JPH10137258A - マイクロ波手術器 - Google Patents

マイクロ波手術器

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JPH10137258A
JPH10137258A JP8313097A JP31309796A JPH10137258A JP H10137258 A JPH10137258 A JP H10137258A JP 8313097 A JP8313097 A JP 8313097A JP 31309796 A JP31309796 A JP 31309796A JP H10137258 A JPH10137258 A JP H10137258A
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microwave
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Kouichi Wakikaidou
孝一 脇海道
Suminori Kitada
澄典 北田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 手術電極の表面温度を低下させるとともに、
強度を増大する。 【解決手段】 中心電極5を棒状の中心体8と中心体8
の外周の中心外層体9とにより構成し、中心外層体9及
び接地電極3を中心体8より電気抵抗率の低い金属によ
り構成し、かつ、中心体8を中心外層体9より高硬度の
金属により構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波により
生体組織の凝固,止血を行なうマイクロ波手術器に関
し、さらに詳しくは、生体組織の深部における病変組織
の凝固,止血等の手術治療を行なうマイクロ波手術器に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、生体の深部における病変組織を治
療する場合、生体を深部まで開腹して治療する方法が採
られるが、この場合、生体の開腹により出血等多くの危
険を伴なうとともに、手術が大掛かりとなり、しかも、
術後の回復が長期化する不都合を伴なう。
【0003】また、開腹せずに治療を行なう方法とし
て、生検鉗子等を用いる方法がある。即ち、体外から生
検穿刺外套管を通して生検鉗子等を体内の深部に挿入
し、腹腔鏡検査または超音波検査のもとで手術治療を行
なう。しかしこの場合、開腹せずに所定の治療が行なえ
る反面、生検鉗子等による穿刺孔の止血が極めて困難で
ある。
【0004】そこで、実公平1−19934号公報(A
61B 17/36)に記載のマイクロ波手術器が開発
された。同手術器を図4及び図5を参照して説明する。
【0005】それらの図において、1はコネクタであ
り、マイクロ波発振部に接続された可撓性の同軸ケーブ
ルに接続される。2はコネクタ1に支持され,体外より
皮膚を貫通して生体組織の深部に刺入される細長い経皮
的体内深部用手術電極、3は手術電極2の外部導体とな
る管状の接地電極、4は接地電極3の芯部に設けられ,
先端部が接地電極3の先端より導出された管状のマイク
ロ波絶縁体、5は絶縁体4の芯部に設けられ,先端部が
絶縁体4の先端より導出された棒状の中心電極、6は中
心電極5の先端部に固着されたマイクロ波照射部であ
り、先端には鋭利な円錐状の尖頭7が形成され、中心電
極5のマイクロ波照射部6より2450MHzのマイク
ロ波が照射されるようになっている。
【0006】そして、超音波検査のもとで、手術電極2
を体外の皮膚表面より或いは実質臓器の表面より直接的
に穿刺して生体組織の深部の病変組織に刺入し、マイク
ロ波を照射すると、マイクロ波照射部6と接地電極3の
先端部との間に、紡錘状のマイクロ波電界が形成され、
マイクロ波電界により生体組織に発生する誘電熱によ
り、深部の病変組織が止血,凝固されて壊死し、所定の
手術治療が行なわれる。
【0007】なお、従来は、接地電極3にSUS30
4、絶縁体4にテフロン、中心電極5にリン青銅が用い
られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の前記マイクロ波
手術器の場合、手術電極2の刺入部の皮膚等に火傷が発
生するため、冷水,氷片等により冷却せねばならず、手
数が煩雑であるという問題点がある。
【0009】また、中心電極5の強度が弱いと、接地電
極3とマイクロ波照射部6との間の部分の中心電極5が
折れるという問題点がある。
【0010】一方、手術電極の表面温度の低下と、手術
電極の曲げ強度及び2450MHzのマイクロ波に対す
る整合状態との間には、何れかを改良しようとすると、
他の条件に不具合を生じるという問題点がある。
【0011】本発明は、前記の点に留意し、手術電極の
表面温度を低下させるとともに、手術電極の強度が増大
し、かつ、インピーダンスの整合状態が改善されるマイ
クロ波手術器を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、生体組織に挿入される管状の接地電極
と、前記接地電極の芯部に設けられ,先端部が前記接地
電極の先端より導出された管状の絶縁体と、前記絶縁体
の芯部に設けられ,先端部のマイクロ波照射部が前記絶
縁体の先端より導出されて前記絶縁体の先端部とともに
生体組織に挿入される棒状の中心電極とからなる手術電
極を備えたマイクロ波手術器において、前記中心電極を
棒状の中心体と該中心体の外周の中心外層体とにより構
成し、前記中心外層体及び前記接地電極を前記中心体よ
り電気抵抗率の低い金属により構成し、かつ、前記中心
体を前記中心外層体より高硬度の金属により構成したも
のである。
【0013】従って、中心電極が中心体と中心外層体と
により構成され、中心外層体が中心体より電気抵抗率が
低い金属により構成されているため、表皮効果により高
周波電流を電気的特性の良好な中心外層体に流すことが
でき、発熱が少なく、手術電極の表面温度を低下させる
ことができ、手術電極の刺入部の火傷を防止でき、か
つ、中心体が中心外層体より高硬度の金属により構成さ
れているため、強度の要求される中心電極の強度を増大
させることができ、さらに、インピーダンスの整合状態
が改善される。
【0014】つぎに、接地電極を筒体と該筒体の外周の
接地外層体とにより構成し、前記接地外層体を前記筒体
より電気抵抗率の低い金属により構成することにより、
手術電極の発熱をより低下させることができる。
【0015】また、中心外層体ないしは接地外層体を、
中心体ないしは筒体にコーティングにより形成したもの
である。
【0016】さらに、中心外層体及び接地電極または接
地外層体が、銀,銅,金,アルミニウム,黄銅,ニッケ
ル,すずまたはクロムの少なくとも1種以上から構成し
たものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図1及び
図2を参照して説明する。それらの図において、図4及
び図5と同一符号は同一もしくは相当するものを示す。
【0018】(形態1)形態1を示した図1において、
図5と異なる点は、つぎの通りである。図5の中心電極
5が、棒状の中心体8と、中心体8の外周の中心外層体
9とにより構成され、中心体8が中心外層体9より高硬
度の金属により構成され、中心電極5の強度が増大され
ている。
【0019】かつ、中心外層体9及び接地電極3が、中
心体8より電気抵抗率の低い金属により構成され、中心
電極5の高周波電流を電気的特性の良好な金属に流し、
発熱が少なくなっている。
【0020】(形態2)形態2を示した図2において、
図1と異なる点は、つぎの通りである。図1の接地電極
3が、筒体10と、筒体10の外周の接地外層体11と
により構成され、接地外層体11が筒体10より電気抵
抗率の低い金属により構成され、接地電極3の高周波電
流を電気的特性の良好な金属に流すようになっている。
【0021】前記形態1及び形態2において、中心外層
体9及び接地外層体11は、中心体8及び筒体10に、
メッキ,塗装等のコーティングにより形成するほか、両
者を嵌合により一体にしてもよい。
【0022】〔実施例〕本発明における電気抵抗率の低
い金属、即ち中心外層体9,接地電極3または接地外層
体11の金属としては、銀,銅,金,アルミニウム,黄
銅,ニッケル,すず,クロム等から構成され、これら金
属の少なくとも一種以上から構成されているのが望まし
い。
【0023】また、中心体8の高硬度の金属としては、
優れた硬さをもつ工具鋼のほか、リン青銅であってもよ
い。
【0024】つぎに、実験結果について説明する。従来
例として、中心電極5にリン青銅、絶縁体4にテフロ
ン、接地電極3にSUS304を用い、照射条件として
60W,60sec通電したところ、181.8℃に上
昇し、生体と接触する外套管の表面は、図3の白丸に示
すように、100℃程度であり、電極刺入部に火傷を生
ずる。
【0025】一方、本発明例として、中心電極5の中心
体8に工具鋼のSK5、中心外層体9に銀メッキ、絶縁
体4にテフロン、接地電極3に黄銅を用い、同じ照射条
件60W,60sec通電したところ、98.5℃にし
か上昇せず、従来例の半分近くまで下げることができ、
外套管の表面は、図3の白丸に示すように、70℃弱程
度であり、従来例の3〜4割低減させることができ、電
極刺入部の火傷を防止できる。
【0026】また、接地電極3に黄銅などの銅合金を用
いることにより、生体に対する懸念がある場合は、接地
電極3として、筒体10に黄銅、接地外層体11に金な
どのメッキ層を用いればよく、この場合、温度をさらに
下げることができる。
【0027】なお、中心電極5に工具鋼のSK5、接地
電極3に黄銅を用いた場合、30秒程度で200℃以上
に上昇した。
【0028】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載する効果を奏する。中心電極5
を棒状の中心体8と中心体8の外周の中心外層体9とに
より構成し、中心外層体9及び接地電極3を中心体8よ
り電気抵抗率の低い金属により構成し、かつ、中心体8
を中心外層体9より高硬度の金属により構成したため、
表皮効果により高周波電流を電気的特性の良好な中心外
層体9に流すことができ、発熱が少なく、手術電極の表
面温度を低下させることができ、手術電極の刺入部の火
傷を防止でき、かつ、中心体8が中心外層体9より高硬
度の金属により構成されているため、手術電極の強度を
増大させることができ、さらに、インピーダンスの整合
状態を改善することができる。
【0029】また、接地電極3を、筒体10と筒体10
の外周の接地外層体11とにより構成し、接地外層体1
1を筒体10より電気抵抗率の低い金属により構成する
ことにより、より発熱を低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aは本発明の形態1の一部の断面図、BはAの
切断側面図である。
【図2】Aは本発明の形態2の一部の断面図、BはAの
切断側面図である。
【図3】中心電極先端からの距離と外套管表面の温度の
関係図である。
【図4】従来例の全体の正面図である。
【図5】Aは図4の一部の断面図、BはAの切断側面図
である。
【符号の説明】
3 接地電極 4 絶縁体 5 中心電極 6 マイクロ波照射部 8 中心体 9 中心外層体 10 筒体 11 接地外層体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体組織に挿入される管状の接地電極
    と、 前記接地電極の芯部に設けられ,先端部が前記接地電極
    の先端より導出された管状の絶縁体と、 前記絶縁体の芯部に設けられ,先端部のマイクロ波照射
    部が前記絶縁体の先端より導出されて前記絶縁体の先端
    部とともに生体組織に挿入される棒状の中心電極とから
    なる手術電極を備えたマイクロ波手術器において、 前記中心電極を棒状の中心体と該中心体の外周の中心外
    層体とにより構成し、 前記中心外層体及び前記接地電極を前記中心体より電気
    抵抗率の低い金属により構成し、 かつ、前記中心体を前記中心外層体より高硬度の金属に
    より構成したことを特徴とするマイクロ波手術器。
  2. 【請求項2】 接地電極が筒体と該筒体の外周の接地外
    層体とにより構成され、 前記接地外層体を前記筒体より電気抵抗率の低い金属に
    より構成したことを特徴とする請求項1記載のマイクロ
    波手術器。
  3. 【請求項3】 中心外層体ないしは接地外層体が、中心
    体ないしは筒体にコーティングにより形成されたことを
    特徴とする請求項1または請求項2記載のマイクロ波手
    術器。
  4. 【請求項4】 中心外層体及び接地電極または接地外層
    体が、銀,銅,金,アルミニウム,黄銅,ニッケル,す
    ずまたはクロムの少なくとも1種以上から構成されるこ
    とを特徴とする請求項1,2または請求項3記載のマイ
    クロ波手術器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013005484A1 (ja) 2011-07-07 2013-01-10 山科精器株式会社 双極式針型マイクロ波手術器

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WO2013005484A1 (ja) 2011-07-07 2013-01-10 山科精器株式会社 双極式針型マイクロ波手術器

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