流冷却する能力が低下している。
【0004】従来のガスタービン燃焼器においては、圧
力噴射弁を採用していたため、燃料粒径が大きく長い火
炎となっており、希釈空気孔からの多量の空気により燃
焼器出口でガス温度分布調整を行なっていた。しかしな
がら、近時は気流微粒化噴射弁の採用により火炎を短く
することが可能となり、燃焼器出口ガス温度分布は主と
して燃焼器上流側の燃焼制御によりほぼ決定される状況
となっている。そのため、最近のガスタービン燃焼器に
おいては下流側での希釈空気量が極端に少なくなってき
ている状況にある。
【0005】また、排出ガス清浄化のため燃料分配供給
法(フューエルステージング)を採用すると、燃料供給
箇所が増すことにより燃焼室断面や長さが増大し、被冷
却ライナー面積が大きくなる。それに伴い必然的に冷却
空気量も多くしなければならない。この壁面近傍の冷却
空気に燃料が混入すると燃焼反応が不完全となり未燃焼
成分排出の原因となる。特に、APU(補助動力装置)
など小型のガスタービンエンジンでは燃焼器ライナの比
表面積(燃焼室容積あたりのライナ面積)が大きいた
め、燃焼ガス量の割に多くの冷却空気を必要とし、未燃
焼成分が排出し易いという問題がある。このAPUは最
近の空港混雑に伴い地上での使用時間が長くなっている
ため、未燃焼の炭化水素や一酸化炭素の排出が各空港で
大きな問題となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、近時の
高圧力比を採用したガスタービン燃焼器では燃焼ガス温
度が高く、ライナ冷却のための多くの冷却空気量を必要
とする反面、有害排出ガス低減対策のため希釈空気が減
少し、かつ冷却空気量の低減が求められている。そのた
め、環状通路を流れる空気流速が低下し、ライナ及び外
筒冷却能力が低下している。換言すれば、高負荷条件で
はライナに高い断熱性が要求されている。また、低負荷
条件での未燃焼排出物の低減にはライナ冷却空気の低
減、即ち燃焼室壁面の高温化が最も効果があるが、金属
ライナを設けた従来のガスタービン燃焼器では、金属ラ
イナの耐熱温度により制限されるという問題点があっ
た。
【0007】本発明は、上記実情に鑑み創案されたもの
であって、燃焼室壁面の温度を従来の金属ライナを用い
たものに比べて格段に上昇させて、燃焼室壁面近傍の燃
焼反応遅延防止が可能となり、未燃焼排出物の低減と燃
焼効率の向上を図ることができ、さらに外筒と燃焼室壁
面間に送給する空気量を従来と比較して格段に低減する
ことができ、燃焼器の小型化と軽量化を図ることができ
る新規な耐熱材壁構造を有するガスタービン燃焼器を提
供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、燃焼効率の
向上及び未燃焼排出物の低減にはライナ冷却空気の低
減、又は燃焼室壁面の高温化が最も効果があることに鑑
み、上記問題点を解決するために種々研究した結果、従
来の金属ライナに代えて1000℃以上、望ましくは1
600〜1800℃の壁面温度に上昇可能な耐熱・断熱
構造を有し、且つ外筒を過熱させることのない新たな耐
熱・冷却構造を着想し、本発明に到達したものである。
【0009】即ち、本発明のガスタービン燃焼器は、燃
焼器外筒内面に燃焼室を包む壁面が非金属系耐熱材によ
り形成されている耐熱材壁を備え、該耐熱材壁内に空気
通路を有し、該空気通路から前記燃焼室内に所要空気を
通過・分配する構造になっていることを特徴とするもの
である。なお、非金属系耐熱材としては、必ずしも非金
属に限らず、耐熱性があり且つ熱伝導率が低く全体とし
て非金属的であればよく、例えば傾斜機能材のように一
部金属を含むものであっても良い。
【0010】前記耐熱材壁としては、軽量で且つ120
0K以上、望ましくは2000K以上の耐熱性があれば
良く、例えばCC材(Carbon-Carbon系材料)を含むセラ
ミック材や多孔もしくは繊維状複合材又は傾斜機能材等
種々の耐熱材料が使用できる。または、燃焼火炎と接す
る燃焼室側壁面に化学蒸着法(CVD)等により例えば
SiC材等で耐熱、耐酸化処理を行なったものが使用で
きる。
【0011】耐熱材壁それ自体があまり通気性を有しな
い材料で構成されている場合は、該耐熱材壁と前記外筒
との間に冷却空気が通過する僅かな隙間もしくは多孔を
設けると共に、該耐熱材壁に前記燃焼室に通じる燃焼制
御用空気通路を形成するのが望ましい。また、前記耐熱
材壁が、繊維強化複合材等それ自体が通気性を有する構
造である場合は、耐熱材壁構造内の空隙が空気通路とな
るので、別個に空気通路を形成しなくても良い。そし
て、前記耐熱材壁が、繊維強化複合材等それ自体が通気
性を有する構造である場合は、燃焼室側壁面を緻密化層
として、該繊維複合材を通過する冷却空気が前記緻密化
層を介して該燃焼室内に僅かつづ滲み出すようにするこ
とが望ましい。
【0012】また、他の冷却構造として、ガスタービン
の回転軸又は燃焼器主軸と平行に構成された多数の板状
支持体を取り付け、該支持体先端部に耐熱材壁部材が燃
焼室壁面を形成するように取り付けた構造を採用し、外
筒と燃焼室壁面を形成する耐熱材壁との間に板状の支持
体で区画された空気通路を形成するようにすることも可
能である。前記支持体もしくは該支持体の先端に取付け
られた耐熱材壁部材を着脱可能に取付けることによっ
て、部分的な損傷に対して簡単に補修する対応が出来、
経済的である。さらに、請求項1〜3記載の構造のガス
タービン燃焼器においても、耐熱材壁を部分的に代替品
と交換できるように着脱可能に形成された同一形状の多
数の耐熱材壁部材で構成すると経済的である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
基に詳細に説明する。図1は、本発明のガスタービン燃
焼器の実施形態を示す。本実施形態では環状燃焼器につ
いて示すが、本発明は環状燃焼器に限らず筒型燃焼器に
ついても適用できる。図中1、1’はそれぞれ環状の外
筒であり、2、2’は従来のライナと外筒間の環状通路
に相当する部分に設置されたセラミック系の耐熱材壁で
あり、例えば2000K以上の耐熱性及び断熱性を有し
ている。該耐熱材壁の内側壁面が従来の金属ライナと同
様に燃焼室3の壁面を構成している。4は燃焼室頭部壁
であり、前記耐熱材壁と同様な材料又は従来のライナと
同様な金属材で形成され、その中央部に図1(b)に示
すように、所定間隔で燃料ノズル5及び空気旋回器6又
は保炎器を有するバーナ7が1個又は複数個配置されて
いる。
【0014】前記耐熱材壁2、2’は、外筒1、1’と
の間に僅かな小間隙通路8、8’を有するように外筒に
取り付けられ、該隙間に僅かな空気を流すことにより外
筒と耐熱材壁の温度上昇を防ぐようにしてある。また、
11、11’は燃焼室3内に空気を送るための空気通路
であり、その燃焼室に向けて開口している空気流入口1
2、12’に連通している。
【0015】本実施形態のガスタービン燃焼器は以上の
ように構成され、前記耐熱材壁はセラミック系で構成さ
れているので、燃焼室壁面の高温化に耐えることができ
る。しかも、断熱性も高いので、燃焼室側壁面の温度は
高くても外筒側の外壁が過熱することがない。
【0016】従来のガスタービン燃焼器50では、図7
に示すように金属ライナ51、51’の冷却構造は、燃
焼ガスからの対流熱伝達流束C1と輻射熱伝達流束R1
受け、環状通路52、52’を通る空気に対流熱伝達流
束C2と主として外筒53、53’への輻射熱伝達流束
2とで熱平衡を維持している。従って、従来の金属ラ
イナにおいては対流熱伝達流束C1を低下させるため
に、膜冷却や複合冷却等種々の冷却構造を適用して、金
属ライナ表面に接触する燃焼ガスの温度を図6(a)に
示すように、ライナの耐熱温度まで冷却している。
【0017】例えば、圧力比40のエンジンの場合に
は、燃焼器流入空気温度は1000K、火炎温度は25
00Kとなる。従って、従来構造の金属ライナでは耐熱
温度が1100〜1300Kであるため、燃焼ガスから
の対流熱伝達流束C1に1000K以上の温度差を作ら
ねばならない。燃焼器流入空気の一部である冷却空気で
この温度差を作り出すには、ライナ燃焼室側壁面に沿う
空気を多量に必要とし、それが低負荷では未燃焼ガスの
排出の原因となっている。また、高負荷条件において従
来のライナ構造の冷却では、例え今後金属材料の進歩に
よりライナの耐熱温度が上昇しても、その分外筒への輻
射熱伝達流束R2が増加するため、外筒の高温化につな
がり安全上の問題が生じ、外筒冷却の対策が必要となっ
てくる。
【0018】これに対し、上記実施形態における断熱構
造では、例えば1900Kの耐熱材壁を用いれば、燃焼
室側の表面温度T1を高くし、比較的小さい燃焼ガスか
らの対流熱伝達流束C1でも燃焼器設計が可能となり、
図6(b)に示すように、耐熱材壁の熱伝導率の小さい
特性から外筒側表面温度T0を低下させることができ、
断熱材に接触する燃焼ガス温度を高くすることができ、
未燃焼成分の排出を押えることができる。
【0019】本発明の上記断熱構造のガスタービン燃焼
器における前記断熱壁面の温度勾配についてさらに検討
すると、固体壁面内の壁単位面積あたりの熱伝導流束は
λΔT/δで表される。ここで、λ、ΔT及びδは、そ
れぞれ熱伝導率、断熱材表裏温度差、及び断熱材厚さで
ある。従って、例えば従来の厚み2mmの金属ライナと厚
さ10mmの本発明による断熱材ライナを通過する熱流束
が同一であるとすると、金属ライナ壁で表裏5Kの温度
差の場合、本実施形態の耐熱材壁では500Kの温度差
を作ることが可能となる。即ち、本発明によれば、燃焼
室側壁面温度をより高く、外筒側壁面をより低く保つこ
とが可能である。
【0020】図2は本発明の他の実施形態に係るガスタ
ービン燃焼器20の要部を示し、前記実施形態と同様な
構成については同じ引出符号を用いて表して説明を省略
し、特徴点のみを詳細に説明する。
【0021】本実施形態では耐熱材壁21、21’に
は、耐熱温度が少なくとも900K以上の耐熱性のある
炭素繊維やセラミック繊維等の非金属繊維を、冷却空気
が流通可能に不織状又は編網状あるいは織布状に形成し
てなる非金属繊維複合材を採用し、燃焼室に面する側で
は耐熱1800K以上の非金属耐熱材で直接燃焼室壁面
を構成してある。該耐熱材壁21は外筒に固着され、燃
焼室壁面を構成する境界領域は緻密構造層22、22’
にし、より耐熱性を高めるために、その表面を化学蒸着
法(CVD)等によって耐熱・酸化処理を行なうのが好
ましい。
【0022】上記実施形態によれば、耐熱材壁21、2
1’自体が繊維状構造で通気性を有するので、該耐熱材
壁に冷却空気を流すことにより、空気は大きな圧力損失
を生じることなく燃焼室内に滲み出して、燃焼のコント
ロールや燃焼室壁面の適度の冷却を行なうことができ
る。従って、緻密構造層22の緻密度を適宜選択するこ
とによって、燃焼室に滲みだす空気量を適宜コントロー
ルすることができる。また、燃焼室壁の前部と後部の緻
密度を適宜選択することによって、燃焼室の前部と後部
に滲みだす空気量を適宜コントロールすることもでき
る。また、耐熱材壁を繊維状複合材は、軽量であり、且
つ衝撃に強く剥がれや割れが生じにくいという利点があ
る。なお、燃焼室への空気噴射が必要な場合は、前記実
施形態と同様に、耐熱材壁内に別個に空気通路を設けて
空気を供給するようにすることも可能である。
【0023】図3は本発明に係るガスタービン燃焼器の
さらに他の実施形態を示している。本実施形態のガスタ
ービン燃焼器30では、外筒31、31’に流れに沿っ
て板状の支持体32、32’を適宜間隔で平行に設け、
該支持体の先端部にセラミック等の耐熱材からなる同一
形状の長尺状の耐熱壁部材33、33’を燃焼器主軸と
平行に燃焼室入口側からノズル部に延び且つ互いに近接
させて取り付けて、多板保持耐熱構造の耐熱材壁35、
35’を構成している。支持体32、32’の取付構造
としては、例えば図4に示すように、外筒31、31’
の内面に軸線方向に沿って蟻溝状の取付溝36を形成
し、支持体の基部37を該蟻溝状の取付孔に嵌合する形
状に形成することにより、耐熱材壁を外筒31に着脱可
能に取り付けることができる。
【0024】該実施形態において、支持体32、32’
間に沿って空気を流すことにより、空気は燃焼ガスによ
って過熱される断熱部材33、33’から熱伝導を外筒
に伝えることを防ぐことができ、かつ耐熱壁部材33、
33’の隙間あるいは小孔より適宜燃焼室内に冷却空気
を滲みださせることができる。また、この構造は燃焼器
の高温化に伴って外筒等が熱膨張変形した場合、図5
(a)に示すように、耐熱壁部材33、33’の間隔が
開いて燃焼室内へ流入する壁面冷却用空気の増加をもた
らし、熱膨張変形を補償する自動冷却空気調整機能を合
わせもつ。また、断熱ライナを構成する耐熱壁部材等に
部分的な割れや損傷が発生した場合にはその耐熱壁部材
部分だけ取り替える互換性をもたすことができる。
【0025】以上、本発明のガスタービン燃焼器の種々
の実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に
限るものでなく、その技術的思想の範囲内で種々の設計
変更が可能である。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本願発明のガスタービン
燃焼器は、従来の金属ライナに代えて非金属耐熱材によ
って耐熱材壁を構成しているため、燃焼室壁の耐熱性を
従来の金属ライナの1000K〜1200Kに比べ飛躍
的に向上させることができる。その結果、燃焼室壁面温
度を1200K以上、望ましくは1800〜2050K
に保つことができ、壁面近傍での燃焼反応を遅延させる
ことがない。したがって、炭化水素や一酸化炭素等の未
燃焼排出物を飛躍的に低減することができる。さらに、
冷却空気量を削減できるので、その分の空気を希薄燃焼
に使うことができ、窒素酸化物NOxの発生も低減する
ことができる。
【0027】そして、必要な空気量のみを耐熱材壁その
ものから、あるいは内部に特別に設けた空気通路により
燃焼器の必要部分に必要量だけ供給することができ、燃
焼効率の向上が図られ、且つ燃焼器の小型化と軽量化を
図ることができる。また、従来ガスタービンの部材の中
で最も耐久性に懸念のあった金属ライナを用いずに非金
属系の耐熱材を用いるので、変形や損傷が少なく、且つ
熱膨張係数も金属に比べて格段に小さいので変形による
疲労も考慮する必要がない。
【0028】さらに、非金属系耐熱材壁の熱伝導率が金
属と比べて格段に小さいので、燃焼室壁面側が高温にな
っても外筒壁面側は低温を維持することができ、燃焼室
壁面側の高温化に伴う外筒の輻射過熱を防止することが
できる。燃焼ガスは耐熱材壁面での過度の冷却がないた
め、タービン入口ガス温度分布の半径方向均等化がはか
り易い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスタービン燃焼器の実施形態を示
し、(a)はその軸方向断面模式図であり(b)のA’
−A’断面図に相当し、(b)は(a)のA−A断面矢
視図である。
【図2】本発明のガスタービン燃焼器の他の実施形態を
示し、(a)はその軸方向断面模式図であり(b)の
B’−B’断面図に相当し、(b)は(a)のB−B断
面矢視図である。
【図3】本発明のガスタービン燃焼器のさらに他の実施
形態を示し、(a)はその軸方向断面模式図であり
(b)のC’−C’断面図に相当し、(b)は(a)の
C−C断面矢視図である。
【図4】図3に示すガスタービン燃焼器の要部斜視図で
ある。
【図5】図3に示すガスタービンの耐熱ライナの機能説
明図で、(a)は外筒が過熱して耐熱壁部材が開いてい
る状態、(b)は冷却流を増加させて通常状態に復帰し
た状態をそれぞれ示している。
【図6】図1に示す本発明のガスタービン燃焼器と従来
のガスタービン燃焼器のライナの伝熱状態を示す模式図
であり、(a)は従来例、(b)は本発明のガスタービ
ン燃焼器の場合を示す。
【図7】金属ライナを有する従来のガスタービン燃焼器
の伝熱構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1、1’、31、31’ 外筒 2,2’、21、21’、35、35’ 耐熱材壁 3 燃焼室 7 バーナ 8、8’ 小間隙
通路 10 ガスタービン燃焼器 11 空気通
路 12 空気流入口 10、20、30 ガスタービン燃焼器 22、22’ 緻密構造層 32、32’ 支持体 33、33’ 耐熱壁部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼器外筒内面に燃焼室を包む壁面が非
    金属系耐熱材により形成されている耐熱材壁を備え、該
    耐熱材壁内に空気通路を有し、該空気通路から前記燃焼
    室内に所要空気を通過・分配する構造になっていること
    を特徴とするガスタービン燃焼器。
  2. 【請求項2】 前記耐熱材壁がセラミック材からなり、
    該耐熱材壁と燃焼器外筒との間に燃焼制御用空気を通過
    させる通路を設けると共に、該耐熱材壁を冷却するため
    の小隙間通路を形成してなることを特徴とする請求項1
    記載のガスタービン燃焼器。
  3. 【請求項3】 前記耐熱材壁が繊維強化複合材からな
    り、燃焼室側に露出する壁面が緻密化された緻密構造層
    に形成され、繊維強化複合材を通過する冷却空気が前記
    緻密構造層の間隙もしくは細孔から燃焼室内に滲み出す
    ようにしたことを特徴とする請求項1記載のガスタービ
    ン燃焼器。
  4. 【請求項4】 前記燃焼器外筒と前記耐熱材壁との間
    が、ガスタービンの回転軸又は燃焼器主軸と平行に構成
    された多数の板状支持体からなる流れ通路を形成してい
    る請求項1のガスタービン燃焼器。
  5. 【請求項5】 前記耐熱材壁が多数の耐熱材壁部材に分
    割され、該耐熱材壁部材が前記板状支持体の先端に支持
    されて耐熱材壁を構成している請求項4記載のガスター
    ビン燃焼器。
  6. 【請求項6】 前記耐熱材壁が部分的に代替品と交換で
    きるように着脱可能に形成された同一形状の多数の耐熱
    材壁部材で構成されている請求項1記載のガスタービン
    燃焼器。
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