JPH10137502A - 多成分混合物の分別蒸留方法 - Google Patents

多成分混合物の分別蒸留方法

Info

Publication number
JPH10137502A
JPH10137502A JP31421696A JP31421696A JPH10137502A JP H10137502 A JPH10137502 A JP H10137502A JP 31421696 A JP31421696 A JP 31421696A JP 31421696 A JP31421696 A JP 31421696A JP H10137502 A JPH10137502 A JP H10137502A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
fraction
column
receiver
fractionation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31421696A
Other languages
English (en)
Inventor
英正 ▲鶴▼田
Hidemasa Tsuruta
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP31421696A priority Critical patent/JPH10137502A/ja
Publication of JPH10137502A publication Critical patent/JPH10137502A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 1基の連続蒸留塔を用いて多成分系混合物の
分別蒸留を効率よく遂行する。 【構成】 原料液を沸点の順に複数のステップにより分
留するために1基の連続蒸留塔を時限分割して使用す
る。各分留ステップ毎に所定の供給液に対して得られる
留出液は所定の留分受器に、一方対応する釜出液は釜液
中間受器の1つに収納した上で次回の供給液として使用
する。以下同様に分留ステップを繰り返して全工程を終
了する。必要により1部の前記分留ステップの終了時
に、あるいは隣接する2つの留分の間に留出する中間留
分を準備された受器に一時貯え次回の原料液に混合使用
する。 【効果】 従来の複数の連続塔を使用する場合に比較し
て設備費の大幅な低減が可能。回分塔では得難い性能の
実現。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は化学工業の分野で多用
される沸点の異なる多成分の揮発性物質の混合物を分別
蒸留(以下分留と称す)して所定の純度を持つ各留分に
分離する蒸留操作に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の技術について、例えば、a,b,
c,d,eの5成分からなる原液の混合物を分留する際
の標準的な連続式蒸留塔を使う例を図2に、又回分式蒸
留塔を使う例を図3に示す。
【0003】a,b,c,d,eの各成分は、その順に
沸点が高い(即ち同一温度下では蒸気圧が低い)ものと
する。これは通常揮発度の高低順序としても定義される
ものである。
【0004】図2に於て、原液a+b+c+d+eは、
まず第1塔の塔体1の中段に適当に定められた供給段に
送られ、塔頂部4よりは最も揮発度の高い成分a(実際
には必ずしも100%のaである事は有り得ず、aを主
成分とする留分であるが、簡単のためaと記述する。)
が留出し、コンデンサ−5で凝縮して第1留分として留
分受器10へ導かれる。一方aより揮発度の低い他の4
成分混合物b+c+d+eは塔底部3に集められて釜液
として排出される。この排出液は引続き第2塔の中段に
原液として供給され、塔頂からはbが留出して留分受器
11に、塔底からはc+d+eが排出され、第3塔の供
給原液となる。この様にして順次、第3塔、第4塔の塔
頂からは、それぞれc,dが留出して留分受器12,1
3に、各塔底からはそれぞれd+e及びeが釜液として
収得される。
【0005】以上の説明は、原液中の5つの成分が沸点
の順に夫々分離されて逐次4つの留分と釜液とに導かれ
るケ−スについて述べた。しかしながら目的によっては
各成分が各留分に1対1で対応するとは限らず、例え
ば、第1留分がa+b、第2留分がc、釜液がd+eと
いったケ−スもあり得る。さらに図4のように第2塔で
塔頂よりb+c,塔底よりd+eを収得し、第3塔では
第2塔の釜出液d+eを留分dと釜液eに分け、第2塔
の塔頂液b+cを第4塔で留分bと釜液cに分取するよ
うなケースもある。
【0006】さて以上のように5成分からなる混合物
を、各々の成分a,b,c,d,eに沸点順に分留する
には4基の連続蒸留塔を必要とする。一般的には釜液も
含めてMケの留分数からなる混合物を、揮発度の順にM
ケに分留するためには、M−1基の連続塔が必要であ
る。しかしながらこの4基或いはM−1基は、理論上の
最少数であり、実際には設計上の都合や運転の制御性の
難易により、それ以上の基数を必要とすることは珍しく
ない。
【0007】図3は回分式蒸留塔の例であって、図2と
同様に沸点順にa,b,c,d,eの5留分の混合物の
分留を行う例を示す。この時は、原液a+b+c+d+
eの一定量を塔底部(釜)3に仕込み、リボイラ−7に
よって釜液を加熱する。発生する蒸気は塔体1の内部を
通過する際に分留され、塔頂部4よりは先ず揮発度の最
も高い成分aが留出し、コンデンサ−5で液化して第1
留分となり留分受器10に導かれる。やがて釜液中のa
は消滅してb+c+d+eに変化するが、続いて次の揮
発度の成分bが塔頂部4よりコンデンサ−5をへて第2
留分となり留分受器11に導かれる。以下同様に塔頂4
より第3留分c,第4留分dが留出し、それぞれ留分受
器12,13へと収納され釜液はeと変化する。この際
も各成分と各留分との関係は前記の連続塔と同じであ
り、目的に応じて各留分には各成分が適宜分配される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上従来の方法に於て
説明した通り、多成分系混合物を所定の組成をもつ各留
分に分留する場合に、留分数Mに対応して少なくともM
−1基の塔を必要とする連続式蒸留法は、留分数Mに無
関係に1塔で済む回分式蒸留塔にくらべて設備費等の面
で劣ると考えられる。特に最近の一つの傾向である多品
種少量生産を行う場合においては、1塔でしかも多目的
に対応可能な回分式蒸留塔は原理的に甚だ有利である。
しかし実際にはこの回分方式があまり普及しない理由
は、回分塔が連続塔に比較して持つ以下(1)〜(4)
の短所によるものとされる。
【0009】(1)連続塔に於ては、原液の供給段から
上部を濃縮段、下部を回収段と称するが、一般的には一
定の還流比Rの下で1理論段数当りの分離効果は、濃縮
段に対するよりも回収段に対するそれの方が大きい。回
分塔は、連続塔における供給段の位置を塔底部の位置ま
で下げたものと解釈され回収段が存在しない。即ち塔体
の全域が濃縮段に相当する。従って回分塔では、同じ理
論段数Nで同じ還流比Rをもってしても分離性能に対す
る効果は連続塔程には期待できない。
【0010】(2)回分塔では、塔内に滞留する保持液
量の存在が留出液組成の変化遅れにつながり、各留分が
切替わる際の精密な分離を阻害する。この傾向は留分数
が増加し個々の留分について、その留出量が塔内保持液
量と同程度に近付くに連れて顕著に表れて、収得される
留分の純度は低下せざるを得ない。
【0011】(3)回分塔に於て高い分離性能を得るに
は、連続塔に比較してより大きな理論段数(即ち高い塔
体)と、大きな還流比R(即ち塔体内部の大きな上昇蒸
気量と降下液量)を必要とする。そのため大きな塔断面
積が要求され、塔内容物の容積増加、即ち保持液量の増
加につながり、これは逆に前記のごとき分離性能の低下
をもたらす。従ってこの矛盾を断ち切るには、塔体の保
持液に比べて塔へ仕込む釜液量を増やすことで、1回当
りに留出する各留分、特に少量留分の量を塔内保持液量
に比較して十分大きく取る方法以外にない。このために
1バッチ分の仕込量が増加して運転時間を増大させるこ
とになる。しかしながら数日間にわたる仕込量を持つ巨
大な仕込釜を持つ回分塔を計画するということは、法規
的,設置場所,建設費等の面で難題となろう。
【0012】(4)以上の他、釜への大量の仕込液は運
転中長時間に亙り釜液を高温沸騰状態に保つことにな
り、熱的に変質の恐れのある成分が存在する原液の処理
には減圧下の回分式蒸留塔の使用をもっても限界があ
る。
【0013】本発明は、以上のような回分式蒸留塔の欠
点を回避しつつ、その効果を取り入れた連続塔による1
塔による多成分混合物の分留方式を提供することを課題
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願の発明者は種々模索
の結果、必要な留分数に応じて多数基の連続塔により構
成される従来の分留方法を改め、連続蒸留塔1基を用い
るのみで各留出ステップを逐次時限分割的に使用する方
法で代替することを発想し本発明を完成した。
【0015】即ち本発明は、可変の供給段により濃縮部
と回収部とに分割される連続蒸留塔を用いて多成分混合
物の分留を行う方法に於て、1基の塔とそれに付属する
所定の各留分受器10,11,12,13、釜液受器
8、および少なくとも2つの釜液中間受器14,15よ
りなる分留物の取得手段を備えた設備を用いて所定量の
原液を分留するさいに、まず第1分留ステップでは一定
量の供給液F1を塔1の所定段に供給して所定の操作条
件下において分留を行い、塔頂部4よりコンデンサー
5,還流比調節器6を経て得られる最初の留出液、即ち
第1留分D1は第1の留分受器10に収納し、同時に塔
底部3より得られる最初の釜液W1は第一番目の釜液中
間受器14に収納し、続く第2分留ステップでは前記釜
液14にある液W1を次の供給液F2として再び塔1の
次の所定段に送り、それに適した操作を条件下で分留を
行い、第1ステップと同様に得られた第2留分D2は、
第2の留分受器11に収納し、同時に得られる第2の釜
液W2は、第1ステップで使用した釜液中間受器14と
は別に準備されている空の釜液中間受器15に送って収
納し、以下同様に第3分留ステップは前記釜液中間受器
15にあるW2を次の供給液F3として扱って塔1に送
り、第3留分D3は次の留分受器に、釜液W3はその時
点では再び空の釜液中間受器14に送る等の操作を行
い、以下必要に応じて所定の分留操作を繰り返して原液
を処理して各留分を収納すると共に、最終の釜液は釜残
受器8に取得することを特徴とする多成分混合物の分留
法に関するものである。
【0016】本発明は、さらに分留方法において、ある
i 番目の留分ステップを終って次の(i +1)番目のス
テップに移るさいに、Wi をFi +1として使用する代
わりに一時釜液受器8に収納しておき、すでに他の留分
受器または釜液受器に収納済みの液をFi +1に向ける
ことを特徴とする多成分混合物の分別蒸留法に関するも
のである。
【0017】本発明は更に上記「0015」,「001
6」において、各分留ステップ毎に所期の目標の成分組
成を持つ留分をそれぞれの留分受器に収納して行くさい
に、互いに留出順位が隣接する2つの留分の間に必要に
より中間留分を設けて、例えば留分受器13を中間留分
受器13として使用すること、および必要により各分留
ステップが終了し、次のステップに移る前に液の供給を
絶ったまま塔底部3への加熱を続け、上昇する蒸気によ
り塔1内部にある保持液のうち、揮発度の高い成分を塔
頂部4より留出させ前記同様に中間留分受器13に収納
すること、かくて全蒸留工程が終了したのち、これ等中
間分留受器13にある液を次に処理すべき原液に合体し
て回収利用することを特徴とする多成分混合物の分別蒸
留法に関するものである。
【0018】
【作用】次に本発明の一実施態様の概略を示す図1を用
いてさらに本願を詳細に説明する。
【0019】図1は、従来技術の説明の際に用いた図2
のフローシートと同様の例を用いてこれに対応させなが
ら、a+b+c+d+eの5成分を含む原液を各々の成
分毎の留分に分別する場合を示す。塔1は所要の理論段
数を有する塔であって、供給液を流量調節弁CV1を経
て流量開閉弁V2,3,4等を選択することによってそ
の都度可変の供給段に送る連続式精留塔である。一般の
連続式蒸留塔と大きく異なる点は、塔自体の構造よりも
その周辺の受器群の数と分留物の取得手段である。即ち
逐次分留ステップ毎に発生する釜液を一時貯留する、少
なくとも2槽の釜液中間受器14,15を備えている点
と、それを一時的にまたは最終的に受け入れる釜液受器
8及び各留出液を受け入れ留分受器10,11,12,
13を有する点とである。この受器の数は留分数Mに応
じた数が必要であり、本例では4基設置されている。し
かし留出液の受入れ手段は、必ずしも図1の様に配管で
固定されている必要はないが、各留分がその受器に至る
間に相互に混入して純度を低下させることを防ぐ手段は
必要である。
【0020】さて先ず原液は原液配管16から原液槽9
に一定量蓄えられ、これを1バッチとして処理する。ま
ず原液は第1分留ステップとして連続的に流量開閉弁V
1を経て液送ポンプ21によって送液され、流量調節弁
CV1によって所定値に調節され、続いてV2,V3,
V4のうちいづれかに指定された流量開閉弁を経て所定
の原液供給段から蒸留塔内に供給される。原液は蒸留理
論若しくは経験によって定められた還流比Rの下で連続
蒸留され、最初にaを主成分とする留分が、塔頂部4よ
りコンデンサ−5,還流比調節器6を経て流量開閉弁V
7を通り留分受器10に貯留される。この間塔底部3の
釜液はb+c+d+eからなるが、V5によって液面調
節され、排出液は空の状態にある釜液中間受器14又は
15のどちらか一方に全量受け入れられる。(本例では
受器14とする)なお必要により釜液の冷却と供給液の
予熱とを兼ねて液々熱交換器23を使用したり、塔への
供給液をさらに所定温度まで加熱する予熱器22を設け
ることは常法、公知の手段に属する。なお原液の貯槽は
必ずしも原液槽9を設ける必要はなく、当初空である釜
液中間受器14又は15の何れかであっても良い。かく
て原液の無くなった時点で、第1分留ステップは終了
し、塔底部3の残液はV6を開に切り替えて全量7に排
出される。
【0021】次に第2分留ステップとして、釜液中間受
器14に貯留されたb+c+d+e成分からなる混合液
が、適当な供給段から塔1に供給され、目標とする純度
を得るのに適した還流比等の操作条件下にbを主成分と
する留分が次の受け入れ手段である流量開閉弁V9より
留分受器11に貯留される。一方b成分を失って塔底部
3に流下したc+d+e成分はV5及び最終的にはV6
を通って当面空となっている釜液中間受器15に貯留さ
れる。
【0022】同様に第3分留ステップとして、釜液中間
受器15に貯留されたc+d+e成分の混合液はcが主
留分として留分受器12に、塔底液はd+e留分とな
り、空となっている釜液中間受器14に収納される。
【0023】最後の第4段階として、釜液中間受器14
のd+e成分が前段階とほぼ同様にして分留に付され、
d成分が主留分として留分受器13に収得され、釜残で
あるe成分は釜液中間受器とは別に設けられた釜液受器
8に収納される。
【0024】この様にしてa+b+c+d+eの5成分
は、1操業単位量毎に、ただ1基の連続塔を各分留ステ
ップに応じて時限分割的に使用することにより、4基の
連続塔を使用した場合とほぼ同様の分離効率を以てa,
b,c,dの4分留液成分とeの釜液とに分離さて操作
が行われる。
【0025】なお釜液中間受器14,15は成分数に関
係無く最低2基あれば良いが、3基以上を用いて清掃用
等に余裕を持たせることは何等差支えない。また必要に
より塔頂蒸気と原液(供給液)との熱交換(図示せず)
によって熱効率を上げることも可能である。
【0026】釜液中間受器14,15に至る釜液が液々
熱交換器23のみでは冷却不十分で液が滞留する間に成
分が熱変質等を受ける恐れのあるときは、さらに冷却器
(図示せず)を設けて釜液を冷却貯蔵することが必要で
ある。この様な手段により原液中に熱的に不安定な成分
が存在する際にも、蒸留中に高温に曝される時間は塔体
内容物2と塔底部3の保持液量に見合った滞留時間です
み、通常の回分式蒸留塔の欠点を排除できる。
【0027】以上は分留プロセスが図2に示すように沸
点順に留出する留分を逐次相当する分留受器に収得する
プロセスに対応した本発明の作用についてであった。本
発明の作用については前記図2のように、あるステップ
i の供給液Fi が留出液Di と釜液Wi に分離された
後、次のステップ(i +1)の供給液Fi +1に供せら
れるのはWi に限定されるのみでなく、必要によりすで
に収納されているそれ以前のDまたはWの選択も可能で
ある。例えば図4に示したような4塔による操作も受け
入れることは容易である。そのためには各留分受器10
〜13及び釜液受器8に収納されている液を必要に応じ
て送液ポンプ21の吸引側へ結ぶ配管(図示せず)を準
備するのみでよい。
【0028】次に図1のプロセスを実施するさいに遭遇
する2,3の問題とこれを解決する方法を述べる。
【0029】塔体1の内部に設置される気液接触のため
の塔体内容物2は、通常用いられる多孔板トレイあるい
は不規則または構造形充填物等が適宜選択使用される。
これ等は塔が正常に作動している間には、一定量の保持
液(ホルドアップ)を持ち、これがその場所での上昇蒸
気と降下液との気液接触の場となる。塔1が連続,定常
的運転しているさいには上記保持液の液組成は安定に保
たれ、塔頂付近では留出物に近く、塔底付近では塔底液
に近い。各ステップの終了後にこの保持液の一部はその
まま塔内に残留するが、一部は塔底部3に流下し塔底液
に合併し、次の分留ステップの供給液に混入する。この
ような状況下では前回の留出物Di の主組成の一部は保
持液として残り、または次回の供給液Fi +1に混入す
ることになり、これは次の留出液Di +1に混入しその
留分の純度の低下につながることは避けられない。
【0030】本発明を実施するさいに上記のごとく分留
ステップi が終了したさいに塔の保持液が次の分留ステ
ップi +1の留出物Di +1に混入してその純度の低下
を起こす恐れのあるさいには、以下のような手順により
その影響を排除することができる。即ち分留ステップi
が一応終了した時点でFi の送液は停止されゼロとなる
が、塔底部3よりの流量開閉弁V5は引続き閉の状態を
続け、V15は開より閉にスイッチされる。リボイラー
7およびスチーム流量調節弁CV2はそのまま作動を続
け、塔頂の還流比もそのまま保たれる。かくて塔体1と
塔底部3はその時点より暫くは機能的には連続塔より回
分塔へ変更される。留出物はそれまで使われていた留分
受器(例えば11)への流入は停止し、代わりに予め用
意されていた中間留分受器(例えば13とする)に切替
えられる。その後留出が進む間、塔内保持液に含まれて
いる揮発性成分は次第に追い上げられて留出し、塔頂部
付近の温度は次第に上昇するが、次の分留ステップi +
1で予想される留出温度付近に到達した時点で、この分
留ステップi は完全に終点に達したと判断し、塔底部3
に残留する釜液はV6を閉より開に切り替えて全量排出
して分留ステップi は終了する。
【0031】このようにして中間留分受器13に収納さ
れた液は、他の分留ステップにおいて同様の手段で得ら
れた保持液も合体し次回まで待機する。回収された中間
留分受器13の合併液は回収液ライン17より原液槽9
に送られ、原液配管16よりの新しい仕込液と合体して
処理されるので分留による損失はほとんど生じない。以
上のような塔内保持液を処理する方法は、本発明の重要
な作用の1つである。これは図3の通常の回分蒸留にお
いて、各々の留分受器(たとえば10,11,12)の
他に中間留分受器(例えば13)を設けて1回のバッチ
蒸留操作が終了するまでに各中間留分を貯えておき、こ
れを次回の仕込に繰越し使用する方法に相当する。
【0032】次に本発明を実施するさいに必要なプロセ
スコントロールに関して概略説明する。本発明は、準備
された原液をあらかじめ設定された各分留ステップ毎の
仕様に従って、逐次塔1に供給液Fとして送り、留出液
Dと釜出液Wを得ることの繰り返しにより、全分留ステ
ップを終了する方法に関するものである。このさい各ス
テップi はそれぞれ分離のための目標が設定されてい
る。即ち各々の供給液Fi については、その流量と成分
組成、また留出液Di と釜出液Wi には組成目標が定め
られ、これによって各々のFi ,Di ,Wi を構成する
各成分について物質収支が定まる。この与えられた各ス
テップ毎の目標に対応して、共通してまず塔の理論段数
Nが定められ、続いてそれ等を満足するための運転操作
のパラメーターとして次の3点セットの決定が必要であ
る。
【0033】(1)供給液Fi の塔への供給位置 図1に示すように塔1の塔頂部4と塔底部3の間に適当
に数カ所のノズルと流量開閉弁V2〜V4等を設けられ
ており、その中より各分留ステップi に応じて1点を選
択して開放とする。
【0034】(2)還流比Ri (還流液量/留出液量) 図1には各分留ステップi に応じて外部よりタイマーに
より還流比Ri に相当する信号を還流比調節器6に送
り、コンデンサー5よりの降下液を塔頂への還流と留出
へ分配する方法を示している。
【0035】(3)塔内上昇蒸気速度Vi 図1にはリボイラー7に供給される蒸気量を、FIC−
2とCV2を用いて所定値に合致することでVi を調節
する方式が示されている。その他塔頂部4と塔底部3の
圧力差を検出し、これをVi に連動させて所定値になる
ようにCV2を制御することも可能である。以上は各分
留ステップi において、そのさいのFi に対するDi,
Wiが流量、成分組成の面ですべて固定されている場合
について、その条件をFIC−1,FIC−2およびR
i に対する還流比調節器6等の設定を所定値に保つこと
により、分離目標を達成する方式である。
【0036】以上とは別に原液の供給量と組成がその都
度変化し、そのため各分留ステップi の供給液Fi の量
及び組成が変動する場合においても得られる留出液Di
と釜排液Wi の組成を当初の目標に保つ工夫が必要とな
る場合がある。さのさいには図1に示すように塔内上下
に点在する温度センサー tc1,tc2 ・・・・tc4 等の
中より適宜選択してTIC−1において温度を検出して
これを所定値に保つようにFIC−1の流量を制御した
り、あるいはタイマーより還流比調節器6に適当な還流
比Ri を伝達する方法をとるのが一般である。
【0037】
【発明の効果】本発明は上記の様に構成されているの
で、以下のごとき効果を奏する。
【0038】(1)多成分混合物の分留に1基の蒸留塔
を準備するのみで済み、同一の性能仕様を得るのに多く
の塔を必要とした従来の連続蒸留方式に比べて設備費が
格段に少なくなる。また設置面積も少ない。
【0039】(2)しかも分留には連続蒸留方式を採用
するので回分式蒸留塔の分離効率に関わる前記各種の欠
点が回避される。
【0040】(3)各分留ステップは、連続操作である
ので作業条件が一定であり安定し易く且つ熱効率も良
く、回分式蒸留に勝る。
【0041】(4)回分式蒸留のように釜液を全蒸留時
間中長く高温に曝すことを要しないので、塔内の僅かの
滞留液に見合った短い滞留時間以外は低温下に待機させ
ることができ、熱安定性に問題のある様な成分を含む原
液の蒸留にも有利に対応できる。
【0042】(5)連続蒸留に付随する有利性をそのま
ま受け継ぐほか、従来の欠点であった原液量と組成と分
留物の組成仕様の大幅な変更に対する追従難を克服して
広く対応できる。これにより多目的蒸留装置としても有
利に役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様を示す流れ図である。
【図2】従来の連続式蒸留装置の標準的な流れ図を示
す。
【図3】従来の回分式蒸留装置の標準的な流れ図を示
す。
【図4】従来の連続式蒸留装置における図2とは異なる
流れ図を示す。
【符号の説明】
1 連続蒸留塔または塔体 2 塔体内容物 3 塔底部 4 塔頂部 5 コンデンサ− 6 還流比調節器 7 リボイラ− 8 釜液受器 9 原液槽 10 留分受器 11 留分受器 12 留分受器 13 留分受器(中間留分受器の場合もある) 14 釜液中間受器 15 釜液中間受器 16 原液配管 17 回収液ライン 18 スチ−ム配管 19 スチ−ム配管 20 冷却水配管 21 送液ポンプ 22 予熱器 23 液々熱交換器 V1 乃至 V20 流量開閉弁 CV1 乃至 CV3 流量調節弁 TIC−1,TIC−2 温度調節器 FIC−1,FIC−2 流量調節器 tc1 乃至 tc4 温度センサー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変の供給段により濃縮部と回収部とに
    分割される連続蒸留塔(以下塔と称す)を用いて多成分
    混合物の分別蒸留(以下分留と称す)を行う方法に於
    て、1基の塔とそれに付属する所定の各留分受器10,
    11,12,13、釜液受器8、および少なくとも2つ
    の釜液中間受器14,15よりなる分留物の取得手段を
    備えた設備を用いて所定量の原液を分留するさいに、ま
    ず第1分留ステップでは、一定量の供給液F1を塔1の
    所定段に供給して所定の操作条件下において分留を行
    い、塔頂部4よりコンデンサー5,還流比調節器6を経
    て得られる最初の留出液(以下留分と称す)、すなわち
    第1留分D1は第1の留分受器10に収納し、同時に塔
    底部3より得られる最初の釜残排出液(以下釜液と称
    す)W1は第1番目の釜液中間受器14に収納し、続く
    第2分留ステップでは前記14にある液W1を次の供給
    液F2として再び塔1の次の所定段に送り、それに適し
    た操作を条件下で分留を行い、第1ステップと同様に得
    られた第2留分D2は第2の留分受器11に収納し、同
    時に得られる第2の釜液W2は第1ステップで使用した
    釜液中間受器14とは別に準備されている空の釜液中間
    受器15に送って収納し、以下同様に第3分留ステップ
    は、前記釜液中間受器15にあるW2を次の供給液F3
    として扱って塔1に送り、第3留分D3は次の留分受器
    に、釜液W3はその時点では再び空の釜液中間受器14
    に送る等の操作を行い、以下必要に応じて所定の分留操
    作を繰り返して原液を処理して各留分を収納すると共
    に、最終の釜液は釜液受器8に取得することを特徴とす
    る多成分混合物の分別蒸留法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、あるi 番目の留分ス
    テップを終って次の(i +1)番目のステップに移るさ
    いに、Wi をFi +1として使用する代わりに一時釜液
    受器8に収納しておき、すでに他の留分受器または釜液
    受器に収納済みの液をFi +1に向けることを特徴とす
    る多成分混合物の分別蒸留法。
  3. 【請求項3】 請求項1にまたは請求項2において、各
    分留ステップ毎に所期の目標の成分組成を持つ留分をそ
    れぞれの留分受器に収納して行くさいに、互いに留出順
    位が隣接する2つの留分の間に必要により中間留分を設
    けて中間留分受器13に収納すること、および必要によ
    り各分留ステップが終了し、次のステップに移る前に液
    の供給を絶ったまま塔底部3への加熱を続け、上昇する
    蒸気により塔1内部にある保持液のうち、揮発度の高い
    成分を塔頂部4より留出させ中間留分受器13に収納す
    ること、かくて全蒸留工程が終了したのち、これ等中間
    分留受器13にある液を次に処理すべき原液に合体して
    回収利用することを特徴とする多成分混合物の分別蒸留
    法。
JP31421696A 1996-11-11 1996-11-11 多成分混合物の分別蒸留方法 Pending JPH10137502A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31421696A JPH10137502A (ja) 1996-11-11 1996-11-11 多成分混合物の分別蒸留方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31421696A JPH10137502A (ja) 1996-11-11 1996-11-11 多成分混合物の分別蒸留方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10137502A true JPH10137502A (ja) 1998-05-26

Family

ID=18050689

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31421696A Pending JPH10137502A (ja) 1996-11-11 1996-11-11 多成分混合物の分別蒸留方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10137502A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003022389A1 (fr) * 2001-09-10 2003-03-20 Kansai Chemical Engineering Co., Ltd. Dispositif de distillation et procede de distillation mettant en oeuvre ledit dispositif

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003022389A1 (fr) * 2001-09-10 2003-03-20 Kansai Chemical Engineering Co., Ltd. Dispositif de distillation et procede de distillation mettant en oeuvre ledit dispositif

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2523099C (en) Distillation method
AU762235B2 (en) Intergrated deethanizer/ethylene fractionation column
Skogestad et al. Multivessel batch distillation
CN101980758B (zh) 用于制备烯烃的分批法和系统
CN1326586C (zh) N,n-二甲基乙酰胺的纯化
CA2605570A1 (en) Separation process
JPS5883089A (ja) 蒸留装置
CA2390014A1 (en) Hydraulically balanced fully thermally coupled system
JP2000334201A (ja) 比較的高い融点を有する材料の蒸留による連続的単離
KR20160052416A (ko) 증류 장치
US4308131A (en) Method of improving thermal efficiency of sidedraw fractionating columns
EP1608447A1 (en) Low capital implementation of distributed distillation in ethylene recovery
CN1309439C (zh) 混合物的温和蒸馏分离方法
US2104310A (en) Method of fractionation
JPH10137502A (ja) 多成分混合物の分別蒸留方法
US20070154616A1 (en) Wort boiling method and apparatus
AU668771B2 (en) Process for separating hydrocarbon mixtures by extractive distillation
JP3069833B2 (ja) 多成分混合物の分留方法
RU2002724C1 (ru) Способ одновременного получени чистого бензола и чистого толуола
JPH07136403A (ja) バッチ法による蒸留分離を実施する方法
WO2004071618A1 (en) Dividing wall column control system
US2729588A (en) Operating a reboiler system for fractionating absorber-stills which comprises separately introducing vapors and liquid from the reboiler into the still and mixing absorbed vapors vaporized from the still bottoms with the liquid before its introduction into the still
JP4220345B2 (ja) 塔頂蒸気と塔底部液を用いた熱交換装置及びその熱交換方法
KR0141364B1 (ko) 탄화수소혼합물의 추출증류에서의 정제물의 가공방법
CN113861038A (zh) 二环己胺隔板塔精制工艺

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060405

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060509

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060707

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080408