JPH10135773A - 弾性表面波装置ならびにその製造方法 - Google Patents

弾性表面波装置ならびにその製造方法

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JPH10135773A
JPH10135773A JP28401396A JP28401396A JPH10135773A JP H10135773 A JPH10135773 A JP H10135773A JP 28401396 A JP28401396 A JP 28401396A JP 28401396 A JP28401396 A JP 28401396A JP H10135773 A JPH10135773 A JP H10135773A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐電力性に優れ、簡便に安定して製造するこ
とのできる高周波用の弾性表面波装置を提供する。 【解決手段】 サファイヤ(0001)基板1上に、
(111)方位に強く配向したAlあるいはAl系合金
からなるくし形電極膜2が形成され、くし形電極膜2を
覆ってZnO圧電薄膜3が形成されている。くし形電極
膜2が(111)方位に配向しているため結晶粒が最密
充填構造をとり、くし形電極膜2に印加されるSAWの
振動によるAl原子が結晶粒界を通って拡散する現象を
防ぐため、ストレスマイグレーション耐性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性表面波(SA
W:Surface Acoustic Wave)装
置ならびにその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】弾性表面波(SAW)を利用したフィル
タやレゾネータ等の弾性表面波装置が、移動体通信用を
はじめとして広く用いられている。弾性表面波装置(S
AWデバイス)は、SAWを伝搬させる圧電基板と、こ
の上にアルミニウム(Al)またはAl系合金がくし形
に微細加工されたくし形電極膜(インターディジタル電
極)と、前記くし形電極膜を覆う圧電薄膜とにより構成
される。SAWデバイスの中心周波数f0は、弾性表面
波の伝搬速度(音速)をv、電極ピッチをλ/4とする
と、f0=v/λによって求められる。したがって、中
心周波数f0の高周波化のためにはくし形電極膜を微細
に加工し電極ピッチを狭小化する方法と、圧電基板に高
音速基板材料を用いる方法がある。圧電基板に高音速基
板材料を用いたSAWデバイスとして、サファイヤ基板
上に酸化亜鉛(ZnO)膜を成膜したものが提案されて
いる。
【0003】SAWデバイスに高い電力の信号が入力さ
れると、弾性表面波による圧電基板の振動によってくし
形電極膜が大きな応力を受け、Al原子が移動する、い
わゆるストレスマイグレーション現象が発生することが
知られている。この現象が発生すると、電気的短絡、挿
入損失の増大、Q値の低下などのSAWフィルタ特性の
劣化が起こる。このストレスマイグレーション現象の発
生頻度はSAWフィルタの高周波化とともに増大するた
め、SAWフィルタの高周波化に対する大きな障害にな
っている。ストレスマイグレーション耐性、すなわちS
AWデバイスの耐電力性をあげるために、くし形電極膜
の電極材料には、アルミニウム(Al)に銅(Cu)や
シリコン(Si)、チタン(Ti)、パラジウム(P
d)等を微量添加したAl合金が用いられている。添加
元素濃度が高くなるにつれくし形電極膜の耐電力性は向
上するが、挿入損の増大、電極加工時におけるエッチン
グ残査などの問題が生じるため高濃度の添加は望ましく
ない。
【0004】上述した高周波SAWデバイスにおけるく
し形電極膜のストレスマイグレーション現象対策とし
て、特開平3−40510号公報には、サファイヤ
【0005】
【外1】 基板と、前記基板上に蒸着法により成膜した(311)
方位の単結晶Al膜のくし形電極膜と、ZnO膜の圧電
薄膜とから成るSAWデバイスが提案されている。この
従来の弾性表面波装置は、多結晶構造のAlをくし形電
極膜に用いたSAWデバイスに比ベると、優れたストレ
スマイグレーション耐性を有する。
【0006】一方、特開平4−75183号公報には、
SAWデバイスのストレスマイグレーション現象および
LSI配線のエレクトロマイグレーション現象対策とし
て、膜厚が1〜500オングストロームのチタン、バナ
ジウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅およびイットリウ
ムの金属下地膜上に形成された(111)の一軸配向構
造を有するAlあるいはAl系合金による配線によりく
し形電極膜を形成するSAWデバイスが提案されてい
る。この従来の弾性表面波装置も、多結晶構造のAlを
くし形電極膜に用いたSAWデバイスに比ベると、優れ
たストレスマイグレーション耐性を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の弾性表
面波装置では、下記のような問題点があった。 (1) サファイヤ
【0008】
【外2】 基板上に蒸着法により成膜した(311)方位の単結晶
Al膜によるくし形電極膜とZnOからなる圧電薄膜と
からなるSAWデバイスにおいては、サファイヤ
【0009】
【外3】 基板上に(311)方位の単結晶Al膜を形成するのが
難しいため、製造歩留まりが極めて低い。 (2)金属下地膜上に形成された(111)の一軸配向
構造を有するAlあるいはAl系合金によるくし形電極
膜を有するSAWデバイスにおいては、そのくし形電極
膜の製造にあたっては、AlあるいはAl系合金の他に
下地金属を成膜するための手段が必要となり、成膜装置
が大きくなってしまう。
【0010】本発明の目的は、ストレスマイグレーショ
ン耐性つまり耐電力性に優れ、かつ簡便に安定して製造
することのできる高周波用の弾性表面波装置を提供する
ことである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の弾性表面波装置は、サファイヤ(000
1)からなる基板上に(111)方位に配向した、Al
またはAl系合金からなるくし形電極膜が形成され、前
記くし形電極膜が酸化亜鉛(ZnO)からなる圧電薄膜
により覆われている。
【0012】本発明は、くし形電極膜が(111)方位
に配向したAlまたはAl系合金により形成され、結晶
粒が最密充填構造をとることにより、印加されたSAW
の振動によりくし形電極膜のAl原子が結晶粒界を通っ
て拡散する現象を防ぐようにしたものである。
【0013】したがって、ストレスマイグレーション耐
性を向上することができる。
【0014】また、本発明の弾性表面波装置の製造方法
は、サファイヤ(0001)からなる基板上に(11
1)方位に配向した、AlまたはAl系合金からなるく
し形電極膜が形成され、前記くし形電極膜が酸化亜鉛
(ZnO)からなる圧電薄膜により覆われた弾性表面波
装置の製造方法において、前記基板を化学エッチングし
た後、前記くし形電極膜をイオンビームスパッタ法によ
り形成することを特徴とする。
【0015】本発明は、6回対称であるサファイヤ(0
001)面を基板として使用し、くし形電極膜を形成す
る材料であるAl(111)の対称性と整合するように
したものである。
【0016】したがって、基板上に(111)方位のA
l膜を容易に形成することができる。
【0017】また、Alの成膜に先立っ基板を化学エッ
チングするため、基板表面上に存在する結晶構造の乱れ
た表面変質層を除去することができ、単結晶または配向
性の高いAl膜を容易に形成できるようにしたものであ
る。
【0018】また、被成膜物質原子の基板ヘのエネルギ
ーが高いイオンビームスパッタ法により基板上にAl膜
を堆積するため、基板面上でのマイグレーションが促進
されち密な膜形成が行えるようにしたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0020】図1は本発明の一実施形態の弾性表面波装
置の断面構造を示す概略図である。本実施形態の弾性表
面波装置は、サファイヤ(0001)基板1と、サファ
イヤ(0001)基板1の上に形成され(111)方位
に強く配向したAlあるいはAl系合金からなるくし形
電極膜2と、くし形電極膜2を覆って形成されるZnO
圧電薄膜3とで構成される。ZnO圧電薄膜3はサファ
イヤ(0001)基板1上においても、またくし形電極
膜2上でも、(0001)方位の配向膜あるいは単結晶
膜となる。
【0021】ストレスマイグレーション現象は、くし形
電極膜2に印加されるSAWの振動によってAl原子が
結晶粒界を通って拡散する現象であるから、くし形電極
膜2の結晶粒が最密充填構造、すなわち(111)面が
揃った配向構造をとる方が、他の方位の配向構造よりも
ストレスマイグレーション現象に対して強い。
【0022】したがって、くし形電極膜2の材料とし
て、(111)方位の配向膜あるいは単結晶膜を用いれ
ばよい。
【0023】本実施形態では、サファイヤ(0001)
基板1上に(111)方位に強く配向したAl膜による
くし形電極膜2を形成しているため、SAWデバイスの
ストレスマイグレーション耐性を高めることができる。
【0024】次に、本実施形態の弾性表面波装置の製造
方法について説明する。
【0025】本実施形態の弾性表面波装置の製造方法は
下記の条件を必要とする。
【0026】(1)圧電基板としては
【0027】
【外4】 方位ではなく(0001)方位のサファイヤ基板を用い
ることが必要である。
【0028】これは一般に、単結晶や配向性の高い金属
膜を形成するためには、金属膜の成長方位に適した単結
晶基板が必要であるからである。結晶表面の対称性を考
えると、サファイヤ(0001)面は6回対称であり、
Al(111)の対称性と整合する。これに対して、サ
ファイヤ
【0029】
【外5】 面は2回対称であるためにAl(111)の形成には適
当でない。
【0030】(2)Alの成膜に先立ってサファイヤ
(0001)基板1を化学エッチングすることが必要で
ある。これは、サファイヤ単結晶基板表面上には、研磨
工程などが原因となって、結晶構造の乱れた表面変質層
が存在するからである。単結晶本来の結晶構造を持つ生
の格子面はこのような表面変質層で覆われた状態となっ
ているために、何らかの前処理を行い、表面変質層を除
去しないと、単結晶または配向性の高いAl膜を形成す
るのは難しい。サファイヤ(0001)基板1の化学エ
ッチングは、フッ酸やバッファードフッ酸を用いること
が望ましい。
【0031】(3)イオンビームスパッタ法により化学
エッチングしたサファイヤ(0001)基板1上にAl
膜を堆積することが必要である。それは、イオンビーム
スパッタ法は、蒸着法や通常のDCあるいはRFスパッ
タ法に比ベ、被成膜物質原子の基板ヘのエネルギーが高
く、このために基板面上でのマイグレーションが促進さ
れち密な膜形成が行えるため、サファイヤ(0001)
基板上ヘの(111)方位のAl膜形成が容易にできる
ためである。
【0032】(111)配向性の高いAlあるいはAl
系合金膜の形成には、上述した3つの条件、すなわち、
(1)化学エッチングした、(2)サファイヤ(000
1)基板上に、(3)イオンビームスパッタ法で成膜す
る、が必要であり、ひとつの条件でも満たされなけれ
ば、配向性の高いAl(111)膜を形成することはで
きない。
【0033】次に具体的な製造方法について述べる。
【0034】まず、化学エッチングを行うため10%フ
ッ酸水溶液にサファイヤ(0001)基板1を30秒間
浸漬する。フッ酸の濃度は10〜50%の範囲にあれ
ば、浸漬時間を適宜調整することによってサファイヤ
(0001)基板1表面層のエッチングを行うことがで
きる。エッチング液としてはフッ酸に限定されるもので
はなく、バッファードフッ酸やフッ酸と他の酸との混合
液であってもよい。 化学エッチングが終了したら、純
水によりサファイヤ(0001)基板1を洗浄し、乾燥
させる。以上の前処理を行ったサファイヤ(0001)
基板1を図2のイオンビームスパッタ装置に導入し、A
lあるいはAl系合金をくし形電極膜2として形成す
る。
【0035】イオンビームスパッタ装置は、カウフマン
型のイオン源11と、水冷された銅ブロック上に固定さ
れたアルミニウムあるいはアルミニウム系合金(Al−
2wt%Cu合金やAl−1wt%Si−0.5%Cu
合金等)のターゲット12と、サファイヤ(0001)
基板1をマウントした基板ホルダー13と、基板ホルダ
ー13を保持する基板ホルダーステージ14と、サファ
イヤ(0001)基板1上に成膜されたAl膜の結晶性
を評価するためのRHEED(Reflection
High Energy Electron Diff
raction:反射高速電子線回折)電子銃15と、
蛍光スクリーン16と、クライオポンプ17と、ゲート
バルブ18とにより構成される。イオン源11は、マス
フローコントローラ19を通して図示してないガスボン
ベよりアルゴンガスが供給される。イオン源11に供給
されるガスとしては、アルゴンに限定されるものではな
く、キセノン、クリプトン等の希ガスであっても同様な
効果を得られる。
【0036】イオンビームスパッタ法によるAlあるい
はAl系合金膜の典型的な作製条件を表1に示す。
【0037】
【表1】 作製されたAl系合金膜の結晶性は、RHEEDならび
にX線回折(XRD:X−ray Diffracti
on)によって評価することができる。サファイヤ(0
001)基板1上に成膜したAlあるいはAl系合金膜
をフォトリソグラフィにより加工し、サファイヤ(00
01)基板1上に一定周期の電極幅と電極間隔を持つイ
ンターディジタル型のくし形電極膜2を形成する。そし
て、マグネトロンスパッタによりくし形電極膜2の上か
らサファイヤ(0001)基板1上にZnO膜を成長さ
せることによりZnO圧電薄膜3を形成し、所望の中心
周波数、帯域幅を持つSAWフィルタが作製できる。
【0038】上記の方法により作製されたSAWフイル
タの耐電力性は、特開平3−48511号公報に記載さ
れているシステムおよび方法により評価した。すなわち
図3に示すように、信号発生器21の出力信号をパワー
アンプ22により電力増幅し、その出力を恒温槽23の
中に入れられたSAWフィルタ24に印加する。そし
て、SAWフィルタ24の出力はパワーメータ25に入
力されてレベル測定されるとともに、パワーメータ25
の出力はコンピュータ26を介して信号発生器21へフ
ィードバックされ、信号発生器21の周波数をコントロ
ールして印加信号の周波数が常に伝送特性のピーク周波
数となるようにしている。以下の実施例では、+30d
Bm(1W)の電力を印加し、恒温槽23の温度は85
℃として劣化を加速した。SAWフィルタ24の寿命
は、下記のように定義する。試験前のSAWフィルタ2
4の出力をP0、試験開始から時間t経過後のSAWフ
ィルタ24の出力をP(t)とすると、初期値より1.
0dB低下した時点、すなわち、 P(t)≦P0−1.0(dB) となったときをSAWフィルタの寿命と定義した。
【0039】
【実施例1】異なる方位のサファイヤ基板について、フ
ッ酸による化学エッチングを行った後、イオンビームス
パッタ法を用いて100nmのAl−0.5wt%Cu
膜を作製し、RHEEDならびにXRDにより膜の結晶
性を調ベた。用いたサファイヤ基板は、
【0040】
【外6】 面、
【0041】
【外7】 面、(0001)面、
【0042】
【外8】 面であるが、サファイヤ(0001)基板上においての
み(111)に強く配向したAl−0.5wt%Cu膜
が得られた。その他の方位のサファイヤ基板面上には、
多結晶膜しか得られなかった。特開平3−40510号
で(311)方位の単結晶Al膜が得られるとされてい
るサファイヤ
【0043】
【外9】 基板上にも多結晶膜しか得られなかった。なお、本実施
例では、Al−0.5wt%Cu膜について調ベたが、
純Al膜あるいはAl−2.0wt%Cu合金膜、Al
−1.0wt%Si−0.5wt%Cu合金膜でも全く
同じ結果であった。
【0044】
【実施例2】サファイヤ(0001)基板について、基
板の化学エッチングを行った基板と化学エッチングを行
なわなかった基板とを同一の基板ホルダーにマウント
し、イオンビームスパッタ法により、50nmのAl−
1.0wt%Cu膜を作製し、その配向性をRHEED
ならびにXRDにより調ベた。化学エッチングを行った
サファイヤ(0001)基板上には(111)に強く配
向した膜が得られたが、化学エッチングを行わなかった
基板上では配向性のない多結晶膜しか得られなかった。
【0045】
【実施例3】化学エッチングを行ったサファイヤ(00
01)基板に、電子ビーム蒸着法、DCスパッタ法、イ
オンビームスパッタ法により100nmの純Al膜を作
製し、結晶性をXRDにより評価した。イオンビームス
パッタ法において作製した場合にのみ(111)に強く
配向したAl膜が得られた。電子ビーム蒸着法、DCス
パッタ法で作製したAl膜は多結晶であった。
【0046】
【実施例4】化学エッチングしたサファイヤ(000
1)基板上にイオンビームスパッタ法により(111)
配向を持つAl−2.0wt%Cu膜(膜厚50nm)
を作製した。この膜をフォトリソグラフィにより加工
し、0.4μmの電極幅、電極問距離を持つインターデ
ィジタル型のくし形電極膜を作製した後、2μmのZn
O圧電薄膜を反応性スパッタ法により成膜し、中心周波
数2.4GHzのSAWフィルタを作製した。そして、
このSAWフィルタの耐電力寿命を図3に示した印加電
力試験評価システムにより調ベた。寿命の定義は前述し
たとおりである。比較例として、化学エッチングを行わ
ずイオンビームスパッタ法により作製した多結晶のAl
膜によるくし形電極膜を有するSAWフィルタについて
も同様な評価を行った。印加電力試験評価システムの恒
温槽の温度を85℃、印加電力を1Wとしたとき、(1
11)配向を示すくし形電極膜のSAWデバイスの耐電
力寿命は500時間であるのに対し、多結晶のくし形電
極膜のSAWデバイスの耐電力寿命はわずか5分間であ
り、化学エッチングを行ったことにより6000倍の耐
電力性を示すことがわかった。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、下記の
ような効果を有する。 (1)大きな電力が印加されてもストレスマイグレーシ
ョン現象の発生を抑制できるため、高周波対応の高耐電
力SAWデバイスを提供することができる。 (2)下地金属膜にAlあるいはAl系合金以外の成膜
手段が不要であるために、大きな成膜装置を必要とせ
ず、製造工程、製造装置を簡素にすることができる。 (3)形成することが難しい(311)方位の単結晶A
l膜を必要としないため、製造歩留まりが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の弾性表面波装置の断面構
造を示す概略図である。
【図2】図1の弾性表面波装置を製造する際に用いるイ
オンビームスパッタ装置の構造図である。
【図3】図1の弾性表面波装置の耐電力試験評価システ
ムのブロック図である。
【符号の説明】
1 サファイヤ(0001)基板 2 くし形電極膜 3 ZnO圧電薄膜 11 イオン源 12 ターゲット 13 基板ホルダー 14 基板ホルダーステージ 15 RHEED電子銃 16 蛍光スクリーン 17 クライオポンプ 18 ゲートバルブ 19 マスフローコントローラ 21 信号発生器 22 パワーアンプ 23 恒温槽 24 SAWフィルタ 25 パワーメータ 26 コンピュータ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サファイヤ(0001)からなる基板上
    に(111)方位に配向した、アルミニウム(Al)ま
    たはアルミニウム系合金からなるくし形電極膜が形成さ
    れ、前記くし形電極膜が酸化亜鉛(ZnO)からなる圧
    電薄膜により覆われた弾性表面波装置。
  2. 【請求項2】 サファイヤ(0001)からなる基板上
    に(111)方位に配向した、アルミニウム(Al)ま
    たはアルミニウム系合金からなるくし形電極膜が形成さ
    れ、前記くし形電極膜が酸化亜鉛(ZnO)からなる圧
    電薄膜により覆われた弾性表面波装置の製造方法におい
    て、前記基板を化学エッチングした後、前記くし形電極
    膜をイオンビームスパッタ法により形成することを特徴
    とする弾性表面波装置の製造方法。
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